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JP2012058599A - 立体画像表示装置および画像表示素子 - Google Patents

立体画像表示装置および画像表示素子 Download PDF

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JP2012058599A JP2010203474A JP2010203474A JP2012058599A JP 2012058599 A JP2012058599 A JP 2012058599A JP 2010203474 A JP2010203474 A JP 2010203474A JP 2010203474 A JP2010203474 A JP 2010203474A JP 2012058599 A JP2012058599 A JP 2012058599A
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好喜 岡本
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Sony Corp
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Abstract

【課題】画像表示素子とパララックス素子との周期構造の違いに起因して発生する輝度むら(モワレ)を抑制し、立体画像の解像度を向上させることができるようにする。
【解決手段】画像表示素子において、複数の視点用の視差画像の配置パターンを、垂直方向にn画素の整数倍の周期で水平方向に1サブピクセル分、シフトするようなステップ配置とする。パララックス素子における視差分離部(開口部12)を、
arctan{β・n/(n−1)}−arctanβ
(ただし、nはmの倍数。βはサブピクセルの垂直方向のピッチと水平方向のピッチとの比)
の条件式を満足する方向に配置する。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えばパララックスバリア等のパララックス素子を用いて立体画像表示を行う立体画像表示装置およびその立体画像表示装置に適用される画像表示素子に関する。
立体表示を行う技術は、観察者が眼鏡を用いるものと、観察者が眼鏡を用いずに裸眼での立体視が可能なものとに分けることができる。後者の表示方法を裸眼立体表示方法と呼ぶ。裸眼立体表示方法の代表的なものとしては、パララックスバリア方式とレンチキュラレンズ方式とがある。パララックスバリア方式やレンチキュラ方式の場合、液晶ディスプレイ等の画像表示素子に立体視用の複数の視差画像(例えば2視点の場合には右眼用画像と左眼用画像)を空間分割して合成表示し、その視差画像を視差分離手段(パララックス素子)によって水平方向に視差分離することで立体視が行われる。パララックスバリア方式の場合、パララックス素子としてスリット状の開口が設けられたパララックスバリアを用いる。レンチキュラ方式の場合、パララックス素子として、シリンドリカル状の分割レンズを複数並列配置したレンチキュラレンズが用いられる。
特許第4023626号公報 特許第3955002号公報 特許第4271155号公報
上記したような画像表示素子とパララックス素子とを用いた立体画像表示装置の場合、画像表示素子の画素構造とパララックス素子の構造とが、互いに異なる周期構造となることで、輝度むら(モワレ)が発生するという問題があった。
この問題を解決する方法として、特許文献1にはパララックスバリアの開口幅を通常よりも広くすることで輝度むらを低減するという方法が提案されている。しかしながらこの方法では、クロストークを増大させてしまうことになる上、条件によっては輝度むらを提言できない場合もある。また、特許文献2にはパララックスバリアを斜めストライプとすることで輝度むらを低減する方法が提案されている。しかしながらこの方法では、条件によっては輝度むらを完全に除去することはできない。さらに、特許文献3にはパララックスバリアもしくはレンチキュラレンズの方向を通常とは異なる方向とすることで、副次的(メインは解像度の縦横比の改善)に輝度むらを低減する方法が提案されている。しかしながらこの方法では、画素配置を含めて視点数の少ない条件(16視点未満)では、適用できないといった問題がある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、画像表示素子とパララックス素子との周期構造の違いに起因して発生する輝度むら(モワレ)を抑制し、立体画像の解像度を向上させることができるようにした立体画像表示装置を提供することにある。また、第2の目的は、そのような立体画像表示装置に適した表示を行うことができる画像表示素子を提供することにある。
