JP2012002715A - 産業機械 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】産業機械としての三次元測定機1は、ガイド部212と、コラム221とで構成され、Y軸方向に沿って移動する移動機構と、コラム221の角度を検出する2軸角度計32と、移動機構を制御する制御装置4とを備える。制御装置4は、角度誤差取得部42と、パラメータ生成部43と、補正部44とを備える。角度誤差取得部42は、コラム221を移動させたときに2軸角度計32にて検出される角度に基づいて、コラム221の位置に対するコラム221の角度誤差を取得する。パラメータ生成部43は、角度誤差取得部42にて取得されるコラム221の角度誤差をコラム221の位置で積分することで真直度補正パラメータを生成する。補正部44は、パラメータ生成部43にて生成される真直度補正パラメータに基づいて、移動機構の運動誤差を補正する。
【選択図】図1
Description
特許文献1に記載の位置測定装置(産業機械)は、基準面を有する基礎と、基準面と平行な所定の軸方向に沿って移動する移動手段(移動機構)と、位置座標算出手段(制御装置)とを備えている。
しかしながら、位置測定装置を使用する環境の温度変化や、位置測定装置の経時変化などの影響で各幾何学誤差は変化してしまうので、位置測定装置の製造時に各幾何学誤差を予め測定して各幾何学誤差の補正パラメータを算出しても適切に空間精度補正をすることができない場合がある。これは、各幾何学誤差の変化を考慮していないためである。
これに対して、例えば、位置測定装置を使用する環境に高価な空調設備を導入したり、移動手段の剛性を高くしたりすることによって、位置測定装置を使用する環境の温度変化や、位置測定装置の経時変化などの影響による真直度誤差の変化を抑制することが考えられるが、製造コストや、ランニングコストが増加するという問題がある。
さらに、例えば、直定規や、レーザ測長機などを用いることで真直度誤差を再測定して真直度誤差の補正パラメータ(以下、真直度補正パラメータとする)を新たに算出することも考えられる。しかしながら、直定規や、レーザ測長機などを用いなければならないので、空間精度補正にかかるコストや作業時間が増加するという問題がある。
したがって、このような移動機構では、例えば、産業機械を使用する環境の温度が変化すると、ベース等と、ガイド部との熱膨張率の違いによって、ガイド部にたわみ(うねり)が生じ、移動機構の真直度誤差は変化することになる。また、熱膨張率の違いによるガイド部のうねりは、加工などで生じるガイド部のうねりと比較して大きくなる。
また、真直度誤差の変化量から生成される真直度補正パラメータに基づいて、移動機構の運動誤差を補正することによって、熱膨張率の違いによるガイド部の大きなうねりに起因する運動誤差を適切に補正することができる。
これに対して、例えば、ベース等の剛性を高くしたりすることによって、真直度誤差の変化を抑制することが考えられるが、製造コストが増加するという問題がある。
本発明によれば、測定機は、ベース等に載置される被測定物の重量などの影響があっても真直度誤差の変化を考慮した適切な空間精度補正をすることができる。
〔三次元測定機の概略構成〕
図1は、本発明の一実施形態に係る三次元測定機1の概略構成を示す図である。なお、図1では、上方向を+Z軸方向とし、このZ軸に直交する2軸をそれぞれX軸、及びY軸として説明する。
産業機械としての三次元測定機1は、図1に示すように、本体2と、本体2に取り付けられる2つの2軸角度計31,32と、本体2、及び2軸角度計31,32を制御する制御装置4とを備える。
ベース21は、被測定物(図示略)を載置させる平面211を有する矩形板状に形成されている。また、ベース21の−X軸方向側には、+Z軸方向側に向かって突出するとともに、Y軸方向に沿って直線状に形成され、スライド機構22をY軸方向に沿ってガイドするガイド部212が形成されている。
そして、スライド機構22は、コラム221、スライダ223、及びラム224を駆動する駆動部(図示略)を備え、制御装置4による制御の下で測定子をX,Y,Z軸方向に沿って移動させる。
以下、本実施形態では、移動機構は、ガイド部212と、コラム221とで構成され、所定の軸方向(Y軸方向)に沿って移動するものとして説明する。
また、2軸角度計32は、コラム221に取り付けられ、初期角度を基準とするコラム221のX,Y軸回りの角度を検出する。すなわち、2軸角度計32は、所定の軸方向(Y軸方向)と直交し、2軸角度計31が取り付けられた平面211と平行な軸回り(X軸回り)における移動機構の角度を検出する角度検出手段として機能し、2軸角度計32にて検出される角度と、2軸角度計31にて検出される角度との差を求めることでX,Y軸回りにおけるコラム221の角度誤差を算出することができる。
