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JP2012091755A - 車両用プログラム書換えシステム - Google Patents

車両用プログラム書換えシステム Download PDF

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JP2012091755A
JP2012091755A JP2010242920A JP2010242920A JP2012091755A JP 2012091755 A JP2012091755 A JP 2012091755A JP 2010242920 A JP2010242920 A JP 2010242920A JP 2010242920 A JP2010242920 A JP 2010242920A JP 2012091755 A JP2012091755 A JP 2012091755A
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JP2010242920A
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Masanori Matsuura
正典 松浦
Osamu Miyamoto
修 宮本
Kenichi Ishida
健一 石田
Kazuyoshi Wakita
和慶 脇田
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Abstract

【課題】複数のECUのプログラムを好適に書き換えることが可能な車両用プログラム書換えシステムを提供する。
【解決手段】車両用プログラム書換えシステム10の書換え装置54は、第1ECU56用の第1書換えプログラムと、第2ECU56用の第2書換えプログラムとを受信し、書換え対象である第1ECU56及び第2ECU56が、データ通信を行うように設定されていることを検出すると、第1書換えプログラム及び第2書換えプログラムを用いた書換えを行った後、第1ECU56及び第2ECU56をまとめて再起動させる。
【選択図】図1

Description

この発明は、電子制御装置のプログラムの書換えが可能な車両用プログラム書換えシステムに関する。
コンピュータ技術の発展に伴い、車両の電子化が進んでいる。電子化された車両では、複数の電子制御装置(ECU)が用いられることが一般的である。ECUで用いられる制御プログラムは、バージョンアップ等に伴って書き換えられることがある(特許文献1、特許文献2及び特許文献3参照)。
特許文献1では、通信線を介して相互に接続されている複数のECUの中の1つについてプログラムを書き換える場合に、他のECUが異常を検知することによる誤動作を防止するため、外部ツールからの書込み開始要求と書換え対象ECUからの故障診断停止要求により、他のECUの故障診断を停止させる。また、前記故障診断の停止は、イグニションスイッチ(IGSW)をオフにし、再度オンにすることで解除する。
特許文献2では、車載制御装置(100)は、管理センター(200)から無線送信される書換え用データを受信してメモリ装置(143)に格納する。次いで、車載制御装置は、管理センターから書換え用データを再受信し、既にメモリ装置に格納している書換え用データと比較して、メモリ装置に格納している書換え用データの適正性を判断する。次いで、書換えの準備が完了した旨をユーザに通知する。そして、書換えの許可をユーザから受けると、実際に書換えを行う([0057]、図3及び図9)。
特許文献3では、車両のネットワークに接続された複数の制御装置のプログラムデータの書換えを効率よく、且つ安全に行える技術を提供することが企図されている([0007])。具体的には、カーナビゲーション装置などである第1の制御装置(11)において、光ディスク用スロットなどであるデータ入力部(11a)又は無線信号を介してプログラム書換え用データを入力する(段落[0018]〜[0020]、[0022])。そして、当該書換え用データを統括制御装置(12)の記憶媒体(12b)に一時的に記憶する(段落[0020])。記憶媒体(12b)に一時的に記憶された書換え用データは、車両のネットワーク(15)を経由してプログラムの書換え対象である第2の制御装置(13)に送信され、その後、記憶媒体(13a)に記憶される(段落[0025])。書換えデータの送信及び書換えは、エンジンの停止から所定時間が経過し、記憶媒体(13a)の温度が所定範囲内であり、且つ第2の制御装置(13)の電圧が所定範囲内にあるときに行われる(段落[0030]及び図6)。また、同文献では、当該書換えを複数の制御装置で行うことができる旨が記載されている(段落[0007]、[0015]、[0037])。
特開2005−297653号公報 特開2007−011734号公報 特開2006−268554号公報
特許文献1及び特許文献2では、1つのECUについてプログラムを書き換えることが記載されている。
また、特許文献3では、複数のECUのプログラムデータの書換えを効率よく行うための技術が企図されているものの、「発明を実施するための最良の形態」で主として説明されている内容は、1つのECUについての書換えに止まっており、複数のECUについての書換えについては詳述されていない。換言すると、特許文献3において、複数のECUの書換えを効率よく行うための構成とは、書換え用データを統括制御装置(12)の記憶媒体(12b)に一時的に記憶し、その後、個別のECUに書換え用データを送信する構成を意味しているように見受けられる(段落[0015]参照)。さらに、上記のように、「発明を実施するための最良の形態」で主として説明されているのは、1つのECUについての書換えであることを考慮すれば、同文献の構成は、1つのECUのみについて書換えを行う場合でも適用できるものと考えられる。
以上を考慮すると、上記各文献では、複数のECUについてプログラムをまとめて書き換えることに特有の好適な構成又は方法については検討されていない。例えば、通信線を介して相互にデータ通信を行うECUの通信データの変更を伴うプログラムの書換えを複数のECUで行う場合、一方のECUの書換え完了後にIGSWの操作で通常の動作状態に復帰させると、一方のみ新たな通信データでのデータ通信を行うため、書換えを行ったECU又は他のECUが異常を検出し、誤動作を起こすおそれがあるが、上記各文献では、この点については何ら記載又は示唆されていない。
この発明は、このような問題を考慮してなされたものであり、複数のECUのプログラムを好適に書き換えることが可能な車両用プログラム書換えシステムを提供することを目的とする。
この発明に係る車両用プログラム書換えシステムは、第1プログラムが格納され、前記第1プログラムの書換えが可能な第1記憶装置が搭載された第1電子制御装置と、第2プログラムが格納され、前記第2プログラムの書換えが可能な第2記憶装置が搭載された第2電子制御装置と、前記第1プログラム及び前記第2プログラムの書換えを行う書換え装置とを有するものであって、前記書換え装置は、前記第1プログラムの書換えプログラムである第1書換えプログラムと、前記第2プログラムの書換えプログラムである第2書換えプログラムとを受信し、書換え対象である前記第1電子制御装置と前記第2電子制御装置が、データ通信を行うように設定されていることを検出すると、前記第1書換えプログラム及び前記第2書換えプログラムを用いた書換えを行った後、前記第1電子制御装置及び前記第2電子制御装置をまとめて再起動させることを特徴とする。
この発明によれば、互いにデータ通信を行う第1電子制御装置(第1ECU)及び第2電子制御装置(第2ECU)それぞれについてプログラムの書換えを行う際、第1ECU及び第2ECUそれぞれについてプログラムの書換えをした後、第1ECU及び第2ECUをまとめて再起動する。従って、協調制御に起因する故障検知を回避することが可能となる。
