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JP2012083952A - レイアウト設計装置、レイアウト設計方法、及びプログラム - Google Patents

レイアウト設計装置、レイアウト設計方法、及びプログラム Download PDF

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JP2012083952A JP2010229731A JP2010229731A JP2012083952A JP 2012083952 A JP2012083952 A JP 2012083952A JP 2010229731 A JP2010229731 A JP 2010229731A JP 2010229731 A JP2010229731 A JP 2010229731A JP 2012083952 A JP2012083952 A JP 2012083952A
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Takashi Koimaru
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Abstract

【課題】シミュレーションを実行することなく、最適な配線幅の取得を行えるようにすることにより、シミュレーションの複数回実行による処理時間増大を防ぐ。
【解決手段】レイアウト設計装置は、フリップチップ構造の半導体集積回路のRDL(パッド−I/O端子間)配線処理において、I/Oセルの所要電流量と配線長に適した配線幅を取得するためのテーブルをライブラリ化して保持する手段と、パッドとI/Oセルの位置関係から配線に必要な距離を算出する手段と、パッドとI/Oセル端子間の配線に必要な距離とI/Oセルの所要電流量と前記テーブルから適切な配線幅を取得する手段とを有することを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、レイアウト設計装置に関し、特にフリップチップ構造の半導体集積回路における外部端子(パッド)とI/O(入出力)バッファ端子間の配線を行うレイアウト設計装置に関する。
半導体集積回路分野において、回路の高機能、高性能、大規模化に伴い、高集積なチップを短TAT(Turn−Around Time)で設計する必要性が高まっている。
回路の大規模化に伴い、半導体チップ(ICチップ)の外部との信号の授受に使用する外部端子(パッド)数も増大しており、半導体チップサイズを増大させることなく、パッドを必要数搭載する手段として、チップを格子状に区切り、その格子の交点上に連続して、もしくは1つ飛びでチップ全面にパッドを配置するフリップチップ構造の適用が進んでいる。
フリップチップ構造では、パッドとI/O(Input/Output:入出力)セルを結ぶ配線を均等な距離にできるワイヤボンディング構造と異なり、パッドとI/Oセルが離れた距離に配置される場合と近傍に配置される場合とでは、パッドとI/Oセルを結ぶ配線長に数百μmの差が生じ、電位降下(IR−Drop)の原因となる。なお、パッドとI/Oセルを結ぶ配線は、RDL(Re−Distribution Layer:再配線層)配線である。
高性能化が進む近年の半導体チップにおいては、求められる電気的な特性も厳しく、電気的特性を満たした電位降下の量にするためには、全てのRDL配線において、配線抵抗とI/Oセルの所要電流量で決まる電位降下の量が、要求される電気的特性を満たすように、配線長に適した配線幅で配線を行う必要がある。
しかしながら、チップ外周部のみならず、チップの中心部までパッドを格子状に多数配置するフリップチップ構造では、パッドとI/Oセル間の配線経路上に他の信号・電源用のパッドが存在している場合がある。
これら他のパッド同士の隙間を配線領域として配線を行う際、配線幅が太い(大きい)と、配線領域内で配線を行うことが不可能になる。そのため、現状では、パッドとI/Oセル間を接続するために必要十分な配線幅を算出し、この配線幅を基に、配線領域内で配線できるか確認しながらパッドとI/Oセルの配置を行う必要がある。
したがって、配線幅を取得する技術の効率化が求められている。
関連する技術として、特許文献1(特開2006−210661号公報)に半導体集積回路の設計方法が開示されている。この関連技術では、半導体集積回路の配線許容電流から配線幅の制約値を求め、レイアウトデータで制約値通りの配線幅か否か検証する。
