JP2012056284A - 耐摩耗性難燃テープ、耐摩耗性難燃粘着テープ及びワイヤーハーネス - Google Patents
耐摩耗性難燃テープ、耐摩耗性難燃粘着テープ及びワイヤーハーネス Download PDFInfo
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Abstract
【課題】自動車用のワイヤーハーネスの保護材として用いられる優れた難燃性と、自動車パネルのエッヂ部分等と接触しても損傷されないような優れた耐摩耗性を有する耐摩耗性難燃テープ、耐摩耗性難燃粘着テープを提供する。
【解決手段】織布からなる支持体の少なくとも1表面に、可とう性を有する高分子化合物及び難燃剤を主体として含有する難燃性樹脂組成物を塗布及び/又は貼合せしてなる難燃性樹脂層を有し、厚さが0.30〜0.60mmの範囲である耐摩耗性難燃テープ、及び、その片面に、ゴム系、アクリル系及びシリコーン系により構成される群から選ばれる1つ以上の粘着剤を塗布してなる耐摩耗性難燃粘着テープ。
【選択図】 なし
【解決手段】織布からなる支持体の少なくとも1表面に、可とう性を有する高分子化合物及び難燃剤を主体として含有する難燃性樹脂組成物を塗布及び/又は貼合せしてなる難燃性樹脂層を有し、厚さが0.30〜0.60mmの範囲である耐摩耗性難燃テープ、及び、その片面に、ゴム系、アクリル系及びシリコーン系により構成される群から選ばれる1つ以上の粘着剤を塗布してなる耐摩耗性難燃粘着テープ。
【選択図】 なし
Description
本発明は、難燃性と耐摩耗性を兼ね備え、自動車用のワイヤーハーネス等の保護材として好適に用いられる耐摩耗性難燃テープに関する。
自動車の内部配線に使用されるワイヤーハーネスは、複数の絶縁電線を束ねた電線束からなるが、この電線束をまとめるために、難燃性の粘着テープ(なお、粘着テープとは粘着シートを含む意味である。)を用いたテーピングが広く採用されている。さらに、難燃性の粘着テープは、コルゲートチューブ等の保護材と組み合わされて、ワイヤーハーネスを構成する電線の被覆の保護に用いられている。
すなわち、ワイヤーハーネスを構成する電線の被覆が自動車パネルのエッヂ部分やその他部品の突出部分等と接触すると、被覆が摩耗し損傷する場合があるので、前記接触が生じやすい部分を含む電線束の所定の位置に、コルゲートチューブ等の保護材を被せ、さらにその外側を難燃性の粘着テープで巻く方法が広く採用されている。
例えば、特許文献1には、電線束の所定の位置にコルゲートチューブを被せさらにその外側を粘着テープで巻いた例が開示されている。ここで開示されているコルゲートチューブはポリプロピレン(PP)やナイロン(Ny)等の樹脂を蛇腹管状に成型して長手にスリットを入れたものであり、鋭利なパネルのエッヂ等と接触しても損傷されずかつある程度の可とう性を備えている。又、ここで開示されている粘着テープは、ポリ塩化ビニル(PVC)等の柔軟で難燃性を有するテープの片面に粘着層を備えたものである。
しかし、前記の方法、すなわちコルゲートチューブ等の保護材と粘着テープによりワイヤーハーネスを保護する方法を採用する場合、先ず、コルゲートチューブをワイヤーハーネスの電線束に被せ、次に粘着テープをコルゲートチューブの端部から電線に被さるように巻付けるという2段階の作業工数が必要である。そして粘着テープに加えてコルゲートチューブ等を要し、部品点数、作業工数が増大しコストアップの原因となる。
さらに、コルゲートチューブの径はワイヤーハーネスの電線束の径よりも大きいので、ワイヤーハーネスが占めるスペースが大きくなり、ワイヤーハーネスの取付け部において、有効利用できるスペースを減少させる問題がある。そこで、コルゲートチューブ等の保護材を用いることなく、コルゲートチューブ等を用いた場合と同等の耐摩耗性を有する難燃性粘着テープ、すなわちテープのみでも、自動車パネルのエッヂ部分等と接触しても損傷されないような優れた耐摩耗性を有する難燃性粘着テープが望まれていた。
本発明は、自動車用のワイヤーハーネスの保護材として用いられる優れた難燃性と、自動車パネルのエッヂ部分等と接触しても損傷されないような優れた耐摩耗性を有する耐摩耗性難燃テープ及び耐摩耗性難燃粘着テープを提供することを課題とする。
本発明者はかかる問題につき、鋭意検討した結果、織布を支持材として、その片面又は両面に難燃性樹脂組成物を塗布又は貼合せてなり、難燃性樹脂組成物により形成される層の厚さが0.3〜0.6mmの範囲にあるテープを使用することにより、自動車用のワイヤーハーネスの保護材として求められる優れた難燃性と優れた耐摩耗性の両立を図ることができること、従って、コルゲートチューブ等の保護材を使用せずに、ワイヤーハーネスの電線束にそのまま巻付けるだけで保護材としての機能を十分発揮することを見出し、本発明を完成した。すなわち、前記の課題は、以下に示す構成により達成される。
