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JP2012026120A - コンクリート躯体の補強方法 - Google Patents

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JP2012026120A JP2010164137A JP2010164137A JP2012026120A JP 2012026120 A JP2012026120 A JP 2012026120A JP 2010164137 A JP2010164137 A JP 2010164137A JP 2010164137 A JP2010164137 A JP 2010164137A JP 2012026120 A JP2012026120 A JP 2012026120A
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Abstract

【課題】長期間に亘って補強の効果が持続する、補強技術の提供を課題とする。
【解決手段】コンクリート躯体10に貫通孔18を開けると共に基礎11に定着部孔19を開ける工程と、孔17にテンドン20を挿入し、第1パッカ24を膨らませる工程と、第1室28へグラウト材29を注入し、凝固させてテンドン20の先端部22を定着部孔19に固定する工程と、テンドン20の基部23を引張り機械31で掴み、テンドン20に第1のテンションF1を掛け、この第1のテンションF1を維持しながら第2パッカ25を膨らませる工程と、第2室32へグラウト材29を注入し、凝固させる工程と、引張り機械31を緩める工程と、からなる。
【効果】テンションのかかる区間を短くすることで、テンドン20とグラウト材29との間に発生し得るクラックを、より有効に防止することができる。クラックの発生を防止することで、長期間に亘って補強の効果が持続する。
【選択図】図2

Description

本発明は、コンクリート躯体の補強方法、特に、「多点PSアンカーによる大型コンクリート駆体の補強方法」に関する。
なお、PSアンカー(prestressed anchor)は、予め軸方向に張力を付与されているアンカーを意味する。多点とは、軸方向の異なる部位をいう。多点PSアンカーとは、軸方向の異なる部位に、各々張力が付与されているアンカーを意味する。
ダムをはじめとして、コンクリート製の建造物である、様々なコンクリート躯体が知られている。コンクリート躯体を建造する場合は、ベース部としての基礎の上部に、本体としてのコンクリート躯体を建造することが一般的である。コンクリート躯体をより高い強度で基礎に結合させ、地震等の外力から保護するための技術が種々提案されている(例えば、特許文献1(図3)参照。)。
特許文献1を次図に基づいて説明する。
図9に示すように、ダム堤体101は、地盤102上に建造され、グラウンドアンカーテンドン103で補強されている。
この補強は以下のようにして行う。即ち、ダム堤体101から地盤102まで孔104を開け、この孔104に、テンドン(tendon)105、105を挿入し、孔104の下部に、セメントミルク等のグラウト106aを注入する。グラウト106aが凝固すると、テンドン105、105の下部が地盤102に固定される。次に、テンドン105、105を引張る。このままで、孔104にさらにグラウト106bを注入し、凝固させる。
テンドン105、105は、芯部に鋼線を用いた伸縮自在な部材である。保護体109、109よりも上部は、シース111、111と呼ばれる樹脂製の保護材で、鋼線が覆われている。テンドン105、105は、シース111、111が被せられない先端部105aと、固定板108が取り付けられる基部105bとで引張り合うようにして、テンションを保っている。
ところで、本発明者らが地震に関する実験を行ったところ、次のような問題があることが分かった。
図9の要部拡大図である図10に示すように、ダム堤体101に揺れが加わり、この揺れの力が所定の値を超えると、固定板108近傍で部分的な破壊117が生じ得ることが分かった。部分破壊が生じることで、所望の補強作用が得られなくなる。
図9に戻り以下のこともいえる。テンドン105、105はダム堤体101を貫通している。補強が必要な部位は、ダム堤体の中でも大きな負荷のかかる、地盤102とダム堤体101の下部との間であるにも関わらず、従来の技術ではダム堤体101の全体を圧縮していた。即ち、無用な圧縮力をダム堤体101にかけていた。
コンクリート躯体において、部分破壊を防止しつつ、必要な部位にのみ圧縮力のかかる補強技術の提供が望まれる。
特開2007−217981公報
