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JP2012065419A - 無線電力送電装置 - Google Patents

無線電力送電装置 Download PDF

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JP2012065419A JP2010206528A JP2010206528A JP2012065419A JP 2012065419 A JP2012065419 A JP 2012065419A JP 2010206528 A JP2010206528 A JP 2010206528A JP 2010206528 A JP2010206528 A JP 2010206528A JP 2012065419 A JP2012065419 A JP 2012065419A
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Yasuhiro Kanekiyo
靖弘 兼清
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Abstract

【課題】送受電装置間の精密な位置合わせが不要であり、簡易な構成で伝送効率を劣化させることなく複数の受電装置に非接触で電力の送電を行うことができる無線電力送電装置を提供する。
【解決手段】複数の送電コイル6a,6b,6cと、複数の送電コイル6a,6b,6cの各々に流れる電流と電圧との少なくとも一方を検出する検出回路5a,5b,5cと、複数の送電コイル6a,6b,6cの中から電力送電を行う2つの送電コイルを選択するとともに、所定の切替周期に基づいて選択する送電コイルを切り替える第1制御部(MPU制御回路1)と、検出回路5a,5b,5cの検出結果に基づいて第1制御部が選択した2つの送電コイルの各々に流す電流を制御する第2制御部(MPU制御回路1)とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、受電装置を備えた所定の電気機器に対して非接触で電力の送電を行う無線電力送電装置に関する。
従来から、電磁誘導や磁場共鳴を利用した無線(非接触)で電力を送る無線電力送電装置が知られており、いずれの手法も電力を送るために送電コイルを用いて電力を送っている。
従来は、特定の送電装置と受電装置とが1対1で構成されているものが多く、送電コイルには大きなものが1つ用いられる。図7は、従来の無線電力送電装置の送電コイルを示す図であり、送電コイルに発生する磁束量をあわせて示している。上述したように、1つの送電装置に対して1つの受電装置を用いるのが通常であるため、1つの送電コイルに発生する電磁界に応じて受電側の位置合わせを行うことにより、無線電力送電装置は、電力を効率良く送ることができる。
特開平8−340285号公報
しかしながら、送電装置と受電装置間の位置関係が固定されているため、位置合わせを必要とし、位置関係が保たれないと電力伝送効率が劣化してしまうという問題も存在する。また、あらかじめ想定をしていない受電装置(特定機器外)に電力伝送を行う場合には、最適化が行われていないため、電力伝送効率が劣化してしまう。
すなわち、無線電力送電装置では、電力の送電装置と受電装置との位置関係や受電負荷等の電気的条件を適切にしなければ電力を効率よく送電することができない。
さらに、上述したように送電装置と受電装置とが1対1で構成されることを想定している場合には、複数の受電装置に対する電力伝送が想定されておらず、複数の受電装置を用いた場合に受電装置間で相互干渉が発生するといった問題が生ずる。図8は、従来の無線電力送電装置に複数の受電装置(機器)を置いた場合の様子を示す図である。図8に示すように1つの電力送電コイル上に複数の受電機器を置くと、上述したように受電機器間で相互干渉が発生する他、設計値を超える電力量を必要とする等で送電装置上の電磁界が変化し、送電装置の受電負荷が大きく変化するといった現象が生ずる結果、電力伝送効率は劣化してしまう。