図1に、上記の関連技術における半導体集積回路の設計方法の処理を示す。
(1)ステップS1
まず、制約箇所選択処理により、回路図データ1とプロセスデータ2を基に、半導体集積回路の回路図において、配線幅の制約を設定する箇所を指定する。
(2)ステップS2
シミュレーション処理により、回路図データ1を基に、半導体集積回路の回路シミュレーションを実行して、制約箇所選択処理において与えた配線幅の制約値に応じた許容電流値を超えていないかを求める。
図2に、配線幅の制約値に応じた許容電流値の設定値の例を示す。
(3)ステップS3
ここで、求めた値が図2に示す許容電流値を超えていた場合、回路図データ1とプロセスデータ2を基に、その電流値から必要な配線幅を求めて、各ノードに必要な配線幅を制約値決定処理により決定する。
(4)ステップS4
接続情報作成処理により、回路図データ1を基に、半導体集積回路の接続情報3を作成する。
(5)ステップS5
次に、配線幅の検証ルール4を作成するルール作成処理において、制約値決定処理により決定した配線幅から半導体集積回路内に存在するネット毎に検証すべき配線幅を定義した検証ルール4のファイルを作成する。
(6)ステップS6
レイアウト作成処理により、半導体集積回路に応じたレイアウトデータ5を作成する。
(7)ステップS7
レイアウト検証処理により、レイアウト作成処理において作成されたレイアウトデータ5と、ルール作成処理において作成された配線幅の検証ルール4と、接続情報作成手段により作成された半導体集積回路の接続情報3を基に、レイアウトデータ5の配線幅がルール作成処理において決定された検証ルール4の配線幅通りに作成されているか否かを検証する。
ここで、上記の関連技術には、設計TATが増加するという問題がある。
その理由は、図1のフローにおいて、シミュレーション処理によって各配線の電流値を算出し、その結果が予め定義されている配線幅で許容されている場合のみ、制約値決定処理において配線幅を太くすることで、パッドとI/Oセルの位置関係や、I/Oセルの所要電流量に応じた配線幅を取得することが可能であるが、フリップチップ構造のチップの設計においては、シミュレーション処理を繰り返し実行する必要が生じるためである。
ネットリストには、外部と信号を授受する端子が多数存在している。半導体チップを設計する際、これらの信号をチップ上のどのパッドから入力/出力するかを決定(端子アサイン)する必要がある。
端子アサイン(ピンアサイン)は、設計の初期段階においては、当該半導体チップと信号を授受する他の回路との配置位置の兼ね合いで変更が頻繁に行われる。
前述の通り、フリップチップ構造のチップ設計においては、パッドとI/Oセル端子間の距離は一定ではない。I/Oセルとの距離が短いパッドにある信号の端子をアサインした際の条件でシミュレーションを実行し、配線幅を取得した後、I/Oセルとの距離が長いパッドに端子アサインを変更すると、電位降下(IR−Drop)の要求仕様を満たせない可能性がある。
その理由は、配線抵抗値は、配線長に比例し、配線幅に反比例するため、配線幅を変更せずに配線長だけを大きくすると、配線抵抗が増大することに起因する。
すなわち、フリップチップの設計において、端子アサインを変更する度に、図1のシミュレーション処理において入力される回路図データの抵抗値が変動することになり、再度シミュレーション処理を実行する必要が生じる。
このように、イタレーション(iteration:繰り返し、反復)の度にシミュレーション処理を実行する必要があるため、設計TATが増加する。
特開2006−210661号公報
フリップチップ構造の半導体集積回路のレイアウト設計では、イタレーションの度にシミュレーションを実行する必要があるため、設計TATが増加するという問題があった。
本発明のレイアウト設計装置は、フリップチップ構造の半導体集積回路におけるI/Oセルの所要電流量と配線長に応じた配線幅とを対応付けたテーブルをライブラリ化して保持するための記憶部と、入力情報に基づいて、パッドを仮想的に配置したレイアウトデータを作成し、当該パッドに入力/出力する信号に対応するI/Oセルがどのような位置に配置されるかを仮に定義し、端子アサイン処理を行うレイアウト作成部と、パッドとI/Oセルとの位置関係から配線に要する距離を算出する配線距離算出部と、パッドとI/Oセル端子間の配線に要する距離とI/Oセルの所要電流量とを基に、テーブルから該当する配線幅を取得する配線幅取得部とを具備する。