本発明は、コンクリート躯体において、部分破壊を防止しつつ、必要な部位にのみ圧縮力のかかる補強技術の提供を課題とする。
請求項1に係る発明は、基礎上に構築したコンクリート躯体の補強方法において、
基礎及びコンクリート躯体に孔を開けることができる削孔機と、内圧で膨らませることができる複数個のパッカを備えた鋼棒又は鋼線からなるテンドンと、このテンドンに張力を掛ける引張り機械とを準備する工程と、
削孔機でコンクリート躯体に貫通孔を開けると共に基礎に定着部孔を開ける削孔工程と、
孔にテンドンを挿入する工程と、
パッカのうち、定着部孔に最も近い第1パッカを膨らませる工程と、
この第1パッカと定着部孔で囲われた第1室へグラウト材を注入し、凝固させてテンドンの先端部を定着部孔に固定する定着工程と、
テンドンの基部を引張り機械で掴み、テンドンに第1のテンションを掛ける工程と、
この第1のテンションを維持しながら第1パッカの隣の第2パッカを膨らませる工程と、
第1パッカと第2パッカと貫通孔とで囲われる第2室へグラウト材を注入し、凝固させる工程と、
引張り機械を緩める工程と、からなることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、基礎上に構築したコンクリート躯体の補強方法において、
基礎及びコンクリート躯体に孔を開けることができる削孔機と、内圧で膨らませることができる複数個のパッカを備えた鋼棒又は鋼線からなるテンドンと、このテンドンに張力を掛ける引張り機械とを準備する工程と、
削孔機でコンクリート躯体に貫通孔を開けると共に基礎に定着部孔を開ける削孔工程と、
孔にテンドンを挿入する工程と、
パッカのうち、定着部孔に最も近い第1パッカを膨らませる工程と、
この第1パッカと定着部孔で囲われた第1室へグラウト材を注入し、凝固させてテンドンの先端部を定着部孔に固定する定着工程と、
テンドンの基部を引張り機械で掴み、テンドンに第1のテンションを掛ける工程と、
この第1のテンションを維持しながら第1パッカの隣の第2パッカを膨らませる工程と、
第1パッカと第2パッカと貫通孔とで囲われる第2室へグラウト材を注入し、凝固させる工程と、
引張り機械で、テンドンに第1のテンションより小さな第2のテンションを掛ける工程と、
この第2のテンションを維持しながら第2パッカの隣の第3パッカを膨らませる工程と、
第2パッカと第3パッカと貫通孔とで囲われる第3室へグラウト材を注入し、凝固させる工程と、
引張り機械を緩める工程と、からなることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2記載のコンクリート躯体の補強方法であって、コンクリート躯体は、ダム堤体であることを特徴とする。
請求項4に係る発明では、ダム堤体は、基礎に接する底面と、この底面の一端から上へ延び貯水又は土砂を受ける受圧面と、底面の他端から斜め上に延びる斜面とからなる、略三角形の断面を有し、テンドンは、斜面から底面の一端又はその近傍に向かって延ばされることを特徴とする。
請求項1に係る発明では、第1のテンションを維持しながら、第2室へグラウト材を注入し、凝固させる。テンドンがグラウト材を介してコンクリート躯体に接続される。この接続による接合強度は、テンドンの長さに比例する。荷重は、テンドンの長さ方向に分散される。分散荷重であるため、コンクリート躯体が局部破壊する心配はない。
加えて、基礎とコンクリート躯体下部との間だけに圧縮力をかけることができる。即ち、不要な部分に圧縮力をかけない。
請求項2に係る発明では、第1のテンションを維持しながら、第2室へグラウト材を注入し、凝固させる。テンドンがグラウト材を介してコンクリート躯体に接続される。この接続による接合強度は、テンドンの長さに比例する。荷重は、テンドンの長さ方向に分散される。分散荷重であるため、コンクリート躯体が局部破壊する心配はない。
加えて、基礎とコンクリート躯体下部との間だけに圧縮力をかけることができる。即ち、不要な部分に圧縮力をかけない。
さらに、第1のテンションより小さな第2のテンションを第3室にかける。第2室の周りに形成される第3室にもテンションをかけることで、補助的に補強を行うことができる。2段階の補強を行うことでさらに局部破壊の発生を確実に防止することができる。
請求項3に係る発明では、コンクリート躯体は、ダム堤体である。ダム堤体は、水や土砂から受ける力の向きがほぼ一定である。本発明によれば、必要な部位に、補強のためのテンションを掛けることができる。水や土砂から受ける力の向きがほぼ一定であるダム堤体は、負荷のかかりやすい部位が容易に特定される。負荷のかかりやすい部位を集中的に補強することができ、好ましい。