請求項1の発明は、織布からなる支持体の少なくとも1表面に、可とう性を有する高分子化合物及び難燃剤を主体として含有する難燃性樹脂組成物を塗布及び/又は貼合せしてなる難燃性樹脂層を有し、厚さが0.30〜0.60mmの範囲であることを特徴とする耐摩耗性難燃テープである。
この耐摩耗性難燃テープは、自動車用のワイヤーハーネスの保護材として求められる優れた難燃性を有する。さらに、自動車パネルのエッヂ部分等と接触して摩耗が繰り返されても損傷されないような優れた耐摩耗性を有し、コルゲートチューブ等の保護材を使用せずに、ワイヤーハーネスの電線束にそのまま巻付けても、従来の、コルゲートチューブ等の保護材を使用した場合と同様に電線束を摩耗等の損傷から保護することができる。さらに、可とう性に優れた高分子化合物を使用すれば柔らかい風合いとなり、巻付け等の際の作業性を損なうこともない。
ここで用いられる織布とは、縦糸(経糸)と横糸(緯糸)を交錯させて作られた布(織物)である。経糸及び緯糸を構成する糸としては、通常、撚りをかけられた撚糸が用いられる。電線束へのテープの巻付けを容易にするため、柔軟性を損なわない材質からなり、かつ柔軟性を損なわない厚さ、織り方の織布が好ましく用いられる。
請求項1の耐摩耗性難燃テープは、織布を支持体とし、支持体の少なくとも1表面に難燃性樹脂層を設けたことを特徴とする。すなわち、難燃性樹脂層は、支持体(織布)の片面のみに設けられていてもよいが、より優れた耐摩耗性を得るためには、支持体(織布)の両方の表面に設けられることが好ましい。
難燃性樹脂層は、難燃性樹脂組成物を支持体(織布)の表面に塗布及び/又は貼合せして形成される。塗布とは、コーターを用いる等の方法により、支持体(織布)の表面に難燃性樹脂組成物を薄く塗る方法である。例えば、難燃性樹脂組成物の溶液(分散液)を支持体(織布)の表面に塗り、加熱等により溶媒を除去する方法により形成することができる。貼合せとは、難燃性樹脂組成物のシートを支持体(織布)の表面上に被せ、加熱や加圧等により接着させる方法である。難燃性樹脂組成物のシートは、予め作製されたものでもよいし、貼合せの際にTダイ等からの押出しにより形成されたものでもよい。
難燃性樹脂層は、2種以上の難燃性樹脂組成物の塗布及び/又は貼合せにより形成されてもよい。すなわち、ある種類の難燃性樹脂組成物を塗布又は貼合せをした後、他の種類の難燃性樹脂組成物を塗布又は貼合せをしてもよい。
難燃性樹脂組成物は、可とう性を有する高分子化合物及び難燃剤を主体とする。主体とするとは、主成分であることを意味し、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上がこれらの組成からなるが、本発明の趣旨を損ねない範囲で他の組成を含んでいてもよいことを意味する。
支持体(織布)の両表面に難燃性樹脂層を形成する場合は、両表面の難燃性樹脂組成物は、互いに同じであっても異なっていてもよい。例えば、一表面にある種類の難燃性樹脂組成物を塗布し、他方の表面に他の種類の難燃性樹脂組成物を貼合せてもよい。
本発明の耐摩耗性難燃テープの厚さは、0.30〜0.60mmの範囲である。すなわち、織布からなる支持体及びその片面又は両面に形成された難燃性樹脂層からなるテープの全体の厚さである。
難燃テープの厚さが0.30mmよりも薄い場合は、自動車用のワイヤーハーネスの保護材とし求められる優れた耐摩耗性は得られない。一方、厚さが0.60mmを越えると自動車用のワイヤーハーネスの保護材とし求められる優れた難燃性は得られない。さらに、テープの風合いが硬くなり巻付けの際の作業性が著しく低下するほか、テープの単位質量が増えることで軽量化の妨げになるとともにコスト増の要因ともなる。
請求項2の発明は、前記難燃剤の含有量が、可とう性を有する高分子化合物の含有量100重量部に対し、5〜300重量部の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の耐摩耗性難燃テープである。
難燃剤の配合量は、可とう性化合物100重量部に対し、5〜300重量部の範囲が好ましい。5重量部未満では、難燃効果が、自動車用のワイヤーハーネスの保護材として求められる程度を十分に満たさない場合がある。一方、300重量部を超えると、耐摩耗性が低下し、自動車用のワイヤーハーネスの保護材とし求められる程度を十分に満たさない場合がある。又、テープさらにはワイヤーハーネスの重量が重くなり、軽量化の目的に反する。
請求項3の発明は、前記織布を構成する繊維が、ポリエステル、ナイロン、アクリル、綿及びレーヨンによりなる群から選ばれる繊維であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の耐摩耗性難燃テープである。