本発明による立体画像表示装置は、複数の画素が水平方向および垂直方向に2次元的に配列されると共に、1つの画素がm個のサブピクセルで構成され、複数の視点用の視差画像を所定の配置パターンでサブピクセルごとに割り当てて合成表示する画像表示素子と、サブピクセルに対応付けられた複数の視差分離部を有し、画像表示素子に表示された視差画像を立体視が可能となるように複数の視点方向に分離するパララックス素子とを備えたものである。そして、画像表示素子において、複数の視点用の視差画像の配置パターンが、垂直方向にn画素の整数倍の周期で水平方向に1サブピクセル分、シフトするようなステップ配置とされ、パララックス素子における視差分離部が、
arctan{β・n/(n−1)}−arctanβ
(ただし、nはmの倍数。βはサブピクセルの垂直方向のピッチと水平方向のピッチとの比)
の条件式を満足する方向に配置されているものである。
また、本発明による画像表示素子は、複数の画素が水平方向および垂直方向に2次元的に配列されると共に、1つの画素がm個のサブピクセルで構成され、複数の視点用の視差画像を所定の配置パターンでサブピクセルごとに割り当てて合成表示するようになされ、複数の視点用の視差画像の配置パターンが、垂直方向にn画素の整数倍の周期で水平方向に1サブピクセル分、シフトするようなステップ配置とされているものである。
本発明の立体画像表示装置では、画像表示素子における視差画像の配置パターンとパララックス素子における視差分離部の配置方向とが、画像表示素子とパララックス素子との周期構造の違いに起因して発生する周期的な輝度むら(モワレ)の周期が小さくなるように最適化される。また、本発明の画像表示素子では、そのような視差分離部の配置に適するように視差画像の配置パターンが最適化される。
本発明の立体画像表示装置によれば、画像表示素子における視差画像の配置パターンとパララックス素子における視差分離部の配置方向とを所定の条件で最適化するようにしたので、画像表示素子とパララックス素子との周期構造の違いに起因して発生する輝度むら(モワレ)を抑制することができる。結果として、立体画像の解像度を向上させることができる。また、本発明の画像表示素子によれば、そのような配置の視差分離部に対応して最適な表示を提供することができる。
本発明の一実施の形態に係る画像表示素子および立体画像表示装置の全体構成例を示す断面図である。 図1に示した立体画像表示装置において、視差画像の配置パターンとパララックス素子における視差分離部(開口部)の配置方向とを所定の条件で最適化した第1の例を示す平面図である。 図1に示した立体画像表示装置において、視差画像の配置パターンとパララックス素子における視差分離部(開口部)の配置方向とを所定の条件で最適化した第2の例を示す平面図である。 従来の画素配列とステップ形状の開口部を有するパララックス素子との構成を示す説明図である。 従来の画素配列と斜めストライプ形状の開口部を有するパララックス素子との構成を示す説明図である。 2つの周期構造により発生する周期的輝度ムラ(モワレ)の原理を示す説明図である。 周期的輝度むら(モワレ)の周期を幾何学的に導出するための説明図である。 周期構造の角度ずれに対する周期的輝度むら(モワレ)の周期を計算した結果を示す特性図である。 視差画像の配置パターンがシフトされていない例を示す説明図である。 視差画像をシフト配置したパターンの例を示す説明図である。 シフト周期と角度ずれとの関係を示す特性図である。 図1に示した立体画像表示装置において、パララックスバリアの開口部を斜めストライプ形状にした場合の構成例を示す平面図である。 図1に示した立体画像表示装置において、パララックス素子をレンチキュラレンズにした場合の構成例を示す断面図である。 パララックス素子をレンチキュラレンズにした場合の構成例を示す平面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[立体画像表示装置の全体構成]
図1は、本発明の一実施の形態に係る画像表示素子および立体画像表示装置の一構成例を示している。この立体画像表示装置は、パララックス素子としてのパララックスバリア1と、画像表示素子2とを備えている。パララックスバリア1は、遮蔽部11と、開口部12とを有している。
