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JP2012041422A - 硬化性組成物及びそれを用いた光半導体装置 - Google Patents

硬化性組成物及びそれを用いた光半導体装置 Download PDF

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JP2012041422A
JP2012041422A JP2010182817A JP2010182817A JP2012041422A JP 2012041422 A JP2012041422 A JP 2012041422A JP 2010182817 A JP2010182817 A JP 2010182817A JP 2010182817 A JP2010182817 A JP 2010182817A JP 2012041422 A JP2012041422 A JP 2012041422A
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JP
Japan
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curable composition
optical semiconductor
acid anhydride
curable
cured product
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Withdrawn
Application number
JP2010182817A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Maenaka
寛 前中
Yasunari Kusaka
康成 日下
Takuji Aoyama
卓司 青山
Ryosuke Takahashi
良輔 高橋
Shunsuke Kondo
峻右 近藤
Takanori Inoue
孝徳 井上
Yu Yamada
佑 山田
Takashi Watanabe
貴志 渡邉
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】放熱性が高く、更に耐熱・耐光性に優れた硬化物を得ることができる硬化性組成物を提供する。
【解決手段】本発明に係る硬化性組成物は、パッケージを用いずに、熱伝導体2と導電層4とを有する基板の導電層4上に光半導体素子5を直接搭載したチップオンボード方式の光半導体装置1を得る際に、熱伝導率が10W/m・K以上である熱伝導体2を導電層4に接着するために用いられる。本発明に係る硬化性組成物は、2個以上のエポキシ基又は2個以上のオキセタン基を有する硬化性化合物と、硬化剤と、酸化防止剤及びヒンダードアミン光安定剤の内の少なくとも1種と、熱伝導率が10W/m・K以上であるフィラーとを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、パッケージを用いずに、熱伝導体と導電層とを有する基板の導電層上に光半導体素子を直接搭載したチップオンボード(COB)方式の光半導体装置を得る際に用いられる硬化性組成物に関する。より詳細には、本発明は、上記光半導体装置を得る際に、熱伝導率が10W/m・K以上である熱伝導体を導電層に接着するために用いられる硬化性組成物、並びに該硬化性組成物を用いた光半導体装置に関する。
発光ダイオード(LED)素子などの光半導体素子が、表示装置の光源等に広く用いられている。光半導体素子を用いた光半導体装置は、消費電力が低く、かつ寿命が長い。また、光半導体装置は、過酷な環境下でも使用され得る。従って、光半導体装置は、携帯電話用バックライト、液晶テレビ用バックライト、自動車用ランプ、照明器具及び看板などの幅広い用途で使用されている。
上記光半導体装置では、LED素子から発生した熱を拡散するために、放熱性が高い熱伝導体を、LED素子を搭載する導電層に接着した基板が用いられている。上記熱伝導体としては、熱伝導率が10W/m・K以上であるアルミニウム等が存在する。上記熱伝導体を導電層に接着するために、絶縁性を有する絶縁接着材料が用いられている。絶縁接着材料には、熱伝導率が高いことが強く求められている。
上記絶縁接着材料の一例として、下記の特許文献1には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、フェノールノボラック、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、及びアルミナを含有する絶縁接着剤が開示されている。ここでは、エポキシ樹脂の硬化剤として、3級アミン、酸無水物、イミダゾール化合物、ポリフェノール樹脂及びマスクイソシアネート等が挙げられている。
特開平08−332696号公報
更なる高輝度化を目的として、チップオンボード方式の光半導体装置では、基板の導電層上にLED素子を直接搭載するために、LED素子を封入するための従来用いられていたパッケージを用いない。
チップオンボード方式の光半導体装置では、パッケージを用いずに、基板の導電層上にLED素子を直接搭載するために、発生した熱が効率よく拡散される。一方で、パッケージを用いないために、基板の絶縁層が、LED素子から発せられた光と発生した熱との影響を大きく受ける。このため、特許文献1に記載のような従来の絶縁接着材料を用いて光半導体装置の絶縁層を形成すると、該絶縁層が経時的に劣化して、絶縁性及び接着性が低下するという問題がある。
本発明の目的は、放熱性が高く、更に耐熱・耐光性に優れた硬化物を得ることができる硬化性組成物、並びに該硬化性組成物を用いた光半導体装置を提供することである。
本発明の広い局面によれば、パッケージを用いずに、熱伝導体と導電層とを有する基板の導電層上に光半導体素子を直接搭載したチップオンボード方式の光半導体装置を得る際に、熱伝導率が10W/m・K以上である上記熱伝導体を上記導電層に接着するために用いられる硬化性組成物であって、2個以上のエポキシ基又は2個以上のオキセタン基を有する硬化性化合物と、硬化剤と、熱伝導率が10W/m・K以上であるフィラーと、酸化防止剤及びヒンダードアミン系光安定剤の内の少なくとも1種とを含む、硬化性組成物が提供される。
本発明に係る硬化性組成物の硬化後の硬化物のガラス転移温度は100℃以上であることが好ましい。
上記フィラーは、アルミナ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素及び酸化マグネシウムからなる群から選択された少なくとも1種であることが好ましい。硬化性組成物100体積%中、上記フィラーの含有量は30体積%以上であることが好ましい。
上記硬化剤は、芳香族環を有さない酸無水物、該酸無水物の水添加物もしくは該酸無水物の変性物であることが好ましい。上記硬化剤は、多脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物もしくは該酸無水物の変性物、又はテルペン系化合物と無水マレイン酸との付加反応により得られる脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物もしくは該酸無水物の変性物であることがより好ましい。
上記硬化剤は、下記式(1)〜(4)の内のいずれかで表される酸無水物であることが更に好ましい。
Figure 2012041422
Figure 2012041422
Figure 2012041422
Figure 2012041422
上記式(4)中、R1及びR2はそれぞれ水素、炭素数1〜5のアルキル基又は水酸基を示す。
本発明に係る硬化性組成物は、ペーストであってもよく、シートであってもよい。取り扱い性に優れているので、本発明に係る硬化性組成物は、硬化性シートであることが好ましい。
また、本発明の広い局面によれば、パッケージを用いずに、熱伝導体と導電層とを有する基板の導電層上に光半導体素子を直接搭載したチップオンボード方式の光半導体装置であって、熱伝導率が10W/m・K以上の熱伝導体と、該熱伝導体上に積層された硬化物層と、該硬化物層上に積層された導電層と、該導電層上に搭載された光半導体素子とを備えており、上記硬化物層が、本発明に従って構成された硬化性組成物を硬化させることにより形成されている、光半導体装置が提供される。
