JP2011213695A - ドネペジル塩酸塩含有口腔内速崩壊錠 - Google Patents
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Abstract
【課 題】ドネペジル塩酸塩を有効成分として含む口腔内速崩壊錠であって、優れた口腔内崩壊性と高い硬度とを兼ね備え、かつ特殊な製剤技術を要さず一般的な工業的方法で製造できる口腔内速崩壊錠を提供する。
【解決手段】ドネペジル塩酸塩、乳糖、及び結晶セルロースを含有し、乳糖と結晶セルロースとの重量比率(乳糖:結晶セルロース)が1:0.05〜16である口腔内速崩壊錠。
【選択図】なし
【解決手段】ドネペジル塩酸塩、乳糖、及び結晶セルロースを含有し、乳糖と結晶セルロースとの重量比率(乳糖:結晶セルロース)が1:0.05〜16である口腔内速崩壊錠。
【選択図】なし
Description
本発明は、有効成分としてドネペジル塩酸塩を含有し、口腔内で速やかに崩壊する錠剤に関する。
近年、高齢化社会への移行、及び生活環境の変化に伴い、老人や子供の他、水分摂取が制限されている患者に対して、取り扱い易く、かつ服用し易い医薬製剤の開発が望まれている。また、水を用いずにそのまま服用できる製剤は、場所を選ばず服用できるため、急性疾患の症状が突然現れたときなどに有用である。このため、口腔内に含んだときに、唾液のみ、又は少量の水で速やかに崩壊・溶解する口腔内速崩壊錠の開発が進められている。
例えば、R.P.Scherer社から市販されている口腔内速崩壊製剤Zydis速溶錠や、特許文献1に記載された製剤が知られている。これらは、薬効成分を溶解又は懸濁した溶液を、予め成型したPTP(Press through package)シートのポケットに充填し、シートごと凍結乾燥又は減圧乾燥することにより得られる口腔内速崩壊錠である。
また、特許文献2には、薬剤と糖類とを混合し、ポリビニルアルコールを溶解した水又は有機溶媒を用いて練合後に、鋳型に充填し、フィルムを介して低圧で圧縮成型した後、乾燥することによって得られる口腔内速崩壊錠が記載されている。
また、特許文献3には、成型性の低い糖類と成型性の高い糖類とを用いて造粒し、乾燥後、打錠して得られる口腔内溶解型圧縮成型物が記載されている。
また、特許文献4には、薬物、糖類に、非晶質化する糖を組み合わせて造粒し、圧縮処理後に加湿及び乾燥することによって得られる口腔内速崩壊錠が記載されている。
また、特許文献5には、高融点の糖アルコール類及び/又は糖類と、低融点の糖アルコール類及び/又は糖類とを組み合わせて混合処理し、圧縮処理した後、低融点の糖アルコール及び/又は糖類の融点付近の温度で加熱処理して得られる口腔内速崩壊性医薬製剤が記載されている。
また、特許文献2には、薬剤と糖類とを混合し、ポリビニルアルコールを溶解した水又は有機溶媒を用いて練合後に、鋳型に充填し、フィルムを介して低圧で圧縮成型した後、乾燥することによって得られる口腔内速崩壊錠が記載されている。
また、特許文献3には、成型性の低い糖類と成型性の高い糖類とを用いて造粒し、乾燥後、打錠して得られる口腔内溶解型圧縮成型物が記載されている。
また、特許文献4には、薬物、糖類に、非晶質化する糖を組み合わせて造粒し、圧縮処理後に加湿及び乾燥することによって得られる口腔内速崩壊錠が記載されている。
また、特許文献5には、高融点の糖アルコール類及び/又は糖類と、低融点の糖アルコール類及び/又は糖類とを組み合わせて混合処理し、圧縮処理した後、低融点の糖アルコール及び/又は糖類の融点付近の温度で加熱処理して得られる口腔内速崩壊性医薬製剤が記載されている。
しかし、口腔内速崩壊製剤Zydis速溶錠は、優れた口腔内崩壊性を有するが、錠剤の硬度が実用上十分に高くなく、製造時、包装時、流通時、携帯時、パッケージを開ける時などにワレやカケが生じ易く、また、凍結乾燥や減圧乾燥するために生産コストが高くなるという欠点がある。
また、特許文献1〜5に記載の各製剤は、優れた口腔内崩壊性、及び高い硬度を有するが、製造工程が煩雑で工業生産に適していないという欠点がある。
また、特許文献1〜5に記載の各製剤は、優れた口腔内崩壊性、及び高い硬度を有するが、製造工程が煩雑で工業生産に適していないという欠点がある。