なお、本実施形態では、コラム221を−Y軸方向側の一端に移動させた状態で2軸角度計31,32にて検出される角度を初期角度とする。
また、記憶部41には、制御装置4にて真直度補正パラメータを生成して空間精度補正をするための補正プログラムが記憶されている。
パラメータ生成部43は、角度誤差取得部42にて取得されるピッチング誤差をコラム221の位置で積分することで真直度補正パラメータを生成する。
ここで、説明を簡略化するために、移動機構は単純梁であると考えると、コラム221の位置をXとしたときの移動機構のたわみ角θと、たわみ量yとの関係は、図2に示すような関係となり、以下の式(1)で表される。なお、Cは、積分定数である。
さらに、パラメータ生成部43は、記憶部41に記憶されている真直度誤差と、真直度誤差の変化量とを加算することで真直度補正パラメータを生成する。
補正部44にて空間精度補正をした後の真直度誤差(図3の三角のマーカー)は、補正部44にて空間精度補正をする前の真直度誤差(図3の四角のマーカー)と比較して低減されている。
次に、空間精度補正の方法について説明する。
図4は、空間精度補正の方法を示すフローチャートである。
制御装置4は、記憶部41に記憶された補正プログラムが実行されると、図4に示すように、以下のステップS1〜S3を実行する。
角度誤差取得ステップS1にてピッチング誤差が取得されると、パラメータ生成部43は、真直度補正パラメータを生成する(S2:パラメータ生成ステップ)。
パラメータ生成ステップS2にて真直度補正パラメータが生成されると、補正部44は、空間精度補正をする(S3:補正ステップ)。
以上のステップS1〜S3を実行することによって、制御装置4は、真直度補正パラメータを生成して空間精度補正をする。
(1)三次元測定機1は、2軸角度計31,32を備えている。そして、パラメータ生成部43は、角度誤差取得部42にて取得されるピッチング誤差を移動機構の位置で積分することで真直度補正パラメータを生成し、補正部44は、パラメータ生成部43にて生成される真直度補正パラメータに基づいて、空間精度補正をする。したがって、三次元測定機1は、使用する環境の温度変化や、経時変化などの影響があっても真直度誤差の変化を考慮した適切な空間精度補正をすることができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、移動機構は、ガイド部212と、コラム221とで構成され、所定の軸方向(Y軸方向)に沿って移動するものとしていた。これに対して、例えば、移動機構は、ビーム222と、スライダ223とで構成され、X軸方向に沿って移動するものとしてもよい。なお、この場合には、ベース21の平面211と、スライダ223とに2軸角度計を取り付ければよい。要するに、移動機構は、所定の軸方向に沿って移動するものであればよい。
前記実施形態では、産業機械として三次元測定機1を例示したが、形状測定機などの他の測定機であってもよく、工作機械や、ロボットなどの他の産業機械であってもよい。要するに、本発明は、ベースと、移動機構と、制御装置とを備える産業機械に適用することができる。
4…制御装置
32…2軸角度計(角度検出手段)
41…記憶部
42…角度誤差取得部
43…パラメータ生成部
44…補正部
Claims (3)
- 所定の軸方向に沿って移動する移動機構と、前記移動機構を制御する制御装置とを備える産業機械であって、
前記所定の軸方向と直交する軸回りにおける前記移動機構の角度を検出する角度検出手段を備え、
前記制御装置は、
前記移動機構を移動させたときに前記角度検出手段にて検出される角度に基づいて、前記移動機構の位置に対する前記移動機構の角度誤差を取得する角度誤差取得部と、
前記角度誤差取得部にて取得される前記移動機構の角度誤差を前記移動機構の位置で積分することで前記所定の軸方向における前記移動機構の真直度誤差を補正するための真直度補正パラメータを生成するパラメータ生成部と、
前記真直度補正パラメータに基づいて、前記移動機構の運動誤差を補正する補正部を備えることを特徴とする産業機械。 - 請求項1に記載の産業機械において、
前記制御装置は、
前記移動機構の角度誤差と、前記移動機構の真直度誤差とを記憶する記憶部を備え、
前記パラメータ生成部は、前記記憶部に予め記憶された前記移動機構の角度誤差と、前記角度誤差取得部にて取得される前記移動機構の角度誤差との差を前記移動機構の位置で積分することで前記真直度誤差の変化量を算出し、前記真直度誤差の変化量と、前記記憶部に予め記憶された前記移動機構の真直度誤差とを加算することで前記真直度補正パラメータを生成することを特徴とする産業機械。 - 請求項1または請求項2に記載の産業機械において、
前記産業機械は、前記移動機構と、前記制御装置とを備える測定機であることを特徴とする産業機械。
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