上記熱伝導体は金属であることが好ましい。
本発明に係る硬化性組成物は、2個以上のエポキシ基又は2個以上のオキセタン基を有する硬化性化合物と、硬化剤と、熱伝導率が10W/m・K以上であるフィラーと、酸化防止剤及びヒンダードアミン系光安定剤の内の少なくとも1種とを含むので、放熱性が高く、更に耐熱・耐光性に優れた硬化物を得ることができる。特に、本発明に係る硬化性組成物を用いて、該硬化性組成物の硬化物により、熱伝導率が10W/m・K以上である熱伝導体を導電層に接着して、パッケージを用いないチップオンボード方式の光半導体装置を得たたときに、硬化物の耐熱・耐光性が高いので、経時による絶縁性及び接着性の低下を効果的に抑制できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る光半導体装置を模式的に示す部分切欠正面断面図である。
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明に係る硬化性組成物は、2個以上のエポキシ基又は2個以上のオキセタン基を有する硬化性化合物(A)と、硬化剤(B)と、熱伝導率が10W/m・K以上であるフィラー(C)と、酸化防止剤(D1)及びヒンダードアミン系光安定剤(D2)の内の少なくとも1種の成分(D)とを含む。
上記組成の採用により、硬化性組成物の硬化物の放熱性及び耐光性を高めることができる。また、上記組成の採用により、硬化性組成物の硬化物の耐熱性を高めることもできる。さらに、上記組成の採用により、硬化性組成物がシート(以下、硬化性シートともいう)である場合に、該硬化性シートのハンドリング性を高めることができる。
また、本発明に係る硬化性組成物は、パッケージを用いずに、熱伝導体と導電層とを有する基板の導電層上に光半導体素子を直接搭載したチップオンボード方式の光半導体装置を得る際に、熱伝導率が10W/m・K以上である上記熱伝導体を上記導電層に接着するために用いられる。このような用途に硬化性組成物が用いられた場合には、光半導体素子から発せられた光及び発生した熱によって、硬化性組成物が硬化した硬化物の劣化が特に生じやすい傾向がある。しかしながら、本発明に係る硬化性組成物が硬化した硬化物の耐熱・耐光性は高いので、硬化物が熱劣化及び光劣化し難く、経時的な絶縁性及び接着性の低下を効果的に抑制できる。
(硬化性化合物(A))
本発明に係る硬化性組成物に含まれている上記硬化性化合物(A)は、2個以上のエポキシ基又は2個以上のオキセタン基を有していれば特に限定されない。硬化性化合物(A)は、硬化剤(B)の作用により硬化する。硬化性化合物(A)は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
硬化性化合物(A)は、2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(A1)であってもよく、2個以上のオキセタン基を有するオキセタン化合物(A2)であってもよい。
硬化物の耐熱性及び絶縁破壊特性をより一層高める観点からは、硬化性化合物(A)は、脂環式骨格を有することが好ましい。
2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(A1)の具体例としては、ビスフェノール骨格を有するエポキシモノマー、ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシモノマー、ナフタレン骨格を有するエポキシモノマー、アダマンタン骨格を有するエポキシモノマー、フルオレン骨格を有するエポキシモノマー、ビフェニル骨格を有するエポキシモノマー、バイ(グリシジルオキシフェニル)メタン骨格を有するエポキシモノマー、キサンテン骨格を有するエポキシモノマー、アントラセン骨格を有するエポキシモノマー、及びピレン骨格を有するエポキシモノマー等が挙げられる。これらの水素添加物又は変性物を用いてもよい。エポキシ化合物(A1)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ビスフェノール骨格を有するエポキシモノマーとしては、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型又はビスフェノールS型のビスフェノール骨格を有するエポキシモノマー等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシモノマーとしては、ジシクロペンタジエンジオキシド、及びジシクロペンタジエン骨格を有するフェノールノボラックエポキシモノマー等が挙げられる。
上記ナフタレン骨格を有するエポキシモノマーとしては、1−グリシジルナフタレン、2−グリシジルナフタレン、1,2−ジグリシジルナフタレン、1,5−ジグリシジルナフタレン、1,6−ジグリシジルナフタレン、1,7−ジグリシジルナフタレン、2,7−ジグリシジルナフタレン、トリグリシジルナフタレン、及び1,2,5,6−テトラグリシジルナフタレン等が挙げられる。
上記アダマンタン骨格を有するエポキシモノマーとしては、1,3−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)アダマンタン、及び2,2−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)アダマンタン等が挙げられる。
上記フルオレン骨格を有するエポキシモノマーとしては、9,9−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−クロロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−ブロモフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−フルオロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−メトキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3,5−ジクロロフェニル)フルオレン、及び9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3,5−ジブロモフェニル)フルオレン等が挙げられる。
上記ビフェニル骨格を有するエポキシモノマーとしては、4,4’−ジグリシジルビフェニル、及び4,4’−ジグリシジル−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル等が挙げられる。
上記バイ(グリシジルオキシフェニル)メタン骨格を有するエポキシモノマーとしては、1,1’−バイ(2,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,8’−バイ(2,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,1’−バイ(3,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,8’−バイ(3,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,1’−バイ(3,5−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,8’−バイ(3,5−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,2’−バイ(2,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,2’−バイ(3,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、及び1,2’−バイ(3,5−グリシジルオキシナフチル)メタン等が挙げられる。
上記キサンテン骨格を有するエポキシモノマーとしては、1,3,4,5,6,8−ヘキサメチル−2,7−ビス−オキシラニルメトキシ−9−フェニル−9H−キサンテン等が挙げられる。
