以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図4を参照して、本発明の第1実施の形態におけるダイナミックダンパ100が装着されるトルクロッド1の概略構成について説明する。図1は、本発明の第1実施の形態におけるダイナミックダンパ100が装着されたトルクロッド1の上面図である。図2は、ダイナミックダンパ100が装着されたトルクロッド1の下面図である。図3は、トルクロッド1の上面図である。図4は、図3のVI−VI線におけるトルクロッド1の断面図である。なお、図3及び図4では、図面を簡素化して説明を分かりやすくするため、第1内筒2a、第1防振基体2c、第2内筒3a及び第2防振基体3cの図示を省略している。
図1及び図2に示すように、トルクロッド1は、エンジンからのトルクを受けることで、加速時におけるエンジンのロール方向の変位を規制するための防振装置であり、エンジン側(図1右側及び図2右側、図示せず)に取り付けられる第1ブッシュ2と、車体側(図1左側及び図2左側、図示せず)に取り付けられる第2ブッシュ3と、第1ブッシュ2及び第2ブッシュ3を互いに連結する連結部材4とを備え、連結部材4にはダイナミックダンパ100が装着されている。これにより、加速時におけるエンジンのロール方向への変位や前後方向の変位を規制し得るように構成されている。
第1ブッシュ2は、エンジン側に取り付けられる第1内筒2aと、第1内筒2aの外周側に位置する第1外筒2bと、第1内筒2a及び第2外筒2bの間に介設されると共にゴム状弾性体から構成される第1防振基体2cとを備える。
第1内筒2aは、アルミニウム合金から円筒状に構成され、中央に穿設された挿通孔を介して、エンジン側へボルトにより締結固定される。第1外筒2bは、鉄鋼材料から円筒状に構成されると共に、連結部材4と一体に構成され、第1内筒2aと所定間隔を隔てて位置する。第1防振基体2cは、第1内筒2aと第1外筒2bとの間を周方向前周に亘って連結している。
第2ブッシュ3は、車体側に取り付けられる第2内筒3aと、第2内筒3aの外周側に位置する第2外筒3bと、第2内筒3a及び第2外筒3bの間に介設されると共にゴム状弾性体から構成される第2防振基体3cとを備える。
第2内筒3aは、アルミニウム合金から上面視三角形状の柱状体に構成され、中央に穿設された挿通孔を介して、車体側へボルトにより締結固定される。第2外筒3bは、鉄鋼材料から構成されると共に、連結部材4と一体に構成され、第2内筒3aと所定間隔を隔てて位置する。第2防振基体3cは、上面視ハの字状に拡開して構成され第2内筒3aと第2外筒3bとの間を2箇所で連結する一対のゴム脚として構成される。
図3及び図4に示すように、連結部材4は、板状に構成されると共に両端に第1外筒2b及び第2外筒3bが溶接固定されており、板厚方向に穿設された開口4aを備えている。開口4aは、ダイナミックダンパ100を装着するための部位であり、上面視略矩形状に形成されている。なお、連結部材4は、鉄鋼材料から構成される一対の金属板を重ね合わせた状態でプレス成形することで、一対の金属板が一体に形成される。
次に、図5及び図6を参照して、ダイナミックダンパ100の詳細構成について説明する。図5(a)は、ダイナミックダンパ100の正面図であり、図5(b)は、図5(a)のVb−Vb線におけるダイナミックダンパ100の断面図である。図6(a)は、ダイナミックダンパ100の側面図であり、図6(b)は、図6(a)のVIb−VIb線におけるダイナミックダンパ100の断面図であり、図6(c)は、ダイナミックダンパ100の下面図であり、図6(d)は、図6(a)のVId−VId線におけるダイナミックダンパ100の断面図である。
図5(a)及び図5(b)に示すように、ダイナミックダンパ100は、トルクロッド1(図1参照)が特定の周波数で振動することを抑制するための防振装置であり、質量体としてのマス部材10と、そのマス部材10をトルクロッド1に弾性支持する防振部材20とを備えている。
マス部材10は、鉄鋼材料から構成される直方体形状の部材であり、外面がゴム状弾性体により被覆されている。また、マス部材10は、下方(図5(a)下方向)から視た場合において、開口4a(図3参照)よりも大きな外形に形成されている。また、マス部材10には、一面側(図5(b)下側)から突出する突出部11が形成されている。突出部11は、マス部材10と同じ鉄鋼材料から構成される直方体形状の部位であり、先端が後述する首部22とフランジ部23とが連結される位置まで突出すると共に、開口4a(図3参照)よりも小さな外形に形成されている。
なお、請求項1に記載の「外形」とは、対象物を外から視たときにその対象物のおもてにあらわれる形を意味し、特に、本実施の形態においては、ダイナミックダンパ100の高さ方向(図5(a)上下方向)に垂直な断面においておもてにあらわれる形を意味する。よって、対象物の外形が比較物の外形よりも大きい(小さい)とは、上述した断面において、対象物のおもてにあらわれる形の断面積が、比較物のおもてにあらわれる形の断面積よりも大きい(小さい)ことを意味する。即ち、例えば、対象物や比較物が筒状であり、上述した断面が円環状になる場合には、対象物または比較物のおもてにあらわれる形に対応する円環の外側の円(即ち、筒状の外周面に対応する円)の断面積で比較する。また、対象物または比較物のおもてにあらわれる形が相似形でない場合であっても、上述した断面における断面積の大小で外形を判断するものとする。
