JP2012050177A - 高調波抑制装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】高調波抑制装置7は、スイッチング素子12r〜12t及び12x〜12zをPWM制御する場合に、0%≦デューティー比<100%となるように、デューティー制限をかける。
【選択図】図1
Description
(高調波抑制装置7の構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係る高調波抑制装置7及び電力変換装置6の回路ブロック図である。
図1で示されるように、三相交流電源1から3本の出力線が延びており、交流電圧を直流電圧に整流する整流器2に接続されている。整流器2の出力側は、リアクター3を介して、整流器2が出力する直流電圧を平滑する平滑コンデンサー4が並列接続されている。その平滑コンデンサー4の両端には、負荷5が並列接続されている。上記の整流器2、リアクター3及び平滑コンデンサー4によって電力変換装置6が構成されている。
なお、上記のACL11a〜11cは、本発明の「リアクター」に相当する。
なお、上記の3つのアームが並列接続され、それぞれのスイッチング素子にダイオードが逆並列に接続されたものは、本発明の「整流器」に相当する。
駆動回路14r〜14tは、前述のように、上側スイッチング素子を駆動させるものであり、図2で示されるように、制御電源からダイオード21を介して充電されるブートストラップコンデンサー22、そして、このブートストラップコンデンサー22の両端電圧によって電源供給され、上側スイッチング素子を駆動させるドライバー素子23、そして、制御電源からの電流を制限する制限抵抗24によって構成されている。なお、図2で示されるように、制限抵抗24は、ダイオード21のアノード側に接続されているが、カソード側に接続されるものとしてもよい。
図3は、図1で示される回路の各部電流波形を示す図である。このうち、図3(a)は、図1で示されるような電力変換装置6に接続された負荷5に流れる負荷電流の波形を示す図であり、図3(b)は、図1で示される高調波抑制装置7から流れ、三相交流電源1に流れる系統電流の高調波を抑制するためのAF(Active Filter、アクティブフィルター)電流の波形を示す図であり、そして、図3(c)は、高調波抑制装置7から流れ出たAF電流によって高調波が抑制された後の三相交流電源1の系統電流の波形を示す図である。
図3(c)で示されるように、高調波抑制装置7によるAF電流によって高調波が抑制された系統電流は、歪みのない正弦波電流となる。この高調波抑制装置7によって、図3(b)で示されるAF電流を流す制御動作については公知技術である。
以上の構成及び動作のように、高調波抑制装置7による系統電流に対する高調波抑制動作中において、上下スイッチング素子のPWM制御において、0%≦デューティー比<100%となるデューティー制限をかけることによって、高調波抑制機能を確保しつつ、上側スイッチング素子の駆動回路14r〜14tにおけるブートストラップコンデンサー22を充電させることができる。このとき、デッドタイムTdを基準として、このデッドタイムTdより小さい時間のデューティー制限時間とすることによって、高調波抑制機能にも影響を与えず、かつ、ブートストラップコンデンサー22への充電動作の機能も確保することができる。
また、ワイドバンドギャップ半導体は、耐熱性もよいので、スイッチング素子に対するヒートシンクを小型化することもできる。
さらに、ワイドバンドギャップ半導体をスイッチング素子に適用することによって、そのオン抵抗が低く導通損失が小さくなり、また、スイッチング損失も小さくなり、総じて電力損失が小さくなって、ブートストラップコンデンサー22の充電時間が短くなり、そして、そのON/OFF動作の高周波化が可能となるので、後述するようにブートストラップコンデンサー22への充電タイミングの周期も早くすることができる。ここで、仮に、従来の半導体に使用されているSiによって構成されたスイッチング素子と、ワイドバンドギャップ半導体によって構成されたスイッチング素子をON/OFF動作させる際に必要な電荷量が同じだと仮定すると、充放電周期が早くなり、充電時間が短くなることとなるのは前述の通りだが、この結果、ワイドバンドギャップ半導体の利点であるスイッチング素子及びヒートシンクは小型化できても、上側スイッチング素子に対応する駆動回路14r〜14tのブートストラップコンデンサー22の容量を増加させる必要が生じる。しかし、前述のように自然転流のない本実施の形態に係る高調波抑制装置7にワイドバンドギャップ半導体を適用する場合、デューティー制限を実施することによって、ブートストラップコンデンサー22の容量を大きくせずに、その両端電圧を低下させることなく、高調波抑制装置7を動作させることが可能となる。
