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JP2011238561A - コネクタの離脱用治具 - Google Patents

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JP2011238561A
JP2011238561A JP2010111311A JP2010111311A JP2011238561A JP 2011238561 A JP2011238561 A JP 2011238561A JP 2010111311 A JP2010111311 A JP 2010111311A JP 2010111311 A JP2010111311 A JP 2010111311A JP 2011238561 A JP2011238561 A JP 2011238561A
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Naoto Sugie
直人 杉江
Hisanori Yamamoto
寿典 山本
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Yazaki Corp
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Abstract

【課題】コネクタの離脱作業の容易化を図る。
【解決手段】プラグハウジングに設けられたロックアームと、プラグハウジングに押し込み可能に装着されたリテーナ13とを備え、リテーナに、押し込み位置まで押し込まれた状態のときにロックアームの撓みを許容し、リテーナが定位置にあるときにロックアームの撓みを阻止してロック状態を保持する撓み阻止用の規制アームと、押し込み力が解除されたときにリテーナを定位置に復元させる復元アーム37とが設けられたコネクタに用いられて、コネクタの離脱を助ける離脱用治具90であって、プラグハウジングに装着されたとき該ハウジングのフランジ83と連結される連結溝93と、プラグハウジングに連結されたときにリテーナ13を押し込み位置まで押し込んだ状態に保持する押圧凸部95と、プラグハウジングをソケットハウジングから離脱させるための離脱力を加える操作凸部94とを具備する。
【選択図】図9

Description

本発明は、ある特定の形式のコネクタに用いることで、コネクタの離脱を容易に行えるようにするコネクタの離脱用治具に関するものである。
従来のコネクタの中に、相手側コネクタハウジングに嵌合するコネクタハウジングに、相手側コネクタハウジングとロックするロックアームを設けると共に、同コネクタハウジングに、相手側コネクタハウジングとロックしたロックアームの撓みを阻止することでロックが外れないようにしてロック状態を堅固に保持するリテーナを組み付けたものがある。特許文献1にその種のコネクタの例が示されている。
図10及び図11は特許文献1に記載されたコネクタを示す図であり、図10は一方のコネクタの構成を示す分解斜視図、図11(a)〜(d)は一方のコネクタと他方のコネクタを嵌合する過程を順を追って示す断面図である。なお、以下の説明における前後左右上下の方向性は、説明の便宜上のものであり、必ずしもコネクタの組付方向と一致するものではない。
このコネクタは、自動車のエアバッグシステムに適用されるものであり、電線付きの端子204を収容するプラグコネクタ202と、補機(図示せず)に直付けされるソケットコネクタ(相手側コネクタ)203とで構成されている。
ソケットコネクタ203は、絶縁樹脂製の円環状のソケットハウジング(相手側コネクタハウジング)205と、このソケットハウジング205の嵌合室206内に突出したピン状の一対の雄端子207とで構成されている。ソケットハウジング205の上端(先端)側において嵌合室206の入口には傾斜面208が形成され、傾斜面208の下側には周溝(凹部)209が形成されている。
プラグコネクタ202は、絶縁樹脂製のプラグハウジング(コネクタハウジング)210と、このプラグハウジング210内に収容される左右一対の雌端子204と、プラグハウジング210の上部開口211を塞いで雌端子204を二重係止する絶縁樹脂製のカバー212と、カバー212の上からプラグハウジング210に係合する半嵌合検知部材としての合成樹脂製のリテーナ213とで構成されている。
