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JP2011220596A - 冷却システム - Google Patents

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JP2011220596A JP2010089429A JP2010089429A JP2011220596A JP 2011220596 A JP2011220596 A JP 2011220596A JP 2010089429 A JP2010089429 A JP 2010089429A JP 2010089429 A JP2010089429 A JP 2010089429A JP 2011220596 A JP2011220596 A JP 2011220596A
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Kazunari Suzuki
一成 鈴木
Hiroyuki Toyoda
浩之 豊田
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    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28DHEAT-EXCHANGE APPARATUS, NOT PROVIDED FOR IN ANOTHER SUBCLASS, IN WHICH THE HEAT-EXCHANGE MEDIA DO NOT COME INTO DIRECT CONTACT
    • F28D15/00Heat-exchange apparatus with the intermediate heat-transfer medium in closed tubes passing into or through the conduit walls ; Heat-exchange apparatus employing intermediate heat-transfer medium or bodies
    • F28D15/02Heat-exchange apparatus with the intermediate heat-transfer medium in closed tubes passing into or through the conduit walls ; Heat-exchange apparatus employing intermediate heat-transfer medium or bodies in which the medium condenses and evaporates, e.g. heat pipes
    • F28D15/0266Heat-exchange apparatus with the intermediate heat-transfer medium in closed tubes passing into or through the conduit walls ; Heat-exchange apparatus employing intermediate heat-transfer medium or bodies in which the medium condenses and evaporates, e.g. heat pipes with separate evaporating and condensing chambers connected by at least one conduit; Loop-type heat pipes; with multiple or common evaporating or condensing chambers

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Abstract

【課題】水冷ジャケット、ラジエータ及び両者を連結する配管の設置位置を自由に設定することができる熱サイフォンを用いた冷却システムを得る。
【解決手段】発熱体109からの熱により液体冷媒を蒸発させる水冷ジャケット101と、水冷ジャケットから輸送された蒸気冷媒の熱を外部に伝達して蒸気を凝縮させるラジエータ102と、水冷ジャケットからラジエータへ冷媒蒸気を輸送する蒸気通路103と、ラジエータから水冷ジャケットへ凝縮液を輸送する凝縮液通路104と、水冷ジャケット101と蒸気通路103との間及びラジエータ102と凝縮液通路104との間のそれぞれを仕切る浸透膜108、107と、水冷ジャケット101内に収容した溶質と冷媒との混合液とにより構成され、冷媒を水冷ジャケット101とラジエータ102との間で循環させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、冷却システムに係り、特に、熱サイフォンを用いた気化冷却システムに関する。
