JP2012094845A - 太陽電池モジュール用封止材及びそれを用いた太陽電池モジュールの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリエチレン系樹脂を主として含有する太陽電池モジュール用封止材であって、その結晶化を、実施例記載の試験試料について、JIS K7136により測定した厚さ400μmにおけるヘーズ値が1%以上6%以下となるように、及び/又は、SEM断面観察において、前記ポリエチレン系樹脂由来の球晶サイズが、平均0.1μm以上0.5μm以下の大きさで存在するように調整する。これによって球晶部分による光散乱効果が高まり、従来のEVA以下のヘーズ値でありながら、EVA以上の光変換効率が得られる。
【選択図】図3
Description
JIS K7136により測定した下記試験試料の厚さ400μmにおけるヘーズ値が1%以上6%以下であることを特徴とする太陽電池モジュール用封止材。
試験試料:封止材(75mm×35mm×0.4mm)の両面を青板ガラス(75mm×35mm×2.75mm)で挟み、加熱圧着(150℃で真空引き5分、プレス1.5分、100kPaの圧力で7分保持)した後、室温(25℃)で12時間以上静置して状態調節した。
SEM断面観察において、前記ポリエチレン系樹脂由来の球晶が、平均0.1μm以上0.5μm以下の大きさで存在することを特徴とする太陽電池モジュール用封止材。
前記前面封止材層が、(1)から(8)いずれか記載の太陽電池モジュール用封止材である太陽電池モジュール。
前記ポリエチレン系樹脂の結晶化を、JIS K7136により測定した下記試験試料の厚さ400μmにおけるヘーズ値が1%以上6%以下となるように、及び/又は、SEM断面観察において、前記ポリエチレン系樹脂由来の球晶が、平均0.1μm以上0.5μm以下の大きさで存在するように、前記ポリエチレン系樹脂の結晶化を調整する結晶化調整工程を備える太陽電池モジュール用封止材の製造方法。
試験試料:封止材(75mm×35mm×0.4mm)の両面を青板ガラス(75mm×35mm×2.75mm)で挟み、加熱圧着(150℃で真空引き5分、プレス1.5分、100kPaの圧力で7分保持)した後、室温(25℃)で12時間以上静置して状態調節した。
本発明においては、ポリエチレン系樹脂の結晶化を、実施例記載の試験試料について、JIS K7136により測定した厚さ400μmにおけるヘーズ値が1%以上6%以下となるように、及び/又は、SEM断面観察において、前記ポリエチレン系樹脂由来の球晶サイズが、平均0.1μm以上0.5μm以下の大きさで存在するように調整する。これによって球晶部分による光散乱効果が高まり、従来のEVA以下のヘーズ値でありながら、EVA以上の光変換効率が得られる。
上記範囲内のヘーズ値及び/又は球晶サイズを得る一例としては、組成物Aとして、密度が0.900g/cm3以下のポリエチレン系樹脂と、重合開始剤と、を必須成分として含有するものである。以下、これらの必須成分について説明した後、その他の樹脂、その他の成分について説明する。
好ましいベース樹脂として、密度が0.900g/cm3以下の低密度ポリエチレン(LDPE)、好ましくは直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)を用いる。直鎖低密度ポリエチレンはエチレンとα−オレフィンとの共重合体であり、本発明においては、その密度が0.900g/cm3以下、好ましくは0.870〜0.890g/cm3の範囲である。この範囲であれば、シート加工性を維持しつつ良好な透明性と耐熱性を付与することができる。
従来知られている太陽電池モジュール用封止材組成物の一般的な架橋処理を行う場合とは異なり、太陽電池モジュール用封止材組成物に対する重合開始剤の含有量が、一般的な架橋処理の場合よりも少ない特定の範囲の含有量となるように重合開始剤を使用する(弱架橋処理)。重合開始剤の含有量は、太陽電池モジュール用封止材組成物中に0.02質量%以上0.5質量%未満であり、上限は好ましくは0.2質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下である。この範囲内であれば架橋剤の大部分が樹脂の分子量増大に消費され、ネットワーク構造の形成が少量に抑えられるため、適度に結晶性を低下させ、且つ製膜後に成形性を維持することができる。この範囲未満であると上記ポリエチレン系樹脂の弱架橋が進まず耐熱性が不足する。また、この範囲を超えると、成形中にゲルが発生するなどして製膜性が低下し、透明性も低下する。