プラグハウジング210は、垂直な端子収容部214と水平な回路導出部215とで略L字状に形成されている。端子収容部214の左右の側壁の外側には一対の枠状のロックアーム217が下向きに設けられている。各ロックアーム217は、前後一対の垂直な可撓性の支持片218と、一対の支持片218の下部を相互に連結する水平な連結片219と一体の突出部220とで構成され(ここでは、連結片219を含めて突出部220と定義する)、一対の支持片218と連結片219とで囲まれた部分に矩形状の開口(空間)244を有している。支持片218の上部は幅広に形成されて端子収容部214の側壁216に交差し、ロックアーム217と側壁216との間にアーム撓み空間221が形成されている。
突出部220は、幅広な外側突出部分220aと幅狭な内側突出部分220bとを有し、外側突出部分220aは支持片218の外面よりも外側に突出し、内側突出部分220bは支持片218の内面よりも内側に突出している。突出部220の上面は外側に向かうにつれて上向きに傾斜した受け面220cとなっており、突出部220の下面は、受け面220cよりも大きく傾斜した摺接面220dとなっている。端子収容部214の左右の側壁216の下半部には、スロット状の縦長の溝部225が高さ方向中間部から下向きに切欠して設けられている。
また、プラグハウジング210の回路導出部215の両側壁には、カバー212の係合枠部226に対する係止突起227が設けられている。カバー212は、略板状に形成された基板233の両側に、左右一対の可撓性の係合枠部226を形成したものである。
リテーナ213は、水平な天板である基板部235と、基板部235の左右両側に垂設され、コネクタ嵌合時とコネクタ離脱時における操作部である一対の可撓性の摘み片236と、各摘み片236の内側において基板部235から垂設された一対の板状で平行な可撓性(弾性)の復元アーム237と、各復元アーム237の内側において基板部235から垂設された一対の枠状で平行な可撓性の規制アーム238とで構成されている。
復元アーム237は先端側に内向きに偏心した厚肉の突起部240を有し、突起部240は外面側に摺接用の傾斜面を有している。復元アーム237の先端は突起部240の先端(下端)である。
規制アーム238の先端内面側にはハウジング係止用の係止突起241が形成されている。規制アーム238は、垂直な可撓性の前後一対の支持片242と、一対の支持片242の下端部を相互に連結する水平な連結片243と、連結片243の内面側に設けられた係止突起241とで構成されており、一対の支持片242と連結片243とで囲まれた部分に、ロックアーム217の突出部220の内側突出部分220bが進入可能となる縦長の空間(開口)249が確保されている。
復元アーム237は、ロックアーム217の開口244内に進入不能でロックアーム217の外側に位置し、復元アーム237の突起部240は、ロックアーム217の開口244内に進入可能である。規制アーム238は、プラグハウジング210の側壁216の外面に沿ってロックアーム217の開口244内に進入可能である。
リテーナ213の一対の摘み片236の下部内面には、コネクタ離脱操作用の左右一対の突起245が設けられ、プラグハウジング210の端子収容部214の前後の外壁に、突起245に対向する段部(係合部)247が形成され〔図11(c)〕、摘み片236を内向きに撓ませることで、突起245を段部247に係合させることができるようになっている。
次に動作について図11(a)〜(d)を参照して述べる。
(a)は、プラグコネクタ202をソケットコネクタ203に嵌合させるべく当接させた初期嵌合状態を示している。プラグコネクタ202のリテーナ213は、復元アーム237の先端の突起部240を、プラグハウジング210のロックアーム217の突出部220の受け面220cに当接させ、基板部235を、カバー212から上方に隙間248を存して平行に位置させている。
