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JP2012015647A - Ofdm受信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】マルチパス時のSP信号の補間フィルタにおいて遅延時間の長い遅延波にも対応してSP信号の補間を良好に行え、雑音除去性能の向上に加えて受信性能の向上を図ったOFDM受信装置を提供することである。
【解決手段】複数のフィルタ特性を用いて伝送路推定信号を周波数方向に帯域制限するフィルタ部9と、フィルタ部の出力を用いて受信信号を等化する等化部7と、等化部の出力の受信品質を検出する品質検出部122と、検出した受信品質を用いて複数のフィルタ特性から最適なフィルタ特性を判定する判定部12とを備え、複数のフィルタ特性は、所定帯域幅のフィルタ特性と、その所定帯域幅内の一部を通過させる複数のフィルタ特性とを有し、一部を通過させる複数のフィルタ特性は、2つ以上の通過域を含むものである。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、OFDM受信装置における伝送路応答の推定に関する。
地上デジタル放送では、変調方式として互いに直交する複数の搬送波を用いる直交周波数分割多重方式(以下、OFDM方式)が採用されている。
一般にOFDM方式における信号フォーマットは、伝送信号中にデータ信号のほかに、分散パイロット信号(以下、SP信号)が多重されており、これを時間方向および周波数方向に補間し、補間されたSP信号を用いて伝送路応答を推定し、マルチパス歪などの等化を行う。
SP信号は、放送局から送信される状態では、伝送信号中に時間方向及び周波数方向それぞれにつき所定のシンボル数おきに間欠的に挿入されている。受信装置では、送られてくる伝送信号中からSP信号を抽出し、このSP信号について時間方向及び周波数方向に補間フィルタを用いてデータ信号の全てのシンボルに対して補間を行い、補間された全てのSP信号を用いて伝送路応答を推定する。
SP信号の補間フィルタはマルチパスによる遅延時間の長い遅延波(長遅延波と呼ぶ)を含む多くの遅延波成分を通過できるとともに、雑音成分を除去できることが望ましい。
特開2006−311385号公報 特開2009−111748号公報 特開2007−318315号公報
本発明は、マルチパス時のSP信号の補間フィルタにおいて長遅延波を含む遅延波成分を通過可能にするとともに、雑音除去性能を高めて受信性能の向上を図ったOFDM受信装置を提供することを目的とする。
本発明の実施形態のOFDM受信装置は、複数のフィルタ特性を用いて伝送路推定信号を周波数方向に帯域制限するフィルタ部と、前記フィルタ部の出力を用いて受信信号を等化する等化部と、前記等化部の出力の受信品質を検出する品質検出部と、検出した受信品質を用いて前記複数のフィルタ特性から最適なものを判定する判定部とを具備し、前記複数のフィルタ特性は、所定帯域幅のフィルタ特性と、前記所定帯域幅内の一部を通過させる複数のフィルタ特性とを有し、前記一部を通過させる複数のフィルタ特性は、2つ以上の通過域を含む。
本発明の第1の実施形態のOFDM受信装置のブロック図。 OFDM信号の伝送フォーマット方式を説明する図。 第1の実施形態におけるフィルタ係数制御の一例を説明する図。 長遅延の遅延波成分に対応可能な広い帯域のフィルタに関する説明図。 短遅延の遅延波成分に対応可能な狭い帯域のフィルタに関する説明図。 第1の実施形態におけるフィルタ係数制御の他の例を説明する図。 本発明の第2の実施形態のOFDM受信装置のブロック図。 第2の実施形態におけるフィルタ係数制御の一例を説明する図。 係数判定回路の他の実施例のブロック図。 係数判定回路のもう1つの他の実施例のブロック図。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1は本発明の第1の実施形態のOFDM受信装置のブロック図である。
図1において、OFDM受信装置100は、アンテナ1と、チューナ2と、A/D変換器3と、IQ復調回路4と、FFT回路5と、FFT窓制御回路6と、第1の等化回路7と、第1のSP時間補間フィルタ8と、第1のSP周波数補間フィルタ9と、誤り訂正回路10と、第1の係数切替回路11と、係数判定回路12と、を備えている。
