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JP2012027651A - 車両駐車評価システム及び車両駐車評価プログラム - Google Patents

車両駐車評価システム及び車両駐車評価プログラム Download PDF

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JP2012027651A JP2010165135A JP2010165135A JP2012027651A JP 2012027651 A JP2012027651 A JP 2012027651A JP 2010165135 A JP2010165135 A JP 2010165135A JP 2010165135 A JP2010165135 A JP 2010165135A JP 2012027651 A JP2012027651 A JP 2012027651A
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直樹 三浦
Toshinori Takeuchi
鋭典 竹内
Noriyasu Onishi
徳靖 大西
Tsuneaki Ito
経明 伊藤
Satoru Shimada
哲 島田
Satoru Harumoto
哲 春本
Yasuyuki Ito
靖之 伊藤
Masaru Kano
勝 鹿野
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Abstract

【課題】車両の運転者に対して駐車場内における省燃費運転に対する意識向上を適切に促すことができる車両駐車評価システム、及び車両駐車評価プログラムを提供する。
【解決手段】車両を駐車させるための複数の駐車区画を保有する施設に対して、当該施設における全ての駐車区画を包含する一かたまりの領域である駐車施設領域を地図データ33に基づいて設定する駐車施設領域設定手段15と、車両の実走行に基づいて、駐車施設領域に進入してから退出するまでの車両の燃料消費量に関連する指標である実燃料消費指標を取得する実燃料消費指標取得手段16と、駐車施設領域内における基準となる燃料消費量に関連する指標である基準燃料消費指標を取得する基準燃料消費指標取得手段17と、基準燃料消費指標に対する実燃料消費指標の割合に基づいて、省燃費運転に関する評価を示す評価値を取得する評価値取得手段18と、を備えた車両駐車評価システム100。
【選択図】図1

Description

本発明は、駐車場内における運転操作が省燃費の観点から見て適切であったか否かを評価する車両駐車評価システム、及び車両駐車評価プログラムに関する。
近年、車両の運転者の運転技術の向上を図るため、或いは、環境保護及び車両の燃費向上に対する意識の向上を図るため、運転者による各種の運転操作を評価して、運転技能或いは省燃費運転に関する評価結果を運転者に対して通知する車両運転評価装置が実用化されている。そのような車両運転評価装置の一例として、例えば下記の特許文献1には、駐車場内における車両の駐車操作を評価してその評価結果を通知する車両駐車評価装置が記載されている。
この特許文献1に記載された車両駐車評価装置は、自車両が駐車すべき駐車区画を検出する周囲状況検出手段と、駐車区画に対する自車両の位置又は駐車姿勢を検出する自車状態検出手段と、を備え、駐車区画に対する自車両の位置又は駐車姿勢に基づいて評価手段が駐車操作を評価し、報知手段がその評価結果を報知する。或いは、自車両に隣接する隣接車両を検出する周囲状況検出手段と、隣接車両との離間距離を検出する自車状態検出手段と、を備え、離間距離に基づいて評価手段が駐車操作を評価し、報知手段がその評価結果を報知する。これらの車両駐車評価装置では、駐車区画に対する自車両の位置又は駐車姿勢や、隣接車両との離間距離を車両の運転者に意識させることにより、駐車区画に対して車両を駐車させるための技能の向上を促すことができる。
一方、環境保護及び車両の燃費向上に対する意識の高まりを受けて、運転者に対して燃料消費率に優れた省燃費運転操作を促すことが可能な省燃費運転支援装置も実用化されている。例えば下記の特許文献2には、運転者によるアクセル操作やブレーキ操作、エアコンディショナ(エアコン)操作等の運転操作を評価して、その評価結果に基づくアドバイス文を表示するように構成された省燃費運転支援装置が記載されている。
特開2007−216809号公報 特開2008−163781号公報
しかし、特許文献1に記載された車両駐車評価装置は、駐車場内で駐車区画内に車両を駐車させる際の車両操作、すなわち運転技能に関する評価のみを行うものであった。また、特許文献2に記載された省燃費運転支援装置は、基本的に一般道及び自動車専用道路における通常走行時における省燃費運転に関する評価のみを行うものであった。すなわち、駐車場内における省燃費運転を適切に評価してその評価結果を通知することが可能なシステムは、これまで知られていない。例えば、少しでも利便性の良い駐車区画に車両を駐車させようとして駐車場内を走行する距離が長くなると、燃料を無駄に消費することにつながり、一方、空いた駐車区画に短い走行距離で車両を駐車させることは、燃料の消費が抑えられた好ましい運転であると言えるが、このような観点から省燃費運転の評価を行うシステムは知られていない。そのため、駐車場内における省燃費運転に対する意識向上に関しては、これまで適切に促すことができていなかったというのが実情である。
そこで、車両の運転者に対して駐車場内における省燃費運転に対する意識向上を適切に促すことができる車両駐車評価システム、及び車両駐車評価プログラムの実現が望まれる。
本発明に係る車両駐車評価システムの特徴構成は、車両を駐車させるための複数の駐車区画を保有する施設に対して、当該施設における全ての前記駐車区画を包含する一かたまりの領域である駐車施設領域を地図データに基づいて設定する駐車施設領域設定手段と、車両の実走行に基づいて、前記駐車施設領域に進入してから退出するまでの車両の燃料消費量に関連する指標である実燃料消費指標を取得する実燃料消費指標取得手段と、前記駐車施設領域内における基準となる燃料消費量に関連する指標である基準燃料消費指標を取得する基準燃料消費指標取得手段と、前記基準燃料消費指標に対する前記実燃料消費指標の割合に基づいて、省燃費運転に関する評価を示す評価値を取得する評価値取得手段と、を備えた点にある。
なお、本願では、「駐車区画」とは、車両を駐車させるために区画された車両一台分のスペースを意味する。
上記の特徴構成によれば、複数の駐車区画を保有する施設を車両で訪れる際に、当該施設に対して駐車施設領域を設定すると共に、その駐車施設領域内における基準燃料消費指標に対する実燃料消費指標の割合に基づいて、省燃費運転に関する評価を示す評価値を取得することができる。そして、取得された評価値に基づいて、駐車場内における省燃費運転がどの程度適切に行なわれているかを車両の運転者に対して客観的に知らせることができる。従って、車両の運転者に対して駐車場内における省燃費運転に対する意識向上を適切に促すことができる車両駐車評価システムを提供することができる。
ここで、前記地図データは、複数の前記駐車区画が集合して形成される駐車場の位置情報を含み、前記駐車施設領域が、前記駐車場の位置情報に基づいて、前記施設が保有する一又は二以上の前記駐車場の全てを包含する、予め定められた外形を有する最小面積の領域となるように設定されている構成とすると好適である。
この構成によれば、地図データの一部を構成する駐車場の位置情報を利用して、駐車施設領域を簡易に設定することができる。その際、駐車施設領域は、施設が保有する一又は二以上の駐車場の全てを包含する所定形状の最小面積の領域となるように設定されるので、実燃料消費指標を極力過不足なく取得することができる。従って、より適切な評価値を取得して、車両の運転者に対して省燃費運転に関するより適切な評価を知らせることができる。
また、前記地図データは、前記施設の位置情報を更に含み、前記施設及び前記駐車場の位置情報に基づいて、前記施設の基準点、又は、前記施設が保有する一又は二以上の前記駐車場の重心に施設基準点が設定され、前記駐車施設領域が、当該駐車施設領域に設定される領域基準点が前記施設基準点に一致する状態で設定されている構成とすると好適である。
この構成によれば、地図データの一部を構成する施設及び駐車場の位置情報を利用して、所定の施設基準点を基準として、駐車施設領域を簡易に設定することができる。また、駐車施設領域は、一又は二以上の駐車場の全てを包含する所定形状の最小面積の領域となるように設定されるので、実燃料消費指標を極力過不足なく取得することができる。従って、より適切な評価値を取得して、車両の運転者に対して省燃費運転に関するより適切な評価を知らせることができる。
ここで、前記基準燃料消費指標が、前記駐車施設領域毎に個別に予め設定されており、又は、前記駐車施設領域の大きさに応じて算出された近似値として設定される構成とすると好適である。
この構成によれば、駐車施設領域における基準燃料消費指標を、それぞれの狙いに応じて適切に取得することができる。
つまり、駐車施設領域毎に基準燃料消費指標が個別に予め設定された構成とすることで、目的の駐車施設領域における基準燃料消費指標を、蓄積されたデータに基づいて迅速かつ正確に取得することができる。
また、基準燃料消費指標が駐車施設領域の大きさに応じて算出された近似値として設定される構成とすることで、システムが備えるべきデータ量を低減することができる。また、駐車施設領域毎の基準燃料消費指標のデータを蓄積するための作業を不要とすることができる。更に、基準燃料消費指標の設定に汎用性を持たせることができる。よって、例えば地図データの更新により駐車施設領域に変動があった場合等にも、当該変動後の駐車施設領域における基準燃料消費指標を、演算により確実に取得することができる。
また、前記実燃料消費指標は、前記駐車施設領域に進入してから退出するまでの車両の実走行距離又は実燃料消費量であり、前記基準燃料消費指標は、前記実走行距離又は前記実燃料消費量に対応するそれぞれ基準走行距離又は基準燃料消費量として設定されている構成とすると好適である。
この構成によれば、駐車施設領域に進入してから退出するまでの実走行に基づく車両の実燃料消費量、又は、当該実燃料消費量に応じた値となる実走行距離により、実燃料消費指標を容易かつ適切に取得することができる。
また、天気、気温、降水量、風速、及び発令警報の中から選択される少なくとも一つ以上に基づいて、前記駐車施設領域における気象状態を取得する気象状態取得手段と、前記気象状態に応じて、当該気象状態が悪いほど前記評価値の変動幅が大きくなるように前記評価値を補正する補正手段と、を更に備えた構成とすると好適である。
例えば雨が降っている場合や気温が非常に高い場合等のように気象状態が悪い場合には、通常、車両の運転者は、駐車場内における省燃費運転をあまり意識することなくできるだけ施設に近い駐車区画に車両を駐車させたいと思いがちである。このような傾向は、気象状態が悪いほど強くなる傾向にある。この構成によれば、気象状態が悪いほど大きな変動幅で補正された評価値が取得されるので、省燃費運転に対する意識が希薄となりがちな悪気象状態時に省燃費運転を行なった運転者をより高く評価することができる。よって、気象状態によらずに省燃費運転を行なうことに対する意識向上を強く促すことができる。
また、車両が駐車された前記駐車区画を特定する駐車区画特定手段を備えると共に、前記地図データは、前記駐車区画毎に屋根の有無を表す情報を含み、前記補正手段は、前記気象状態が所定の猛暑状態であって、かつ車両が駐車された前記駐車区画が屋根を有する場合には、前記評価を高くするように前記評価値を補正する構成とすると好適である。
例えば気温が高く、日差しも強い猛暑状態では、車両に対して直射日光が照射されると駐車中に車内温度が大きく上昇する。車内温度が大きく上昇すると、施設から戻ってきた運転者が次に車両を運転するときに、車内温度を低下させるために高い確率でエアコンディショナを作動させることが予想される。エアコンディショナを作動させることは燃費悪化につながり易いので、車両を駐車する駐車区画を選択する際には、車内温度の上昇をできるだけ抑制することができるような駐車区画、例えば屋根付きの駐車区画を選択することが好ましい。その点、上記の構成によれば、気象状態が猛暑状態のときに屋根付きの駐車区画に車両を駐車した場合には省燃費運転に関する評価を高くするので、猛暑時における省燃費運転に対する意識向上を適切に促すことができる。