本発明は、ドネペジル塩酸塩を有効成分として含む口腔内速崩壊錠であって、優れた口腔内崩壊性と高い硬度とを兼ね備え、かつ特殊な製剤技術を要さず一般的な工業的方法で製造できる口腔内速崩壊錠を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、有効成分のドネペジル塩酸塩に加えて、乳糖及び結晶セルロースを含有し、両者の重量比率(乳糖:結晶セルロース)が1:0.05〜16である錠剤は、口腔内速崩壊性に優れ、実用上十分な硬度を有し、かつ一般的な工業的方法で簡単に製造できることを見出した。本発明は、この知見に基づき完成されたものであり、以下の口腔内速崩壊錠を提供する。
項1. ドネペジル塩酸塩、乳糖、及び結晶セルロースを含有し、乳糖と結晶セルロースとの重量比率(乳糖:結晶セルロース)が1:0.05〜16である口腔内速崩壊錠。
項2. 乳糖の含有量が、錠剤の全量に対して、5〜90重量%である項1に記載の口腔内速崩壊錠。
項3. 結晶セルロースの含有量が、錠剤の全量に対して、5〜80重量%である項1又は2に記載の口腔内速崩壊錠。
項4. ドネペジル塩酸塩の含有量が、錠剤の全量に対して、1〜10重量%である項1〜3のいずれかに記載の口腔内速崩壊錠。
項5. 硬度が2〜8kgfである項1〜4のいずれかに記載の口腔内速崩壊錠。
項6. 第15改正日本薬局方一般試験法記載の崩壊試験法で測定される崩壊時間が5〜30秒である項1〜5のいずれかに記載の口腔内速崩壊錠。
項2. 乳糖の含有量が、錠剤の全量に対して、5〜90重量%である項1に記載の口腔内速崩壊錠。
項3. 結晶セルロースの含有量が、錠剤の全量に対して、5〜80重量%である項1又は2に記載の口腔内速崩壊錠。
項4. ドネペジル塩酸塩の含有量が、錠剤の全量に対して、1〜10重量%である項1〜3のいずれかに記載の口腔内速崩壊錠。
項5. 硬度が2〜8kgfである項1〜4のいずれかに記載の口腔内速崩壊錠。
項6. 第15改正日本薬局方一般試験法記載の崩壊試験法で測定される崩壊時間が5〜30秒である項1〜5のいずれかに記載の口腔内速崩壊錠。
本発明の崩壊錠は、口腔内速崩壊性に優れるとともに、実用上十分な硬度を有する。このため、製造時、市場流通時、患者の携帯時、パッケージの開封時などにもワレ、カケ、摩損などが生じない、又は実質的に生じない。
さらに、本発明の口腔内速崩壊錠は、一般的な工業的方法で簡単に製造できる。
詳述すれば、本発明の口腔内速崩壊錠は、従来の製造方法で見られるような、成分溶液のパッケージへの流し込み、圧縮成型、凍結乾燥や減圧乾燥、造粒後の打錠などの、特殊で煩雑な操作を要さず、薬効成分と崩壊剤などの添加剤等を混合し、打錠するだけで錠剤として成型できる。
さらに、本発明の口腔内速崩壊錠は、一般的な工業的方法で簡単に製造できる。
詳述すれば、本発明の口腔内速崩壊錠は、従来の製造方法で見られるような、成分溶液のパッケージへの流し込み、圧縮成型、凍結乾燥や減圧乾燥、造粒後の打錠などの、特殊で煩雑な操作を要さず、薬効成分と崩壊剤などの添加剤等を混合し、打錠するだけで錠剤として成型できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
乳糖
本発明の口腔内速崩壊錠は、乳糖を含む。本発明において、乳糖は粉末のまま使用できるが、造粒物であってもよい。造粒物は、一般的な湿式造粒、乾式造粒、噴霧造粒などによって製造される顆粒であればよい。造粒時に、乳糖に、後述するその他の賦形剤などを添加して造粒したものであってもよい。
乳糖の含有量は、錠剤の全量に対して、約5〜90重量%が好ましく、約20〜80重量%がより好ましく、約30〜70重量%がさらにより好ましい。上記の乳糖含有量の範囲であれば、実用上十分な速崩壊性が得られると共に、実用上十分な硬度が得られる。
乳糖
本発明の口腔内速崩壊錠は、乳糖を含む。本発明において、乳糖は粉末のまま使用できるが、造粒物であってもよい。造粒物は、一般的な湿式造粒、乾式造粒、噴霧造粒などによって製造される顆粒であればよい。造粒時に、乳糖に、後述するその他の賦形剤などを添加して造粒したものであってもよい。
乳糖の含有量は、錠剤の全量に対して、約5〜90重量%が好ましく、約20〜80重量%がより好ましく、約30〜70重量%がさらにより好ましい。上記の乳糖含有量の範囲であれば、実用上十分な速崩壊性が得られると共に、実用上十分な硬度が得られる。