近年、パーソナルコンピュータやサーバ等の電子機器に搭載される中央処理装置(CPU)等の半導体デバイスは、小型化・高集積化により発熱量が益々増大してきている。前述のCPU等の半導体デバイスは、通常、所定の温度を超えるとその性能を維持することができなくなるばかりでなく、場合によっては破損することもある。そのため、半導体デバイスの温度管理が必要とされ、半導体デバイスに対して、その冷却が行われている。
従来、半導体デバイスの冷却は、一般的に、CPU等の発熱体にヒートシンクを取り付け、それに冷却風を送るファンを用いることによって実現してきた。しかし、前述したように、半導体デバイスの小型化・高集積化により発熱部位の局所化が生じ、ヒートシンクと、それに冷却風を送るファンとを用いる方法では、冷却が困難になってきている。また、近年の環境配慮型社会の要望から、電子機器の消費電力や騒音の低減が求められている。
前述した半導体デバイスの冷却が困難になってきているという課題及び環境配慮型社会からの要望より、従来の空冷式の冷却システムに代わり、例えば、水等の冷媒を用いた液冷式の冷却システム等の効率的な冷却技術が強く求められている。液冷式の冷却システムの中でも冷媒の相転移を用いた気化冷却システムは、その冷却効率の良さが注目を集めている。
前述した気化冷却システムに関する従来技術として、例えば、特許文献1等に記載された技術が知られている。この従来技術は、半導体デバイスとしてのCPUの表面に設置した水冷ジャケットで冷媒を蒸発させて、その冷媒蒸気を金属性及びゴム製のチューブを介してラジエータに輸送し、そこで熱を外部に放出することにより前述の冷媒を凝縮させ、液化した冷媒をポンプにより再び水冷ジャケットに還流させるというものである。
前述で説明した空冷式の冷却システムは、ヒートシンクによってCPU等の局所的発熱体の直上で熱を放出しなければならないが、前述の気化冷却システムは、熱を放出するラジエータの位置を自由に選択することができるため、発熱部位の局所化が著しい近年の電子機器の冷却に非常に有用なものである。
前述したようなポンプを用いる気化冷却システムに対して、熱サイフォンを用いた気化冷却システムがあり、この熱サイフォン式気化冷却システムは、水冷ジャケットとラジエータとを要する点、及び、効率性や局所的発熱部位の冷却に対する利点で前述のポンプを用いる気化冷却システムと同様であるが、ポンプを用いることなく重力のみで作動液が動作するため、ポンプを用いる気化冷却システムと比べて装置の信頼性が高いという特徴を有している。但し、熱サイフォン式気化冷却システムは、凝縮した冷媒の水冷ジャケットへの輸送が重力によってなされるため、水冷ジャケット、ラジエータ及び両者を接続する配管の設置位置に制約のあるものであった。
また、重力に代わり毛細管力で凝縮した冷媒液を還流させる熱輸送装置を用いる冷却システムとしてヒートパイプによるものが知られている。しかし、ヒートパイプの駆動力は、グルーブやウィック等で得られる毛細管力であるため、液の圧力損失が大きく作動液を効率良く循環させることができない。このため、毛細管力を用いて熱輸送装置を行う冷却システムは、前述した熱サイフォンを用いた気化冷却システムと比べて熱輸送量が小さなものである。このような欠点を改良した従来技術として、例えば、特許文献2等に記載された技術が知られている。この従来技術は、浸透圧を用いることにより大きな熱輸送の駆動圧を発生させることを可能としたヒートパイプによる冷却システムに関するものである。
特開2006−237188号公報 特開昭63−14087号公報
前述したように、気化冷却システムには主に3つのタイプが存在する。第1のシステムは、ポンプを用いてラジエータから水冷ジャケットへ凝縮した冷媒液を還流させる水冷システムである。このポンプを用いる気化冷却システムは、熱輸送量が大きいという利点を有しているが、一方、ポンプとこれを駆動する電源、冷却水を貯めるリザーブタンク等を設置するスペースが必要となるという問題点を有している。また、このシステムは、前述したポンプが電力を消費し、かつ、騒音源にもなり、信頼性の点でも問題になるという問題点を有している。