例えば、通信線を介して互いにデータ通信を行って協調制御を行っている第1ECU及び第2ECUのプログラムの書換えを行う場合において、第1ECUのプログラムを書き換え、IGSWのオン・オフにより各ECU(第1ECU及び第2ECUを含む、車両の全ECU)を再起動した後に、第2ECUについてプログラムの書換えをする場合、第1ECUのプログラム書換えにより、他のECUが第1ECUの異常を検知することを防止するため、第1ECUの書換え前に、他のECUの故障検知を停止させる。しかし、第1ECUのプログラム書換えにより、第1ECUと第2ECUの協調制御に関する互いのデータ通信内容の変更があった場合、第1ECUのプログラム書換え後の再起動により、第1ECUと第2ECUは協調制御を再開してしまう。その場合、第1ECUの書換えに伴って、第1ECUのみ新たな第2ECUとの協調制御用のデータ通信を行う、これにより、第1ECU又は第2ECUが故障を検知する。
この発明によれば、互いにデータ通信を行う第1ECU及び第2ECUについては、それぞれのプログラムの書換えを行った後、第1ECU及び第2ECUをまとめて再起動する。このため、上記のような不具合を避けることが可能となる。従って、複数のECUのプログラムの書換えをまとめて行う場合であっても、当該書換えを好適に行うことが可能となる。
前記書換え装置は、前記第1電子制御装置及び前記第2電子制御装置を用いた書換えが、前記データ通信に影響することを検出すると、前記第1書換えプログラム及び前記第2書換えプログラムを用いた書換えを行った後、前記第1電子制御装置及び前記第2電子制御装置をまとめて再起動させてもよい。
前記書換え装置は、前記第1書換えプログラム及び前記第2書換えプログラムを用いた書換えを行った後、前記第1電子制御装置及び前記第2電子制御装置をまとめて再起動させることの要否を示す組合せ復帰情報を受信し、前記組合せ復帰情報に基づいて、前記第1電子制御装置及び前記第2電子制御装置の再起動を行ってもよい。
この発明によれば、互いにデータ通信を行う第1電子制御装置(第1ECU)及び第2電子制御装置(第2ECU)それぞれについてプログラムの書換えを行う際、第1ECU及び第2ECUそれぞれについてプログラムの書換えをした後、第1ECU及び第2ECUをまとめて再起動する。従って、協調制御に起因する故障検知を回避することが可能となる。
この発明の一実施形態に係る車両用プログラム書換えシステムの概略的な構成図である。 車両における電力の供給及び信号の入出力の様子を説明する図である。 CD−ROMを介して伝達された書換えデータ(プログラム)で複数の電子制御装置(ECU)のプログラムを書き換える際の処理の概要を示すフローチャートである。 CD−ROMを介して伝達された複数の書換えデータ(プログラム)で複数のECUのプログラムを書き換える際の処理の詳細を示す第1フローチャートである。 CD−ROMを介して伝達された複数の書換えデータ(プログラム)で複数のECUのプログラムを書き換える際の処理の詳細を示す第2フローチャートである。 CD−ROMを介して伝達された複数の書換えデータ(プログラム)で複数のECUのプログラムを書き換える際の処理の詳細を示す第3フローチャートである。 CD−ROMを介して伝達された複数の書換えデータ(プログラム)で複数のECUのプログラムを書き換える際の処理の詳細を示す第4フローチャートである。 CD−ROMを介して伝達された複数の書換えデータ(プログラム)で複数のECUのプログラムを書き換える際の処理の詳細を示す第5フローチャートである。 CD−ROMを介して伝達された複数の書換えデータ(プログラム)で複数のECUのプログラムを書き換える際の処理の詳細を示す第6フローチャートである。 CD−ROMを介して伝達された複数の書換えデータ(プログラム)で複数のECUのプログラムを書き換える際の処理の詳細を示す第7フローチャートである。 CD−ROMを介して伝達された複数の書換えデータ(プログラム)で複数のECUのプログラムを書き換える際の処理の詳細を示す第8フローチャートである。 CD−ROMを介して伝達された複数の書換えデータ(プログラム)で複数のECUのプログラムを書き換える際の処理の詳細を示す第9フローチャートである。 CD−ROMを介して伝達された複数の書換えデータ(プログラム)で複数のECUのプログラムを書き換える際の処理の詳細を示す第10フローチャートである。 CD−ROMを介して伝達された複数の書換えデータ(プログラム)で複数のECUのプログラムを書き換える際の処理の詳細を示す第11フローチャートである。 図9〜図10のフローチャートの一部に対応した表示部の画面の移り変わりの一例を示す画面遷移図である。 衛星放送網を介して伝達された複数の書換えデータ(プログラム)で複数のECUのプログラムを書き換える際の処理の概要を示すフローチャートである。 衛星放送網を介して伝達された複数の書換えデータ(プログラム)で複数のECUのプログラムを書き換える際の処理の詳細を示すフローチャートである。 移動通信網を介して伝達された複数の書換えデータ(プログラム)で複数のECUのプログラムを書き換える際の処理の概要を示すフローチャートである。 移動通信網を介して伝達された書換えデータ(プログラム)でECUのプログラムを書き換える際の処理の詳細を示すフローチャートである。
[A.一実施形態]
1.全体及び各部の構成
(1)全体構成
図1は、この発明の一実施形態に係る車両用プログラム書換えシステム10(以下「書換えシステム10」又は「システム10」という。)の概略的な構成図である。書換えシステム10は、データ伝達システム12と、管理サーバ14(以下「サーバ14」という。)と、複数の車両16とを有する。
システム10では、各車両16の電子制御装置56a〜56d(以下「ECU56a〜56d」という。)に記憶されたプログラムを書き換える(更新する)際に使用する複数の書換えデータ(プログラム)は、データ伝達システム12を介して管理サーバ14から各車両16に伝達する。なお、以下では、ECU56a〜56dをECU56と総称する。
(2)データ伝達システム12
データ伝達システム12は、読取り専用のコンパクト・ディスク22(以下「CD−ROM22」という。)と、衛星放送網24と、移動通信網26とを有する。
CD−ROM22は、セット情報及び複数の書換えデータ(プログラム)を記憶している。CD−ROM22は、輸送業者(郵便、宅配便)による輸送手段(トラック、貨物列車など)を介して車両16のメーカから各ユーザに送付される。
衛星放送網24は、放送衛星28を用いた衛星放送によりセット情報及び複数の書換えデータ(プログラム)を配信することができる。ここでの衛星放送としては、例えば、移動体向けの衛星デジタル音声放送(北米におけるシリウスXMラジオ等)を用いることができる。
移動通信網26は、携帯電話86を用いた通信を可能とする通信網である。移動通信網26は、携帯電話86との間の通信によりセット情報及び複数の書換えデータ(プログラム)を車両16に送信することができる。
本実施形態では、CD−ROM22、衛星放送網24又は移動通信網26を用いて、セット情報及び複数の書換えデータ(プログラム)を各車両16に伝達することができる。
(3)管理サーバ14
管理サーバ14は、通信装置32と、入力装置34と、モニタ36と、演算装置38と、記憶装置40と、書換えプログラムデータベース42(以下「書換えプログラムDB42」又は「プログラムDB42」という。)とを有する。管理サーバ14の管理者又はこれに準ずる者(以下「管理者等」という。)は、複数の書換えデータ(プログラム)及びこれらに関する情報であるセット情報を作成すると、入力装置34を介して当該書換えデータ(プログラム)及びセット情報をプログラムDB42に記憶する。セット情報は、複数の書換えデータ(プログラム)の組合せの適否を判定するための情報(組合せ適否判定情報)を含む。セット情報の詳細については後述する。
そして、衛星放送網24を用いてセット情報及び複数の書換えデータ(プログラム)を配信する場合、管理者等は、放送衛星28等を介してセット情報及び複数の書換えデータ(プログラム)を配信する。
移動通信網26を用いてセット情報及び複数の書換えデータ(プログラム)を送信する場合、管理者等は、サーバ14において、新たなセット情報及び複数の書換えデータ(プログラム)をアップロードする。そして、車両16に設置された携帯電話86から書換えデータ(プログラム)の送信要求があった場合、サーバ14は、通信装置32及び移動通信網26を介してセット情報及び複数の書換えデータ(プログラム)を携帯電話86に送信する。
