JP2012013840A - カラーフィルタの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板上に形成した黒色感光性樹脂層に、フォトマスクを用いてブラックマトリクスのパターンを露光する露光工程を第1回目の露光工程と第2回目の露光工程で構成し、前記第1回目の露光工程と前記第2回目の露光工程では、前記フォトマスクと前記黒色感光性樹脂層との間隙を異ならせ、かつ、前記フォトマスクの面方向の位置を、カラーフィルタの画素のピッチの整数倍のピッチでずらして配置して露光することでブラックマトリクスを有するカラーフィルタを製造する。
【選択図】図5
Description
本発明のブラックマトリクス形成用フォトマスク10を一実施形態に基づいて以下に説明する。図2は、本発明のブラックマトリクス30のパターンの形成用のフォトマスク10、及びそのフォトマスク10を用いて、カラーフィルタ20上にブラックマトリクス30のパターンを形成するための露光方法を説明する側断面図である。図2(a)は、ブラックマトリクス30形成用フォトマスク10の断面図を示す。ブラックマトリクス形成用フォトマスク10は、透明なフォトマスク用透明基板11の片面に遮光パターン12と、その間の開ロパターン13が設けられている。フォトマスク10の透明基板11の上面側から紫外線を露光して、その光をカラーフィルタ20に投影することにより、開ロパターン13を透過した光がカラーフィルタ20の黒色感光性樹脂層22に投影される。
ラーフィルタ用透明基板21上の黒色感光性樹脂層22に投影・露光し、露光された黒色感光性樹脂層22の部分に酸23が発生することを示す。遮光パターン12を形成したフォトマスク10のパターンを黒色感光性樹脂層22に投影・露光し現像して、図3の平面図のようなブラックマトリクス30のパターンを得る。図3の平面図のように、ブラックマトリクス30は、カラーフィルタ30の表示領域部に形成した、幅(W)が3〜30μm程度のブラックマトリクス線パターン32と、その表示領域部の周辺に形成した額縁部33のパターンからなる。ブラックマトリクス30の線パターン32の間に、各画素部31R、31G、31Bとして空き領域が形成される。
(透明基板準備工程)
図5(a)に示すように、LCD用のカラーフィルタ20用の、ガラス板またはプラスチック板若しくはプラスチックフィルム等からなる透明基板21をロット形成し、透明基板21を投入ケースに載置する。カラーフィルタ用基板21は、規定の寸法で形成され、
板厚は0.7mmを中心に1.1mm〜0.35mmのものを準備し、投入ケース毎に工程へ投入する。この工程では、表面の洗浄等の処理が主体である。
ブラックマトリクス30を形成する黒色感光性樹脂組成物には、架橋可能な樹脂系材料と架橋剤と光酸発生剤とポリマーグラフト化されたカーボンブラックとを含有した黒色感光性樹脂組成物を用いる。これにより、高感度の黒色感光性樹脂組成物が得られ、また、膜強度が優れ且つ高遮光性のブラックマトリクス30が得られる。また、光酸発生剤から発生する酸23を利用し架橋する感光性樹脂組成物を用いることにより、感度特性曲線の傾きが大きくなり、ある露光量以上の領域で急に現像後の残膜率が大きくなるため、低露光量で所定のブラックマトリクス30を形成することが可能になる。
この黒色感光性樹脂組成物を用い、まず、図5(b)に示すように、透明基板1上に、黒色感光性樹脂組成物をスピンナー法、バーコート法、ロールコート法、カーテンコート法等を用いて均一に塗布し、乾燥して1〜3μm厚の黒色感光性樹脂層22を形成する。尚、黒色感光性樹脂層22と透明基板21を密着させる場合には、70℃〜100℃程度の熱を加えてもかまわない。
次に、図5(c)又は図2のように、フォトマスク10を、その遮光パターン12がカラーフィルタ20の黒色感光性樹脂層22から100μmの間隔を隔てて対向するように配置し、高圧水銀灯、超高圧水銀灯等を用いて50mJ/cm2の光密度の紫外線を照射する。これにより、黒色感光性樹脂層22にフォトマスク10のパターンが投影・露光され、紫外線が照射された黒色感光性樹脂層22に酸23が発生し、その部分が、後の現像処理後にブラックマトリクス30のパターンとして残る箇所になる。図7の平面図に、今回(1度目)の投影露光と2度目の投影露光で、黒色感光性樹脂層22にフォトマスク10の遮光パターン12が投影されるパターンを大きめの矩形の集合であらわす。今回(1度目)の投影露光では、図7において大きめの矩形の集合であらわした遮光パターン12aがカラーフィルタ20の黒色感光性樹脂層22に投影され、それに対して、後に、小さめの矩形の集合であらわした2度目の投影露光のパターンが重ねられる。
