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JP2011509185A - タービンエアフォイルの鋳造方法 - Google Patents

タービンエアフォイルの鋳造方法 Download PDF

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JP2011509185A JP2010540763A JP2010540763A JP2011509185A JP 2011509185 A JP2011509185 A JP 2011509185A JP 2010540763 A JP2010540763 A JP 2010540763A JP 2010540763 A JP2010540763 A JP 2010540763A JP 2011509185 A JP2011509185 A JP 2011509185A
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Abstract

タービンエアフォイルを作製する方法を開示する。この方法は、(a)(i)コアと、(ii)コアを包囲する外側シェルであって、コアとこの外側シェルとによって1つ以上の外壁を有するエアフォイル形状のキャビティが画定される外側シェルと、(iii)1つ以上の側壁を画定するキャビティの一部を介してコアから外側シェルまで延在しているコアサポートとを有する鋳型を準備するステップと、(b)溶融金属合金を、コアサポートを包囲するようにキャビティに注入するステップと、(c)合金を凝固させて、1つ以上のコアサポート貫通孔を有する1つ以上の外壁を備えたエアフォイル鋳造物を形成するステップと、(d)鋳型を除去して、エアフォイルを取り出すステップと、(e)エアフォイルの1つ以上のコアサポート貫通孔を1つ以上の外壁に冶金的に結合した金属合金によってシールするステップとを含む。
【選択図】図10