また、前記補正手段は、前記気象状態が所定の最悪気象状態である場合には、前記評価の低下を抑制するように前記評価値を補正する構成とすると好適である。なお、このような最悪気象状態には、例えば暴風雨及び警報発令中等の状態が含まれる構成とすると好適である。
例えば暴風雨や警報発令中等に例示される最悪気象状態では、外の環境に晒されることで運転者の身体に危害が加わる可能性があるため、駐車場内における省燃費運転とは無関係にできるだけ施設に近い駐車区画に車両を駐車させる方が望ましい。よって、そのような場合にまで通常時と同様に省燃費運転に関する評価を行うのは適切ではなく、また身体の安全のための駐車区画の選択が原因で省燃費運転に関する評価が低下することに対しては、運転者も違和感を抱き易い。この構成によれば、最悪気象状態時における身体の安全のための運転行動をある程度許容して、省燃費運転に関して、運転者が違和感を抱きにくい適切な評価を行なうことができる。
また、前記駐車施設領域内における混雑度を取得する混雑度取得手段と、前記混雑度が高くなるほど前記評価の低下を抑制する程度を大きくするように前記評価値を補正する補正手段と、を更に備えた構成とすると好適である。
例えば駐車施設領域内が混雑していて、当該駐車施設領域における駐車区画の多くが駐車車両で占められている場合には、その混雑度が高いほど駐車可能な駐車区画に辿り着くまでに駐車施設領域内を走行する距離又は燃料消費量の一方又は双方が大きくならざるを得ない。このような状況は、車両の運転者の意思とは無関係に生じるものであるため、駐車可能な駐車区画に辿り着くまでに必須であった運転行動が原因で省燃費運転に関する評価が低下することに対しては、運転者も違和感を抱き易い。この構成によれば、駐車施設領域内が混雑している場合における必須の運転行動を考慮して、省燃費運転に関して、運転者が違和感を抱きにくい適切な評価を行なうことができる。
また、前記評価値に基づいて評価情報を取得する評価情報取得手段を更に備え、前記評価情報取得手段は、前記評価値に応じて付与されるポイント、前記評価値に応じた内容のアドバイス文、及び前記駐車施設領域において前回取得された前記評価値を視覚的に表すグラフ表示、の少なくとも一つの情報を前記評価情報として取得する構成とすると好適である。
この構成によれば、取得した評価情報を利用して、評価値に応じた省燃費運転に関する評価の内容を、適切に運転者に伝えることができる。
これまで説明してきた車両駐車評価システムは、車両に搭載された車載端末装置と、複数の前記車載端末装置との間で通信可能に設けられた集中管理装置と、を有して構成され、前記車載端末装置は、当該車載端末装置が搭載された車両が前記駐車施設領域から退出した際に、当該駐車施設領域内における前記評価値に関する情報を前記集中管理装置へ送信し、前記集中管理装置は、前記車載端末装置から受信した前記評価値に関する情報に基づいて、当該車載端末装置についての評価情報を生成する構成とすると好適である。
この構成によれば、複数の車両のそれぞれに搭載された車載端末装置から評価値に関する情報を集中管理装置に集め、複数の車両についての評価値に関する情報に基づいて、各車載端末装置についての評価情報を生成することが可能となる。したがって、複数の車両間での比較に基づいた適切な内容の評価情報を各車載端末装置に提供することが可能となる。また、車載端末装置が搭載された車両が駐車施設領域から退出した際に、当該駐車施設領域内における評価値に関する情報を集中管理装置へ送信するため、集中管理装置において最新の情報を効率的に収集することができる。従って、より適切な評価情報を各車載端末装置に提供することが可能となる。
以上の各構成を備えた本発明に係る車両駐車評価システムの技術的特徴は、車両駐車評価方法や車両駐車評価プログラムにも適用可能であり、そのため、本発明は、そのような方法やプログラムも権利の対象とすることができる。
その場合における、車両駐車評価プログラムの特徴構成は、車両を駐車させるための複数の駐車区画を保有する施設に対して、当該施設における全ての前記駐車区画を包含する一かたまりの領域である駐車施設領域を地図データに基づいて設定する駐車施設領域設定ステップと、車両の実走行に基づいて、前記駐車施設領域に進入してから退出するまでの車両の燃料消費量に関連する指標である実燃料消費指標を取得する実燃料消費指標取得ステップと、前記駐車施設領域内における基準となる燃料消費量に関連する指標である基準燃料消費指標を取得する基準燃料消費指標取得ステップと、前記基準燃料消費指標に対する前記実燃料消費指標の割合に基づいて、省燃費運転に関する評価を示す評価値を取得する評価値取得ステップと、前記評価値に基づいて評価情報を取得する評価情報取得ステップと、をコンピュータに実行させる点にある。
当然ながら、この車両駐車評価プログラムも上述した車両駐車評価システムに係る作用効果を得ることができ、更に、その好適な構成の例として挙げたいくつかの付加的技術を組み込むことが可能である。
第一の実施形態に係るナビゲーション装置の概略構成を示すブロック図である。 第一の実施形態に係る集中管理サーバの概略構成を示すブロック図である。 第一の実施形態における駐車施設領域の設定方法の一例を示す図である。 第一の実施形態における駐車施設領域の設定方法の一例を示す図である。 第一の実施形態における基準走行距離の設定方法の一例を説明するための説明図である。 第一の実施形態における基準走行距離の設定方法の一例を説明するための説明図である。 気象状態に基づく評価値の補正に用いる補正係数の一例を示す図である。 混雑度に基づく評価値の補正に用いる補正係数の一例を示す図である。 評価情報を表示する総合評価画面の一例を示す図である。 走行中における評価グラフ情報を表示した案内画面の一例を示す図である。 メモリに格納されたアドバイスデータの一例を示す図である。 第一の実施形態に係る車両駐車評価処理の全体の手順を示すフローチャートである。 ステップ#06の評価値算出処理の手順を示すフローチャートである。 第二の実施形態における駐車施設領域の設定方法の一例を示す図である。 その他の実施形態における駐車施設領域の設定方法の一例を示す図である。
〔第一の実施形態〕
本発明の第一の実施形態について図面に基づいて説明する。ここでは、本発明に係る車両駐車評価システム100を、車載用のナビゲーション装置1と、複数のナビゲーション装置1と通信可能に設けられた集中管理サーバ2とにより構成する場合を例として説明する。図1は、このナビゲーション装置1の概略構成を示すブロック図である。この車両駐車評価システム100を構成するナビゲーション装置1は、車両3が訪れる施設Fに対して駐車施設領域Aを設定する(図3及び図4を参照)と共に、当該駐車施設領域Aに進入してから退出するまでの基準燃料消費指標に対する実燃料消費指標の割合に基づいて省燃費運転に関する評価を行い、評価情報61(図9及び図10を参照)を取得して出力する。これにより、駐車施設領域A内における省燃費運転がどの程度適切に行なわれているかを車両3の運転者に対して客観的に知らせることができる。よって、車両3の運転者に対して駐車施設領域A内における省燃費運転に対する意識向上を促すことができるものとなっている。
図2は、集中管理サーバ2の概略構成を示すブロック図である。集中管理サーバ2は、複数の車両3のそれぞれに搭載された複数のナビゲーション装置1から情報を収集して集計する。そして、収集した情報から評価情報61を生成し、各ナビゲーション装置1に配信する。本実施形態においては、ナビゲーション装置1が本発明における「車載端末装置」に相当し、集中管理サーバ2が本発明における「集中管理装置」に相当する。
1.ナビゲーション装置の構成
まず、ナビゲーション装置1の構成について説明する。図1に示すナビゲーション装置1の各機能部は、互いに共通の或いはそれぞれ独立のCPU等の演算処理装置を中核部材として、入力されたデータに対して種々の処理を行うための機能部がハードウェア又はソフトウェア(プログラム)或いはその両方により実装されて構成されている。そして、ナビゲーション装置1の各機能部11〜30は、互いに情報の受け渡しを行うことができるように構成されている。ここで、各機能部がソフトウェア(プログラム)により構成される場合には、当該ソフトウェアは、前記演算処理装置が参照可能なRAMやROM等の記憶手段に記憶される。また、地図データベース31は、例えば、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ、DVD−ROM、CD−ROM等の記録媒体(記憶手段)をハードウェア構成として備えている。また、メモリ41は、例えば、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ等のように、情報を記憶及び書き換え可能な記録媒体をハードウェア構成として備えている。このメモリ41は、地図データベース31が書き換え可能な記録媒体で構成される場合には、地図データベース31と共通の記録媒体内に設けられてもよい。以下、本実施形態に係るナビゲーション装置1の各部の構成について詳細に説明する。
地図データベース31は、地図データ33が記憶されたデータベースである。地図データ33は、複数の交差点のそれぞれに対応する複数のノードと、各ノード間を接続する道路に対応する複数のリンクとにより構成される道路ネットワークデータ35を含んでいる。また、地図データベース31に格納された地図データ33には、各施設Fの位置を表す座標情報等を有して構成される施設データ36も含まれている。また、施設データ36には更に各施設Fが有する駐車場P(図3及び図4を参照)の位置情報が含まれている。ここで駐車場Pは、複数の駐車区画C(図5及び図6を参照)が集合して形成される一かたまりの領域である。そのため、本実施形態においては、駐車場Pの位置情報には、当該駐車場Pの領域全体の位置に関する情報が含まれるものとする。本例では、それぞれの駐車場Pに対して、その外縁を構成する複数地点の座標情報が含まれている。また、本実施形態においては、施設データ36には更に、各駐車場Pにおける駐車区画C毎に屋根の有無を表す情報を含んでいる。従って、この駐車区画C毎の屋根の有無を表す情報に基づいて、各駐車区画Cが屋根付駐車区画であるか否かが識別できるようになっている。ここで、屋根付駐車区画には、通常の屋根を備えた駐車区画Cの他、地下駐車場における駐車区画Cや、立体駐車場の駐車区画Cのうち最上階以外の階における駐車区画C等、その上部に屋根と同一の機能を果たす他の部材を備えた駐車区画Cも含まれる。また、施設データ36は、各施設Fの名称、住所、電話番号、サービス種別等の各種の属性情報等を含んでいる。また、地図データ33は、道路ネットワークデータ35及び施設情報36以外にも、表示案内処理部14による地図表示処理に必要な描画情報や経路案内処理に必要な各種の案内情報等を含んでいる。
送受信部11は、無線基地局等を介して集中管理サーバ2との間で無線通信によりデータの送受信を行う通信装置を備えている。このような無線通信方法としては、例えば携帯電話網や無線LAN(Local Area Network)等の公知の通信網を用いることができる。本実施形態においては、送受信部11は、後述するように、評価値Vに関する情報を集中管理サーバ2へ送信する。また、送受信部11は、集中管理サーバ2から順位情報65や階級情報66等のような他の車両3との比較による評価情報61を受信する他、メモリ41に記憶されたポイント規則46やアドバイスデータ45を更新するための更新情報も受信する。これらの点については後述する。また、本実施形態においては、送受信部11は、VICS(Vehicle Information and Communication System:道路交通情報通信システム、登録商標)等を構成する車両3の外部に設置された発信装置からの信号を受信する受信装置も備えている。このような発信装置には、例えば、VICSを構成する電波ビーコン、光ビーコン、FM多重放送等の発信装置が含まれる。また、本実施形態では、送受信部11は、集中管理サーバ2やVICS等の発信装置から、天気や降水量等の気象状態に関する情報や、各駐車場Pの混雑度に関する情報等も受信する。