第2のシステムは、ヒートパイプを使用する冷却システムである。このヒートパイプを用いる冷却システムは、信頼性が高く、ポンプを要しないため、電源の設置スペース、ポンプ、騒音に関する懸念がないという利点を有している。しかし、ヒートパイプを用いる冷却システムは、凝縮した冷媒液の還流を毛細管力に頼っているために、輸送することができる冷媒の量が小さく、そのため熱輸送量が小さいという問題点を有している。
第3のシステムは、熱サイフォンを用いた気化冷却システムである。この熱サイフォンを用いた気化冷却システムは、ヒートパイプを用いる冷却システムの利点に加えて、熱輸送量も大きいという特徴を有している。しかし、このシステムは、冷媒の駆動力が重力であるために、水冷ジャケット、ラジエータ及び両者を接続する配管の設置位置に制約が存在するという問題点を有している。このため、例えば、ラックマウント型の1Uサーバに用いる場合、1U(約4.5cm)の高さ内にラジエータと水冷ジャケットとの相対位置に落差を設けなければならないことになる。また、1Uあるいは2Uの厚さのブレード筐体が縦置きに設置されるブレードサーバや、縦置き、横置き双方で運用されるタワー型サーバに適用する場合、筐体デザインや部品レイアウトに特別な制約が生じる。
本発明の目的は、前述した従来技術の問題点を解決し、凝縮した冷媒液を還流させるための新たな駆動力を備え、水冷ジャケット、ラジエータ及び両者を連結する配管の設置位置を自由に設定することができる熱サイフォンを用いた冷却システムを提供することにある。
本発明によれば前記目的は、発熱体からの熱により液体冷媒を蒸発させる水冷ジャケットと、該水冷ジャケットから輸送された蒸気冷媒の熱を外部に伝達して蒸気を凝縮させるラジエータと、前記水冷ジャケットから前記ラジエータへ冷媒蒸気を輸送する蒸気通路と、前記ラジエータから前記水冷ジャケットへ凝縮液を輸送する凝縮液通路と、前記水冷ジャケットと前記蒸気通路との間及び前記ラジエータと前記凝縮液通路との間のそれぞれを仕切る浸透膜と、前記水冷ジャケット内に収容した溶質と前記冷媒との混合液とにより構成され、前記冷媒を前記水冷ジャケットと前記ラジエータとの間で循環させることにより達成される。
本発明によれば、浸透膜による浸透圧によって下部にあるラジエータから上部にある水冷ジャケットに向かい重力に逆らって冷媒を還流させることができ、これにより、大きな熱輸送量を備えつつ、水冷ジャケット、ラジエータ及び両者を連結する配管の設置位置を自由に設定可能として、高い冷却効果を得ることができる。
本発明の一実施形態による熱サイフォン構造を有する気化冷却システムの概略構成を示す図である。 水冷ジャケットの詳細な構造を説明する断面図である。 ラジエータの詳細な構造を説明する断面図である。 ラジエータを構成するラジエータチューブの構造を説明する一部拡大図を含む断面図である。 本発明の他の実施形態による熱サイフォン構造を有する気化冷却システムの概略構成を示す図である。 他の実施形態における蒸気通路となる配管の長手方向に沿った微細溝構造を説明する図である。 ラックに収容したラックサーバ及びブレードサーバの概略図である。
以下、本発明による冷却システムの実施形態を図面を用いて詳細に説明する。ここで説明する本発明の実施形態は、従来のシステムでは凝縮した冷却液の還流が重力によっていたために不可能であったトップヒートモード(蒸発部が上部、凝縮部が下部)での動作を可能とした熱サイフォン構造の気化冷却システムの例である。
図1は本発明の一実施形態による熱サイフォン構造を有する気化冷却システムの概略構成を示す図である。
本発明の実施形態による熱サイフォン構造を有する気化冷却システムは、図1に示すように、冷媒としての水の蒸発部となる水冷ジャケット101と、蒸発した水の凝縮部となるラジエータ102とが設けられ、両者の間を配管である蒸気通路103と、凝縮液通路104とにより接続して冷媒が循環するループを形成するように構成されている。
水冷ジャケット101と蒸気通路103との間、及び、ラジエータ102と凝縮液通路104と間は、それぞれ浸透膜108、107で仕切られ、ラジエータ102の下部には、凝縮液ジャケット302が構成されて溶媒105が配置され、水冷ジャケット101内には溶質と溶媒との混合液106が封入されている。
前述のように構成される水冷ジャケット101は、その底面部がCPU等の半導体デバイスによる発熱体109の上面に、熱伝導性の高いシート、グリース等を介して小さい熱抵抗で接するように設置されて使用される。また、図示していないが、ラジエータ102の近傍に、空気流を生成するファンが設けられ、生成された空気流が、ラジエータ102を構成する後述の放熱フィンを介してラジエータ102の冷却を促進する。