架橋助剤は実質的に使用しないことが好ましい。ここで架橋助剤とは、例えば、多官能ビニル系モノマー及び/又は多官能エポキシ系モノマー等であり、具体的には、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリアリルシアヌレート、ジアリルフタレート、ジアリルフマレート、ジアリルマレエート等のポリアリル化合物、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPT)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート等のポリ(メタ)アクリロキシ化合物、二重結合とエポキシ基を含むグリシジルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル及びエポキシ基を2つ以上含有する1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル等のエポキシ系化合物を挙げることができる。
上記範囲内のヘーズ値及び/又は球晶サイズを得る他の一例としては、組成物Bとして、密度が0.900g/cm3以下のポリエチレン系樹脂と、重合開始剤(架橋剤)と、架橋助剤と、を必須成分として含有する組成物である。この場合、未架橋のまま溶融成形して未架橋の封止剤シートを得て。その後に架橋処理を行い封止剤シートとする。
太陽電池モジュール用封止材組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、更にその他の成分を含有させることができる。例えば、本発明の太陽電池モジュール用封止材組成物から作製された太陽電池モジュール用封止材に耐候性を付与するための耐候性マスターバッチ、光安定化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤等の成分が例示される。これらの含有量は、その粒子形状、密度等により異なるものではあるが、それぞれ太陽電池モジュール用封止材組成物中に0.001〜5質量%の範囲内であることが好ましい。これらの添加剤を含むことにより、太陽電池モジュール用封止材組成物に対して、長期に亘って安定した機械強度や、黄変やひび割れ等の防止効果等を付与することができる。
ゲル分率(%):架橋後封止材1g秤量し、80メッシュの金網袋に入れる。次いで、ソックスレー抽出器内に金網ごとサンプル投入し、キシレンを沸点下において還流させる。10時間連続抽出したのち、金網ごとサンプルを取出し乾燥処理後秤量し、抽出前後の質量比較を行い残留不溶分の質量%を測定しこれをゲル分率とした。
組成物Bにおいては、その後、上記のシート化工程後の未架橋封止材を架橋処理を施す架橋処理工程を、シート化工程の終了後、且つ、封止材を他の部材と一体化する太陽電池モジュール一体化工程の開始前に行う。この架橋工程によってゲル分率が2%以上80%以下となる封止材とする。架橋処理はシート化工程に続いて連続的にインラインで行われてもよく、オフラインで行われてもよい。
本発明の太陽電池モジュール用封止材は、実施例記載の試験試料について、JIS K7136により測定した厚さ400μmにおけるヘーズ値が1%以上6%以下、好ましくは1%以上5%以下である。これにより、光透過性と光散乱性を両立でき、素子への光取り込み量を向上でき、モジュールの発電効率を向上できる。ヘーズ値が2%未満であると、透明ではあるが、結晶化が不十分であり光散乱効果が小さい。一方、ヘーズ値が6%を越えると、結晶化による光散乱効果が大き過ぎて素子へ到達する光量が減少するので好ましくない。
本発明の太陽電池モジュール用封止材は、SEM断面観察において、前記ポリエチレン系樹脂由来の球晶が、平均0.1μm以上0.5μm以下の大きさで存在する。これにより、光透過性と光散乱性を両立でき、素子への光取り込み量を向上でき、モジュールの発電効率を向上できる。球晶サイズが0.1μm未満であると、透明ではあるが、結晶化が不十分であり光散乱効果が小さい。一方、球晶サイズが0.5μmを越えると、結晶化による光散乱効果が大き過ぎて素子へ到達する光量が減少するので好ましくない。
次に、本発明の太陽電池モジュールの一例について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の太陽電池モジュールについて、その層構成の一例を示す断面図である。本発明の太陽電池モジュール1は、入射光の受光面側から、透明前面基板2、前面封止材層3、太陽電池素子4、背面封止材層5、及び裏面保護シート6が順に積層されている。本発明の太陽電池モジュール1は、少なくとも前面封止材層3に上記の太陽電池モジュール用封止材(以下単に「封止材シート」ともいう)を使用する。