複数の受電装置に対して無線電力送電を行う方法として、電力送電コイルを複数個用いてアレイ状に配置する構造を採用した電力送電装置が知られている。この電力送電装置は、複数の送電コイルの各々に受電機器の有無を検知するセンサが取り付けられており、当該センサで受電機器の存在を検知した送電コイルのみを用いて電力伝送を行う。これにより、この電力送電装置は、複数の受電機器に無線電力送電を行うことができるのみならず、厳密な送受電装置間の位置合わせを行うことなく電力を送電することができる。
しかしながら、上述したような電力送電装置は、複数の送電コイル間における共鳴を避けるため、電磁誘導原理を用いて無線電力送電を行う必要があり、さらに送電装置に組み込まれたセンサに応答するための仕組みを受電装置に事前に付加する必要がある。また、送電装置上に置く受電装置の個数や置き方により送電の装置上の電磁界が大きく変化するために、動作の安定性確保や電力伝送効率の劣化を防ぐことが難しいという問題がある。
また、種々の受電装置に対する対応法として、送電装置から電力を送電する前に送電装置と受電装置との間で通信し、識別符号を確認する等により機器認証を行う電力送電装置も提案されている。このような電力送電装置は、互いの機器が認証された場合のみ電力送電を開始するので、不特定多数の受電機器への電力伝送を行わず、事前に認証された機器のみに電力伝送を行い、電力伝送効率と安全性を保つことができる。
しかしながら、上述したような電力送電装置は、不特定多数の受電機器に電力伝送を行わず、認証された機器のみに電力伝送を行うことを前提にしているので、認証されていない機器に対する電力伝送を行うことができず機器制限が生じるとともに、機器認証を行うための仕組みを付加しなければならないという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題点を解決するもので、送受電装置間の精密な位置合わせが不要であり、簡易な構成で伝送効率を劣化させることなく複数の受電装置に非接触で電力の送電を行うことができる無線電力送電装置を提供することを課題とする。
実施形態の無線電力送電装置は、上記課題を解決するために、複数の電力送電コイルと、前記複数の電力送電コイルの各々に流れる電流と電圧との少なくとも一方を検出する検出部と、前記複数の電力送電コイルの中から電力送電を行う2つの電力送電コイルを選択するとともに、所定の切替周期に基づいて選択する電力送電コイルを切り替える第1制御部と、前記検出部の検出結果に基づいて前記第1制御部が選択した2つの電力送電コイルの各々に流す電流を制御する第2制御部とを備えることを特徴とする。
実施例1の形態の無線電力送電装置の構成を示すブロック図である。 実施例1の形態の無線電力送電装置の使用時における送電コイルと受電装置の態様を示す模式図である。 実施例1の形態の無線電力送電装置の送電コイルの配置を示す図である。 実施例1の形態の無線電力送電装置の送電コイルに対する電流印加のタイミングを示すタイミングチャートである。 実施例1の形態の無線電力送電装置の1対の送電コイルペアにおける動作を示すフローチャートである。 実施例1の形態の無線電力送電装置の送電コイルと受電装置における受電コイルとの位置関係を示す図である。 従来の無線電力送電装置の送電コイルを示す図である。 従来の無線電力送電装置に複数の受電装置(機器)を置いた場合の様子を示す図である。
以下、本発明の無線電力送電装置の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施例1の無線電力送電装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施例の無線電力送電装置は、MPU制御回路1、電力伝送キャリア周波数発生部2、波形成形・位相可変部3a,3b,3c、励振回路・電力駆動回路部4a,4b,4c、検出回路5a,5b,5c、及び電力を送るための送電コイル6a,6b,6cにより構成される。
なお、本実施例の無線電力送電装置は、3つの送電コイル6a,6b,6cを有しているが、これは一例であり、送電コイルの数は必ずしも3つに限らず複数であればよい。これらの送電コイル6a,6b,6cは、本発明の電力送電コイルに対応する。