次に、図5(d)のように、フォトマスク10を、その遮光パターン12がカラーフィルタ20の黒色感光性樹脂層22から300μmの間隙を隔てて対向するように配置し、高圧水銀灯、超高圧水銀灯等を用いて1回目と同じ50mJ/cm2の光密度の紫外線の照射により、2度目の投影露光を行う。図7の平面図のように、今回(2度目)の投影露光でフォトマスク10を画素部31のピッチの整数倍ずらして、黒色感光性樹脂層22に投影する。図7では、第2の露光工程で遮光パターン12bが投影される位置を小さめの矩形の集合であらわす。すなわち、今回(2度目)の投影露光では、フォトマスク10と透明基板21の相対位置を、1度目の投影露光のパターンから、画素部31のピッチの2倍で、縦方向及び横方向にずらして投影露光する。図7に、1度目と2度目の投影露光で黒色感光性樹脂層22に光が投影されない、遮光パターン12aと遮光パターン12bの重なる部分を網点であらわす。この網点の領域以外の領域に酸23のパターンが形成され、そこが、後の現像処理時にブラックマトリクス30のパターンとして残る箇所になる。
このように、露光を2回に分けて実施して、後に現像してブラックマトリクス30を形成した結果、露光を1回で実施するよりも膜減り率が少な<、ブラックマトリクス30の直線性、断面形状は何れも良好な結果が得られた。この効果が得られたのは、(1)1度
目の露光において、フォトマスク10の遮光パターン12をカラーフィルタ20の黒色感光性樹脂層22から100μmの間隙を隔てて紫外線を照射して露光することと、(2)2度目の露光において、フォトマスク10の遮光パターン12をカラーフィルタ20の黒色感光性樹脂層22から300μmの広めの間隙を隔てて紫外線を照射して露光することに因る。
次に、図5(f)のように、アルカリ現像液を用いて、未架橋部の黒色樹脂を除去して、図5(f)に示すように、厚さ0.5〜3μmのブラックマトリクス30の線パターン32と額縁部33を形成する。現像液には、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機アルカリ溶液、トリエチルアミン等のアルキルアミン類、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド等の第4級アンモニウム塩等が適用できる。
次に、図6(a)のように、ブラックマトリクス30の線パターン32の間の画素部31R、31G、31Bに、赤色着色層(R画素51R)、緑色着色層(G画素51G)、青色着色層(B画素51B)のRGB画素51を、0.5〜3μm程度の厚さに形成する。そのために、先ず、赤色(R)の画素の形成工程でR画素を形成する。この工程では、フォトプロセス法、例えば、レジスト塗布法による顔料分散樹脂層4の形成工程と、該顔料分散樹脂層への前加熱処理(プリベーク処理)と、本発明のカラーフィルタ用マスクを用いてパターン転写するパターン露光処理と、顔料分散樹脂層の現像処理と、顔料分散樹脂層のR画素への後加熱処理(ポストベーク処理)とによりR画素32を形成する。次に、R画素の形成と同様の工程により、緑色(G)の画素G画素を形成する。次に、同様の工程により、青色(B)の画素B画素を形成する。以上により、カラーフィルタ用基板21上にブラックマトリクスのパターン層13と、その開口部に、RGB画素(51)が形成される。
こうしてブラックマトリクス30及びRGB画素51を形成した後、熱処理を施して硬化させる硬膜工程を設ける。熱処理方法としてはコンベクションオーブン、ホットプレー
ト、ハロゲンヒータ、IRオーブンによる加熱等が利用でき、特に限定されるものではない。ここで、焼成条件は、200〜2500Cで10分〜60分間加熱することが好ましい。