織布を構成する繊維の種類は、電線束へのテープの巻付けを可能にする柔軟性を有し、自動車用のワイヤーハーネスの保護材として求められる難燃性、耐摩耗性を損なうものでない限り特に限定されないが、通常は、ポリエステル、ナイロン、アクリル、綿、又はレーヨン等が使用される。これらの繊維からなる混紡、これらの繊維と他の繊維の混紡であってもよい。
請求項4の発明は、前記織布が、太さが15〜500dtexの撚糸をその経糸及び緯糸に使用し、前記撚糸の打ち込み本数が、経糸及び緯糸とも、1インチにつき20〜300本の範囲にあることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の耐摩耗性難燃テープである。太さが15〜500dtexの範囲の撚糸を使用し、打ち込み本数が20〜300本の範囲にある織布を用いることにより、難燃性、耐摩耗性をより優れたものとすることができる。
請求項5の発明は、前記織布を構成する繊維が、6ナイロン又は6,6ナイロンであり、前記可とう性を有する高分子化合物が、クロロプレンゴム又はアクリルゴムであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の耐摩耗性難燃テープである。織布を構成する繊維として、6ナイロン又は6,6ナイロンを用い、難燃性樹脂組成物を構成する可とう性を有する高分子化合物としてクロロプレンゴム又はアクリルゴムを用いることにより、特に優れた耐摩耗性が得られる。
請求項6の発明は、前記難燃性樹脂組成物が、さらに老化防止剤及び耐摩耗性付与材を含有することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の耐摩耗性難燃テープである。ワイヤーハーネスの使用中に、使用環境によっては、保護材の強度、例えば耐摩耗性が、経時的に低下することがあるが、老化防止剤を前記難燃性樹脂組成物に配合することにより、この経時的低下を抑制することができる。又、前記難燃性樹脂組成物に耐摩耗性付与材を配合することにより、テープの耐摩耗性をより向上させることができる。
本発明の前記耐摩耗性難燃テープを基材とし、その一方の表面に粘着剤層を形成することにより、優れた耐摩耗性と難燃性をともに有する粘着テープを作製することができる。請求項7に記載の発明は、この粘着テープに該当するもので、請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の耐摩耗性難燃テープの片面に、粘着剤層を設けてなることを特徴とする耐摩耗性難燃粘着テープである。
この粘着テープは、本発明の前記耐摩耗性難燃テープから構成されるので、自動車用ワイヤーハーネスに求められる優れた難燃性及び優れた耐摩耗性を有する。そして、粘着性を有するので、電線束にそのまま螺旋状に巻付けるだけで、電線束の外周を保護する外装を作製できる。
請求項8に記載の発明は、絶縁電線の束からなり、前記束の外周に、請求項7に記載の耐摩耗性難燃粘着テープを螺旋状に巻いて外装化したことを特徴とするワイヤーハーネスである。又、請求項9に記載の発明は、請求項8に記載のワイヤーハーネスを含むことを特徴とする車輌である。
前記のように本発明の耐摩耗性難燃粘着テープを、ワイヤーハーネスの電線束等の長尺物品の外周に、そのまま螺旋状に巻付けるだけで、長尺物品の外周を保護する外装を作製でき、優れた難燃性及び耐摩耗性を有する保護層を形成することができる。そして、この長尺物品は、優れた難燃性及び耐摩耗性を有するので、自動車等の車両用のワイヤーハーネスとして好適に用いられる。
本発明の耐摩耗性難燃テープは、自動車用ワイヤーハーネスの保護材に求められる優れた難燃性と、自動車パネルのエッヂ部分等と接触しても損傷されないような優れた耐摩耗性を有する。そこで、この耐摩耗性難燃テープの片面に粘着剤層を有する本発明の耐摩耗性難燃粘着テープも、優れた難燃性及び優れた耐摩耗性を有し、自動車等の車両用ワイヤーハーネスの保護材として好適に用いられる。
[織布]
本発明の耐摩耗性難燃テープの支持体を構成する織布の織り方は、平織、綾織、朱子織のいずれでも良い。又、その素材としては、前記のようにポリエステル、ナイロン、アクリル、綿、レーヨン等を挙げることができる。ポリエステルとしては、PET、PBT、PTT等を挙げることができる。ナイロンとしては、6ナイロン、6,6ナイロン以外にも、6,12ナイロン、6,10ナイロン、6Tナイロン、9Tナイロン、12ナイロン、11ナイロン等を挙げることができる。アクリルとしては、アクリルゴム(ACM)、エチレンアクリルゴム等を挙げることができる。
本発明の耐摩耗性難燃テープの支持体を構成する織布の織り方は、平織、綾織、朱子織のいずれでも良い。又、その素材としては、前記のようにポリエステル、ナイロン、アクリル、綿、レーヨン等を挙げることができる。ポリエステルとしては、PET、PBT、PTT等を挙げることができる。ナイロンとしては、6ナイロン、6,6ナイロン以外にも、6,12ナイロン、6,10ナイロン、6Tナイロン、9Tナイロン、12ナイロン、11ナイロン等を挙げることができる。アクリルとしては、アクリルゴム(ACM)、エチレンアクリルゴム等を挙げることができる。