Description

本発明は、概してガスタービンエンジン部品の作製に関し、特に、中空のタービンエアフォイルの鋳造方法に関する。
新型のガスタービンエンジンに用いる鋳造タービンエアフォイルの内部機構には、現時点で可能な鋳造技術が最大限に用いられている。鋳造物は、その内部機構の形成にあたり、複雑なセラミックコアを必要とするが、このコアが鋳造プロセス中に破損することが多い。そのため、鋳造歩留が50パーセント〜70パーセントであることが珍しくない。また、使用可能な鋳造コストの30パーセント〜50パーセントが鋳造屑になっている。
この問題は、単結晶材料などの特殊な合金を用いることで部品の鋳造コストが上昇し、ひいては金属製品の廃棄によって生じるコストが上昇することと相まって深刻である。ほんの5パーセント〜10パーセントでも、鋳造歩留を改善できれば、各々のガスタービンエンジンに対する効果は、その大きさによっては年間数百万ドルになる。
米国特許第5,622,638号
基本的に、鋳造限界の1つとして、エアフォイルの内部機構を形成するセラミックコアの殆どが、鋳造用ワックス型内で「浮遊している(floating)」状態で、その下方部分(即ち、根元)によってのみ固定されていることが挙げられる。溶融金属の重さと、冷却凝固サイクル中に生じる熱応力によって、セラミックコアが移動したり破損したりすることがある(「コアシフト」とよばれる)。コアシフトが生じると、例えば、鋳造壁厚が最低限を下回り、鋳造部品の延伸条件を満たすことができなくなる。また、プロセス中にコアが破損してしまった場合も、部品要件を満たすことができなくなる。
鋳造中にエアフォイルコアを支持して冶金的に一体的な完成部品を作製する、本発明による方法によって、背景技術の上述及びその他の課題を解決する。
本発明の一実施形態において、タービンエアフォイルを作製する方法を開示する。この方法は、(a)(i)コアと、(ii)コアを包囲する外側シェルであって、コアとこの外側シェルとによって、1つ以上の外壁を有するエアフォイル形状のキャビティが画定される外側シェルと、(iii)1つ以上の側壁を画定するキャビティの一部を介して、コアから外側シェルまで延在しているコアサポートとを有する鋳型を準備するステップと、(b)コアサポートを包囲するように溶融金属合金をキャビティに注入するステップと、(c)合金を凝固させ、1つ以上のコアサポート貫通孔を有する1つ以上の外壁を備えたエアフォイル鋳造物を形成するステップと、(d)鋳型を除去して、エアフォイルを取り出すステップと、(e)エアフォイルの1つ以上のコアサポート貫通孔を、1つ以上の外壁に冶金的に結合された金属合金でシールするステップとを含む。
添付図面に関連した以下の説明により、本発明を更に説明する。
本発明の一実施形態による、例示的なタービンブレードの斜視図である。 内部にコアサポートを担持した状態の、図1のブレードの鋳造に用いられる鋳型の斜視図である。 図2の鋳型コアの別の斜視図である。 組み立て後の鋳型の部分断面図である。 内部にブレード形状の鋳造物の一部を有する、図4の鋳型の断面図である。 コアサポート貫通孔を有する、鋳放しタービンブレードの斜視図である。 図6のタービンブレードの別の斜視図である。 図7の線8−8に沿ったタービンブレードの部分断面図である。 図1の線9−9に沿った断面図である。 タービンブレード内のコアサポート貫通孔をシールするための装置の概略図である。
全図面を通して、同様の要素には同様の参照符号が付与された添付図面において、図1には、タービンブレード10の一例が示されている。タービンブレード10は、既存のダブテール12を含む。このダブテール12は、ロータディスク(図示せず)内のダブテールスロットにおいて相補的な構造を有するタングに係合するものをはじめ、適宜のものであれば任意の形状であってよいタングを含み、動作中にディスクが回転する際にディスクに対してブレード10を半径方向に支持する。ブレードシャンク14は、ダブテール12から半径方向上方に延在しており、このシャンク14を包囲するようにしてシャンク14から外方に向かって横方向に突出しているプラットホーム16で終端する。中空エアフォイル18は、プラットホーム16から半径方向外方に延在する。エアフォイル18は、前縁24及び後縁26で結合している凹状の正圧側外壁20及び凸状の負圧側外壁22を有する。エアフォイル18の形状は、高温ガス流からエネルギーを抽出し、ロータディスクを回転させるのに適していれば、任意のものであってよい。ブレード10は、ガスタービンエンジンの高温動作に耐え得る強度を有するニッケル基超合金(例えば、Rene 80、Rene 142、Rene N4、Rene N5)などの既知の適宜の「超合金」による一体型の鋳造物であることが好ましい。エアフォイル18には、根元部25及び先端部27があり、多数の後縁ブリード孔28が設けられている。
タービンブレード10の内部は基本的に中空であり、その内部冷却機構として、既知のものであれば、例えば、蛇行通路、リブ、乱流プロモータ(「タービュレータ」)などを画定するような壁の構造が挙げられる。ここでは、タービンブレード10は高圧タービンブレードであるが、中空であるその他の任意のエアフォイルにおいても本発明を実施することができる。
タービンブレード10をはじめとする部品は、既知のインベストメント鋳造法により作製される。この方法には、内部冷却路を画定する従来のアルミナ又はシリカ系セラミックコアをワックスで包囲して、タービンブレードを成形するステップが含まれる。ワックスアセンブリは、この後、液体セラミック溶液中に繰り返し浸漬される。この部品を浸漬する度に乾燥させて、硬い外側シェル、基本的には従来的なジルコニア系セラミックシェルを形成する。全ての浸漬が終了し、ワックスアセンブリを複数層の硬化セラミックシェルで覆い、その後、アセンブリを炉内に投入してシェル内のワックスを溶出させる。
