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JP2012024687A - カルボン酸エステル製造用触媒の保存方法およびカルボン酸エステルの製造方法 - Google Patents

カルボン酸エステル製造用触媒の保存方法およびカルボン酸エステルの製造方法 Download PDF

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JP2012024687A JP2010165171A JP2010165171A JP2012024687A JP 2012024687 A JP2012024687 A JP 2012024687A JP 2010165171 A JP2010165171 A JP 2010165171A JP 2010165171 A JP2010165171 A JP 2010165171A JP 2012024687 A JP2012024687 A JP 2012024687A
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Abstract

【課題】活性成分として遷移金属及び半金属を担体に担持してなるカルボン酸エステル製造用触媒の経時劣化を抑制し、製造直後の触媒性能を維持することができるカルボン酸エステル製造用触媒の保存方法を提供することを目的とする。
【解決手段】周期表の第8〜10族遷移金属及び半金属を活性成分として担体に担持してなるカルボン酸エステル製造用触媒を、酸素分圧が0.01〜10.00kPaの環境下で保存することを特徴するカルボン酸エステル製造用触媒の保存方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、カルボン酸エステル製造用触媒の保存方法およびカルボン酸エステルの製造方法に関する。
従来、共役ジエンをカルボン酸及び分子状酸素と反応させて対応するカルボン酸エステルを製造する際に用いられる触媒として、パラジウム、白金、ロジウムなどの遷移金属、およびテルル、セレン、アンチモン等の半金属を触媒活性種として担体に担持した固体触媒が知られており、特に、遷移金属としてパラジウム、および第2成分として半金属のテルルを共存させた固体触媒(以下、「パラジウム−テルル触媒」と略記することがある)が、ブタジエンを酢酸及び分子状酸素と反応させて1,4−ジアセトキシ−2−ブテン(以下、「14DABE」と略記することがある)を製造するブタジエンのアセトキシ化反応に有用であることが知られている。
パラジウム−テルル触媒の中でも、例えば、X線マイクロアナライザーで測定された活性成分の担持分布において、担体表面から中心に対する半径の30%の深さまでの表層部に、触媒に担持された全パラジウムの80%以上が存在し、かつ、触媒に担持された全テルルの75%以上が存在する触媒(特開平10−175917号公報)や、担体表面から中心に対する半径の30%の深さまでの表層部に、触媒に担持された全パラジウムおよび触媒に担持された全テルルのそれぞれ99重量%以上が存在する触媒(特開2005−013800号公報)などが提案されており、これらは、活性が高く、工業的に十分満足できる高い収率で14DABEを得ることができる。
一方、カルボン酸エステルを工業的規模で製造する設備では、カルボン酸エステルの製造に使用する触媒の量が、通常、数ton〜数十tonにもおよぶため、触媒の製造能力にもよるが、通常、工業的規模で使用する必要量になるまで数ヶ月以上かけて触媒を製造することが多い。また、製造された触媒を、触媒の製造場所からカルボン酸エステルの製造設備まで輸送するのに、数週間〜数ヶ月の期間を有する場合もある。このような理由から、工業的に使用されるカルボン酸エステル製造用触媒は、製造された日から1年近く保管した後、カルボン酸エステルの製造設備に導入し反応に使用されるのが一般的である。また、カルボン酸エステルの製造設備に導入された後も、生産調整を目的として製造設備の一時的な停止が行われると、再度設備が稼動するまでに、該触媒は反応器内で長期間保管されたままであることが多い。
特開平10−175917号公報 特開2005−13800号公報
上記特許文献1〜2には、触媒の経時劣化の問題については一切記載されていないが、本発明者等の検討によれば、触媒の製造において、触媒を長期間保存していると、理由は定かではないが、還元後触媒中の遷移金属や半金属またはその合金による触媒の活性点が減少し、そのためカルボン酸エステルの収率が数%のオーダーで低下して、工業的にカルボン酸エステルを製造するにあたって、その製造コストが増大することが判明した。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、活性成分として遷移金属及び半金属を担体に担持してなるカルボン酸エステル製造用触媒の経時劣化を抑制し、製造直後の触媒性能を維持することができるカルボン酸エステル製造用触媒の保存方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、活性種としてパラジウムなどの遷移金属とテルルなどの半金属が担体の表層部に担持された触媒は、反応性が高い反面、活性種である金属自体が空気中の酸素と反応が進みやすくなり、保管中に触媒の活性成分が減少していくであろうとの考えの下、酸素分圧が0.01〜10.0kPaである酸素含有ガス雰囲気下で保存すると、経時劣化が極めて少なく、製造直後の触媒性能を維持することができることを見出した。
即ち、本発明の要旨は以下の[1]〜[8]に存する。
[1]周期表の第8〜10族遷移金属及び半金属を活性成分として担体に担持してなるカルボン酸エステル製造用触媒を、酸素分圧が0.01〜10.00kPaの環境下で保存することを特徴するカルボン酸エステル製造用触媒の保存方法。
[2]前記カルボン酸エステル製造用触媒を密閉空間に封入した後、該密閉空間に不活性ガスを導入し、該密閉空間の気相部を不活性ガスで置換して、該密閉空間の酸素分圧が0.01〜10.00kPaに維持された環境下で保存することを特徴とする[1]に記載のカルボン酸エステル製造用触媒の保存方法。
