JP2011231296A - タイヤ用ゴム組成物及び重荷重用タイヤ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ゴム成分、シリカ及びシランカップリング剤を含有し、上記ゴム成分は、リン含有量が200ppm以下の改質天然ゴムと、希土類元素系触媒を用いて合成されたブタジエンゴムとを含み、上記ゴム成分100質量%中、上記改質天然ゴムの含有量が60〜95質量%、上記希土類元素系触媒を用いて合成されたブタジエンゴムの含有量が5〜40質量%であり、上記ゴム成分100質量部に対する前記シリカの含有量が10〜60質量部であり、上記シランカップリング剤は、特定の2種類の結合単位のものを共重合したものであるタイヤ用ゴム組成物。
【選択図】なし
Description
なお、ムーニー粘度は、ISO289、JIS K6300に準じて測定される。
なお、本発明において、Mw、Mnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用い、標準ポリスチレンより換算した値である。
なお、本発明において、希土類系BRのビニル含量(1,2−結合ブタジエン単位量)及びシス含量(シス−1,4−結合ブタジエン単位量)は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
なお、シリカの平均一次粒子径は、例えば、シリカを電子顕微鏡で観察し、任意の粒子50個について粒子径を測定し、その平均値より求めることができる。
なお、シリカのN2SAは、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
なお、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、JIS K6217のA法によって求められる。
すなわち、前記成分を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッドなどのタイヤ部材の形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することにより、本発明の重荷重用タイヤを製造することができる。
天然ゴムラテックス:タイテックス社から入手したフィールドラテックスを使用
界面活性剤:花王(株)製のEmal−E(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム)
NaOH:和光純薬工業(株)製のNaOH
NR:TSR
HPNR(ケン化天然ゴム):下記製造例1
Co系BR1:宇部興産(株)製のBR150B(Co系触媒を用いて合成したBR、シス含量:97.0質量%、ビニル含量:1.5質量%、ML1+4(100℃):
40、Mw:52.0×104、Mn:15.0×104、Mw/Mn:3.3)
Co系BR2:宇部興産(株)製のBR150L(Co系触媒を用いて合成したBR、シス含量:98.2質量%、ビニル含量:1.0質量%、ML1+4(100℃):
43、Mw:54.2×104、Mn:22.1×104、Mw/Mn:2.4)
Nd系BR:ランクセス(株)製のブナCB24(Nd系触媒を用いて合成したBR、シス含量:97.6質量%、ビニル含量:0.4質量%、ML1+4(100℃):
45、:Mw:59.7×104、Mn:22.2×104、Mw/Mn:2.7)
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN220(N2SA:111m2/g)
シリカ:デグッサ社製のULTRASIL VN3(平均一次粒子径:15nm、N2SA:175m2/g)
シランカップリング剤1:デグッサ社製のSi266(スルフィドシラン)
シランカップリング剤2:Momentive社製のA1891(メルカプトシラン)
シランカップリング剤3:Momentive社製のNXT−Z45(結合単位Aと結合単位Bとの共重合体(結合単位A:55モル%、結合単位B:45モル%)
シランカップリング剤4:Momentive社製のNXT−Z15(結合単位Aと結合単位Bとの共重合体(結合単位A:85モル%、結合単位B:15モル%)
シランカップリング剤5:Momentive社製のNXT−Z60(結合単位Aと結合単位Bとの共重合体(結合単位A:40モル%、結合単位B:60モル%)
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックワックス
老化防止剤:FLEXSYS(株)製の老化防止剤6C(SANTOFLEX 6PPD)
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華2種
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS
製造例1
天然ゴムラテックスの固形分濃度(DRC)を30%(w/v)に調整した後、天然ゴムラテックス1000gに対し、Emal−E10gとNaOH20gを加え、室温で48時間ケン化反応を行い、ケン化処理天然ゴムラテックスを得た。このラテックスに水を添加してDRC15%(w/v)となるまで希釈した後、ゆっくり攪拌しながらギ酸を添加しpHを4.0〜4.5に調整し、凝集させた。凝集したゴムを粉砕し、水1000mlで洗浄を繰り返し、その後110℃で2時間乾燥して固形ゴム(ケン化天然ゴム)を得た。