OFDM受信装置100は、例えばOFDM方式に準拠した伝送信号(以下、OFDM信号)を無線の伝送路を介して受信する。なお、有線の伝送路を介して受信してもよい。
チューナ2は、アンテナ1で受信されたRF信号をIF信号に周波数変換し、IF信号をA/D変換回路3に出力する。A/D変換回路3は、チューナ2から供給されたIF信号に対してA/D変換を施し、デジタルのIF信号をIQ復調回路4に出力する。
IQ復調回路4は、直交復調を行うことによって、A/D変換回路3から供給されたIF信号から時間領域OFDM信号を取得する。IQ復調回路4は、時間領域OFDM信号をFFT回路5、及びFFT窓制御回路6に出力する。
FFT回路5は、FFT窓制御回路6から供給されたFFT窓制御信号に基づいて、1つのOFDMシンボルの信号から有効シンボル長の範囲の信号を抽出する。また、FFT回路5は、抽出した時間領域のOFDM信号に対してFFT演算を行うことによって、周波数領域のOFDM信号を生成し、第1の等化回路7及び第1のSP時間補間フィルタ8に出力する。
FFT窓制御回路6は、受信信号の中から主波のタイミングを検出し、これを基準にFFT出力が最適となるようにFFT窓位置を検出する。FFT回路5はFFT窓位置に従って時間軸のOFDM信号を周波数軸上の信号に変換する。FFT回路5の出力は図2の信号フォーマットに示す信号波配置となっている。
図2に示すOFDM信号の信号フォーマット例においては、情報シンボルS1と、OFDM信号の伝送方式等を示すTMCC/ACシンボルS2と、OFDM信号の終端を示すCPシンボルS3と、SP信号のシンボルであるSPシンボルS4の各シンボルが含まれている。SPシンボルS4は、例えば周波数方向に1/3、及び時間方向に1/4の割合で挿入されている。
第1のSP時間補間フィルタ8は、周波数領域のOFDM信号からSP信号を抽出し、SP信号に対して時間方向の補間を行い、第1のSP周波数補間フィルタ9に出力する。第1のSP周波数補間フィルタ9は、時間方向に補間されたSP信号に対してさらに周波数方向の補間を行うもので、この時間方向及び周波数方向に補間されたSP信号によって全データに対応する伝送路応答を取得する。
第1のSP時間補間フィルタ8は、図2に示したようにSP信号が4シンボルに1つの割合で存在するのて他の3シンボル分について例えば直線補間(SP間の時間差を等分する補間)をして値を入れ込む。
第1のSP周波数補間フィルタ9は、後述するように、OFDM信号の信号品質を検出した結果に基づいて決定される最適なフィルタ係数を用いて、SP信号の周波数帯域をシンボルごとに制限することによってSP信号を周波数方向に補間する。
ここで、SP信号は、位相や電力が予め決められている既知信号であり、伝送信号の歪を推定するための伝送路応答を求めるのに伝送路推定シンボルとして使用される。
第1の等化回路7は、SP信号による伝送路推定信号を用いて、周波数領域のOFDM信号を等化する。第1の等化回路7の出力は、誤り訂正回路10に供給され、誤り訂正の復号処理が行われて受信データが復号される。
第1のSP周波数補間フィルタ9のフィルタ係数を切り替える第1の係数切替回路11は、図3(a)の複数のシフトパターンを順次に切り替え設定する通過域シフト部11aと、図3(b)の複数の通過域パターンを順次に切り替え設定する通過域パターン選択部11bとを備える。
係数判定回路12は、第2のSP周波数補間フィルタ125と、第2の係数切替回路124と、第2の等化回路121と、信号品質検出回路122と、制御部123とを備える。
第2のSP周波数補間フィルタ125のフィルタ係数を切り替える第2の係数切替回路124は、図3(a)と同様な複数のシフトパターンを順次に切り替え設定する通過域シフト部124aと、図3(b)と同様な複数の通過域パターンを順次に切り替え設定する通過域パターン選択部124bとを備える。
図3は、第1の実施形態におけるフィルタ係数制御の一例を説明する図である。
第1の係数切替回路11は、図3に示すように、主波位置を基準に中心周波数をシフトさせた複数のフィルタ特性と、シフトされたフィルタ特性の中から主波位置を含む一部帯域を通過させる複数のフィルタ特性とが切替可能になっており、係数判定回路12からの供給されるシフト量と通過域パターンにしたがって動作する。