[3]前記カルボン酸エステル製造用触媒の形状が球状又は円筒状であって、且つEPMA(X線マイクロアナライザー)で測定された前記活性成分の担持分布において、前記担体の表面から中心に対する半径の30%の深さまでの表層部に、前記遷移金属の80%以上が存在し、かつ、前記半金属の75%以上が存在することを特徴とする[1]又は[2]に記載のカルボン酸エステル製造用触媒の保存方法。
[4]前記周期表の第8〜10族遷移金属が白金族金属であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか1項に記載のカルボン酸エステル製造用触媒の保存方法。
[5]前記半金属がテルル、セレン、及びアンチモンからなる群より選ばれる少なくとも一種以上の金属であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか1項に記載のカルボン酸エステル製造用触媒の保存方法。
[6]前記担体がシリカである[1]〜[5]のいずれか1項に記載のカルボン酸エステル製造用触媒の保存方法。
[7]担体に周期表の第8〜10族遷移金属化合物及び半金属含有化合物を含む溶液に含浸後、還元して得られる前記遷移金属と前記半金属とを担持したカルボン酸エステル製造用触媒の存在下、不飽和炭化水素、カルボン酸、および酸素を反応させて、カルボン酸エステルを製造するにあたり、反応前に該触媒を酸素分圧が0.01〜10.00kPaの環境下で保存した後、反応を行うことを特徴とするカルボン酸エステルの製造方法。
[8]前記カルボン酸エステル製造用触媒を密閉空間に封入した後、該密閉空間に不活性ガスを導入し、該密閉空間の気相部を不活性ガスで置換して、該密閉空間の酸素分圧が0.01〜10.00kPaに維持された環境下で保存することを特徴とする[7]に記載のカルボン酸エステルの製造方法。
本発明で使用する触媒は周期表の第8〜10族遷移金属と半金属とを担体に担持した固体触媒である。
周期表の第8〜10族遷移金属の種類は、本発明の効果を著しく阻害しない限り任意であるが、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、オスミウム、イリジウム、白金等の白金族金属が好ましく、中でもパラジウム又はロジウムが更に好ましく、パラジウムが最も好ましい。これらの第8〜10族遷移金属は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比
率及び組み合わせで用いてもよい。
半金属の種類としては、本発明の効果を著しく阻害しない限り任意であるが、具体的には、テルル、ホウ素、ケイ素、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモン、セレン、ポロニウム等が挙げられ、テルル、セレン及びアンチモンからなる群より選ばれる少なくとも一種以上の金属が好ましく、中でもテルルが特に好ましい。これらの半金属は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
本発明において、触媒を調製する際に遷移金属化合物を使用するが、第8〜10族遷移金属を含むものであれば、任意のものを用いることが出来る。例えば、周期表の第8〜10族遷移金属の単体;無機化合物(例えば遷移金属の酸化物、硝酸塩、硫酸塩等)、ハロゲン化物(例えば遷移金属の塩化物等)、有機酸塩(例えば遷移金属の酢酸塩等)、錯塩(例えば遷移金属のアンミン錯体等)、有機金属化合物(例えば遷移金属のアセチルアセトナート錯体等)等が挙げられる。これら遷移金属化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
上記の中でも、遷移金属化合物としては、無機化合物、ハロゲン化物、遷移金属の塩化物が好ましく、中でも無機化合物又は遷移金属の塩化物が特に好ましい。
また、例えば、周期表第8〜10族遷移金属がパラジウムの場合、遷移金属化合物として、好ましいものは、パラジウムを含む無機化合物、又はパラジウムのハロゲン化物であり、中でも、具体的に特に好ましくは、硝酸パラジウム又は塩化パラジウム酸ナトリウムである。
本発明において、触媒を調製する際に半金属含有化合物を使用するが、周期表の半金属元素を含むものであれば、特に限定されないが、例えば、半金属の単体;無機化合物(例えば半金属の酸化物、硝酸塩、硫酸塩等)、ハロゲン化物(例えば半金属の塩化物等)、有機酸塩(例えば半金属の酢酸塩等)、錯塩(例えば半金属のアンミン錯体等)、有機金属化合物(例えば半金属のアセチルアセトナート錯体等)等が挙げられる。これら半金属化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
上記のものの中でも、半金属化合物としては、無機化合物、ハロゲン化物、遷移金属の塩化物が好ましく、中でも無機化合物が特に好ましい。
また、例えば、半金属がテルルの場合、半金属化合物として、好ましいものは、テルルを含む無機化合物、中でも、具体的に特に好ましくは、硝酸テルル又はテルル酸(HTe
)である。
本発明で触媒に使用する担体としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、活性炭等の無機多孔体が好ましく、特にシリカが好ましい。その形状については特に限定されるものではないが、その担体粒子径が大きすぎると触媒粒子外表面積が小さくなり、逆に小さすぎると触媒充填層の圧力損失が大きくなる事から、工業的には0.1mm〜20mmの大きさを有するものが有効である。その担体物性としては多孔質である必要があり、平均細孔直径は1〜200nmの範囲が好ましい。
本発明の周期表の第8〜10族遷移金属及び半金属を活性成分として担体に担持してなる触媒において、周期表の第8〜10族遷移金属の含有量は、触媒重量に対して、通常0.1重量%以上、好ましくは0.5重量%以上、より好ましくは1重量%以上であり、また一方では、通常20重量%以下、好ましくは10重量%以下、より好ましくは6重量%以下であることが望ましい。含有量が少なすぎる場合、反応性が低いため、生産性が低くなる可能性があり、多すぎる場合、金属量増加による触媒コスト増加の可能性がある。