又、この織布の素材そのものが難燃化されていてもよい。例えば、リン系化合物や窒素系化合物を添加することで難燃化された難燃ポリエステルや、リン系モノマーが共重合された難燃ポリエステルを使用することができる。この織布に使用される撚糸はウーリー加工等が施されていても構わない。
[難燃性樹脂組成物]
この織布の表面に塗布及び/又は貼合される難燃性樹脂組成物は、可とう性を有する高分子化合物と難燃剤を主体としてなり、好ましくは、さらに老化防止剤及び耐摩耗性付与材を配合してなるものである。
この織布の表面に塗布及び/又は貼合される難燃性樹脂組成物は、可とう性を有する高分子化合物と難燃剤を主体としてなり、好ましくは、さらに老化防止剤及び耐摩耗性付与材を配合してなるものである。
織布の表面への難燃性樹脂組成物の塗布方法としては、難燃性樹脂組成物をトルエン等の有機溶剤に溶解して塗料を作製し、ナイフコーター法やコンマコーター法、キスコーター法、リバースロールコーター法等で織布に塗布する方法が挙げられる。
又、織布の表面へ難燃性樹脂組成物を貼合せる方法としては、Tダイや逆L4本カレンダー等で所定の厚さのシートを作製した後、織布へ圧着して貼合せる方法等を挙げることができる。
可とう性を有する高分子化合物とは、厚さ0.30〜0.60mmの樹脂層を形成しても、電線束へのテープの巻付けを可能にする柔軟性を保持できる可とう性を有するものであり、具体的には、天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、スチレン・エチレンブチレン・スチレンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、水添アクリロニトリル・ブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエン共重合ゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、ポリ塩化ビニル、クロロスルホン化ポリエチレン、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等を挙げることができる。これらは単独で用いることもできるし、又は2種以上の混合物として使用することもできる。さらに、塩素化ポリエチレンのように難燃剤として機能するものも使用できる。
難燃剤としては、例えば、塩素化パラフィン、パークロロペンタシクロドデカン、塩素化ポリフェニル、テトラブロムエタン、テトラブルムブタン、ペンタブロモエチルベンゼン、ヘキサブロムベンゼン、ヘキサブロモビフェニル、エチレンビスペンタブロモベンゼン、臭素化ポリフェニル等のハロゲン系難燃剤、赤燐、トリクレジルフォスフェート、トリフェニルフォスフェート、フォスファゼン、ポリ燐酸アンモン、アルキルホスフィン金属塩等のリン系難燃剤、及び三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛等の無機系難燃剤を挙げることができる。さらに、塩素化ポリエチレンのように、可とう性を有する高分子化合物となるものも挙げることができる。これらの難燃剤は、単独で用いることもできるし又は2種以上の混合物として使用することもできる。
難燃性樹脂組成物に配合される老化防止剤は、可とう性高分子化合物の経時的劣化を防止するために加えられるものであり、難燃性樹脂組成物を構成する可とう性高分子化合物の特性に合わせて、適宜選択される。例えば、フェノール系のペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を挙げることができ、この老化防止剤はイルガノックス1010(BASF社製)の商品名で市販されている。
難燃性樹脂組成物に配合される耐摩耗性付与材としては、シリコーンオイル、ポリエチレンワックス、シリコーンパウダー、フッ素パウダー、ポリエチレンパウダー、シリコーン樹脂グラフトアクリル樹脂、フッ素樹脂グラフトアクリル樹脂、シリコーン変性ポリエステル等が好適に使用される。これらの耐摩耗性付与材は、単独で使用することもできるし又は2種以上を混合物して使用することもできる。耐摩耗性付与材の添加量は、可とう性高分子化合物100重量部に対し、0.1〜50重量部の範囲が好ましい。0.1重量部未満では、耐摩耗性の向上が見られない場合がある。一方、50重量部以上の場合は、配合量を増やしても耐摩耗性の向上が見られない場合が多く、価格が高くなるので好ましくない。