結晶セルロース
本発明の口腔内速崩壊錠は、結晶セルロースを含む。結晶セルロースは、錠剤の基剤として通常用いられるものを制限なく使用できる。結晶セルロースは微結晶化したものであってもよい。結晶セルロースの具体例として、アビセルPH101、アビセルPH102、アビセルPH301、アビセルPH302、アビセルPH−F20、セオラスPH301、セオラスKG801、セオラスKG802(以上、旭化成社製)、VIVAPUR(グレード101、301、102、12)、ARBOCEL(グレードM80、F120、A300)、プロソルブSMCC50、プロソルブSMCC90(以上、JRS PHARMA社製)などが挙げられる。
結晶セルロースは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
結晶セルロースの含有量は、錠剤の全量に対して、約5〜80重量%が好ましく、約10〜60重量%がより好ましく、約10〜50重量%がさらにより好ましい。上記の結晶セルロースの含有量の範囲であれば、実用上十分な硬度が得られると共に、実用上十分な速崩壊性が得られる。
また、乳糖と結晶セルロースとの比率(乳糖:結晶セルロース)は約1:0.05〜16である。中でも、約1:0.06〜8が好ましく、約1:0.1〜3がより好ましく、約1:0.14〜1.7がさらにより好ましい。乳糖は錠剤の硬度を向上させ、結晶セルロースは速崩壊性を向上させる。乳糖に対する結晶セルロースの含有量が上記範囲であれば、実用上十分な硬度と速崩壊性とを併せ持つ錠剤が得られる。
本発明の口腔内速崩壊錠は、結晶セルロースを含む。結晶セルロースは、錠剤の基剤として通常用いられるものを制限なく使用できる。結晶セルロースは微結晶化したものであってもよい。結晶セルロースの具体例として、アビセルPH101、アビセルPH102、アビセルPH301、アビセルPH302、アビセルPH−F20、セオラスPH301、セオラスKG801、セオラスKG802(以上、旭化成社製)、VIVAPUR(グレード101、301、102、12)、ARBOCEL(グレードM80、F120、A300)、プロソルブSMCC50、プロソルブSMCC90(以上、JRS PHARMA社製)などが挙げられる。
結晶セルロースは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
結晶セルロースの含有量は、錠剤の全量に対して、約5〜80重量%が好ましく、約10〜60重量%がより好ましく、約10〜50重量%がさらにより好ましい。上記の結晶セルロースの含有量の範囲であれば、実用上十分な硬度が得られると共に、実用上十分な速崩壊性が得られる。
また、乳糖と結晶セルロースとの比率(乳糖:結晶セルロース)は約1:0.05〜16である。中でも、約1:0.06〜8が好ましく、約1:0.1〜3がより好ましく、約1:0.14〜1.7がさらにより好ましい。乳糖は錠剤の硬度を向上させ、結晶セルロースは速崩壊性を向上させる。乳糖に対する結晶セルロースの含有量が上記範囲であれば、実用上十分な硬度と速崩壊性とを併せ持つ錠剤が得られる。
有効成分
本発明の口腔内速崩壊錠は、有効成分として、ドネペジル塩酸塩を含む。
ドネペジル塩酸塩の含有量は、錠剤の全量に対して、約1〜10重量%が好ましく、約2〜7重量%がより好ましく、約3〜5重量%がさらにより好ましい。上記含有量の範囲であれば、通常、十分にその薬効を発現できるとともに、多すぎて硬度低下や、崩壊遅延を起こすことがない。
本発明の口腔内速崩壊錠は、本発明の効果を損なわない限りその他の有効成分を含んでいてもよい。併用できる有効成分は経口投与可能な成分であって、ドネペジル塩酸塩と併用禁忌でない成分であればよい。
本発明の口腔内速崩壊錠は、有効成分として、ドネペジル塩酸塩を含む。
ドネペジル塩酸塩の含有量は、錠剤の全量に対して、約1〜10重量%が好ましく、約2〜7重量%がより好ましく、約3〜5重量%がさらにより好ましい。上記含有量の範囲であれば、通常、十分にその薬効を発現できるとともに、多すぎて硬度低下や、崩壊遅延を起こすことがない。
本発明の口腔内速崩壊錠は、本発明の効果を損なわない限りその他の有効成分を含んでいてもよい。併用できる有効成分は経口投与可能な成分であって、ドネペジル塩酸塩と併用禁忌でない成分であればよい。