図6(b)のように、カラーフィルタ20のブラックマトリクス30の線パターン32及びRGB画素51及び透明電極52の引出端子部に相当する部分のみ開口部を区画形成したメタルマスクを介して、真空蒸着法により、導電性の透明電極52、具体的には金属酸化物、例えば通常、ITOの透明電極52を区画形成する。
<実施例1>
幅が5.5μmの線パターン32を有するブラックマトリクス30の製造において、第1回目のブラックマトリクス30の露光工程において、フォトマスク10と黒色感光性樹脂層22の間隙を100μm隔てて配置して50mJ/cm2の光密度の紫外線を照射して露光し、第2回目のブラックマトリクス30の露光工程において、フォトマスク10と黒色感光性樹脂層22の間隙を300μm隔てて配置して50mJ/cm2の光密度の紫外線を照射して露光した。これにより形成したカラーフィルタ30では、線パターン32の剥がれが無い良好なブラックマトリックス30が得られた。
幅が5.5μmの線パターン32を有するブラックマトリクス30の製造において、第1回目のブラックマトリクス30の露光工程において、フォトマスク10と黒色感光性樹脂層22の間隙を100μm隔てて配置して70mJ/cm2の光密度の紫外線を照射して露光し、第2回目のブラックマトリクス30の露光工程において、フォトマスク10と黒色感光性樹脂層22の間隙を300μm隔てて配置して30mJ/cm2の光密度の紫外線を照射して露光した。これにより形成したカラーフィルタ30では、ブラックマトリックス30の線パターン32が2箇所で剥がれる不具合があった。この比較例と実施例1の結果から、1回目の露光と2回目の露光は紫外線の強度を同じ強度にして露光することが望ましいことがわかった。
幅が5.5μmの線パターン32を有するブラックマトリクス30の製造において、露光回数を1回のみでブラックマトリクス30を形成した。フォトマスク10と黒色感光性樹脂層22の間隙を100μm隔てて配置して100mJ/cm2の光密度の紫外線を照射して露光した。これにより形成したカラーフィルタ30では、ブラックマトリックス30の線パターン32が広い領域にわたって多数箇所で剥がれる不具合があった。この比較例2と比較例1及び実施例1の結果を比較すると、露光工程を2回に分けることで、露光により得られるブラックマトリックス30の線パターン32の品質が改善される効果があることがわかる。
11・・・フォトマスクの透明基板
12、12a、12b・・・遮光パターン
13・・・線状の開ロパターン
14・・・額縁パターン
20・・・カラーフィルタ
21・・・カラーフィルタ用透明基板
22・・・黒色感光性樹脂層
23・・・酸
30・・・遮光膜パターン(ブラックマトリクス)
31R、31G、31B・・・画素部
32・・・ブラックマトリクス線パターン
33・・・額縁部
40・・・ホットプレート
51・・・RGB画素
51R・・・R画素
51G・・・G画素
51B・・・B画素
52・・・透明電極
A・・・ブラックマトリクス線パターンの線幅が細くなる部分
Claims (2)
- ブラックマトリクスを有するカラーフィルタの製造方法であって、基板上に形成した黒色感光性樹脂層に、フォトマスクを用いてブラックマトリクスのパターンを露光する露光工程を第1回目の露光工程と第2回目の露光工程で構成し、前記第1回目の露光工程と前記第2回目の露光工程では、前記フォトマスクと前記黒色感光性樹脂層との間隙を異ならせ、かつ、前記フォトマスクの面方向の位置を、カラーフィルタの画素のピッチの整数倍のピッチでずらして配置して露光することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
- 請求項1記載のカラーフィルタの製造方法であって、前記第1回目の露光工程において、前記フォトマスクと前記黒色感光性樹脂層の間隙を100μm隔てて配置して紫外線を照射して露光し、前記第2回目の露光工程において、前記フォトマスクと前記黒色感光性樹脂層の間隙を300μm隔てて配置して前記第1回目の露光工程と同じ光密度の紫外線を照射して露光することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
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