CD−ROM22を用いてセット情報及び複数の書換えデータ(プログラム)を伝達する場合、管理者等は、CD−ROM22にセット情報及び複数の書換えデータ(プログラム)を記憶し、輸送業者を介してCD−ROM22を各ユーザに送付する。このため、厳密には、CD−ROM22は、管理サーバ14から送付されない場合があるが、以下では、CD−ROM22が管理サーバ14から送付されない場合を、CD−ROM22が管理サーバ14から送付される場合に含めて説明する。
(4)車両16
(a)車両16の構成
各車両16は、受信装置52と、プログラム書換え装置54(以下「書換え装置54」という。)と、複数のECU56と、バッテリ58と、イグニションスイッチ64(以下「IGSW64」という。)とを備える。本実施形態における車両16は、ガソリン車であるが、これに限らず、例えば、ディーゼル車又は電気自動車(燃料電池車及びハイブリッド車を含む。)であってもよい。
車両16では、データ伝達システム12を介して管理サーバ14から伝達されるセット情報及び複数の書換えデータ(プログラム)を受信装置52で受信する。そして、受信装置52が受信した複数の書換えデータ(プログラム)は、書換え装置54により、対象となる複数のECU56に書き込まれる。その際、セット情報を用いて複数の書換えデータ(プログラム)の組合せの適否を判定する。
なお、図1では、右側の車両16のみ内部構成を示し、その他の車両16については内部構成の記載を省略している。
(b)受信装置52
受信装置52は、データ受信部72と、表示部74と、入力部76と、演算部78と、記憶部80とを有する。
データ受信部72は、無線アンテナ82と、モデム84と、携帯電話86と、携帯電話86用のコネクタ88と、CD−ROMドライブ90(以下「ドライブ90」という。)とを有する。
衛星放送網24を介してセット情報及び複数の書換えデータ(プログラム)が配信される場合、受信装置52は、無線アンテナ82とモデム84とを用いてセット情報及び複数の書換えデータ(プログラム)を受信する。移動通信網26を介してセット情報及び複数の書換えデータ(プログラム)が送信される場合、受信装置52は、携帯電話86を用いてセット情報及び複数の書換えデータ(プログラム)を受信する。CD−ROM22を介してセット情報及び複数の書換えデータ(プログラム)が伝達される場合、CD−ROM22をドライブ90に挿入し、CD−ROM22からセット情報及び複数の書換えデータ(プログラム)を読み出すことにより、受信装置52は、セット情報及び複数の書換えデータ(プログラム)を受信する。なお、携帯電話86は、ユーザが日頃持ち歩いているものを、車両16の走行時にコネクタ88に接続して用いる。或いは、携帯電話86は、車両16専用に用いるものとし、常時コネクタ88に接続しておいてもよい。
表示部74は、ユーザに対する種々の表示を行う。入力部76は、ユーザの操作に応じた入力を受け付ける。本実施形態では、表示部74及び入力部76を、例えば、タッチパネルにより構成することができる。
演算部78は、受信装置52の各部を制御する。記憶部80は、図示しない揮発性メモリ及び不揮発性メモリを有し、受信装置52用の制御プログラムを記憶すると共に、ECU56のプログラムを書き換えるためのセット情報及び複数の書換えデータ(プログラム)を記憶する。
なお、受信装置52には、ナビゲーション装置としての機能を持たせることができる。換言すると、従前のナビゲーション装置に、本実施形態における受信装置52の機能を持たせてもよい。
(c)書換え装置54
書換え装置54は、通信線68を介して各ECU56においてプログラムの書換えを行うものであり、入出力部92と、演算部94と、記憶部96とを有する。書換え装置54の機能及び動作の詳細は後述する。
(d)各ECU56
ECU56は、車両16の各部を制御するものであり、ECU56には、例えば、図示しないエンジンの出力を制御するエンジン電子制御装置56a(以下「ENG ECU56a」という。)と、図示しないブレーキシステムの制御を行うアンチロックブレーキシステム電子制御装置56b(以下「ABS ECU56b」という。)と、図示しないエアバッグの制御を行う補助拘束システム電子制御装置56c(以下「SRS ECU56c」という。)と、図示しないイモビライザ装置の制御を行うイモビライザ電子制御装置56d(以下「イモビライザECU56d」という。)とが含まれる。上記のように、これらのECU56a〜56dを含め、各ECUをECU56と総称する。
各ECU56は、入出力部102と、演算部104と、記憶部106とを有する。なお、図1では、ENG ECU56aの入出力部102、演算部104及び記憶部106のみ図示し、その他のECU56b〜56dについては入出力部102、演算部104及び記憶部106の図示を省略している。
また、ENG ECU56aは、エンジン回転数Ne[rpm]を検出するエンジン回転数センサ108と、車両16の車速V[km/h]を検出する車速センサ110とに接続されている。
各ECU56は、通信線68を介して互いにデータ通信を行い、特定のECU56(例えば、ENG ECU56a)からの通信データ(例えば、エンジン回転数Neや車速Vのデータ)に基づいて、他のECU56(例えば、ABS ECU56b、SRS ECU56c及びイモビライザECU56d)は車両16の協調制御を行うと共に、当該特定のECU56(例えば、ENG ECU56a)の故障診断(通信データの異常検出)を行う。
(e)バッテリ58
バッテリ58は、受信装置52、書換え装置54及び各ECU56に電力を供給する。このうち受信装置52については、基本的には、IGSW64を介して電力供給の有無を切り換えるが、書換え装置54からの指令(起動信号Son)に応じて電力供給の有無を切り換えることもできる。書換え装置54は、バッテリ58と常に接続されている。各ECU56については、IGSW64を介して電力供給の有無を切り換えることができる。詳細は、図2を参照して後述する。
(f)IGSW64
本実施形態のIGSW64は、ロータリ式であり、図示しないインスツルメントパネルに向かって左側から「オフ」、「ACC」(アクセサリ)及び「オン」の位置を選択可能である。また、IGSW64は、「オン」の位置から更に右側(時計回り)に回すと、「ST」(エンジンスタート)の位置となり、エンジンが始動する。
本実施形態では、IGSW64が「オフ」の位置にあるとき、バッテリ58から受信装置52及び各ECU56への電力供給は、基本的に停止される。
なお、後述するように、車両16がいわゆるスマートスタート機能を有している場合、IGSW64は、いわゆるスマートスタート機能で用いるプッシュスイッチであってもよい。
2.電力供給構成
図2には、車両16における電力の供給及び信号の入出力の様子を説明する図が示されている。
図2に示すように、バッテリ58からの電力(以下「バッテリ電力Pbat」という。)[W]は、受信装置52及び書換え装置54に直接供給される。このため、受信装置52及び書換え装置54は、IGSW64の位置にかかわらず、動作可能である。
但し、受信装置52については、通常、本実施形態では、受信装置52は、IGSW64の位置が「ACC」又は「オン」であるとき、バッテリ電力Pbatを利用して電源オンとなり、IGSW64の位置が「オフ」であるとき、バッテリ電力Pbatを利用せず、電源オフとなる。例外的に、受信装置52が書換え装置54から起動信号Sonを受信したときは、IGSW64の位置が「オフ」であっても、受信装置52は、書換え装置54から解除指令を受けるまで、バッテリ電力Pbatを利用して電源オンとなる。
また、バッテリ電力Pbatは、IGSW64を介して各ECU56に供給される。より具体的には、IGSW64の位置が「オン」であるとき、バッテリ電力Pbatが各ECU56に供給される。一方、IGSW64の位置が「オフ」又は「ACC」であるとき、バッテリ電力Pbatは各ECU56に供給されない。
3.プログラムの書換え
(1)CD−ROM22を介して伝達された書換えデータ(プログラム)の場合
(a)書換え処理の概要
図3は、CD−ROM22を介して伝達された複数の書換えデータ(プログラム)で複数のECU56のプログラムを書き換える際の処理の概要を示すフローチャートである。