本発明のレイアウト設計方法は、計算機により実施されるレイアウト設計方法であって、フリップチップ構造の半導体集積回路におけるI/Oセルの所要電流量と配線長に応じた配線幅とを対応付けたテーブルをライブラリ化して保持することと、入力情報に基づいて、パッドを仮想的に配置したレイアウトデータを作成することと、パッドに入力/出力する信号に対応するI/Oセルがどのような位置に配置されるかを仮に定義することと、端子アサイン処理を行うことと、パッドとI/Oセルとの位置関係から配線に要する距離を算出することと、パッドとI/Oセル端子間の配線に要する距離とI/Oセルの所要電流量とを基に、テーブルから該当する配線幅を取得することとを含む。
本発明のプログラムは、上記のレイアウト設計方法における処理を、計算機に実行させるためのプログラムである。なお、本発明のプログラムは、記憶装置や記憶媒体に格納することが可能である。
フリップチップ構造の半導体集積回路において、シミュレーションを実行することなく、最適な配線幅の取得を行えるようになる。これにより、シミュレーションの複数回実行による処理時間の増大を防止する。
従来技術の動作を示すフローチャートである。 従来技術の配線幅の制約を示す図である。 本発明のレイアウト設計装置の構成例を示すブロック図である。 本発明のレイアウト設計装置の動作を示すフローチャートである。 本発明におけるパッド、I/Oセルの仮想配置例を示す図である。 本発明における配線幅を取得するためのテーブルの構成例を示す図である。
以下に、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
図3に示すように、本発明のレイアウト設計装置は、入力装置10と、記憶装置20と、処理装置30と、出力装置40を備える。
入力装置10は、入力情報として、I/Oライブラリ11と、ネットリスト12と、設計基準13と、図形情報14と、テーブル15を取得し、記憶装置20に格納する。なお、入力装置10は、これらの入力情報を、必要に応じて内部/外部の記憶装置から読み出して処理装置30に送るものでも良い。
I/Oライブラリ11は、I/Oの種類と所要電流量を記載したライブラリである。
ネットリスト12は、電子回路における端子間の接続情報のデータである。
設計基準13は、図形同士の間隔のルールを定義した情報である。
図形情報14は、半導体チップ(ICチップ)のパッド位置やI/Oセル配置位置を表した情報である。
テーブル15は、配線長、I/Oセルの所要電流量、配線幅を対応付けた情報である。テーブル15は、配線長及びI/Oセルの所要電流量をパラメータとして最適な配線幅を取得するために用いられる。
記憶装置20は、I/Oライブラリ11と、ネットリスト12と、設計基準13と、図形情報14と、テーブル15を記憶し、必要に応じて処理装置30に提供する。
処理装置30は、レイアウト作成部31と、配線距離算出部32と、配線幅取得部33を具備する
レイアウト作成部31は、入力情報に基づいて、パッドを仮想的に配置したレイアウトデータを作成する。その後、レイアウト作成部31は、配線距離算出部32や配線幅取得部33での処理結果を反映したレイアウトデータを作成する。
配線距離算出部32は、パッドとI/Oセルとの位置関係から配線に要する距離を算出する。
配線幅取得部33は、算出されたパッドとI/Oセル端子間の配線に要する距離と、I/Oセルの所要電流量を基に、テーブル15から該当する配線幅を取得する
出力装置40は、作成されたレイアウトデータを出力する。
[ハードウェアの例示]
本発明のレイアウト設計装置の例として、PC(パソコン)、シンクライアントサーバ、ワークステーション、メインフレーム、スーパーコンピュータ等の計算機を想定している。
入力装置10の例として、キーボードやキーパッド、画面上のキーパッド、タッチパネル(touch panel)、タブレット(tablet)、又は、ICチップや記憶媒体を読み込む読取装置等が考えられる。或いは、入力装置10は、外部の入力装置や記憶装置から情報を取得するためのインターフェース(interface(I/F))でも良い。
記憶装置20の例として、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)やフラッシュメモリ等の半導体記憶装置、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置、又は、DVD(Digital Versatile Disk)やSDメモリカード(Secure Digital memory card)等のリムーバブルディスクや記憶媒体(メディア)等が考えられる。