また、ロックアーム217の突出部220の下側傾斜面220dが、ソケットハウジング205の嵌合室206の開口端の傾斜面208に当接している。リテーナ213の規制アーム238の内側の係止突起241は、プラグハウジング210の側壁216の縦長の溝部225に係合している。ロックアーム217の内側突出部220bは、規制アーム238の係止突起241の外側の連結片243の外面に当接しており、それにより、ロックアーム217の内向きの撓みが阻止されている。ソケットコネクタ203の雄端子207は、プラグコネクタ202の雌端子204に初期係合している。
(b)及び(c)は、下向き荷重Wを加えることで、リテーナ213を下向きに押し込んで、両コネクタ202、203を順次嵌合させる状態を示している。まず、(b)に示すように、リテーナ213を押し下げることで、左右一対の復元アーム237がロックアーム217の突出部220との間で圧縮されて外向きに弾性的に湾曲状に撓み変形する。
また、リテーナ213と一体に規制アーム238が下降し、規制アーム238の係止突起241が、プラグハウジング210の縦長の溝部225の上半部から下半部に移動し、溝部225の上半部が開放状態となる。そして、開放状態となった溝部225の上半部の外側に対向してロックアーム217の突出部220の内側突出部分220bが位置し、溝部225の上半部と突出部220との間に広いアーム撓み空間249が確保されることになり、ロックアーム217の突出部220の内向きのロック規制が解除される。空間249は規制アーム238の一対の支持片242と連結片243とで囲まれた空間である。また、この状態でリテーナ213の基板部235がカバー212に直接当たり、押し込み力Wが直接プラグハウジング210に加わるようになる。
そして、リテーナ213をさらに押し込むと、(c)に示すように、ロックアーム217の突出部220の外側突出部分220aがソケットハウジング205の開口端の傾斜面208に摺接するのに伴ってロックアーム217が内向きに弾性的に撓み、その後その傾斜面208を突出部220の外側突出部分220aが乗り越えてロックアーム217が撓みから復帰することで、突出部220の外側突出部分220aがソケットハウジング205の傾斜面208の下側の周溝209に係合し、これにより、プラグハウジング210がソケットハウジング205にロック(係止)される。
このロックと共にプラグハウジング210がソケットハウジング205に完全嵌合し、雄端子207が雌端子204に完全挿入される。この(c)の状態のとき、復元アーム237は、(b)の状態よりも少し伸長しつつ、ロックアーム217の突出部220に下端が依然として接した状態にあり、ロックアーム217は、突出部220が規制アーム238の先端部である連結片243に当接していないことにより、内向きに撓み可能な状態に保たれる。この状態のとき、復元アーム237は、依然として弓なりに撓んだ状態にあり、定位置に復帰できる十分な弾性反力を有している。
そこで、押し込み力Wを解除すると、(d)に示すように、復元アーム237がロックアーム217の突出部220を支点にして弾性反力で上向きに伸長し、それにより、リテーナ213が押し込み位置から定位置に復元し、基板部235とカバー212との間に隙間248が生じる。また、そのリテーナ213の復元動作により、規制アーム238の係止突起241がプラグハウジング210の溝部225の上半部に移動し、係止突起241の外側にロックアーム217の突出部220の内側突出部分220bが当接して位置し、ロックアーム217の内側への撓みが規制されて、それによりロック状態が強固に維持される。この際、両ハウジング205、210や雄・雌端子204、207の嵌合は維持されたままであることは言うまでもない。
次に、図11(d)のコネクタ嵌合状態からプラグコネクタ202を離脱させるには、リテーナ213を再度押し下げ、(c)の状態にする。そうすると、リテーナ213と一体に規制アーム238が下降し、規制アーム238の係止突起241がプラグハウジング210の縦長の溝部225の上半部から下半部に移動し、溝部225の上半部が開放状態となる。そして、ロックアーム217の内向きのロック規制が解除され、ロックアーム217が撓み可能な状態となる。従ってその状態で、リテーナ213の左右の摘み片236を例えば親指と人差指で内向きに摘んで撓ませることで、摘み片236の内面側の突起245をプラグハウジング210の突出外壁246の段部(凹溝)247に係合させ、その状態で摘み片236を両指で引き上げることで、プラグコネクタ202をソケットコネクタ203から容易に離脱させることができる。