係数判定回路12は、図3に示すフィルタ係数(フィルタパターン)を順次発生させて、それぞれの周波数補間を用いた等化出力の変調誤差比(以下、MER)から受信品質を検出し、受信品質が最も良いフィルタ係数を判定し、シフト量と通過域パターンの判定結果を第1の係数切替回路11へ供給する。
なお、図3(a)及び(b)において、時間軸上での主波と遅延波(及び先行波)を表している図(横軸が遅延時間で、縦軸が電力を表す図)は、遅延プロファイルを実際に検出した結果を示したものではなく、最も信号レベルの大きい主波については例えば閾値を設けて、閾値を超えたものを主波レベルとして実際に検出すると、その主波位置を中心として前後の時間位置に先行波や遅延波が存在すると想定することができる。そのため、主波が存在する狭い帯域(以下、主波帯域)を含む所定帯域幅内に例えば遅延波が存在すると想定した状態も、時間軸上に仮想的に表している。主波に対する遅延波の存在を分かり易くするために遅延プロファイルに類似した図となっているが、本発明の実施形態では遅延プロファイル検出は全く行わず、考え得る多くのフィルタパターンをフィルタ係数を順次に変えることによって設定していき、受信品質が最良となるフィルタパターン(フィルタ特性)に決めるように動作する。これは、後述する図6及び図8においても同様である。
主波については、同じ放送チャンネルにおける主波,遅延波及び先行波を含めた全ての信号波について、最も電力レベルの高い信号波を主波と定義している。
また、図3(a)のように所定の帯域幅のシフトパターンを周波数方向に移動させた後、図3(b)のようにその所定の帯域幅内の一部を通過させる2つ以上の通過域を持つ最適なフィルタ特性を生成する方法としては、主波帯域と同じ狭い帯域幅の通過域パターンが複数(図3(b)では2つ)重なった状態から該主波帯域の通過域パターンを中心に重なったもう1つの通過域パターンを次第に遠ざかるように、言い換えればフィルタ係数を制御して主波帯域の通過域パターンの中心から重なったもう1つの通過域パターンを分離させるようにして2つの通過域を持ったフィルタ特性(例えば通過帯域パターン6)を生成させる。すなわち、係数制御によって複数の狭い帯域幅のフィルタ帯域を周波数方向にフィルタパターンとして順に展開して行く過程のパターンを含んだ全てのフィルタパターンについて試行し、主波及び遅延波がうまくフィルタ通過域を通過して最良の信号品質結果が得られるフィルタパターンを決定する。これは後述する図6(b)及び図8(b)においても同様である。
次に、図3を参照して、係数判定回路12の動作をさらに説明する。図3(a)及び(b)は第1の実施形態におけるフィルタ係数制御の一例を説明する図である。図3(a)はシフト量を順次に変えて複数のシフトパターンを試行する動作を示し、図3(b)は図3(a)でシフトパターン1が選択された後に、そのシフトパターン1によって決められた所定の帯域幅内において通過域パターンを順次に変えて一続きの通過域から試行して、独立的な2つの通過域を含んだ通過域パターンを試行するまでの動作を示している。
係数判定回路12において、制御部123はフィルタ係数制御によってまず図3(a)に示す中心周波数をシフトさせたフィルタパターン1〜7のフィルタ特性を順次発生させる。図3に示す主波及び遅延波の遅延差の2波マルチパスが入力された場合、2波がフィルタ通過域内に収まるシフトパターン1のときに信号品質検出回路122でのMERが最小になり、受信品質が最良と判定される。次に、シフトパターン1に対して図3(b)に示すように主波および他の一部帯域を通過させる複数の通過域パターン1〜6のフィルタ特性を順次発生させる。図3(b)に示すような2波マルチパスの場合、全体域を通過させるシフトパターン1と比較して、主波および遅延波の近傍のみを通過させた通過域パターン6の雑音除去能力が高いため信号品質検出回路122でのMERが小さくなり、最終的に受信品質が最良と判定される。
図4は主波に対して遅延差の大きい遅延波成分(長遅延の遅延波成分という)を通過し得る広い帯域のフィルタに関する説明図であり、図5は主波に対して遅延差の小さい遅延波成分(短遅延の遅延波成分という)を通過し得る狭い帯域のフィルタに関する説明図である。