その他の添加剤
本発明の口腔内速崩壊錠は、本発明の効果を損なわない範囲で、錠剤の製造に一般に用いられる種々の添加剤を含んでいてもよい。
添加剤としては、例えば、その他の賦形剤、崩壊剤、結合剤、甘味剤、矯味剤、滑沢剤、流動化剤、着色剤、コーティング剤、香料などが挙げられる。
その他の賦形剤としては、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、ラクチトール、エリスリトール、キシリトール、トレハロース、パラチニットのような糖アルコール;ショ糖、ブドウ糖、果糖、麦芽糖のような糖類;炭酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、乾燥水酸化アルミニウムゲル、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミナマグネシウム、水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈生成物、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム・炭酸カルシウム共沈生成物、水酸化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸等が挙げられる。好ましくは、無水リン酸水素カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムのような無機賦形剤などが挙げられる。
本発明の口腔内速崩壊錠は、本発明の効果を損なわない範囲で、錠剤の製造に一般に用いられる種々の添加剤を含んでいてもよい。
添加剤としては、例えば、その他の賦形剤、崩壊剤、結合剤、甘味剤、矯味剤、滑沢剤、流動化剤、着色剤、コーティング剤、香料などが挙げられる。
その他の賦形剤としては、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、ラクチトール、エリスリトール、キシリトール、トレハロース、パラチニットのような糖アルコール;ショ糖、ブドウ糖、果糖、麦芽糖のような糖類;炭酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、乾燥水酸化アルミニウムゲル、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミナマグネシウム、水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈生成物、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム・炭酸カルシウム共沈生成物、水酸化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸等が挙げられる。好ましくは、無水リン酸水素カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムのような無機賦形剤などが挙げられる。
崩壊剤としては、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシスターチナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、部分アルファー化デンプン、アルギン酸、アルギン酸カルシウム、トラガント末、カンテン末などが挙げられる。
結合剤としては、アラビアゴム、アラビアゴム末、部分アルファー化デンプン、ゼラチン、カンテン、デキストリン、プルラン、ポビドン、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、カルメロース、カルメロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどが挙げられる。
流動化剤としては、例えば含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、重質無水ケイ酸、酸化チタン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムなどが挙げられる。