前述した本発明の実施形態による冷却システムは、ラジエータ102が、蒸気通路103と凝縮液通路104とを介して水冷ジャケット101に接続されており、蒸気通路103と凝縮液通路104との経路を任意に設定することができる。これにより、ラジエータ102を任意の位置に設置することができ、本発明の実施形態では、ラジエータ102の凝縮液ジャケット302を水冷ジャケット101より低い位置に配置するようにすることができる。
本発明の実施形態では、冷媒として水を使用することとし、水冷ジャケット101の内部を減圧し環境温度における飽和蒸気圧の飽和水として用いる。冷媒として水は、滲透圧を得るために水に混合して使用する溶質に対する溶媒ともなるものであり、溶質としてはベンゾトリアゾール(C)系防錆剤を用いる。これにより、水冷ジャケット101、ラジエータ102、蒸気通路103、凝縮液通路104のループにより構成される熱サイフォンの材質である銅の腐食を抑制する作用も期待することができ有効である。また、浸透膜としてはセルロース膜を用いている。
図2は水冷ジャケットの詳細な構造を説明する断面図である。水冷ジャケット101は、図2に示すように、CPU等の半導体デバイスである発熱体109と接触するジャケットベース202とジャケットカバー201とにより構成されており、ジャケットベース202の内側の表面には冷媒の速やかな沸騰を促進する気化促進構造物203として、その上面に、開口寸法及びトンネルピッチを最適化した(例えば、0.2mm×0.2mmの角孔をピッチ0.5mmで縦横2方向に多数形成した)溝構造を形成した多孔質銅による微細化構造物が設けられている。蒸気通路103の入り口であり、水冷ジャケット101の蒸気出口には浸透膜108が配置されており、これにより、溶質の蒸気通路103への侵入を阻止して、水冷ジャケット101及び凝縮液通路104内に作動溶液である溶媒と溶質との混合液を封入することができる。
図3はラジエータの詳細な構造を説明する断面図である。ラジエータ102は、図3に示すように、上部に設けられた蒸気ジャケット301と下部に設けられた凝縮液ジャケット302と、蒸気ジャケット301及び凝縮液ジャケット302の相互間を接続する1または複数のラジエータチューブ303と、ラジエータチューブ303の周囲に設けられた多数の放熱フィン304とにより構成されている。
図4はラジエータを構成するラジエータチューブの構造を説明する一部拡大図を含む断面図である。ラジエータチューブ303は、円柱状または偏平円柱状の断面を持つ構造であり、その内部に、図4の拡大図に示しているように、ナイフエッジを有する下向き微細フィン構造(例えば、深さ0.1mm、幅0.1mm、ピッチ0.3mmのフィン構造)401を有する。この微細フィン構造401は、冷媒蒸気の凝縮を促進すると共に、凝縮面からの凝縮した冷媒液の排除を促進する案内板の役割をも果たす。
次に、前述したように構成される本発明の実施形態による熱サイフォンを用いた気化冷却システムの動作について説明する。
CPU等の半導体デバイスによる発熱体109によってジャケットベース202が加熱されると、水冷ジャケット101内の作動溶液の温度が上昇する。水冷ジャケット101の内部は減圧され、環境温度における飽和蒸気圧になっており、作動溶液である溶媒と溶質との混合液の溶媒は、100℃以下の低温、例えば、60℃〜50℃で沸点に達するように調整されている。このとき、水冷ジャケット101内の気化促進構造物203は、溶媒液の速やかな沸騰を促す作用をする。
そして、本発明の実施形態では溶媒として水を使用し、溶質としてベンゾトリアゾール系の防錆剤を使用しており、水の方がベンゾトリアゾール系の防錆剤より沸点が低いため、沸騰して蒸気となるのは水であり、発生した水蒸気は、蒸気通路103を通ってラジエータ102に輸送される。そして、ラジエータ102に運ばれた水蒸気は、蒸気ジャケット301からラジエータチューブ303に導かれ、ラジエータチューブ303に取り付けられている放熱フィンに熱を伝達して冷却される。このとき、ラジエータチューブ303内に設けられた図4に示して説明した微細フィン構造により、溶媒の速やかな凝縮が促進される。また、ラジエータチューブ303から凝縮液ジャケット302への凝縮した冷媒液のスムーズな輸送が行われる。そして、純水である凝縮した冷媒液は、ラジエータ下部の凝縮液ジャケット302に貯まり、浸透膜107を通して凝縮液通路104内の水溶液(ベンゾトリアゾール系の防錆剤を含む)と接し、浸透膜107の浸透圧により、純水が凝縮液通路104内へ浸透する。