本実施の形態に係る高調波抑制装置について、実施の形態1に係る高調波抑制装置7の動作と相違する点を中心に説明する。なお、本実施の形態に係る高調波抑制装置及び電力変換装置の構成は、実施の形態1に係る高調波抑制装置7及び電力変換装置6の構成と同様である。したがって、本実施の形態においても、図1で示される同一部品については同一符号を用いて説明する。
図4は、本発明の実施の形態2に係る下側スイッチング素子のON/OFF動作を示す動作波形図である。このうち、図4(a)は、三相交流電源1の線間電圧の波形図であり、図4(b)は、三相交流電源1の各相電圧の波形図であり、そして、図4(c)は、下側スイッチング素子のON/OFF動作を示す動作波形図である。
図4で示されるように、時刻t=0の時点から高調波抑制装置7を起動させるためのブートストラップコンデンサー22への充電を開始するものとする。時刻t=0の時点では、最小相はS相であるため、制御装置20は、S相に接続されている下側スイッチング素子であるスイッチング素子12yをONさせる。また、時刻t=0における他の2つの相は正極性であるため、制御装置20は、他の下側スイッチング素子であるスイッチング素子12x及び12zをOFFとする。
以上の動作のように、120°区間のみの充電と比較して、ブートストラップコンデンサー22に充電するタイミングを長くし、PWM制御が実施されている場合には、2つのブートストラップコンデンサー22を同時に充電することができるので、充電までの時間を短縮することができ、この場合、PWM制御時における短絡電流による三相交流電源1への影響を最小限度に抑制することができるので、高調波抑制装置7を速やか、かつ、円滑に起動することができる。
本実施の形態においては、実施の形態1又は実施の形態2に係る高調波抑制装置7及び電力変換装置6を備えた空気調和機について説明する。
図5は、本発明の実施の形態3に係る空気調和機36の全体構成図であり、図6は、同空気調和機36の外観斜視図である。
図5で示されるように、図1で示される負荷5として、インバーター30、及び、そのインバーター30の高周波電流によって駆動する圧縮機31が接続されている。この圧縮機31から、冷媒配管によって、凝縮器32、膨張装置33及び蒸発器34の順に接続され、冷凍サイクル部35を構成している。
以上の構成のように、本実施の形態に係る空気調和機36は、ワイドバンドギャップ半導体によって構成されたスイッチング素子を有する高調波抑制装置7を備えるので、その高調波抑制装置7は小型化でき、さらにそれによって、高調波抑制装置7を、空気調和機36に内蔵することができる。
また、高調波抑制装置7を空気調和機36に内蔵させることによって、雨雪、海風又は砂等が配線用の隙間から入り込むことによるトラッキング若しくはイオンマイグレーション等の短絡故障、又は、錆若しくは腐食による構造劣化破壊等から保護することが容易になり、信頼性を向上させた空気調和機36を得ることができる。
Claims (12)
- 交流電源の各相にその一端が接続されたリアクターと、
2つのスイッチング素子が直列に接続された複数のアームが並列接続され、その接続点である中点に前記リアクターの他端が接続された整流部と、
該整流部の出力端に並列接続されたコンデンサーと、
前記各スイッチング素子をON/OFF動作させる駆動回路と、
前記交流電源に接続され、その交流電圧を直流電圧に変換する電力変換装置から発生する高調波電流を抑制するためのアクティブフィルター電流を生成するために、前記駆動回路に前記スイッチング素子のON/OFF動作を実施させる制御装置と、
を備え、
前記アームは、前記コンデンサーの正極側から電流を流すか否かを制御する上側スイッチング素子と、前記中点から前記コンデンサーの負極側に電流を流すか否かを制御する下側スイッチング素子との直列回路によって構成され、