甘味剤としては、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、グリチルリチン酸、ステビア、スクラロース、ソーマチンなどが挙げられる。
結合剤としては、アラビアゴム、アラビアゴム末、部分アルファー化デンプン、ゼラチン、カンテン、デキストリン、プルラン、ポビドン、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、カルメロース、カルメロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどが挙げられる。
流動化剤としては、例えば含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、重質無水ケイ酸、酸化チタン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムなどが挙げられる。
甘味剤としては、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、グリチルリチン酸、ステビア、スクラロース、ソーマチンなどが挙げられる。
矯味剤としては、アスコルビン酸、グリシン、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩酸、希塩酸、クエン酸およびその塩、無水クエン酸、L−グルタミン酸、コハク酸、酢酸、酒石酸、炭酸水素ナトリウム、フマル酸、リンゴ酸、氷酢酸、イノシン酸二ナトリウム、ハチミツが挙げられる。
滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、ショ糖脂肪酸エステルなどが挙げられる。
着色剤としては、例えば、食用赤色3号、食用黄色5号、食用青色1号などの食用色素、黄色三二化鉄、三二化鉄、褐色酸化鉄、黒酸化鉄、銅クロロフィル、銅クロロフィリンナトリウム、リボフラビン、抹茶末などが挙げられる。
コーティング剤としては、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、カルメロース、カルメロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、PVAコポリマー、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー分散液、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、オパドライ、カルナバロウ、カルボキシビニルポリマー、乾燥メタクリル酸コポリマー、ジメチルアミノエチルメタアクリレート・メチルメタアクリレートコポリマー、ステアリルアルコール、セラック、セタノール、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、フマル酸・ステアリン酸・ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート・ヒドロキシプロピルメチルセルロース混合物、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリビニルアルコール、メタクリル酸コポリマー、2−メチル−5−ビニルピリジンメチルアクリレート・メタクリル酸コポリマーなどが挙げられる。
滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、ショ糖脂肪酸エステルなどが挙げられる。
着色剤としては、例えば、食用赤色3号、食用黄色5号、食用青色1号などの食用色素、黄色三二化鉄、三二化鉄、褐色酸化鉄、黒酸化鉄、銅クロロフィル、銅クロロフィリンナトリウム、リボフラビン、抹茶末などが挙げられる。