[試験例1]
<太陽電池モジュール用封止材の製造>
[実施例1から3のポリエチレン系樹脂]
シラン変性透明樹脂:密度0.881g/cm3であり、190℃でのMFRが2g/10分であるメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(M−LLDPE)98質量部に対して、ビニルトリメトキシシラン2質量部と、ラジカル発生剤(反応触媒)としてのジクミルパーオキサイド0.1質量部とを混合し、200℃で溶融、混練し、密度0.884g/cm3、190℃でのMFRが1.8g/10分であるシラン変性透明樹脂を得た。
耐候性マスターバッチ:密度0.880g/cm3のチーグラー直鎖状低密度ポリエチレンを粉砕したパウダー100質量部に対して、ベンゾフェノール系紫外線吸収剤3.8質量部とヒンダードアミン系光安定化剤5質量部と、リン系熱安定化剤0.5質量部とを混合して溶融、加工し、ペレット化したマスターバッチを得た。
重合開始剤コンパウンド樹脂1:密度0.880g/cm3、190℃でのMFRが3.1g/10分のM−LLDPEペレット100質量部に対して、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(t‐ブチルパーオキシ)ヘキサン0.1質量部を含浸させコンパウンドペレットを得た。
重合開始剤コンパウンド樹脂2:密度0.880g/cm3、190℃でのMFRが3.4g/10分のM−LLDPEペレット100質量部に対して、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(t‐ブチルパーオキシ)ヘキサン0.1質量部を含浸させコンパウンドペレットを得た。
上記のシラン変性透明樹脂20質量部、耐候性マスターバッチ5質量部、重合開始剤コンパウンド樹脂1の80質量部を混合し、φ30mm押出し機、200mm幅のTダイスを有するフィルム成形機を用いて、押出し温度210℃、引き取り速度1.1m/minで総厚400μmの実施例1の太陽電池モジュール用封止材を作製した。
[実施例2]
重合開始剤コンパウンド樹脂1を重合開始剤コンパウンド樹脂2に代えた以外は実施例1と同様にして実施例2の太陽電池モジュール用封止材を作製した。
[実施例3]
重合開始剤コンパウンド樹脂1を密度0.880g/cm3、190℃でのMFRが3.1g/10分のメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレンに代えた以外は実施例1と同様にして実施例4の太陽電池モジュール用封止材を作製した(架橋剤含有せず)。
LLDPE(ベース樹脂M1):エチレンと1−ヘキセンとの共重合体であり、密度0.880g/cm3、MFR8g/10分であるメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン。
LLDPE2(ベース樹脂M2):ポリエチレン系樹脂(LLDPE):エチレンと1−ヘキセンとの共重合体であり、密度0.880g/cm3、MFR30g/10分であるメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン。
シラン変性ポリエチレン系樹脂(ベース樹脂S1):上記ベース樹脂M1、98質量部に対して、ビニルトリメトキシシラン2質量部と、ラジカル発生剤(反応触媒)としてのジクミルパーオキサイド0.1質量部とを混合し、200℃で溶融、混練したものであり、密度0.884g/cm3、MFR6g/10分であるシラン変性ポリエチレン系樹脂。
架橋剤:t‐ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート(アルケマ吉富株式会社製、商品名ルペロックスTBEC)
架橋助剤:トリアリルイソシアヌレート(Statomer社製、商品名SR533)
UV吸収剤:ケミプロ化成株式会社製、商品名KEMISORB12
耐候安定剤:チバ・ジャパン株式会社製、商品名Tinuvin770
酸化防止剤:チバ・ジャパン株式会社製、商品名Irganox1076
M1の35質量部、M2の40質量部、S1の25質量部、架橋剤1.2質量部、架橋助剤0.8質量部、UV吸収剤0.25質量部、耐候安定剤0.2質量部、酸化防止剤0.05質量部を混合し溶融し、常法Tダイ法により厚さ400μmとなるように成膜して未架橋の封止材シートを得た。成膜温度は90℃以上100℃未満とした。その後、200℃×2分の架橋処理を行い(ゲル分率46.7%)、実施例4の封止材シートを得た。