本発明に係る硬化性組成物は、上記硬化性化合物(A)として、更に上記エポキシ化合物(A1)に相当する少なくとも1個の脂環式エポキシ基を有する多官能エポキシ化合物(A1a)を含んでいてもよい。多官能エポキシ化合物(A1a)の使用により、硬化物の耐光性をより一層高めることができる。多官能エポキシ化合物(A1a)は、多官能性の脂環式エポキシ化合物である。多官能エポキシ化合物(A1a)は、少なくとも2個のエポキシ基を有し、該エポキシ基の内の少なくとも1個が脂環式エポキシ基であることが好ましい。多官能エポキシ化合物(A1a)は、2個以上の脂環式エポキシ基を有することが好ましい。多官能エポキシ化合物(A1a)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記脂環式エポキシ基としては、脂環式環であるシクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環又はシクロオクタン環にエポキシ基が導入された基が挙げられる。上記脂環式エポキシ基の具体例としては、エポキシシクロペンチル基、エポキシシクロヘキシル基、エポキシシクロヘプチル基及びエポキシシクロオクチル基等が挙げられる。
多官能エポキシ化合物(A1a)の具体例としては、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキセニルオクチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、1,2:8,9ジエポキシリモネン、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロセキサン付加物、及び3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート等が挙げられる。
硬化物の耐光性をより一層高める観点からは、上記多官能エポキシ化合物(A1a)は、下記式(11)〜(13)の内のいずれかで表される多官能エポキシ化合物であることが好ましい。また、硬化物の耐光性をより一層高める観点からは、上記多官能エポキシ化合物は、下記式(13)及び下記式(14)の内のいずれかで表される多官能エポキシ化合物であることが好ましい。
Figure 2012041422
Figure 2012041422
Figure 2012041422
Figure 2012041422
上記式(14)中、Rは炭素数1〜8のアルキレン基を示す。
2個以上のオキセタン基を有するオキセタン化合物(A2)の具体例としては、例えば、4,4’−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル、1,4−ベンゼンジカルボン酸ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メチル]エステル、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン、及びオキセタン変性フェノールノボラック等が挙げられる。オキセタン化合物(A2)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
硬化性化合物(A)は、低分子量の硬化性化合物を含むことが好ましい。硬化性化合物(A)は、該低分子量の硬化性化合物として、重量平均分子量が10000以下である硬化性化合物を含むことがより好ましい。上記低分子量の硬化性化合物の重量平均分子量は、好ましくは150以上、より好ましくは600以下、更に好ましくは550以下である。上記低分子量の硬化性化合物の重量平均分子量が上記下限以上であると、硬化性化合物(A)の揮発性が低くなり、硬化性組成物の取扱い性がより一層高くなる。上記低分子量の硬化性化合物の重量平均分子量が上記上限以下であると、硬化物の接着性がより一層高くなる。さらに、硬化性シートが固くかつ脆くなり難く、硬化物の接着性がより一層高くなる。硬化性化合物(A)の全量が、上記低分子量の硬化性化合物であってもよい。
硬化性組成物中の全樹脂成分(以下、全樹脂成分Xと略記することがある)の合計100重量%中、硬化性化合物(A)の含有量は10〜60重量%の範囲内であることが好ましい。全樹脂成分Xの合計100重量%中の硬化性化合物(A)の含有量は、より好ましくは20重量%以上、より好ましくは50重量%以下である。また、全樹脂成分X100重量%中、上記低分子量の硬化性化合物の含有量は10〜60重量%の範囲内であることが好ましい。全樹脂成分Xの合計100重量%中の上記低分子量の硬化性化合物の含有量は、より好ましくは20重量%以上、より好ましくは50重量%以下である。硬化性化合物(A)の含有量が上記下限以上であると、硬化物の接着性及び耐熱性がより一層高くなる。硬化性化合物(A)の含有量が上記上限以下であると、硬化性シートのハンドリング性がより一層高くなる。なお、全樹脂成分Xとは、硬化性化合物(A)、硬化剤(B)及び必要に応じて添加される他の樹脂成分の総和をいう。全樹脂成分Xには、フィラー(C)は含まれない。
硬化性化合物(A)100重量%中、少なくとも1個の脂環式エポキシ基を有する多官能エポキシ化合物(A1a)の含有量は、1〜100重量%の範囲内であることが好ましい。硬化性化合物(A)として多官能エポキシ化合物(A1a)を用いた場合には、多官能エポキシ化合物(A1a)を用いていない場合と比べて、硬化物の耐光性が高くなる。硬化物の耐光性を効果的に高める観点からは、硬化性化合物(A)100重量%中、多官能エポキシ化合物(A1a)の含有量は40重量%以上であることがより好ましい。硬化性化合物(A)100重量%中、多官能エポキシ化合物(A1a)の含有量は、更に好ましくは60重量%以上、特に好ましくは80重量%以上、最も好ましくは100重量%である。硬化性化合物(A)の全量が、多官能エポキシ化合物(A1a)であってもよい。
(硬化剤(B))
本発明に係る硬化性組成物に含まれている硬化剤(B)は硬化性組成物を硬化させることが可能であれば特に限定されない。硬化剤(B)は、熱硬化剤であることが好ましい。硬化剤(B)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
硬化物の弾性率をより一層低くして、硬化物の柔軟性を高め、硬化物と接着対象部材との接着性をより一層高める観点からは、硬化剤(B)は、カチオン型硬化剤、又は酸無水物、該酸無水物の水添加物もしくは該酸無水物の変性物であることが好ましい。
硬化剤(B)としては、フェノール樹脂、又は芳香族骨格もしくは脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物もしくは該酸無水物の変性物が挙げられる。これらの硬化剤の使用により、耐熱性、耐湿性及び電気物性のバランスに優れた硬化物を得ることができる。これらの硬化剤は、熱硬化剤である。また、硬化剤(B)としてカチオン型硬化剤を用いてもよい。
上記フェノール樹脂は特に限定されない。上記フェノール樹脂の具体例としては、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラック、p−クレゾールノボラック、t−ブチルフェノールノボラック、ジシクロペンタジエンクレゾール、ポリパラビニルフェノール、ビスフェノールA型ノボラック、キシリレン変性ノボラック、デカリン変性ノボラック、ポリ(ジ−o−ヒドロキシフェニル)メタン、ポリ(ジ−m−ヒドロキシフェニル)メタン、及びポリ(ジ−p−ヒドロキシフェニル)メタン等が挙げられる。
上記フェノール樹脂の市販品としては、MEH−8005、MEH−8010及びNEH−8015(以上いずれも明和化成社製)、YLH903(ジャパンエポキシレジン社製)、LA―7052、LA−7054、LA−7751、LA−1356及びLA−3018−50P(以上いずれもDIC社製)、並びにPS6313及びPS6492(群栄化学社製)等が挙げられる。