コーティング剤としては、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、カルメロース、カルメロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、PVAコポリマー、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー分散液、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、オパドライ、カルナバロウ、カルボキシビニルポリマー、乾燥メタクリル酸コポリマー、ジメチルアミノエチルメタアクリレート・メチルメタアクリレートコポリマー、ステアリルアルコール、セラック、セタノール、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、フマル酸・ステアリン酸・ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート・ヒドロキシプロピルメチルセルロース混合物、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリビニルアルコール、メタクリル酸コポリマー、2−メチル−5−ビニルピリジンメチルアクリレート・メタクリル酸コポリマーなどが挙げられる。
その他の添加剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
その他の添加剤を含有する場合、その含有量は、錠剤の全量に対して、約0.01〜50重量%が好ましく、約0.1〜30重量%がより好ましい。上記含有量の範囲であれば、通常、十分にこれら成分の作用を発揮できるともに、本発明の効果を損なうことがない。
その他の添加剤を含有する場合、その含有量は、錠剤の全量に対して、約0.01〜50重量%が好ましく、約0.1〜30重量%がより好ましい。上記含有量の範囲であれば、通常、十分にこれら成分の作用を発揮できるともに、本発明の効果を損なうことがない。
好ましい組み合わせ
本発明の口腔内速崩壊錠は、ドネペジル塩酸塩、乳糖、結晶セルロースに加えて、カルメロース、及び/又はコーンスターチなどを約0.1〜30重量%含むことが好ましい。また、軽質無水ケイ酸などを約0.01〜10重量%含むことも好ましい。
本発明の口腔内速崩壊錠は、ドネペジル塩酸塩、乳糖、結晶セルロースに加えて、カルメロース、及び/又はコーンスターチなどを約0.1〜30重量%含むことが好ましい。また、軽質無水ケイ酸などを約0.01〜10重量%含むことも好ましい。
製造方法
本発明の口腔内速崩壊錠は、各成分を混合機で混合し、打錠機を用いて直接圧縮打錠することにより製造できる。圧縮時の圧力は、例えば、約300〜2000kg/杵とすることができる。これにより、良好な崩壊性と機械的強度とを兼ね備えた錠剤が得られる。また、外部潤沢打錠を行うこともできる。
本発明の口腔内速崩壊錠の形状は、本発明の効果が得られる範囲で、種々の形状とすることができる。例えば、円形錠でもよく、又は普通R面、スミカク平面、スミマル平面、二段R面等の面形を有する各種異形錠であってもよい。崩壊性の点からはより表面積の広い形状が好ましいが、硬度とのバランスが重要である。また、該錠剤は割線を入れた分割錠としてもよい。
本発明の口腔内速崩壊錠は、各成分を混合機で混合し、打錠機を用いて直接圧縮打錠することにより製造できる。圧縮時の圧力は、例えば、約300〜2000kg/杵とすることができる。これにより、良好な崩壊性と機械的強度とを兼ね備えた錠剤が得られる。また、外部潤沢打錠を行うこともできる。
本発明の口腔内速崩壊錠の形状は、本発明の効果が得られる範囲で、種々の形状とすることができる。例えば、円形錠でもよく、又は普通R面、スミカク平面、スミマル平面、二段R面等の面形を有する各種異形錠であってもよい。崩壊性の点からはより表面積の広い形状が好ましいが、硬度とのバランスが重要である。また、該錠剤は割線を入れた分割錠としてもよい。
崩壊性・硬度
本発明の口腔内速崩壊錠は、唾液により、口腔内で速やかに崩壊し、ざらつきを残さずに滑らかに服用可能である。本発明の口腔内速崩壊錠は、第15改正日本薬局方一般試験法記載の崩壊試験法に従い測定した崩壊時間が通常5〜30秒程度となる。
また、本発明の口腔内速崩壊錠の硬度は、錠剤重量硬度厚み測定器(菊水製作所製,TM5−5)を用いて錠剤を直径方向に加圧して測定したときの硬度が、通常2〜8kgf程度となる。
本発明の口腔内速崩壊錠は、唾液により、口腔内で速やかに崩壊し、ざらつきを残さずに滑らかに服用可能である。本発明の口腔内速崩壊錠は、第15改正日本薬局方一般試験法記載の崩壊試験法に従い測定した崩壊時間が通常5〜30秒程度となる。
また、本発明の口腔内速崩壊錠の硬度は、錠剤重量硬度厚み測定器(菊水製作所製,TM5−5)を用いて錠剤を直径方向に加圧して測定したときの硬度が、通常2〜8kgf程度となる。