例えば、マス部材10及び開口4aは、上述した断面(即ち、ダイナミックダンパ100の高さ方向に垂直な断面)における形状がそれぞれ矩形状に形成されると共に相似形とされているので、開口4aよりも長辺および短辺の長さが長いマス部材10は、上述した断面における断面積が開口4aよりも大きい。よって、マス部材10の外形は開口4aの外形よりも大きい。
防振部材20は、マス部材10を連結部材4(図7(b)参照)に弾性支持するための部位であり、ゴム状弾性体から構成されている。防振部材20は、マス部材10の一面側に固着される基体部21と、その基体部21に連結される首部22と、その首部22に連結されるフランジ部23と、そのフランジ部23から首部22の反対側へ向けて立設される板状部24と、その板状部24の立設先端に形成される取手部25とを備えている。
基体部21は、ダイナミックダンパ100が連結部材4に装着された状態において、マス部材10と連結部材4との間に介在される部位であり、板状に構成されている。基体部21は、下方(図5(a)下側)から視た場合において、開口4aよりも大きな外形に形成されている。
図6(a)及び図6(b)に示すように、首部22は、ダイナミックダンパ100が連結部材4(図7(b)参照)に装着された状態において、開口4a(図3参照)に挿通される部位であり、筒状に形成されている。首部22は、高さ方向に垂直な断面が、開口4a及び突出部11と相似な略矩形状に形成されると共に外形が基体部21よりも小さく、かつ、開口4aよりも大きく形成されている。また、首部22は、突出部11の外側面を被覆しており、首部22の高さ方向(図6(a)上下方向)に垂直な断面における厚み寸法が均一になっている。
フランジ部23は、ダイナミックダンパ100が連結部材4に装着された状態において、連結部材4に係止される部位であり、一側(図6(a)上側)から他側(図6(a)下側)に向けて先細りする楔状に形成されている。また、フランジ部23は、高さ方向(図6(a)上下方向)に垂直な断面が略矩形状に形成されると共に、一側の端面の外形が、開口4aよりも大きく形成されている。
図6(c)及び図6(d)に示すように、板状部24は、取手部25に付与された引っ張り力をフランジ部23に伝達する部位であり、板状に形成される4枚の板状体24aを備えている。4枚の板状体24aは、高さ方向(図6(a)上下方向)に垂直な断面視において放射状に配設されており、フランジ部23に接続される部分が、フランジ部23の他面側における中心部分から周縁部分に向けて延びている。なお、板状部24が、複数の板状体24aから形成されることで、板状部24がフランジ部23の他面側全体に接続される場合と比べて、板状部24とフランジ部23との接続面積を小さくできる分、ゴム状弾性体の使用量を少なくして、材料コストを削減できる。
取手部25は、ダイナミックダンパ100を連結部材4(図7(b)参照)に装着する際に把持される部位であり、4枚の板状体24aの立設先端が連結されると共に、下方(図6(c)下方向)から視た場合において、開口4(図3参照)よりも小さな外形に形成される。よって、取手部25への引っ張り力を板状部24を介してフランジ部23に伝えることができる。なお、本実施の形態では、取手部25の形状が略卵形状に形成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、球状、直方体形状などであってもよい。
次に、図7を参照して、トルクロッド1へのダイナミックダンパ100の装着方法および装着時の構造について説明する。図7(a)は、図6(a)のVIIa−VIIa線におけるダイナミックダンパ100の断面図であり、トルクロッド1に装着される前の状態が図示されている。図7(b)は、図6(a)のVIIa−VIIa線におけるダイナミックダンパ100の断面図であり、トルクロッド1に装着された後の状態が図示されている。なお、首部22の高さ寸法(基体部21とフランジ部23との対向間寸法)を寸法L1、フランジ部23の一方向における幅寸法を寸法L2、首部22の一方向(図7(a)左右方向)における幅寸法を寸法L3、連結部材4の厚み寸法を寸法L4、開口4aの内周面の一方向における対向間寸法を寸法L5とする。
図7(a)に示すように、ダイナミックダンパ100をトルクロッド1に装着するには、連結部材4の一面側(図7(a)上側)にダイナミックダンパ100が配設された状態から、図7(b)に示すように、フランジ部23を連結部材4の他面側(図7(a)下側)に配置させる。具体的には、寸法L2が寸法L5よりも大きく形成されているので、フランジ部23に連結部材4の他面側から引っ張り力を付与することで、フランジ部23を連結部材4の一面側から圧入し、開口4を通過させつつ他面側へ引き込むことにより、フランジ部23を連結部材4の他面側へ配置する。
ここで、フランジ部23には、板状部24を介して取手部25が連結されている。また、取手部25は、開口4aよりも小さな外形に形成されているので、開口4aの内周面に阻害されることなく、取手部25を連結部材4の他面側へ通過させることができる。よって、取手部25を把持しつつフランジ部23を連結部材4の他面側へ引っ張ることにより、フランジ部23を開口4aから連結部材4の他面側へ引き込むことができる。従って、ダイナミックダンパ100をトルクロッド1へ装着する際の作業性を向上させることができる。