ワックスを除去すると、鋳型には、外側がセラミックシェルで包囲された状態の内部セラミックコアが形成さている。コアと外側シェルの間のキャビティにより、部品とその内部機構が画定される。鋳型を再び炉内に投入し、液状金属を鋳型の上部の開口部から注入する。溶融金属は、前の工程ではワックスで満たされていた、セラミックコアとセラミックシェルの間の空間に入り込む。金属が冷却及び凝固した後、外側シェルを破壊して除去すると、ワックス除去の際に形成されていたキャビティの形状をした、内部セラミックコアを覆う鋳造物が露出する。次に、鋳造物を浸出タンクに投入して、コアを溶解させる。この時の部品はワックス状であり、部品の内部には、予めセラミックコアを内包した状態のキャビティがある。
セラミック外側シェルとセラミックコア材料の熱成長率が相対的に異なることにより、金属を注入して冷却した後の、シェル及びコア部品の収縮率が相対的に異なってくる。その結果、壁の片側が外側シェルによって画定される一方、壁の反対側において、内部コアが係合する金属ノズル部品の領域で様々な壁厚が生じることになる。更にまた、コアは基本的に「浮遊」しているので、鋳造プロセス中に外側シェルに対して位置が移動することがある。これによって、エアフォイルなどの部品の壁厚が必要最低限を下回ってしまうことがある。
このようなコアシフトを避けるために、1つ以上のコアサポートを導入することにより上記のプロセスを修正して、タービンブレード10を鋳造する。図2及び図3は、コアサポート32を内部に組み込んだコア30の鋳造前の図である。周囲の外側シェル34は、図4に示すように、第1及び第2側壁34A及び34Bから成る。図4には更に、第1側壁34A、第1ワックス充填部36、コア30、第2ワックス充填部38、及び第2側壁34Bの順番に挿通されたコアサポート32を示す。
図示の例では、コアサポート32は円形断面を有するロッド状であるが、それぞれの用途に応じた断面形状を適宜採用してよい。
コアサポート32の材料は、既知のものであれば、例えばニッケル又はコバルト基「超合金」のような、タービンブレード10に使用する合金よりも高い融点を有する適宜の材料である。コア30の作製に適当なコアサポート材料としては、例えば、溶融石英、或いはイットリア(Y)又は酸化サマリウム(Sm)などのセラミックがある。
コアサポート32は、鋳造プロセス中同じ場所に留まり、鋳込中にも凝固中にもコア30の移動を阻止する。任意の数のコアサポート32をどの位置において設置及び使用してもよいが、エアフォイル18を画定する、図2に「A」で示す領域においてコア30を支持するようにするのが効果的である。コア30のこの部分は、基本的に、ブレードシャンク14が設けられている部分からかなり離れた、支持されていない領域である。コアサポートがあると、完成したタービンブレード10の外壁厚に直接関係する、コア−外側シェルの間隔「S」を維持し易くなる。
図5は、鋳造後の部分断面図であり、外側シェル34の第1側壁34A、タービンブレード10の正圧側外壁20、コア30、タービンブレード10の負圧側外壁22、及び外側シェル34の第2側壁34Bの順番に挿通されたコアサポート32を示す。
図6〜図8には、外側シェル34、コア30、及びコアサポート32の鋳造後及び除去後のタービンブレード10を示す。タービンブレード10の正圧側外壁20及び負圧側外壁22内にはそれぞれ、コアサポート貫通孔40及び42が設けられている。このコアサポート貫通孔40及び42は、タービンブレード10の使用前にシールされている必要がある。ろう付けによってコアサポート貫通孔をシールすることもできるが、この場合は、冶金的結合ではない。すなわち、シール材料の性質が基礎となっているタービンブレード10の性質と異なるので、一方向に凝固した又は単結晶の微細構造を有した、高温強度や耐クリープ性に優れたものにはならない。
コアサポート貫通孔40及び42のシールに適当な装置の例としては、本発明の譲受人に譲渡された、シェル(Schell)らによる米国特許第5,622,638号に開示され、その概略図が図10に示されている。この装置は、レーザ44、閉鎖ビーム送出導管46、レーザ集束光学素子48、部品位置決めシステム50、部品位置及びレーザ経路制御用の視覚システム52、適宜の予熱ボックス(図示せず)、及び粉末管56を備えた粉末剤供給システム54を備えている。この装置の部品はそれぞれ、コンピュータ化されたシステム制御装置58によって、操作及び制御されるようになっている。この粉末剤は、従来通りにブレード10の傍に堆積され、この場所にレーザビームを照射して粉末剤を溶融させて接合部を形成する。
コアサポート貫通孔40及び42のシールを、この装置を用い、1つ以上の通路に溶融合金粉末を堆積させることによって行っても、粉末を堆積させた後に加熱して溶融させ、エアフォイル18に融着させることによって行ってもよい。いずれの場合も、基礎となっているタービンブレード10の組成と実質的に組成が同じである粉末合金を用いる。「リバースマシニング(reverse machining)」ともよばれるこのプロセスでは、更に、プラグ又はパッチを形成して、コアサポート貫通孔40及び42に冶金的に結合し、タービンエアフォイル18と一体化させるので、効果的である。このプロセスにおいて、プロセスパラメータを適当に制御することで、プラグ又はパッチの組成がタービンブレード10の組成と同じ、(例えば、一方向に凝固した又は単結晶の)微細構造になるように作製することができる。図1及び図9に、こうして完成したタービンブレード10を示す。上述のプロセスを採用することによって、タービンブレード10の高温特性を維持しながら、コアシフトの移動を阻止することができ、その結果、鋳造歩留が実質的に改善される。
以上、ガスタービンエンジンのエアフォイルを作製する方法について説明した。一部の実施形態を用いて本発明を説明してきたが、当業者には明らかなように、これに様々な改変を加えても、本発明の企図から逸脱することはない。従って、本発明の好ましい実施形態及び本発明を実施するための最良の形態として説明した上述の内容は、あくまでも本発明の実施形態を例示するための目的で示されたものであって、本発明の企図を限定する目的で示されたものではない。

