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JP2011511037A - 不活性成分の存在下でのアルコールの脱水 - Google Patents

不活性成分の存在下でのアルコールの脱水 Download PDF

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JP2011511037A JP2010545469A JP2010545469A JP2011511037A JP 2011511037 A JP2011511037 A JP 2011511037A JP 2010545469 A JP2010545469 A JP 2010545469A JP 2010545469 A JP2010545469 A JP 2010545469A JP 2011511037 A JP2011511037 A JP 2011511037A
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Abstract

【課題】少なくとも一つのアルコールを脱水して少なくとも一つのオレフィンを製造する方法。
【解決手段】(a)少なくとも一つのアルコール(水溶液)と不活性成分とを含む流れ(A)を反応器に導入し、(b)反応器内でアルコールの少なくとも一部を脱水してオレフィンを製造するのに有効な条件下で上記流れ(A)を触媒と接触させ、(c)反応器から、不活性成分および少なくとも一つのオレフィンと、水および任意成分としての未変換アルコールとを含む流れ(B)を回収し、(d)必要に応じて、流れ(B)を分留して未変換アルコールを回収し、未変換アルコールを(a)段階の反応器に再循環し、(e)必要に応じて、流れ(B)を分留して、不活性成分およびオレフィンを回収し、不活性成分を(a)段階の反応器に再循環する。上記不活性成分はエタン、3〜10個の炭素原子を有する炭化水素、ナフテンおよびCO2の中から選択され、不活性成分の比率は反応器が基本的に断熱状態で運転できるような比率にする。また、上記と同様な方法で、触媒をSi/Al比が少なくとも100である結晶性シリケートまたは脱アルミニウム化結晶性シリケートまたは燐改質ゼオライトにする。
【選択図】なし

Description

本発明は、不活性成分の存在下で少なくとも一種のアルコールを脱水して少なくとも一種のオレフィンを製造する方法に関するものである。
原油の供給には限りがあり、そのコストが上昇しているため、エチレンのような炭化水素生成物の代替製造方法の研究が促進されている。エタノールは炭水化物の発酵によって得ることができる。バイオマスは生物の有機物質から成り、世界の主要な再生可能なエネルギー源である。
アルコールの脱水は吸熱反応であるので、反応にエネルギーを供給しなければならない。本発明では、アルコールと混合した不活性成分の顕熱によってエネルギーを供給する。
特許文献1(米国特許第4207424号明細書)には、アルコールを触媒脱水して不飽和有機化合物を製造する方法が記載されている。この方法では予備処理したアルミナ触媒の存在下で高温で有機シリル化剤を用いてアルコールを脱水する。実施例12はエタノールに関するもので、圧力は大気圧で、WHSVは1.2h-1で、予備処理していない同じアルミナと比べて変換率が増加している。反応器の熱収支に関する記載はない。
特許文献2(米国特許第4302357号明細書)はエタノールから脱水反応によってエチレンを製造する方法で用いられる活性化アルミナ触媒に関するものである。この明細書ではエタノールのLHSVは0.25〜5h-1、好ましくは0.5〜3h-1である。実施例は370℃、大気圧で、LHSVは1h-1で実施され、エチレン収率は65〜94%である。反応器の熱収支に関する記載はない。
非特許文献1(1979年12月のプロセス経済学レビューPEP’79−3(SRI international)には管状固定床内のシリカ−アルミナ触媒上で、315〜360℃、絶対圧力1.7bar、0.3h-1のWHSV(エタノール)でエタノール−水(95/5重量%)混合物を脱水する方法が記載されている。エタノールの変換率は99%で、エチレンの選択率は94.95%である。この文献にはさらに、399℃、絶対圧力1.7bar、0.7h-1のWHSV(エタノール)でエタノール−水(95/5重量%)混合物を脱水する方法も記載されている。エタノールの変換率は99.6%で、エチレンの選択率は99.3%である。固定床プロセスでは触媒をチューブに入れ、反応器のシェル側の流体の凝縮によって熱を供給する。流動床プロセスでは気化エタノール供給物を流動床の底に導入し、再生器から戻る触媒中の顕熱を用いて反応器温度を維持する。触媒上に堆積した炭素の空気中の燃焼および射出燃料ガスによって再生器内の触媒に熱を供給する。
特許文献3(米国特許第4232179号明細書)はエチルアルコールの脱水を利用したエチレンの製造方法に関するものである。この従来技術の目的は触媒の存在下で断熱反応器を用いて高温でエチレンを製造することにある。この断熱反応器は並列で使用でき、また、直列に配置したり、並列直列の組み合わせで配置したり、さらには単一の反応器を使用することもできる。顕熱運搬流と供給物との比は0.2:1〜20:1にすることができ、0.2:1〜10:1にするのが好ましい。一方で、空間速度は所望する運転厳格性に応じて、触媒1グラム当たりエチルアルコール10〜0.01g/時、好ましくは1.0〜0.01g/h/gの範囲にすることができる。実施例の触媒はシリカアルミナで、エタノールのWHSVは0.07〜0.7、エタノールに対するスチームの比は3〜5である。実施例14での顕熱運搬流は水蒸気と窒素との混合物である。圧力は0.84〜7kg/cm2ゲージである。
特許文献4(欧州特許第22640号公報)には改良されたゼオライト触媒と、この触媒の製造方法と、エタノールとエチレンの液体芳香族炭化水素変換(エタノールからエチレンへの変換を含む)でのその使用とが記載されている。この従来技術は特に水性および無水のエタノールのエチレンへの変換反応、水性エタノールの高級炭化水素への変換反応およびエチレンの液体芳香族炭化水素への変換反応に関するもので、Si/Al比が11〜24(実施例)のゼオライト触媒、例えばZSMおよび関連タイプを用いる。エチレンが得られる脱水ではWHSVは5.3〜6h-1、反応器温度は240〜290℃である。圧力は1〜2気圧である。反応器の熱収支に関する記載はない。
特許文献5(米国特許第4727214号明細書)は結晶性ゼオライトタイプの少なくとも一種の触媒を用いて無水または水性のエタノールをエチレンに変換する方法に関するものである。この触媒は8および/または10の元素または員を有する酸素原子の環またはリングで形成されるチャネルまたは孔を有する。実施例でのSi/Al原子比は2〜45、温度は217〜400℃、圧力は大気圧、WHSVは2.5h-1である。反応器の熱収支に関する記載はない。