芳香族骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物は、特に限定されない。芳香族骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物としては、例えば、スチレン/無水マレイン酸コポリマー、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ピロメリット酸無水物、トリメリット酸無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物、フェニルエチニルフタル酸無水物、グリセロールビス(アンヒドロトリメリテート)モノアセテート、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、及びトリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。なかでも、メチルナジック酸無水物又はトリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸が好ましい。メチルナジック酸無水物又はトリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸の使用により、硬化物の耐水性を高めることができる。
上記芳香族骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物の市販品としては、SMAレジンEF30、SMAレジンEF40、SMAレジンEF60及びSMAレジンEF80(以上いずれもサートマー・ジャパン社製)、ODPA−M及びPEPA(以上いずれもマナック社製)、リカシッドMTA−10、リカシッドMTA−15、リカシッドTMTA、リカシッドTMEG−100、リカシッドTMEG−200、リカシッドTMEG−300、リカシッドTMEG−500、リカシッドTMEG−S、リカシッドTH、リカシッドHT−1A、リカシッドHH、リカシッドMH−700、リカシッドMT−500、リカシッドDSDA及びリカシッドTDA−100(以上いずれも新日本理化社製)、並びにEPICLON B4400、EPICLON B650、及びEPICLON B570(以上いずれもDIC社製)等が挙げられる。
硬化物の耐熱性及び耐光性をより一層高める観点からは、硬化剤(B)は、芳香族環を有さない酸無水物、該酸無水物の水添加物もしくは該酸無水物の変性物であることが好ましい。硬化物の弾性率をさらに一層低くする観点からは、硬化剤(B)は、脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物もしくは該酸無水物の変性物であることがより好ましい。
硬化物の耐熱性をより一層高める観点からは、硬化剤(B)は、多脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物もしくは該酸無水物の変性物、又はテルペン系化合物と無水マレイン酸との付加反応により得られる脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物であることが好ましい。また、これらの硬化剤の使用により、硬化物の柔軟性、並びに硬化物の耐湿性及び接着性がより一層高くなる。
上記脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物としては、メチルナジック酸無水物、ジシクロペンタジエン骨格を有する酸無水物又は該酸無水物の変性物等も挙げられる。
上記脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物の市販品としては、リカシッドHNA及びリカシッドHNA−100(以上いずれも新日本理化社製)、並びにエピキュアYH306、エピキュアYH307、エピキュアYH308H及びエピキュアYH309(以上いずれもジャパンエポキシレジン社製)等が挙げられる。
硬化剤(B)は、下記式(1)〜(4)の内のいずれかで表される酸無水物であることがより好ましい。この好ましい硬化剤の使用により、硬化物の柔軟性、及び硬化物の耐湿性又は接着性がより一層高くなる。
Figure 2012041422
Figure 2012041422
Figure 2012041422
Figure 2012041422
上記式(4)中、R1及びR2はそれぞれ水素、炭素数1〜5のアルキル基又は水酸基を示す。
上記「カチオン型硬化剤」は、熱又は光により活性化されカチオン重合性化合物のカチオン重合を誘発する物質を意味する。
上記カチオン型硬化剤としては、三フッ化ホウ素のような熱カチオン重合性化合物、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩及び芳香族オニウム塩等が挙げられる。カチオン型硬化剤の使用により、多官能エポキシ化合物(A1a)を効率よく硬化させることができ、硬化物の耐熱性及び耐光性をより一層高めることができる。
硬化速度又は硬化物の物性などを調整するために、上記硬化剤と硬化促進剤とを併用してもよい。
上記硬化促進剤は特に限定されない。硬化促進剤の具体例としては、例えば、3級アミン、イミダゾール類、イミダゾリン類、トリアジン類、有機リン系化合物、4級ホスホニウム塩類及び有機酸塩等のジアザビシクロアルケン類等が挙げられる。また、上記硬化促進剤としては、有機金属化合物類、4級アンモニウム塩類及び金属ハロゲン化物等が挙げられる。上記有機金属化合物類としては、オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫及びアルミニウムアセチルアセトン錯体等が挙げられる。
上記硬化促進剤として、高融点のイミダゾール硬化促進剤、高融点の分散型潜在性硬化促進剤、マイクロカプセル型潜在性硬化促進剤、アミン塩型潜在性硬化促進剤、及び高温解離型かつ熱カチオン重合型潜在性硬化促進剤等を使用できる。上記硬化促進剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記高融点の分散型潜在性促進剤としては、ジシアンジアミド又はアミンがエポキシモノマー等に付加されたアミン付加型促進剤等が挙げられる。上記マイクロカプセル型潜在性促進剤としては、イミダゾール系、リン系又はホスフィン系の促進剤の表面がポリマーにより被覆されたマイクロカプセル型潜在性促進剤が挙げられる。
上記硬化促進剤は、高融点のイミダゾール系硬化促進剤であることが好ましい。高融点のイミダゾール系硬化促進剤の使用により、反応系を容易に制御でき、かつ硬化性組成物又は硬化性シートの硬化速度、及び硬化物の物性などをより一層容易に調整できる。融点100℃以上の高融点の硬化促進剤は、取扱性に優れている。従って、硬化促進剤の融点は100℃以上であることが好ましい。
上記全樹脂成分Xの合計100重量%中、硬化剤(B)の含有量は10〜40重量%の範囲内であることが好ましい。全樹脂成分Xの合計100重量%中、硬化剤(B)の含有量は、より好ましくは12重量%以上、より好ましくは25重量%以下である。硬化剤(B)の含有量が上記下限以上であると、硬化性組成物を充分に硬化させることが容易である。硬化剤(B)の含有量が上記上限以下であると、硬化に関与しない余剰な硬化剤(B)が発生し難くなる。このため、硬化物の耐熱性及び接着性がより一層高くなる。
(フィラー(C))
本発明に係る硬化性組成物に含まれているフィラー(C)は、熱伝導率が10W/m・K以上であれば特に限定されない。このフィラー(C)の使用により、硬化物の熱伝導率を高めることができる。この結果、硬化物の放熱性が高くなる。フィラー(C)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
フィラー(C)の熱伝導率が10W/m・Kよりも小さいと、硬化物の熱伝導率を充分に高めることは困難である。フィラー(C)の熱伝導率は、好ましくは15W/m・K以上、より好ましくは20W/m・K以上である。フィラー(C)の熱伝導率の上限は特に限定されない。熱伝導率300W/m・K程度の無機フィラーは広く知られており、また熱伝導率200W/m・K程度の無機フィラーは容易に入手できる。
硬化物の放熱性をより一層高める観点からは、フィラー(C)は、無機フィラーであることが好ましい。