前記上側スイッチング素子をON/OFF動作させる前記駆動回路は、前記上側スイッチング素子を駆動させるための電源として作用するブートストラップコンデンサーを有し、
該ブートストラップコンデンサーは、制御電源から充電され、その負極側が、対応する前記アームの前記中点に接続され、
前記制御装置は、前記アクティブフィルター電流による高調波抑制動作を実施している場合において、前記ブートストラップコンデンサーを充電するために、前記スイッチング素子のデューティー比を0%以上100%未満に制限する
ことを特徴とする高調波抑制装置。 - 前記制御装置は、前記アクティブフィルター電流による高調波抑制動作を実施している場合に、前記スイッチング素子のデューティー比が100%となる時間を前記交流電源の電源周期の5%以下とする
ことを特徴とする請求項1記載の高調波抑制装置。 - 前記制御装置は、前記アクティブフィルター電流による高調波抑制動作を実施している場合に、前記スイッチング素子のデューティー比を制限する時間を、同一の前記アームの上下の前記スイッチング素子を双方OFFさせるデッドタイムよりも短くする
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の高調波抑制装置。 - 前記制御装置は、前記アクティブフィルター電流による高調波抑制動作の起動のための前記ブートストラップコンデンサーの充電のために、前記交流電源の位相に基づいて、前記下側スイッチング素子を駆動する前記駆動回路に、該下側スイッチング素子の動作を実施させる
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の高調波抑制装置。 - 前記制御装置は、前記アクティブフィルター電流による高調波抑制動作の起動のための前記ブートストラップコンデンサーの充電のために、前記下側スイッチング素子を駆動する前記駆動回路に、該下側スイッチング素子を、その対応する前記交流電源の位相が最小相のときに常時ON動作させ、前記交流電源の位相が最小相ではなく、かつ、負極性であるときにPWM制御を実施させる
ことを特徴とする請求項4記載の高調波抑制装置。 - 前記リアクターに流れる電流を検出する電流検出手段を備え、
前記制御装置は、前記アクティブフィルター電流による高調波抑制動作の起動のための前記ブートストラップコンデンサーの充電のために、前記下側スイッチング素子を駆動する前記駆動回路に、前記電流検出手段によって検出された電流に基づいて、PWM制御を実施させる
ことを特徴とする請求項5記載の高調波抑制装置。 - 前記上側スイッチング素子をON/OFF動作させる前記駆動回路は、前記制御電源から制限抵抗及びダイオードを介して前記ブートストラップコンデンサーに接続された構成を有した
ことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の高調波抑制装置。 - 前記スイッチング素子は、ワイドバンドギャップ半導体によって構成された
ことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の高調波抑制装置。 - 前記ワイドバンドギャップ半導体は、GaN(窒化ガリウム)、SiC又はダイヤモンドである
ことを特徴とする請求項8記載の高調波抑制装置。 - 前記交流電源は、三相交流電源であり、
前記整流器は、前記三相交流電源の各相に応じて設置された3つの前記アームの並列接続によって構成された
ことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載の高調波抑制装置。 - 圧縮機、凝縮器、膨張装置及び蒸発器が冷媒配管によって環状に接続された冷凍サイクル部と、
前記電圧変換装置によって電源供給され、前記圧縮機を駆動するインバーターと、
該インバーターが発生する高調波電流を抑制する請求項1〜請求項10のいずれかに記載の高調波抑制装置と、
を備えた
ことを特徴とする空気調和機。 - 請求項1〜請求項10のいずれかに記載の高調波抑制装置は、空気調和機本体に内蔵された
ことを特徴とする請求項11記載の空気調和機。
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