画像表示素子2は、液晶表示パネル、エレクトリックルミナンス方式の表示パネル、またはプラズマディスプレイ等の2次元表示ディスプレイで構成されている。画像表示素子2の表示画面には、複数の画素が水平方向および垂直方向に2次元的に配列されると共に、1つの画素がm個(mは1以上の整数)のサブピクセルで構成されている。例えば、水平方向にR(赤色)のサブピクセルと、G(緑色)のサブピクセルと、B(青色)のサブピクセルとが交互に配列され、垂直方向には同一色のサブピクセルが配列されている。画像表示素子2には、複数の視点用の視差画像が、所定の配置パターンでサブピクセルごとに割り当てられて合成表示されるようになっている。
パララックスバリア1は、画像表示素子2に表示された視差合成画像に含まれる複数の視差画像を立体視が可能となるように複数の視点方向に分離するものであり、立体視を可能にするように画像表示素子2に対して所定の位置関係で対向配置されている。パララックスバリア1は、光を遮蔽する遮蔽部11と、光を透過し、画像表示素子2のサブピクセルに対して立体視が可能となるように所定の条件で対応付けられた視差分離部としての開口部12とを有している。パララックスバリア1は、例えば透明な平面板の上に、遮蔽部11として、光を通さない黒色の物質や、光を反射する薄膜状の金属などを設置することで形成されている。
パララックスバリア1は、特定の視点位置から画像表示素子2を観測したときに特定の視差画像のみが観察されるように、画像表示素子2の画面上の視差合成画像に含まれる複数の視差画像を分離するようになっている。パララックスバリア1の開口部12と、画像表示素子2の各サブピクセルとの位置関係から、画像表示素子2の各サブピクセルより発せられた光の出射角度が制限される。画像表示素子2における各サブピクセルは、開口部12との位置関係によって、表示される方向が異なることとなる。観察者の左右の眼10L,10Rには、異なるサブピクセルからの光線L3,L2が到達し、互いに視差のある画像を観察する状態となることで立体映像として知覚できる。
パララックスバリア1の開口部12は、例えば斜め方向にステップ状(段差状)に設けられている。または、開口部12を斜めストライプ形状に設けるようにしても良い。画像表示素子2では、バリアパターンに応じたパターンで複数の視点用の視差画像を合成表示する。ステップ状のバリアパターンである場合には、複数の視差画像を、そのバリアパターンに応じて斜め方向に所定の配置パターンで段差状に分割して合成する。
[視差画像の配置パターンとパララックスバリア1の開口部12の配置方向の具体例]
この立体画像表示装置では、画像表示素子1において、複数の視点用の視差画像の配置パターンが、垂直方向にn画素の整数倍の周期で水平方向に1サブピクセル分、シフトするようなステップ配置とされている。また、パララックス素子(パララックスバリア1)における視差分離部(開口部12)が、
arctan{β・n/(n−1)}−arctanβ
(ただし、nはmの倍数。βはサブピクセルの垂直方向のピッチと水平方向のピッチとの比)
の条件式を満足する方向に配置されている。
図2および図3は、上記した所定の条件で、視差画像の配置パターンとパララックス素子における視差分離部(開口部12)の配置方向とを最適化した構成例を示している。図2および図3では、1つの画素がm=3個のサブピクセル(R,G,B)で構成されている。図2および図3において、細かい長方形状の部分が、1つのサブピクセルである。サブピクセル内に割り振られた番号は、視点(視差)の番号を示している。図2は、4視点(視差)表示の場合であり、各サブピクセルには、4視点(視差)に対応する1〜4の4つの番号が割り当てられている。図2の例では、複数の視点用の視差画像の配置パターンが、垂直方向に3画素の周期で水平方向に1サブピクセル分、シフトするようなステップ配置とされている(シフト周期3)。図3は、9視点(視差)表示の場合であり、各サブピクセルには、9視点(視差)に対応する1〜9の9つの番号が割り当てられている。図3の例では、複数の視点用の視差画像の配置パターンが、垂直方向に9画素の周期で水平方向に1サブピクセル分、シフトするようなステップ配置とされている(シフト周期9)。
また、図2および図3の場合、上記条件式でm=3として、パララックスバリア1における開口部12が、
arctan{3n/(n−1)}−arctan3
(ただし、nは3の倍数)
の条件を満足する開口方向31に配置されている。