Claims (12)

  1. (a)(i)コアと、
    (ii)前記コアを包囲する外側シェルであって、前記コアと前記外側シェルとによって、1つ以上の外壁を有するエアフォイルの形状のキャビティが画定される外側シェルと、
    (iii)1つ以上の側壁を画定する前記キャビティの一部を介して前記コアから前記外側シェルまで延在しているコアサポートを有する鋳型を準備するステップと、
    (b)前記コアサポートを包囲するように溶融金属合金を前記キャビティに注入するステップと、
    (c)前記合金を凝固させて、1つ以上のコアサポート貫通孔を有する1つ以上の外壁を備えたエアフォイル鋳造物を形成するステップと、
    (d)前記鋳型を除去して、前記エアフォイルを取り出すステップと、
    (e)前記エアフォイルの前記1つ以上のコアサポート貫通孔を、前記1つ以上の外壁に冶金的に結合した金属合金でシールするステップを含む、
    タービンエアフォイルを作製する方法。
  2. 前記ステップ(e)が、
    (a)レーザエネルギーによって合金粉末を溶融させるステップと、
    (b)前記溶融粉末を前記1つ以上のコアサポート貫通孔に注入するステップと、
    (c)前記溶融粉末を前記1つ以上のコアサポート貫通孔内で冷却及び凝固させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記合金粉末の組成が、前記エアフォイルの合金組成と実質的に同じである、請求項2に記載の方法。
  4. 前記ステップ(e)が、
    (a)合金粉末を前記1つ以上のコアサポート貫通孔に投入するステップと、
    (b)レーザエネルギーによって前記合金粉末を溶融させ、前記外壁を加熱するステップと、
    (c)前記溶融粉末を前記1つ以上のコアサポート貫通孔内で冷却及び凝固させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記合金粉末の組成は、前記エアフォイルの合金組成と実質的に同じである、請求項4に記載の方法。
  6. 前記エアフォイルは一方向に凝固した又は単結晶の微細構造を有しており、
    前記1つ以上のコアサポート貫通孔内の前記凝固粉末の微細構造は、前記エアフォイルの微細構造と実質的に同じである、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記コアサポートが円筒状ロッドである、請求項1乃6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記コアサポートが溶融石英を用いて作製される、請求項1乃至7のいずれか1項に記載方法。
  9. 前記鋳型が、
    (i)コアと、
    (ii)前記コアを包囲する外側シェルであって、前記コアにおいて対向するように離間配置された2つの側壁を有する外側シェルと、
    (iii)前記コアを介して前記外側シェルの一方の側壁から前記外側シェルの他方の側壁まで延在するコアサポートを有する、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記エアフォイルが、それぞれにコアサポート貫通孔を有する、離間配置された正圧側外壁及び負圧側外壁を含んでおり、
    前記コアサポート貫通孔は互いに同軸である、請求項9に記載の方法。
  11. 前記鋳型によって、前記エアフォイル及びシャンクを含む一体型タービンブレードが画定され、
    前記エアフォイル及び前記シャンクのそれぞれによって、前記タービンブレードの対向し合う端部が画定される、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記コアサポートが、前記エアフォイルの内部の、前記シャンクとは反対側の前記タービンブレードの端部において設置されている、請求項11に記載の方法。
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