一般に、浸透圧Pは、溶質の種類を問わず、溶質のモル濃度と温度とのみに依存し、
P=MRT
として示される式で表される。ここで、Mは溶液の容積モル濃度[mol/L]、Rは気体定数、Tは絶対温度である。例えば、溶液として水100mlに1gの1H−ベンゾトリアゾール(C)を溶かしたものを用い、常温(300K)で動作させる条件を考えると、浸透圧は、約2.1kg/cm となる。この圧力は、一般的なウィック型ヒートパイプにおける駆動圧である0.002kg/cm の約1000倍の大きさとなり、下部にあるラジエータ102の底部から上部にある水冷ジャケット101まで21mの揚水が可能であることを意味している。これにより、トップヒートモード(蒸発部が上部、凝縮部が下部)での動作を可能とした熱サイフォン構造の冷却システムを構成することができる。
前述した本発明の実施形態による冷却システムは、一般的なブレードサーバの冷却に適用された場合、半導体デバイス等の発熱体109のサーバ内部での位置にかかわらず、ラジエータ102の凝縮液ジャケット302がサーバの最も低い位置になるように、また蒸気ジャケット301がサーバの最も高い位置になるように配置することができる。そして、この場合、一般的なブレードサーバの高さが10U(約44.5cm)であり、浸透膜107により、この高さだけの揚水を行うことができればよく、水100mlに対してベンゾトリアゾールを約21.4mg(濃度214ppm)だけ加えれば、必要な滲透圧を得ることができる。
また、前述した本発明の実施形態による冷却システムは、一時的に溶媒である水の蒸発量が増大した等の理由により、水冷ジャケット101内の溶液が減少した場合、溶液の濃度が上昇するために浸透圧も濃度に比例して上昇する。この結果、水冷ジャケット101内への水の輸送が促進され、ドライアウト(作動液が完全に蒸発)することを防止することができる。
また、前述した本発明の実施形態による冷却システムは、従来技術として説明した浸透圧型ヒートパイプと比べると溶媒の輸送量が大きく、ラジエータ102による効率的な冷却も可能となるため熱輸送量が非常に大きいという利点を有する。
前述した本発明の実施形態は、熱サイフォンの材質として銅を使用するとして説明したが、本発明は、銅以外にもアルミ等の熱伝導率の高い金属を用いることができる。また、溶質としては、蔗糖(C122211)やアルカリ金属のホウ酸塩(例えば、NaBO)等を使用することができる。また、浸透膜としては、90℃以下の低温で作動する場合、アセチルセルロース膜、セルロース系あるいはナイロン系の中空状膜を使用するのが適当であり、90℃以上の高温で使用する場合、多孔質ガラス、多孔質セラミックス等の材質のものを使用するのが適当である。
図5は本発明の他の実施形態による熱サイフォン構造を有する気化冷却システムの概略構成を示す図、図6は他の実施形態における蒸気通路となる配管の長手方向に沿った微細溝構造でを説明する図である。ここで説明する本発明の他の実施形態は、図1に示して説明した気化冷却システムにおける浸透膜108を除いて構成したものである。
本発明の他の実施形態は、図1に示して説明したものと同様に、冷媒としての水の蒸発部となる水冷ジャケット101と、蒸発した水の凝縮部となるラジエータ102とが設けられ、両者の間を配管である蒸気通路103と、凝縮液通路104とにより接続して冷媒が循環するループを形成するように構成されている。
そして、ラジエータ102と凝縮液通路104と間は、浸透膜107で仕切られ、ラジエータ102の下部には、凝縮液ジャケット302が構成されて溶媒105が配置され、水冷ジャケット101内には溶質と溶媒との混合液106が封入されている。
前述したような本発明の他の実施形態が図1に示したものと相違する点は、水冷ジャケット101と蒸気通路103との間を仕切っている浸透膜108が設けられていない点、蒸気通路103を、水冷ジャケット101側を低くして一様な勾配を持つものとすると共に充分な長さを有する配管により構成した点、及び、蒸気通路103となる配管の内側の壁面に、図6に示すような配管の長手方向に沿った微細溝構造501が設けられている点である。
図1に示している浸透膜108は、水冷ジャケット101内の溶質が蒸発して蒸気通路103を通ってラジエータ102内の溶媒に混入しないために設けられている。通常、溶質の蒸発温度は、溶媒である水より高いため、ジャケット101内で蒸発する量はそれほど多くはない。そこで、図6に示す本発明の他の実施形態では、浸透膜108を設置せず、に代わりに蒸気通路103を、前述したように一様な勾配と充分な長さを有する配管で構成すると共に、蒸気ジャケット103の近傍を除く配管内壁面に図6に示すような微細溝構造501を、配管の長手方向に沿って設けることとした。前述の配管内壁面に設けた微細溝構造501は、毛細管力によって蒸気通路103内に侵入し、液化した溶質を水冷ジャケットへ輸送する機能を有し、これにより、ラジエータ102内の溶媒である水への溶質の混入を防止することができる。