また、半金属の含有量は、触媒重量に対して、通常0.05重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上であり、一方では、通常10重量%以下、好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下である。含有量が少なすぎる場合、反応性が低いため、生産性が低くなる可能性があり、多すぎる場合、金属量増加による触媒コスト増加の可能性がある。
本発明の触媒の形状は、通常は球状又は円筒状である。本発明の触媒の平均粒径(触媒の形状が円筒状の場合は、その底面の直径)は、通常100nm以上、好ましくは200nm以上、より好ましくは500nm以上、また、一方で、通常20mm以下、好ましくは10mm以下、より好ましくは5mm以下である。平均粒径(触媒の形状が円筒状の場合は、その底面の直径)が小さすぎる場合、例えば触媒を固定床反応器で用いる場合に差圧が大きくなり、また、懸濁床で用いる場合に分離が困難となる可能性がある。また、平均粒径(触媒の形状が円筒状の場合は、その底面の直径)が大きすぎる場合、固定床反応器で用いる場合に槽高が高くなることで必要な反応器の体積が大きくなり建設費が増大する可能性がある。
本発明の触媒は、触媒の形状が球状又は円筒状の場合、X線マイクロアナライザー(EPMA)で測定された活性成分の担持分布において、担体表面から中心に対する半径の30%の深さ迄の表層部に、触媒に担持された全遷移金属の80重量%以上が存在し、且つ、触媒に担持された全半金属の75重量%以上が存在することが好ましく、特に好ましくは、担体表面から中心に対する半径の30%の深さ迄の表層部に触媒に担持された全遷移金属および全半金属のそれぞれ99重量%以上が存在する触媒である。活性成分が担体表面から中心に対する半径の30%の深さ迄の表層部に集中すると反応速度的に有利となり、工業的に十分満足のいく高活性を得る事ができ、保存による活性成分の劣化抑制効果も大きく期待できる。
本発明において、触媒の活性成分の担持分布は、上述の特許文献1(特開平10−175917号公報)に記載の方法により測定し、求めることができる。
即ち、調製された固体触媒の中から10個の触媒粒子を任意に選び、各々の粒子についての最大面積を与える各断面に於いて、その断面を切る線の長さが最大になる直線(以後、この直線を長径線と記す。また、その長さを長径方向の直径、長径線の中点を長径方向の中心、直径の1/2を長径方向の半径とする)上、及び長径線と直交する直線で、その長さが最大になる直線(以後、この直線を短径線と記す。また、その長さを短径方向の直径、短径線の中点を短径方向の中心、直径の1/2を短径方向の半径とする)上についてEPMAにより20μmの間隔で測定し、後述の(1)〜(5)式の計算により補正された10本の長径線直径担持分布と10本の短径線直径担持分布を得る。この時、担体が球状の場合には、その担体形状を真球と仮定して長径線のみを測定し、その値から求められた担持分布をその触媒を代表する担持分布とする。担体が円筒状の場合には、担体の形状を真の円柱と仮定し、軸(断面が与える長方形の長径方向中心線)を長径線とし、短径線は長径線の中点を直交する直線とする。また、それ以外の担体形状の場合にはその断面を、長径線を長軸、短径線を短軸とした楕円に置き換え、その面を、長軸を軸として回転させた立体をその触媒粒子の形状として計算する。次に、この各長径線直径担持分布について長径線の両端(触媒粒子表面)の位置を0%と、長径線の中点の位置を100%として各測定点の位置(%)を求め、更に各長径線を中心で2分割し、合計20本の長径線半径担持分布を得る。この20本の長径線半径担持分布を各位置(%)毎に平均化する事により、長径線平均半径担持分布を得る。また、短径線についても長径線と同様に合計20本の短径線半径担持分布と短径線平均担持分布を求める。EPMAによる具体的な定量手法としてはZAF補正法を用いるのが好ましい。ZAF補正法とは、Z:原子番号効果、A:吸収効果、F:蛍光励起効果についての補正係数、即ち下式の
unk /Cstd =(Iunk /Isdt )×fZAF ×fother (1)
式中、Cunk は各元素の濃度、Cstd は標準試料の濃度、Iunk は各成分の測定強度、Isdt は標準試料の測定強度、fZAF はZAF補正法により得られた補正係数、fother はその他の補正係数]
ZAF を求める手法で、その詳細は専門書(例えば「電子線マイクロアナリシス」副島啓義著、日刊工業新聞社発行、等参照)に記載されている。また、本発明で用いられる触媒の如く多孔体である場合は、密度効果等によりfother が無視出来なくなる為、測定に用いられる標準試料は測定される触媒と同じ担体に、活性成分が既知の濃度で均質(この場合の「均質」とは、入射電子の拡散領域と特定X線の発生領域及び脱出経路が10nm程度まで均質である事、即ち、標準試料全体がnmスケールまで均質である事)に担持された試料である事が望ましいが、そのような標準試料を調製する事は難しい。そこで、本発明では、例えば、周期表の第8〜10族遷移金属がパラジウム、半金属がテルルの場合には、標準試料をパラジウムについてはパラジウム金属、テルルについてはテルル金属、担体を構成する各元素については活性成分が担持されていない担体としてZAF補正法により担持分布を測定し、以下の計算により求める。即ち、仮に触媒粒子が球状であった場合には、各測定点に於けるパラジウムの濃度Irw(wt%)は次式で求められる。
fr=r−(r−20)(2)
calc=Σ(Ir ×Vfr)/ΣVfr (3)
wt=(Wanl ×n)/(全ての測定粒子のWcalcの合計) (4)
rw=Ir ×fwt (5)
[式中、Vfrは各測定位置における体積補正係数、rは測定直線の中点からの測定点迄の距離(μm)、但し、r<20の場合はr=20として計算した。WcalcはEPMA測定結果より求めた各測定試料のパラジウム濃度(wt%)、Irは各測定試料のZAF補正法により求められた各測定位置におけるパラジウムの濃度(wt%)、Σは各測定直線毎の直径の範囲の総和、fwtは担持率補正係数で(1)式のfother に相当する。Wanl はその触媒のパラジウムの担持率(wt%)、nは測定試料数、Irwは各測定試料の各測定点に於ける補正後のパラジウム濃度(wt%)を示す。]