(1)製剤の製造
本願実施例1の口腔内速崩壊錠の製造(DP5−138(1))
ドネペジル塩酸塩5.0mg、造粒乳糖(タブレトーズ、メグレ・ジャパン社)92.0mg、結晶セルロース(セオラスPH301、旭化成工業)39.0mg、およびコーンスターチ31.0mgを30M篩(目開き500μm)にて混合篩過し、その混合品をポリエチレン袋内で2分間混合した。次いで、ステアリン酸マグネシウム1.0mgを添加し、当該ポリエチレン袋にて30秒間混合した。得られた混合末を1錠168mgとして、打錠圧力1300kgfで打錠した。
本願実施例1の口腔内速崩壊錠の製造(DP5−138(1))
ドネペジル塩酸塩5.0mg、造粒乳糖(タブレトーズ、メグレ・ジャパン社)92.0mg、結晶セルロース(セオラスPH301、旭化成工業)39.0mg、およびコーンスターチ31.0mgを30M篩(目開き500μm)にて混合篩過し、その混合品をポリエチレン袋内で2分間混合した。次いで、ステアリン酸マグネシウム1.0mgを添加し、当該ポリエチレン袋にて30秒間混合した。得られた混合末を1錠168mgとして、打錠圧力1300kgfで打錠した。
比較例1の口腔内速崩壊錠の製造(DP5−138(2))
ドネペジル塩酸塩5.0mg、造粒乳糖(タブレトーズ、メグレ・ジャパン社)126.0mg、結晶セルロース(セオラスPH301、旭化成工業)5.0mg、およびコーンスターチ31.0mgを30M篩(目開き500μm)にて混合篩過し、その混合品をポリエチレン袋内で2分間混合した。次いで、ステアリン酸マグネシウム1.0mgを添加し、当該ポリエチレン袋にて30秒間混合した。得られた混合末を1錠168mgとして、打錠圧力1300kgfで打錠した。
この錠剤における造粒乳糖と結晶セルロースとの含有比率(造粒乳糖:結晶セルロース)は、重量比で、1:0.04である。
ドネペジル塩酸塩5.0mg、造粒乳糖(タブレトーズ、メグレ・ジャパン社)126.0mg、結晶セルロース(セオラスPH301、旭化成工業)5.0mg、およびコーンスターチ31.0mgを30M篩(目開き500μm)にて混合篩過し、その混合品をポリエチレン袋内で2分間混合した。次いで、ステアリン酸マグネシウム1.0mgを添加し、当該ポリエチレン袋にて30秒間混合した。得られた混合末を1錠168mgとして、打錠圧力1300kgfで打錠した。
この錠剤における造粒乳糖と結晶セルロースとの含有比率(造粒乳糖:結晶セルロース)は、重量比で、1:0.04である。
比較例2の口腔内速崩壊錠の製造(DP5−138(3))
ドネペジル塩酸塩5.0mg、造粒乳糖(タブレトーズ、メグレ・ジャパン社)5.0mg、結晶セルロース(セオラスPH301、旭化成工業)126.0mg、およびコーンスターチ31.0mgを30M篩(目開き500μm)にて混合篩過し、その混合品をポリエチレン袋内で2分間混合した。次いで、ステアリン酸マグネシウム1.0mgを添加し、当該ポリエチレン袋にて30秒間混合した。得られた混合末を1錠168mgとして、打錠圧力1300kgfで打錠した。
この錠剤における造粒乳糖と結晶セルロースとの含有比率(造粒乳糖:結晶セルロース)は、重量比で、1:25.2である。
ドネペジル塩酸塩5.0mg、造粒乳糖(タブレトーズ、メグレ・ジャパン社)5.0mg、結晶セルロース(セオラスPH301、旭化成工業)126.0mg、およびコーンスターチ31.0mgを30M篩(目開き500μm)にて混合篩過し、その混合品をポリエチレン袋内で2分間混合した。次いで、ステアリン酸マグネシウム1.0mgを添加し、当該ポリエチレン袋にて30秒間混合した。得られた混合末を1錠168mgとして、打錠圧力1300kgfで打錠した。
この錠剤における造粒乳糖と結晶セルロースとの含有比率(造粒乳糖:結晶セルロース)は、重量比で、1:25.2である。
(2)試験方法
上記の各例の錠剤について、崩壊性、硬度、及び摩損度を試験した。
(2-1)崩壊性試験
試験1(崩壊試験器を用いた試験法)
第15改正日本薬局方一般試験法記載の崩壊試験法に従い崩壊性を測定した。サンプル数は各試験区につき6錠とし、各試料の平均崩壊時間を算出した。
試験2(水中試験法)