特許文献6(米国特許第4847223号明細書)にはSi/Al原子比が5〜54の酸タイプのペンタシルゼオライトに0.5〜7重量%のトリフルオロメタンスルホン酸を組み合わせた触媒と、その製造方法とが記載されている。この従来技術には希釈した水性エタノールをエチレンに変換する方法も含まれる。この方法ではSi/Al原子比が5〜54の酸タイプのペンタシルゼオライトに0.5〜7重量%のトリフルオロメタンスルホン酸を付けた触媒に、エタノールを170〜225℃の温度、大気圧で流して所望の生成物を回収する。WHSVは1〜4.5-1である。この従来技術に関係するゼオライトはZSMとよばれるタイプまたはペンタシルゼオライト類すなわちZSM−5およびZSM−11タイプのゼオライトに属する。実施例は水性エタノールを用いて実験室規模でのみ行われ、反応器の熱収支に関する記載はない。
特許文献7(米国特許第4873392号明細書)には希釈したエタノールをエチレンに変換する方法が記載されている。この方法ではエタノール含有発酵もろみ液を加熱してエタノールと水との混合物を気化させ、得られた気化混合物を下記ゼオライト:
(1)400〜800℃の温度で1〜48時間水蒸気処理した、Si/Al原子比が5〜75のZSM−5ゼオライト、
(2)LaまたはCeイオンがイオン交換によって0.1〜1.0重量%組み込まれるか、含浸によって0.1〜5重量%組み込まれた、Si/Al原子比が5〜50のZSM−5ゼオライト、
(3)0.5〜7重量%のトリフルオロメタンスルホン酸を含浸した、Si/Al原子比が5〜50のZSM−5ゼオライト、
から成る群の中から選択されるZSM−5ゼオライト触媒と接触させ、得られたエチレンを回収する。
実施例1の触媒はSi/Al比が21の水蒸気処理したZSM−5で、水性フィードは10重量%のエタノールと2重量%のグルコースとを含み、温度は275で、WHSVは3.2〜38.5h-1である。エチレン収率はWHSVの増加とともに減少し、エチレン収率はWHSVが3.2h-1の時に99.4%、WHSVが38.5h-1の時に20.1%である。
実施例2では、Si/Al比が10のZSM−5をLaまたはCeイオンを組み入れた同じZSM−5と比較している。水性フィードは10重量%のエタノールと2重量%のグルコースとを含み、温度は200〜225℃で、WHSVは1h-1で、エチレンの最高収率は94.9%である。
実施例3の触媒は、トリフルオロメタンスルホン酸を組み入れた、Si/Al比が10のZSM−5である。水性フィードは10重量%のエタノールと2重量%のグルコースとを含み、温度は180〜205℃で、WHSVは1h-1である。エチレン収率は温度とともに増加し(180℃で73.3%、200℃で97.2%)、次いで減少する(205℃で95.8%)。実施例に圧力の記載はない。実施例は水性エタノールを用いて実験室規模でのみ行われ、反応器の熱収支に関する記載はない。
特許文献8(米国特許第4670620号明細書)にはZSM−5触媒を用いてエタノールを脱水してエチレンにする方法が記載されている。好ましい実施例では、この特許で用いられる触媒は好ましくは少なくとも一部が水素の形になったZSM−5型である。実施例の触媒はSi/Al比が40〜5000(実施例13)のZSM−5またはZSM−11で、LHSVは0.1〜1.8h-1で、圧力は大気圧で、温度が230〜415℃である。実施例は水性エタノールを用いて実験室規模でのみ行われ、反応器の熱収支に関する記載はない。
上記従来技術に関する文献は、顕熱運搬成分としての水蒸気または水蒸気と窒素の混合物の使用を説明しており、特定の触媒のみを対象としている。
米国特許第4207424号明細書 米国特許第4302357号明細書 米国特許第4232179号明細書 欧州特許第22640号公報 米国特許第4727214号明細書 米国特許第4847223号明細書 米国特許第4873392号明細書 米国特許第4670620号明細書
1979年12月のプロセス経済学レビューPEP’79−3(SRI国際)
本発明者は、実質的に断熱性の反応器中で、顕熱運搬成分として炭化水素またはCO2を用いて、少なくとも一種のアルコールを脱水して少なくとも一種のオレフィンを製造することができるということを見出した。
本発明者はさらに、実質的に断熱性の反応器中で、結晶性シリケートまたは燐改質ゼオライトの存在下で、任意の顕熱運搬成分を用いて、少なくとも一種のアルコールを脱水して少なくとも一種のオレフィンを製造できることを見出した。
発明者はさらに、不活性成分が顕熱運搬成分であるだけでなく、オレフィンの収率を高めるということも見出した。
例えば、エタノールを脱水してエチレンを製造する方法では、エタノールの炭化水素への変換率は少なくとも98%、大抵は99%になり、エチレン収率は少なくとも97%、エチレン選択率は少なくとも96%で、大抵は97%になり、エチレン純度は少なくとも99%、大抵は99.8%になる。
エタノール変換率は(反応器に導入したエタノール−反応器を出るエタノール)/(反応器に導入したエタノール)比である。
エチレン収率は炭素基準で(反応器を出るエチレン)/(反応器に導入したエタノール)比である。
エチレン選択率は炭素基準で(反応器を出るエチレン)/(反応器内で変換されたエタノール)比である。
エチレン純度は炭素基準で(反応器を出るエチレン)/(エチレン+反応器を出るエタン)比である。すなわち、エチレン純度は反応器を出る流れの中の回収された沸点の近い化合物を含むC2カット中に存在するエチレンの炭素基準でのパーセンテージである。C2カットは未変換エタノールとアセトアルデヒド(存在したとしても)は含まない。アルコールおよびオレフィンにも同様な定義が(必要に応じて変更して)適用される。
本発明の対象(第1実施例)は、下記(a)〜(e):
(a)必要に応じて水溶液にした少なくとも一種のアルコールと、不活性成分とを含む流れ(A)を反応器に導入し、
(b)反応器内で、アルコールの少なくとも一部を脱水してオレフィンを製造するのに有効な条件下で上記流れ(A)を触媒と接触させ、
(c)反応器から(1)不活性成分および少なくとも一種のオレフィンと、(2)水および任意成分としての未変換アルコールとを含む流れ(B)を回収し、
(d)必要に応じて上記流れ(B)を分留して未変換アルコールを回収し、未変換アルコールを(a)段階の反応器へ再循環し、
(e)必要に応じて上記流れ(B)を分留して、不活性成分とオレフィンを回収し、不活性成分を(a)段階の反応器へ再循環する、
の段階を含む、少なくとも一種のアルコールを脱水して少なくとも一種のオレフィンを製造する方法であって、
上記不活性成分がエタン、3〜10個の炭素原子を有する炭化水素、ナフテンおよびCO2の中から選択され、この不活性成分の比率は上記反応器が基本的に断熱状態で運転できるような比率であることを特徴とする方法にある。
流れ(A)中の水はアルコール供給原料中に自然に存在する水、例えばエタノールと水との共沸混合物の水である。水はある程度の顕熱を脱水反応器((a)段階の反応器)へ運搬するが、不活性成分によって運搬される顕熱と比べると少ないことは理解できよう。