触媒粒子が円柱状の場合には、上記(2)式は長径方向については下記(2−b1)式、短径方向については下記(2−b2)式により各々Vfrを求め、続いて各々上記(3)〜(4)式よりfwtを求め、その2つのfwtの平均値をその触媒のfwtとして上記(5)式を計算する。
fr=1 (2−b1)
fr=r−(r−20)但し、r<20の場合はr=20とする (2−b2

また、それ以外の担体形状については(2−b1)式及び(2−b2)式を(2−c)式とした事以外は円柱状の場合と同様にして計算する。外は円柱状の場合と同様にして計算する。
fr=(ra1×rb1 )−(ra2×rb2 ) (2−c)
上式計算で長径方向の計算時には、ra1は長径方向の測定直線の中点からの測定点迄の距離(μm)とし、ra2、rb1、rb2は下式により求める。
a2=ra1−20 但しra1<20の場合はra1=20とする (2−c−a1)
b1=(ra1/Da )×Db (2−c−a2)
b2=(ra2/Da )×Db (2−c−a3)
また短径方向の計算時には、rb1は長径方向の測定直線の中点からの測定点迄の距離(μm)とし、rb2、ra1、ra2は下式により求める。
b2=rb1−20 但しrb1<20の場合はrb1=20とする (2−c−b1)
a1=(rb1/Db )×Da (2−c−b2)
a2=(rb2/Db )×Da (2−c−b3)
[式中、Da は長径線の直径(μm)、Db は短径線の直径(μm)を示す]
テルルについても上記パラジウムと同じ手法で求める。
上記の如く求められた平均半径担持分布より、担体表面から中心に対する半径の30%の深さ迄の表層部に存在する活性成分の、触媒に担持された各活性成分全量に対する比率は、以下の如く計算して求めた。即ち、仮に固体触媒が球状である場合には、触媒表面からの距離r1 からr2 までの範囲にあるパラジウムの全パラジウムに対する割合Cra(%)は次式で求められる。
fr=(R−r1 −(R−r2 (6)
r =(Irw×Vfr/(Σ(Irw×Vfr)))×100 (7)
ra=各測定試料のCr の総和/n (8)
[式中、Vfrは各測定位置における体積補正係数、Rは半径、Cr は各測定試料の触媒表面からの距離r1 からr2 までの範囲にあるパラジウムの全パラジウムに対する割合(%)、Irwは各測定試料の各測定位置における補正後のパラジウムの濃度(wt%)、Σは各測定試料の触媒表面から中心までの総和、nは測定試料数を示す]
従って、触媒表面から中心に対する半径の30%の深さ迄に担持されたパラジウムの全パラジウムに対する比率Cr30 (%)は、
r30 =(深さ0%から30%迄の各測定位置におけるCraの総和)(9)となる。この(9)式により求められる担持比率をEPMA比率とする。
本発明における上述の触媒活性成分である周期表の第8〜10族遷移金属と半金属の担体への担持方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法によって行うことができる。
例えば、活性成分を含有する水溶液を尿素の存在下で多孔性担体に含浸する方法(特開昭51−40392号公報)、ポリエチレングリコールを添加した活性成分を含有する溶液中に無機担体を含浸する方法(特公55−33381号公報)、活性成分塩を溶解するケトン類、エステル類、アルコール類から選ばれた少なくとも一種類の溶媒に炭化水素類を添加してアセトンより極性の低い性状の混合溶液を無機多孔質担体に含浸する方法(特公昭57−5578号公報)、加熱した担体に活性成分溶液を噴霧し担体表層部に析出させる方法(特開平3−293036号公報)等の触媒表面に活性成分を担持する方法や、最初に少量の活性成分を担体に担持した後に必要量の活性成分を担持する方法(特公昭54−8638号公報)等の如く担体表面付近に担持する方法、競争吸着法(例えば特公昭52−23920号公報、特公昭52−30475号公報等)等のように活性成分を担持する位置を制御する方法、更には活性成分が担体に強く吸着される条件で担体表層部に吸着させた後に乾燥し担持させる方法や、活性成分が担体に吸着されない条件で活性成分溶液を担体に含浸し、短時間で乾燥する事により担体表層部に活性成分を多く析出させる方法、或いは担体を表面処理等により疏水性を高め、活性成分を含有する水溶液を担体表層部にのみ含浸した後に乾燥し担持する方法、あらかじめ活性成分を担体に含浸した後に、アルカリ処理により表層部に活性成分を抽出させて固定する方法等のいずれを用いても良い。本発明における触媒の調製方法として、好ましくは、活性成分が担体に吸着されない条件で活性成分溶液を担体に含浸し、短時間で乾燥する事により担体表層部に活性成分を多く析出させる方法、或いはあらかじめ活性成分を担体に含浸した後に、アルカリ処理により表層部に活性成分を抽出させて固定する方法のいずれかである。
このように触媒活性成分を担体に担持した触媒は、還元処理をした後に反応に使用されるが、還元方法としては、水素ガスやメタノールガス等による気相還元、ヒドラジンやホルマリンで代表されるような液相還元のいずれでも良いが、本発明では、水素ガスによる気相還元が好ましい。また、活性成分を担持させた後でも乾燥が不十分な場合や、予めあ
る程度塩を分解させたい場合等には、必要に応じて、還元前に乾燥や焼成処理を行っても良く、また、それらを繰り返し行っても良い。乾燥や焼成の方法は、本発明による触媒の特定の担持分布を達成する事を妨げない限り特に限定されるものではなく、例えば、乾燥方法としてはロータリエバポレータやコニカルブレンダーを用いた流動床減圧乾燥、減圧乾燥機や棚段乾燥装置等の静置式乾燥、キルン乾燥装置等の流動床乾燥、窒素や空気、水素、水蒸気等気流中での乾燥等のいずれでも良く、焼成方法としては窒素や空気及びその混合物気流中、固定床或いはキルンの如く流動床に窒素や空気及びその混合物等のガス気流中で加熱する方法や、ガスを流通せずに加熱する方法のいずれでも良い。
本発明の触媒は、カルボン酸エステルの製造反応に用いることが好ましい。本発明の触媒を用いることにより、高選択的にカルボン酸エステルが得られ、かつ工業的にカルボン酸エステルの製造に使用する際も、触媒活性が低下せずに安定的にカルボン酸エステルを製造することができる。