図4(a)は主波に対して遅延差の大きい遅延波の関係を示し、図4(b)は図4(a)のような長遅延の遅延波成分を有する伝送信号の周波数特性を示している。この場合の周波数特性は、ビートの間隔が短くなり、速い周期で変動する特性となる。従って、このような長遅延の遅延波にまで対応するためには高い周波数帯域を含む広い帯域のフィルタが必要となる。しかし、単に広い帯域のフィルタを用いると雑音成分が増えるという問題点を生じる。
図5(a)は主波に対して遅延差の小さい遅延波成分(短遅延の遅延波成分という)の関係を示し、図5(b)は図5(a)のような短遅延の遅延波成分を有する伝送信号の周波数特性を示している。この場合の周波数特性は、ビートの間隔が長くなり、ゆっくりした周期で変動する特性となる。従って、この場合、低い周波数帯域に対応した狭い帯域のフィルタで対応可能である。
図6は第1の実施形態におけるフィルタ係数制御の他の例を説明する図である。
係数判定回路12において、制御部123はまず図6(a)に示す中心周波数をシフトさせたフィルタパターン1〜7のフィルタ特性を順次発生させる。図6に示す先行波,主波及び遅延波の遅延差の3波マルチパスが入力された場合、3波がフィルタ通過域内に収まるシフトパターン4のときに信号品質検出回路122でのMERが最小になり、受信品質が最良と判定される。次に、シフトパターン4に対して図6(b)に示すように主波および他の一部帯域を通過させる複数の通過域パターン1〜6のフィルタ特性を順次発生させる。図6(b)に示すような3波マルチパスの場合、全体域を通過させるシフトパターン4と比較して、先行波,主波および遅延波の近傍のみを通過させた3つの通過域を持つ通過域パターン6の雑音除去能力が高いため信号品質検出回路122でのMERが小さくなり、最終的に受信品質が最良と判定される。
以上により、所定帯域内で1つまたは複数の通過域を持つフィルタ特性を用いて受信品質最良となるフィルタ特性をサーチすることにより、マルチパス波の遅延差が大きい場合でも遅延波がフィルタ通過域全体に広がっていない場合は、通過域以外の雑音はカットされるので、SP信号即ち伝送路推定信号の雑音を除去して受信性能を向上させることが可能となる。
第1の実施形態によれば、等化可能なマルチパス遅延時間範囲を拡大した場合、マルチパスの遅延差が大きい場合でも遅延波がフィルタ通過域全体に広がっていないときは、SP信号の雑音を除去して受信性能を向上させることができる。
[第2の実施形態]
図7は本発明の第2の実施形態のOFDM受信装置のブロック図である。図1の第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
図7の第2の実施形態において、図1の第1の実施形態と異なる点は、第1の係数切替回路11Aが通過域シフト部11aと通過域パターン選択部11bのほかに、図8(a)の複数の帯域幅を順次に切り替え設定する帯域幅切替部11cを備えていることと、第2の係数切替回路124Aが通過域シフト部124aと通過域パターン選択部124bのほかに、図8(a)と同様な複数の帯域幅を順次に切り替え設定する帯域幅切替部124cを備えていることである。従って、制御部123Aは、帯域幅切替部11cと帯域幅切替部124cをも制御する構成となっている。その他の構成は図1と同様である。
図8は、第2の実施形態におけるフィルタ係数制御の一例を説明する図である。
図7の第1の係数切替回路11Aは、図8(a)に示すように、帯域幅の狭い方から順に帯域幅1、帯域幅2、帯域幅3のフィルタ特性と持ち、最も広い帯域幅3について主波位置を基準に中心周波数をシフトさせた複数のフィルタ特性を持っている。また、帯域幅3のフィルタ特性に対して、シフトされたフィルタ特性の中から主波位置を含む一部帯域を通過させる複数のフィルタ特性が切り替え可能になっており、係数判定回路12Aからの供給される帯域幅、シフト量、通過域パターンにしたがって動作する。
図7の係数判定回路12Aは、第2のSP周波数補間フィルタ125と、第2の係数切替回路124Aと、第2の等化回路121と、信号品質検出回路122と、制御部123Aとを備え、図8に示すフィルタ係数(フィルタパターン)を発生させて、それぞれの周波数補間を用いた等化出力のMERから受信品質を検出し、受信品質が最も良いフィルタ係数を判定し、判定結果を第1の係数切替回路11Aへ供給する。