処理装置30の例として、CPU(Central Processing Unit)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、マイクロコントローラ、或いは、専用の機能を有する半導体集積回路(Integrated Circuit(IC))等が考えられる。なお、処理装置30は、各々の機能を計算機に実行させるためのプログラムでも良い。
出力装置40の例として、LCD(液晶ディスプレイ)やPDP(プラズマディスプレイ)、有機ELディスプレイ(organic electroluminescence display)等の表示装置や、出力内容を用紙等に印刷するプリンタ等の印刷装置等が考えられる。或いは、出力装置40は、外部の表示装置や記憶装置に情報を出力するためのインターフェース(I/F)でも良い。
なお、入力装置10、記憶装置20、処理装置30、及び出力装置40は、それぞれ独立した計算機でも良いし、物理マシン上に構築された仮想マシン(Virtual Machine(VM))でも良い。
また、記憶装置20及び処理装置30は、一体化していても良い。例えば、近年では、マイコン等の1チップ化が進んでいる。従って、本発明のレイアウト設計装置に搭載される1チップマイコンが、記憶装置20及び処理装置30を備えている事例が考えられる。
処理装置30は、記憶装置20から設計ツール等のプログラムを読み出して実行することにより、レイアウト作成部31、配線距離算出部32、及び配線幅取得部33を実現しても良い。
但し、実際には、これらの例に限定されない。
[レイアウト設計処理]
図4を参照して、本発明のレイアウト設計装置の処理の流れについて説明する。
(1)ステップS101
まず、処理装置30のレイアウト作成部31は、端子アサインの結果に基づいて、処理対象の外部端子(パッド)への信号の割付と、I/Oセルの配置を行う。
(2)ステップS102
処理装置30の配線距離算出部32は、信号の割り付いたパッドとI/Oセル端子間の距離を計算する。
(3)ステップS103
処理装置30の配線幅取得部33は、テーブル15を参照し、接続するI/Oセルの所要電流量・配線距離から必要な配線幅を取得する。
(4)ステップS104
処理装置30のレイアウト作成部31は、取得した配線幅でパッドとI/Oセル間の接続が可能かチェック(確認)する。
(5)ステップS105
処理装置30のレイアウト作成部31は、チェック結果がOK(可、合格)かNG(不可、不合格)かを判定する。このとき、処理装置30のレイアウト作成部31は、チェック結果がNGであれば、OKになるようにアサインの変更等を行う(ステップS101に戻る)。
(6)ステップS106
処理装置30のレイアウト作成部31は、チェック結果がOKであれば、全てのパッドのアサインが完了するまで、これらの処理を繰り返す(ステップS101に戻る)。
なお、上記のレイアウト設計処理において、処理装置30のレイアウト作成部31は、ステップS101の処理を行う前に、I/Oライブラリ11、ネットリスト12、設計基準13、図形情報14、テーブル15を、入力情報として取得する。
処理装置30のレイアウト作成部31は、入力情報に従い、チップ上の所定の座標、所定の大きさでパッドを仮想的に配置する。また、端子アサインで決定した当該パッドに入力/出力する信号に対応するI/Oセルがどのような位置に配置されるかを仮に定義する。また、端子アサイン処理を行う。同時に、端子アサインをした信号に対応するI/Oセルの配置を行う。
また、処理装置30のレイアウト作成部31は、入力済みのネットリスト12から、接続対象となるI/Oセル端子も特定する(ステップS101)。
図5は、本実施形態におけるパッド、I/Oセルの仮想配置を示す図である。
図5に示すように、本実施形態に係る半導体チップは、I/Oセル51と、パッド52と、I/Oセル端子53を含む。
I/Oセル51は、I/Oセルの本体である。パッド52は、外部端子(パッド)である。I/Oセル端子53は、I/Oセル51の端子である。
パッド中心座標54は、パッド52の中心座標である。I/Oセル端子中心座標55は、I/Oセル端子53の中心座標である。