請求項4に係る発明では、テンドンは、斜面から底面の一端又はその近傍に向かって延ばされる。即ち、受圧面と底面との交点近傍に向かって延ばされ、交点近傍を集中的に補強する。ダムに使用することで、ダム堤体内に水が充填され、又は土砂が蓄積される。一端ダムが使用され始めると、ダム堤体内の水や土砂を全て掻き出すことは困難である。水や土砂を掻き出すことが困難であるから、受圧面と底面との交点近傍には、常に水や土砂が存在することとなる。水や土砂が常に存在するため、交点近傍は補修を行うことが難しい。補修し難い交点近傍を、特に集中的に補強することで、有効にダム堤体の補強を行うことができる。
削孔工程から第1パッカを膨らませる工程までを説明する図である。 定着工程から第2室凝固工程までを説明する図である。 第3室凝固工程からキャップ装着工程までを説明する図である。 図2の4−4線断面図である。 図4の5−5線断面図である。 図3の6部拡大図である。 引張り機械を説明する図である。 本発明に係る作用説明図である。 従来の技術の基本原理を説明する図である。 図9の10部拡大図である。
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
先ず、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1(a)に示されるように、ダム堤体10は、支持部である基礎11の上面に建造される建造物であり、ダム堤体10で囲われた部位に水12が溜められる(以下、「貯水12」という。)。
ダム堤体10は、基礎11に接する底面14と、この底面14の一端から上へ延び貯水を受ける受圧面15と、底面14の他端から斜め上に延びる斜面16とからなる、略三角形の断面を有している。
このようなダム堤体10を補強するには、まず、ダム堤体10の斜面16から底面14の一端又はその近傍に向かって、削孔機で孔17を開ける。孔17は、ダム堤体10に空けられる貫通孔18と、基礎11の一部に空けられる定着部孔19とが一体的に空けられる。
ダム堤体10は、水が溜められるものの他、砂防ダム等であっても適用することができる。即ち、砂防ダムである場合は、受圧面で土砂を受ける。この他、ダムの種類は問わず、様々な種類のダムに適用することができる。
次に、(b)に示すように、テンドン20を孔17内に挿入する。
テンドン20には、先端部22から基部23に向かって順番に第1パッカ24、第2パッカ25、第3パッカ26が備えられている。基部23は、他の部位に比べ径の大きい大径部とされる。
第1パッカ24は、定着部孔19内に収まるよう、テンドン20の先端部22から所定の距離内に設けられることが望ましい。
テンドン20は、図に示すような鋼棒の他、鋼線を用いることもできる。必要な強度に合わせて、これらを複数用いることや、組合わせて使用することもできる。即ち、テンドン20は、腱状の任意の部材を用いることができる。
次に、(c)に示すように、第1パッカ24を作動させ、膨らませる。第1パッカ24が膨らむことで、第1パッカ24と定着部孔19で囲われた第1室28が形成される。
パッカ24、25、26の膨らませ方については、詳細を後述する。
図2(a)に示すように、形成された第1室28にグラウト材29を加圧しながら、注入する。注入されたグラウト材29が凝固することで、テンドン20の先端部22が摩擦力により、定着部孔19に固定される。
グラウト材29には、セメントミルクやモルタル等、任意の材料を用いることができる。グラウト材29の注入については詳細を後述する。
テンドン20を固定させた後は、(b)に示すように、引張り機械31を設置し、この引張り機械31でテンドン20を引張る。このときに引張る力を第1のテンションといい、この第1のテンションの大きさをF1とする。
第1のテンションF1を保ちながら、(c)に示すように、第2パッカ25を作動させ、第2室32を形成する。第2室32形成後も引張り機械31でテンドン20を引張り続けながら、第2室32にグラウト材33を加圧、注入し、凝固させる。
第1室28に使用したグラウト材29と、第2室32に使用するグラウト材33とでは、同じ材料を用いてもよいし、異なる材料を用いることもできる。加えて、同じ材料を用いる場合であっても、配合を変えることで強度を変える等、選択は任意に行うことができる。
図3(a)に示すように、第2室32のグラウト材33が凝固したら、引張り機械31で与えるテンションを、第2のテンションに変更する。第2のテンションの大きさはF2であり、第1のテンションの大きさF1(図2(b)参照)よりも小さい。即ち、F1>F2。
第2のテンションF2をかけた状態で、第3パッカ26を膨らませ、第3室35を形成した上で、グラウト材36を加圧、注入し、グラウト材36を凝固させる。グラウト材36が凝固したら、引張り機械31を緩め、引張り機械31を斜面16から撤去する。