直径または内径100mmのシャーレの中央にフィルターペーパー(ADVANTEC製、5A、90mm)1枚をセットし、食用赤色3号を加えた蒸留水3mlを加えた。 フィルターペーパーの中心部に試料を静置し、試料に色素が完全に染み込んだ時間を崩壊時間として計測した。完全に染み込んだという判断は、目視にて錠剤全体が着色した時点によって判断した。サンプル数は各試験区につき3錠とし、各試料の平均値を求めた。
試験3(官能試験)
健康な成人男性1人をパネラーとして、口腔内に水無しで各錠剤を含ませ、崩壊錠が口腔内の唾液のみで完全に崩壊、分散するまでの時間を測定した。
上記の各例の錠剤について、崩壊性、硬度、及び摩損度を試験した。
(2-1)崩壊性試験
試験1(崩壊試験器を用いた試験法)
第15改正日本薬局方一般試験法記載の崩壊試験法に従い崩壊性を測定した。サンプル数は各試験区につき6錠とし、各試料の平均崩壊時間を算出した。
試験2(水中試験法)
直径または内径100mmのシャーレの中央にフィルターペーパー(ADVANTEC製、5A、90mm)1枚をセットし、食用赤色3号を加えた蒸留水3mlを加えた。 フィルターペーパーの中心部に試料を静置し、試料に色素が完全に染み込んだ時間を崩壊時間として計測した。完全に染み込んだという判断は、目視にて錠剤全体が着色した時点によって判断した。サンプル数は各試験区につき3錠とし、各試料の平均値を求めた。
試験3(官能試験)
健康な成人男性1人をパネラーとして、口腔内に水無しで各錠剤を含ませ、崩壊錠が口腔内の唾液のみで完全に崩壊、分散するまでの時間を測定した。
(2-2)硬度試験
得られた各試料から無作為に20錠を採取し、錠剤重量硬度厚み測定器(TM5−5:菊水製作所製)により、硬度を測定し、各試料の平均値を算出した。上記測定器により測定される硬度は、各錠剤を直径方向に加圧し、錠剤が割れたときの力の大きさ(kgf)である。
(2-3)摩損度試験
各試験区について1錠づつ、第15改正日本薬局方解説書、F-131、「12.錠剤の摩損度試験法」に従い摩損度を測定した。但し、回転数は250±10回転とした。
得られた各試料から無作為に20錠を採取し、錠剤重量硬度厚み測定器(TM5−5:菊水製作所製)により、硬度を測定し、各試料の平均値を算出した。上記測定器により測定される硬度は、各錠剤を直径方向に加圧し、錠剤が割れたときの力の大きさ(kgf)である。
(2-3)摩損度試験
各試験区について1錠づつ、第15改正日本薬局方解説書、F-131、「12.錠剤の摩損度試験法」に従い摩損度を測定した。但し、回転数は250±10回転とした。
口腔内崩壊は一般的に30秒以内であれば実用上問題ないところ、本発明実施例1の口腔内速崩壊錠の口腔内崩壊時間は18〜29秒であり、十分に実用できるものである。また、硬度及び摩損度も優れている。
また、実施例1と比較例1との比較より、造粒乳糖があまりに多いと錠剤の強度が損なわれることが分る。また、実施例1と比較例2との比較より、結晶セルロースがあまりに多いと速やかに崩壊しないことが分る。
また、実施例1と比較例1との比較より、造粒乳糖があまりに多いと錠剤の強度が損なわれることが分る。また、実施例1と比較例2との比較より、結晶セルロースがあまりに多いと速やかに崩壊しないことが分る。
本発明の口腔内速崩壊錠は、実用的で優れた口腔内での崩壊性を有するとともに、機械的強度に優れるものである。また、簡単に製造できるため、工業的に優れたものである。
Claims (6)
- ドネペジル塩酸塩、乳糖、及び結晶セルロースを含有し、乳糖と結晶セルロースとの重量比率(乳糖:結晶セルロース)が1:0.05〜16である口腔内速崩壊錠。
- 乳糖の含有量が、錠剤の全量に対して、5〜90重量%である請求項1に記載の口腔内速崩壊錠。
- 結晶セルロースの含有量が、錠剤の全量に対して、5〜80重量%である請求項1又は2に記載の口腔内速崩壊錠。
- ドネペジル塩酸塩の含有量が、錠剤の全量に対して、1〜10重量%である請求項1〜3のいずれかに記載の口腔内速崩壊錠。
- 硬度が2〜8kgfである請求項1〜4のいずれかに記載の口腔内速崩壊錠。
- 第15改正日本薬局方一般試験法記載の崩壊試験法で測定される崩壊時間が5〜30秒である請求項1〜5のいずれかに記載の口腔内速崩壊錠。
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