本発明では、上述の触媒、即ち、周期表の第8〜10族遷移金属及び半金属が担体に担持されたカルボン酸エステル製造用触媒を、酸素分圧が0.01〜10.00kPaの環境下で保存することを必要とするが、好ましくは、0.05〜5.00kPa、更に好ましくは、0.10〜2.00kPaの範囲である。酸素分圧が高くなると、活性種の酸化が促進されて、活性点が減少するデメリットがあり、酸素分圧が、小さくなると活性種の酸化速度を抑制できるメリットがある。
また、酸素分圧が0.01〜10.00kPaの環境下において、酸素以外のガス成分としては酸素と反応しない不活性なガス成分であれば、特に限定されないが、通常は、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスなどが挙げられ、中でも好ましくは窒素ガスである。その際の不活性ガスの分圧としては、特に限定されないが、通常、10〜1000kPaであり、好ましくは、30〜500kPa、更に好ましくは、50〜150kPaである。
本発明では、触媒が、酸素分圧0.01〜10.00kPaの環境下に存在する状態であれば、触媒が保存された状態となるが、酸素分圧が0.01〜10.00kPaの環境とは、保存する対象となる触媒が存在する空間において酸素分圧が0.01〜10.00kPaに維持されていることをいう。酸素分圧を0.01〜10.00kPaを維持するには、例えば、密閉空間に保存する対象となるカルボン酸エステル製造用触媒を封入し、その密閉空間の気相部を窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスにより置換する方法などがある。触媒を保存する密閉空間としては、密閉構造を有する容器であれば、特に限定されないが、具体的には、ドラム缶や一斗缶などの密閉容器や、触媒を充填して反応を行う際に使用する反応器で、反応器内に充填された触媒を密閉可能とする機構を有するものであってもよい。更には、不活性ガスを流通させて、酸素分圧を0.01〜10.00kPaに維持できる機構を有する容器でもよい。
本発明の保存方法に適した触媒は、カルボン酸エステル製造用触媒であれば、特に限定されない。上記の方法で調製・製造され、反応に一度も使用されていないカルボン酸エステル製造用触媒や、カルボン酸エステル製造をするために反応に使用されたことのある触媒のどちらでもよい。後者の場合は、既に反応器に充填されて目的とするカルボン酸エステルの製造を行った後に、原料ガスの供給や反応を停止した後、次の反応を開始するまでの間に反応器内に充填したままの触媒も保存の対象とすることができる。この際、製造停止後の反応系内を密閉して気相部を不活性ガスで置換したり、反応器に不活性ガス等を流通させて、反応器内の酸素分圧を0.01〜10.00kPaとすればよい。
触媒を保存する期間としては、特に制限されないが、1日〜5年が好ましく、1ヶ月〜2年がより好ましく、2ヶ月〜1年が更に好ましい。
本発明の触媒の存在下、不飽和炭化水素及びカルボン酸を含む溶液を、酸素求核剤を含有する気体を用いて、液相下で本発明の触媒と接触させることにより、カルボン酸エステルを製造する事ができる。中でも、カルボン酸エステルとして、カルボン酸ジエステルを製造することが好ましく、不飽和グリコールのカルボン酸ジエステルを製造することがより好ましく、14DABEが最も好ましい。
本発明における触媒を使用した反応において用いられる不飽和炭化水素は、本発明の効果を著しく損なわない限り、任意である。不飽和炭化水素として、脂肪族不飽和炭化水素、芳香族不飽和炭化水素が挙げられるが、中でも脂肪族不飽和炭化水素が好ましい。
脂肪族不飽和炭化水素が有する二重結合の数は、通常1以上、好ましくは2以上、また、その一方で上限としては、通常30以下、好ましくは20以下、より好ましくは10以下であることが望ましい。二重結合の数が少なすぎる場合、反応速度が遅くなる可能性があり、多すぎる場合、副生成物の量が多くなる可能性がある。中でも、脂肪族不飽和炭化水素が有する二重結合は、2個であることがさらに好ましく、当該2個の二重結合が共役していることが特に好ましい。即ち、本発明において用いられる不飽和炭化水素は、共役ジエンであることが特に好ましい。また、不飽和炭化水素が有する炭素数は、本発明の効果を著しく損なわない限り、任意である。ただし、不飽和炭化水素が有する炭素数は、通常2以上、好ましくは3以上、より好ましくは4以上、また、その上限は、通常50以下、好ましくは30以下、より好ましくは20個以下であることが望ましい。炭素数が少なすぎる場合、反応速度を上げるために高い圧力が必要となる可能性があり、多すぎる場合、液相下で反応を行う場合に粘度が高くなり、反応溶液の攪拌効率が減少する可能性がある。
また、不飽和炭化水素は、置換基を有していても良い。置換していてもよい置換基の具体例としては、アルキル基、アリール基、エステル基、ヒドロキシル基、等が挙げられる。中でも、置換基は、アルキル基、アリール基、エステル基が好ましく、アルキル基、エステル基がより好ましく、アルキル基が特に好ましい。なお、置換基は1個が単独で置換していてもよく、2個以上が任意の組み合わせ及び比率で置換していてもよい。
さらに、不飽和炭化水素は、本発明の効果を著しく損なわない限り、三重結合も有していてよい。そして、不飽和炭化水素は、直鎖であってもよく、分岐を有していてもよい。また、不飽和炭化水素は、鎖状であってもよく、環状であってもよい。
以上の観点から、不飽和炭化水素の具体例としては、ブタジエン、アルキル置換ブタジエン(例えばイソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)、2,3−ジメチルブタジエン等。)、ピペリレン(例えば1,3−ペンタジエン等)、1,4−ヘキサジエン、環状共役ジエン(例えばシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン等)等の共役ジエン;エチレン、プロピレン等のオレフィン;1−ブテン−3−イン等のエンイン化合物;等が挙げられる。中でも、ブタジエン、ピペリレン、アルキル置換ブタジエンが好ましい。なお、不飽和炭化水素は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