必要に応じて基部23を切除し、(b)に示すように、雨水等の浸水を防止するためのキャップ37を孔17に被せて、ダム堤体10の補強作業は終了する。
次図でパッカ24、25、26について詳細を説明する。
図4に示すように、テンドン20の周囲に沿うようにして、第1室(図3、符号28)にグラウト材(図3、符号29)を供給する第1グラウト供給管38と、第1室に供給されたグラウト材が排出される第1グラウト排出管39と、第1パッカ(図3、符号24)にセメントミルクを供給する第1のセメントミルク供給管41と、第2室(図3、符号32)にグラウト材(図3、符号33)を供給する第2グラウト供給管42と、第2室に供給されたグラウト材が排出される第2グラウト排出管43と、第2パッカ(図3、符号25)にセメントミルクを供給する第2のセメントミルク供給管44と、第3室(図3、符号35)にグラウト材(図3、符号36)を供給する第3グラウト供給管45と、第3室に供給されたグラウト材が排出される第3グラウト排出管46とが配置される。
テンドン20、第1グラウト供給管38、第1グラウト排出管39、第1のセメントミルク供給管41、第2グラウト供給管42、第2グラウト排出管43、第2のセメントミルク供給管44、第3グラウト供給管45、第3グラウト排出管46を一体的に囲うように第3パッカ26は設けられる。第3パッカ26にセメントミルクを供給する第3のセメントミルク供給管47が第3パッカ26に接続される。
第1パッカ及び第2パッカについても、テンドン20の周りに沿う管の数が異なるだけで、基本的な構成は同じである。
パッカへのセメントミルク供給管の接続について、詳細を次図で説明する。
図5(a)に示すように、第3のセメントミルク供給管47は、第3パッカ26の内部に先端が差し込まれている。第2のセメントミルク供給管44は、テンドン20に沿って第2パッカ(図3、符号25)に向けて延ばされる。
第3パッカ26を膨らませるには、第3のセメントミルク供給管47を介して、第3パッカ26内にセメントミルクを流し込む。(b)に示すように、セメントミルクで膨張させることで、第3パッカ26は第3室35を形成する。
第3パッカ26を膨らませるのに、セメントミルクのようなグラウト材の他、水や窒素ガス等の流体を用いることもできる。即ち、任意の素材を選択することができる。
第1パッカや第2パッカについても同様の方法で膨らませることができ、それぞれを異なる素材で膨らませることができる。
グラウト材の注入について次図で詳細に説明する。
図6に示すように、第3グラウト供給管45及び第3グラウト排出管46は、第3室35に先端が臨むよう設けられる。第3グラウト供給管45を介して、第3室35にグラウト材36を注入する。第3室35がグラウト材36で満たされ、しばらくすると、第3グラウト排出管46からグラウト材36の一部が排出される。
第1室及び第2室32についても同様の方法で、グラウト材を注入する。
テンドン20にテンションを与える引張り機械について次図で詳細を説明する。
図7に示すように、引張り機械31は、ダム堤体10の斜面16上に取り付けられる門型ブラケット48と、この門型ブラケット48に基部が支持されロッド49が孔17に向かって出没する油圧シリンダ51と、この油圧シリンダ51のロッド49の先端に設けられテンドン20の基部23を掴む爪部52とからなる。
このようにして補強される本発明のダム堤体10の作用を次図で説明する。
図8に示すように、本発明によれば、第1のテンションを維持しながら、第2室32へグラウト材33を注入し、凝固させる。テンドン20がグラウト材33を介してダム堤体(コンクリート躯体)10に接続される。この接続による接合強度は、テンドン20の長さに比例する。荷重は、テンドン20の長さ方向に分散される。分散荷重であるため、ダム堤体10が局部破壊する心配はない。
加えて、基礎11とダム堤体10下部との間だけに圧縮力をかけることができる。即ち、不要な部分に圧縮力をかけない。
加えて、第1のテンションより小さな第2のテンションを第3室35にかける。第2室32の周りに形成される第3室35にもテンションをかけることで、補助的に補強を行うことができる。2段階の補強を行うことでさらにクラックの発生等を確実に防止することができる。
さらに、コンクリート躯体をダム堤体10とした場合は以下のことをいうこともできる。ダム堤体10は、貯水12や土砂から受ける力の向きがほぼ一定である。必要な部位に、補強のためのテンションを掛けることができる。貯水12や土砂から受ける力の向きがほぼ一定であるダム堤体10は、負荷のかかりやすい部位が容易に特定される。負荷のかかりやすい部位を集中的に補強することができ、好ましい。