本発明の他の実施形態は、前述したような構成を備えることによって、図1に説明した本発明の実施形態と比較して浸透膜108の存在によって生じる圧力損失をなくすことができ、冷却効率を向上させることができる。
図7はラックに収容したラックサーバ及びブレードサーバの概略図である。通常、ラックマウントサーバ703は、図7(a)に示すように、ラックドア702を備えるラック701内に複数台が横置きに設置されている。ラックマウントサーバ701は、その高さが1U(約4.5cm)の整数倍に構成されている。
このようなラックマウントサーバ703内に本発明の実施形態による冷却システムを設ける場合、基板上に載置されている半導体デバイス等の発熱体の配置位置にかかわらず、その高さ寸法の全体を使用して、冷却システムを構成することができる。
また、ブレードサーバ705は、一般に、1Uあるいは2Uの厚さで高さが10U(約44.5cm)に構成されて、図7(b)に示すように、ラック701内に設けられるブレードサーバ筐体704内に複数台が縦置きに設置されている。
このようなブレードサーバ内に本発明の実施形態による冷却システムを設ける場合、ラックマウントサーバ703の場合と同様に、基板上に載置されている半導体デバイス等の発熱体の配置位置にかかわらず、その高さ寸法の全体(10U)を使用して、冷却システムを構成することができる。
101 水冷ジャケット
102 ラジエータ
103 蒸気通路
104 凝縮液通路
105 溶媒
106 溶液
107、108 浸透膜
109 発熱体
201 ジャケットカバー
202 ジャケットベース
203 気化促進構造
301 蒸気ジャケット
302 凝縮液ジャケット
303 ラジエータチューブ
304 放熱フィン
401 微細フィン構造
501 微細溝構造

Claims (7)

  1. 発熱体からの熱により液体冷媒を蒸発させる水冷ジャケットと、該水冷ジャケットから輸送された蒸気冷媒の熱を外部に伝達して蒸気を凝縮させるラジエータと、前記水冷ジャケットから前記ラジエータへ冷媒蒸気を輸送する蒸気通路と、前記ラジエータから前記水冷ジャケットへ凝縮液を輸送する凝縮液通路と、前記水冷ジャケットと前記蒸気通路との間及び前記ラジエータと前記凝縮液通路との間のそれぞれを仕切る浸透膜と、前記水冷ジャケット内に収容した溶質と前記冷媒との混合液とにより構成され、前記冷媒を前記水冷ジャケットと前記ラジエータとの間で循環させることを特徴とする冷却システム。
  2. 請求項1記載の冷却システムおいて、
    前記水冷ジャケット内に前記冷媒の気化を促進する溝構造が形成された多孔質銅による微細化構造物が設けられていることを特徴とする冷却システム。
  3. 請求項1記載の冷却システムにおいて、
    前記ラジエータは、その内部に冷媒の液化を促進し、冷媒の凝縮面からの凝縮液の排除を促進する微細フィン構造が施されていることを特徴とする冷却システム。
  4. 請求項1記載の冷却システムにおいて、
    前記溶質は、金属材料の腐食を抑制する機能を有する溶質であることを特徴とする冷却システム。
  5. 発熱体からの熱により液体冷媒を蒸発させる水冷ジャケットと、該水冷ジャケットから輸送された蒸気冷媒の熱を外部に伝達して蒸気を凝縮させるラジエータと、前記水冷ジャケットから前記ラジエータへ冷媒蒸気を輸送する蒸気通路と、前記ラジエータから前記水冷ジャケットへ凝縮液を輸送する凝縮液通路と、前記ラジエータと前記凝縮液通路との間を仕切る浸透膜と、前記水冷ジャケット内に収容した溶質と前記冷媒との混合液とにより構成され、前記冷媒を前記水冷ジャケットと前記ラジエータとの間で循環させることを特徴とする冷却システム。
  6. 請求項5記載の冷却システムにおいて、
    前記蒸気通路は、一様な勾配と充分な長さを有する配管により構成されていることを特徴とする冷却システム。
  7. 請求項6記載の冷却システムにおいて、
    前記蒸気通路となる配管の内壁面に、微細溝構造が前記配管の長手方向に沿って設けられていることを特徴とする冷却システム。
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