本発明の耐摩耗性難燃粘着テープは、織布からなる支持体に難燃性樹脂組成物を塗布又は/及び貼合わせしてなる基材の片面に、粘着剤からなる粘着剤層を全面あるいは部分的に設けたものである。粘着剤としては、ゴム系、シリコーン系、ホットメルト系、アクリル系、エマルジョン系等の、既知の粘着テープに使用される粘着剤と同様なものを適用することができるが、中でもゴム系、アクリル系及びシリコーン系の粘着剤が、価格と接着性の観点から好ましい。
ゴム系、シリコーン系、ホットメルト系粘着剤のベースポリマーとしては、天然ゴム、シリコーンゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ポリイソプレン、ニトリルゴム等を使用できる。これらに、ロジンエステル系粘着付与剤、テルペン系粘着付与剤、脂肪族石油炭化水素系粘着付与剤、脂肪族石油炭化水素系粘着付与剤等から選ばれる粘着付与剤、及び水添化合物等を配合して粘着性を高めることが好ましい。又、熱反応性フェノール樹脂を配合することにより、架橋構造を導入し、粘着性能を制御することも可能である。オイル、ワックス、酸化防止剤等の添加剤を添加してもよい。これらを添加する場合の添加量は常法に従って決定される。
アクリル系粘着剤としては、(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体又は(メタ)アクリル酸エステルと共重合性モノマーとの共重合体等が挙げられる。(メタ)アクリル酸エステル、共重合性モノマーとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、グリシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリル酸N−ヒドロキシアミド、(メタ)アクリル酸アルキルアミノアルキルエステル、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル等を挙げることができる。これらの中で、主モノマーとしては、通常、そのホモポリマー(単独重合体)のガラス転移温度が−50℃以下となるアクリル酸アルキルエステルが好ましい。又、これらの重合体は多官能性イソシアネート等を添加する方法で架橋度を調整し、粘着力を制御することも可能である。
粘着剤層は、これらの成分をトルエン等の有機溶剤に溶解し、流延法、ロールコーター法、リバースコーター法、ドクターブレード法等で基材上に塗布し、乾燥炉で揮発除去して形成することができる。粘着剤層の厚さは、一般に10〜50μm程度、好ましくは15〜40μm程度である。
難燃性樹脂組成物層を構成する樹脂には、架橋処理を施すこともできる。架橋処理を施すことによりテープの耐熱性向上を図ることができる場合もある。架橋処理の方法としては、電子線、ガンマ線等の電離放射線の照射、難燃性樹脂組成物中に予め架橋剤を添加しておき加圧水蒸気等で熱架橋する方法、シラン架橋等を挙げることができるが、制御の容易さや架橋処理の速さ等の点で電子線の照射が好ましい。この場合、電子線の加速電圧は200kV〜1MeV、照射線量は30〜400kGyが好ましい。さらに難燃性樹脂組成物には、架橋助剤として、トリメチロールプロパントリアクリレートやトリメチロールプロパントリメタクリレート、トリアリルイソシアヌレートのような多官能性モノマーを添加してもよい。
次に、本発明を実施するための形態を実施例により説明する。なお、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない限り、他の形態へ変更することができる。
[難燃性樹脂組成物の作製]
下記の表1及び2に記載の組成を、表1及び2に示す配合(重量部)で、ゴム用混練機を使用して混練し、トルエン等の有機溶媒で任意の固形分まで溶解し、難燃性樹脂組成物塗料を作製した。表1及び2に示すように、それぞれを組成物1〜8とする。
下記の表1及び2に記載の組成を、表1及び2に示す配合(重量部)で、ゴム用混練機を使用して混練し、トルエン等の有機溶媒で任意の固形分まで溶解し、難燃性樹脂組成物塗料を作製した。表1及び2に示すように、それぞれを組成物1〜8とする。
なお、組成物1〜8を構成する各成分としては、以下に示すものを用いた。
・塩素化ポリエチレン: 昭和電工社製 エラスレン401AE
・クロロプレンゴム: 東ソー社製 スカイプレンB30
・ウレタン: ポリカーボネートジアミン系ポリウレタン
・アクリル: トウペ社製 XE5550
・臭素系難燃剤: アルベマール日本社製 サイテックス8010
・TCP: 保土ヶ谷化学社製 TCP
・老化防止剤: BASF社製 イルガノックス1010
・シリコーンオイル: 東レダウコーニング社製 SH200
・加硫促進剤: 川口化学工業社製 アクセル22S
・顔料: 山陽色素社製 カラーテックスブラック702
・塩素化ポリエチレン: 昭和電工社製 エラスレン401AE
・クロロプレンゴム: 東ソー社製 スカイプレンB30
・ウレタン: ポリカーボネートジアミン系ポリウレタン