ステップS1において、ユーザによりCD−ROM22が受信装置52のドライブ90に挿入されると、受信装置52は、セット情報及び複数の書換えデータ(プログラム)をCD−ROM22から読み出す。セット情報は、複数の書換えデータ(プログラム)の組合せの適否を判定するための情報(組合せ適否判定情報)を含む。セット情報の詳細については後述する。
ステップS2において、車両16では、プログラムの書換えの準備を行う。ステップS3において、車両16では、プログラムの書換えの準備完了をユーザに通知する。ステップS4において、車両16は、ユーザからプログラムの書換え処理の許可を受け付ける。
ステップS5において、車両16は、IGSW64の位置を「オフ」にするようユーザに要求する。この際、IGSW64の位置が「オフ」になっても受信装置52を電源オンのままにするよう設定する。ステップS6において、車両16は、ユーザがIGSW64の位置を「オフ」にしたことに伴う各ECU56の電源オフを確認する。なお、受信装置52はオンのままである。
ステップS7において、車両16は、ユーザにIGSW64の位置を「オン」にするよう要求する。ステップS8において、車両16は、ユーザがIGSW64の位置を「オン」にしたことに伴う各ECU56の再起動(電源オン)を確認する。
ステップS9において、車両16では、プログラムの書換え処理を実行する。本実施形態では、複数のECU56についてプログラムの書換え処理を行う。
なお、ステップS1〜S5の間は、車両16は走行が可能である一方、ステップS6〜S9の間は、エンジンが停止し、車両16は走行できない。また、ステップS1〜S3の間は、ドライブ90に別のCD−ROM22(例えば、音楽用)を挿入することはできない。
(b)書換え処理の詳細
図4〜図14は、CD−ROM22を介して伝達された複数の書換えデータ(プログラム)で複数のECU56のプログラムを書き換える際の処理の詳細を示すフローチャートである。図15は、図9〜図10のフローチャートの一部に対応した表示部74の画面の移り変わりの一例を示す画面遷移図である。
なお、ステップS11〜S16は、図3のステップS1に対応し、ステップS17〜S39は、ステップS2に対応する。ステップS40は、ステップS3に対応し、ステップS41は、ステップS4に対応する。ステップS42〜S44は、ステップS5に対応し、ステップS45は、ステップS6に対応する。ステップS46〜S47は、ステップS7に対応し、ステップS48は、ステップS8に対応する。ステップS49〜S84は、ステップS9に対応する。
ステップS11において、受信装置52のドライブ90にCD−ROM22が挿入される。ステップS12において、受信装置52は、挿入されたCD−ROM22が、ECU56のプログラムの書換え用であるか否かを判定する。挿入されたCD−ROM22がプログラムの書換え用でない場合(S12:NO)、今回の処理を終了する。挿入されたCD−ROM22がプログラムの書換え用である場合(S12:YES)、ステップS13において、受信装置52は、CD−ROM22中のデータを読み込む。
CD−ROM22からデータを読み込んでいる際、受信装置52は、表示部74にCD−ROM22から書換えデータ(プログラム)を読込み中である旨を表示する。例えば、「書換え用データを読込み中です。走行は可能ですが、CD−ROMドライブは使用できません。」というメッセージを表示部74に表示する。
ステップS14において、受信装置52は、CD−ROM22から読み込んだデータに、セット情報と書換えデータ(プログラム)が含まれているか否かを判定する。
書換えデータ(プログラム)には、例えば、書換え対象となる複数のECU56(以下「対象ECU56tar」という。)の識別情報(以下「ECU ID」という。)と、複数の書換えプログラムと、各書換えプログラムの識別情報(以下「プログラムID」という。)と、互換性情報とが含まれる。プログラムIDは、各書換えプログラムのバージョン情報を含む。
セット情報には、例えば、前記対象ECU56tarそれぞれについての前記ECU ID、前記プログラムID(前記バージョン情報を含む。)と、前記互換性情報と、書換えプログラムの総数と、各書換えデータのハッシュ値と、協調制御情報(組合せ復帰情報)とが含まれる。
書換えデータ(プログラム)におけるECU ID、プログラムID(バージョン情報)、互換性情報は、セット情報におけるものと同じである。従って、これらの情報を比較することにより、書換えデータ(プログラム)の適否を判定することができる。
書換えプログラムの互換性情報とは、書換えプログラムにより書換えが可能なプログラムのバージョンを示す情報である。互換性情報を利用することで、ECU56で使用されているプログラムから書換えプログラムに置き換えることができるか否かを判定可能である。
協調制御情報とは、複数の対象ECU56tarのうち互いに協調制御を行うものの関連付けを示す情報である。例えば、ENG ECU56aとABS ECU56bが協調制御を行っている場合、協調制御情報としては、ENG ECU56aとABS ECU56bが協調制御を行っている旨{内容としては、今回の書換えがENG ECU56aとABS ECU56bとの間の協調制御(データ通信)に影響を及ぼす旨の情報、並びに両者をまとめて書換え及び再起動させ、同時に復帰させることの要求)が含まれる。協調制御情報の利用方法については後述する。
なお、書換えデータ(プログラム)及びセット情報のいずれにおいても、ECU ID、プログラムID(バージョン情報)及び互換性情報は、書換えプログラム毎に組み合わされている。換言すると、ECU ID及びプログラムIDは、書換えプログラムに付随する情報として付加されている。
また、書換えは対象ECU56tar毎に行うため、以下では、対象ECU56tarの中でも実際に書換えを行うために選択されたものを「今回の対象ECU56tar」と呼び、区別する。
読み込んだデータに、セット情報又は書換えデータ(プログラム)が含まれていない場合(S14:NO)、ステップS15において、受信装置52は、表示部74にエラー表示を行う。例えば、「CD−ROMが異常です。ディーラに連絡して下さい。」との表示を行う。
読み込んだデータに、セット情報及び書換えデータ(プログラム)が含まれている場合(S14:YES)、ステップS16において、受信装置52から書換え装置54にCD−ROM22が挿入されたことを通知する。
ステップS17において、書換え装置54は、前回の書換え処理が完了しているか否かを判定する。例えば、書換え装置54は、別の書換えデータ(プログラム)を記憶しているものの、当該書換えデータ(プログラム)を用いた書換え処理が行われていない場合、前回の書換え処理は完了していない。
ステップS18において、書換え装置54は、ステップS17の結果を受信装置52に通知する。
図5のステップS19において、受信装置52は、書換え装置54からの通知に基づき、前回の書換え処理が完了しているか否かを確認する。前回の書換え処理が完了している場合(S19:YES)、ステップS20に進む。前回の書換え処理が完了していない場合(S19:NO)、前回の書換え処理の完了を優先させる。このため、車両16では、今回の書換え処理を終える。なお、この場合、受信装置52は、前回の書換え処理を実行するよう促すメッセージを表示部74に表示してもよい。また、受信装置52の記憶部80又は書換え装置54の記憶部96の容量に空きがある場合、今回受信したセット情報及び書換えデータ(プログラム)を記憶しておくことも可能である。
ステップS20において、受信装置52は、書換え装置54にセット情報を転送する。
ステップS21において、書換え装置54は、セット情報が正常であるか否かを判定する。当該判定は、例えば、セット情報のデータ構造が正しいか否か及びセット情報のハッシュ値が正常であるか否かに基づいて行う。
セット情報が正常でない場合(S21:NO)、ステップS22において、書換え装置54は、受信装置52にエラーを通知する。ステップS23において、受信装置52は、表示部74にエラー表示をすると共に、記憶部80に記憶していたセット情報及び書換えデータ(プログラム)を消去し、今回の処理を終える。前記エラー表示としては、例えば、セット情報に異常があるため、ディーラに連絡すべき旨の表示を用いることができる。
セット情報が正常である場合(S21:YES)、ステップS24において、書換え装置54は、セット情報を記憶部96に記憶する。