次に、図8を参照して、係数判定回路12Aの動作をさらに説明する。
係数判定回路12Aにおいて、制御部123Aはまず図8(a)に示すように、帯域幅1、帯域幅2、帯域幅3について主波位置を基準に中心周波数をシフトさせた複数のフィルタ特性を順次発生させる。図8に示す遅延差の2波マルチパスが入力された場合、2波がフィルタ通過域内に収まる帯域幅3+シフトパターン1のときにMERが最小になり、受信品質が最良と判定される。
次に、帯域幅3+シフトパターン1の所定の帯域幅に対して図8(b)に示すように主波および他の一部帯域を通過させる複数の通過域パターンのフィルタ特性を順次発生させる。図8(b)において、帯域幅2以下の通過域は図8(a)で判定済みなので、帯域幅2を超える通過域を含む場合のみサーチする。図8に示すような2波マルチパスの場合、全体域を通過させる帯域幅3+シフトパターン1と比較して、主波および遅延波の近傍のみを通過させた通過域パターン4の雑音除去能力が高いためMERが小さくなり、最終的に受信品質が最良と判定される。
図8(a)の判定において、マルチパス遅延波が帯域幅1に収まる場合は帯域幅1がMER最小になり、マルチパス遅延波が帯域幅1を超えるが帯域幅2の場合は帯域幅2がMER最小になる。帯域幅1または帯域幅2のフィルタ特性が選択された場合、フィルタの雑音除去は良好なので、さらに部分的に通過域をサーチする処理は行わなくてもよいので省略する。
以上により、複数の帯域幅のフィルタ特性による判定を先に行い、広い帯域フィルタが選択された場合に帯域内で1つまたは複数の通過域を持つフィルタ特性の判定を行うことによって、マルチパス遅延差が小さい場合は全フィルタパターンをサーチする必要がなくなり消費電力を削減できる。また、遅延差が大きい場合でも遅延波がフィルタ通過域全体に広がっていない場合は、SP信号の雑音を除去して受信性能を向上させることができる。
第2の実施形態によれば、マルチパスの遅延差が小さい場合の演算量を削減して消費電力を抑えるとともに、マルチパスの遅延差が大きい場合でも遅延波がフィルタ通過域全体に広がっていない場合は、SP信号即ち伝送路推定信号の雑音を除去して受信性能を向上させることができる。
[第3の実施形態]
図9は本発明の第3の実施形態のOFDM受信装置における係数判定回路の他の実施例のブロック図である。図1の係数判定回路と同一部分には同一符号を付して説明する。
図1の係数判定回路12では、フィルタ係数を順次切り替えて受信品質を検出しているが、移動受信などで受信信号の状態が変動した場合、受信品質の差が受信状態の変動によるものか或いはフィルタ係数の差によるものかの判定を誤るおそれがある。
図9に示す係数判定回路12Bは、第2のSP周波数補間フィルタ125と、第2の係数切替回路124と、第2の等化回路121と、第1の信号品質検出回路122とによる図1と同様な一組の回路部ほかに、第3のSP周波数補間フィルタ14と、第3の係数切替回路16と、第3の等化回路13と、第2の信号品質検出回路15とによる新たなもう一組の回路部が設けられている。
第3の係数切替回路16は、通過域シフト部124aと同様な通過域シフト部16aと、通過域パターン選択部124bと同様な通過域パターン選択部16bとを備えている。従って、制御部123Bは、図1に示した第1の係数切替回路11及び第2の係数切替回路124のほかに、第3の係数切替回路16をも制御する構成となっている。その他の構成は図1の係数判定回路と同様である。
図9では、SP周波数補間フィルタ、係数切替回路、等化回路、及び信号品質検出回路の回路部を2組設けて、同一の受信信号に対して2つのフィルタ係数により第2及び第3の等化回路121及び13で等化された信号に基づき第1及び第2の信号品質検出回路122及び15でそれぞれ受信品質を検出し、制御部123Bは受信品質の良い方を選択する。選択されたフィルタ特性での品質と次のフィルタ特性での品質を順次比較することで、最終的に最適なフィルタ係数を決定する。
以上の構成により、移動受信などで受信信号の状態が変動した場合でも最適なフィルタ係数を決定することができる。同様の構成は第2の実施形態のOFDM受信装置に対しても適用することができる。
[第4の実施形態]
図10は発明の第3の実施形態のOFDM受信装置における係数判定回路のもう1つの他の実施例のブロック図である。