さらに、板状部24を形成する複数の板状体24aが放射状に配設されているので、板状部24のゴム状弾性体の使用量を抑制しつつ、取手部25への引っ張り力をフランジ部25へ効率的に伝えることができる。即ち、ゴム状弾性体の使用量であれば、板状部24が柱状形状または錐体形状に形成される場合と比べて、板状部24とフランジ部25とが接続される部分がフランジ部23の周縁部分へ向けて分散されるので、取手部25から板状部24を介してフランジ部23に作用する荷重点を分散できる。よって、材料コストを抑制しつつ、取手部25への引っ張り力をフランジ部23の広域に伝えることができ、その結果、フランジ部23を開口4aから連結部材4の他面側へ引き込みやすくすることができる。
また、フランジ部23が一側から他側に向けて先細りする楔状に形成されているので、ダイナミックダンパ100をトルクロッド1に装着する際に、フランジ部23を連結部材4の一面側から開口4aへ徐々に圧入することができる。よって、フランジ部23を開口4aへ圧入する際に、開口4aの周縁部分に接触するフランジ部23の一部分に応力が集中して、フランジ部23に亀裂が生じることを防止できる。
図7(b)に示すように、フランジ部23が開口4aを通過すると、フランジ部23は、開口4aよりも大きな外形に形成されているので、フランジ部23の圧縮が解除され、フランジ部23が連結部材4の他面側に係止される。また、基体部21は、開口4aよりも大きな外形に形成されているので、連結部材4の一面側に係止される。これにより、フランジ部23が連結部材4の他面側に係止されると共に、基体部21が連結部材4の一面側に係止され、ダイナミックダンパ100がトルクロッド1へ装着された状態とすることができる。
以上のように、フランジ部23を開口4aに嵌め込むことで、トルクロッド1への装着を行うことができ、従来品のように、防振部材に連結されると共に連結部材4へ取り付ける際に用いられる取付板を連結部材4へリベット止めする作業や、取付板を連結部材4にかしめ固定する作業を行う必要がないので、その分、取り付け作業の簡素化を図ることができる。また、取付板を不要とすることができるので、その分、部品コストを削減できると共に、製品の軽量化を図ることができる。
また、首部22が開口4aに挿通されると共に、寸法L1が寸法L4よりも小さく形成されているので、基体部21とフランジ部23との対向間に連結部材4が配置されると、基体部21及びフランジ部23が互いに離間する方向へ押し広げられ、首部22が弾性的に変形される。その結果、首部22の弾性回復力により、基体部21及びフランジ部23が連結部材4に押圧されて弾性的に圧縮変形される。従って、マス部材10が連結部材4に近接または離間する方向(図7(b)下方向または上方向)へ変位する際には、連結部材4の変位量が基体部21及びフランジ部23の圧縮量よりも小さければ、連結部材4から基体部21又はフランジ部23が離間することを回避できる。よって、連結部材4の一面側または他面側から基体部21又はフランジ部23が離間した後に基体部21又はフランジ部23が連結部材4の一面側または他面側に衝突して騒音が発生することを防止できる。
さらに、寸法L3が寸法L5よりも大きく形成されているので、首部22が開口4aに挿通された状態において、一方向において首部22が開口4aの内周面に押圧されて弾性的に圧縮変形される。
また、首部22は、高さ方向(図7(b)上下方向)に垂直な断面において、開口4a及び突出部11と相似な略矩形状に形成されているので、一方向に垂直な方向(図7(b)紙面垂直方向)における首部22の幅寸法が、一方向に垂直な方向における開口4aの対向間寸法よりも大きく形成されている。よって、首部22が開口4aに挿通された状態において、一方向に垂直な方向においても、同様に、首部22が開口4aの内周面に押圧されて弾性的に圧縮される。よって、連結部材4が一方向または一方向に垂直な方向へ変位する際には、連結部材4の変位量が首部22の圧縮量よりも小さければ、連結部材4から首部22が離間することを回避できる。従って、開口4aの内周面から首部22が離間した後に首部22が開口4aの内周面に衝突して騒音が発生することを防止できる。
なお、基体部21の厚み寸法または首部22の高さ方向に垂直な断面における首部22の厚み寸法を調整することで、基体部21又は首部22のばね定数を調整することができる。
また、開口4aが略矩形状に形成されると共に、首部22が高さ方向(図7(a)上下方向)に垂直な断面が略矩形状に形成されているので、ダイナミックダンパ100がトルクロッド1に装着された状態において、トルクロッド1に対してダイナミックダンパ100が回転することを防止できる。さらに、首部22は、高さ方向に垂直な断面が、開口4aと相似な略矩形状に形成されているので(図6(b)参照)、首部22が開口4aに挿通されている状態において、首部22の一部分に応力が集中することを回避でき、その結果、首部22の耐久性を向上させることができる。
ここで、ダイナミックダンパ100の製造方法について説明する。ダイナミックダンパ100を製造する際には、まず、マス部材10を加硫金型に設置して型締めした後、次いで、加硫金型内にゴム状弾性体を注入して加硫成形する。
なお、従来品のように、取付板を備えるダイナミックダンパ(即ち、マス部材と取付板とを防振部材で連結し、取付板をリベット止めやかしめ固定により連結部材4に取り付けるダイナミックダンパ)では、防振部材の加硫成形後に、取付板に塗装を施す必要があるため、防振部材に塗料が付着して、ばね定数が変化するという不具合であった。これに対し、本実施の形態におけるダイナミックダンパ100は、取付板が不要であり、取付板の塗装処理を不要とすることができるので、防振部材2に塗料が付着することを回避して、ばね定数の変化を抑制することができる。