次に、処理装置30の配線距離算出部32は、図5に示すような半導体チップにおいて、処理対象のパッド52の中心座標54を(X1、Y1)、処理対象のI/Oセル51の端子53の中心座標55を(X2、Y2)として、X方向の距離をX1とX2の差から求め、Y方向の距離をY1とY2の差から求める。また、処理装置30の配線距離算出部32は、X方向の距離とY方向の距離の和から、パッドとI/Oセル端子間の距離(L)を算出する(ステップS102)。
次に、処理装置30の配線幅取得部33は、簡便な四則演算で算出されるパッドとI/Oセル端子間の距離(配線長L)と、処理対象となるI/Oセルに関するI/Oライブラリ11から取得される所要電流量をテーブル15に当てはめ、該当する配線幅を取得する(ステップS103)。
ここでは、処理装置30の配線幅取得部33は、図6に示すようなI/Oセルの所要電流量と、パッドとI/Oセル端子間の距離(配線長L)を基に、テーブル15の中から、電気的特性を満たすために必要な配線幅を取得する。
例えば、処理装置30の配線幅取得部33は、I/Oセルの所要電流量が「3mA」で、配線長Lが「40μm」の場合、図6の表中の「3mA」の列と、「20μm<L≦40μm」の行の交差するカラムの値「3.00」を、必要な配線値として取得できる。
次に、処理装置30のレイアウト作成部31は、パッドとI/Oセル端子間の配線可否のチェック処理を行う(ステップS104)。
処理装置30のレイアウト作成部31は、パッドとI/Oセル端子間の配線可否のチェック処理において、設計者が端子アサインした端子に接続する配線を通過させる対向するパッド列の隙間、或いはこれらパッド列の隙間を通過させる全ての配線(既に端子アサイン処理を終えたネットの配線を含む)をリストアップし、これら各配線の配線幅の合計と、入力済みのデザインルールから取得されるスペーシング(配線同士の間隔)を加算した数値が、前述の2つのパッド列の間隔以下であれば配線が可能と判断し、それ以外であれば配線が不可能と判断する(ステップS105)。
処理装置30のレイアウト作成部31は、端子アサインをすることで、配線が不可能と判断される場合(ステップS105でNO)、ステップS101に戻り、端子アサインを変更する。
例えば、パッド間が60μm、配線するメタル層のスペーシングが5μm、それ以前の端子アサイン処理で配線幅20μmのネットが2本通過している場合、60[μm]−5[μm]−20[μm]×2−5[μm]−5[μm]=5[μm]となり、後1本配線をすることは不可能と判断し(ステップS105でNO)、ステップS101に戻り、端子アサインを変更する。
処理装置30のレイアウト作成部31は、配線が不可能と判断されなければ、配線可能と判断し(ステップS105でYES)、次のパッドとI/Oセル端子間の配線処理に移る。
処理装置30のレイアウト作成部31は、以上の処理を終えたパッドを「処理済み」として扱い、チップ上のI/Oセルに接続するパッドのうち「未処理」のパッドが残っていないか判定を行う(ステップS106)。
処理装置30のレイアウト作成部31は、未処理のパッドが残っている場合(ステップS106でNO)、ステップS101に戻り、端子アサイン処理を継続する。
処理装置30のレイアウト作成部31は、全パッドが処理済みの場合(ステップS106でYES)、図4に示すレイアウト設計処理を終了し、パッドとI/O端子間の接続情報に基づきパッドとI/Oセル端子間を、図4に示すレイアウト設計処理で取得されている配線幅で配線を行い、配線結果を出力装置40から出力する。
[テーブルの例]
図6を参照して、I/Oセル端子の所要電流量と、パッドとI/Oセル端子間の距離Lから、電気的特性を満たすために必要な配線幅を取得するためのテーブルの作り方について説明する。
I/Oセルの所要電流量に適した配線長・配線幅で配線経路を見積もるために、配線抵抗が所定の値以下となることを判断基準とする。
抵抗値(R)は配線長(L)×配線層のシート抵抗値(ρ)÷配線幅(W)で求められるため、配線長に応じて必要な配線幅をW=L×ρ÷Rで求めることができる。
例えば、配線長が120[μm]、シート抵抗値(固定値)が0.078[ohm/□]、配線抵抗値が2.2[ohm]とすると、配線幅はおよそ4.25[μm]で良いことになる。
同様な計算をI/Oセルの代表的な所定電流量(1mA、3mA、5mA、8mA、12mA等)、配線長(20[μm]刻み等)に対して行い、I/Oセル所要電流量と配線長のパラメータ2個から適切な配線幅を得るテーブル15を作成する。