図6のステップS25において、書換え装置54は、セット情報に含まれる複数のECU IDから1つを選択し、選択したECU IDに対応するECU56に対し、現在の(すなわち、書換え前の)プログラムのプログラムIDを要求する。上述のように、互換性情報は、書換えプログラムにより書換えが可能なプログラムのバージョンを示す情報であり、また、プログラムIDには、各プログラムのバージョン情報が含まれる。従って、セット情報に含まれる互換性情報と、受信したプログラムIDに含まれるバージョン情報とを比較することにより、書換えの可否を判定することができる。なお、選択されたECU IDに対応するECU56は、対象ECU56tarである。ECU IDの選択の順番は、ECU IDの昇順若しくは降順とすることができる。或いは、当該順番をセット情報に含めておいてもよい。
ステップS26において、当該要求を受けた対象ECU56tarは、現在のプログラムのプログラムIDを書換え装置54に送信する。
ステップS27において、書換え装置54は、対象ECU56tarから受信したプログラムIDが示すプログラムを、セット情報の中から選択したECU IDと組み合わせられたプログラムIDが示すプログラムで書換えが可能であるか否かを判定する。換言すると、書換えプログラムの適否が判定される。当該判定は、例えば、対象ECU56tarから受信したプログラムIDに含まれるバージョン情報と、セット情報に含まれる互換性情報とを比較することにより行う。すなわち、セット情報の互換性情報が示すバージョンが、対象ECU56tarからのプログラムIDにおけるバージョン情報が示すバージョンよりも新しいものであれば、書換えを行う必要がある。
書換えが不可である場合(S28:NO)、ステップS29において、書換え装置54は、受信装置52にエラーを通知する。ステップS30において、受信装置52は、表示部74にエラー表示をすると共に、記憶部80に記憶していたセット情報及び複数の書換えデータ(プログラム)を消去し、今回の処理を終える。
書換えが可である場合(S28:YES)、ステップS31において、書換え装置54は、セット情報に含まれる全てのECU IDについて書換えの可否の確認(S27、S28)が終了したか否かを判定する。一部のECU IDについて書換えの可否の確認が終了していない場合(S31:NO)、ステップS32において、書換え装置54は、書換えの可否を未確認の別のECU IDの1つを選択し、ステップS25に戻る。
全てのECU IDについて書換えの可否の確認が終了した場合(S31:YES)、図7のステップS33において、書換え装置54は、全ての書換えデータ(プログラム)について書換えが可能である旨を受信装置52に通知する。ステップS34において、受信装置52は、全ての書換えデータ(プログラム)を書換え装置54に送信する。
ステップS35において、書換え装置54は、各書換えデータ(プログラム)が正常であるか否かを判定する。当該判定は、例えば、セット情報におけるプログラムの総数と、書換え装置54が受信した書換えデータ(プログラム)の総数が同一であるか否か、セット情報におけるプログラムID及び互換性情報と、受信した書換えデータ(プログラム)に含まれるプログラムID及び互換性情報とが一致するか否か、セット情報における各書換えデータ(プログラム)のハッシュ値と各書換えデータ(プログラム)から算出されるハッシュ値とが同一であるか否か、受信した書換えデータ(プログラム)のデータ構造が正しいか否かに基づいて行う。
いずれかの書換えデータ(プログラム)が正常でない場合(S35:NO)、ステップS36において、書換え装置54は、受信装置52にエラーを通知する。ステップS37において、受信装置52は、表示部74にエラー表示をすると共に、記憶部80に記憶していたセット情報及び全ての書換えデータ(プログラム)を消去し、今回の処理を終える。前記エラー表示としては、例えば、書換えデータ(プログラム)に異常があるため、ディーラに連絡すべき旨のメッセージを用いることができる。
全ての書換えデータ(プログラム)が正常である場合(S35:YES)、ステップS38において、書換え装置54は、書換えデータ(プログラム)を記憶部96に記憶する。
図8のステップS39において、書換え装置54は、全ての書換えデータ(プログラム)の転送が完了した旨を受信装置52に通知する。ステップS40において、受信装置52は、各対象ECU56tarの書換えを行うため、車両16を安全な場所へ移動し、移動後に書換えを承諾するためのボタン画像(図示せず)及び当該ボタンを押すことを要求するメッセージを表示部74に表示する。
前記ボタン画像へのタッチ操作がなく、ユーザからの承諾が得られない場合(S41:NO)、ステップS40に戻る。前記ボタン画像へのタッチ操作があり、ユーザからの承諾が得られた場合(S41:YES)、ステップS42において、受信装置52は、書換え装置54に対し、ユーザの承諾が得られた旨を通知する。
図9のステップS43において、書換え装置54は、受信装置52に対し、起動信号Sonを送信し、電源オフの禁止を要求する。これにより、IGSW64の位置がオフにされても、受信装置52は電源オンのまま継続する。
ステップS44において、受信装置52は、ユーザに対し、IGSW64の位置をオフにするよう求めるメッセージを表示部74に表示する。当該メッセージは、例えば、図15の画面132のように、「イグニションスイッチをオフにして下さい」とすることができる。また、当該メッセージは、ECU56がオフにされた旨の通知を受信装置52が、書換え装置54から受信するまで継続される。
ステップS45において、書換え装置54は、IGSW64の位置を読み込み、ユーザがIGSW64をオフにしたか否か判断する。ユーザによるIGSW64の操作がなく、オフが検出されない場合(S45:NO)、ステップS45を繰り返す。ユーザがIGSW64を操作しオフが検出された場合(S45:YES)、ステップS46において、書換え装置54は、受信装置52に対し、IGSW64がオフにされた旨(すなわち、ECU56がオフにされた旨)を通知する。なお、IGSW64がオフにされたか否かの判定は、書換え装置54から特定(1つ又は複数)のECU56に対して応答要求を送信し、応答の有無に応じて行ってもよい。この場合、特定のECU56から応答があった場合、IGSW64がオフにされていないと判断し、応答がない場合、IGSW64がオフにされたと判断する。
ステップS47において、受信装置52は、ユーザに対し、IGSW64の再オン及びエンジンの始動の禁止を求めるメッセージを表示部74に表示する。当該メッセージは、例えば、図15の画面134のように、「イグニションスイッチをオンにして下さい(エンジンは始動しないで下さい)」とすることができる。また、当該メッセージは、ステップS48において、IGSW64がオンされたと書換え装置54が判断するまで表示される。
ステップS48において、書換え装置54は、IGSW64の位置を読み込み、ユーザがIGSW64をオンしたか否かを判断する。或いは、ステップS45と同様に特定のECU56に対して応答要求を送信することで、IGSW64のオンオフの判断を行ってもよい。ユーザによるIGSW64の操作がなく、オンが検出されない場合(S48:NO)、ステップS48を繰り返す。ユーザがIGSW64を操作しオンが検出された場合(S48:YES)、ステップS49に進む。
図10のステップS49において、書換え装置54は、いくつかのECU56に対し、車両16の状態を要求する。ここにいう車両16の状態とは、例えば、エンジン回転数Neと、車速Vと、シフトポジションと、各ECU56の温度と、イモビライザECU56dの作動状態と、エアコンディショナの作動状態と、リアガラスの熱線の作動状態と、ヘッドライトの作動状態と、座席の加熱装置の作動状態とを含めることができる。本実施形態では、上記車両16の各状態は、種々のECU56から取得するが、各種のセンサから直接取得することもできる。
ステップS50において、各ECU56は、車両16の状態を書換え装置54に送信する。
ステップS51において、書換え装置54は、車両16が、プログラムを書換え可能な状態にあるか否かを判定する。当該判定は、例えば、次の条件(i)〜(v)が全て満たされているか否かにより行う。