アルコールの分圧は絶対圧力4bar(0.4MPa)以下であるのが有利である。ガス圧縮機を用いずにポンプのみを用いて不活性成分を回収し、この不活性成分を(a)段階の反応器への再循環を助けるように、脱水反応器の圧力を十分に高くするのが有利である。
本発明の別の対象(第2実施例)は、下記(a)〜(e):
(a)必要に応じて水溶液にした少なくとも一つのアルコールと、不活性成分とを含む流れ(A)を反応器に導入し、
(b)反応器内で上記の流れ(A)を、アルコールの少なくとも一部が脱水されてオレフィンが製造されるに有効な条件下で触媒と接触させ、
(c)反応器から(1)不活性成分および少なくとも一つのオレフィンと(2)水および任意成分としての未変換アルコーの成分を含む流れ(B)を回収し、
(d)必要に応じて、流れ(B)を分留して未変換アルコールを回収し、この未変換アルコールを(a)段階の反応器に再循環し、
(e)必要に応じて上記流れ(B)を分留して、不活性成分およびオレフィンを回収し、この不活性成分の少なくとも一部を(a)段階の反応器へ再循環する、
の段階を含む、少なくとも一種のアルコールを脱水して少なくとも一種のオレフィンを製造する方法であって、触媒が、
(1)Si/Al比が少なくとも100である結晶性シリケートか、
(2)脱アルミニウム化した結晶性シリケートか、または、
(3)燐改質ゼオライト、
であり、触媒がSi/Al比が少なくとも100である結晶性シリケートまたは脱アルミニウム化した結晶性シリケートの場合にアルコールのWHSVが少なくとも2h-1であり、不活性成分の比率は反応器が基本的に断熱状態で運転できるような比率であり、温度範囲が280〜500℃であることを特徴とする方法にある。
流れ(A)中の水はアルコール供給原料中に自然に存在する水、例えばエタノールと水との共沸混合物の水である。水はある程度の顕熱を脱水反応器((a)段階の反応器)に運搬するが、不活性成分によって運搬される顕熱と比べると少ないことは理解できよう。
アルコールの分圧は絶対圧力4bar(0.4MPa)以下であるのが有利である。
上記流れ(A)のアルコールは脱水して対応するオレフィンにすることができる任意のアルコールである。その一例としては2〜10個の炭素原子を有するアルコールが挙げられる。本発明ではエタノール、プロパノール、ブタノールおよびフェニルエタノールにするのが有利である。
不活性成分は触媒を損なわない任意の成分である。不活性成分は3〜7個の炭素原子、有利には4〜6個の炭素原子を含む飽和炭化水素または飽和炭化水素の混合物であるのが有利であり、ペンタンであるのが好ましい。不活性成分の例としては飽和化合物、飽和化合物の合成混合物およびある種の平衡製油所流れ、例えば直留ナフサ、ブタン等が挙げられる。
不活性成分とアルコールとの重量比は任意の比にすることができ、脱水エンタルピーおよび(a)段階の反応器の入口と出口の温度差を考慮して当業者が決めることができる。例としてはアルコールがエタノールで、不活性成分がペンタンの場合、ペンタンとエタノールとの重量比は1/1〜10/1にするのが有利である。水蒸気(A)は液体または気体にすることができる。
実施例から、エタノール脱水用のエネルギー移送体(ベクター)としてのn−ペンタン(不活性炭化水素媒体)の有益な効果が実証された(実施例の[表2]における反応器の平均T参照)。
この化合物によるエタノールの希釈によって、単一反応器内で重質化合物が多量に生成すること無しに、同じ条件下でのC2の収率を増大させることができる。
反応器は固定床反応器、移動床反応器または流動床反応器にすることができる。一般的な流動床反応器は製油所で流動床触媒クラッキングに用いるFCC型の一種である。一般的な移動床は連続触媒改質型である。脱水は一対の並列「スイング」反応器を用いた固定床反応器設備で連続的に実施できる。本発明の種々の好ましい触媒は高い安定性を示すことが確認されており、それによって一方の反応器が運転し、他方の反応器で触媒再生する2つの並列「スイング」反応器で脱水プロセスを連続的に行うことができる。また、本発明の触媒は数回再生できる。
圧力に関しては、(b)段階のアルコールの分圧を有利には絶対圧力4bar(0.4MPa)以下、さらに有利には絶対圧力0.5〜4bar(0.05MPa〜0.4MPa)、好ましくは絶対圧力3.5bar(0.35MPa)以下、さらに好ましくは絶対圧力2bar(0.2MPa)以下にする。脱水反応器の圧力は、ガス圧縮機を用いずにポンプのみを用いて不活性成分を回収し、不活性成分を(a)段階の反応器へ再循環するのを助けるように、十分に高くするのが有利である。圧力は任意の圧力にすることができるが、中程度の圧で運転するのがより経済的である。例えば、反応器の圧力は絶対圧力1〜30bar(0.1MPa〜3MPa)、有利には絶対圧力1〜20bar(0.1MPa〜2MPa)、さらに有利には絶対圧力5〜15bar(0.5MPa〜1.5MPa)、好ましくは絶対圧力10〜15bar(1MPa〜1.5MPa)である。
温度は280〜500℃、有利には280〜450℃、さらに有利には300〜400℃、好ましくは330〜380℃である。
これらの反応温度は実質的に触媒床の平均温度である。エタノール脱水は吸熱反応であるため、十分に高い触媒活性を維持し且つ熱力学平衡を十分に高い変換レベルに移すためには反応熱を注入する必要がある。
流動床反応器の場合、(i)触媒循環のない静止流動床では反応温度は触媒床全体でほぼ均一であり、(ii)変換反応部分と触媒再生部分との間で触媒が循環する循環流動床では、触媒逆混合度に応じて、触媒床の温度は均一条件に近づく(逆混合が大)か、プラグ流条件に近づき(ほぼ逆混合なし)、従って、変換が進むにつれて減少する温度分布を設定する。
固定床または移動床反応器の場合にはアルコールの変換が進むにつれて減少する温度分布を設定する。温度降下(従って触媒活性の低下)を補償するため、また、熱力学平衡に近づくため、複数の触媒床を直列に用い、第1床からの反応器流出物をより高い温度に内部加熱し、加熱流出物を第2触媒床に導入して反応熱を導入することができる。固定床反応器を用いる時は多管式反応器を使用し、触媒を反応器シェルに取付けた小径管に充填する。シェル側には加熱媒体を導入して反応器管の壁を介した熱伝達によって所望の反応熱を与える。
(b)段階のアルコールのWHSVは0.1〜20h-1、有利には0.4〜20h-1、さらに有利には0.5〜15h-1、好ましくは0.7〜12h-1である。特定実施例では(b)段階のエタノールのWHSVは有利には2〜20h-1、さらに有利には4〜20h-1、好ましくは5〜15h-1、さらに好ましくは7〜12h-1である。
