JP2012072218A - フェノール樹脂組成物、およびフェノール樹脂成形材料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ノボラック型フェノール樹脂と、ポリエーテルイミドとを含有し、ポリエーテルイミドをノボラック型フェノール樹脂に均一分散させてなるフェノール樹脂組成物であって、ポリエーテルイミドの含有量は1〜20重量%であることが好ましい。また、該フェノール樹脂組成物を含有してなるフェノール樹脂成形材料である。
【選択図】 図1
Description
しかし、フェノール樹脂の硬化物特性は概ね良好であるが、機械的強度において不十分な場合がある。 熱硬化性樹脂に機械的強度を付与する方法として、熱可塑性樹脂との複合技術が挙げられるが、耐熱性の低いエラストマーを複合すると著しく耐熱性が低下してしまう。熱可塑性樹脂として、高耐熱性のエンジニアリングプラスチックを用いることで、耐熱性を損なうことなく、機械的強度を向上させることができる。例えば、エポキシ樹脂とポリエーテルスルホンとの硬化反応を明確な共連続構造・球状ドメイン構造を形成しないように相分離速度、及び硬化速度を制御することで、得られた硬化物は擬似均一構造を有し、強度、衝撃強度を向上させることができる(例えば、特許文献1参照)。なお、特許文献1ではフェノール樹脂とポリエーテルイミドの組み合わせは記載されていない。
(1) ノボラック型フェノール樹脂と、ポリエーテルイミドとを含有するフェノール樹脂組成物であって、前記ポリエーテルイミドをノボラック型フェノール樹脂に均一分散させてなるものであることを特徴とするフェノール樹脂組成物。
(2) 前記フェノール樹脂組成物全体に対して、前記ポリエーテルイミド1〜20重量%を含有する、(1)に記載のフェノール樹脂組成物。
(3) (1)又は(2)に記載のフェノール樹脂組成物を含有してなるフェノール樹脂成形材料。
本発明のフェノール樹脂組成物は、ノボラック型フェノール樹脂及びポリエーテルイミドを必須成分として含有することを特徴とする。
本発明に用いる無機充填材としては、特に限定されないが、例えば、ガラス繊維、ガラスビーズ、炭素繊維、クレー、炭酸カルシウム、タルク、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、シリカ、ワラストナイト、ロックウール、マイカが挙げられ、これらを単独で使用、あるいは2 種類以上併用することができる。
実施例および比較例に用いた各原材料は以下のとおりである。
( 1 ) ノボラック型フェノール樹脂A: 住友ベークライト社製 「PR−HF−3」
( 2 ) ポリエーテルイミド: SABICイノベーティブプラスティック社製
( 3 ) フェノール:和光純薬工業社製
( 4 ) シュウ酸 :和光純薬工業社製
( 5 ) ヘキサメチレンテトラミン: 住友精化社製 ウロトロピン
( 6 ) ガラス繊維: 日東紡績社製 Eガラス繊維 (基準繊維径 10±1.5μm)
( 7 ) 硬化助剤: 酸化マグネシウム
( 8 ) 離型剤 : ステアリン酸カルシウム
( 9 ) 着色剤 : カーボンブラック
ノボラック型フェノール樹脂A980重量部とポリエーテルイミド20重量部を3Lフラスコに仕込み230℃に加熱し1時間攪拌させた後、内容物を外に出し常温で固形のフェノール樹脂組成物1000重量部を得た。
得られた組成物と、硬化剤としてテトラメチレンヘキサミン、繊維基材としてアラミド繊維、硬化助剤として酸化マグネシウム、離型剤としてステアリン酸カルシウム、着色剤としてカーボンブラックを表2に示す配合割合で仕込み、90℃の加熱ロールにより3分間溶融混練した後取り出し、顆粒状に粉砕して成形材料を得た。
実施例1において、ノボラック型フェノール樹脂Aを990重量部、ポリエーテルイミドを10重量部に変えた以外は実施例1と同様にし、フェノール樹脂組成物1000重量部を得た。この樹脂組成物を用い、実施例1と同様の方法で成形材料を得た。
実施例1において、ノボラック型フェノール樹脂Aを950重量部、ポリエーテルイミドを50重量部に変えた以外は実施例1と同様にし、フェノール樹脂組成物995重量部を得た。この樹脂組成物を用い、実施例1と同様の方法で成形材料を得た。