ここで、ロックアーム217の突出部220の外側突出部分220aの前後両側部分は上下に傾斜面220eを有しているから、上側の傾斜面220eがソケットハウジング205の周溝209の上端縁に摺接して、突出部220の外側突出部分220aが周溝209から低力で離脱する。
特開2009−26583号公報
ところで、上述した従来のコネクタでは、プラグコネクタ202をソケットコネクタ203から離脱させる際に、いったんリテーナ213を押し込み位置まで押し込んで、ロックアーム217を撓み可能な状態としながら、プラグコネクタ202を離脱方向に引っ張らなくてはならず、リテーナ213を押す方向とプラグコネクタ202を引っ張る方向とが逆になるため、コネクタ離脱作業がやりづらいという問題があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、コネクタの離脱作業の容易化を図ることのできる離脱用治具を提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係るコネクタの離脱用治具は、下記(1)、(2)を特徴としている。
(1) 互いに嵌合する第1のコネクタハウジング及び第2のコネクタハウジングと、
前記第1のコネクタハウジングに設けられ、該第1のコネクタハウジングが前記第2のコネクタハウジングと嵌合する際にその嵌合過程で一旦撓んで復元することにより前記第2のコネクタハウジングの被ロック部とロックするロックアームと、
前記第1のコネクタハウジングに前記第2のコネクタハウジングに対する嵌合方向に押し込み可能に装着されたリテーナとを備え、
前記リテーナに、該リテーナが定位置から押し込み位置まで押し込まれた状態のときに前記ロックアームの撓みを許容し、且つ、前記リテーナが定位置にあるときに前記ロックアームの撓みを阻止して前記ロックアームと前記第2のコネクタハウジングの被ロック部とのロック状態を保持する撓み阻止手段と、前記リテーナに対する押し込み力が解除されたときに該リテーナを定位置に復元させる復元手段と、が設けられたコネクタに用いられ、
前記第2のコネクタハウジングに嵌合した状態の前記第1のコネクタハウジングに装着されることで、該第1のコネクタハウジングの離脱を助けるコネクタの離脱用治具であって、
前記第1のコネクタハウジングに装着されたとき該第1のコネクタハウジングと一体に連結される連結部と、
前記第1のコネクタハウジングに前記連結部が連結されたときに前記リテーナを押し込み位置まで押し込んだ状態に保持する押圧部と、
前記第1のコネクタハウジングを前記第2のコネクタハウジングから離脱させるための離脱力を加える操作部と、を備えること。
(2) 上記(1)の構成のコネクタの離脱用治具において、
治具本体としての基板の片方の板面に互いに平行な一対のガイド凸部が設けられ、それら一対のガイド凸部の互いに対向する側面に、前記コネクタハウジングに外向きに突設した一対のフランジにスライド嵌合する連結溝が前記連結部として設けられ、前記基板の片方の板面の前記一対のガイド凸部の間に、前記押圧部としての押圧凸部が設けられ、該押圧凸部には、前記連結溝を前記フランジにスライド嵌合させた際に、前記リテーナに対する前記押圧凸部の摺動を円滑化させるための傾斜部が設けられていること。
上記(1)の構成のコネクタの離脱用治具によれば、第1のコネクタハウジングに装着されたとき第1のコネクタハウジングと一体に連結される連結部と、第1のコネクタハウジングに連結部が連結されたときにリテーナを押し込み位置まで押し込んだ状態に保持する押圧部と、第1のコネクタハウジングを第2のコネクタハウジングから離脱させるための離脱力を加える操作部とを具備するので、第1のコネクタハウジングに離脱用治具を装着することにより、押圧部によりリテーナを自動的に押し込み位置まで押し込んで、ロックアームを撓み可能な状態に保持することができ、そのまま操作部に力をかけて引っ張るだけで第1のコネクタハウジングを第2のコネクタハウジングから離脱させることができる。従って、コネクタの離脱操作が簡単にできるようになる。