得られる配線幅は、レイアウトに適したグリッドに合わせることと、テーブルに設定した配線長(L)の範囲に応じて、離散的である。テーブルの分割数を増やす(Lの範囲を細分化する)ことで、高精度に配線幅を取得することが可能となるため、要求される精度に応じた運用が可能である。この場合でも、配線幅の取得方法そのものは不変であるため、端子アサイン時のTATには影響しない。
また、上記の実施例では、設計者がネットリスト12の信号端子をインタラクティブに端子アサインする際の動作を例に説明したが、以下のような他の実施例も考えられる。
例えば、端子アサインの結果を定義したファイルを用意し、これを入力することで、処理装置30のレイアウト作成部31は、設計者が端子アサインした場合と同様の処理を行ったとする(ステップS101)。
その結果、処理装置30の配線距離算出部32は、パッドとI/Oセル端子間の距離を計算する(ステップS102)。
処理装置30の配線幅取得部33は、必要な配線幅を取得する(ステップS103)。
処理装置30のレイアウト作成部31は、配線幅を基に、配線が可能か否か判定を行う(ステップS104)。
処理装置30のレイアウト作成部31は、配線が可能な場合、全てのパッドに対して処理が完了したか確認する(ステップS105)。
配線が不可能な場合、ステップS101に戻り、端子アサインの変更を行うことで、インタラクティブに端子アサインした際と同等の処理が行える。
[本発明の特徴]
以上のように、本発明のレイアウト設計装置は、フリップチップ構造の半導体集積回路におけるI/Oセルの所要電流量と配線長に適した配線幅とを対応付けたテーブルをライブラリ化して保持する手段と、パッドとI/Oセルの位置関係から配線に必要な距離を算出する手段と、パッドとI/Oセル端子間の配線に必要な距離と、I/Oセルの所要電流量と、上記テーブルから、適切な配線幅を取得する手段とを備える。
本発明のレイアウト設計装置は、上記テーブルを参照して、配線長に適した配線幅を算出できるので、端子アサイン検討時の設計TATの増加を防ぐことができる。
従来技術においては、端子アサインを変更すると配線の抵抗値が変動する。従って、適切な配線幅を取得するためには、図4に示すレイアウト設計処理において、シミュレーション処理を実行する必要があった。
しかし、本発明では、予め用意したテーブルを参照して適切な配線幅を取得できるようになるため、シミュレーションの実行が不要になる。
特に、端子アサインは通常何度も繰り返して調整する必要があるため、端子アサインが繰り返される度にシミュレーションする必要がなくなることで、設計TATの増加を防ぐことができる。
また、本発明では、チップサイズが増大しない。
従来技術では、電流密度が規定値を超えた場合に配線幅を太くするが、本発明では、所要電流量や配線長に応じて、パッド間よりも細い配線幅を算出するため、パッド間を広げずにより多くのRDL配線を通過させることも可能である。
以上、本発明の実施形態を詳述してきたが、実際には、上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の変更があっても本発明に含まれる。
1… 回路図データ
2… プロセスデータ
3… 接続情報
4… 検証ルール
5… レイアウトデータ
10… 入力装置
11… I/Oライブラリ
12… ネットリスト
13… 設計基準
14… 図形情報
15… テーブル
20… 記憶装置
30… 処理装置
31… レイアウト作成部
32… 配線距離算出部
33… 配線幅取得部
40… 出力装置
51… I/Oセル
52… パッド
53… I/Oセル端子
54… パッド中心座標
55… I/Oセル端子中心座標

Claims (9)

  1. フリップチップ構造の半導体集積回路におけるI/Oセルの所要電流量と配線長に応じた配線幅とを対応付けたテーブルをライブラリ化して保持するための記憶部と、
    入力情報に基づいて、パッドを仮想的に配置したレイアウトデータを作成し、当該パッドに入力/出力する信号に対応するI/Oセルがどのような位置に配置されるかを仮に定義し、端子アサイン処理を行うレイアウト作成部と、
    パッドとI/Oセルとの位置関係から配線に要する距離を算出する配線距離算出部と、
    パッドとI/Oセル端子間の配線に要する距離とI/Oセルの所要電流量とを基に、前記テーブルから該当する配線幅を取得する配線幅取得部と
    を具備する
    レイアウト設計装置。