自車位置情報取得部12は、ナビゲーション装置1が搭載されている車両3(自車両)の現在位置を示す自車位置情報を取得する機能部である。ここでは、自車位置情報取得部12は、GPS(Global Positioning System)受信機51、方位センサ52、及び距離センサ53に接続されている。自車位置情報取得部12は、GPS受信機51、方位センサ52、及び距離センサ53からの出力に基づいて自車位置を特定する演算を行う。また、自車位置情報取得部12は、地図データベース31に記憶された道路ネットワークデータ35に基づいて、公知のマップマッチング処理を行うことにより自車位置を道路上に合わせる補正も行う。
ナビゲーション用演算部13は、自車位置表示、出発地から目的地までの経路探索、目的地までの経路案内、目的地検索等のナビゲーション機能を実行するために所定のアプリケーションプログラムに従って動作する演算処理部である。表示案内処理部14は、地図画像、施設等の検索用画面、各種の設定画面等、ナビゲーション機能として必要な各種の画像を生成し、表示入力装置54に表示させる等の処理を行う。また、表示案内処理部14は、ナビゲーション用演算部13による演算結果に従って、表示入力装置54による案内表示や音声出力装置55による音声案内等による案内等も行う。更に本実施形態では、表示案内処理部14は、後述するように、評価情報取得部23により取得された評価情報61を表示入力装置54に表示させる処理も行う(図9及び図10を参照)。なお、表示入力装置54は液晶ディスプレイ等の表示装置とタッチパネルや操作スイッチ等の入力装置が一体となった装置である。音声出力装置55は、スピーカやアンプ等の音声を出力するための装置を有して構成されている。
駐車施設領域設定部15は、車両3を駐車させるための複数の駐車区画Cを保有する施設Fに対して、駐車施設領域Aを地図データ33に基づいて設定する機能部である。駐車施設領域設定部15は、車両3が施設Fを訪れる際に、当該施設Fに対応する駐車施設領域Aを設定する。ここで、駐車施設領域Aは、当該施設Fが有する全ての駐車区画Cを包含する一かたまりの領域である。本実施形態においては、駐車施設領域設定部15が本発明における「駐車施設領域設定手段」に相当する。本実施形態においては、駐車施設領域設定部15は、まず車両3が施設Fを訪れる可能性があるか否かを判定する。ここで、車両3が施設Fを訪れる可能性があるか否かの判定は、例えば当該施設Fが目的地に設定されているか否か、或いは、目的地が設定されていない場合であっても自車位置情報取得部12により特定される自車位置と道路ネットワークデータ35とに基づいて、車両3が施設Fの駐車場Pに向かっているか否か等に基づいて行われる。そして、車両3が施設Fを訪れる可能性があると判定された場合、駐車施設領域設定部15は駐車施設領域Aを設定する。
本実施形態においては、駐車施設領域設定部15は、施設Fが保有する一又は二以上の駐車場Pの全てを包含する、予め定められた外形を有する最小面積の領域として駐車施設領域Aを設定する。本例では、予め定められた外形を有する領域として、互いに隣接する2辺の長さを任意に変更可能な矩形領域が設定されている。従って、本例における駐車施設領域設定部15は、施設Fが保有する一又は二以上の駐車場Pの全てを包含する最小矩形領域として駐車施設領域Aを設定する。このような駐車施設領域Aは、施設F毎に個別に予め記憶されたデータに基づいて設定される構成としても良いし、その都度演算により取得して設定される構成としても良い。本例では、施設F毎に個別に予め記憶されたデータに基づいて設定された構成となっている。駐車施設領域Aを設定する際には、地図データベース31に格納された地図データ33(施設データ36)に基づいて、駐車場Pの領域全体の位置情報が参照される。すなわち、駐車施設領域設定部15は、施設Fが保有する全ての駐車場Pについて各駐車場Pの外縁を構成する複数地点の座標情報を取得し、当該複数地点の全てを包含するような最小矩形領域として駐車施設領域Aを設定する。
図3及び図4は、本実施形態に係る駐車施設領域設定部15による駐車施設領域Aの設定方法の一例を示す図である。図3は、注目している施設Fが駐車場Pを一つのみ保有している場合における駐車施設領域Aの設定方法を示している。図示の例では、駐車場P自体が矩形形状を有している。この場合、駐車施設領域設定部15は、施設データ36を参照して駐車場Pの四隅(四つの頂点a1〜a4)の座標情報を取得する。そして、これら四つの頂点a1〜a4の全てを包含するような最小矩形領域として駐車施設領域Aを設定する。本例では、四つの頂点a1〜a4を結んで形成される矩形領域が駐車施設領域Aとされ、駐車場Pが占める領域と駐車施設領域Aとは一致している。なお、図3においては、視認性を考慮して、駐車場Pよりもやや広い領域として駐車施設領域Aが表示されている(図4についても同様)。
図4は、注目している施設Fが三つの駐車場Pを保有している場合における駐車施設領域Aの設定方法を示している。図示の例では、これら三つの駐車場Pは道路を挟んで互いに分離した状態で配置されている。また、三つの駐車場Pはそれぞれ矩形形状を有している。この場合、駐車施設領域設定部15は、施設データ36を参照して各駐車場Pの四隅(それぞれ四つの頂点b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4)の座標情報を取得する。そして、駐車施設領域設定部15は、これら計12個の頂点b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4の全てを包含するような最小矩形領域として駐車施設領域Aを設定する。本例では、頂点c1とc2とを結ぶ直線、頂点c2とc3とを結ぶ直線、頂点d3とd4とを結ぶ直線、及び頂点b1とb4とを結ぶ直線、により形成される矩形領域が駐車施設領域Aとされている。このようにして設定される駐車施設領域Aは、互いに分離した状態で配置された三つの駐車場Pに対して、これらの全てを包含する一かたまりの領域となっている。この場合、駐車施設領域Aには、各駐車場Pの間に位置する道路も含まれることになる。
実走行距離取得部16は、車両3の実走行に基づいて、駐車施設領域Aに進入してから退出するまでの車両3の実走行距離L1を取得する機能部である。ここで、一般に、車両3の燃料消費量は実走行距離L1に応じた値となり、実走行距離L1が長くなるほど車両3を走行させるために必要となる燃料消費量は多くなる。よって、車両3の実走行距離L1は燃料消費量に関連する指標となり、本発明における「実燃料消費指標」となっている。従って、本実施形態においては、実走行距離取得部16が本発明における「実燃料消費指標取得手段」に相当する。本実施形態においては、実走行距離取得部16は、距離センサ53により検出される車両3の移動距離の情報を取得可能に構成されており、車両3が駐車施設領域Aに進入した時点からの移動距離を順次積算し、その後車両3が駐車施設領域Aから退出した時点における当該移動距離の積算値を読み取ることにより実走行距離L1を取得する。なお、駐車施設領域設定部15により設定された駐車施設領域Aと自車位置情報取得部12により特定された自車位置とに基づいて、車両3が駐車施設領域Aに進入し、或いは駐車施設領域Aから退出した時点が判定される。取得された実走行距離L1の情報は、評価値取得部18へ出力される。
基準走行距離取得部17は、駐車施設領域A内における基準となる基準走行距離L0を取得する機能部である。上記のとおり、本実施形態では車両3の燃料消費量に関連する実燃料消費指標として実走行距離L1が採用されているので、これに対応する「基準燃料消費指標」として基準走行距離L0が設定されている。本実施形態においては、基準走行距離取得部17が本発明における「基準燃料消費指標取得手段」に相当する。本実施形態においては、この基準走行距離L0が、駐車施設領域A毎に個別に予め設定された構成とされている。
本実施形態では、ある駐車施設領域Aにおける基準走行距離L0は、当該駐車施設領域A内において最低限必要となる車両3の走行距離として設定されている。つまり、車両3が駐車施設領域Aに進入して当該進入地点に最も近い駐車区画Cに車両3を駐車し、更に駐車施設領域Aから退出するまでの車両3の走行距離に相当する距離が基準走行距離L0とされている。このような基準走行距離L0の設定例が図5及び図6に示されている。図5は、注目している施設Fに対して設定された駐車施設領域Aに、道路と当該駐車施設領域Aとの間の出入口Iが1箇所のみ設けられている場合の例を示している。図5の例では、出入口Iと当該出入口Iに最も近い位置にある駐車区画C1との間を、最も合理的な経路を辿って往復する(図5において破線で表示)際の走行距離が、当該駐車施設領域Aにおける基準走行距離L0とされている。
一方、図6は、注目している施設Fに対して設定された駐車施設領域Aに、道路と当該駐車施設領域Aとの間の出入口Iが2箇所設けられている場合の例を示している。そして、当該2箇所の出入口Iのうちの一方が入口Iaとされ、他方が出口Ibとされている。図6の例では、入口Ia側から出口Ib側へ向かう通路のうち出入口Iに最も近い位置にある通路を、当該通路に面した駐車区画Cのいずれか(例えば、駐車区画C5やC6等)に車両3を駐車させつつ最も合理的な経路を辿って走行する(図6において破線で表示)際の走行距離が、当該駐車施設領域Aにおける基準走行距離L0とされている。このように、基準走行距離L0は、出入口Iの数や各出入口Iにおける進行方向規制等に応じて、駐車施設領域A毎にそれぞれ異なる値が設定されている。
以上のようにして各駐車施設領域Aに対して個別に予め設定された基準走行距離L0は、ナビゲーション装置1に備えられたメモリ41に記憶されている。メモリ41には基準走行距離データ43が記憶されており、この基準走行距離データ43にそれぞれの駐車施設領域Aに対応する基準走行距離L0が含まれている。そして、基準走行距離取得部17は、車両3が訪れる施設Fに対して設定された駐車施設領域Aに応じて、メモリ41に記憶された基準走行距離データ43を参照して基準走行距離L0を取得する。これにより、目的の駐車施設領域Aにおける基準走行距離L0を、蓄積されたデータに基づいて迅速に取得することができる。取得された基準走行距離L0の情報は、評価値取得部18へ出力される。
評価値取得部18は、基準走行距離L0に対する実走行距離L1の割合に基づいて、省燃費運転に関する評価を示す評価値Vを取得する機能部である。本実施形態においては、評価値取得部18が本発明における「評価値取得手段」に相当する。本実施形態では、このような機能を実現するため、評価値取得部18はその下位の機能部として、割合算出部18a及び評価値算出部18bを備えている。
割合算出部18aは、基準走行距離L0及び実走行距離L1に基づいて、基準走行距離L0に対する実走行距離L1の割合である実消費割合Rを算出する機能部である。上記のとおり、車両3が施設Fを訪れる際に当該施設Fに対応する駐車施設領域Aが設定されると、基準走行距離取得部17は基準走行距離L0を取得して当該基準走行距離L0の情報を評価値取得部18へ出力する。また、設定された駐車施設領域Aから車両3が退出すると、実走行距離取得部16は実走行距離L1の情報を取得して当該実走行距離L1を評価値取得部18へ出力する。割合算出部18aは、これら基準走行距離L0及び実走行距離L1の情報を受け取って、以下の式(1)にしたがって実消費割合Rを算出する。
R=L1/L0・・・(1)
このようにして算出される実消費割合R(R≧1)は、駐車施設領域A内における最短走行距離を超過して走行した程度を表すものとなる。そして、実消費割合Rが大きいほど省燃費運転ができていないことを表し、実消費割合Rが1に近づくほど省燃費運転ができていることを表す。算出された実消費割合Rは、評価値算出部18bへ出力される。
評価値算出部18bは、実消費割合Rに基づいて、省燃費運転に関する評価を示す評価値Vを取得する機能部である。本実施形態においては、評価値算出部18bは、以下の式(2)にしたがって評価値Vを算出する。
V=1/R(=L0/L1)・・・(2)