上記(2)の構成のコネクタの離脱用治具によれば、離脱用治具の連結溝を第1のコネクタハウジングのフランジにスライド嵌合させることにより、押圧部に設けた傾斜部の働きにより、スムーズにリテーナを押し込み位置まで無理なく押し込むことができ、操作性の向上が図れる。
本発明によれば、第1のコネクタハウジングに離脱用治具の連結部を連結させることにより、押圧部の働きにより自動的にリテーナを押し込み位置まで押し込むことができるので、あとはそのまま離脱用治具の操作部に力を加えて第1のコネクタハウジングを引っ張るだけで、コネクタを容易に離脱させることができる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
(a)、(b)は、本発明の実施形態の離脱用治具を適用するコネクタのうちプラグコネクタ側の構成をそれぞれ異なる方向から見て示す分解斜視図である。 前記プラグコネクタをソケットコネクタに嵌合しようとしている状態を示す斜視図である。 前記プラグコネクタをソケットコネクタに嵌合した状態を示す斜視図である。 前記プラグコネクタをソケットコネクタに嵌合しようとしている状態を示す断面図である。 前記プラグコネクタをソケットコネクタに嵌合した状態を示す断面図である。 本発明の実施形態の離脱用治具を用いて前記プラグコネクタをソケットコネクタから離脱させる場合の説明図で、プラグコネクタに離脱用治具を装着する前の状態を示す斜視図である。 前記プラグコネクタに離脱用治具を装着した状態を示す斜視図である。 前記離脱用治具の単体を前側から見た斜視図である。 (a)は前記プラグコネクタに離脱用治具を装着する前の状態を示す断面図、(b)は装着した後の状態を示す別の方向から見た断面図である。 従来のコネクタのプラグコネクタ側の構成を示す分解斜視図である。 (a)〜(d)はプラグコネクタとソケットコネクタを嵌合する過程を順を追って示す断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1の(a)、(b)は、実施形態の離脱用治具を適用するコネクタのうちプラグコネクタ側の構成をそれぞれ異なる方向から見て示す分解斜視図、図2はプラグコネクタをソケットコネクタに嵌合しようとしている状態を示す斜視図、図3はプラグコネクタをソケットコネクタに嵌合した状態を示す斜視図、図4はプラグコネクタをソケットコネクタに嵌合しようとしている状態を示す断面図、図5はプラグコネクタをソケットコネクタに嵌合した状態を示す断面図、図6は実施形態の離脱用治具を用いてプラグコネクタをソケットコネクタから離脱させる場合の説明図で、プラグコネクタに離脱用治具を装着する前の状態を示す斜視図、図7はプラグコネクタに離脱用治具を装着した状態を示す斜視図、図8は離脱用治具の単体を前側から見た斜視図、図9の(a)はプラグコネクタに離脱用治具を装着する前の状態を示す断面図、(b)は装着した後の状態を示す別の方向から見た断面図である。
本実施形態の離脱用治具を適用する対象のコネクタは、自動車のエアバッグシステムに適用されるものであり、図2〜図5に示すように、電線付きの端子4を収容する第1のコネクタであるプラグコネクタ2と、補機(図示せず)に直付けされる第2のコネクタであるソケットコネクタ(相手側コネクタ)3とで構成されている。このコネクタの構成は、図10及び図11に示したものと基本的に同じであり、同一構成要素には、3桁目を省略した下2桁同一の符号を付してあり、本実施形態の特徴以外の説明は、前述の図10及び図11を用いて述べた前述の説明を援用する。
本実施形態の離脱用治具を適用する対象のコネクタの図10及び図11に示したコネクタとの大きな違いは、主に、
(1)プラグハウジング10の上端に矩形の枠部80を設けて、その枠部80の内側の矩形凹部81にリテーナ13を埋没させるようにした点;
(2)枠部80の対向2辺に外側に突出したフランジ83を設けた点;
(3)枠部80のフランジ83を付けた辺の隣の1辺に切欠82を設けて、後述する離脱用治具90の押圧部95がその切欠82を通して矩形凹部81内にあるリテーナ13の上端面に対向する位置まで進入できるようにした点;
(4)リテーナ13の摘み部を省略した点:
である。以下、まずそのコネクタの構成について簡単に述べる。