  2. 請求項1に記載のレイアウト設計装置であって、
    前記レイアウト作成部は、前記取得された配線幅でパッドとI/Oセル間の接続が可能かチェックし、チェック結果がOKかNGかを判定し、チェック結果がNGであれば、アサインの変更を行う
    レイアウト設計装置。
  3. 請求項1又は2に記載のレイアウト設計装置であって、
    前記配線距離算出部は、処理対象のパッドの中心座標を(X1、Y1)、処理対象のI/Oセルの端子の中心座標を(X2、Y2)として、X方向の距離をX1とX2との差から求め、Y方向の距離をY1とY2との差から求め、
    前記配線距離算出部は、X方向の距離とY方向の距離の和から、パッドとI/Oセル端子間の距離を算出する
    レイアウト設計装置。
  4. 計算機により実施されるレイアウト設計方法であって、
    フリップチップ構造の半導体集積回路におけるI/Oセルの所要電流量と配線長に応じた配線幅とを対応付けたテーブルをライブラリ化して保持することと、
    入力情報に基づいて、パッドを仮想的に配置したレイアウトデータを作成することと、
    パッドに入力/出力する信号に対応するI/Oセルがどのような位置に配置されるかを仮に定義することと、
    端子アサイン処理を行うことと、
    パッドとI/Oセルとの位置関係から配線に要する距離を算出することと、
    パッドとI/Oセル端子間の配線に要する距離とI/Oセルの所要電流量とを基に、前記テーブルから該当する配線幅を取得することと
    を含む
    レイアウト設計方法。
  5. 請求項4に記載のレイアウト設計方法であって、
    前記取得された配線幅でパッドとI/Oセル間の接続が可能かチェックすることと、
    チェック結果がOKかNGかを判定し、チェック結果がNGであれば、アサインの変更を行うことと
    を更に含む
    レイアウト設計方法。
  6. 請求項4又は5に記載のレイアウト設計方法であって、
    処理対象のパッドの中心座標を(X1、Y1)、処理対象のI/Oセルの端子の中心座標を(X2、Y2)とすることと、
    X方向の距離をX1とX2との差から求めることと、
    Y方向の距離をY1とY2との差から求めることと、
    X方向の距離とY方向の距離の和から、パッドとI/Oセル端子間の距離を算出することと
    を更に含む
    レイアウト設計方法。
  7. フリップチップ構造の半導体集積回路におけるI/Oセルの所要電流量と配線長に応じた配線幅とを対応付けたテーブルをライブラリ化して保持するステップと、
    入力情報に基づいて、パッドを仮想的に配置したレイアウトデータを作成するステップと、
    パッドに入力/出力する信号に対応するI/Oセルがどのような位置に配置されるかを仮に定義するステップと、
    端子アサイン処理を行うステップと、
    パッドとI/Oセルとの位置関係から配線に要する距離を算出するステップと、
    パッドとI/Oセル端子間の配線に要する距離とI/Oセルの所要電流量とを基に、前記テーブルから該当する配線幅を取得するステップと
    を計算機に実行させるための
    プログラム。
  8. 請求項7に記載のプログラムであって、
    前記取得された配線幅でパッドとI/Oセル間の接続が可能かチェックするステップと、
    チェック結果がOKかNGかを判定し、チェック結果がNGであれば、アサインの変更を行うステップと
    を更に計算機に実行させるための
    プログラム。
  9. 請求項7又は8に記載のプログラムであって、
    処理対象のパッドの中心座標を(X1、Y1)、処理対象のI/Oセルの端子の中心座標を(X2、Y2)とするステップと、
    X方向の距離をX1とX2との差から求めるステップと、
    Y方向の距離をY1とY2との差から求めるステップと、
    X方向の距離とY方向の距離の和から、パッドとI/Oセル端子間の距離を算出するステップと
    を更に計算機に実行させるための
    プログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114141765A (zh) * 2021-11-30 2022-03-04 中国电子科技集团公司第十三研究所 集成电路布线方法、装置及终端设备

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