次に、図8を参照して、第2実施の形態について説明する。第1実施の形態では、板状部24が4枚の板状体24aから放射状に形成されるのに対し、第2実施の形態では、板状部224が幅方向両端に切欠き部224aが形成された板状に形成される。なお、第1実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
図8(a)は、第2実施の形態におけるダイナミックダンパ200の正面図であり、図8(b)は、ダイナミックダンパ200の側面図であり、図8(c)は、ダイナミックダンパ200の正面図であり、板状部224が破断された状態を図示している。なお、図8(c)では、図面を簡素化して説明を分かりやすくするため、板状部224の破断面を模式的に表している。
図8(a)及び図8(b)に示すように、ダイナミックダンパ200は、質量体としてのマス部材10と、そのマス部材10をトルクロッド1に弾性支持する防振部材220とを備えている。防振部材220は、ゴム状弾性体から構成されており、マス部材10の一面側に固着される基体部21と、その基体部21に連結される首部22と、その首部22に連結されるフランジ部23と、そのフランジ部23から首部22の反対側へ向けて立設される板状部224と、その板状部224の立設先端に形成される取手部25とを備えている。
板状部224は、取手部25に付与された引っ張り力をフランジ部23に伝達する部位であり、1枚の板状に形成される。これにより、板状部224がフランジ部23の他面側全体に接続される場合と比べて、板状部224とフランジ部23との接続面積を小さくできる分、ゴム状弾性体の使用量を少なくして、材料コストを削減できる。また、板状部224は、フランジ部23との接続部分から所定の間隔を隔てた位置の両端に切欠きされた切欠き部224aを備えている。
図8(c)に示すように、取手部25へ引っ張り力を付与すると、その引っ張り力が板状部224を介してフランジ部23に伝わる。ここで、板状部224の高さ方向(図8(c)上下方向)に垂直な断面のうち、板状部224の両端に形成される切欠き部224aを通る断面が他の部分と比べて断面積が小さくなっている。よって、取手部25に一定以上の引っ張り力が付与されると、板状部224の幅方向両端に形成される切欠き部224aを通る断面に沿って板状部224が破断する。
ここで、切欠き部224aの切り込み量を調整し、板状部224の幅方向両端の切欠き部224aを通る断面積を計算することで、幅方向両端に形成される切欠き部224aを通る断面で破断するために必要な引っ張り力を設定することができる。よって、板状部224の幅方向両端の切欠き部224aを通る断面で破断するために必要な引っ張り力を、フランジ部23を連結部材4(図7参照)の他面側まで引き込むために必要とされる引っ張り力よりも大きく設定することにより、作業者は、板状部224が破断するまで取手部25を引っ張ることで、フランジ部25が連結部材4の他面側に配置されたことを認識できる。
従って、フランジ部23が連結部材4の他面側に配置されたことを目視して確認する作業が不要になるので、ダイナミックダンパ200をトルクロッド1に装着する際の作業性を向上させることができる。
次に、図9を参照して、第3実施の形態について説明する。第1実施の形態では、板状部24が4枚の板状体24aから放射状に形成されるのに対し、第3実施の形態では、板状部324が幅方向両端に切欠き部324aが形成された板状に形成される。なお、上記各実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
図9(a)は、第3実施の形態におけるダイナミックダンパ300の正面図であり、図9(b)は、ダイナミックダンパ300の側面図であり、図9(c)は、ダイナミックダンパ300の正面図であり、板状部324が切断された状態を図示している。なお、図9(c)では、図面を簡素化して説明を分かりやすくするため、板状部324の破断面を模式的に表している。
なお、第3実施の形態におけるダイナミックダンパ300は、上述した第2実施の形態におけるダイナミックダンパ200に対して、板状部324に対する切欠き部324aの形成位置が異なる点を除き、他の構成は同一であるので、その説明は省略する。
第2実施の形態では、切欠き部224aが板状部224の長手方向(図8(a)上下方向)の中央部分よりもフランジ部23側に形成されるのに対し、第3実施の形態では、切欠き部324aが板状部324の長手方向(図9(a)上下方向)の中央部分よりも取手部25側に形成される。よって、第3実施の形態では、第2実施の形態と比べて、板状部324が幅方向両端の切欠き部324aを通る断面で破断された後において、フランジ部23側により多くの板状部324が残存する。
従って、板状部324の破断後において、フランジ部23が連結部材4の他面側に配置されていない場合であっても、破断後にフランジ部23に残存する板状部324をニッパ等で引っ張ることで、フランジ部23を連結部材4の他面側へ引き込むことができる。よって、ダイナミックダンパ300をトルクロッド1へ装着する際の作業性を向上させることができる。