流れ(B)は不活性成分と、少なくとも一種のオレフィンと、水と、任意成分としての未変換アルコールとを含む。この未変換アルコールはできるだけ少なくするべきである。この流れ(B)は別のプロセスに送ることができる。流れ(B)を分留して未変換アルコールを回収し、この未変換アルコールを(a)段階の反応器へ再循環する。不活性成分と、少なくとも一種のオレフィンと、水とを含む流れ(B)の残部を別のプロセスへ送ることができる。この流れを別のプロセスに送る前に、必要に応じて、水を除去する。上記の分留は任意の手段によって行うことができる。
必要に応じて、流れ(B)を分留して不活性成分およびオレフィンを回収し、不活性成分を(a)段階の反応器へ再循環する。水と未変換アルコールを流れ(B)から分離し、その後、(B)を分留して不活性成分とオレフィンを回収するのが有利である。不活性成分は液相で回収される炭化水素で、ポンプによって加圧下に(a)段階に送り、ここで新規のアルコールと混合するのが有利である。
(b)段階の触媒は上記条件下でアルコールの脱水を生じさせることができる任意の酸触媒にすることができる。例としてはゼオライト、改質ゼオライト、シリカ−アルミナ、アルミナ、シリコ−アルモホスフェートが挙げられる。これらの触媒の例は上記の従来技術に挙げられている。
第1の有利な実施例では、(b)段階の触媒は有利には少なくとも一種の10員環を構造中に含む結晶性シリケートである。例としては下記のものが挙げられる:珪素、アルミニウム、酸素および任意成分としての硼素から成るミクロポーラス材料のMFI(ZSM−5、シリカライト−1、ボラライトC、TS−1)、MEL(ZSM−11、シリカライト−2、ボラライトD、TS−2、SSZ−46)、FER(フェリエ沸石、FU−9、ZSM−35)、MTT(ZSM−23)、MWW(MCM−22、PSH−3、ITQ−1、MCM−49)、TON(ZSM−22、Theta−1、NU−10)、EUO(ZSM−50、EU−1)、MFS(ZSM−57)およびZSM−48類。この第1実施例では、触媒はSi/Al比が少なくとも約100である結晶性シリケートまたは脱アルミニウム化した結晶性シリケートであるのが有利である。
Si/Al比が少なくとも約100である結晶性シリケートはMFIおよびMELの中から選択するのが有利である。
Si/Al比が少なくとも約100である結晶性シリケートおよび脱アルミニウム化した結晶性シリケートは基本的にH型である。すなわち、マイナー成分(約50%以下)として金属補償イオン、例えばNa、Mg、Ca、La、Ni、Ce、Zn、Coを含むことができる。
脱アルミニウム化した結晶性シリケートでは約10重量%のアルミニウムが除去されるのが有利である。この脱アルミニウム化はそれ自体周知な任意の一般的技術によって行うことができるが、水蒸気処理で行い、その後に必要に応じて浸出(leaching)するのが有利である。Si/Al比が少なくとも約100である結晶性シリケートはそれ自体を合成するか、少なくとも約100のSi/Al比を得るのに有効な条件下で結晶性シリケートを脱アルミニウムして作ることができる。この脱アルミニウムは水蒸気処理後に、必要に応じて浸出を行うのが有利である。
3文字の記号「MFI」および「MEL」はそれぞれ国際ゼオライト協会の構造委員会によって確立された特定の結晶性シリケート構造型を表す。MFI型の結晶性シリケートの例としては合成ゼオライトZSM−5およびシリカライトおよび当業者に周知の他のMFI型結晶性シリケートが挙げられる。MEL類の結晶性シリケートの例としてはゼオライトZSM−11および当業者に周知の他のMEL型結晶性シリケートが挙げられる。その他の例としては国際ゼオライト協会(Atlas of zeolite structure types,1987,Butterworth)に記載のボラライトDおよびシリカライト−2が挙げられる。
国際ゼオライト協会(Atlas of zeolite structure types,1987,Butterworth)
好ましい結晶性シリケートは10個の酸素リングで規定される気孔またはチャネルと、高い珪素/アルミニウム原子比とを有する。
結晶性シリケートは酸素イオンを共有して互いに結合したXO44面体(Xは三価(例えばAl、B、・・・)または四価(例えばGe、Si、・・・)にすることができる)の骨格をベースにしたミクロポーラス結晶性の無機ポリマーである。結晶性シリケートの結晶構造は4面体単位の網状構造が互いに結合した特定の順序で定義される。結晶性シリケートの気孔開口部の寸法は4面体単位の数または気孔の形成に必要な酸素原子の数および気孔の中に存在するカチオンの種類によって決まる。これらは下記の特性を独特な組み合わせで有する:高い内部表面積、一つまたは複数の別個の寸法の均一な気孔、イオン交換性、良好な熱安定性および有機化合物の吸着能力。これらの結晶性シリケートの気孔は対象とする多くの有機分子に類似した寸法を有するので、反応物および生成物の出入りが制御され、その結果、触媒反応で特定の選択性が得られる。MFI構造を有する結晶性シリケートは下記気孔径を有する双方向交差細孔系を有する:0.53-0.56 nm:[010]に沿った直線的なチャネルおよび0.51-0.55 nm:[100]に沿ったサイン形チャネル。MEL構造を有する結晶性シリケートは気孔径が0.53-0.54 nmの[100]に沿った直線的チャネルを有する双方向交差細孔系を有する。
本明細書で「珪素/アルミニウム原子比」または「珪素/アルミニウム比」とは結晶性シリケートの骨格Si/Al原子比を意味する。細孔中に存在する可能性のある化学種を含む非晶質Siおよび/またはAlは骨格の一部をなさない。下記の脱アルミニウムの中で説明するように、細孔中に非晶質Alが残存するので、これを全Si/Al原子比から除外しなければならない。上記の材料全体には結合剤のSiおよびAl種は含まれない。
特定実施例では、触媒は少なくとも約100、好ましくは約150以上、さらに好ましくは約200以上の高い珪素/アルミニウム原子比を有する。それによって触媒はかなり低い酸度を有する。触媒の酸度は触媒を触媒上の酸性サイトに吸着するアンモニアと接触させ、次いで高温で脱着させたアンモニウムを示差熱重量分析で測定し、触媒上の残留アンモニアの量を求めて決めることができる。珪素/アルミニウム比(Si/Al)は好ましくは約100〜約1000、さらに好ましくは約200〜約1000である。このような触媒自体は公知である。
本発明方法の特定実施例では結晶性シリケートを水蒸気処理して結晶性シリケートの骨格からアルミニウムを除去する。この水蒸気処理は高温、好ましくは425〜870℃、さらに好ましくは540〜815℃で、大気圧で、13〜200kPaの水の分圧下で行う。この水蒸気処理は5〜100%の蒸気を含む雰囲気中で行うのが好ましい。蒸気雰囲気は5〜100体積%の水蒸気を0〜95体積%の不活性ガス、好ましくは窒素と一緒に含むのが好ましい。さらに好ましい雰囲気は72体積%の水気と28体積%の窒素、すなわち1気圧の圧力で72kPaの水蒸気を含む。水蒸気処理は好ましくは1〜200時間、さらに好ましくは20〜100時間行う。既に述べたように、水蒸気処理によって結晶性シリケート骨格中の4面体アルミニウムの量は減少し、アルミナが形成されるようになる。