また、図2は、本実施例の無線電力送電装置の使用時における送電コイル6a,6b,6cと受電装置の態様を示す模式図である。図2に示すように、本実施例の無線電力送電装置は、複数の送電コイルが配置された平面上に受電コイルを有する1以上の受電装置を設置することにより、各受電装置に対して送電を行うことができる。特に、本実施例の無線電力送電装置は、図2に示すような携帯できる小型な複数の電気製品に対し、安全で実用的な無線電力送電を行うことができる。
MPU制御回路1は、本発明の第1制御部に対応し、複数の送電コイル6a,6b,6cの中から電力送電を行う2つの送電コイルを選択するとともに、所定の切替周期に基づいて選択する送電コイルを切り替える。具体的には、MPU制御回路1は、マイコンを用いたMPU回路により、送電コイルを周期的に切り替えるためのタイミングを生成する回路を有する制御回路ブロックである。
ここで、図3は、本実施例の無線電力送電装置の送電コイル6a,6b,6cの配置を示す図である。MPU制御回路1は、図3に示すように、送電コイル6a,6b,6cの中から選択した2つの隣り合う送電コイルをペアにして動作させるとともに、選択する送電コイルのペアを所定の切替周期に基づいて切り替える。
すなわち、送電コイル6a,6bによるペアをペア1、送電コイル6b,6cによるペアをペア2、送電コイル6c,6aによるペアをペア3とすると、MPU制御回路1は、使用する送電コイルのペア1,2,3を順番に所定の切替周期で切り替えながら動作させることにより、複数の受電装置に対して電力送電を行うことができる。
その際に、MPU制御回路1は、電力送電に使用する周波数未満の周波数に基づく所定の切替周期に基づいて選択する送電コイルを切り替える。これは、電力送電に使用する搬送波が分断されるのを避けるためであり、実際には電力送電に使用する周波数よりも十分に小さい周波数に基づいた切替周期を設定する。
図4は、本実施例の無線電力送電装置の送電コイル6a,6b,6cの各々に対する電流印加のタイミングを示すタイミングチャートである。図4に示すように、MPU制御回路1は、所定の周期で送電コイル6a,6b,6cの各々に対して電力を印加し、その際に各送電コイルに電力印加する時刻をずらすことにより、常に2つの送電コイルに電力が印加されているように動作する。なお、MPU制御回路1は、例えば電力伝送に用いる周波数の1/20以下の十分に小さい周波数に基づいた周期で各送電コイルに電力を印加する。
また、MPU制御回路1は、本発明の第2制御部に対応し、後述する検出回路5a,5b,5cの検出結果に基づいて第1制御部(MPU制御回路1)が選択した2つの送電コイルの各々に流す電流を制御する。具体的には、MPU制御回路1は、送電コイルから検出したセンシング信号に従い、各送電コイルへの位相可変量や電力の大きさを決める回路を有する制御回路ブロックである。
このように、MPU制御回路1は、MPUのソフトウェアによって、各種制御量の決定やタイミングの生成をデジタル的に行う。
電力伝送キャリア周波数発生部2は、電力伝送に用いる周波数と等しい周波数、あるいは、その整数倍の周波数を発振する回路ブロックである。
波形成形・位相可変部3a,3b,3cは、電力送電における電気・電波法令を遵守するための高調波を制御する回路や、各送電コイルに流す電流の位相を制御するための回路ブロックである。波形成形・位相可変部3a,3b,3cによる制御の手法は、フィルターや位相可変回路(移相器)などのアナログ回路、あるいはデジタル演算による信号処理によって制御を行うデジタル回路のいずれを採用したものでもよい。
励振回路・電力駆動回路部4a,4b,4cは、波形形成・位相制御された電力伝送キャリアを電力伝送に必要な大きさまで電力増幅する回路、及び送電コイルの切り替え周期に従って送電コイルの出力をON/OFFする回路からなる回路ブロックである。
検出回路5a,5b,5cは、本発明の検出部に対応し、複数の送電コイル6a,6b,6cの各々に流れる電流と電圧との少なくとも一方を検出する。具体的には、検出回路5a,5b,5cは、送電コイルに流れる電流の大きさや位相、あるいは送電コイルに発生する電圧の波形をモニターしたものをセンシング信号としてMPU制御回路1に出力するセンシング回路ブロックである。
ここで、検出回路5a,5b,5cは、電流や電圧の大きさをモニターするために、送電コイルの状態を直接検出する手法、あるいは磁気結合回路や送電コイルに結合した結合コイルに発生する電圧・電流を検出する手法のいずれを用いてもよい。