・アクリル: トウペ社製 XE5550
・臭素系難燃剤: アルベマール日本社製 サイテックス8010
・TCP: 保土ヶ谷化学社製 TCP
・老化防止剤: BASF社製 イルガノックス1010
・シリコーンオイル: 東レダウコーニング社製 SH200
・加硫促進剤: 川口化学工業社製 アクセル22S
・顔料: 山陽色素社製 カラーテックスブラック702
又、下記の実施例、比較例に使用する織布としては以下に示すものを用いた。
・PET、難燃性PET: 帝人社製
・レーヨン: 睦美産業社製
・綿: 睦美産業社製
・ナイロン: 東レ社製
・PET、難燃性PET: 帝人社製
・レーヨン: 睦美産業社製
・綿: 睦美産業社製
・ナイロン: 東レ社製
[基材の作製]
実施例1〜7、比較例1〜8
表3、4、5又は6にその素材や構成や厚さ等を示す織布の両表面(表面1及び表面2)に、ナイフコーターを用いて表中記載の難燃性樹脂組成物を塗布し、100℃の下で溶媒を乾燥させ、それぞれの表面に難燃性樹脂層を形成し、基材を作製した。難燃性樹脂層の合計の厚さ(及び単位重量)を表に示す。
実施例1〜7、比較例1〜8
表3、4、5又は6にその素材や構成や厚さ等を示す織布の両表面(表面1及び表面2)に、ナイフコーターを用いて表中記載の難燃性樹脂組成物を塗布し、100℃の下で溶媒を乾燥させ、それぞれの表面に難燃性樹脂層を形成し、基材を作製した。難燃性樹脂層の合計の厚さ(及び単位重量)を表に示す。
実施例8〜12、比較例9、10
表4又は6にその素材や構成や厚さ等を示す織布の両表面(表面1及び表面2)に、ナイフコーターを用いて表中記載の難燃性樹脂組成物を塗布し、100℃の下で溶媒を乾燥させ、それぞれの表面に樹脂層を形成した。その後、表面2側に形成された樹脂層上に、カレンダーを用いて所定の厚さにした難燃性樹脂組成物のシートを貼りあわせて基材を作製した。両表面に形成された難燃性樹脂層の合計の厚さ(及び単位重量)を表に示す。
表4又は6にその素材や構成や厚さ等を示す織布の両表面(表面1及び表面2)に、ナイフコーターを用いて表中記載の難燃性樹脂組成物を塗布し、100℃の下で溶媒を乾燥させ、それぞれの表面に樹脂層を形成した。その後、表面2側に形成された樹脂層上に、カレンダーを用いて所定の厚さにした難燃性樹脂組成物のシートを貼りあわせて基材を作製した。両表面に形成された難燃性樹脂層の合計の厚さ(及び単位重量)を表に示す。
比較例11〜20
表7又は8に示す難燃性樹脂組成物をカレンダーで所定の厚さのシートにして難燃性樹脂組成物のみからなる基材を作製した。
表7又は8に示す難燃性樹脂組成物をカレンダーで所定の厚さのシートにして難燃性樹脂組成物のみからなる基材を作製した。
比較例21〜33
表9、10又は11にその素材や構成や厚さ等を示す織布を基材とした。
表9、10又は11にその素材や構成や厚さ等を示す織布を基材とした。
[粘着剤の調製と塗布]
実施例4、6、7、10及び比較例4、6、7、10、14、16、17、20、24、26、27、30、33で作製された基材の表面2側に、以下に示すようにアクリル系又はゴム系の粘着剤層を形成した。粘着剤の種類、粘着剤層の厚さを表に示す。
実施例4、6、7、10及び比較例4、6、7、10、14、16、17、20、24、26、27、30、33で作製された基材の表面2側に、以下に示すようにアクリル系又はゴム系の粘着剤層を形成した。粘着剤の種類、粘着剤層の厚さを表に示す。
(アクリル系粘着剤)
冷却管、窒素導入管、温度計及び撹拌装置を備えた反応容器に、溶媒のトルエン及びアクリル酸2−エチルヘキシル100重量部、アクリル酸2重量部、重合開始剤としての過酸化ベンゾイル0.2重量部を入れ、60℃で8時間反応させて、ポリマー溶液を得た。このポリマー溶液に、ポリイソシアネート系架橋剤(商品名:コロネートL、日本ポリウレタン工業社製)を、ポリマー固形分100重量部に対して3重量部添加したものを調製した。これを、上記の基材の表面2側にコロナ処理を行いつつ、リバースコーターにて塗布し、100℃の恒温槽内で3分間乾燥させて、アクリル系粘着剤層を形成した。
冷却管、窒素導入管、温度計及び撹拌装置を備えた反応容器に、溶媒のトルエン及びアクリル酸2−エチルヘキシル100重量部、アクリル酸2重量部、重合開始剤としての過酸化ベンゾイル0.2重量部を入れ、60℃で8時間反応させて、ポリマー溶液を得た。このポリマー溶液に、ポリイソシアネート系架橋剤(商品名:コロネートL、日本ポリウレタン工業社製)を、ポリマー固形分100重量部に対して3重量部添加したものを調製した。これを、上記の基材の表面2側にコロナ処理を行いつつ、リバースコーターにて塗布し、100℃の恒温槽内で3分間乾燥させて、アクリル系粘着剤層を形成した。
(ゴム系粘着剤)