フィラー(C)は、アルミナ、合成マグネサイト、結晶性シリカ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化亜鉛及び酸化マグネシウムからなる群から選択された少なくとも1種であることが好ましく、アルミナ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化亜鉛及び酸化マグネシウムからなる群から選択された少なくとも1種であることがより好ましく、アルミナ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素及び酸化マグネシウムからなる群から選択された少なくとも1種であることが特に好ましい。これらの好ましいフィラーの使用により、硬化物の放熱性をより一層高めることができる。
フィラー(C)は、球状アルミナ、破砕アルミナ及び球状窒化アルミニウムからなる群から選択された少なくとも1種であることがより好ましく、球状アルミナ又は球状窒化アルミニウムであることがさらに好ましい。これらの好ましいフィラーの使用により、硬化物の放熱性をより一層高めることができる。
フィラー(C)は、球状であることが特に好ましい。球状フィラーの場合には、フィラー(C)を高密度で充填させることができるため、硬化物の放熱性をより一層高めることができる。
フィラー(C)の平均粒子径は、0.1〜40μmの範囲内であることが好ましい。平均粒子径が0.1μm以上であると、フィラー(C)を高密度で容易に充填できる。平均粒子径が40μm以下であると、硬化物の絶縁破壊特性がより一層高くなる。
上記「平均粒子径」とは、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定した体積平均での粒度分布測定結果から求められる平均粒子径である。
硬化性組成物100体積%中、フィラー(C)の含有量は20〜90体積%の範囲内であることが好ましい。フィラー(C)の含有量が上記範囲内であると、硬化物の放熱性がより一層高くなり、更に硬化性シートのハンドリング性がより一層良好になる。硬化物の放熱性をより一層高める観点からは、硬化性組成物100体積%中のフィラー(C)の含有量は、30体積%以上であることが特に好ましい。硬化性組成物100体積%中のフィラー(C)の含有量は、より好ましくは35体積%以上、より好ましくは85体積%以下、更に好ましくは80体積%以下、特に好ましくは70体積%以下、最も好ましくは60体積%以下である。フィラー(C)の含有量が上記下限以上であると、硬化物の放熱性がより一層高くなる。フィラー(C)の含有量が上記上限以下であると、硬化性シートのハンドリング性がより一層高くなる。
(成分(D))
成分(D)は、酸化防止剤(D1)及びヒンダードアミン系光安定剤(D2)の内の少なくとも1種である。成分(D)として、酸化防止剤(D1)のみが用いられてもよく、ヒンダードアミン系光安定剤(D2)のみが用いられてもよく、酸化防止剤(D1)とヒンダードアミン系光安定剤(D2)とが併用されてもよい。成分(D)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。酸化防止剤(D1)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。ヒンダードアミン系光安定剤(D2)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
酸化防止剤(D1)としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤及びラクトン系酸化防止剤等が挙げられる。硬化物の耐光性をより一層高める観点からは、酸化防止剤(D1)は、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤及びアミン系酸化防止剤からなる群から選択された少なくとも1種であることが好ましく、フェノール系酸化防止剤であることがより好ましい。
上記フェノール系酸化防止剤の具体例としては、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]、ベンゼンプロパン酸、3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ C7−C9側鎖アルキルエステル、3,3’,3’’,5,5’,5’’−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a’’−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、4,6−ビス(ドデシルチオメチル)−o−クレゾール、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス[(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−キシリル)メチル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−[4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ]フェノール、及びジエチル{[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル}ホスフォネート等が挙げられる。
上記リン系酸化防止剤としては、シクロヘキシルフォスフィン、及びトリフェニルフォスフィン等が挙げられる。さらに、上記リン系酸化防止剤の具体例としては、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイト、トリス{2−[(2,4,8,10−テトラ−tert−ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサフォスフェフィン−6−イル)オキシ]エチル}アミン、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル]エチルエステル亜リン酸、及びテトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)(1,1−ビフェニル)−4,4’−ジイルビスホスフォナイト等が挙げられる。
上記アミン系酸化防止剤の具体例としては、トリエチルアミン、ジシアンジアミド、メラミン、エチルジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−トリル−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−キシリル−S−トリアジン、及び第四級アンモニウム塩誘導体等が挙げられる。
上記ラクトン系酸化防止剤の具体例としては、3−ヒドロキシ−5,7−ジ−tert−ブチル−フラン−2−オンとo−キシレンの反応生成物等が挙げられる。
上記フェノール系酸化防止剤の市販品としては、IRGANOX 1010、IRGANOX 1035、IRGANOX 1076、IRGANOX 1135、IRGANOX 245、IRGANOX 259、IRGANOX 295(以上、いずれもチバ・ジャパン社製)、アデカスタブ AO−30、アデカスタブ AO−40、アデカスタブ AO−50、アデカスタブ AO−60、アデカスタブ AO−70、アデカスタブ AO−80、アデカスタブ AO−90、アデカスタブ AO−330(以上、いずれもADEKA社製)、Sumilizer GA−80、Sumilizer MDP−S、Sumilizer BBM−S、Sumilizer GM、Sumilizer GS(F)、Sumilizer GP(以上、いずれも住友化学工業社製)、HOSTANOX O10、HOSTANOX O16、HOSTANOX O14、HOSTANOX O3(以上、いずれもクラリアント社製)、アンテージ BHT、アンテージ W−300、アンテージ W−400、アンテージ W500(以上、いずれも川口化学工業社製)、並びにSEENOX 224M、SEENOX 326M(以上、いずれもシプロ化成社製)等が挙げられる。