次に、図10を参照して、第4実施の形態について説明する。第1実施の形態では、首部22及び突出部11の高さ方向に垂直な断面の形状が略矩形状に形成される防振部材20を1つ備える場合について説明したが、第4実施の形態では、首部422及び突出部411の高さ方向に垂直な断面の形状が略円形状に形成される防振部材420を2つ備える場合について説明する。なお、上記各実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付して説明を省略する。図10(a)は、第4実施の形態におけるダイナミックダンパ400の正面図であり、図10(b)は、図10(a)のXb−Xb線におけるダイナミックダンパ400の断面図である。
第4実施の形態における連結部材(図示せず)は、板厚方向に穿設された2つの開口を備えている。開口は、ダイナミックダンパ400を装着するための部位であり、上面視略円形状に形成されており、連結部材に形成される2つの開口の間隔が、ダイナミックダンパ400に形成される2つの首部422の間隔と同等になるように設定されている。
図10(a)及び図10(b)に示すように、ダイナミックダンパ400は、質量体としてのマス部材410と、そのマス部材410をトルクロッド1に弾性支持する2つの防振部材420とを備えている。
マス部材410は、鉄鋼材料から構成される直方体形状の部材であり、外面がゴム状弾性体により被覆されている。また、マス部材410は、下方(図10(a)下方向)から視た場合において、開口よりも大きな外形に形成されている。また、マス部材410には、一面側(図10(a)下側)から突出する突出部411が形成されている。突出部411は、マス部材410と同じ鉄鋼材料から構成される円柱形状の部位であり、先端が後述する首部22とフランジ部23とが連結される位置まで突出すると共に、開口よりも小さな外形に形成されている。
防振部材420は、ゴム状弾性体から構成されており、マス部材410の一面側に固着される基体部21と、その基体部21に連結される首部422と、その首部422に連結されるフランジ部423と、そのフランジ部423から首部422の反対側へ向けて立設される板状部424と、その板状部424の立設先端に形成される取手部425とを備えている。
フランジ部423は、一側(図10(a)上側)から他側(図10(a)下側)に向けて先細りする楔状に形成されている。また、フランジ部423は、高さ方向(図10(a)上下方向)に垂直な断面が略矩形状に形成されると共に、一側の端面の外形が、連結部材の開口よりも大きく形成されている。板状部424は、板状に形成される4枚の板状体424aを備えている。4枚の板状体424aは、高さ方向(図10(a)上下方向)に垂直な断面が放射状に配設されており、フランジ部423に接続される部分が、フランジ部423の他面側における中心部分から周縁部分に向けて延びている。取手部425は、4枚の板状体424aの立設先端が連結されると共に、連結部材の開口よりも小さな外形に形成される。
首部422は、高さ方向に垂直な断面が、連結部材の開口及び突出部411と相似な略円形状に形成されると共に外形が基体部21よりも小さく、かつ、連結部材の開口よりも大きく形成されている。また、突出部411の外側面を被覆しており、首部422の高さ方向(図10(a)上下方向)に垂直な断面における厚み寸法が均一になっている。首部422の高さ方向に垂直な断面が、連結部材の開口及び突出部411と相似な略円形状に形成されることで、首部424の剪断方向のばね定数の設計を容易に行うことができる。
また、ダイナミックダンパ400は、防振部材420を二つ備えているので、開口及び首部422の高さ方向に垂直な断面の形状が略円形状に形成されていても、トルクロッドに装着された状態においてダイナミックダンパ400が回転することを防止できる。
次に、図11(a)を参照して、第5実施の形態について説明する。図11(a)は、第5実施の形態におけるダイナミックダンパ500の断面図であり、図6(a)のVIb−VIb線における断面図に対応する。なお、上記各実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付して説明を省略する。第1実施の形態では、首部22及び突出部11が、高さ方向に垂直な断面の形状が相似な略矩形状に形成されるのに対し、第5実施の形態では、首部522及び突出部511が、高さ方向に垂直な断面の形状が相似な略楕円形状に形成されている。
よって、首部522と相似形状の略楕円形状に形成されると共に首部522の外形よりも小さく形成される開口を連結部材(図示せず)に形成することで、ダイナミックダンパ500がトルクロッド(図示せず)に装着された状態において、ダイナミックダンパ500が回転することを防止できる。
次に、図11(b)を参照して、第6実施の形態について説明する。図11(b)は、第6実施の形態におけるダイナミックダンパ600の断面図であり、図6(a)のVIb−VIb線における断面図に対応する。なお、上記各実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付して説明を省略する。第1実施の形態では、首部22の高さ方向に垂直な断面におけるゴム状弾性体の厚み寸法が均一とされるのに対し、第6実施の形態では、首部622の高さ方向に垂直な断面における一方向における厚み寸法と、その一方向に垂直な方向における厚み寸法とが異なっている。
よって、首部622の一方向における厚み寸法と、その一方向に垂直な方向における厚み寸法とを調整することで、同じ材質のゴム状弾性体を使用しつつ、一方向におけるばね定数およびその一方向に垂直な方向におけるばね定数の設定を異なる数値にすることができる。