本実施例においては、検出部(検出回路5a,5b,5c)は、複数の送電コイル6a,6b,6cの各々に電磁結合された複数のセンスコイルを有し、複数のセンスコイルの各々に誘導された電圧波形と位相とを検出するものとする。
これらの検出回路5a,5b,5cは、送電コイル6a,6b,6cで発生する電磁界の大きさや受電装置からの反磁界を検出することを目的とするものである。
次に、上述のように構成された本実施の形態の作用を説明する。上述したように、MPU制御回路1は、複数の送電コイル6a,6b,6cの中から電力送電を行う2つの送電コイルを選択するとともに、所定の切替周期に基づいて選択する送電コイルを切り替える。図5は、本実施例の無線電力送電装置の1対の送電コイルペアにおける動作を示すフローチャートである。無線電力送電装置は、各ペアにおいて図5に示す制御を行うことにより、複数の受電装置に対する無線電力送電を行うことができる。
ここでは、MPU制御回路1は、最初に2つの送電コイル6a,6bをペアとして選択したものとして説明する。まずアイドル(待ち)状態(ステップS1)を経た後に、MPU制御回路1は、受電装置の検出の有無を判断する(ステップS2)。
具体的には、検出回路5a,5bの検出結果に基づいて、MPU制御回路1は、送電コイル6a,6bの電力伝送可能範囲内に受電装置が存在するか否かを判断する。受電装置が存在する場合には、送電アンテナや検出回路に反磁界が発生するため、当該反磁界が検出回路5a,5bにより検出され、MPU制御回路1は、送電コイル6a,6bの電力伝送可能範囲内における受電装置の有無を検出することができる。なお、電力送電中に受電装置が近づいた場合でも反磁界が発生するので、MPU制御回路1は、同様に検出することができる。
受電装置が検出されない場合には、再びステップS1のアイドル状態に戻り、2つの送電コイル6a,6bが選択されている期間において、受電装置が検出されるまでステップS1とステップS2とが繰り返される。
受電装置が検出されると、MPU制御回路1は、受電装置のアンテナ位置の検出を行う(ステップS3)。すなわち、MPU制御回路1は、検出部の検出結果に基づいて受電コイルの位置を推定する。
具体的には、MPU制御回路1は、波形成形・位相可変部3a,3bを介してペアとなる電力送電アンテナ(送電コイル6a,6b)間の位相差を変化させながら、それぞれの送電アンテナにある検出回路5a,5bで反磁界を検出することにより、受電装置のアンテナ位置を推定することが可能である。ここで、反磁界は、受電アンテナ面に対して電磁界が垂直に交わる場合に最も大きく発生する特徴がある。
したがって、MPU制御回路1は、アンテナ(受電コイル)位置の検出が終了するまでは、送電コイル電流の位相と大きさを調整しながら(ステップS5)、受電装置のアンテナ(受電コイル)位置の検出を継続する(ステップS3)。
アンテナ位置の検出が終了すると(ステップS4)、無線電力送電装置は、電力送電を開始する(ステップS6)。MPU制御回路1は、選択した2つの送電コイル6a,6bと受電コイルとの位置関係に基づいて、選択した2つの送電コイル6a,6bの各々に流す電流の大きさと位相とを制御する。
図6は、本実施例の無線電力送電装置の送電コイル6a,6bと受電装置における受電コイルとの位置関係を示す図である。図6(a)に示すように、送電コイルと受電コイルとの位置関係が平行にある場合には、MPU制御回路1は、送電コイル6aと送電コイル6bに流す電流の位相を同位相(位相差0°)とし、受電コイルが置かれている位置に応じて送電コイル6aに流す電流と送電コイル6bに流す電流との大きさの比率を制御する。例えば、受電コイルが中心にある場合には、MPU制御回路1は、送電コイル6aに流す電流と送電コイル6bに流す電流との大きさの比率が1:1になるように制御する。
図6(b)に示すように、送電コイルと受電コイルとの位置関係が垂直にある場合には、MPU制御回路1は、送電コイル6aと送電コイル6bに流す電流の位相を逆位相(位相差180°)とし、受電コイルが置かれている位置に応じて送電コイル6aに流す電流と送電コイル6bに流す電流との大きさの比率を制御する。例えば、受電コイルが中心にある場合には、MPU制御回路1は、送電コイル6aに流す電流と送電コイル6bに流す電流との大きさの比率が1:1になるように制御する。