上記リン系酸化防止剤の市販品としては、アデアスタブ PEP−4C、アデアスタブ PEP−8、アデアスタブ PEP−24G、アデアスタブ PEP−36、アデアスタブ HP−10、アデアスタブ 2112、アデアスタブ 260、アデアスタブ 522A、アデアスタブ 1178、アデアスタブ 1500、アデアスタブ C、アデアスタブ 135A、アデアスタブ 3010、アデアスタブ TPP(以上、いずれもADEKA社製)、サンドスタブ P−EPQ、ホスタノックス PAR24(以上、いずれもクラリアント社製)、並びにJP−312L、JP−318−0、JPM−308、JPM−313、JPP−613M、JPP−31、JPP−2000PT、JPH−3800(以上、いずれも城北化学工業社製)等が挙げられる。
ヒンダードアミン系光安定剤(D2)の具体例としては、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N’―ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンとの重縮合物、ポリ{[6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]}、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル){[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドリキシフェニル]メチル}ブチルマロネート、及びビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート等が挙げられる。
上記全樹脂成分Xの合計100重量%中、成分(D)の含有量は0.1〜5重量%の範囲内であることが好ましい。全樹脂成分Xの合計100重量%中、成分(D)の含有量は、より好ましくは0.3重量%以上、より好ましくは3重量%以下である。成分(D)の含有量が上記下限以上であると、硬化物の耐光性がより一層高くなる。成分(D)の含有量が上記上限以下であると、耐光性の向上に関与しない余剰な成分(D)が発生し難くなる。
(他の成分)
本発明に係る硬化性組成物は、ゴム粒子を含んでいてもよい。該ゴム粒子の使用により、硬化性組成物の応力緩和性及び柔軟性を高めることができる。
本発明に係る硬化性組成物は、分散剤を含んでいてもよい。該分散剤の使用により、硬化物の熱伝導率及び絶縁破壊特性をより一層高めることができる。
上記分散剤は、水素結合性を有する水素原子を含む官能基を有することが好ましい。上記分散剤が水素結合性を有する水素原子を含む官能基を有することで、硬化物の熱伝導率及び絶縁破壊特性をより一層高めることができる。上記水素結合性を有する水素原子を含む官能基としては、例えば、カルボキシル基(pKa=4)、リン酸基(pKa=7)、及びフェノール基(pKa=10)等が挙げられる。
上記水素結合性を有する水素原子を含む官能基のpKaは、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、好ましくは10以下、より好ましくは9以下である。上記官能基のpKaが上記下限以上であると、上記分散剤の酸性度が高くなりすぎない。従って、硬化性組成物の貯蔵安定性がより一層高くなる。上記官能基のpKaが上記上限以下であると、上記分散剤としての機能が充分に果たされ、硬化物の熱伝導率及び絶縁破壊特性がより一層高くなる。
上記水素結合性を有する水素原子を含む官能基は、カルボキシル基又はリン酸基であることが好ましい。この場合には、硬化物の熱伝導率及び絶縁破壊特性がさらに一層高くなる。
上記分散剤としては、具体的には、例えば、ポリエステル系カルボン酸、ポリエーテル系カルボン酸、ポリアクリル系カルボン酸、脂肪族系カルボン酸、ポリシロキサン系カルボン酸、ポリエステル系リン酸、ポリエーテル系リン酸、ポリアクリル系リン酸、脂肪族系リン酸、ポリシロキサン系リン酸、ポリエステル系フェノール、ポリエーテル系フェノール、ポリアクリル系フェノール、脂肪族系フェノール、及びポリシロキサン系フェノール等が挙げられる。上記分散剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
硬化性組成物100重量%中、上記分散剤の含有量は、好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上、好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下である。上記分散剤の含有量が上記好ましい下限以上及び上限以下であると、フィラー(C)の凝集を抑制でき、かつ硬化物の放熱性及び絶縁破壊特性をより一層高めることができる。
本発明に係る硬化性組成物が硬化性シートである場合に、ハンドリング性をより一層高めるために、硬化性シートは、ガラスクロス、ガラス不織布、アラミド不織布等の基材物質を含んでいてもよい。ただし、上記基材物質を含まなくても、硬化性シートは室温(23℃)において自立性を有し、かつ優れたハンドリング性を有する。よって、硬化性シートは基材物質を含まないことが好ましく、特にガラスクロスを含まないことが好ましい。硬化性シートが上記基材物質を含まない場合には、硬化性シートの厚みを薄くすることができ、かつ硬化物の熱伝導率をより一層高めることができる。さらに、硬化性シートが上記基材物質を含まない場合には、必要に応じて硬化性シートにレーザー加工又はドリル穴開け加工等の各種加工を容易に行うこともできる。なお、自立性とは、PETフィルム又は銅箔といった支持体が存在しなくても、シートの形状を保持し、シートとして取扱うことができることをいう。
また、本発明に係る硬化性組成物及び硬化性シートは、必要に応じて、粘着性付与剤、可塑剤、カップリング剤、チキソ性付与剤、難燃剤、光増感剤及び着色剤などを含有していてもよい。
上記光増感剤としては特に限定はされないが、例えばベンゾフェノン、p,p’−テトラメチルジアミノベンゾフェノン、p,p’−テトラエチルアミノベンゾフェノン、2−クロロチオキサントン、アントロン、9−エトキシアントラセン、アントラセン、ピレン、ペリレン、フェノチアジン、ベンジル、アクリジンオレンジ、ベンゾフラビン、セトフラビン−T、9,10−ジフェニルアントラセン、9−フルオレノン、アセトフェノン、フェナントレン、2−ニトロフルオレン、5−ニトロアセナフテン、ベンゾキノン、2−クロロ−4−ニトロアニリン、N−アセチル−p−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、N−アセチル−4−ニトロ−1−ナフチルアミン、ピクラミド、アントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1,2−ベンズアンスラキノン、3−メチル−1,3−ジアザ−1,9−ベンズアンスロン、ジベンザルアセトン、1,2−ナフトキノン、3,3’−カルボニル−ビス(5,7−ジメトキシカルボニルクマリン)及びコロネン等が挙げられる。
(硬化性組成物)
本発明に係る硬化性組成物の製造方法は特に限定されない。硬化性組成物は、例えば、上述した材料を混合することにより得ることができる。硬化性シートの製造方法は特に限定されない。例えば、上述した材料を混合した混合物を溶剤キャスト法又は押し出し成膜法等の方法でシート状に成形することにより、硬化性シートを得ることができる。シート状に成形する際に、脱泡することが好ましい。
本発明に係る硬化性組成物が硬化性シートである場合に、硬化性シートの厚みは特に限定されない。硬化性シートの厚みは、10μm以上、より好ましくは20μm以上、更に好ましくは30μm以上、好ましくは300μm以下、より好ましくは150μm以下、更に好ましくは100μm以下である。硬化性シートの厚みが上記下限以上であると、硬化物の絶縁性が高くなる。硬化性シートの厚みが上記上限以下であると、硬化物の放熱性がより一層高くなる。
硬化性組成物の硬化後の硬化物のガラス転移温度は100℃以上であることが好ましい。ガラス転移温度が100℃以上であると、硬化物の耐熱性をより一層高めることができる。
硬化性組成物の硬化物の熱伝導率は、好ましくは0.5W/m・K以上、より好ましくは1.0W/m・K以上、更に好ましくは1.5W/m・K以上、特に好ましくは2.0W/m・K以上である。熱伝導率が高いほど、硬化物の放熱性が高くなる。