架橋処理として加熱の代わりに300kGyの電子線を照射した以外は実施例4と同様にして実施例5の封止材シートを得た(ゲル分率33.0%)。
実施例1の封止材シートを、後述する評価例1の条件で加熱圧着した後、水冷5℃の鉄板の上で常温まで冷却して実施例6の封止材シートの試験試料を得た。
実施例1の封止材シートを、後述する評価例1の条件で加熱圧着した後、10℃/minで常温まで冷却して実施例7の封止材シートの試験試料を得た。
実施例1の封止材シートを、後述する評価例1の条件で加熱圧着した後、5℃/minで常温まで冷却して実施例8の封止材シートの試験試料を得た。
シラン変性透明樹脂:密度0.898g/cm3であり、190℃でのメルトマスフローレートが2g/10分であるメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(以下、M−LLDPEと称する。)98質量部に対して、ビニルトリメトキシシラン2質量部と、ラジカル発生剤(反応触媒)としてのジクミルパーオキサイド0.1質量部とを混合し、200℃で溶融、混練し、シラン変性透明樹脂を得た。
耐候性マスターバッチ:密度0.920g/cm3のチーグラー直鎖状低密度ポリエチレンを粉砕したパウダー100質量部に対して、ベンゾフェノール系紫外線吸収剤3.8質量部とヒンダードアミン系光安定化剤5質量部と、リン系熱安定化剤0.5質量部とを混合して溶融、加工し、ペレット化したマスターバッチを得た。
上記のシラン変性透明樹脂20質量部、耐候性マスターバッチ5質量部、添加用ポリエチレンとしての密度0.905g/cm3のメタロセン直鎖状低密度ポリエチレン80質量部とを混合し、φ150mm押出し機、1000mm幅のTダイスを有するフィルム成形機を用いて、押出し温度230℃、引き取り速度2.3m/minで総厚400μmの表面用太陽電池モジュール用封止材を作製した。
比較例2のEVA充填材は、EVA(酢酸ビニル含量28%、三井デュポンポリケミカル製、商品名EVAFLEX/EV250グレード)の100質量部に対して、架橋剤(Lupersol101)1.5質量部、酸化防止剤(NAUGARD−P)0.2質量部、UV吸収剤(Tinuvin7709の0.1質量部とCyasorb UV−531の0.3質量部)を配合したものを用いた。常法Tダイ法により厚さ400μmとなるように成膜して未架橋充填材を得た。成膜温度は90℃〜100℃とした。
[比較例3]
実施例1の封止材シートを、後述する評価例1の条件で加熱圧着した後、1℃/minで常温まで冷却して比較例3の封止材シートの試験試料を得た。
実施例及び比較例について、全光線透過率(JIS K7361)、ヘーズ値(JIS K7136)を、株式会社村上色彩研究所、ヘーズ・透過率系HM150にて測定した。試験試料は封止材(75mm×35mm×0.4mm)の両面を青板ガラス(75mm×35mm×2.75mm)で挟み、加熱圧着(150℃で真空引き5分、プレス1.5分、100kPaの圧力で7分保持)した後、室温(25℃)で12時間以上静置して状態調節したものを用いた。なお、PV特性は、MOTECH製単結晶セル(AS125−150R)のセル部以外をアルミシールして光の回り込みを防止した状態でセル上に上記封止材を積層し、ソーラーシュミレータ(英弘精機株式会社製EWXS−300S−50)を用いて、セル裏面温度25℃、照度100mW/cm2の条件で測定したIsc値(短絡電流、単位mA)である。その結果を下記表1に示す。なお、屈折率は、いずれも1.49であった。また、表中の発電効率は、評価例3−2における全発電量の比較であり、比較例2を100(−)とした際に、100.1以上を○とし、100.4以上を◎とし、100未満を×とした評価である。
実施例1の封止材と、比較例2のEVA封止材について、分光光度計による透過率測定T%(装置名UV−2550、株式会社島津製作所社製)にて測定した。その結果を図2に示す。図2より、波長400〜550nm付近において、約1%EVAのほうが透過率が高く、上記ヘーズ値の違いを裏付ける結果が得られた。