(i) エンジン回転数Neが0[rpm]であること
(ii) 車速Vが0[km/h]であること
(iii) シフトポジションが「P」(パーキング)であること
(iv) 対象ECU56tarの温度が書換え可能な温度以下であること
(v) イモビライザECU56dが、正規キーが装着されていると判断していること
上記において、条件(i)〜(iii)は、車両16が停止していることを確認するためのものである。条件(iv)は、ECU56の動作異常を判定するためのものである。条件(v)は、正規ユーザが車両16を使用していることを確認するためのものである。
また、この際、次の条件(vi)〜(ix)のいずれかが満たされているか否かも判定する。
(vi) エアコンディショナがオフになっていること
(vii) リアガラスの熱線がオフになっていること
(viii) ヘッドライトがオフになっていること
(ix) 座席の加熱装置がオフになっていること
上記条件(vi)〜(ix)は、バッテリ電力Pbatの消費状態を判定し、ユーザに電力消費の抑制を求めるために用いる。条件(vi)〜(ix)が満たされていなくても、書換え不可とはならないが、後述するステップS55において、ユーザに対してこれらについて警告が行われる。
ステップS52において、書換え装置54は、ステップS58の結果を受信装置52に通知する。条件(i)〜(v)のいずれかが満たされないことにより「書換え不可」である場合(S53:NO)、ステップS54において、受信装置52は、条件(i)〜(v)のうち満たされていない条件を指摘する警告メッセージを表示部74に表示し、ユーザに改善を促す。その後、ステップS49に戻る。
但し、「書換え不可」の場合であっても、受信装置52から書換え装置54に対して特別の信号を送らなくてよい。換言すると、ステップS51で、書換え装置54が「書換え不可」と判定した場合、書換え装置54は、ステップS52で結果を受信装置52に通知した後、ステップS49に戻ればよい。
ステップS53において、「書換え可」である場合(S53:YES)、ステップS55において、受信装置52は、書換え処理の開始の承諾を確認する操作画面(書換え開始承諾確認表示)を表示部74に表示する。当該操作画面としては、例えば、図15の画面136のように、「プログラムの書換えを開始してよろしいですか?」とのメッセージと、書換えの開始を承諾するボタン(「YES」)と、書換えの開始を承諾しないボタン(「NO」)とを含むものを用いることができる。また、この際、上記条件(vi)〜(ix)のいずれかが成立していない場合、その旨を警告するメッセージを併せて表示することができる。
前記操作画面への操作がなく、ユーザからの承諾が得られない場合(S56:NO)、ステップS55に戻る。前記操作画面への操作があり、ユーザからの承諾が得られた場合(S56:YES)、ステップS57において、受信装置52は、プログラムの書換え中であることを知らせるメッセージを表示部74に表示する。例えば、「プログラムを書換え中です。イグニションスイッチをオフにしないで下さい。」と表示する。なお、図示していないが、書換えの開始を承諾しないボタン(「NO」)が押された場合、書換えを行わずに処理を終了する。そして、次に、IGSW64がオンにされたとき、ステップS42から開始する。
ステップS58において、受信装置52は、書換え装置54に対し、ユーザの承諾が得られた旨を通知する。
図11のステップS59において、書換え装置54は、全ECU56との間で通信を行って全ECU56のセキュリティを解除する。
ステップS60において、書換え装置54は、全ECU56に対し、ECU56相互間で行う故障診断の停止を要求する。ステップS61において、全ECU56は、前記故障診断を停止する。
ステップS62において、書換え装置54は、全ECU56に対し、ECU56間での通信の停止を要求する。ステップS63において、全ECU56は、相互の通信を停止する。これにより、各ECU56は、協調制御を行うことができなくなる。
ステップS64において、書換え装置54は、今回の対象ECU56tarに対し、書換えモードへの移行を要求する。ステップS65において、今回の対象ECU56tarは、書換えモードに移行する。
ステップS66において、書換え装置54は、今回の対象ECU56tarについて、プログラムの書換えを実行する。
図12のステップS67において、書換え装置54は、今回の対象ECU56tarを含め、協調制御を行う対象ECU56tarのグループ(協調制御グループ)に含まれる全ての対象ECU56tarについて書換えが完了したか否かを判定する。当該判定は、セット情報に含まれる協調制御情報を用いて行う。すなわち、書換え装置54は、今回の対象ECU56tarと協調制御を行う別の対象ECU56tarがあるか否かを判定する。そして、協調制御を行う別の対象ECU56tarがある場合、当該別の対象ECU56tarについてプログラムの書換えが完了しているか否かを判定する。なお、協調制御を行う別の対象ECU56tarが存在しない場合は、協調制御グループに含まれる全ての対象ECU56tarについて書換えが完了したものとみなして図13のステップS69に進む。
協調制御グループに含まれる一部の対象ECU56tarについて書換えが完了していない場合(S67:NO)、ステップS68において、書換え装置54は、書換えを行う対象ECU56tarを、書換えが未了の対象ECU56tarに切り換え、ステップS64に戻る。
協調制御グループに含まれる全ての対象ECU56tarについて書換えが完了した場合(S67:YES)、図13のステップS69において、書換え装置54は、全てのECU56に再起動を要求する。当該要求は、書換え装置54から各ECU56に対して直接行う。或いは、図15の画面132、134で示したように、ユーザにIGSW64のオフを求めた後、再オンを求める形でもよい。ステップS70において、各ECU56は、再起動を行う。
各ECU56の再起動が終了すると、ステップS71において、書換え装置54は、全てのECU56に対し、故障診断の停止を要求する。ステップS72において、再起動後の各ECU56は、故障診断を停止する。
ステップS73において、書換え装置54は、全てのECU56に対し、ECU56間の通信停止を要求する。ステップS74において、各ECU56は、他のECU56との間の通信を停止する。
図14のステップS75〜S77を介して、書換え装置54は、同一の協調制御グループに含まれる各対象ECU56tarの動作(書換えの成否)を判定する。すなわち、ステップS75において、書換え装置54は、当該各対象ECU56tarに対し、現在の(すなわち、書換え後の)プログラムのプログラムIDを要求する。
ステップS76において、当該各対象ECU56tarは、現在のプログラムのプログラムIDを書換え装置54に送信する。
ステップS77において、書換え装置54は、当該各対象ECU56tarから受信したプログラムIDを確認することで書換えの成否を確認する。すなわち、受信したプログラムID(バージョン情報)が、書換えデータ(プログラム)のプログラムID(バージョン情報)と一致するか否かで書換えの成否を確認する。一致する場合、書換えが成功し、一致しない場合、書換えが失敗したものと判断する。書換えが成功し、正常に動作している場合(S78:YES)、ステップS79において、書換え装置54は、全ての対象ECU56tarについてプログラムの書換えが終了したか否かを判定する。当該判定は、例えば、セット情報に対象ECU56tarの情報を含めておき、当該情報を用いて行う。一部の対象ECU56tarについてプログラムの書換えが終了していない場合(S79:NO)、ステップS80において、書換え装置54は、作業対象の対象ECU56tar(今回の対象ECU56tar)を切り換える。そして、図11のステップS64に戻る。
全ての対象ECU56tarについてプログラムの書換えが終了した場合(S79:YES)、ステップS81において、書換え装置54は、受信装置52に正常終了を通知し、書換え処理を終了する。