次に、図11(c)を参照して、第7実施の形態について説明する。図11(c)は、第7実施の形態におけるダイナミックダンパ700の断面図であり、図6(a)のVIb−VIb線における断面図に対応する。なお、上記各実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付して説明を省略する。第1実施の形態では、首部22及び突出部11が、高さ方向に垂直な断面の形状が相似な略矩形状に形成されるのに対し、第7実施の形態では、首部722の高さ方向に垂直な断面の形状が略楕円形状に形成されると共に、突出部711の高さ方向に垂直な断面の形状が略円形状に形成され、首部722の高さ方向に垂直な断面における一方向における厚み寸法と、その一方向に垂直な方向における厚み寸法とが異なっている。
よって、首部722と相似形状の略楕円形状から形成されると共に首部722の外形よりも小さく形成される開口を連結部材(図示せず)に形成することで、ダイナミックダンパ700がトルクロッド(図示せず)に装着された状態において、ダイナミックダンパ700が回転することを防止できる。
また、首部722の一方向における厚み寸法と、その一方向に垂直な方向における厚み寸法とを調整することで、同じ材質のゴム状弾性体を使用しつつ、一方向におけるばね定数およびその一方向に垂直な方向におけるばね定数の設定を異なる数値にすることができる。
次に、図12(a)を参照して、第8実施の形態について説明する。図12(a)は、第8実施の形態におけるダイナミックダンパ800の断面図であり、図6(a)のVId−VId線における断面図に対応する。なお、上記各実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付して説明を省略する。第1実施の形態では、板状部24を形成する4枚の板状体24aが、略矩形状に形成されるフランジ部23の長辺または短辺に平行に配設されるのに対し、第8実施の形態では、板状部824を形成する4枚の板状体824aが、略矩形状に形成されるフランジ部823の対角線上に配設される。
よって、取手部25(図7(a)参照)から板状部824を介してフランジ部823に作用する荷重点が、フランジ部823の各頂点に向けて分散される。従って、フランジ部823の各頂点が撓むことを抑制して、フランジ部823を連結部材(図示せず)に形成される開口から連結部材の他面側へ引き込みやすくすることができる。
次に、図12(b)を参照して、第9実施の形態について説明する。図12(b)は、第9実施の形態におけるダイナミックダンパ900の断面図であり、図6(a)のVId−VId線における断面図に対応する。なお、上記各実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
第9実施の形態では、板状部924を形成する4枚の板状体924aが、略楕円形状に形成されるフランジ部923の長径および短径上に配設される。よって、取手部25(図7(a)参照)から板状部924を介してフランジ部923に作用する荷重点を、フランジ部923の他面側の端面の中心付近だけでなく、フランジ部923の他面側の端面の中心から離れた位置まで分散することができる。従って、フランジ部923の周縁部分が撓むことを抑制して、フランジ部923を連結部材(図示せず)に形成される開口から連結部材の他面側へ引き込みやすくすることができる。
次に、図12(c)を参照して、第10実施の形態について説明する。図12(c)は、第10実施の形態におけるダイナミックダンパ1000の断面図であり、図6(a)のVId−VId線における断面図に対応する。なお、上記各実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
第1実施の形態では、板状部24が4枚の板状体で形成されるのに対し、第10実施の形態では、板状部1024が3枚の板状体1024aで形成される。よって、第10実施の形態では、第1実施の形態と比べて、板状体1024aの枚数が少ない分、ゴム状弾性体の使用量を抑制して、材料コストを削減できる。
次に、図12(d)を参照して、第11実施の形態について説明する。図12(d)は、第11実施の形態におけるダイナミックダンパ1100の断面図であり、図6(a)のVId−VId線における断面図に対応する。なお、上記各実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
第1実施の形態では、板状部24が4枚の板状体で形成されるのに対し、第11実施の形態では、板状部1124が5枚の板状体1124aで形成される。よって、第11実施の形態では、第1実施の形態と比べて、板状体1124aの枚数を多くすることで、隣接する各板状体1124a間の間隔を小さくできる。従って、取手部25(図7(a)参照)から板状部1124を介してフランジ部1123に作用する荷重点の間隔を狭くして、フランジ部1123が撓むことをより抑制できるので、フランジ部1123を連結部材(図示せず)に形成される開口から連結部材の他面側へ引き込みやすくすることができる。
次に、図13を参照して、第12実施の形態について説明する。第1実施の形態では、防振部材20が、板状部と取手部とを備える場合を説明したが、第12実施の形態では、板状部24と取手部25とが省略されている。図13(a)は、第12実施の形態におけるダイナミックダンパ1200の断面図である。図13(b)は、ダイナミックダンパ1200の断面図であり、トルクロッド1に装着する途中の状態が図示されている。図13(c)は、ダイナミックダンパ1200の断面図であり、トルクロッド1に装着された後の状態が図示されている。なお、図13(a)から図13(c)は、図6(a)のVIIa−VIIa線における断面に対応する。なお、上記各実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