第2のコネクタであるソケットコネクタ3は、図4に示すように、絶縁樹脂製の円環状のソケットハウジング(第2のコネクタハウジング)5と、このソケットハウジング5の嵌合室6内に突出したピン状の一対の雄端子7とで構成されている。ソケットハウジング5の上端(先端)側において嵌合室6の入口には傾斜面8が形成され、傾斜面8の下側には周溝(被ロック部に相当する凹部)9が形成されている。
第1のコネクタであるプラグコネクタ2は、図1に示すように、絶縁樹脂製のプラグハウジング(第1のコネクタハウジング)10と、このプラグハウジング10内に収容される左右一対の雌端子4と、プラグハウジング10の上部開口11を塞いで雌端子4を二重係止する絶縁樹脂製のカバー12と、カバー12の上からプラグハウジング10に係合する半嵌合検知部材としての合成樹脂製のリテーナ13とで構成されている。
プラグハウジング10は、垂直な端子収容部14と水平な回路導出部15とで略L字状に形成されている。プラグハウジング10の上端の上部開口11の周囲には矩形の枠部80が設けられており、その枠部80の内側に矩形凹部81が確保され、その矩形凹部81内にリテーナ13の上端部(後述する基板部35)が収容されるようになっている。また、枠部80の対向2辺には外側に突出したフランジ83が設けられており、更に枠部80のフランジ83を付けた辺の隣で回路導出部15が設けられた側と反対側の辺には、切欠82が設けられている。この切欠82は、後述する離脱用治具90の押圧部95を、矩形凹部81内にあるリテーナ13の上端面に対向する位置まで進入できるようにするための通路に相当する部分である。
プラグハウジング10の端子収容部14の左右の側壁の外側には、一対の枠状のロックアーム17が下向きに設けられている。各ロックアーム17は、前後一対の垂直な可撓性の支持片18と、一対の支持片18の下部を相互に連結する水平な連結片19と一体の突出部20とで構成され(ここでは、連結片19を含めて突出部20と定義する)、一対の支持片18と連結片19とで囲まれた部分に矩形状の開口(空間)44を有している。支持片18の上部は端子収容部14の側壁に結合され、ロックアーム17と側壁との間にアーム撓み空間が形成されている。
突出部20は、外側突出部分と内側突出部分とを有し、外側突出部分は支持片18の外面よりも外側に突出し、内側突出部分は支持片18の内面よりも内側に突出している。突出部20の上面は外側に向かうにつれて上向きに傾斜した受け面となっており、突出部20の下面は、受け面よりも大きく傾斜した摺接面となっている。端子収容部14の左右の側壁の下半部には、スロット状の縦長の溝部25(図4参照)が高さ方向中間部から下向きに切欠して設けられている。
また、プラグハウジング10の回路導出部15の両側壁には、カバー12の係合枠部26に対する係止突起27が設けられている。カバー12は、略板状に形成された基板33の両側に、左右一対の可撓性の係合枠部26を形成したものである。
リテーナ13は、水平な天板である基板部35と、基板部35の片面の左右両端部近傍に垂設された一対の板状で平行な可撓性(弾性)の復元アーム(復元手段)37と、各復元アーム37の内側において基板部35から垂設された一対の枠状で平行な可撓性の規制アーム(撓み阻止手段)38とで構成されている。なお、このリテーナ13には、摘み部(図10の符号236で示す部分)は付いていない。
復元アーム37は先端側に突起部40を有し、突起部40は外面側に摺接用の傾斜面を有している。復元アーム37の先端は突起部40の先端(下端)である。
規制アーム38の先端内面側にはハウジング係止用の係止突起41が形成されている。規制アーム38は、垂直な可撓性の前後一対の支持片42と、一対の支持片42の下端部を相互に連結する水平な連結片43と、連結片43の内面側に設けられた係止突起41とで構成されており、一対の支持片42と連結片43とで囲まれた部分に、ロックアーム17の突出部20の内側突出部分が進入可能となる縦長の空間(開口)49が確保されている。
復元アーム37は、ロックアーム17の開口44内に進入不能でロックアーム17の外側に位置し、復元アーム37の突起部40は、ロックアーム17の開口44内に進入可能である。
次に、プラグコネクタ2をソケットコネクタ3に嵌合させた後に、ソケットコネクタ3からプラグコネクタ2を離脱させるための離脱用治具について、図6〜図9を用いて説明する。