このようにして算出される評価値V(0<V≦1)は、実消費割合Rが小さいほど大きな値をとり、実消費割合Rが大きいほど小さな値をとる。すなわち、評価値Vは0<V≦1の範囲内で、実消費割合Rが小さく省燃費運転ができている場合に大きな値となり、実消費割合Rが大きく省燃費運転ができていない場合に小さな値となる。よって、本例においては、評価値Vが大きいほど省燃費運転に関する評価が高いことになる。
例えば、図5の例では、車両3を駐車区画C2に駐車させる場合の方が、駐車区画C3に駐車させる場合よりもその実走行距離L1が短くなる。よって、車両3を駐車区画C2に駐車させる場合の方が実消費割合Rが小さくなって評価値Vが大きく(すなわち、省燃費運転に関する評価が高く)なることが分かる。同様に、図6の例では、車両3を駐車区画C7に駐車させる場合の方が、駐車区画C8に駐車させる場合よりもその実走行距離L1が短くなる。よって、車両3を駐車区画C7に駐車させる場合の方が実消費割合Rが小さくなって評価値Vが大きく(すなわち、省燃費運転に関する評価が高く)なることが分かる。
本実施形態に係る車両駐車評価システム100では、上記のようにして取得される評価値Vに基づいて、施設Fを訪れる際の駐車施設領域A(一又は二以上の駐車場P)内における省燃費運転がどの程度適切に行なわれているかを、車両3の運転者に対して客観的に知らせることができる。従って、車両3の運転者に対して駐車施設領域A(一又は二以上の駐車場P)内における省燃費運転に対する意識向上を適切に促すことができる。
なお、本実施形態においては、この評価値Vは、駐車施設領域A内における気象状態や混雑度に応じて適宜補正される構成となっている。以下では、その詳細について説明する。
気象状態取得部19は、天気、気温、降水量、風速、及び発令警報の中から選択される少なくとも一つ以上に基づいて、駐車施設領域Aにおける気象状態を取得する機能部である。本実施形態においては、気象状態取得部19が本発明における「気象状態取得手段」に相当する。本実施形態では、気象状態取得部19は、集中管理サーバ2やVICS等の車両3の外部の発信装置から発信される天気、気温、降水量、風速、及び発令警報(大雨警報、雷警報等)に関する情報を、送受信部11を介して取得する。そして、これらの情報に基づいて、駐車施設領域Aにおける気象状態を、「晴」、「曇」、「雨」、「雪」、「強風」、「猛暑」、「極寒」、「暴風雨」、及び「警報発令中」の中から選択して取得する。
ここで、各気象状態にはそれぞれ設定基準が予め設けられており、それぞれの設定基準を満足する場合に、対応する気象状態であると判定される。例えば、取得された天気の情報に基づいて「晴」、「曇」、「雨」、「雪」が判定される。また、取得された風速が所定の強風判定閾値(例えば、10〔m/s〕)以上の場合に「強風」と判定される。また、取得された気温が所定の猛暑判定閾値(例えば、30〔℃〕)以上の場合に「猛暑」と判定され、所定の極寒判定閾値(例えば、0〔℃〕)以下の場合に「極寒」と判定される。また、取得された降水量及び風速が、所定の暴風雨判定閾値(例えば、それぞれ20〔mm/h〕及び15〔m/s〕)以上の場合に「暴風雨」と判定される。また、取得された発令警報の情報に基づいて「警報発令中」が判定される。なお、本実施形態においては、これらの気象状態のうち、「雨」、「雪」、「強風」、「猛暑」、「極寒」、「暴風雨」、及び「警報発令中」を総称して「悪気象状態」と呼ぶ。更にそのうち、「暴風雨」及び「警報発令中」を総称して「最悪気象状態」と呼ぶ。取得された気象状態の情報は、後述する補正部22へ出力される。
駐車区画特定部20は、車両3が駐車された駐車区画Cを特定する機能部である。本実施形態においては、駐車区画特定部20が本発明における「駐車区画特定手段」に相当する。本実施形態では、駐車区画特定部20は、自車位置情報取得部12により取得される自車位置情報と、不図示の車載カメラ等の撮像装置により取得される車両3の周辺の画像情報とを取得し、当該自車位置情報及び画像情報に基づいて車両3が駐車された駐車区画Cを特定することができるように構成されている。更に本例では、駐車区画特定部20は、特定した駐車区画Cの情報と施設データ36に含まれる駐車区画C毎の屋根の有無に関する情報とに基づき、車両3が駐車された駐車区画Cが屋根付駐車区画であるか否かの判定も行うものとされている。駐車された駐車区画Cが屋根付駐車区画であるか否かの判定結果を表す情報は、後述する補正部22へ出力される。
混雑度取得部21は、駐車施設領域A内における混雑度を取得する機能部である。本実施形態においては、混雑度取得部21が本発明における「混雑度取得手段」に相当する。本実施形態では、混雑度取得部21は、集中管理サーバ2やVICS等の車両3の外部の発信装置から発信される駐車場Pの混雑度に関する情報を、送受信部11を介して取得する。本実施形態では、駐車場Pの混雑度に関する情報として、当該駐車場Pにおける駐車区画Cの総数に対する実際に車両3が駐車されている駐車区画Cの数を表す満車率の情報が取得される。この際、駐車施設領域Aが複数の駐車場Pにより構成される場合には、当該駐車施設領域Aに含まれる全ての駐車場Pにおける満車率の情報を取得して、各駐車場Pの面積に応じた加重平均値を当該駐車施設領域A内における混雑度としても良いし、或いは、車両3が実際に駐車した駐車区画Cが含まれる駐車場Pについて取得された満車率がそのまま当該駐車施設領域A内における混雑度を代表するものとしても良い。取得された駐車施設領域A内における混雑度の情報は、後述する補正部22へ出力される。
補正部22は、駐車施設領域A内における気象状態や混雑度に応じて、評価値Vを適宜補正する機能部である。本実施形態においては、補正部22が本発明における「補正手段」に相当する。本実施形態では、補正部22は、気象状態取得部19により取得された気象状態に応じて評価値Vを補正する。その際、本実施形態では、補正部22は、補正係数(k1及びk2)を評価値Vに乗算することにより評価値Vを補正する。図7は、気象状態に基づく評価値Vの補正に用いる補正係数k1の一例を示す表である。この図に示すように、駐車施設領域A内における気象状態が、悪気象状態に分類される「雨」、「雪」、「強風」、「猛暑」、「極寒」、「暴風雨」、及び「警報発令中」である場合には、補正係数k1として1より大きい値が設定されている。このような補正係数k1を評価値Vに乗算することにより、評価値Vを高くすることができる。
また、本実施形態においては、補正部22は、気象状態が悪いほど評価値Vの変動幅が大きくなるように評価値Vを補正する。すなわち、補正部22は、補正後の評価値をV’とした場合、気象状態が悪いほど補正後の評価値V’の上限値と下限値との差が大きくなるように評価値Vを補正する。本例では、気象状態に応じて当該気象状態が悪いほど大きい値に設定された補正係数k1(k1≧1)を評価値Vに乗算することにより、気象状態が悪いほど評価値Vの変動幅が大きくなるように評価値Vを補正する。本例では、例えば「雨」よりも「雪」の方が気象状態が悪く、或いは「猛暑」よりも「極寒」の方が気象状態が悪い設定となっている。そしてそれに応じて、図7に示すように、補正係数k1の設定値は、「雨(1.2)」よりも「雪(1.3)」の方が、また「猛暑(1.1)」よりも「極寒(1.2)」の方が大きくなっている。なお、図7には示されていないが、それぞれの気象状態における状態の悪さに応じて、補正係数k1の設定値が更に細かく細分化された構成としても好適である。例えば、気象状態が「雨」の場合において、降水量が多いほど大きい値となる補正係数k1が設定された構成とすることができる。なお、図7に示す補正係数k1は単なる一例であり、適宜変更が可能である。このような各気象状態に対応した補正係数k1は、補正規則44としてメモリ41に記憶されている。
このように評価値Vを補正すれば、駐車施設領域A内で車両3を駐車させる際に、悪気象状態時における省燃費運転に関する評価を高くすることができる。従って、一般的に省燃費運転に対する意識が希薄となりがちな悪気象状態時に、特に気象状態がより悪い時ほど、車両3の運転者に対して省燃費運転に対する意識向上を強く促すことができる。
また、本実施形態においては、補正部22は、取得された気象状態が「猛暑」であって、かつ車両3が駐車された駐車区画Cが屋根付駐車区画である場合には、評価値Vを高くするように当該評価値Vを補正する。本実施形態では、そのような場合には、補正部22は、単に気象状態が「猛暑」である場合よりも大きい値に設定された補正係数k1を評価値Vに乗算する。例えば図7の表において括弧書で示したように、補正係数k1の設定値は、屋根のない駐車区画に駐車した場合(1.1)よりも屋根付駐車区画に駐車した場合(1.3)の方が大きくなっている。
このように評価値Vを補正すれば、猛暑時に車両3が直射日光を浴びることによって車内温度が大きく上昇するのを抑制するような駐車施設領域A内での駐車区画Cの選択に対して、省燃費運転に関する評価を高くすることができる。従って、車両3の運転者に対して、猛暑時における省燃費運転に対する意識向上を適切に促すことができる。
また、本実施形態においては、補正部22は、取得された気象状態が「最悪気象状態」、すなわち、「暴風雨」又は「警報発令中」である場合には、評価値Vを低下を抑制するように当該評価値Vを補正する。本実施形態では、図7の表において「−」で示したように、気象状態が「暴風雨」又は「警報発令中」の場合には、補正係数k1が設定されない構成となっている。この場合、補正部22は、後述する式(3)とは無関係に、予め設定された一定値(例えば、0.5〜0.8)となるように評価値Vを補正する。このように評価値Vを補正すれば、気象状態が「最悪気象状態」の場合における身体の安全のための行動をある程度許容して、評価値Vの低下を抑制することができる。従って、省燃費運転に関して、運転者が違和感を抱きにくい適切な評価を行なうことができる。
また、本実施形態においては、補正部22は、混雑度取得部21により取得された駐車施設領域A内の混雑度(ここでは、満車率)に応じて評価値Vを補正する。その際、本実施形態では、補正部22は、補正係数k2を評価値Vに乗算することにより評価値Vを補正する。図8は、満車率に基づく評価値Vの補正に用いる補正係数k2の一例を示す表である。この図に示すように、駐車施設領域A内における満車率が高くなるほど大きい値となる補正係数k2(k2≧1)が設定されている。このような補正係数k2を評価値Vに乗算することにより、補正部22は、満車率が高くなるほど評価値Vを高くするように当該評価値Vを補正する。このように評価値Vを補正すれば、駐車施設領域A内が混雑していることにより駐車可能な駐車区画Cに辿り着くまでに必須となる走行距離を考慮して、省燃費運転に関する評価の低下を抑制することができる。また、その際、満車率が高くなるほど省燃費運転に関する評価の低下を抑制する程度を大きくすることができる。従って、省燃費運転に関して、運転者が違和感を抱きにくい適切な評価を行なうことができる。なお、図8に示す補正係数k2は単なる一例であり、適宜変更が可能である。
ところで、駐車施設領域A内における気象状態及び混雑度に応じた評価値Vの補正は、それぞれ異なる観点からの補正である。よって、補正部22は、補正係数k1及びk2の双方を評価値Vに乗算することにより評価値Vを補正する。従って、最終的には以下の式(3)にしたがって補正後の評価値V’が算出される。
V’=k1×k2×V・・・(3)
なお、補正係数k1及びk2が「1」である場合には、それぞれ気象状態及び混雑度に応じた補正が行われないことと実質的に同一である。そして、このようにして算出されて取得された補正後の評価値V’の情報は、評価情報取得部23へ出力される。
評価情報取得部23は、補正後の評価値V’(評価値Vが補正されていない場合も含む、以下同様)に基づいて評価情報61を取得する機能部である。本実施形態においては、評価情報取得部23が本発明における「評価情報取得手段」に相当する。ここでは図1に示すように、評価情報取得部23は、ポイント算出部24、グラフ生成部25、アドバイス文取得部26、及び外部情報取得部27を備えている。そして、評価情報取得部23は、評価情報61として、ポイント情報62、アドバイス文情報63、評価グラフ情報64、順位情報65、及び階級情報66を取得する。また、メモリ41には、評価情報取得部23により参照されるポイント規則46及びアドバイスデータ45が記憶されている。図9及び図10は、評価情報取得部23により取得された評価情報61を、表示入力装置54に表示出力する際の画面の一例を示している。ここで、図9は、駐車施設領域A内における省燃費運転に関して総合的に評価した結果を表示するための総合評価画面の一例であり、図10は、車両3が駐車施設領域Aから退出する毎に表示される案内画面の一例である。なお、図10の例では、評価情報61としての評価グラフ情報64及びアドバイス文情報63の他に、経路案内のための案内地図が表示されている。