加えて、テンドン20は、斜面16から底面14の一端又はその近傍に向かって延ばされる。即ち、受圧面15と底面14との交点53近傍に向かって延ばされ、交点53近傍を集中的に補強する。ダムに使用することで、ダム堤体10内に貯水12が充填され、又は土砂が蓄積される。一旦ダムが使用され始めると、ダム堤体10内の貯水12や土砂を全て掻き出すことは困難である。貯水12や土砂を掻き出すことが困難であるから、受圧面15と底面14との交点53近傍には、常に貯水12や土砂が存在することとなる。貯水12や土砂が常に存在するため、交点53近傍は補修を行うことが難しい。補修し難い交点53近傍を、特に集中的に補強することで、有効にダム堤体の補強を行うことができる。
尚、本発明に係るコンクリート躯体は、実施の形態ではダム堤体に適用したが、その他の構造物にも適用可能であり、ダム堤体に用途は限られない。
本発明のコンクリート躯体の補強方法は、ダム堤体の補強に好適である。
10…ダム堤体(コンクリート躯体)、11…基礎、12…貯水、14…底面、15…受圧面、16…斜面、17…孔、18…貫通孔、19…定着部孔、20…テンドン、22…先端部、23…基部、24…第1パッカ、25…第2パッカ、26…第3パッカ、28…第1室、29、33、36…グラウト材、31…引張り機械、32…第2室、35…第3室。

Claims (4)

  1. 基礎上に構築したコンクリート躯体の補強方法において、
    前記基礎及びコンクリート躯体に孔を開けることができる削孔機と、内圧で膨らませることができる複数個のパッカを備えた鋼棒又は鋼線からなるテンドンと、このテンドンに張力を掛ける引張り機械とを準備する工程と、
    前記削孔機で前記コンクリート躯体に貫通孔を開けると共に前記基礎に定着部孔を開ける削孔工程と、
    前記孔に前記テンドンを挿入する工程と、
    前記パッカのうち、前記定着部孔に最も近い第1パッカを膨らませる工程と、
    この第1パッカと前記定着部孔で囲われた第1室へグラウト材を注入し、凝固させて前記テンドンの先端部を前記定着部孔に固定する定着工程と、
    前記テンドンの基部を前記引張り機械で掴み、前記テンドンに第1のテンションを掛ける工程と、
    この第1のテンションを維持しながら前記第1パッカの隣の第2パッカを膨らませる工程と、
    前記第1パッカと前記第2パッカと前記貫通孔とで囲われる第2室へグラウト材を注入し、凝固させる工程と、
    前記引張り機械を緩める工程と、からなることを特徴とするコンクリート躯体の補強方法。
  2. 基礎上に構築したコンクリート躯体の補強方法において、
    前記基礎及びコンクリート躯体に孔を開けることができる削孔機と、内圧で膨らませることができる複数個のパッカを備えた鋼棒又は鋼線からなるテンドンと、このテンドンに張力を掛ける引張り機械とを準備する工程と、
    前記削孔機で前記コンクリート躯体に貫通孔を開けると共に前記基礎に定着部孔を開ける削孔工程と、
    前記孔に前記テンドンを挿入する工程と、
    前記パッカのうち、前記定着部孔に最も近い第1パッカを膨らませる工程と、
    この第1パッカと前記定着部孔で囲われた第1室へグラウト材を注入し、凝固させて前記テンドンの先端部を前記定着部孔に固定する定着工程と、
    前記テンドンの基部を前記引張り機械で掴み、前記テンドンに第1のテンションを掛ける工程と、
    この第1のテンションを維持しながら前記第1パッカの隣の第2パッカを膨らませる工程と、
    前記第1パッカと前記第2パッカと前記貫通孔とで囲われる第2室へグラウト材を注入し、凝固させる工程と、
    前記引張り機械で、前記テンドンに第1のテンションより小さな第2のテンションを掛ける工程と、
    この第2のテンションを維持しながら前記第2パッカの隣の第3パッカを膨らませる工程と、
    前記第2パッカと前記第3パッカと前記貫通孔とで囲われる第3室へグラウト材を注入し、凝固させる工程と、
    前記引張り機械を緩める工程と、からなることを特徴とするコンクリート躯体の補強方法。
  3. 請求項1又は請求項2記載のコンクリート躯体の補強方法であって、
    前記コンクリート躯体は、ダム堤体であることを特徴とするコンクリート躯体の補強方法。
  4. 前記ダム堤体は、前記基礎に接する底面と、この底面の一端から上へ延び貯水又は土砂を受ける受圧面と、前記底面の他端から斜め上に延びる斜面とからなる、略三角形の断面を有し、
    前記テンドンは、前記斜面から前記底面の一端又はその近傍に向かって延ばされることを特徴とする請求項3記載のコンクリート躯体の補強方法。
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