図10に示す係数判定回路12Cは、図1における係数判定回路12において第2の等化回路121及び第2のSP周波数補間フィルタ125の各前段にそれぞれメモリ126及び127を配設したものである。その他の構成は図1の係数判定回路と同様である。
図10では、FFT出力信号および時間補間後のSP信号をそれぞれメモリ126及び127に保持し、同一の信号に対してフィルタ係数を順次切り替えて受信品質を検出し、最適フィルタを決定する。
以上の構成により、移動受信などで受信信号の状態が変動した場合でも最適なフィルタ係数を決定することができる。同様の構成は第2の実施形態のOFDM受信装置に対しても適用することができる。
本発明の実施形態のOFDM受信装置によれば、時間方向及び周波数方向に分散されたSP信号を時間方向及び周波数方向にSP信号補間フィルタで補間し、補間されたSP信号を用いて等化時に必要な伝送路応答を推定する際に、SP信号補間フィルタとして所定帯域内に2つ以上の通過域を持つフィルタ特性を用いて、複数の通過域パターンを順次切り替えて試行し、受信品質が最適となるようにフィルタ特性の通過域を決定することによって、SP信号の補間が良好に行える。伝送信号中に長遅延の遅延波成分があり広い帯域に対してフィルタを適用する場合でも、雑音の影響を除去してマルチパス時の受信性能を向上させることができる。
5…FFT回路、7…等化回路(等化部)、9…SP周波数補間フィルタ(フィルタ部)、122…信号品質検出回路(品質検出部)、12…係数判定回路(判定部)、123…制御部。

Claims (5)

  1. 複数のフィルタ特性を用いて伝送路推定信号を周波数方向に帯域制限するフィルタ部と、前記フィルタ部の出力を用いて受信信号を等化する等化部と、前記等化部の出力の受信品質を検出する品質検出部と、検出した受信品質を用いて前記複数のフィルタ特性から最適なフィルタ特性を判定する判定部とを具備し、
    前記複数のフィルタ特性は、所定帯域幅のフィルタ特性と、前記所定帯域幅内の一部を通過させる複数のフィルタ特性とを有し、前記一部を通過させる複数のフィルタ特性は、2つ以上の通過域を持つフィルタ特性を含むことを特徴とするOFDM受信装置。
  2. 前記複数のフィルタ特性は、所定帯域幅内に主波の通過域とそれ以外の少なくとも1つの通過域とを含むことを特徴とする請求項1に記載のOFDM受信装置。
  3. 前記複数のフィルタ特性は、所定帯域幅で中心周波数が異なる複数のフィルタ特性と、前記中心周波数が異なるそれぞれのフィルタ特性に対して一部を通過させる複数フィルタ特性を有し、前記一部を通過させる複数フィルタ特性は、2つ以上の通過域を持つフィルタ特性を含み、
    前記判定部は、複数の中心周波数のフィルタ特性の中から最適なフィルタ特性を決定し、次に決定されたフィルタ特性と、決定されたフィルタ特性の一部を通過させる複数のフィルタ特性の中から最適なフィルタ特性を決定することを特徴とする請求項1又は2に記載のOFDM受信装置。
  4. 前記複数のフィルタ特性は、帯域幅および中心周波数が異なる複数のフィルタ特性と、前記複数の帯域幅の中で所定帯域幅以上の帯域幅のフィルタ特性に対してその帯域幅内の一部を通過させる複数のフィルタ特性を有し、前記一部を通過させる複数フィルタ特性は、2つ以上の通過域を持つフィルタ特性を含み、
    前記判定部は、帯域幅および中心周波数が異なる複数のフィルタ特性の中から最適な所定帯域幅のフィルタ特性を決定し、該所定帯域幅のフィルタ特性が決定された場合に、決定されたフィルタ特性と、決定されたフィルタ特性の一部を通過させる複数のフィルタ特性の中から最適なフィルタ特性を決定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載のOFDM受信装置。
  5. 前記判定部は、複数のシフトパターンを順次に切り替え設定する通過域シフト部と、前記複数のシフトパターンのいずれかのシフトパターンにおける帯域幅内で、複数の通過域パターンを順次に切り替え設定する通過域パターン選択部とを備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載のOFDM受信装置。
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