ポイント算出部24は、評価値V’に応じて付与されるポイントを算出する。この際、ポイント算出部24は、メモリ41に記憶されたポイント規則46を参照し、当該ポイント規則46に従って付与されるポイントの算出を行う。このポイント規則46は、評価値取得部18により取得された評価値V’と付与されるポイントとの関係を規定した規則である。本実施形態においては、一例として、ポイント規則46は、評価値V’に100を乗算したポイントを付与する。但し、補正係数k1及びk2と補正前の評価値Vとの関係で、評価値V’が1より大きい場合には、評価値V’の値に関わらず100ポイントを付与するという規則となっている。すなわち、ポイント規則46は、100ポイントを上限として、評価値V’に100を乗算したポイントを付与するという規則となっている。このようにして、ポイント算出部24は、取得された評価値V’に応じて、駐車施設領域Aから退出する毎に0〜100ポイントを算出して付与する。なお、ポイント規則46を、上限を設けずに評価値V’に100を乗算したポイントをそのまま付与するという規則としても好適である。
また、ポイント算出部24は、上記のように算出された駐車施設領域Aから退出する毎のポイントを積算し、これまでに取得した総ポイントを算出する。総ポイントは、所定期間毎、例えば一年毎に積算及び集計され、年が変われば再度ゼロから積算される構成とし、或いはこれまでに取得した全てのポイントの積算値とされる。ポイント算出部24により算出された一走行毎のポイント及び総ポイントは、車両ポイントデータ47としてメモリ41に記憶される。そして、ポイント算出部24は、メモリ41に記憶された車両ポイントデータ47に基づいて、前回取得したポイント(前回取得ポイント)及び総ポイントを表すポイント情報62を表示入力装置54に表示させる。図9に示す例では、このようなポイント情報62を総合評価画面の一部に表示している。
ポイント算出部24により参照されるポイント規則46は、集中管理サーバ2から受信した更新情報により更新可能とされている。この更新処理は、更新処理部30により行われる。すなわち、更新処理部30は、送受信部11を介して集中管理サーバ2からポイント規則46の更新情報を受信した場合には、当該更新情報に基づいて、メモリ41に記憶されたポイント規則46を更新する。これにより、例えば、付与されるポイントがより適切な値となるように規則を随時変更することや、期間限定で付与されるポイントを多くするように規則を変更すること等が可能となる。なお、上記ポイント規則46の内容は単なる一例であり、この規則の内容は任意に設定することが可能である。
グラフ生成部25は、取得された評価値V’を視覚的に表すグラフ表示を生成する。具体的には、図10に示すように、駐車施設領域A内における省燃費運転に関する評価値V’を表すための評価グラフ情報64を生成する。また、グラフ生成部25は、生成した評価グラフ情報64を表示入力装置54に表示させる。この評価グラフ情報64は、駐車施設領域Aにおいて前回取得された評価値V’を表すグラフと、評価値V’の過去平均値のグラフとを有して構成され、互いに対比可能な状態となるように隣接配置されている。ここで、評価値V’の過去平均値のグラフは、車両3が駐車施設領域Aから退出する毎に値が更新される。図示の例では、両グラフは、いずれも棒グラフとされている。なお、過去の評価値V’の情報としては、ナビゲーション装置1において記憶され、或いは集中管理サーバ2において車両3毎に記憶された情報が用いられる。
アドバイス文取得部26は、評価値V’に応じた内容のアドバイス文情報63を取得する。ここでは、アドバイス文取得部26は、メモリ41に格納されたアドバイスデータ45から評価値V’に応じた内容のアドバイス文情報63を読み出して取得する。また、アドバイス文取得部26は、取得したアドバイス文情報63を表示入力装置54に表示させる。このアドバイス文情報63は、評価値V’に応じて、評価値V’に応じた評価の内容を運転者に伝えるための文章の情報である。本実施形態においては、このアドバイス文情報63は、駐車施設領域A内における省燃費運転に対する運転者の意識向上を図るための文章の情報となっている。図11は、メモリ41に格納されたアドバイスデータ45の一例を示している。この例によれば、評価値V’が0.9〜1と高い場合、0.5〜0.9と比較的高い場合、及び評価値V’が0〜0.5と比較的低い場合に応じて、異なる内容の文章がアドバイス文情報63として取得される。図10に示す例では、前回取得された評価値V’に対応するアドバイス文情報63が、評価グラフ情報64及び案内地図とともに表示入力装置54に表示されている。
メモリ41に格納されたアドバイスデータ45は、集中管理サーバ2から受信した更新情報により更新可能とされている。この更新処理は、更新処理部30により行われる。すなわち、更新処理部30は、送受信部11を介して集中管理サーバ2からアドバイスデータ45の更新情報を受信した場合には、当該更新情報に基づいて、メモリ41に記憶されたアドバイスデータ45を更新する。これにより、例えば、運転者の運転操作傾向や運転歴等に応じてアドバイス文情報63の内容を変更する等のように、アドバイス文情報63の内容をより適切なものに随時変更することが可能となる。なお、上記アドバイスデータ45の内容は単なる一例であり、その内容は任意に設定することが可能である。
外部情報取得部27は、車両3の外部に設けられた集中管理サーバ2からの評価情報61を取得するための処理を行う。具体的には、外部情報取得部27は、送受信部11を介して集中管理サーバ2と通信を行い、順位情報65や階級情報66等の他車両3との比較による評価情報61を受信する。後述するように、集中管理サーバ2は、複数の車両3に搭載されたナビゲーション装置1と通信可能に設けられ、これら複数の車両3から評価値V’に関する情報を収集して集計する。本実施形態においては、集中管理サーバ2は、各車両3のナビゲーション装置1から評価値V’に応じて付与されるポイント、並びにポイントを算出する際の元情報となる評価値V’の情報を収集して集計し、その集計結果として順位情報65及び階級情報66を生成する。各ナビゲーション装置1の外部情報取得部27は、このように生成された順位情報65及び階級情報66を集中管理サーバ2に対して所定のタイミングで要求し、取得する。本実施形態においては、外部情報取得部27は、ナビゲーション装置1が搭載された車両3の主電源がオンされた時に、集中管理サーバ2に対して順位情報65及び階級情報66を要求する。
順位情報65は、他車両3との比較での評価値V’に関する各車両3の順位を表す情報である。この順位情報65としては、例えば、各車両の所定期間内での評価値V’の平均値の順位や、各車両が所定期間内で取得したポイント合計の順位等の情報とすることができる。ここで、所定期間としては、例えば、一年、一月、一週間、一日等のように、各種の期間を設定することができる。そして、外部情報取得部27は、取得した順位情報65を表示入力装置54に表示させる。本実施形態においては、図9の例に示すように、順位情報65は、各車両3が月毎に取得したポイント合計の他車両3との比較での順位、及び当該順位が前月に対して上昇したか下降したかを示す矢印画像を含んでいる。
階級情報66は、他車両3との比較での各車両3の過去の評価値V’に基づいて付与される階級を表す情報である。この階級情報66としては、例えば、各車両の所定期間内での評価値V’の平均値の順位や、各車両3が所定期間内で取得したポイント合計の順位、各車両3がこれまでに取得した総ポイント等に応じて、各車両を複数の階級に区分した際における各車両の属する階級の情報とすることができる。本実施形態においては、階級情報66は、所定期間(例えば1年間)に取得したポイント合計の順位に応じて、現在の階級を上下させることにより決定される。ここで、階級としては、例えば、A、B、C、・・・の区分や、1、2、3、・・・の区分等を用いることができる。そして、外部情報取得部27は、取得した階級情報66を表示入力装置54に表示させる。本実施形態においては、図5の例に示すように、階級情報66は、A、B、C、・・・の階級を用いており、図示の例では車両3は「B」階級に属することが表示されている。
送信処理部29は、所定のタイミングで評価値V’に関する情報を集中管理サーバ2へ送信する処理を行う。より具体的には、送信処理部29は、ナビゲーション装置1が搭載された車両3が駐車施設領域Aに進入した後、当該駐車施設領域Aから退出した際に、当該駐車施設領域A内において取得された評価値V’に関する情報を集中管理サーバ2へ送信する処理を行う。駐車施設領域Aから退出したか否かは、駐車施設領域設定部15により設定される駐車施設領域Aと自車位置情報取得部12により特定される自車位置の情報とに基づいて判定される。本実施形態においては、送信処理部29は、駐車施設領域A内での評価値V’の情報、及び評価値V’に応じて付与されるポイント情報を、集中管理サーバ2へ送信する。
2.集中管理サーバの構成
次に、集中管理サーバ2の構成について説明する。図2に示すように、集中管理サーバ2は、複数の車両3のそれぞれに搭載された複数のナビゲーション装置1と通信可能に設けられている。そして、集中管理サーバ2は、各ナビゲーション装置1から評価値V’に関する情報を収集して集計するとともに、集計した情報に基づいて各ナビゲーション装置1についての評価情報61を生成する。また、集中管理サーバ2は、各ナビゲーション装置1からの要求に従って、生成した評価情報61を配信する。
図2に示す集中管理サーバ2の各機能部は、互いに共通の或いはそれぞれ独立のCPU等の演算処理装置を中核部材として、入力されたデータに対して種々の処理を行うための機能部がハードウェア又はソフトウェア(プログラム)或いはその両方により実装されて構成されている。そして、集中管理サーバ2の各機能部72〜75は、互いに情報の受け渡しを行うことができるように構成されている。ここで、各機能部がソフトウェア(プログラム)により構成される場合には、当該ソフトウェアは、前記演算処理装置が参照可能なRAMやROM等の記憶手段に記憶される。また、ユーザデータベース71は、例えば、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ等のように、情報を記憶及び書き換え可能な記録媒体(記憶手段)をハードウェア構成として備えている。以下、本実施形態に係る集中管理サーバ2の各部の構成について詳細に説明する。
送受信部72は、無線基地局等を介して複数の車両3に搭載されたナビゲーション装置1との間で無線通信によりデータの送受信を行う通信装置を備えている。この無線通信方法には、ナビゲーション装置1の送受信部11と共通のものが使用される。上記のとおり、本実施形態においては、送受信部72は、評価値V’に関する情報、具体的には、評価値V’、及び評価値V’に応じて付与されるポイントの情報をナビゲーション装置1から受信する。また、送受信部72は、順位情報65や階級情報66等の他の車両3との比較による評価情報61、及びナビゲーション装置1のメモリ41に記憶されたポイント規則46やアドバイスデータ45を更新するための更新情報をナビゲーション装置1へ送信する。
格納処理部73は、送受信部72により各車両3に搭載されたナビゲーション装置1から受信した評価値V’に関する情報を、車両3毎に区分してユーザデータベース71に格納する処理を行う。上記のとおり、本実施形態においては、評価値V’に関する情報には、評価値V’、及び評価値V’に応じて付与されるポイントの情報が含まれる。これらの情報は、各車両3が駐車施設領域Aから退出した際に、当該車両3のナビゲーション装置1から送信され、送受信部72において受信される。格納処理部73は、受信した評価値V’に関する情報を、各車両3の識別情報及び受信日時の情報と関連付けた状態で、ユーザデータベース71に格納する。ここで、各車両3の識別情報としては、例えば、各車両3又は各ナビゲーション装置1の識別コードや各車両3のナンバープレートの番号等を用いることができる。