ステップS82において、受信装置52は、プログラムの書換えの正常終了を通知するメッセージを表示部74に表示する。当該メッセージには、例えば、プログラムの書換えが終了した旨、IGSW64をオフにすべき旨並びに書換えの終了を示すコード番号(具体的な数値等)、当該コード番号をメーカに連絡すべき旨及びその連絡先を含めることができる。従って、当該メッセージを読んだユーザは、メーカに当該コード番号を知らせることで、メーカは、プログラムの書換えの終了を確認することができる。なお、コード番号の通知は、電話、電子メール、ホームページにおける入力画面への入力等の方法により行うことができる。
なお、書換えが失敗し、正常に終了しなかった場合(S78:NO)、ステップS83において、書換え装置54は、受信装置52にエラーを通知する。ステップS84において、受信装置52は、IGSW64をオフにし、ディーラに連絡することを求めるメッセージを表示部74に表示する。例えば、「プログラムの書込みが異常終了しました。イグニションスイッチをオフにし、ディーラに連絡して下さい。」というメッセージを表示部74に表示する。
(2)衛星放送網24を介して伝達されたプログラムの場合
(a)書換え処理の概要
図16は、衛星放送網24を介して伝達された複数の書換えデータ(プログラム)でECU56のプログラムを書き換える際の処理の概要を示すフローチャートである。
ステップS301において、受信装置52は、衛星放送網24を介してセット情報及び複数の書換えデータ(プログラム)を受信する。
ステップS302〜S309は、図3のステップS2〜S9と同様である。
なお、ステップS301〜S305の間は、車両16は走行が可能である一方、ステップS306〜S309の間は、エンジンが停止し、車両16は走行できない。
(b)書換え処理の詳細
図17は、衛星放送網24を介して伝達された複数の書換えデータ(プログラム)でECU56のプログラムを書き換える際の処理の詳細を示すフローチャートである。なお、CD−ROM22を介して伝達された複数の書換えデータ(プログラム)で書き換える際の処理(図4〜図14)と共通する処理については、図4〜図14を参照して説明する。
ステップS311〜S316は、図16のステップS301に対応する。
ステップS311において、受信装置52は、衛星放送網24を介して車両情報を受信する。具体的には、図示しない放送局を介してサーバ14が車両情報を送信すると、この車両情報は、放送衛星28で中継された後、受信装置52の無線アンテナ82に受信される。無線アンテナ82に受信された車両情報は、モデム84で復調されて演算部78に出力される。
ステップS312において、受信装置52は、受信した車両情報が、車両16(自車両)に合致したものであるかどうかを判定する。車両情報が車両16に合致する場合(S312:YES)、ステップS313に進む。車両情報が車両16に合致しない場合(S312:NO)、今回の処理を終える。
ステップS313において、受信装置52は、衛星放送網24からデータ(セット情報及び複数の書換えデータ(プログラム))を受信する。具体的な受信方法は、ステップS311と同様である。また、セット情報及び複数の書換えデータ(プログラム)の内容は、CD−ROM22の場合(図4〜図14)と同様である。
ステップS314において、受信装置52は、衛星放送網24から受信したデータに、セット情報及び書換えデータ(プログラム)が含まれているか否かを判定する。セット情報又は書換えデータ(プログラム)が含まれていない場合(S314:NO)、ステップS315において、受信装置52は、表示部74にエラー表示を行う。例えば、「受信した書換えデータが異常です。ディーラに連絡して下さい。」との表示を行う。受信したデータに、セット情報及び書換えデータ(プログラム)が含まれている場合(S314:YES)、ステップS316に進む。
ステップS316において、受信装置52から書換え装置54にセット情報及び書換えデータ(プログラム)の受信を通知する。
図17のステップS317〜S318は、図4のステップS17〜S18と同様である。その後、図5のステップS19に続く。
(3)移動通信網26を介して伝達された書換えデータ(プログラム)の場合
(a)書換え処理の概要
図18は、移動通信網26を介して伝達された複数の書換えデータ(プログラム)でECU56のプログラムを書き換える際の処理の概要を示すフローチャートである。
ステップS401において、受信装置52は、移動通信網26を介してセット情報及び複数の書換えデータ(プログラム)を受信する。なお、移動通信網26を介してセット情報及び複数の書換えデータ(プログラム)を受信する場合、携帯電話86を事前にコネクタ88に接続しておく。
ステップS402〜S409は、図3のステップS2〜S9及び図16のステップS302〜S309と同様である。
なお、ステップS401〜S405の間は、車両16は走行が可能である一方、ステップS406〜S409の間は、エンジンが停止し、車両16は走行できない。
(b)書換え処理の詳細
図19は、移動通信網26を介して伝達された複数の書換えデータ(プログラム)でECU56のプログラムを書き換える際の処理の詳細を示すフローチャートである。なお、衛星放送網24を介して伝達された複数の書換えデータ(プログラム)でECU56のプログラムを書き換える際の処理(図17)と共通する処理については、図17を参照して説明する。
ステップS411において、ユーザは、携帯電話86をコネクタ88に接続する。
ステップS412において、受信装置52の携帯電話86は、サーバ14との間で通信を確立する。当該通信の確立は、サーバ14からの書換えデータ(プログラム)の転送がされたときに行われる。或いは、事前に設定された所定のタイミング(例えば、携帯電話86とコネクタ88の接続時、当該接続時から所定間隔又は所定時刻)で携帯電話86及び移動通信網26を介してサーバ14に対して新たな書換えデータ(プログラム)の有無を問い合わせることもできる。
ステップS413〜S418は、図17のステップS313〜S318と同様である。その後、図5のステップS19に続く。
4.本実施形態における効果
以上のような実施形態によれば、複数の書換えデータ(プログラム)の組合せの適否を判定し、複数の書換えデータ(プログラム)の組合せが適正である場合、複数のECU56のプログラムの書換えを実行する。一方、複数の書換えデータ(プログラム)の組合せが誤っている場合、複数のECU56のプログラムの書換えを中止する。従って、複数のECU56のプログラムの書換えをまとめて行う場合であっても、当該書換えを好適に行うことが可能となる。
本実施形態において、書換え装置54は、受信した複数の書換えデータ(プログラム)の総数と、セット情報に含まれる書換えデータ(プログラム)の総数とを比較し、両者が一致した場合に複数のECU56のプログラムの書換えを実行する。これにより、例えば、車両16に送信されるべき複数の書換えデータ(プログラム)の一部が抜けた状態で車両16に送信されていた場合、又は車両16に送信されるべきでなかった書換えデータ(プログラム)が車両16に送信されていた場合、書換えを中止することができる。その結果、例えば、書換えの中止に伴ってエラー表示を行うことで、適切な書換えを促すことが可能となる。
本実施形態において、複数の書換えデータ(プログラム)のそれぞれは、ECU IDとプログラムID(バージョン情報)と互換性情報とを含み、セット情報は、複数の書換えデータ(プログラム)それぞれのECU IDとプログラムID(バージョン情報)と互換性情報とを含み、書換え装置54は、複数の書換えデータ(プログラム)のそれぞれに含まれるECU ID、プログラムID及び互換性情報と、セット情報に含まれるECU ID、プログラムID及び互換性情報とを比較し、それぞれが一致した場合に複数のECU56のプログラムの書換えを実行する。これにより、複数のECU56におけるプログラムの書換えを誤りなく実行することが可能となる。
本実施形態では、書換えデータ(プログラム)を受信装置52から書換え装置54に送信する前に、対象ECU56tarにおける各種情報と、セット情報とを比較する。これにより、送信される書換えデータ(プログラム)が適正なものであるか否かを、書換えデータ(プログラム)を受信装置52から書換え装置54に送信する前に判定することが可能となる。従って、送信される複数の書換えデータ(プログラム)に選択ミスがあった場合、当該選択ミスを早期に検出し、それに応じた対応をとることが可能となる。また、一般的に、書換えデータ(プログラム)はデータ容量が大きく、受信装置52から書換え装置54に転送するのに時間がかかるが、この構成によって、書換えデータの転送前に適否を判断することができる。