図2および図3に示したような構成とされていることで、画像表示素子2とパララックスバリア1との周期構造の違いに起因して発生する輝度むら(モワレ)を抑制することができる。結果として、立体画像の解像度を向上させることができる。
以下、この輝度むら(モワレ)が抑制される原理について説明する。
[モアレの発生原理とモアレを抑制する原理]
輝度むら(モワレ)が抑制される原理を説明するために、まず、立体画像表示装置で問題となる周期的な輝度むら(モワレ)について、その発生原理を簡単に説明する。図4、図5は、従来のパララックスバリア方式によってパララックスバリアを構成すると共に、従来方式で画素マッピング(複数の視点用の視差画像の配置パターン)を最適化した構成を示している。なお、図4、図5はそれぞれ、ステップバリア方式と斜めストライプ方式とした構成である。図から明らかなように、ステップ状に配置された特定の視点表示ピクセル(サブピクセル)とパララックスバリアの開口方向とが一致している。なお、図4、図5では、特定の視点位置から、「1」の視点番号が割り振られた視差画像が見えている状態を示している。
視点表示ピクセルは、サブピクセルをそのまま用いるため、特定の視点表示ピクセルの配列方向とパララックスバリアの開口方向は、垂直方向のサブピクセルピッチpyと水平方向のサブピクセルピッチpxとの比をβ、すなわちβ=py/pxとすれば、
(視点表示ピクセルの配列方向)=(パララックスバリアの開口方向)= arctanβ
となる。
通常の液晶ディスプレイ等では、R,G,Bで構成されるサブピクセルを用いるため、水平と垂直のピクセルピッチ比は1:3となる。よって、特定の視点表示ピクセルの配列方向とパララックスバリアの開口方向は、
(視点表示ピクセルの配列方向)=(パララックスバリアの開口方向)= arctan3
となる。
また、最近導入されつつあるR,G,B,W(Wはホワイト)やR,G,B,Y(Yはイエロー)などの4色のサブピクセルが水平方向に並ぶ場合は、
(視点表示ピクセルの配列方向)=(パララックスバリアの開口方向)= arctan4
となる。
ただし、上記方向はサブピクセルから構成される単一画素の垂直方向と水平方向のピッチが同一の場合であり、それが同一ではない場合はその限りではない。パララックス素子としてレンチキュラレンズを使用した場合も、その円筒母線方向は同じである。
上記の画像表示素子とパララックス素子は、低次の周波数に着目すれば、それぞれが上記の角度に周期を持った透過率(光強度)に関する一次元の周期構造であると見なせる。そこで、それぞれの周期構造をフーリエ級数で表現すれば、
Figure 2012058599
と表すことができる。
ここで、f1は画像表示素子(またはパララックス素子)の周期的光強度を表す関数であり、aはその周期的光強度の形状を決定するフーリエ係数である。f2はパララックス素子(または画像表示素子)の周期的光強度を表す関数であり、bはその周期的光強度の形状を決定するフーリエ係数である。nおよびmは級数の次数を表す。φは、各周期構造の基本的な二次元分布を表す関数である。
立体ディスプレイとして観察者が観察できるのは、上記の2つの周期的光強度の重ね合わせであり、光強度の重ね合わせは、各周期的光強度を表す関数の積となるので、
Figure 2012058599
と表すことができる。更に(2)式の第4項(Term4)は、
Figure 2012058599
と書き直すことができる。
ここで、(3)式の第1項が最も基本的な周期的輝度むら(モワレ)を表す。すなわち、
(周期的輝度むら(モワレ)の基本形状)=(1/2)b1121cos[φ1(x,y)−φ2(x,y)] ……(4)
今、上記の周期構造の角度ずれに関する式を導出するために、各周期構造の基本二次元分布を表す関数を、
φ1(x,y)=(2π/λ1)(xcosα+ysinα)
φ2(x,y)=(2π/λ2)(xcosα−ysinα)
……(5)
のように表す(図6、図7を参照)。
ここで、図6、図7に示したように、λ1は第1の周期構造10の間隔(ピッチ)を表し、λ2は第2の周期構造20の間隔(ピッチ)を表す。2αは第1および第2の周期構造10,20の角度ずれ量を表す。第1および第2の周期構造10,20の角度ずれを図7のように幾何学的に表せば、周期的輝度むら(モワレ)の周期を導出することができる。
距離ABは各周期構造の周期を用いて、
(距離AB)=λ1/sin(θ−α)=λ2/sin(θ+α) ……(6)
と表すことができる。
ここで、θは周期的輝度むら(モアレ)の方向を示し、
tanθ=tan{(λ1+λ2)/(λ2−λ1)} ……(7)