さらに別の特定実施例では下記方法によって結晶性シリケート触媒を脱アルミニウム化する。すなわち、触媒を水蒸気中で加熱して結晶性シリケート骨格からアルミニウムを除去し、次いでこの触媒をアルミニウム用の錯化剤(complexing agnet)と接触させることで水蒸気処理段階で骨格中に堆積したアルミナを骨格の気孔から除去することで触媒からアルミニウムを抜き出し、それによって、触媒の珪素/アルミニウム原子比を大きくする。本発明の触媒方法で使用する珪素/アルミニウム原子比が高い触媒は市販の結晶性シリケートからアルミニウムを除去して製造することができる。例えば一般的な市販のシリケートは珪素/アルミニウム原子比は約120である。本発明では市販の結晶性シリケートを水蒸気処理プロセスによって改質する。この改質プロセスでは結晶性シリケート骨格中の4面体アルミニウムを減らし、アルミニウム原子を非晶質アルミナの形をした8面体アルミニウムに変える。
水蒸気処理段階ではアルミニウム原子が結晶性シリケート骨格構造から化学的に除去されてアルミナ粒子が形成されるが、これらの粒子は骨格中の気孔またはチャネルを部分的に閉塞させ、その結果、本発明の脱水方法を防止する危険性がある。従って、結晶性シリケートの抽出(抜出し)段階を行う。この抽出段階では水蒸気処理段階後に、非晶質アルミナを気孔から除去し、細孔容積の少なくとも一部を回復させる。この浸出段階では水溶性アルミニウム錯体を形成させて非晶質アルミナを気孔から物理的に除去し、結晶性シリケートの全体的脱アルミニウム効果が得られる。すなわち、上記プロセスの目的は結晶性シリケート骨格からアルミニウムを除去し、形成されたアルミナを気孔から除去することで触媒の細孔表面全体でほぼ均一な脱アルミニウム化を達成することにある。これによって触媒の酸度が低下する。酸度の低下は結晶性シリケート骨格中に規定された気孔全体で理想的にほぼ均一に生じる。水蒸気処理後に抽出処理を行って浸出によって触媒を脱アルミニウム化する。
アルミニウムは、アルミナに可溶な錯体を形成する錯化剤を用いて結晶性シリケートから抽出するのが好ましい。この錯化剤は水溶液であるのが好ましい。錯化剤は有機酸、例えばクエン酸、ギ酸、シュウ酸、酒石酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フタル酸、イソフタル酸、フマル酸、ニトリロ三酢酸、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸またはこれら酸の塩(例えばナトリウム塩)またはこれら酸または塩の二種以上の混合物にすることができる。
上記錯化剤は無機酸、例えば硝酸、ハロゲン酸、硫酸、リン酸またはこれら酸の塩または上記酸の混合物にすることもできる。錯化剤は上記の有機酸と無機酸またはこれらに対応する塩を含むこともできる。アルミニウム用錯化剤はアルミニウムと一緒に水溶性錯体を形成して水蒸気処理段階で形成されたアルミナを結晶性シリケートから除去するものが好ましい。特に好ましい錯化剤としてはアミン、好ましくはエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)またはこれらの塩、特にこれらのナトリウム塩が挙げられる。好ましい実施例ではこのプロセスによって骨格珪素/アルミニウム比の値は約150〜1000、さらに好ましくは少なくとも200に増大する。
アルミニウム浸出段階後に、結晶性シリケートを洗浄、例えば蒸留水を用いて洗浄し、次いで乾燥、好ましくは高温、例えば約110℃で乾燥することができる。
本発明の触媒の製造中にアルカリまたはアルカリ土類金属を用いた場合には分子篩はイオン交換段階される。一般にイオン交換はアンモニウム塩または無機酸を用いて水溶液中で行う。
脱アルミニウム化段階後に触媒を例えば400〜800℃の温度、大気圧で1〜10時間焼成する。
別の特定実施例では、結晶性シリケート触媒を結合剤、好ましくは無機結合剤と混合し、所望の形状、例えばペレットにする。結合剤は本発明の脱水方法で用いる温度、その他の条件に耐えるものを選択する。結合剤はクレー、シリカ、金属シリケート、金属酸化物、例えばZrO2および/または金属またはシリカと金属酸化物との混合物を含むゲルの中から選択される無機材料である。結合剤はアルミナを含まないのが好ましい。結晶性シリケートと併用する結合剤自体が触媒活性を有する場合は、触媒の変換率および/または選択率を変えることになる。結合剤用の不活性材料は変換量を制御する希釈剤の役目をし、それによって反応速度を制御するための他の手段を用いずに生成物を経済的且つ規則的に得ることができる。
商業用途では触媒が粉末状物質に分解するのを防ぐのが望ましいため、破砕強度に優れた触媒にするのが望ましい。クレーや酸化物の結合剤は一般に触媒の破砕強度を強くするためだけに使用される。本発明触媒に特に好ましい結合剤はシリカを含む。微粉砕した結晶性シリケート材料と結合剤の無機酸化物マトリクスとの相対比率は広範囲に変えることができる。一般に、結合剤の含有率は複合触媒の重量に対して5〜95重量%、一般には20〜50重量%である。結晶性シリケートと無機酸化物結合剤とのこのような混合物は配合型(formulated)結晶性シリケートとよばれる。触媒と結合剤とう混合して触媒をペレットに配合(formulated)したり、他の形状に押し出したり、球状または噴霧乾燥粉末にすることができる。一般に、結合剤と結晶性シリケート触媒は混合プロセスで混合する。このプロセスではゲルの形をした結合剤、例えばシリカを結晶性シリケート触媒材料と混合し、得られた混合物を所望形状、例えば円筒のロッドまたは多葉ロッドに押し出す。球状には回転造粒機または油滴技術ですることができる。触媒−結合剤懸濁液の噴霧乾燥で小球を作ることができる。その後、配合型結晶性シリケートを空気中または不活性ガス中で一般に200〜900℃の温度で1〜48時間焼成する。結合剤は全てのアルミニウム化合物、例えばアルミナを全く含まないのが好ましい。すなわち、既に述べたように、本発明で用いるのに好ましい触媒は脱アルミニウム化して結晶性シリケートの珪素/アルミニウム比を高くしたものである。結合剤中のアルミナが存在した場合、結合段階をアルミニウム抽出段階の前に行うと、さらに過剰なアルミナが生じる。アルミニウム含有結合剤を結晶性シリケート触媒と混合し、その後にアルミニウム抽出した場合には、触媒が再アルミニウム化する。
触媒と結合剤との混合を水蒸気処理および抽出段階の前または後にすることもできる。
別の実施例では(b)段階の触媒は単斜(monoclinic)構造を有する結晶性シリケート触媒である。この単斜構造は珪素/アルミニウム原子比が80以下であるMFI型の結晶性シリケートを用意し、この結晶性シリケートを水蒸気で処理した後に浸出水溶液と接触させてゼオライトからアルミニウムを浸出し、それによって触媒が単斜構造を有する触媒の珪素/アルミニウム原子比が少なくとも180の触媒を製造する方法で作られる。
水蒸気処理段階の温度は好ましくは425〜870℃、さらに好ましくは540〜815℃で、水の分圧は13〜200kPaである。