本発明における触媒を使用した反応において用いられるカルボン酸は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であり、例えば、脂肪族カルボン酸、脂環族カルボン酸、芳香族カルボン酸等が用いられる。カルボン酸が有する炭素数は、本発明の効果を著しく損なわない限り、任意である。ただし、カルボン酸が有する炭素数は、通常1個以上、好ましくは2以上、また、その上限は、通常50以下、好ましくは40以下、より好ましくは30以下であることが望ましい。炭素数が多すぎる場合、反応速度が低下する可能性がある。
また、カルボン酸が有するカルボキシル基の数は、本発明の効果を著しく損なわない限
り任意であるが、1つであることが好ましい。以上の観点から、カルボン酸の具体例としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸等の炭素数4以下の低級脂肪族カルボン酸;マレイン酸、フマル酸、コハク酸等のジカルボン酸;エチレンジアミン四酢酸等の多価カルボン酸;等が挙げられる。中でも、工業的な観点から、カルボン酸としては、炭素数4以下の低級脂肪族モノカルボン酸を用いることが好ましく、反応性及び価格の点から、酢酸がより好ましい。カルボン酸は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
上記カルボン酸は、通常、本発明の反応における反応液を構成する溶媒としても用いられる。ただし、必要に応じて、例えば飽和炭化水素、エステル等の反応に関与しない有機溶媒等の溶媒を反応溶液の一部として用いてもよい。但し、反応液中、カルボン酸の濃度は、通常50重量%以上、好ましくは60重量%以上、より好ましくは80重量%以上であることが望ましい。カルボン酸の量が少なすぎる場合、反応速度が著しく低下する可能性がある。カルボン酸の使用量は、本発明の効果を著しく損なわない限り、任意である。ただし、カルボン酸は、不飽和炭化水素に対するモル比で、通常2以上、好ましくは5以上、より好ましくは10以上、また、その上限は、不飽和炭化水素に対するモル比で、通常1000以下、好ましくは500以下、より好ましくは100以下で用いることが好ましい。カルボン酸の量が少なすぎる場合も多すぎる場合も、反応速度が著しく低下する可能性がある。
本発明における触媒を使用した反応において、酸素求核剤は、不飽和結合部位に対して酸化的付加反応を行うものである。酸素求核剤は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを用いることが出来る。酸素求核剤の具体例としては、分子状酸素、過酸化水素、酸素ラジカル、ヒドロキシラジカル等が挙げられるが、本発明の反応においては、酸素求核剤として分子状酸素を用いることが好ましい。酸素求核剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。ここで、「分子状酸素」とは、2個の酸素原子が共有結合した酸素分子のことを表す。従って、本発明の反応においては、分子状酸素を含有する気体を用いることが好ましい。ここで、「分子状酸素を含有する気体」とは、純酸素又は酸素と不活性気体との混合気体が好ましい。不活性気体としては、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム等が挙げられる。また、混合気体には、空気も含まれる。 例えば、酸素求核剤として分子状酸素を用いる場合、分子状酸素は、任意
の混合比率にて分子状酸素と不活性気体とを混合した混合気体として、大気圧下又は加圧下で反応系に供給することができる。ただし、この時、反応系内の気相部における酸素濃度が、爆発組成とならない範囲が好ましい。具体的には、反応系内の気相部における酸素濃度が、例えば60kgf/cm、80℃の場合、通常10体積%以下、好ましくは8体積%以下、より好ましくは6体積%以下であることが望ましい。通常、酸化的付加反応等の酸化反応は、酸素分圧が高い程反応速度的に有利なので、その限定された範囲内で安全率を考慮した最大濃度で反応系に供給することがより好ましい。また、反応系内の酸素分圧は、例えば、反応系に供給する酸素濃度、反応系中の組成及び反応圧力、温度等により決定される。
上記酸素求核剤の量は、酸素求核剤の種類によって一概には言えないが、不飽和炭化水素が有する全ての二重結合に対して半分以上のモル量の酸素原子を用いることが好ましい。具体的には、例えば酸素求核剤が分子状酸素である場合、分子状酸素の使用量は、不飽和炭化水素に対するモル比で、通常0.5以上、好ましくは0.7以上、より好ましくは1以上、また、その上限は、通常10以下、好ましくは7以下、より好ましくは5以下であることが望ましい。分子状酸素の量が少なすぎる場合、反応速度が著しく低下する可能性があり、多すぎる場合、原料である不飽和炭化水素または生成物であるカルボン酸エステルの燃焼が促進される可能性がある。
本発明における触媒を使用した反応は、回分式、連続式の何れの方法でも行なうことができ、また、これらの2つを組み合わせて行うこともできる。また、反応方式としては、例えば固定床式、流動床式、懸濁槽式等、任意の方式を採用することができるが、工業的には固定床式がより好ましい。反応方式も、1種を単独で採用してもよく、2種以上を任意に組み合わせて採用してもよい。
反応温度は、通常20℃以上の温度で行なうことが可能であるが、反応速度及び副生物の生成等を考慮すると、好ましくは40℃以上、より好ましくは60℃以上、また、その上限は、通常120℃以下、好ましくは110℃以下、より好ましくは100℃以下の温度で行なうことが好ましい。
また、反応圧力は、常圧(1気圧)、加圧の何れも可能である。反応速度を高めるためには、加圧の方が好ましいが、反応設備経費が高くなる傾向がある。それらを考慮すると、反応圧力は、通常常圧(1気圧)以上、好ましくは10kgf/cm2以上、より好ま
しくは20kgf/cm2以上、また、その上限は、通常150kgf/cm2以下、好ましくは120kgf/cm2以下、より好ましくは100kgf/cm2以下の範囲である。