となる。
図7より、距離CDは、周期的輝度むら(モワレ)のピッチλmoireを用いて、
距離CD=λ1/sin2α=λmoire/sin(θ+α) ……(8)
と表すことができる。
(8)式より、
周期的輝度むら(モワレ)のピッチλmoire=λ1[sin(θ+α)/sin2α]
……(9)
となり、(7)式を用いて、
Figure 2012058599
と変形することができる。
ここで、p1は画像表示素子のサブピクセルピッチ(またはパララックス素子の開口ピッチ)、p2はパララックス素子の開口ピッチ(または画像表示素子のサブピクセルピッチ)を表すとすれば、通常の立体画像表示では、視点表示ピクセルを表示視点数分だけ水平方向に並べるため、パララックス素子の開口ピッチと画像表示素子のサブピクセルピッチの関係は、
p2=N・p1 ……(11)
である。ここでNは視点数を表す。
しかしながら、(4)式から明らかなように、λ1およびλ2は、ほぼ一致する値でなければならず、p1とp2のN次の高周波成分が、λ1とλ2に相当し、
λ2=λ1
よって(10)式は、
Figure 2012058599
となり、画像表示素子のサブピクセルピッチλ1で正規化すれば、
Figure 2012058599
となる。
図8に各視点数における(13)式の計算結果を示す。図8を見て分かるとおり、角度αが3度を超えると輝度むらのピッチが画像表示素子のサブピクセルピッチの10倍(通常の画素の3.33倍)より小さくなることが分かる。
そこで例えば、図9の状態から図10のように垂直方向に3ピクセル以上の任意の視点画素表示周期(図10は4ピクセル周期の例)で、水平方向に1サブピクセルシフトした画素配置とし、パララックス素子の開口方向34(レンチキュラレンズであれば円筒母線方向)をそれに一致させる。なお、図9では、特定の方向(開口方向)32に沿ってピクセルシフトすることなく各視点の画像が各サブピクセルに割り振られている。34,35は、シフト周期を決定する画素グループの例を示している。
このとき、画像表示素子の方向とパララックス素子の方向の角度ずれは、
arctan{β・n/(n−1)}−arctanβ ……(14)
となる。ここで、nは、水平方向にシフトさせるための垂直方向の画素周期である。
立体表示を行う際には、各サブピクセルを縦方向に配置するために、すべての画素に対して各サブピクセルを割り当てられるようにするためには、
(シフト周期n)=(mの倍数)
である必要がある。ここで、mは単一画素を構成するサブピクセルの数(色)を表す。
R,G,Bのサブピクセルからなる画像表示素子の場合には、
arctan{3n/(n−1)}−arctan3 ……(15)
で表すことができ、その結果を図11に示す。しかしながら、立体表示を行う際には、R,G,Bのサブピクセルを縦方向に配置するために、すべての画素に対してR,G,Bを割り当てられるようにするためには、
(シフト周期n)=(3の倍数) ……(16)
である必要がある(図11の丸の位置)。
同様に4色のサブピクセルで構成される画像表示素子の場合は、
arctan{4n/(n−1)}−arctan4 ……(17)
(シフト周期n)=(4の倍数) ……(18)
となる。
上記のような画素配置およびパララックス素子の配置を行うことによって、周期的な輝度むら(モワレ)の周期をかなり小さくすることができ、結果としてほとんど目立たなくすることができる。また、特許文献3(特許第4271155号)とは異なり、パララックス素子の方向を視点数によらずある程度自由に選択することができる。
上述したように、図2および図3は、(15)式を満足するような構成例である。図2および図3より分かるとおり、本来見えてほしくない画素が僅かに見える(これをクロストークという)。図2および図3の例では、特定の視点位置から、「1」の視点番号が割り振られた視差画像のみが見えている状態であれば良いが、他の視点番号が割り振られた視差画像が見えている。しかしながら、実際に図2および図3の構成の素子を作製して確認した結果では、立体表示としての映像劣化は全く確認できなかった。
[変形例]
図2および図3では開口部12がステップ形状である場合の例を示したが、例えば図12のように開口部12を斜めストライプ形状にしても良い。図12では、図3の場合と同様に、9視点(視差)表示の例であり、各サブピクセルには、9視点(視差)に対応する1〜9の9つの番号が割り当てられている。また、複数の視点用の視差画像の配置パターンが、垂直方向に9画素の周期で水平方向に1サブピクセル分、シフトするようなステップ配置とされている(シフト周期9)。