窒素含有量は、CHN CORDER MT−5(ヤナコ分析工業社製)を用いて測定した。測定には、まずアンチピリンを標準物質として、窒素含有量を求めるための検量線を作製した。次いで、製造例で得られた改質天然ゴム又はTSRのサンプル約10mgを秤量し、3回の測定結果から平均値を求めて、試料の窒素含有量とした。
ICP発光分析装置(ICPS−8100、(株)島津製作所製)を使用してリン含有量を求めた。
また、リンの31P−NMR測定は、NMR分析装置(400MHz、AV400M、日本ブルカー社製)を使用し、80%リン酸水溶液のP原子の測定ピークを基準点(0ppm)として、クロロホルムにより生ゴムより抽出した成分を精製し、CDCl3に溶解して測定した。
1mm×1mmに切断した生ゴムのサンプル70.00mgを計り取り、これに35mLのトルエンを加え1週間冷暗所に静置した。次いで、遠心分離に付してトルエンに不溶のゲル分を沈殿させ上澄みの可溶分を除去し、ゲル分のみをメタノールで固めた後、乾燥し質量を測定した。次の式によりゲル含有率(%)を求めた。
ゲル含有率(質量%)=[乾燥後の質量mg/最初のサンプル質量mg]×100
表2及び3に示す配合処方に従い、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の薬品を混練りし、混練り物を得た。次に、オープンロールを用いて、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を150℃で30分間、2mm厚の金型でプレスし、加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物及び加硫ゴム組成物を用いて以下の試験を行った。
粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度70℃、初期歪み10%、動歪み2%の条件下で上記加硫ゴム組成物のtanδを測定し、比較例2のtanδを100として、下記計算式により、各配合のtanδを指数表示した。数値が小さいほど発熱しにくく、低燃費性能に優れることを示す。
(発熱性能指数)=(各配合のtanδ)/(比較例2のtanδ)×100
(株)岩本製作所製のランボーン摩耗試験機を用い、表面回転速度50m/min、負荷荷重3.0kg、落砂量15g/min、スリップ率20%の条件で上記加硫ゴム組成物のランボーン摩耗量を測定した。そして、測定したランボーン摩耗量から容積損失量を計算し、比較例2の容積損失量を100として、下記計算式により、各配合の容積損失量を指数表示した。数値が大きいほど、耐摩耗性能に優れることを示す。
(耐摩耗性能指数)=(比較例2の容積損失量)/(各配合の容積損失量)×100
JIS K6300に基づき、100℃にて、上記未加硫ゴム組成物のムーニー粘度を測定した。そして、比較例2のムーニー粘度を100として、下記計算式により、各配合のムーニー粘度を指数表示した。数値が大きいほど、ムーニー粘度が低く、加工性に優れることを示す。
(ムーニー粘度指数)=(比較例2のムーニー粘度)/(各配合のムーニー粘度)×100
JIS K6300に基づき、160℃にて、上記未加硫ゴム組成物の加硫度が10%に達するまでの時間(T10)を測定した。そして、比較例2のT10を100とし、下記計算式により指数表示した。数値が大きいほど、スコーチタイムが長く、加工性に優れることを示す。
(スコーチタイム指数)=(各配合のT10)/(比較例2のT10)×100
Claims (8)
- ゴム成分、シリカ及びシランカップリング剤を含有し、
前記ゴム成分は、リン含有量が200ppm以下の改質天然ゴムと、希土類元素系触媒を用いて合成されたブタジエンゴムとを含み、
前記ゴム成分100質量%中、前記改質天然ゴムの含有量が60〜95質量%、前記希土類元素系触媒を用いて合成されたブタジエンゴムの含有量が5〜40質量%であり、
前記ゴム成分100質量部に対する前記シリカの含有量が10〜60質量部であり、
前記シランカップリング剤は、下記式(1)で示される結合単位Aと下記式(2)で示される結合単位Bとの合計量に対して、結合単位Bを1〜70モル%の割合で共重合したものであるタイヤ用ゴム組成物。
- 前記改質天然ゴムは、トルエン不溶分として測定されるゲル含有率が20質量%以下である請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記改質天然ゴムは、クロロホルム抽出物の31P NMR測定において、−3ppm〜1ppmにリン脂質によるピークが存在せず、実質的にリン脂質が存在しない請求項1又は2記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記改質天然ゴムは、窒素含有量が0.3質量%以下である請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記改質天然ゴムは、天然ゴムラテックスをケン化処理して得られたものである請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記希土類元素系触媒を用いて合成されたブタジエンゴムは、シス含量が95質量%以上、ビニル含量が1.0質量%以下である請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 重荷重用タイヤのトレッドに使用される請求項1〜6のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製したトレッドを有する重荷重用タイヤ。
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