本発明における触媒の使用量は、本発明の効果を著しく損なわない限り、任意である。ただし、本発明における触媒の使用量としては、例えば流通反応では不飽和炭化水素1モル/時間に対して、通常1g・時間/モル以上、好ましくは10g・時間/モル以上、より好ましくは20g・時間/モル以上、また、その上限は、通常3000g・時間/モル以下、好ましくは1000g・時間/モル以下、より好ましくは500g・時間/モル以下であることが望ましい。触媒の使用量が少なすぎる場合、生成物が検出不可能となる可能性があり、多すぎる場合、含有金属量の増加によって触媒製造コストが増大する可能性がある。
本発明では、上述のように担体に周期表の第8〜10族遷移金属化合物及び半金属含有化合物を含む溶液に含浸後、還元して得られる前記遷移金属と前記半金属とを担持したカルボン酸エステル製造用触媒を使って、カルボン酸エステルを製造するにあたり、反応前に該触媒を酸素分圧が0.01〜10.00kPaの環境下で保存した後、反応を行うが、反応前とは、カルボン酸エステル製造用触媒を使用して反応を開始する前であればよく、具体的には、例えば、反応器内にカルボン酸エステル製造用触媒が導入されていない、又は反応器内にカルボン酸エステル製造用触媒を導入されている場合で、不飽和炭化水素、カルボン酸、又は酸素などを反応器に供給していないときのことである。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により何等限定されるものではない。
<調製例1>
パラジウム−テルル触媒Aの調製
1リットル当り440gの密度および担体1g当り1.0mlの細孔容積を有し、かつ、水懸濁液中で6.0〜8.0のpHを有する、平均直径3mmの球体の形状にあるシリカ担体(富士シリシア社製 型名:CARiACT−Q−15)1.2Lを、25.0gのパラジウムと10.0gのテルルを含有する530mlのNaPdClおよびHTeOの水溶液(担体の吸水量の99%)に加え混合物とした。この混合物を入れた容器を、溶液がシリカ担体によって完全に吸収し含浸されるまで、機械的に回転させた。次いで60.8gのメタ珪酸ナトリウム(NaSiO・9HO)を含有する550mlの水溶液を加えて、湿潤した含浸担体が完全に浸るまで機械的に回転させたのち、これを室温において1晩放置した。次いで、この含浸担体を洗浄槽に移し、蒸留水で3回洗浄したのち、1時間当り1〜2リットルの蒸留水で17時間連続的に洗浄した。その後に硝
酸銀溶液を用いて試験しても沈殿が生じず、洗浄水は塩素イオンを含有していないことが認められた。洗浄終了が確認できたのち、160L/Hの流量で空気を流通させながら、110℃の温度で3時間乾燥した。
その後、得られたパラジウムとテルルが担持された触媒53gを内径4cm(有効断面積12.6cm)、長さ30cmのパイレックス(登録商標)ガラス管の中に入れ、2.06Nl/分の窒素ガスを流しながら90℃に於いて150℃に昇温し、次いで2.06Nl/分の水素に切り替え毎時50℃の割合で昇温し、400℃に2時間保持した後、窒素気流中で冷却し活性化処理したパラジウム−テルル触媒Aを得た。この触媒はパラジウム4.01重量%及びテルル1.44重量%を含有していた。
また上述のEPMA(による担持比率算出方法での、担体表面から中心に対する半径の30%の深さ迄の表層部に、触媒に担持された全パラジウムの100.0重量%が、また、触媒に担持された全テルルの100.0重量%が存在していた。表−1にこの触媒の物性を示す。
<調整例2>
パラジウム−テルル触媒Bの調製
50mlのメスフラスコにテルル金属0.843gを入れ、続いて35重量%硝酸水溶液20gを加え溶解した。これに10.0重量%硝酸パラジウム水溶液27.05gを加え、更に35重量%硝酸水溶液を加える事により50mlへメスアップした。この溶液に球状シリカ担体(富士シリシア社製 型名:CARiACT−Q−15)25.05gを加え室温で1時間浸漬した後、これを濾過して溶液を除去し、更に遠心分離器で脱液する事により、シリカ担体に硝酸パラジウム溶液と硝酸テルル溶液を含浸した56.05gを得た。この触媒の内28.0gを横型キルン(内径3cm、有効断面積7.1cm)の中に入れ、毎分30回転の速度で回転させながら4.2Nl/分の水素ガスを流し、室温から150℃まで1時間で昇温し、更に150℃で2時間保持して乾燥及び還元を同時に行った後、窒素気流中で冷却し活性化処理した触媒13.39gを得た。この触媒はパラジウム5.0重量%及びテルル1.56重量%を含有していた。また下記に示すEPMAによる担持比率算出方法での、担体表面から中心に対する半径の30%の深さ迄の表層部に、触媒に担持された全パラジウムの87.2重量%が、また、触媒に担持された全テルルの87.1重量%が存在していた。表−1にこの触媒の物性を示す。
Figure 2012024687
<参考例1>
14DABEの製造
調整例1で調製された触媒4gを、保存せずに内径12mm(有効断面積1.005cm)のステンレス製反応管に充填し、反応圧力60kgf/cm、反応温度80℃において、原料として、1,3−ブタジエン13.5ml/hr、酢酸150ml/hr、及び酸素6体積%を含有する窒素を100Nl/hrをステンレス製反応管にそれぞれ供給し、1,3−ブタジエンのアセトキシ化反応を行い、連続的に14DABEの製造を実施した。この時用いた酢酸の1,3−ブタジエンに対するモル比は17.7であり、酸素の1,3−ブタジエンに対するモル比は1.8であった。また、不飽和炭化水素1モル/時間に対する触媒量は27.2g・時間/モルであった。
反応開始から4〜5時間の間の反応液成分及び反応開始から6〜7時間の間の反応液の成分をそれぞれガスクロマトグラフィーにより定量し、これらの数値の平均値を14DABE製造における反応結果とした。反応結果から、触媒活性を求めた。なお、触媒活性は、反応生成物の内、3,4−ジアセトキシブテン−1、3−ヒドロキシ−4−アセトキシブテン−1、1−アセトキシクロトンアルデヒド、1,4−ジアセトキシブテン−2(14DABE)、1−ヒドロキシ−4−アセトキシブテン−2、1,4−ジヒドロキシブテン−2、ジアセトキシオクタトリエン、トリアセトキシブテンの合計の生成量から求めた。これらの生成量が、触媒1kg、1時間当たり何mmolであったかを活性(mmol/kg−cat.h)で表す。活性の結果を表2に示した。