実施例1の封止材と、比較例2のEVA封止材について、直接暴露試験方法による屋外暴露評価(JIS Z2381 01)を、データロガー:メモリハイロガー8430、日置電機株式会社製、分流器:分流器HS−01(50A)日置電機株式会社製にて南向き45度設置の条件で測定した。Q−Cells社製多結晶セル(Q6LTT3)を2mm幅のリード線(日立電線株式会社製)で4セル直列に接続して、ガラス/封止材/セル/封止材/バックシートの構成でモジュール化したものを用いて測定した。その結果を図3に示す。図3より、実施例1のものは、EVAの比較例2よりヘーズ値が高いにもかかわらず、発電電力が大きく、光散乱効果による発電効率向上に資することが理解できる。
評価例3−1とは別の機会に、実施例4の封止材と、比較例2のEVA封止材について、上記の評価例3−1と同様の試験を行った結果を図7に示す。図7より、架橋を行った実施例4のものは、EVAの比較例3よりヘーズ値が高いにもかかわらず発電電力が大きく、特にモジュールへの入射角度が小さくなる夕方において光散乱効果による発電効率向上に差があることが理解できる。なお、1日の全発電量を比較したところ、比較例2の2878Wに対して、実施例4では2959Wであった。
実施例1の封止材と、比較例1の封止材と、比較例2のEVA封止材について、断面SEM写真を、装置名S−4800、株式会社日立ハイテクノロジーズ製SEMにて測定した。その結果を図4から6に示す。図4は実施例1、図5は比較例1、図6は比較例2のSEM写真であり、図において右下のスケールは一目盛が0.1μm(全10目盛が1μm)である。
2 透明前面基板
3 前面封止材層
4 太陽電池素子
5 背面封止材層
6 裏面保護シート
Claims (11)
- ポリエチレン系樹脂を主として含有し、
JIS K7136により測定した下記試験試料の厚さ400μmにおけるヘーズ値が1%以上6%以下であることを特徴とする太陽電池モジュール用封止材。
試験試料:封止材(75mm×35mm×0.4mm)の両面を青板ガラス(75mm×35mm×2.75mm)で挟み、加熱圧着(150℃で真空引き5分、プレス1.5分、100kPaの圧力で7分保持)した後、室温(25℃)で12時間以上静置して状態調節した。 - ポリエチレン系樹脂を主として含有し、
SEM断面観察において、前記ポリエチレン系樹脂由来の球晶が、平均0.1μm以上0.5μm以下の大きさで存在することを特徴とする太陽電池モジュール用封止材。 - 実質的に無機系充填材を含有しない請求項1又は2記載の太陽電池モジュール用封止材。
- 前記ポリエチレン系樹脂が、密度0.900g/cm3以下であって、前記太陽電池モジュール用封止材の190℃におけるMFRが0.1g/10min以上1.0g/10min未満である請求項1から3いずれか記載の太陽電池モジュール用封止材。
- 密度0.900g/cm3以下の前記ポリエチレン系樹脂と、架橋剤と、架橋助剤と、を含有する封止材組成物を溶融成形して未架橋の封止材シートを得て、前記未架橋の封止材シートを、ゲル分率が2%以上80%以下となるように架橋処理してなる請求項1から3いずれか記載の太陽電池モジュール用封止材。
- 前記架橋処理が電離放射線の照射による架橋処理である請求項5に記載の太陽電池モジュール用封止材。
- 前記ポリエチレン系樹脂がメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレンである請求項1から6いずれか記載の太陽電池モジュール用封止材。
- 屈折率が1.40以上1.60以下である請求項1から7いずれか記載の太陽電池モジュール用封止材。
- 透明前面基板と、前面封止材層と、太陽電池素子と、を少なくとも備える太陽電池モジュールであって、
前記前面封止材層が、請求項1から8いずれか記載の太陽電池モジュール用封止材である太陽電池モジュール。 - 前記透明前面基板が、屈折率が1.51以上1.54以下のガラス基板である請求項9記載の太陽電池モジュール。
- ポリエチレン系樹脂を主として含有する太陽電池モジュール用封止材の製造方法であって、
前記ポリエチレン系樹脂の結晶化を、JIS K7136により測定した下記試験試料の厚さ400μmにおけるヘーズ値が1%以上6%以下となるように、及び/又は、SEM断面観察において、前記ポリエチレン系樹脂由来の球晶が、平均0.1μm以上0.5μm以下の大きさで存在するように、前記ポリエチレン系樹脂の結晶化を調整する結晶化調整工程を備える太陽電池モジュール用封止材の製造方法。
試験試料:封止材(75mm×35mm×0.4mm)の両面を青板ガラス(75mm×35mm×2.75mm)で挟み、加熱圧着(150℃で真空引き5分、プレス1.5分、100kPaの圧力で7分保持)した後、室温(25℃)で12時間以上静置して状態調節した。
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