図6(c)に示すように、送電コイルと受電コイルとの位置関係が任意角度にある場合には、MPU制御回路1は、送電コイル6aと送電コイル6bに流す電流の位相を角度により定まる位相差(磁束が受電コイル面を垂直に貫通する角度になる位相差)とし、受電コイルが置かれている位置に応じて送電コイル6aに流す電流と送電コイル6bに流す電流との大きさの比率を制御する。例えば、受電コイルが中心にある場合には、MPU制御回路1は、送電コイル6aに流す電流と送電コイル6bに流す電流との大きさの比率が1:1になるように制御する。
このように、受電装置の受電コイル位置と無線電力送電装置の送電コイルペア(6a,6b)との位置関係に基づいて、MPU制御回路1は、送電コイル6a,6bの各々に流す電流の大きさと位相を制御することで、発生する電磁界の状態を変化させ、電力送電効率の低下を防ぐことができる。
さらに、無線電力送電装置は、電力送電量の制御を行い(ステップS7)、最適な電力送電量を検出するためにフィードバック量の測定も行う(ステップS8)。例えば、無線電力送電装置から受電機器が必要とする電力以上の電力を送電すると、反磁界が発生し、反磁界の大きさも電力送電量に従って変化する。やがて、電磁界的に打ち消し合う状態となり、検出回路で検出量が最小となる。
反磁界の大きさを誤差量とし、送電電力を制御量として、MPU制御回路1内(プログラム等)で定められた目標値に従ってフィードバック制御を行うことにより、本実施例の無線電力送電装置は、常に最適な電力送電量で電力を送ることが可能となる。
具体的には、検出回路5a,5bは、検出結果をセンサー入力信号としてMPU制御回路1にフィードバックする。MPU制御回路1は、フィードバックされたセンサー入力信号に応じて演算処理を行い、最適な電力送電量を決定して波形成形・位相可変部3a,3bに電力を送電させることにより、発生する電磁界を制御して無線電力送電装置と受電装置との電気的関係を最適にすることができる。
なお、MPU制御回路1は、決定した電力送電量が最大であるか否かを判断し(ステップS9)、最大でなければステップS7に戻って継続して電力送電量の制御を行う。電力送電量が最大である場合には、MPU制御回路1は、切替周期間(送電コイル6a,6bをペアとして選択している間)において、その状態を保存し(ステップS10)、ステップS2に戻る。
無線電力送電装置上に受電装置が存在しない場合や想定外に負荷の大きな受電装置を置いた場合には、無線電力送電装置は、長時間に渡り最大電力で電力送電を行い電力送電装置が動作不良を起こす可能性がある。
このため、ある一定時間以上に最大電力で電力送電を行うと、電力送電量を減少させる安全回路をMPU制御回路1に組み込む。安全装置が動作する時間は、法的最大許容電力量に達するまでの時間を最大とし、電力送電装置開発者が任意に定める。
送電コイル6b,6cをペアとして選択した場合や送電コイル6c,6aをペアとして選択した場合においても、MPU制御回路1は、図5で説明した一連の動作を各ペアに対して行うことにより、受電装置の有無や位置にかかわらず、常に最適な送電効率を維持することができる。
上述のとおり、本発明の実施例1の形態に係る無線電力送電装置によれば、送受電装置間の精密な位置合わせが不要であり、簡易な構成で伝送効率を劣化させることなく複数の受電装置に非接触で電力の送電を行うことができる。
すなわち、本実施例の無線電力送電装置は、複数の送電コイル6a,6b,6cを配置するとともに、隣り合う2つの送電コイルをペアにして動作させるものであり、MPU制御回路1が波形成形・位相可変部3a,3b,3cと励振回路・電力駆動回路部4a,4b,4cとを制御することにより、送電コイル毎に独立して電流の大きさと位相を調節することができるので、2つの送電コイルに流れる電流の位相差で送電コイルに発生する電磁界の向きを制御することができるとともに、個々の送電コイルに流れる電流の大きさを変化させることで電磁界の大きさも制御することができる。
したがって、本実施例の無線電力送電装置は、電力送電装置上の電磁界を制御することが可能であるため、受電装置の受電コイル(アンテナ)の配置位置や向きによらず、電力伝送効率を劣化させずに電力伝送を行うことができる。