本実施形態によれば、互いに協調制御を行う複数のECU56それぞれについてプログラムの書換えを行う際、当該複数のECU56それぞれについてプログラムの書換えをした後、当該複数のECU56をまとめて再起動する。従って、協調制御に起因する故障検知を回避することが可能となる。
例えば、通信線68を介して互いにデータ通信を行って協調制御を行っている複数のECU56(例えば、ENG ECU56aとABS ECU56b)の書換えを行う場合において、ENG ECU56aのプログラムを書き換え、IGSW64のオン・オフにより各ECU56を再起動した後に、ABS ECU56bについてプログラムの書換えをする場合、ENG ECU56aのプログラム書換えにより、他のECU56がENG ECU56aの異常を検知することを防止するため、ENG ECU56aの書換え前に、他のECU56の故障検知を停止させる。しかし、ENG ECU56aのプログラム書換えにより、ENG ECU56aとABS ECU56bの協調制御に関する互いのデータ通信内容の変更があった場合、ENG ECU56aのプログラム書換え後の再起動によりENG ECU56aとABS ECU56bは協調制御を再開してしまう。その場合、ENG ECU56aの書換えに伴って、ENG ECU56aのみ新たなABS ECU56bとの協調制御用のデータ通信を行う。これにより、ENG ECU56a又はABS ECU56bが故障を検知する。
本実施形態によれば、互いに協調制御を行う複数のECU56については、それぞれのプログラムの書換えを行った後、当該複数のECU56をまとめて再起動する。このため、上記のような不具合を避けることが可能となる。従って、複数のECU56のプログラムの書換えをまとめて行う場合であっても、当該書換えを好適に行うことが可能となる。
本実施形態において、書換え装置54は、協調制御情報を含むセット情報を受信し、書換え対象である複数のECU56(対象ECU56tar)が、相互に協調制御を行うように設定されていることを、セット情報に基づいて検出する。これにより、書換え対象である複数の対象ECU56tarが、相互に協調制御を行うように設定されていることを確実に検出することが可能となる。
[B.この発明の応用]
なお、この発明は、上記実施形態に限らず、この明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることはもちろんである。例えば、以下に示す構成を採ることができる。
1.プログラム書換えシステム10
上記実施形態では、システム10を車両用に用いたが、これに限らず、例えば、その他の移動体(飛行機、船舶、ヘリコプタ等)であってもよい。
2.データ伝達システム12
上記実施形態では、書換えデータ(プログラム)の伝達を、CD−ROM22、衛星放送網24及び移動通信網26を用いて行ったが、いずれか1つ又は2つを用いてもよい。或いは、これら以外の方法{例えば、放送衛星又は携帯電話を用いない無線通信(例えば、道路脇に設置された光ビーコンとの間の無線通信)}により書換えデータ(プログラム)を伝達させてもよい。また、CD−ROM22の代わりに別の記憶媒体(DVD−ROM、フラッシュメモリ等)を用いることもできる。
3.車両16
上記実施形態では、車両16をガソリン車としたが、これに限らず、例えば、再始動時に電力を要する駆動源を有する車両{電気自動車(ハイブリッド車及び燃料電池車を含む。)、ディーゼル車等}であってもよい。
4.書換え装置54
上記実施形態では、書換え装置54を車両16に搭載したが、これに限らず、車両16の外部から接続するものであってもよい。
5.ECU56
上記実施形態では、ECU56として、ENG ECU56a、ABS ECU56b、SRS ECU56c及びイモビライザECU56dを挙げたが、ECU56の数及び種類はこれに限らない。
6.IGSW64
上記実施形態では、IGSW64としてロータリ式のスイッチを用いたが、これに限らない。例えば、車両16が、いわゆるスマートスタート機能を備える場合、プッシュ動作により「オフ」、「アクセサリ」及び「オン」を順番に切り換えるプッシュスイッチをIGSW64として用いることもできる。
7.ECU56の電源オフの判定
上記実施形態において、書換え装置54は、IGSW64の位置を読み込み、又は、ECU56に対して応答要求を送信し、ECU56から応答が無い場合に、ECU56の電源オフを検出したが、ECU56の電源オフを検出する方法はこれに限らない。例えば、プログラムIDを要求し、その応答の有無によってECU56の電源オフを検出することもできる。或いは、IGSW64の位置を読み込み、オフを検出してから所定時間後又は送信した応答要求にECU56からの応答が無いことによりECU56が電源オフにされたとみなすことも可能である。
8.セット情報
上記実施形態では、セット情報として、ECU ID、プログラムID(バージョン情報)と、互換性情報と、書換えプログラムの総数と、各書換えプログラムのハッシュ値と、協調制御情報とを用いたが、いずれか1つ又は複数を除いたものであってもよい。また、別の情報をセット情報に含ませてもよい。
上記実施形態では、互いに協調制御を行っているECU56を特定する協調制御情報をセット情報に含ませたが、これに限らない。例えば、車両16側の構成要素(例えば、受信装置52、書換え装置54又はいずれかのECU56)が協調制御情報を事前に記憶しておいてもよい。
9.協調制御
上記実施形態では、全ECU56a〜56dにおいて協調制御を行ったが、これに限らず、一部のECU56のみの間で協調制御を行うこともできる。或いは、ECU56a〜56d以外の別のECU56に協調制御をさせてもよい。
10…プログラム書換えシステム 16…車両
52…受信装置(上位装置) 54…書換え装置
56a…ENG ECU(電子制御装置)56b…ABS ECU(電子制御装置)
56c…SRS ECU(電子制御装置)56d…イモビライザECU(電子制御装置)
68…通信線 106…記憶部(記憶装置)

Claims (3)

  1. 第1プログラムが格納され、前記第1プログラムの書換えが可能な第1記憶装置が搭載された第1電子制御装置と、
    第2プログラムが格納され、前記第2プログラムの書換えが可能な第2記憶装置が搭載された第2電子制御装置と、
    前記第1プログラム及び前記第2プログラムの書換えを行う書換え装置と
    を有する車両用プログラム書換えシステムであって、
    前記書換え装置は、
    前記第1プログラムの書換えプログラムである第1書換えプログラムと、前記第2プログラムの書換えプログラムである第2書換えプログラムとを受信し、
    書換え対象である前記第1電子制御装置と前記第2電子制御装置が、データ通信を行うように設定されていることを検出すると、
    前記第1書換えプログラム及び前記第2書換えプログラムを用いた書換えを行った後、前記第1電子制御装置及び前記第2電子制御装置をまとめて再起動させる
    ことを特徴とする車両用プログラム書換えシステム。
  2. 請求項1記載の車両用プログラム書換えシステムにおいて、
    前記書換え装置は、
    前記第1電子制御装置及び前記第2電子制御装置を用いた書換えが、前記データ通信に影響することを検出すると、
    前記第1書換えプログラム及び前記第2書換えプログラムを用いた書換えを行った後、前記第1電子制御装置及び前記第2電子制御装置をまとめて再起動させる
    ことを特徴とする車両用プログラム書換えシステム。
  3. 請求項1又は2記載の車両用プログラム書換えシステムにおいて、
    前記書換え装置は、
    前記第1書換えプログラム及び前記第2書換えプログラムを用いた書換えを行った後、前記第1電子制御装置及び前記第2電子制御装置をまとめて再起動させることの要否を示す組合せ復帰情報を受信し、
    前記組合せ復帰情報に基づいて、前記第1電子制御装置及び前記第2電子制御装置の再起動を行う
    ことを特徴とする車両用プログラム書換えシステム。
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