<参考例2>
調整例2の触媒を保存せずに、調整後にそのまま参考例1と同様の反応器に充填し、14DABEを製造した。また、この時の反応条件は、参考例1と同様とした。活性の結果を表−2に示した。
<実施例1>
調整例1の触媒10gを容量18リットルのブリキ製一斗缶に酸素分圧0.1kPa、窒素分圧101.2kPaの環境下で密閉構造として、2ヶ月間保存した後、このブリキ製一斗缶から触媒を取り出して参考例1と同様の反応器に充填し、14DABEを製造した。また、この時の反応条件は、参考例1と同様とした。活性の結果を表2に示した。
<実施例2>
調整例1の触媒10gを容量18リットルのブリキ製一斗缶に酸素分圧0.1kPa、窒素分圧101.2kPaの環境下で密閉構造として、6ヶ月間保存した後、このブリキ製一斗缶から触媒を取り出して、参考例1と同様の反応器に充填し、14DABEを製造した。また、この時の反応条件は、参考例1と同様とした。活性の結果を表2に示した。
<実施例3>
調整例2の触媒10gを容量18リットルのブリキ製一斗缶に酸素分圧0.1kPa、窒素分圧101.2kPaの環境下で密閉構造として、12ヶ月間保存した後、このブリキ製一斗缶から触媒を取り出して、参考例1と同様の反応器に充填し、14DABEを製造した。また、この時の反応条件は、参考例1と同様とした。活性の結果を表−2に示した。
<比較例1>
調整例1の触媒10gを容量200mlのオートクレーブに充填し、酸素分圧106.4kPa、窒素分圧395.2kPaの環境下で密閉構造として、3ヶ月間保存した後に、このオートクレーブから触媒を取り出して、参考例1と同様の反応器に充填し、14DABEを製造した。また、この時の反応条件は、参考例1と同様とした。活性の結果を表−2に示した。
<比較例2>
調整例1の触媒10gを容量18リットルのブリキ製一斗缶に酸素分圧21.3kPa、窒素分圧79.1kPaの環境下で密閉構造として、6ヶ月間保存した後、このブリキ製一斗缶から触媒を取り出して、参考例1と同様の反応器に充填し、14DABEを製造した。また、この時の反応条件は、参考例1と同様とした。活性の結果を表−2に示した。
<比較例3>
調整例1の触媒10gを容量18リットルのブリキ製一斗缶に酸素分圧21.3kPa、窒素分圧79.1kPaの環境下で密閉構造として、12ヶ月間保存した後、このブリ
キ製一斗缶から触媒を取り出して、参考例1と同様の反応器に充填し、14DABEを製造した。また、この時の反応条件は、参考例1と同様とした。活性の結果を表−2に示した。
<比較例4>
調整例2の触媒10gを容量200mlのオートクレーブに充填し、酸素分圧106.4kPa、窒素分圧395.2kPaの環境下で密閉構造として、3ヶ月間保存した後、このオートクレーブから触媒を取り出して、参考例1と同様のに反応器に充填し、14DABEを製造した。また、この時の反応条件は、参考例1と同様とした。活性の結果を表−2に示した。
Figure 2012024687
実施例1,2の結果から、パラジウム−テルル触媒Aを調整直後のパラジウム−テルル触媒A(参考例1)と同等以上の活性を有することがわかる。また、実施例1,2と比較例1〜3の結果を対比すると、酸素分圧が0.01〜10.00kPaの環境下で保存すれば、触媒活性の低下を抑制できることがわかる。
更に、実施例3と比較例4の結果を比べると、パラジウム−テルル触媒Bを酸素分圧が0.01〜10.00kPaの環境下で保存すれば、触媒活性の低下を抑制できることがわかる。

Claims (8)

  1. 周期表の第8〜10族遷移金属及び半金属を活性成分として担体に担持してなるカルボン酸エステル製造用触媒を、酸素分圧が0.01〜10.00kPaの環境下で保存することを特徴するカルボン酸エステル製造用触媒の保存方法。
  2. 前記カルボン酸エステル製造用触媒を密閉空間に封入した後、該密閉空間に不活性ガスを導入し、該密閉空間の気相部を不活性ガスで置換して、該密閉空間の酸素分圧が0.01〜10.00kPaに維持された環境下で保存することを特徴とする請求項1に記載のカルボン酸エステル製造用触媒の保存方法。
  3. 前記カルボン酸エステル製造用触媒の形状が球状又は円筒状であって、且つEPMA(X線マイクロアナライザー)で測定された前記活性成分の担持分布において、前記担体の表面から中心に対する半径の30%の深さまでの表層部に、前記遷移金属の80%以上が存在し、かつ、前記半金属の75%以上が存在することを特徴とする請求項1又は2に記載のカルボン酸エステル製造用触媒の保存方法。
  4. 前記周期表の第8〜10族遷移金属が白金族金属であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のカルボン酸エステル製造用触媒の保存方法。
  5. 前記半金属がテルル、セレン、及びアンチモンからなる群より選ばれる少なくとも一種以上の金属であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のカルボン酸エステル製造用触媒の保存方法。
  6. 前記担体がシリカである請求項1〜5のいずれか1項に記載のカルボン酸エステル製造用触媒の保存方法。
  7. 担体に周期表の第8〜10族遷移金属化合物及び半金属含有化合物を含む溶液に含浸後、還元して得られる前記遷移金属と前記半金属とを担持したカルボン酸エステル製造用触媒の存在下、不飽和炭化水素、カルボン酸、および酸素を反応させて、カルボン酸エステルを製造するにあたり、反応前に該触媒を酸素分圧が0.01〜10.00kPaの環境下で保存した後、反応を行うことを特徴とするカルボン酸エステルの製造方法。
  8. 前記カルボン酸エステル製造用触媒を密閉空間に封入した後、該密閉空間に不活性ガスを導入し、該密閉空間の気相部を不活性ガスで置換して、該密閉空間の酸素分圧が0.01〜10.00kPaに維持された環境下で保存することを特徴とする請求項7に記載のカルボン酸エステルの製造方法。
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