また、本実施例の無線電力送電装置は、電力伝送に用いる周波数よりも十分に小さい周波数により、駆動する送電コイルペアを次々に切り替えていく動作をするので、送電装置上に置かれた受電装置に対し、置く位置にかかわらず定期的に電力給電を行うことができる。一般的に受電装置には給電された電力を蓄える回路が付加されているので、受電装置は、停止せずに動作を継続することができる。
さらに、送電装置上に複数の受電装置を置いた場合においても、本実施例の無線電力送電装置は、動作する送電コイルペアを時間的に切り替えていくことにより、複数の受電装置の全てに対して同時に電力給電するわけではないため、受電装置間の相互干渉を防ぎ、送電装置上の電磁界の変化を最小に抑えることができる。これにより、本実施例の無線電力送電装置は、受電装置間で発生する相互干渉による電力伝送効率の劣化を防いで、適切に電力を送電することができる。
また、従来技術として上述したように、送電装置から受電装置に対する電力伝送を始める前に送受電装置間で通信や個体識別認識等を行って制御量を決定する手法も存在するが、通信や個体識別認識を行う回路を別途送受電装置に付加する必要がある。特に受電装置に対する当該回路の付加は、種々の受電装置に対する対応や利便性を考慮すると困難である。
これに対し、本実施例の無線電力送電装置は、送電装置上の電磁界の状態によって変化する送電コイルの電流波形や送電コイルに電磁結合されたセンスコイルに発生する電圧波形を検出部が検出し、検出結果に基づいてMPU制御回路1が演算することで、各送電コイルに流れる電流を制御し送電装置上の電磁界を制御する。すなわち、本実施例の無線電力送電装置は、検出部の検出結果に基づいてMPU制御回路1が電磁界の制御を行うので、受電側の態様にかかわらず送電側で電磁界を適切な状態に合わせ込むことができる。
これにより受電装置に対する回路付加が不要であり、本実施例の無線電力送電装置は、MPU制御回路1を電力伝送効率向上のための制御機能として動作させ、受電装置の状態に合わせて送電状態を制御できるので、受電装置の個体差により電力伝送効率が低下するのを防ぐことができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 MPU制御回路、2 電力伝送キャリア周波数発生部、3a,3b,3c 波形成形・位相可変部、4a,4b,4c 励振回路・電力駆動回路部、5a,5b,5c 検出回路、6a,6b,6c 送電コイル

Claims (4)

  1. 複数の電力送電コイルと、
    前記複数の電力送電コイルの各々に流れる電流と電圧との少なくとも一方を検出する検出部と、
    前記複数の電力送電コイルの中から電力送電を行う2つの電力送電コイルを選択するとともに、所定の切替周期に基づいて選択する電力送電コイルを切り替える第1制御部と、
    前記検出部の検出結果に基づいて前記第1制御部が選択した2つの電力送電コイルの各々に流す電流を制御する第2制御部と、
    を備えることを特徴とする無線電力送電装置。
  2. 前記第2制御部は、前記検出部の検出結果に基づいて受電コイルの位置を推定するとともに、前記第1制御部が選択した2つの電力送電コイルと前記受電コイルとの位置関係に基づいて、前記第1制御部が選択した2つの電力送電コイルの各々に流す電流の大きさと位相とを制御することを特徴とする請求項1記載の無線電力送電装置。
  3. 前記第1制御部は、電力送電に使用する周波数未満の周波数に基づく所定の切替周期に基づいて選択する電力送電コイルを切り替えることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の無線電力送電装置。
  4. 前記検出部は、前記複数の電力送電コイルの各々に電磁結合された複数のセンスコイルを有し、前記複数のセンスコイルの各々に誘導された電圧波形と位相とを検出することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の無線電力送電装置。
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