硬化性組成物の硬化物の絶縁破壊電圧は、好ましくは30kV/mm以上、より好ましくは40kV/mm以上、更に好ましくは50kV/mm以上、特に好ましくは80kV/mm以上、最も好ましくは100kV/mm以上である。絶縁破壊電圧が高いほど、硬化物の絶縁性が高くなる。
(硬化性組成物の用途)
本発明に係る硬化性組成物は、パッケージを用いずに、熱伝導体と導電層とを有する基板の導電層上に光半導体素子を直接搭載したチップオンボード方式の光半導体装置を得る際に、熱伝導率が10W/m・K以上である上記熱伝導体を上記導電層に接着するために用いられる。上記基板の導電層上には、複数の光半導体素子を直接搭載することが好ましい。
上記「パッケージ」とは、光半導体素子に配線を取り付け後に、配線が取り付けられた光半導体素子を透明樹脂あるいは透明樹脂に蛍光体を分散させた樹脂などの封止樹脂で封入可能な凹状構造を有する配線及び封入用の微小な容器をいう。このようなパッケージを用いずに、基板の導電層上に光半導体素子を直接搭載した光半導体装置では、本発明に係る硬化性組成物を硬化させた硬化物層に、光半導体素子から発せられた光が照射されると同時に、発生した熱が付与されるため、硬化物層が光及び熱の影響を同時に受けることで著しく劣化しやすい。このため、パッケージを用いない光半導体装置では、硬化物層の耐熱・耐光性が特に問題になる。本発明に係る硬化性組成物は、硬化物の耐熱・耐光性が高いので、パッケージを用いない光半導体装置に特に有利である。
本発明に係る光半導体装置としては、具体的には、例えば、発光ダイオード装置、半導体レーザー装置及びフォトカプラ等が挙げられる。このような光半導体装置は、例えば、液晶ディスプレイ等のバックライト、照明、各種センサー、プリンター及びコピー機等の光源、車両用計測器光源、信号灯、表示灯、表示装置、面状発光体の光源、ディスプレイ、装飾、各種ライト並びにスイッチング素子等に好適に用いることができる。
上記光半導体素子である発光素子としては、半導体を用いた発光素子であれば特に限定されず、例えば、上記発光素子が発光ダイオードである場合、例えば、基板上にLED形式用半導体材料を積層した構造が挙げられる。この場合、半導体材料としては、例えば、GaAs、GaP、GaAlAs、GaAsP、AlGaInP、GaN、InN、AlN、InGaAlN、及びSiC等が挙げられる。
図1に、本発明の一実施形態に係る光半導体装置を模式的に示す。
図1に示す光半導体装置1は、熱伝導体2と、熱伝導体2の表面2a上に積層された硬化物層3と、硬化物層3の熱伝導体2が積層された第1の表面3aとは反対側の第2の表面3b上に積層された導電層4と、導電層4の硬化物層3が積層された第1の表面4aとは反対側の第2の表面4b上に搭載された光半導体素子5とを備える。硬化物層3は、本発明に係る硬化性組成物を硬化させることにより形成されている。硬化物層3は、熱伝導体2上の全領域に配置されている。硬化物層3は、熱電体2上の一部の領域に配置されていてもよい。また、本実施形態では、硬化物層3上の一部の領域に、導電層4と光半導体素子5との複数の積層体が並んで配置されている。導電層4は、配線パターンであってもよい。硬化物層3と光半導体素子5との間に、導電層4が存在しない領域があってもよい。
熱伝導体2及び硬化物層3の外周縁近傍において、硬化物層3上にダム壁6が設けられている。熱伝導体2とダム壁6との間に硬化物層3が存在していなくてもよく、ダム壁6は、熱伝導体2上に設けられていてもよい。ダム壁6内において、硬化物層3上の導電層4と光半導体素子5とが封止剤7により封止されている。これにより、光半導体素子5が大気と直接触れることが防がれている。従って、大気中の水分又は浮遊するごみ等により、光半導体素子5の発光特性が低下し難い。
図示しない部分において、導電層4と、光半導体素子5に設けられた電極とが、電気的に接続されている。この電気的接続には、ボンディングワイヤーを用いてもよい。該電極は、適宜の金属もしくは合金等により形成されている。
光半導体装置1を得る際には、例えば、熱伝導体2、硬化性組成物及び導電層を積層し積層構造体を得る。その後、積層構造体の導電層を配線パターン化して導電層4を形成し、光半導体素子搭載用の配線基板を得る。次に配線基板の導電層上に光半導体素子5を配置する。また、別途、配線基板上にダム壁6を形成する。ダム壁6内に硬化物層3上の導電層4と光半導体素子5とを封止するように封止剤を入れ、硬化した封止剤7を形成する。
本実施形態に係る光半導体装置1では、パッケージが用いられていない。従って、硬化物層3には、高い耐光性が求められる。また、光半導体装置1では、光半導体素子5から光を発する際に、高い熱量が発生する。このため、硬化物層3には、高い放熱性が求められる。
熱伝導体2の熱伝導率は10W/m・K以上である。熱伝導率が10W/m・K以上である熱伝導体2は、金属であることが好ましい。熱伝導率が10W/m・K以上である熱伝導体2としては、例えば、アルミニウム、銅、アルミナ、ベリリア、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム及びグラファイトシート等が挙げられる。中でも、放熱性が高いことから、上記熱伝導率が10W/m・K以上である熱伝導体2は、銅又はアルミニウムであることが好ましい。
以下、本発明の具体的な実施例及び比較例を挙げることにより、本発明を明らかにする。なお、本発明は以下の実施例に限定されない。
以下の材料を用意した。
[少なくとも1個の脂環式エポキシ基を有する多官能エポキシ化合物(A1a)]
(1)二官能脂環式エポキシ化合物(ダイセル化学工業社製、商品名:セロキサイド2021P、上記式(11)で表される多官能エポキシ化合物)
(2)可とう性二官能脂環式エポキシ化合物(ダイセル化学工業社製、商品名:セロキサイド2080上記式(12)で表される多官能エポキシ化合物)
(3)脂環式エポキシ基含有二官能エポキシ化合物(ダイセル化学工業社製、商品名:CEL3000、上記式(13)で表される多官能エポキシ化合物)
[多官能エポキシ化合物(A1a)を除く2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(A1)]
(1)ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、商品名:エピコート828US、Mw=370)
(2)水添ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、商品名:YX8000、Mw=382)
(3)水添ビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、商品名:YL7040、Mw=366)
(4)ヘキサヒドロフタル酸骨格液状エポキシ樹脂(日本化薬社製、商品名:AK−601、Mw=284)
(5)ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、商品名:1256、Mw=51000)
[2個以上のオキセタン基を有するオキセタン化合物(A2)]
(1)ベンゼン骨格含有オキセタン樹脂(宇部興産社製、商品名:エタナコールOXTP、Mw=362.4)
[硬化剤(B)]
(1)脂環式骨格酸無水物(新日本理化社製、商品名:MH−700)
(2)芳香族骨格酸無水物(サートマー・ジャパン社製、商品名:SMAレジンEF60)
(3)多脂環式骨格酸無水物(新日本理化社製、商品名:HNA−100)
(4)テルペン系骨格酸無水物(ジャパンエポキシレジン社製、商品名:エピキュアYH−306)
(5)ビフェニル骨格フェノール樹脂(明和化成社製、商品名:MEH−7851−S)
(6)芳香族スルホニウム塩(三新化学工業株式会社製、商品名:SI−150(L))
(7)イソシアヌル変性固体分散型イミダゾール(イミダゾール系硬化促進剤、四国化成社製、商品名:2MZA−PW)
[フィラー(C)]
(1)5μm破砕アルミナ(破砕フィラー、日本軽金属社製、商品名:LT300C、平均粒子径5μm、最大粒子径15μm、熱伝導率36W/m・K)
(2)合成マグネサイト(神島化学社製、商品名:MSL、平均粒子径6μm、最大粒子径20μm、熱伝導率15W/m・K)
(3)窒化アルミニウム(東洋アルミ社製、商品名:TOYALNITE―FLX、平均粒子径14μm、最大粒子径30μm、熱伝導率200W/m・K)