この治具90は、治具本体としての基板91の片方の板面に互いに平行な一対のガイド凸部92を設け、それら一対のガイド凸部92の互いに対向する側面に、プラグハウジング10の上端の矩形枠部80に外向きに突設した一対のフランジ83にスライド嵌合することで、治具90をプラグハウジング10に一体に連結する連結溝(連結部)93を設け、基板91の片方の板面の前記一対のガイド凸部92の間に、プラグハウジング10に治具90を装着したときリテーナ13を押し込み位置まで押し込んだ状態に保持する押圧凸部95を設け、更に基板91の両端に、プラグハウジング10をソケットハウジング5から離脱させるための離脱力を加える操作凸部(操作部)を設けたものである。図8及び図9(a)に示すように、押圧凸部95には、連結溝93をフランジ83にスライド嵌合させた際に、リテーナ13に対する押圧凸部95の摺動を円滑化させるための傾斜部95aが設けられている。
次に、このコネクタを嵌合動作について図4及び図5を参照して述べる。
図4はプラグコネクタ2をソケットコネクタ3に嵌合させる前の状態を示している。プラグコネクタ2のリテーナ13は、復元アーム37の先端の突起部40を、プラグハウジング10のロックアーム17の突出部20の受け面に当接させ、基板部35を、カバー12から上方に隙間48を存して平行に位置させている。また、リテーナ13の規制アーム38の内側の係止突起41は、プラグハウジング10の側壁の縦長の溝部25に係合している。また、ロックアーム17の突出部20の内側突出部は、規制アーム38の係止突起41の外側の連結片43の外面に当接しており、それにより、ロックアーム17の内向きの撓みが阻止されている。
この状態から、プラグコネクタ2をソケットコネクタ3に嵌合させると、初期において、ロックアーム17の突出部20の下側傾斜面が、ソケットハウジング5の嵌合室6の開口端の傾斜面8に当接する。また、ソケットコネクタ3の雄端子7が、プラグコネクタ2の雌端子4に初期係合する。
次にリテーナ13に下向き荷重を加えることで、リテーナ13を下向きに押し込む。すると、左右一対の復元アーム37がロックアーム17の突出部20との間で圧縮されて外向きに弾性的に湾曲状に撓み変形する。また、リテーナ13と一体に規制アーム38が下降し、規制アーム38の係止突起41が、プラグハウジング10の縦長の溝部25の上半部から下半部に移動し、溝部25の上半部が開放状態となる。そして、開放状態となった溝部25の上半部の外側に対向してロックアーム17の突出部20の内側突出部分が位置し、溝部25の上半部と突出部20との間に広いアーム撓み空間49が確保されることになり、ロックアーム17の突出部20の内向きのロック規制が解除される。この状態で、復元アーム37の反力にくわえ、リテーナ13の基板部35がカバー12に直接当たり、下向きの押し込み力が直接プラグハウジング10に加わるようになる。
そして、リテーナ13をさらに押し込むと、ロックアーム17の突出部20の外側突出部分がソケットハウジング5の開口端の傾斜面8に摺接するのに伴ってロックアーム17が内向きに弾性的に撓み、その後その傾斜面8を突出部20の外側突出部分20aが乗り越えてロックアーム17が撓みから復帰することで、突出部20の外側突出部分がソケットハウジング5の傾斜面8の下側の周溝9に係合し、これにより、プラグハウジング10がソケットハウジング5にロック(係止)される。
このロックと共にプラグハウジング10がソケットハウジング5に完全嵌合し、雄端子7が雌端子4に完全挿入される。この状態のとき、復元アーム37は少し伸長しつつ、ロックアーム17の突出部20に下端が依然として接した状態にあり、ロックアーム17は、突出部20が規制アーム38の先端部である連結片43に当接していないことにより、内向きに撓み可能な状態に保たれる。この状態のとき、復元アーム37は、依然として弓なりに撓んだ状態にあり、定位置に復帰できる十分な弾性反力を有している。
そこで、押し込み力を解除すると、図5に示すように、復元アーム37がロックアーム17の突出部20を支点にして弾性反力で上向きに伸長し、それにより、リテーナ13が押し込み位置から定位置に復元し、基板部35とカバー12との間に隙間48が生じる。また、そのリテーナ13の復元動作により、規制アーム38の係止突起41がプラグハウジング10の溝部25の上半部に移動し、係止突起41の外側にロックアーム17の突出部20の内側突出部分が当接して、ロックアーム17の内側への撓みが規制されて、それによりロック状態が強固に維持される。この際、両ハウジング5、10や雄・雌端子4、7の嵌合は維持されたままである。