実施例1において、ノボラック型フェノール樹脂Aを920重量部、ポリエーテルイミドを80重量部に変えた以外は実施例1と同様にし、フェノール樹脂組成物995重量部を得た。この樹脂組成物を用い、実施例1と同様の方法で成形材料を得た。
実施例1において、ノボラック型フェノール樹脂Aを900重量部、ポリエーテルイミドを100重量部に変えた以外は実施例1と同様にし、フェノール樹脂組成物995重量部を得た。この樹脂組成物を用い、実施例1と同様の方法で成形材料を得た。
実施例1において、ノボラック型フェノール樹脂Aを800重量部、ポリエーテルイミドを200重量部に変えた以外は実施例1と同様にし、フェノール樹脂組成物990重量部を得た。この樹脂組成物を用い、実施例1と同様の方法で成形材料を得た。
フェノール980重量部、ポリエーテルイミド20重量部を3Lフラスコに入れ、100℃に加熱した。溶解させた後、シュウ酸10重量部を加え、37%ホルムアルデヒド水溶液560重量部を加え(F/P比=0.66)、1時間還流させた。その後、水の常圧除去、真空除去を行い、樹脂温度が180℃になった時点で反応を終了し、内容物を外に出しフェノール樹脂組成物870重量部を得た。この樹脂組成物を用い、実施例1と同様の方法で成形材料を得た。
ノボラック型フェノール樹脂A980重量部、ポリエーテルイミド20重量部、フェノール2000重量部を5Lフラスコに入れ、100℃に加熱し溶解させた。その後、フェノールの真空除去を行い、樹脂温度が180℃になった時点で加熱を終了し、内容物を外に出しフェノール樹脂組成物1000重量部を得た。この樹脂組成物を用い、実施例1と同様の方法で成形材料を得た。
実施例1において、ノボラック型フェノール樹脂Aを995重量部、ポリエーテルイミドを5重量部に変えた以外は実施例1と同様にし、フェノール樹脂組成物1000重量部を得た。この樹脂組成物を用い、実施例1と同様の方法で成形材料を得た。
実施例1において、ノボラック型フェノール樹脂Aを700重量部、ポリエーテルイミドを300重量部に変えた以外は実施例1と同様にし、フェノール樹脂組成物980重量部を得た。この樹脂組成物を用い、実施例1と同様の方法で成形材料を得た。
フェノール樹脂組成物としてノボラック型フェノール樹脂A1000重量部を用いた。この樹脂組成物を用い、実施例1と同様の方法で成形材料を得た。
粉末状のノボラック型フェノール樹脂A980重量部、粉末状のポリエーテルイミド樹脂20重量部を、ラボミルサー(大阪ケミカル社製、LM-2)にて混合し(以下、粉砕混合と略)、フェノール樹脂組成物990重量部を得た。この樹脂組成物を用い、実施例1と同様の方法で成形材料を得た。
均一溶解性:フェノール樹脂組成物を底面が平滑な任意の容器に入れ、温度150℃にて1時間加熱した後、室温まで冷却することで材料を得た。その材料の厚みが4.0mmとなるように切断し研磨することで、厚み面が平らな試験片を作製した。試験片を黒色で文字が書かれた紙の上に置き、文字が観察できれば均一分散しているとして「○」を、観察できなければ均一分散していない場合は「×」として表した。
実施例及び比較例で得られた成形材料を用いて、トランスファ成形により試験片を作製した。成形条件は、金型温度175℃、硬化時間3分間とした。
得られた試験片を180℃ 雰囲気中で6時間処理し、曲げ強さ、曲げ弾性率(常温および熱時150℃)、およびシャルピー衝撃強さを、JIS K 6911 「熱硬化性プラスチック一般試験方法」に準拠して測定した。その結果を表3示す。
Claims (3)
- ノボラック型フェノール樹脂と、ポリエーテルイミドとを含有するフェノール樹脂組成物であって、前記ポリエーテルイミドをノボラック型フェノール樹脂に均一分散させてなるものであることを特徴とするフェノール樹脂組成物。
- 前記フェノール樹脂組成物全体に対して、前記ポリエーテルイミド1〜20重量%を含有する、請求項1に記載のフェノール樹脂組成物。
- 請求項1又は2に記載のフェノール樹脂組成物を含有してなるフェノール樹脂成形材料。
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