浸出し、アルミナに可溶な錯体を形成するアルミニウム用錯化剤の水溶液とゼオライトとを接触させて水溶性化合物を形成させてアルミニウムを除去するのが好ましい。
上記の好ましい単斜結晶性シリケートの製造法の出発材料のMFI型の結晶性シリケート触媒は有機鋳型分子を用いずに合成され、斜方対称性を有し、珪素/アルミニウム原子比はかなり低いが、最終的な結晶性シリケート触媒は連続水蒸気処理およびアルミニウム除去を行う結果、かなり高い珪素/アルミニウム原子比を有し、単斜対称性を有する。アルミニウム除去段階後に結晶性シリケートをアンモニウムイオンでイオン交換できる。斜方対称性を有するMFI型結晶性シリケートが空間群Pnmaに入ることは当業者には周知である。この斜方晶構造のX線回折図はd=約0.365nm、d=約0.305nmおよびd=約0.300nmに一つのピークを有する(特許文献9参照)。
欧州特許出願第EP−A−0146524号
出発材料の結晶性シリケートは珪素/アルミニウム原子比が80以下である。一般的なZSM−5触媒は3.08重量%のAl23と0.062重量%のNa2Oとを有し、100%斜方晶系である。この触媒の珪素/アルミニウム原子比は26.9である。
水蒸気処理段階は上述のように行う。水蒸気処理ではアルミナが形成され結晶性シリケート骨格中の4面体アルミニウムの量が減る。アルミニウム浸出または抽出段階は上述のようにして行う。このアルミニウム浸出段階では結晶性シリケートを酸性溶液または錯化剤を含む溶液中に浸漬し、次いで、好ましくは加熱する、例えば、還流条件(凝縮蒸気が全て戻る沸点)で長時間、例えば18時間加熱する。アルミニウム浸出段階後に結晶性シリケートを洗浄、例えば蒸留水で洗浄し、次いで、好ましくは高温、例えば約110℃で乾燥する。さらに、必要に応じて結晶性シリケートをイオン交換する。例えば結晶性シリケートをNH4Clの水溶液中に浸漬してアンモニウムイオンとイオン交換する。
最後に、触媒を高温、例えば少なくとも400℃の温度で焼成する。焼成時間は一般に約3時間である。
得られた結晶性シリケートは単斜対称性を有し、空間群P21/nに入る。単斜構造のX線回折図はd=約0.36、0.31および0.19nmに3つの二重線を示す。この二重線の存在は単斜対称に固有である。特に、d=約0.36での二重線は2つのピーク(d=0.362nmとd=0.365nm)を含む。これに対して斜方構造はd=0.365nmに単一のピークを有する。
単斜構造の存在はd=約0.36nmでのX線回折線強度を比較することで定量化できる。純粋な斜方晶構造を有するMFI結晶性シリケートと、純粋な単斜晶構造を有するMFI結晶性シリケートとの混合物を作った場合には、その混合物の組成を単斜晶指数(%)で表すことができる。X線回折図形を記録し、単斜晶の場合はd=0.362nm、斜方晶の場合はd=0.365nmでのピーク高さを測定し、それぞれlmおよびloで表す。単斜晶指数とlm/loとの間の線形回帰線が未知試料の単斜晶の測定に必要な関係を表す。従って、単斜晶指数%=(axlm/lob)×100(ここで、aとbは回帰パラメターである)。
上記のような少なくとも100、好ましくは約200以上のかなり高い珪素/アルミニウム原子比を有する単斜晶の結晶性シリケートを結晶化段階で有機鋳型分子を用いずに製造できるという利点がある。さらに、出発材料の結晶性シリケートは小さい結晶寸法を有し、このサイズはその後のプロセス段階で大きくならないので、単斜結晶性シリケートの結晶寸法を小さくでき、一般に1ミクロン以下、さらには約0.5ミクロンに維持できる。結晶寸法を相対的に小さく維持できるため、それに応じて触媒の活性も増大できる。これは単斜晶結晶性シリケート触媒の優れた利点である。一般に、高いSi/Al比を直接有するものを有機鋳型分子の存在下で製造した時の結晶寸法は1ミクロン以上であり、本質的により大きな微結晶寸法になる。
本発明の第3の有利な実施例では、(b)段階の触媒はP改質ゼオライト(燐改質(phosphorus modified)ゼオライト)である。この燐改質分子篩は、初期Si/Al比が有利には4〜500であるMFI、MOR、MEL、クリノプチロライトまたはFER結晶性アミノシリケート分子篩をベースにして製造できる。この製法のP改質ゼオライトはSi/Al比が低い(30以下の)安価な結晶性シリケートをベースにして得ることができる。
例えば、上記P改質ゼオライトは下記段階を下記順序で行うプロセスで作られる:
(1)H+またはNH4 +型のMFI、MEL、FER、MOR、クリノプチロライトの中でゼオライト(有利にはSi/Al比が4〜500)を選択し、
(2)有利には少なくとも0.05重量%のPを導入するのに有効な条件下でPを導入し、
(3)固体(存在する場合)を液体から分離し、
(4)任意の洗浄段階または任意の乾燥段階または任意の乾燥段階と、その後の洗浄段階を行い、
(5)焼成する。XTOの触媒とOCPの触媒は同一でも異なっていてもよい。
上記のSi/Al比が低いゼオライトはこれまで有機鋳型を用いて(または用いずに)直接添加で製造されていた。
上記のP改質ゼオライトの製造方法は、必要に応じてさらに水蒸気処理および浸出段階を含むことができる。その方法では水蒸気処理後に浸出する。ゼオライトの水蒸気処理によってアルミニウムがゼオライト骨格から出て、ゼオライトの気孔の内側および外側に酸化アルミニウムとして存在するということは一般に当業者には周知である。この変態はゼオライトの脱アルミニウム化(dealumination)として知られ、本明細書ではこの用語を用いる。水蒸気処理済みのゼオライトを酸溶液で処理して骨格外の酸化アルミニウムを溶解する。この操作は浸出(leaching)として知られ、本明細書ではこの用語を用いる。次いで、ゼオライトを有利には濾過分離し、必要に応じて洗浄する。乾燥段階を濾過段階と洗浄段階との間に行うこともできる。洗浄後の溶液は例えば濾過によって固体から分離するか、蒸発させることができる。
また、Pを任意の他の手段、例えば特許文献8、10、11に記載の製法に従って導入できる。
米国特許第5,573,990号明細書 米国特許第6,797,851号明細書
P改質ゼオライトを用いた触媒(A1)はP改質ゼオライト自体にするか、触媒に最終触媒生成物に追加の硬度または触媒活性を与えるための他の材料を組合せた配合型のP改質ゼオライトにすることができる。
固体からの液体の分離は0〜90℃の温度での濾過、0〜90℃の温度での遠心分離、蒸発またはこれらと同等な方法で行うのが有利である。
ゼオライトの分離後、洗浄前に、必要に応じてさらに乾燥することができる。この乾燥は40〜600℃の温度で有利には1〜10時間行う。この乾燥は静止状態でまたはガス流中で行うことができる。空気、窒素または任意の不活性ガスを使用できる。
洗浄段階を冷水(<40℃)または熱水(>40℃であるが<90℃)を用いて濾過中(分離段階)で実施するか、固体を水溶液(1kgの固体/4リットル水溶液)に入れ、0.5〜10時間還流条件下に処理し、その後、蒸発または濾過を実施することができる。