また、図13に示したように、図1に示したパララックスバリア1に代えて、パララックス素子としてレンチキュラレンズ1Aを用いるようにしても良い。レンチキュラレンズ1Aは、複数の視差分離部として機能する複数の分割レンズを有している。分割レンズは所定の方向に延在する円筒レンズ13である。この場合、図14に示したように、円筒レンズ13の円筒母線方向41が、上記所定の条件を満足するようにすれば良い。
1…パララックスバリア、1A…レンチキュラレンズ、2…画像表示素子、10L…左眼、10R…右眼、10…第1の周期構造、11…遮蔽部、12…開口部、13…円筒レンズ(分割レンズ)、20…第2の周期構造、31…開口方向、32…開口方向、33,35…周期を決定する画素グループ、34…開口方向、41…円筒母線方向。

Claims (7)

  1. 複数の画素が水平方向および垂直方向に2次元的に配列されると共に、1つの前記画素がm個のサブピクセルで構成され、複数の視点用の視差画像を所定の配置パターンで前記サブピクセルごとに割り当てて合成表示する画像表示素子と、
    前記サブピクセルに対応付けられた複数の視差分離部を有し、前記画像表示素子に表示された前記視差画像を立体視が可能となるように前記複数の視点方向に分離するパララックス素子と
    を備え、
    前記画像表示素子において、前記複数の視点用の視差画像の配置パターンが、垂直方向にn画素の整数倍の周期で水平方向に1サブピクセル分、シフトするようなステップ配置とされ、
    前記パララックス素子における前記視差分離部が、
    arctan{β・n/(n−1)}−arctanβ
    (ただし、nはmの倍数。βは前記サブピクセルの垂直方向のピッチと水平方向のピッチとの比)
    の条件式を満足する方向に配置されている
    立体画像表示装置。
  2. 前記画像表示素子において、1つの前記画素がm=3個のサブピクセルで構成され、かつ、前記複数の視点用の視差画像の配置パターンが、垂直方向にn=3画素の整数倍の周期で水平方向に1サブピクセル分、シフトするようなステップ配置とされ、
    前記パララックス素子における前記視差分離部が、
    arctan{3n/(n−1)}−arctan3
    (ただし、nは3の倍数)
    の条件式を満足する方向に配置されている
    請求項1に記載の立体画像表示装置。
  3. 前記画像表示素子において、1つの前記画素がm=4個のサブピクセルで構成され、かつ、前記複数の視点用の視差画像の配置パターンが、垂直方向にn=4画素の整数倍の周期で水平方向に1サブピクセル分、シフトするようなステップ配置とされ、
    前記パララックス素子における前記視差分離部が、
    arctan{4n/(n−1)}−arctan4
    (ただし、nは4の倍数)
    の条件式を満足する方向に配置されている
    請求項1に記載の立体画像表示装置。
  4. 前記パララックス素子は、光を透過し、前記複数の視差分離部として機能する複数の開口部と、光を遮蔽する遮蔽部とを有するパララックスバリアであり、
    前記開口部の形状がステップ形状もしくは斜めストライプ形状を有し、その開口方向が前記条件式を満足する
    請求項1ないし3のいずれか1項に記載の立体画像表示装置。
  5. 前記パララックス素子は、前記複数の視差分離部として機能する複数の分割レンズを有するレンチキュラレンズであり、
    前記分割レンズは所定の方向に延在する円筒レンズであり、その円筒母線方向が、前記条件式を満足する
    請求項1ないし3のいずれか1項に記載の立体画像表示装置。
  6. 前記画像表示素子は、垂直方向には同一色のサブピクセルが配列され、水平方向にはm色のサブピクセルが周期的に交互に配列されている
    請求項1ないし3のいずれか1項に記載の立体画像表示装置。
  7. 複数の画素が水平方向および垂直方向に2次元的に配列されると共に、1つの前記画素がm個のサブピクセルで構成され、複数の視点用の視差画像を所定の配置パターンで前記サブピクセルごとに割り当てて合成表示するようになされ、
    前記複数の視点用の視差画像の配置パターンが、垂直方向にn画素の整数倍の周期で水平方向に1サブピクセル分、シフトするようなステップ配置とされている
    画像表示素子。
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