次に、コネクタ嵌合状態からプラグコネクタ2を離脱させる手順について述べる。
この場合は、図6、図7、図9に示すように、離脱用治具90の連結溝93をプラグハウジング10の矩形枠部80に設けたフランジ83にスライド嵌合させることにより、治具90をプラグハウジング10に装着する。そうすると、押圧凸部95がリテーナ13を自動的に押し込み位置まで押し込むことにより、ロックアーム17を撓み可能な状態に保持することができる。従って、そのまま操作凸部94に力をかけて引っ張ることにより、プラグコネクタ2をソケットコネクタ3から離脱させることができる。つまり、離脱用治具90を装着することにより、リテーナ13の押し込み操作を省略することができる。従って、コネクタの離脱操作が簡単にできるようになる。しかも、その際、押圧凸部95に設けた傾斜部95aの働きにより、スムーズにリテーナ13を押し込み位置まで無理なく押し込むことができるので、操作性の向上が図れる。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
5 ソケットハウジング(第2のコネクタハウジング)
9 周溝(被ロック部)
10 プラグハウジング(第1のコネクタハウジング)
13 リテーナ
17 ロックアーム
37 復元アーム(復元手段)
38 規制アーム(撓み阻止手段)
83 フランジ
90 離脱用治具
91 基板
92 ガイド凸部
93 連結溝(連結部)
94 操作凸部(操作部)
95 押圧凸部(押圧部)
95a 傾斜部

Claims (2)

  1. 互いに嵌合する第1のコネクタハウジング及び第2のコネクタハウジングと、
    前記第1のコネクタハウジングに設けられ、該第1のコネクタハウジングが前記第2のコネクタハウジングと嵌合する際にその嵌合過程で一旦撓んで復元することにより前記第2のコネクタハウジングの被ロック部とロックするロックアームと、
    前記第1のコネクタハウジングに前記第2のコネクタハウジングに対する嵌合方向に押し込み可能に装着されたリテーナとを備え、
    前記リテーナに、該リテーナが定位置から押し込み位置まで押し込まれた状態のときに前記ロックアームの撓みを許容し、且つ、前記リテーナが定位置にあるときに前記ロックアームの撓みを阻止して前記ロックアームと前記第2のコネクタハウジングの被ロック部とのロック状態を保持する撓み阻止手段と、前記リテーナに対する押し込み力が解除されたときに該リテーナを定位置に復元させる復元手段と、が設けられたコネクタに用いられ、
    前記第2のコネクタハウジングに嵌合した状態の前記第1のコネクタハウジングに装着されることで、該第1のコネクタハウジングの離脱を助けるコネクタの離脱用治具であって、
    前記第1のコネクタハウジングに装着されたとき該第1のコネクタハウジングと一体に連結される連結部と、
    前記第1のコネクタハウジングに前記連結部が連結されたときに前記リテーナを押し込み位置まで押し込んだ状態に保持する押圧部と、
    前記第1のコネクタハウジングを前記第2のコネクタハウジングから離脱させるための離脱力を加える操作部と、を備えることを特徴とするコネクタの離脱用治具。
  2. 治具本体としての基板の片方の板面に互いに平行な一対のガイド凸部が設けられ、それら一対のガイド凸部の互いに対向する側面に、前記コネクタハウジングに外向きに突設した一対のフランジにスライド嵌合する連結溝が前記連結部として設けられ、前記基板の片方の板面の前記一対のガイド凸部の間に、前記押圧部としての押圧凸部が設けられ、該押圧凸部には、前記連結溝を前記フランジにスライド嵌合させた際に、前記リテーナに対する前記押圧凸部の摺動を円滑化させるための傾斜部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のコネクタの離脱用治具。
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