図13(a)に示すように、ダイナミックダンパ1200は、質量体としてのマス部材1210と、そのマス部材1210をトルクロッド1に弾性支持する防振部材1220とを備えている。
マス部材1210は、鉄鋼材料から構成される直方体形状の部材であり、外面がゴム状弾性体により被覆されている。また、マス部材1210は、下方(図5(a)下方向)から視た場合において、開口4a(図13(b)参照)よりも大きな外形に形成されている。また、マス部材1210には、一面側(図13(a)下側)から突出する突出部1211が形成されている。突出部1211は、マス部材1210と同じ鉄鋼材料から構成される直方体形状の部位であり、先端が,首部22及びフランジ部23が連結される位置と、フランジ部23の他側(図13(a)下側)の端面との間まで突出する直方体形状の部位であり、開口4aよりも小さな外形に形成されている。
防振部材1220は、マス部材1210を連結部材4に弾性支持するための部位であり、ゴム状弾性体から構成されている。防振部材1220は、マス部材1210の一面側に固着される基体部21と、その基体部21に連結される首部22と、その首部22に連結されるフランジ部23とを備えている。
図13(b)及び図13(c)に示すように、ダイナミックダンパ1200をトルクロッド1に装着するには、マス部材1210を連結部材4の一面側から押圧することで、フランジ部23を連結部材4の一面側から圧入し、開口4aを通過させつつ他面側へ押し込むことにより、フランジ部23を連結部材4の他面側へ配置する。
ここで、突出部1211は、先端が首部22及びフランジ部23が連結される位置と、フランジ部23の他側(図13(b)下側)の端面との間まで突出しているので、フランジ部23の撓みを抑制できる。さらに、突出部1211の突出先端と、フランジ部23の他側(図13(b)下側)の端面の周縁部分との距離を小さくできるので、マス部材1210に付与される押圧力を、フランジ部23に伝わりやすくすることができる。
よって、フランジ部23を開口4aから連結部材4の他面側まで押し込む際の作業性を向上させることができる。さらに、第1実施の形態と比べて、板状部及び取手部を不要とすることができる分、ゴム状弾性体の使用量を抑制して、材料コストを削減できると共に、製品の軽量化を図ることができる。
次に、図14を参照して、第13実施の形態について説明する。第1実施の形態では、ダイナミックダンパ100がトルクロッド1に装着された状態において、マス部材10と連結部材4との間に基体部21が介在されるのに対し、第13実施の形態では、ダイナミックダンパ1300がトルクロッド1に装着された状態において、マス部材1310と連結部材4との間に第1基体部1321a及び第2基体部1321bが介在される。図14は、第13実施の形態におけるダイナミックダンパ1300の断面図であり、図6(a)のVIIa−VIIa線における断面に対応する。なお、上記各実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
図14に示すように、ダイナミックダンパ1300は、質量体としてのマス部材1310と、そのマス部材1310をトルクロッド1に弾性支持する防振部材1320とを備えている。
マス部材1310は、鉄鋼材料から構成される直方体形状の部材であり、外面がゴム状弾性体により被覆されている。また、マス部材1310は、下方(図14下方向)から視た場合において、開口4aよりも大きな外形に形成されている。また、マス部材1310には、一面側(図14下側)から突出する突出部1311が形成されている。突出部1311は、マス部材1310と同じ鉄鋼材料から構成される直方体形状の部位であり、先端が首部22とフランジ部23とが連結される位置まで突出する直方体形状の部位であり、開口4aよりも小さな外形に形成されている。
防振部材1320は、マス部材1310を連結部材4に弾性支持するための部位であり、ゴム状弾性体から構成されている。防振部材1320は、マス部材1310の一面側に固着される第1基体部1321aと、その第1基体部1321aに連結される第2基体部1321bと、その第2基体部1321bに連結される首部22と、その首部22に連結されるフランジ部23と、そのフランジ部23から首部22の反対側へ向けて立設される板状部24と、その板状部24の立設先端に形成される取手部25とを備えている。
第1基体部1321aは、マス部材1310と第2基体部1321bとの間に介在される部位であり、板状に構成されている。第1基体部1321aは、下方(図14下側)から視た場合において、開口4aよりも大きな外形に形成されている。
第2基体部1321bは、第1基体部1321aと首部22との間に介在される部位であり、筒状に形成されている。第2基体部1321bは、高さ方向に垂直な断面が、開口4a及び突出部1311と相似な略矩形状に形成されると共に外形が第1基体部1321aよりも小さく、かつ、首部22及び開口4aよりも大きく形成されている。