集計処理部74は、ユーザデータベース71に記憶された車両3毎の評価値V’に関する情報を集計し、各車両3(各ナビゲーション装置1)についての評価情報61を生成する処理を行う。具体的には、集計処理部74は、各車両3から受信した評価値V’に応じたポイントの情報を所定期間毎に集計し、複数の車両3を比較したポイント合計の順位を表す順位情報65を生成する。本実施形態においては、集計処理部74は、各車両3が月毎に取得したポイントの合計を演算し、他車両3との比較での順位を表す順位情報65を生成する。更に、集計処理部74は、各車両3が所定期間内で取得したポイントを集計し、その集計結果に応じて付与される階級を表す階級情報66を生成する。本実施形態においては、集計処理部74は、所定期間(例えば1年間)に取得したポイント合計の順位に応じて、順位が高ければ階級を上昇させ、順位が低ければ階級を下降させることにより、各車両3の階級を決定する。なお、最初に所定期間が経過するまでの階級は、最も低い階級や中間の階級等、任意に設定することができる。生成された順位情報65及び階級情報66は、各車両3の識別情報と関連付けた状態で、ユーザデータベース71に格納される。なお、順位情報65及び階級情報66は、ポイントに代えて評価値V’に基づいて生成しても好適である。
また、集計処理部74は、各車両3から受信した評価値V’に応じたポイントの情報を車両3毎に積算し、これまでに取得した総ポイントを算出する。上記のとおり、総ポイントは、所定期間毎に積算された積算値とされ、或いはこれまでに取得した全てのポイントの積算値とされる。算出された総ポイントの情報は、各車両3の識別情報と関連付けた状態で、ユーザデータベース71に格納される。このようにユーザデータベース71に格納される総ポイントの情報は、各ナビゲーション装置1のメモリ41に記憶された総ポイントの情報のバックアップ及び確認等のために用いられる。従って、この情報は、ナビゲーション装置1において車両ポイントデータ47としてメモリ41に記憶される総ポイントの情報と一致する。
配信処理部75は、各ナビゲーション装置1の外部情報取得部27からの要求に応じて、集計処理部74により生成した評価情報61としての順位情報65及び階級情報66をユーザデータベース71から読み出し、各ナビゲーション装置1へ送信する処理を行う。また、配信処理部75は、図示しない更新情報生成部により、ポイント規則46やアドバイスデータ45を更新するための更新情報が生成された際には、当該更新情報をナビゲーション装置1へ送信する処理を行う。
3.動作処理の手順
次に、本実施形態に係るナビゲーション装置1において実行される車両駐車評価処理の手順(車両駐車評価方法)について説明する。図12は、本実施形態に係る車両駐車評価処理の全体の手順を示すフローチャートである。また、図13は、図12のステップ#06の評価値算出処理の手順を示すフローチャートである。以下に説明する車両駐車評価処理の手順は、上記のナビゲーション装置1の各機能部を構成するハードウェア又はソフトウェア(プログラム)或いはその両方の組み合わせにより実行される。ナビゲーション装置1の各機能部がプログラムにより構成される場合には、ナビゲーション装置1が有する演算処理装置は、上記の各機能部を構成するナビゲーションプログラムを実行するコンピュータとして動作する。以下、フローチャートに従って説明する。
まず、車両駐車評価処理の全体の手順について説明する。図12に示すように、まず外部情報取得部27は、集中管理サーバ2に対して、当該車両3に対する評価情報61としての順位情報65及び階級情報66を要求し、これらの情報を受信する(ステップ#01)。そして、総合評価画面を表示する(ステップ#02)。この総合評価画面は、図9に示すように、ポイント情報62、順位情報65、及び階級情報66の表示を含んでいる。その後、駐車施設領域設定部15は、目的地の設定状況や道路ネットワークデータ35と自車位置情報との関係等に基づいて、車両3が施設Fに立ち寄って当該施設Fを訪れる可能性があるか否かを判定する(ステップ#03)。施設Fに立ち寄る可能性があると判定された場合には(ステップ#03:Yes)、駐車施設領域設定部15は、立ち寄る施設Fに対して駐車施設領域Aを設定する(ステップ#04)。そして、設定された駐車施設領域Aと、自車位置情報取得部12により特定された自車位置とに基づいて、車両3が駐車施設領域Aに進入したか否かが判定される(ステップ#05)。施設Fに立ち寄る可能性があると判定されなかった場合(ステップ#03:No)や、施設Fに立ち寄る可能性があると判定されたものの、実際には駐車施設領域Aに進入したと判定されなかった場合(ステップ#05:No)には、再度ステップ#03に戻って、駐車施設領域設定部15は、車両3が施設Fに立ち寄って当該施設Fを訪れる可能性があるか否かを判定する。そして、ステップ#03からステップ#05までの処理を逐次繰り返し実行する。
駐車施設領域Aが設定された状態で、実際に駐車施設領域Aに進入したと判定されると(ステップ#05:Yes)、評価値V(補正後の評価値V’)を算出する評価値算出処理が実行される(ステップ#06)。この評価値算出処理については、後に図13のフローチャートに基づいて詳細に説明する。評価値V’が算出されると、グラフ生成部25は、当該評価値V’に基づいて評価グラフ情報64を生成し、表示する(ステップ#07)。また、ポイント算出部24は、同じく評価値V’に基づいて付与されるポイントを算出する(ステップ#07)。また、送信処理部29は、駐車施設領域A内での評価値V’ の情報、及び評価値V’に応じて付与されるポイント情報を、集中管理サーバ2へ送信する(ステップ#08)。以上で車両駐車評価処理を終了する。
次に、図12のステップ#06における評価値算出処理の手順について説明する。図13に示すように、評価値算出処理においては、まず基準走行距離取得部17が、設定された駐車施設領域Aに基づいて、メモリ41に記憶された基準走行距離データ43を参照して当該駐車施設領域Aにおける基準走行距離L0を取得する(ステップ#21)。また、実走行距離取得部16は、距離センサ53により検出される車両3の移動距離の情報に基づいて、駐車施設領域Aに進入した時点からの実走行距離を計測する(ステップ#22)。この実走行距離の計測は、車両3が駐車区画Cに駐車されるまでの間(ステップ#23:No)、継続して行なわれる。車両3が駐車区画Cに駐車されると(ステップ#23:Yes)、駐車区画特定部20は、当該駐車された駐車区画Cを特定する(ステップ#24)。また、気象状態取得部19は、駐車施設領域Aにおける気象状態を、「晴」、「曇」、「雨」、「雪」、「強風」、「猛暑」、「極寒」、「暴風雨」、及び「警報発令中」の中から選択して取得する(ステップ#25)。また、混雑度取得部21は、駐車施設領域A内における混雑度の情報を取得する(ステップ#26)。
その後、施設Fから戻ってきた運転者により車両3が発進されると、再度、実走行距離取得部16は実走行距離の計測を行う(ステップ#27)。この実走行距離の計測は、駐車施設領域Aから退出するまでの間(ステップ#28:No)、継続して行なわれる。車両3が駐車施設領域Aから退出したと判定されると(ステップ#28:Yes)、実走行距離取得部16は、その時点における車両3の移動距離の積算値を読み取ることにより、実走行距離L1を取得する(ステップ#29)。次に、割合算出部18aは、ステップ#28で取得された実走行距離L1の情報とステップ#21で取得された基準走行距離L0の情報とに基づいて、実消費割合Rを算出する(ステップ#30)。この実消費割合Rは、基準走行距離L0に対する実走行距離L1の割合とされ(R=L1/L0)、駐車施設領域A内における最短走行距離を超過して走行した程度を表すものとなっている。従って、実消費割合Rが小さいほど省燃費運転ができていることを表す。次に、評価値算出部18bは、実消費割合Rに基づいて評価値Vを算出する(ステップ#31)。本例では、この評価値Vは実消費割合Rの逆数として算出される構成とされ(V=1/R)、評価値Vが大きいほど省燃費運転ができていることを表す。
次に、補正部22は、ステップ#25で取得された気象状態に基づいて、気象状態が「最悪気象状態」、すなわち「暴風雨」又は「警報発令中」であるか否かを判定する(ステップ#32)。「暴風雨」及び「警報発令中」のいずれでもないと判定された場合には(ステップ#32:No)、次に補正部22は、ステップ#25で取得された気象状態、ステップ#24で特定された駐車区画C、及びステップ#26で取得された混雑度の情報に基づいて、評価値Vを補正するための補正係数k1、k2を取得する(ステップ#33)。ここでは、気象状態及び駐車区画Cの情報に基づいて補正係数k1が取得され、混雑度の情報に基づいて補正係数k2が取得される。そして、補正部22は、補正係数k1及びk2の双方を評価値Vに乗算することにより評価値Vを補正し(V’=k1×k2×V)、補正後の評価値V’を算出する(ステップ#34)。一方、「暴風雨」又は「警報発令中」であると判定された場合には(ステップ#32:Yes)、補正部22は、予め設定された値となるように評価値Vを補正する(ステップ#35)。以上で、評価値算出処理を終了する。
〔第二の実施形態〕
本発明の第二の実施形態について図面に基づいて説明する。本実施形態においても、本発明に係る車両駐車評価システム100を、車載用のナビゲーション装置1と、複数のナビゲーション装置1と通信可能に設けられた集中管理サーバ2とにより構成する場合を例として説明する。本実施形態に係る車両駐車評価システム100では、車載端末装置としてのナビゲーション装置1に備えられた駐車施設領域設定部15による、駐車施設領域Aの設定方法が上記第一の実施形態とは異なっている。また、基準走行距離取得部17による基準走行距離L0の設定方法も上記第一の実施形態とは異なっている。以下では、本実施形態に係る車両駐車評価システム100について、上記第一の実施形態との相違点を中心に説明する。なお、特に明記しない点については、上記第一の実施形態と同様とする。
駐車施設領域設定部15は、施設Fが保有する一又は二以上の駐車場Pの全てを包含する、予め定められた外形を有する最小面積の領域として駐車施設領域Aを設定する。本実施形態においては、予め定められた外形を有する領域として、円形領域が設定されている。また、本実施形態においては、駐車施設領域Aが、当該駐車施設領域Aに設定される領域基準点が、施設Fに関して設定される施設基準点に一致する状態で設定されている。本例における駐車施設領域Aの領域基準点は、円形領域の中心とされている。また、本例では、施設基準点は施設Fの基準点、すなわち、各施設Fが占める領域の長さ方向及び幅方向の中央部に設定されている。従って、本例では駐車施設領域設定部15は、施設Fの基準点を中心とする、当該施設Fが保有する一又は二以上の駐車場Pの全てを包含する最小円領域として駐車施設領域Aを設定する。その際、地図データベース31に格納された地図データ33(施設データ36)に基づいて、施設Fの位置情報(施設Fの基準点の位置情報)及び駐車場Pの領域全体の位置情報が参照される。すなわち、駐車施設領域設定部15は、施設Fの基準点の位置情報及び施設Fが保有する全ての駐車場Pについて各駐車場Pの外縁を構成する複数地点の座標情報を取得し、施設Fの基準点を中心とする、当該複数地点の全てを包含するような最小円領域として駐車施設領域Aを設定する。