(4)結晶シリカ(龍森社製、商品名:クリスタライトCMC−12、平均粒子径5μm、最大粒子径20μm、熱伝導率10W/m・K)
(5)炭化ケイ素(信濃電気製錬社製、商品名:シナノランダムGP#700、平均粒子径17μm、最大粒子径70μm、熱伝導率125W/m・K)
[フィラー(C)以外の他のフィラー]
(1)タルク(日本タルク社製、商品名:K−1、平均粒子径8μm)
[酸化防止剤(D1)]
(1)フェノール系酸化防止剤(チバスペシャリティーケミカル社製、商品名:イルガノックスQ1010)
(2)リン系酸化防止剤(チバスペシャリティーケミカル社製、商品名:イルガフォス168)
[ヒンダードアミン系光安定剤(D2)]
(1)N−OR型HALS(チバスペシャリティーケミカル社製、商品名:TINUVIN XT855)
(2)高分子量HALS(チバスペシャリティーケミカル社製、商品名:TINUVIN 622)
[添加剤]
(1)エポキシシランカップリング剤(信越化学工業社製、商品名:KBE403)
[溶剤]
(1)メチルエチルケトン
(実施例1〜24及び比較例1〜2)
ホモディスパー型攪拌機を用いて、下記の表1〜3に示す割合(配合単位は重量部)で各原料を配合し、混練し、硬化性組成物を調製した。
厚み50μmの離型PETシートに、上記硬化性組成物を50μmの厚みになるように塗工した。次に、90℃のオーブン内で30分乾燥し、PETシート上に硬化性シートを作製した。
(評価)
(1)ハンドリング性
PETシートと、該PETシート上に形成された硬化性シートとを有する積層シートを460mm×610mmの大きさに切り出して、テストサンプルを得た。得られたテストサンプルを用いて、室温(23℃)でPETシートから熱硬化前の硬化性シートを剥離したときのハンドリング性を下記の基準で評価した。
[ハンドリング性の判定基準]
〇:硬化性シートの変形がなく、容易に剥離可能
△:硬化性シートを剥離できるものの、シート伸びや破断が発生する
×:硬化性シートを剥離できない
(2)ガラス転移温度(Tg)
硬化性シートを120℃で1時間加熱した後に200℃でさらに1時間硬化させ、硬化物を得た。示差走査熱量測定装置「DSC220C」(セイコーインスツルメンツ社製)を用いて、得られた硬化物のガラス転移温度を測定した。
(3)熱伝導率
京都電子工業社製熱伝導率計「迅速熱伝導率計QTM−500」を用いて、硬化性シートの熱伝導率を測定した。
(4)耐熱性(半田耐熱試験)
厚み1.5mmのアルミニウム板と厚み35μmの銅箔との間に硬化性シートを挟み、真空プレス機で4MPaの圧力を保持しながら120℃で1時間、更に200℃で1時間、硬化性シートをプレス硬化し、50mm×60mmの大きさに切り出し、テストサンプルを得た。得られたテストサンプルを288℃の半田浴に銅箔側を下に向けて浮かべ、銅箔の膨れ又は剥がれが発生するまでの時間を測定し、以下の基準で判定した。
[半田耐熱試験の判定基準]
〇:3分経過しても膨れ又は剥離の発生なし
△:1分経過後、かつ3分経過する前に膨れ又は剥離が発生
×:1分経過する前に膨れ又は剥離が発生
(5)絶縁破壊電圧
硬化性シートを100mm×100mmの大きさに切り出して、テストサンプルを得た。得られたテストサンプルを120℃のオーブン内で1時間、更に200℃のオーブン内で1時間硬化させ、硬化物を得た。耐電圧試験器(MODEL7473、EXTECH Electronics社製)を用いて、硬化物間に1kV/秒の速度で電圧が上昇するように、交流電圧を印加した。硬化物が破壊した電圧を、絶縁破壊電圧とした。
(6)耐熱・耐光性
硬化性シートを100mm×100mmの大きさに切り出して、テストサンプルを得た。得られたテストサンプルを120℃のオーブン内で1時間、更に200℃のオーブン内で1時間硬化させ、硬化物を得た。100℃のオーブン中でランプパワー公称50WのUV照射装置(EFOS LITE、サンエイテック社製)を用いて、得られた硬化物に2時間UV照射することにより、評価サンプルを得た。得られた評価サンプルの絶縁破壊電圧を測定することにより、耐熱・耐光性を評価した。100℃のオーブン中でUV照射する前の硬化物の絶縁破壊電圧の測定値(初期値)を基準として、耐熱・耐光性を下記の判定基準で判定した。
[耐熱・耐光性の判定基準]
〇:初期値の70%以上の絶縁破壊電圧を保持
△:初期値の50%以上、70%未満の絶縁破壊電圧を保持
×:初期値の50%未満に絶縁破壊電圧が低下
結果を下記の表1〜3に示す。
Figure 2012041422
Figure 2012041422
Figure 2012041422
1…光半導体装置
2…熱伝導体
2a…表面
3…硬化物層
3a…第1の表面
3b…第2の表面
4…導電層
4a…第1の表面
4b…第2の表面
5…光半導体素子
6…ダム壁
7…封止剤
6…封止剤

Claims (10)

  1. パッケージを用いずに、熱伝導体と導電層とを有する基板の導電層上に光半導体素子を直接搭載したチップオンボード方式の光半導体装置を得る際に、熱伝導率が10W/m・K以上である前記熱伝導体を前記導電層に接着するために用いられる硬化性組成物であって、
    2個以上のエポキシ基又は2個以上のオキセタン基を有する硬化性化合物と、
    硬化剤と、
    酸化防止剤及びヒンダードアミン系光安定剤の内の少なくとも1種と、
    熱伝導率が10W/m・K以上であるフィラーとを含む、硬化性組成物。
  2. 硬化後の硬化物のガラス転移温度が100℃以上である、請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 前記フィラーが、アルミナ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素及び酸化マグネシウムからなる群から選択された少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の硬化性組成物。
  4. 硬化性組成物100体積%中、前記フィラーの含有量が30体積%以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  5. 前記硬化剤が、芳香族環を有さない酸無水物、該酸無水物の水添加物もしくは該酸無水物の変性物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  6. 前記硬化剤が、多脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物もしくは該酸無水物の変性物、又はテルペン系化合物と無水マレイン酸との付加反応により得られる脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物もしくは該酸無水物の変性物である、請求項5に記載の硬化性組成物。
  7. 前記硬化剤が、下記式(1)〜(4)の内のいずれかで表される酸無水物である、請求項5又は6に記載の硬化性組成物。
    Figure 2012041422
    Figure 2012041422
    Figure 2012041422
    Figure 2012041422
    上記式(4)中、R1及びR2はそれぞれ水素、炭素数1〜5のアルキル基又は水酸基を示す。
  8. 硬化性シートである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  9. パッケージを用いずに、熱伝導体と導電層とを有する基板の導電層上に光半導体素子を直接搭載したチップオンボード方式の光半導体装置であって、
    熱伝導率が10W/m・K以上の熱伝導体と、
    前記熱伝導体上に積層された硬化物層と、
    前記硬化物層上に積層された導電層と、
    前記導電層上に搭載された光半導体素子とを備え、
    前記硬化物層が、請求項1〜8のいずれか1項に記載の硬化性組成物を硬化させることにより形成されている、光半導体装置。
  10. 前記熱伝導体が金属である、請求項9に記載の光半導体装置。
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