よって、ダイナミックダンパ1300がトルクロッド1に装着された状態において、第2基体部1321bは、マス部材1310と連結部材4との間に介在されるので、第2基体部1321bの板厚方向(図14上下方向)に垂直な断面における外形および厚み寸法を調整することで、ばね定数の設定を容易に行うことができる。
次に、図15を参照して、第14実施の形態におけるトルクロッド1400について説明する。第1実施の形態では、マス部材10には、一面側から突出する突出部11が形成される場合を説明したが、第14実施の形態では、突出部が省略され,マス部材1410の一面側が平坦に形成されている。図15(a)は、第14実施の形態におけるダイナミックダンパ1400の正面図であり、図15(b)は、図15(a)のXVb−XVb線におけるダイナミックダンパ1400の断面図である。なお、上記各実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
図15(a)及び図15(b)に示すように、トルクロッド1400は、鉄鋼材料から構成される直方体形状のマス部材1410と、そのマス部材1410をトルクロッド1に弾性支持する防振部材1420とを備え、防振部材1420が、マス部材1410の一面側に固着される板状の基体部1421と、その基体部1421に連結されると共に高さ方向(図15(a)上下方向)に垂直な断面が略矩形状に形成される首部1422と、その首部1422に連結されるフランジ部23と、そのフランジ部23から首部22の反対側へ向けて立設される板状部24と、その板状部24の立設先端に形成される取手部25とを備える。
なお、第14実施の形態におけるダイナミックダンパ1400は、上述した第1実施の形態におけるダイナミックダンパ100に対して、マス部材1410の一面側が平坦である点、基体部1421がマス部材1410の一面側全体を被覆する点、及び、首部1422が中実に形成される点を除き、他の構成は同一であるので、その説明は省略する。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記各実施の形態では、ダイナミックダンパ100〜1400が装着される被装着物として、トルクロッド1を例示したが、必ずしもこれに限られるものではなく、エンジンマウントやボディマウント、ブッシュなどの防振装置、あるいは、ステアリングやシート、ドアなどの構造物に装着してもよい。
上記各実施の形態では、フランジ部23,423,823,923,1023,1123が一側から他側に向けて先細りする楔状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、フランジ部が柱体形状に形成されていてもよい。
上記各実施の形態では、首部22,422,522,622,722,1422の外形と開口4aとが相似形である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、首部と開口とが非相似形であってもよい。例えば、首部の高さ方向に垂直な断面が略矩形状に、開口が略正方形状に形成される場合や、首部の高さ方向に垂直な断面が略楕円状に、開口が略円形状に形成される場合などが例示される。これにより、首部が開口に挿通された状態において、一方向における首部の圧縮量と、その一方向に垂直な方向における首部の圧縮量と調整することで、一方向における首部のばね定数と、その一方向に垂直な方向における首部のばね定数を異なる値に設定することができる。
上記各実施の形態では、首部22,422,522,622,722,1422が開口4aよりも大きな外形に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、首部の高さ方向に垂直な断面における少なくとも一方向の幅寸法が、開口内周面の一方向における対向間寸法よりも大きな寸法に設定されていればよい。トルクロッドの振動する方向が一方向に限定される場合には、首部の高さ方向に垂直な断面における一方向の幅寸法のみを、開口内周面の一方向における対向間寸法よりも大きな寸法にし、その一方向に垂直な方向における首部の幅寸法を、一方向に垂直な方向における開口内周面の対向間寸法よりも小さな寸法または同等の寸法とすることで、首部のゴム状弾性体の使用量を抑制して、材料コストを削減できる。
上記第2実施の形態および第3実施の形態では、切欠き部224a,324aが形成される板状部224,324が1枚の板状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、板状部が複数の板状体から形成され、各板状体に切欠き部が形成されていてもよい。
上記第4実施の形態では、ダイナミックダンパ400が2つの防振部材420を備える場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、ダイナミックダンパが3つ以上の防振部材420を備えていてもよい。
上記第11実施の形態では、板状部1124が5枚の板状体1124aから形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、板状部が6枚以上の板状体1124aから形成されていてもよい。
なお、各実施の形態で説明した各構成を、他の実施の形態で説明した各構成と入れ替えてもよく、また、各実施の形態で説明した各構成に、他の実施の形態で説明した各構成を組み合わせたり、追加したりしてもよい。例えば、第1実施の形態で説明した高さ方向における断面が略矩形状の首部22を、第4実施の形態で説明した高さ方向における断面が略円形状の首部422と入れ替えてもよい。