最終焼成段階は静止状態でまたはガス流中で400〜700℃の温度で実施するのが有利である。空気、窒素または任意の不活性ガスを使用できる。
本発明の第3の有利な実施例の特定実施例では、燐改質ゼオライトが下記の段階を下記順序で行うプロセスで作られる:
(1)H+またはNH4 +型のMFI、MEL、FER、MOR、クリノプチロライトの中からゼオライト(有利にはSi/Al比が4〜500、この実施例では4〜30)を選択し、
(2)400〜870℃の温度で0.01〜200時間、水蒸気処理し、
(3)ゼオライトからAlの大部分を除去するのに有効な条件下で酸水溶液で浸出し、
(4)有利には少なくとも0.05重量%のPを導入するのに有効な条件下でP源を含む水溶液を用いてPを導入し、
(5)固体を液体から分離し、
(6)任意の洗浄段階または任意の乾燥段階または任意の乾燥段階とその後の洗浄段階を行い、
(7)焼成する。
水蒸気処理段階と浸出段階との間に、必要に応じてさらに中間段階、例えばシリカ粉末との接触および乾燥を存在させることができる。
選択されたMFI、MEL、FER、MOR、クリノプチロライト(またはH+またはNH4 +型のMFI、MEL、FER、MOR、クリノプチロライト)は初期の原子比Si/Al比が100以下で、この実施例では4〜30であるのが有利である。H+またはNH4 +型への変換自体公知であり、特許文献8、10に記載されている。
最終的なP含有率は少なくとも0.05重量%、好ましくは0.3〜7重量%であるのが有利である。浸出によって親ゼオライトMFI、MEL、FER、MORおよびクリノプチロライトに対して少なくとも10%のAlがゼオライトから抽出および除去されているのが有利である。
次いで、ゼオライトを洗浄溶液から分離するか、または、洗浄溶液から分離せずに乾燥する。この分離は濾過で行うのが有利である。次いで、ゼオライトを、例えば、400℃で2〜10時間焼成する。
水蒸気処理段階での温度は好ましくは420〜870℃、さらに好ましくは480〜760℃であり、圧力は大気圧であるのが好ましく、水の分圧は13〜100kPaにすることができる。水蒸気雰囲気は5〜100体積%の水蒸気を、0〜95体積%の不活性ガス、好ましくは窒素と一緒に含むのが好ましい。水蒸気処理は、好ましくは0.01〜200時間、有利には0.05〜200時間、さらに好ましくは0.05〜50時間行う。水蒸気処理ではアルミナを形成させて結晶性シリケート骨格中の4面体アルミニウムの量を減少させる。
浸出は有機酸、例えばクエン酸、ギ酸、シュウ酸、酒石酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フタル酸、イソフタル酸、フマル酸、ニトリロ三酢酸、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、またはこれら酸の塩(例えばナトリウム塩)またはこれら酸または塩の二種以上の混合物を用いて行うことができる。他の無機酸としては硝酸、塩酸、メタンスルホン酸、リン酸、ホスホン酸、硫酸のような無機酸またはこれら酸の塩(例えばナトリウム塩またはアンモニウム塩)またはこれら酸または塩の二種以上の混合物が挙げられる。
残留P含有率は、P源を含む酸水溶液中のP濃度、乾燥条件および洗浄操作(任意)で調節できる。乾燥段階は濾過段階と洗浄段階との間に行うことができる。
このP改質ゼオライト自体を触媒として使用できる。別の実施例では、このP改質ゼオライトは最終触媒生成物に追加の硬度または触媒活性を与えるその他の材料と組み合わせることによって触媒に配合できる。P改質ゼオライトと混合できる材料は種々の不活性または触媒活性材料または種々の結合剤材料にすることができる。これらの材料としてはカオリン、その他のクレーのような組成物、各種形態の希土類金属、燐酸塩、アルミナまたはアルミナゾル、チタニア、ジルコニア、石英、シリカまたはシリカゾルおよびこれらの混合物が挙げられる。これ成分は触媒および配合触媒の圧縮強度の増加に有効である。触媒はペレット、球に配合したり、その他の形状に押出したり、噴霧乾燥粒子にすることができる。最終触媒生成物中に含まれるP改質ゼオライトの量は全触媒の10〜90重量%、好ましくは全触媒の20〜70重量%である。
本発明の第2実施例では、詳細な説明は下記の点を除いて上記と同じである:
触媒は、
(1)Si/Al比が少なくとも100である結晶性シリケート、または、
(2)脱アルミニウム化した結晶性シリケート、または、
(3)燐改質ゼオライト、
であり、触媒がSi/Al比が少なくとも100である結晶性シリケートまたは脱アルミニウム化した結晶性シリケートであるときに、アルコールのWHSVは少なくとも2h-1であり、不活性成分は触媒を損なわない任意の成分であり、例えば本発明の上記の第1実施例と同じ成分および水蒸気、エチレンまたは窒素にすることができる。
触媒がSi/Al比が少なくとも100である結晶性シリケートまたは脱アルミニウム化した結晶性シリケートの場合、(b)段階のアルコールのWHSVは有利には2〜20h-1、さらに有利には4〜20h-1、好ましくは5〜15h-1、さらに好ましくは7〜12h-1である。(b)段階のアルコールのWHSVの上記の特定実施例は燐改質ゼオライトでも同じである。
触媒の結晶性シリケートおよび燐改質ゼオライトは上記第1、第2、第3の有利な実施例で説明した触媒と同じである。第1実施例での詳細な説明は第2実施例では変更すべきところは変更して適用する。
本発明の脱水方法で製造したオレフィンは例えば重合できるということは当業者には理解できよう。例えば、オレフィンがエチレンである場合、下記の反応ができる:
(1)重合してポリエチレンを形成する、
(2)二量化してブテンにした後、異性化してイソブテンにし、このイソブテンをエタノールと反応させてETBEを製造する、
(3)二量化して1−ブテンにし、三量化して1−ヘキセンにするか、四量化して1−オクテンにし、このα−オレフィンコモノマーをさらにエチレンと反応させてポリエチレンを製造する、
(4)二量化して1−ブテンにし、この1−ブテンを異性化して2−ブテンにし、
この2−ブテンをエチレンを用いてメタセシス反応によってプロピレンにさらに変換し、このプロピレンを重合してポリプロピレンにする、
(5)酸化エチレンおよびグリコールに変換する、
(6)塩化ビニルに変換する。
本発明の他の対象は、上記ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン、ブテン、ヘキサン、オクテン、イソブテン、ETBE、塩化ビニル、酸化エチレンおよびグリコールにある。
実施例1
触媒は水蒸気処理と酸処理とを組み合わせて脱アルミニウム化処理し、Si/Al比を270にした市販のシリケート(UOPからS115、Si/Al=150)から成る。この脱アルミニウム化したゼオライトを結合剤としてのシリカと一緒に押し出し、ゼオライトが70%の顆粒を得る。触媒調製の詳細な手順は特許文献12(欧州特許第1194502 B1号公報)の実施例1に記載されている。