天然ゴム50部、スチレン系エラストマー(商品名:クイントンD、クレイトンジャパン社製)40部、テルペンフェノール樹脂(商品名:YSポリスター2100、ヤスハラケミカル社製)10部、及び酸化防止剤(イルガノックス1010:チバスペッシャリティーケミカルズ社製)1部をトルエン中で混合し、固形分濃度20%のゴム系粘着剤を作製した。これを、上記の基材の表面2側にコロナ処理を行いつつ、リバースコーターにて塗布し、100℃の恒温槽内で3分間乾燥させて、ゴム系粘着剤層を形成した。
天然ゴム50部、スチレン系エラストマー(商品名:クイントンD、クレイトンジャパン社製)40部、テルペンフェノール樹脂(商品名:YSポリスター2100、ヤスハラケミカル社製)10部、及び酸化防止剤(イルガノックス1010:チバスペッシャリティーケミカルズ社製)1部をトルエン中で混合し、固形分濃度20%のゴム系粘着剤を作製した。これを、上記の基材の表面2側にコロナ処理を行いつつ、リバースコーターにて塗布し、100℃の恒温槽内で3分間乾燥させて、ゴム系粘着剤層を形成した。
[電子線照射による架橋処理]
実施例2、7、12及び比較例2、7、12、17、22、27、31については、前記で作製した基材に、加速電圧1MeVの電子線を250kGy照射した後、粘着剤を塗工して、粘着剤層を形成した。
実施例2、7、12及び比較例2、7、12、17、22、27、31については、前記で作製した基材に、加速電圧1MeVの電子線を250kGy照射した後、粘着剤を塗工して、粘着剤層を形成した。
[テープ状サンプルの作製]
以上のように、作製された基材、又は粘着剤層が形成された基材を、19mm幅にスリット加工してテープ状サンプル(試験片)を作製し、下記の評価に供した。その結果を表に示す。
以上のように、作製された基材、又は粘着剤層が形成された基材を、19mm幅にスリット加工してテープ状サンプル(試験片)を作製し、下記の評価に供した。その結果を表に示す。
[難燃性の評価]
JIS K 7201に示す装置を用い、試験片上部が燃焼円筒の上端部から100mm以上になるように針金を支持体として試験片を垂直に装置に取り付ける。点火器で試験片の上端部に接炎し、15秒接炎するか、あるいは明らかに燃焼し始めたら、接炎を止め直ちに消炎するまでの時間を測定する。消炎までの時間が4秒を越える時は酸素濃度を下げ、着火後すぐに消えるか4秒未満で消える時は酸素濃度を上げて、消炎時間の測定を繰り返し、4秒以下で消炎する最大酸素流量を決定し、下式でOI値を求める。OI値が23.5以上を合格とした。
OI値=(酸素流量)×100/(酸素流量+窒素流量)
JIS K 7201に示す装置を用い、試験片上部が燃焼円筒の上端部から100mm以上になるように針金を支持体として試験片を垂直に装置に取り付ける。点火器で試験片の上端部に接炎し、15秒接炎するか、あるいは明らかに燃焼し始めたら、接炎を止め直ちに消炎するまでの時間を測定する。消炎までの時間が4秒を越える時は酸素濃度を下げ、着火後すぐに消えるか4秒未満で消える時は酸素濃度を上げて、消炎時間の測定を繰り返し、4秒以下で消炎する最大酸素流量を決定し、下式でOI値を求める。OI値が23.5以上を合格とした。
OI値=(酸素流量)×100/(酸素流量+窒素流量)
[耐摩耗性の評価]
ISO6722に準拠し、ブレード往復試験(スクレープアブレージョン)法により評価した。すなわち長さ750mm、幅19mmの試験片(テープ状サンプル)をφ5.5mmの鋼棒に貼付して固定し、先端にJIS G3521(硬鋼線)に規定されたC種の硬鋼線からなる径0.45±0.015mmの球がついたメタルプランジャを接触させて、荷重10Nを加えた。次にメタルプランジャを50〜60回/分の速さで往復運動させ、硬鋼線がφ5.5mmの鋼棒と接触するまでの往復回数を測定した。1回の試料テープの測定後、新たにサンプルを取り替え、同じ測定を5回繰り返した。5回の中で、鋼棒と接触するまでの往復回数が最小の場合の測定値(最小往復回数:MZN)を、表の耐摩耗性の欄に示した。最小往復回数が200回以上であれば合格とした。
ISO6722に準拠し、ブレード往復試験(スクレープアブレージョン)法により評価した。すなわち長さ750mm、幅19mmの試験片(テープ状サンプル)をφ5.5mmの鋼棒に貼付して固定し、先端にJIS G3521(硬鋼線)に規定されたC種の硬鋼線からなる径0.45±0.015mmの球がついたメタルプランジャを接触させて、荷重10Nを加えた。次にメタルプランジャを50〜60回/分の速さで往復運動させ、硬鋼線がφ5.5mmの鋼棒と接触するまでの往復回数を測定した。1回の試料テープの測定後、新たにサンプルを取り替え、同じ測定を5回繰り返した。5回の中で、鋼棒と接触するまでの往復回数が最小の場合の測定値(最小往復回数:MZN)を、表の耐摩耗性の欄に示した。最小往復回数が200回以上であれば合格とした。