図14は、本実施形態に係る駐車施設領域設定部15による駐車施設領域Aの設定方法の一例を示している。ここでは、注目している施設Fが三つの駐車場Pを保有している場合における駐車施設領域Aの設定方法を示している。図示の例では、これら三つの駐車場Pは道路を挟んで互いに分離した状態で配置されている。また、三つの駐車場Pはそれぞれ矩形形状を有している。この場合、駐車施設領域設定部15は、施設データ36を参照して施設Fの基準点fの座標情報、及び各駐車場Pの四隅(それぞれ四つの頂点b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4)の座標情報を取得する。そして、基準点fを中心とし、これら計12個の頂点b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4の全てを包含するような最小円領域として駐車施設領域Aを設定する。本例では、頂点b1が基準点fから最も離間しているので、基準点fを中心として頂点b1を通る円の内部に形成される円領域が駐車施設領域Aとされている。このようにして設定される駐車施設領域Aは、互いに分離した状態で配置された三つの駐車場Pに対して、これらの全てを包含する一かたまりの領域となっている。この場合、駐車施設領域Aには、各駐車場Pの間に位置する道路も含まれることになる。
本実施形態においては、基準走行距離取得部17は、駐車施設領域A内における基準となる基準走行距離L0を、駐車施設領域Aの大きさに応じて算出された近似値として取得する。本例では、一例として駐車施設領域Aを構成する円領域の半径に相当する距離(基準点fと頂点b1との間の距離)が基準走行距離L0に設定されている。基準点fと頂点b1との間の距離は、基準点f及び頂点b1の双方の座標情報に基づいて演算により算出することができる。このように、基準走行距離L0を駐車施設領域Aの大きさに応じて算出する構成とすることにより、地図データベース31が備えるべきデータ量を低減することができる。また、駐車施設領域A毎の基準走行距離L0のデータを収集して蓄積するための作業を不要とすることができる。更に、基準走行距離L0の設定に汎用性を持たせることができる。すなわち、例えば地図データ33が更新された際に、各施設Fが有する駐車場Pの生成又は消失が反映されて、駐車施設領域Aに変動が生じる場合がある。本実施形態に係る基準走行距離取得部17の構成では、そのような場合にも、当該変動後の駐車施設領域Aにおける基準走行距離L0を演算により確実に取得することができるという利点がある。なお、例えば、駐車施設領域Aを構成する円領域の半径に所定係数を乗算して算出される距離を基準走行距離L0に設定する構成等としても好適である。
〔その他の実施形態〕
(1)上記第二の実施形態においては、駐車施設領域Aが、当該駐車施設領域Aに設定される領域基準点が、施設Fに関して設定される施設基準点に一致する状態で設定される場合において、施設基準点が、施設Fの基準点(施設Fが占める領域の長さ方向及び幅方向の中央部)に設定されている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、例えばそのような施設基準点が、施設Fが保有する一又は二以上の駐車場Pの重心gに設定された構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。図15は、この場合における駐車施設領域Aの設定方法を示している。この場合、駐車施設領域設定部15は、施設データ36を参照して各駐車場Pの四隅(それぞれ四つの頂点b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4)の座標情報を取得する。そして、これらの座標情報に基づいて複数の駐車場Pの面積の重心gを算出すると共に、算出された重心gを中心とし、これら計12個の頂点b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4の全てを包含するような最小円領域として駐車施設領域Aを設定する。本例では、頂点c2が重心gから最も離間しているので、重心gを中心として頂点c2を通る円の内部に形成される円領域が駐車施設領域Aとされている。このようにして設定される駐車施設領域Aは、互いに分離した状態で配置された三つの駐車場Pに対して、これらの全てを包含する一かたまりの領域となっている。このように施設Fが保有する一又は二以上の駐車場Pの重心gを中心とすることで、極力過不足のない駐車施設領域Aを適切に設定することができる。
(2)上記第一の実施形態においては、駐車施設領域Aが所定の中心点とは無関係に設定される場合において、当該駐車施設領域Aについて予め定められた外形が矩形とされている場合を例として説明した。また、上記第二の実施形態においては、駐車施設領域Aが、当該駐車施設領域Aの基準点が所定の中心点に一致する状態で設定されている場合において、当該駐車施設領域Aについて予め定められた外形が円形とされている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、例えば円形の駐車施設領域Aが所定の中心点とは無関係に設定される構成としたり、或いは矩形の駐車施設領域Aが、当該駐車施設領域Aの基準点が所定の中心点に一致する状態で設定される構成としたりすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。なお、この場合における駐車施設領域Aの基準点は、例えば矩形領域の重心等とすることができる。
(3)上記の各実施形態においては、駐車施設領域Aが所定の最小矩形領域又は最小円領域として設定されている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、少なくとも施設Fが保有する一又は二以上の駐車場Pの全てを包含していれば良く、例えばそのような最小矩形領域又は最小円領域に相似する外形を有する領域であって、当該最小矩形領域又は最小円領域よりも大きい領域として、駐車施設領域Aが設定される構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。また、施設Fが保有する一又は二以上の駐車場Pと、各駐車場Pに隣接する道路とで区画される異形領域として、駐車施設領域Aが設定される構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。
或いは、これまで説明してきた各種の駐車施設領域Aにおいて、更に当該駐車施設領域Aに含まれる各リンクのリンク端までを含む領域として駐車施設領域Aが設定される構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。このようにすれば、道路ネットワークデータ35と自車位置情報取得部12により特定された自車位置とに基づいて、車両3が駐車施設領域Aに進入し、或いは駐車施設領域Aから退出する時点を容易に判定することができる。
(4)上記第一の実施形態においては、駐車施設領域Aが所定の最小矩形領域である場合において、基準走行距離L0が、駐車施設領域A内において最低限必要となる車両3の走行距離として駐車施設領域A毎に個別に予め設定された構成とされている場合を例として説明した。また、上記第二の実施形態においては、駐車施設領域Aが所定の最小円領域である場合において、基準走行距離L0が、駐車施設領域Aの大きさに応じて算出された近似値として設定される場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、駐車施設領域Aが所定の最小矩形領域である場合において、基準走行距離L0が、駐車施設領域Aの大きさに応じて算出された近似値として設定される構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。この場合、例えば駐車施設領域Aの外形を規定する矩形の対角線の長さに相当する距離、或いはそれに所定係数を乗算して算出される距離等を基準走行距離L0とすることができる。同様に、駐車施設領域Aが所定の最小円領域である場合において、基準走行距離L0が、駐車施設領域A内において最低限必要となる車両3の走行距離として駐車施設領域A毎に個別に予め設定された構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。
(5)上記の各実施形態においては、車両3の燃料消費量に応じた値となる実走行距離L1を「実燃料消費指標」として、実走行距離取得部16が、駐車施設領域Aに進入してから退出するまでの車両3の実走行距離L1を取得する場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、例えばより直接的に、燃料の消費量を検出する燃料消費量検出手段を備えると共に、当該燃料消費量検出手段により検出される、駐車施設領域Aに進入してから退出するまでの燃料消費量を「実燃料消費指標」として取得する実燃料消費量取得手段を、実走行距離取得部16に代えて備える構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。この場合、駐車施設領域A内における基準となる基準燃料消費量を取得する基準燃料消費量取得手段を、基準走行距離取得部17に代えて備える構成とする。この場合、実燃料消費量取得手段が、本発明における「実燃料消費指標取得手段」に相当し、基準燃料消費量取得手段が本発明における「基準燃料消費指標取得手段」に相当する。
(6)上記の各実施形態においては、補正部22が、駐車施設領域A内における気象状態や混雑度に応じて、算出された評価値Vを補正して、補正後の評価値V’とする場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、最終的に補正後の評価値V’に補正されるのであれば、例えば割合算出部18aが算出した実消費割合Rを補正後の実消費割合R’に適宜補正してから評価値算出部18bへ出力させる構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。或いは、実走行距離取得部16が取得した実走行距離L1を補正後の実走行距離L1’に適宜補正してから割合算出部18aへ出力させる構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。
また、駐車施設領域A内における気象状態や混雑度に関わらず、算出された評価値Vを補正することなくそのまま評価情報61を取得するための元データとすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。
(7)上記の各実施形態においては、補正部22が、気象状態が悪いほど大きい値に設定された補正係数k1(k1≧1)を評価値Vに乗算することにより、気象状態が悪いほど評価値Vの変動幅が大きくなるように評価値Vを補正する場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、補正部22が、気象状態が悪いほど評価値Vの変動幅が大きくなるように評価値Vを補正するのであれば、任意の手法を採用することができる。例えば、補正係数k1を、評価値Vが所定の値に設定された基準評価値V0(例えば、0.5)である場合に「1」となると共に、評価値Vが大きくなるほど大きな値となるように(評価値Vが小さくなるほど小さな値となるように)、気象状態毎に設定しておく。そして、気象状態が悪いほど、評価値Vに対する補正係数k1の変化率が大きくなるように、各気象状態についての補正係数k1を設定する。このようにすれば、気象状態が悪いほど、省燃費運転に資するような運転に対してはより高い評価を、省燃費運転に反するような運転に対してはより低い評価を、運転者に対して通知することができる。
(8)上記の各実施形態においては、補正部22が、取得された気象状態が「最悪気象状態」である場合には、補正係数k1が設定されることなく、予め設定された一定値となるように当該評価値Vを補正する場合を例として説明した。また、補正部22が、満車率が高くなるほど評価値Vを高くして評価値Vの低下を抑制するように当該評価値Vを補正する場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、例えば気象状態が「最悪気象状態」である場合や、満車率が所定の満車判定閾値(例えば、90〔%〕)以上である場合には、評価値取得部18による評価値Vの取得を中止する構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。また、満車率が所定の満車判定閾値(例えば、90〔%〕)以上である場合に、補正係数k2が設定されることなく、補正部22が、予め設定された一定値(例えば、0.5〜0.8)となるように当該評価値Vを補正する構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。