欧州特許第1194502 B1号公報
実施例2
内径が11mmの管状反応器に10ml(6.3g)の触媒粒子(35〜45メッシュ)を充填して触媒試験をした。
N−ペンタンを固定床反応器内で350℃、LHSV=7h-1、P=1.35bara(絶対バール)で実施例1に記載の触媒と接触させた。1〜15hのTOS(運転時間)の間にn−ペンタンの目に見える変換は起こらなかった(0.1重量%以下、メタンの検出可能な生成なし、[表1])。
下記データから、実施例1に記載の選択触媒でのエタノール脱水の条件下ではn−ペンタン(パラフィン)は不活性であることがわかる。[表1]の「P」はパラフィンを意味し、「O」はオレフィンを意味し、「D」はジエンを意味する。
Figure 2011511037
実施例3(比較例)
内径が11mmの管状反応器に10ml(6.3g)の触媒粒子(35〜45メッシュ)を充填して触媒試験をした。
純粋なエタノールを固定床反応器内で350℃、LHSV=7h-1、P=1.35baraで実施例1に記載の触媒と接触させた。結果を[表2]に示す。結果は15hTOS中の平均触媒性能を示す。値は炭素基準乾燥基準での重量パーセントである。
実施例4
内径が11mmの管状反応器に10ml(6.3g)の触媒粒子(35〜45メッシュ)を充填して触媒試験をした。39重量%エタノール+61重量%n−ペンタンを含む混合物(1:1モル比)を固定床反応器内で350℃、エタノールのLHSV=7h-1、P=1.35baraで実施例1に記載の触媒と接触させた。結果を[表2]に示す。結果は15hTOS中の平均触媒性能を示す。値は炭素基準乾燥基準での重量パーセントである。
Figure 2011511037
上記データはエタノール脱水用のエネルギー輸送体(ベクター)としてのペンタン(不活性炭化水素媒体)の有益な効果を実証している。この化合物によるエタノールの希釈によってn−ペンタンから副生成物が追加生成すること無しに純粋なエタノール供給に対する同じ条件下でのC2の収率が増大する。実施例4でプロピレンおよびC4+炭化水素がわずかに多く生成することは希釈液からの追加の熱供給によって平均反応温度が高くなったことで説明できる。この分子は反応生成物でないので、極めて希釈溶液でも使用できる([表2])。

Claims (12)

  1. 下記(a)〜(e):
    (a)必要に応じて水溶液にした少なくとも一種のアルコールと、不活性成分とを含む流れ(A)を反応器に導入し、
    (b)反応器内で、アルコールの少なくとも一部を脱水してオレフィンを製造するのに有効な条件下で上記流れ(A)を触媒と接触させ、
    (c)反応器から(1)不活性成分および少なくとも一種のオレフィンと、(2)水および任意成分としての未変換アルコールとを含む流れ(B)を回収し、
    (d)必要に応じて上記流れ(B)を分留して未変換アルコールを回収し、未変換アルコールを(a)段階の反応器へ再循環し、
    (e)必要に応じて上記流れ(B)を分留して、不活性成分とオレフィンを回収し、不活性成分を(a)段階の反応器へ再循環する、
    の段階を含む、少なくとも一種のアルコールを脱水して少なくとも一種のオレフィンを製造する方法であって、
    上記不活性成分がエタン、3〜10個の炭素原子を有する炭化水素、ナフテンおよびCO2の中から選択され、この不活性成分の比率は上記反応器が基本的に断熱状態で運転できるような比率であることを特徴とする方法。
  2. 不活性成分がペンタンである請求項1に記載の方法。
  3. (b)段階の温度が280〜500℃である請求項1または2に記載の方法。
  4. (b)段階のアルコールのWHSVが0.1〜20h-1である請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法
  5. (b)段階の触媒が、Si/Al比が少なくとも約100である結晶性シリケート、脱アルミニウム化した結晶性シリケートおよび燐改質ゼオライトの中から選択される請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 下記(a)〜(e):
    (a)必要に応じて水溶液にした少なくとも一つのアルコールと、不活性成分とを含む流れ(A)を反応器に導入し、
    (b)反応器内で上記の流れ(A)を、アルコールの少なくとも一部が脱水されてオレフィンが製造されるに有効な条件下で触媒と接触させ、
    (c)反応器から(1)不活性成分および少なくとも一つのオレフィンと(2)水および任意成分としての未変換アルコーの成分を含む流れ(B)を回収し、
    (d)必要に応じて、流れ(B)を分留して未変換アルコールを回収し、この未変換アルコールを(a)段階の反応器に再循環し、
    (e)必要に応じて上記流れ(B)を分留して、不活性成分およびオレフィンを回収し、この不活性成分の少なくとも一部を(a)段階の反応器へ再循環する、
    の段階を含む、少なくとも一種のアルコールを脱水して少なくとも一種のオレフィンを製造する方法であって、触媒が、
    (1)Si/Al比が少なくとも100である結晶性シリケートか、
    (2)脱アルミニウム化した結晶性シリケートか、または、
    (3)燐改質ゼオライト、
    であり、触媒がSi/Al比が少なくとも100である結晶性シリケートまたは脱アルミニウム化した結晶性シリケートの場合にアルコールのWHSVが少なくとも2h-1であり、不活性成分の比率は反応器が基本的に断熱状態で運転できるような比率であり、温度範囲が280〜500℃であることを特徴とする方法。
  7. 触媒がSi/Al比が少なくとも100である結晶性シリケートまたは脱アルミニウム化した結晶性シリケートである場合のアルコールのWHSVが4〜20h-1である請求項6に記載の方法。
  8. (b)段階のアルコールの分圧が絶対圧力4bar(0.4MPa)以下である請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. (b)段階のアルコールの分圧が絶対圧力2bar(0.2MPa)以下である請求項8に記載の方法。
  10. (b)段階の反応器の圧力が絶対圧力1〜30bar(0.1〜3MPa)である請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. (b)段階の温度が300〜400℃である請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. アルコールをエタノール、プロパノール、ブタノールおよびフェニルエタノールの中から選択する請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
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