難燃性樹脂層の厚さが0.3〜0.6mmの範囲にある実施例1〜12の耐摩耗性難燃テープでは、自動車用ワイヤーハーネスに求められる優れた難燃性と耐摩耗性をともに有することが、表3、4に示された結果より明らかである。さらに、これらの耐摩耗性難燃テープは、風合いも柔らかく、電線束への巻付けの作業性に影響しない。
中でも、支持体に6,6ナイロンを用い、難燃性樹脂層の少なくとも一方にクロロプレンゴムを用いた実施例8〜12では、非常に高い耐摩耗性が得られている。
一方、難燃性樹脂層の厚さが0.30mm未満の比較例1、3、5、7、9の場合は、耐摩耗性が低く、一方、0.60mmよりも厚い比較例2、4、6、8、10の場合は、十分な難燃性が得られていないことが表5、6の結果より明らかである。すなわち、難燃性樹脂層の厚さが0.30〜0.60mmの範囲で、優れた難燃性と耐摩耗性が両立することが上記の結果より示されている。さらに、難燃性樹脂層の厚さが0.60mmよりも厚い場合は、風合いが硬くなり電線束への巻付けの作業性が著しく低下するとともに、テープの単位質量の増加による軽量化の妨げ、更にテープのコスト増につながることがわかった。
難燃性樹脂組成物のみからなるテープ状サンプルであって厚さが0.30mm未満の比較例14、16、19の場合は、所定の難燃性は確保できるが耐摩耗性が低い。一方、厚さが0.30mm以上の比較例11〜13、15、17、18、20の場合は、耐摩耗性は得られたが難燃性が低下した。この結果より、難燃性樹脂組成物だけで基材を形成した場合は、優れた耐摩耗性及び難燃性の両立が図れないことが示されている。又、厚さが0.30mm以上の場合は、風合いが硬くなり電線束への巻付けの作業性が著しく低下することがわかった。
比較例21〜33は、織布のみからなるテープ状サンプルであるが、その厚さに関係なく、難燃性が得られないことがわかった。比較例31〜33のように、難燃化されたポリエステル繊維を用いても難燃性が得られなかった。又、耐摩耗性も著しく低かった。
本発明の耐摩耗性難燃テープを自動車用ワイヤーハーネスの保護材として使用すれば、コルゲートチューブ等の保護材を用いなくても、自動車用ワイヤーハーネスに求められる優れた耐摩耗性が得られ、又難燃性にも優れている。本発明の耐摩耗性難燃テープは、風合いも柔らかく巻付けの作業性も損なわれないことから、ワイヤーハーネス分野での利用価値は大きいものがある。
Claims (9)
- 織布からなる支持体の少なくとも1表面に、可とう性を有する高分子化合物及び難燃剤を主体として含有する難燃性樹脂組成物を塗布及び/又は貼合せしてなる難燃性樹脂層を有し、厚さが0.30〜0.60mmの範囲であることを特徴とする耐摩耗性難燃テープ。
- 前記難燃剤の含有量が、可とう性を有する高分子化合物の含有量100重量部に対し、5〜300重量部の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の耐摩耗性難燃テープ。
- 前記織布を構成する繊維が、ポリエステル、アクリル、ナイロン、レーヨン及び綿により構成される群から選ばれる繊維であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の耐摩耗性難燃テープ。
- 前記織布が、太さが15〜500dtexの撚糸をその経糸及び緯糸に使用し、前記撚糸の打ち込み本数が、経糸及び緯糸とも、1インチにつき20〜300本の範囲にあることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の耐摩耗性難燃テープ。
- 前記織布を構成する繊維が、6ナイロン又は6,6ナイロンであり、前記可とう性を有する高分子化合物が、クロロプレンゴム又はアクリルゴムであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の耐摩耗性難燃テープ。
- 前記難燃性樹脂組成物が、さらに老化防止剤及び耐摩耗性付与材を含有することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の耐摩耗性難燃テープ。
- 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の耐摩耗性難燃テープの片面に、粘着剤層を設けてなることを特徴とする耐摩耗性難燃粘着テープ。
- 絶縁電線の束からなり、前記束の外周に、請求項7に記載の耐摩耗性難燃粘着テープを螺旋状に巻いて外装化したことを特徴とするワイヤーハーネス。
- 請求項8に記載のワイヤーハーネスを含むことを特徴とする車輌。
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- 2010-09-13 JP JP2010204421A patent/JP2012056284A/ja active Pending
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