(9)上記の各実施形態においては、気象状態取得部19が、天気、気温、降水量、風速、及び発令警報に基づいて、駐車施設領域Aにおける気象状態を取得する場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、これらの中の一部のみに基づいて駐車施設領域Aにおける気象状態を取得したり、或いは、これら以外の情報に基づいて駐車施設領域Aにおける気象状態を取得したりする構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。また、例えば車載カメラ等の撮像装置により取得される車両3の周辺の画像情報画像情報に基づいて、駐車施設領域Aにおける気象状態を取得する構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。
(10)上記の各実施形態においては、駐車区画特定部20が、自車位置情報取得部12により取得される自車位置情報と、車載カメラ等の撮像装置により取得される車両3の周辺の画像情報を取得し、当該画像情報に基づいて車両3が駐車された駐車区画Cを特定する場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、例えば自車位置が高精度に特定できる場合等には、自車位置情報取得部12により取得される自車位置情報のみに基づいて駐車区画Cを特定する構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。
(11)上記の各実施形態においては、駐車区画特定部20が、特定した駐車区画Cの情報と施設データ36に含まれる駐車区画C毎の屋根の有無に関する情報とに基づき、車両3が駐車された駐車区画Cが屋根付駐車区画であるか否かの判定も行う場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、例えば車載カメラ等の撮像装置により取得される車両3の周辺の画像情報画像情報に基づいて、車両3が駐車された駐車区画Cが屋根付駐車区画であるか否かの判定を行う構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。
(12)上記の各実施形態においては、混雑度取得部21が、集中管理サーバ2やVICS等の車両3の外部の発信装置から発信される駐車場Pの混雑度に関する情報を、送受信部11を介して取得する場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、例えば車載カメラ等の撮像装置により取得される車両3の周辺の画像情報(各駐車場Pにおける空車状況を表示する案内板に表示された情報を含む)に基づいて、駐車場Pの混雑度に関する情報を取得する構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。この場合、当該駐車場Pについて取得された混雑度がそのまま駐車施設領域A内における混雑度を代表するものとすると良い。
(13)上記の各実施形態においては、評価値取得部18が、基準走行距離L0に対する実走行距離L1の割合に基づいて、省燃費運転に関する評価を示す評価値Vを取得する場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、図5に示した例の場合のように、駐車場P(ここでは、駐車施設領域Aに一致する)の出入口Iと施設Fの建屋の入口とが大きく離間して配置されている場合には、施設Fの建屋の入口から遠い(施設Fの建屋の入口までの距離が長い)位置にある駐車区画Cに車両3を駐車することは、駐車施設領域A内における歩行距離を長くして車両3の実走行距離を短縮させる(燃料消費量を低減させる)ことにつながる。よって、そのような駐車区画Cの選択は、省燃費運転として適切なものであると判定されるべきである。従って、そのような場合には、車両3を駐車させた駐車区画Cと施設Fの入口との間の離間距離に基づいて、評価値取得部18が省燃費運転に関する評価を示す評価値を取得する構成とすることも可能である。この場合、上記評価値は、離間距離が長いほど省燃費運転に関する評価が高くなるような値として設定されていると好適である。
(14)上記の実施形態において説明した、ナビゲーション装置1と集中管理サーバ2とのそれぞれが備える機能部の割り当ては単なる一例である。したがって、例えば自車位置情報取得部12等のように、ナビゲーション装置1側に備える必要がある機能部を除き、各機能部は、ナビゲーション装置1と集中管理サーバ2とのいずれに備えられていても良い。従って、例えば車両駐車評価システム100の全ての構成が車載端末装置としてのナビゲーション装置1に備えられた構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。この場合、ナビゲーション装置1内に車両駐車評価システム100が含まれる構成となる。また、例えば車両駐車評価システム100の主要な構成の全てが集中管理装置としての集中管理サーバ2に備えられた構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。ここで、車両駐車評価システム100の主要な構成には、駐車施設領域設定手段としての駐車施設領域設定部15、実燃料消費指標取得手段としての実走行距離取得部16、基準燃料消費指標取得手段としての基準走行距離取得部17、及び評価値取得手段としての評価値取得部18が含まれる。
(15)上記の実施形態では、本発明に係る車両駐車評価システム100を構成する車載端末装置が、ナビゲーション装置1である場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、例えば本発明に係る車両駐車評価システム100を構成する車載端末装置を、ナビゲーション装置1とは無関係な車両3の制御装置として構成することも、本発明の好適な実施形態の一つである。
本発明は、駐車場内における運転操作が省燃費の観点から見て適切であったか否かを評価する車両駐車評価システム、及び車両駐車評価プログラムに好適に利用することができる。
100 車両駐車評価システム
1 ナビゲーション装置(車載端末装置)
2 集中管理サーバ(集中管理装置)
3 車両
15 駐車施設領域設定部(駐車施設領域設定手段)
16 実走行距離取得部(実燃料消費取得手段)
17 基準走行距離取得部(基準燃料消費取得手段)
18 評価値取得部(評価値取得手段)
19 気象状態取得部(気象状態取得手段)
20 駐車区画特定部(駐車区画特定手段)
21 混雑度取得部(混雑度取得手段)
32 補正部(補正手段)
23 評価情報取得部(評価情報取得手段)
33 地図データ
C 駐車区画
P 駐車場
A 駐車施設領域
F 施設

Claims (12)

  1. 車両を駐車させるための複数の駐車区画を保有する施設に対して、当該施設における全ての前記駐車区画を包含する一かたまりの領域である駐車施設領域を地図データに基づいて設定する駐車施設領域設定手段と、
    車両の実走行に基づいて、前記駐車施設領域に進入してから退出するまでの車両の燃料消費量に関連する指標である実燃料消費指標を取得する実燃料消費指標取得手段と、
    前記駐車施設領域内における基準となる燃料消費量に関連する指標である基準燃料消費指標を取得する基準燃料消費指標取得手段と、
    前記基準燃料消費指標に対する前記実燃料消費指標の割合に基づいて、省燃費運転に関する評価を示す評価値を取得する評価値取得手段と、
    を備えた車両駐車評価システム。
  2. 前記地図データは、複数の前記駐車区画が集合して形成される駐車場の位置情報を含み、
    前記駐車施設領域が、前記駐車場の位置情報に基づいて、前記施設が保有する一又は二以上の前記駐車場の全てを包含する、予め定められた外形を有する最小面積の領域となるように設定されている請求項1に記載の車両駐車評価システム。
  3. 前記地図データは、前記施設の位置情報を更に含み、
    前記施設及び前記駐車場の位置情報に基づいて、前記施設の基準点、又は、前記施設が保有する一又は二以上の前記駐車場の重心に施設基準点が設定され、
    前記駐車施設領域が、当該駐車施設領域に設定される領域基準点が前記施設基準点に一致する状態で設定されている請求項2に記載の車両駐車評価システム。
  4. 前記基準燃料消費指標が、前記駐車施設領域毎に個別に予め設定されており、又は、前記駐車施設領域の大きさに応じて算出された近似値として設定される請求項1から3のいずれか一項に記載の車両駐車評価システム。
  5. 前記実燃料消費指標は、前記駐車施設領域に進入してから退出するまでの車両の実走行距離又は実燃料消費量であり、
    前記基準燃料消費指標は、前記実走行距離又は前記実燃料消費量に対応するそれぞれ基準走行距離又は基準燃料消費量として設定されている請求項1から4のいずれか一項に記載の車両駐車評価システム。
  6. 天気、気温、降水量、風速、及び発令警報の中から選択される少なくとも一つ以上に基づいて、前記駐車施設領域における気象状態を取得する気象状態取得手段と、
    前記気象状態に応じて、当該気象状態が悪いほど前記評価値の変動幅が大きくなるように前記評価値を補正する補正手段と、
    を更に備えた請求項1から5のいずれか一項に記載の車両駐車評価システム。
  7. 車両が駐車された前記駐車区画を特定する駐車区画特定手段を備えると共に、
    前記地図データは、前記駐車区画毎に屋根の有無を表す情報を含み、
    前記補正手段は、前記気象状態が所定の猛暑状態であって、かつ車両が駐車された前記駐車区画が屋根を有する場合には、前記評価を高くするように前記評価値を補正する請求項6に記載の車両駐車評価システム。
  8. 前記補正手段は、前記気象状態が所定の最悪気象状態である場合には、前記評価の低下を抑制するように前記評価値を補正する請求項6又は7に記載の車両駐車評価システム。
  9. 前記駐車施設領域内における混雑度を取得する混雑度取得手段と、
    前記混雑度が高くなるほど前記評価の低下を抑制する程度を大きくするように前記評価値を補正する補正手段と、
    を更に備えた請求項1から8のいずれか一項に記載の車両駐車評価システム。
  10. 前記評価値に基づいて評価情報を取得する評価情報取得手段を更に備え、
    前記評価情報取得手段は、前記評価値に応じて付与されるポイント、前記評価値に応じた内容のアドバイス文、及び前記駐車施設領域において前回取得された前記評価値を視覚的に表すグラフ表示、の少なくとも一つの情報を前記評価情報として取得する請求項1から9のいずれか一項に記載の車両駐車評価システム。
  11. 車両に搭載された車載端末装置と、複数の前記車載端末装置との間で通信可能に設けられた集中管理装置と、を有して構成され、
    前記車載端末装置は、当該車載端末装置が搭載された車両が前記駐車施設領域から退出した際に、当該駐車施設領域内における前記評価値に関する情報を前記集中管理装置へ送信し、
    前記集中管理装置は、前記車載端末装置から受信した前記評価値に関する情報に基づいて、当該車載端末装置についての評価情報を生成する請求項1から10のいずれか一項に記載の車両駐車評価システム。
  12. 車両を駐車させるための複数の駐車区画を保有する施設に対して、当該施設における全ての前記駐車区画を包含する一かたまりの領域である駐車施設領域を地図データに基づいて設定する駐車施設領域設定ステップと、
    車両の実走行に基づいて、前記駐車施設領域に進入してから退出するまでの車両の燃料消費量に関連する指標である実燃料消費指標を取得する実燃料消費指標取得ステップと、
    前記駐車施設領域内における基準となる燃料消費量に関連する指標である基準燃料消費指標を取得する基準燃料消費指標取得ステップと、
    前記基準燃料消費指標に対する前記実燃料消費指標の割合に基づいて、省燃費運転に関する評価を示す評価値を取得する評価値取得ステップと、
    前記評価値に基づいて評価情報を取得する評価情報取得ステップと、
    をコンピュータに実行させる車両駐車評価プログラム。
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