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JP2011203425A - 成形体及びその製造方法 - Google Patents

成形体及びその製造方法 Download PDF

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JP2011203425A JP2010069702A JP2010069702A JP2011203425A JP 2011203425 A JP2011203425 A JP 2011203425A JP 2010069702 A JP2010069702 A JP 2010069702A JP 2010069702 A JP2010069702 A JP 2010069702A JP 2011203425 A JP2011203425 A JP 2011203425A
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matrix
meth
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Shunsuke Chatani
俊介 茶谷
Toshiaki Hattori
俊明 服部
Mitsufumi Nodono
光史 野殿
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

【課題】散乱軸から外れた散乱が生じにくく、所望の光制御が可能な成形体、その製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の成形体1は、光重合性組成物を硬化してなるマトリックス2と、マトリックス中に配設されマトリックスと屈折率が異なる複数の板状構造体4とを備えた成形体であって、複数の板状構造体は、マトリクス内で略同一の方向に配向されており、その配向度が0.05未満であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、成形体及びその製造方法に関し、詳細には、回折、偏向、拡散等の光学特性を有するシート状、またはフィルム状の成形体、及びその製造方法に関するものである。
高分子材料は、選択できる材料の種類が豊富で多様な機能を付与できるため、近年、高分子材料を光学用途に使用する試みが盛んになされている。例えば、内部に一次元あるいは二次元の微細構造が形成された高分子材料の成形体を、光制御素子として利用することが提案されている。
このような成形体の一つとして、マトリックス中に、該マトリックスと屈折率が異なる複数の板状構造体が配置され、特定の角度で入射した光のみを選択的に散乱する光制御フィルムが知られている(特許文献1)。
この光制御フィルムは、内部に高屈折率層/低屈折率層が交互に配置され、屈折率の異なる板状の層(板状構造体)が交互に並んだミクロン単位の相分離構造を有している。この光制御フィルムは、板状構造体に平行に入射した光を散乱し、それ以外の角度から入射した光は透過するという入射角依存性を示し、板状構造体に平行に入射した光に対して1軸の光散乱を示す光制御フィルムとして機能する。
1軸の光散乱を示す光制御フィルムは、光源、特にLED等の点光源からの光を散乱させたり、ディスプレイやプロジェクションスクリーン等の用途において光源からの光を広げ視野角を拡大させたりする目的に用いられる。
特開平1−77001号公報
特許文献1に記載の光制御フィルムは,基板上に塗布される等した光重合組成物に、棒状光源から光を特定方向から照射し、光重合組成物を硬化させることによって製造されている。
しかしながら、棒状光源の形状、光源から光重合組成物の各部分までの距離等によって光重合組成物に入射する光の角度が変化するので、製造された光制御フィルム中における板状構造体の配向方向にばらつきが生じてしまう。
このように内部の板状構造体の配向方向がばらついた光制御フィルムは、散乱軸から外れた散乱が生じさせ、不必要なボケや解像度の低下をもたらすという問題が有していた。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、散乱軸から外れた散乱が生じにくく、所望の光制御が可能な成形体、その製造方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、
光重合性組成物を硬化してなるマトリックスと、該マトリックス中に配設され該マトリックスと屈折率が異なる複数の板状構造体とを備えた成形体であって、
前記複数の板状構造体は、前記マトリクス内で略同一の方向に配向されており、その配向度が0.05未満である、
ことを特徴とする成形体が提供される。
このような構成によれば、マトリックス中に複数の板状構造体が略同一方向に配向されているので、散乱軸から外れた散乱が生じにくい。
本発明の他の態様によれば、
光重合性組成物を硬化してなるマトリックスと、該マトリックス中に配設された該マトリックスと屈折率が異なる複数の板状構造体とを備えた板状成形体の製造方法であって、
未硬化の前記光重合性組成物を板状に配置するステップと、
入射した光を屈折又は回折させ1軸方向の広がりを有する光に変換する光変調部材を介して、前記板状に配置された前記光重合性組成物に光を照射し、前記光重合性組成物を光重合硬化させるステップと、を備えている、
ことを特徴とする成形体の製造方法が提供される。
このような構成によれば、光変調部材が、入射した光を屈折又は回折させ1軸方向の広がりを有する光に変換するので、未硬化の光重合性組成物の入射する光は1軸方向の広がりを有する光となる。この結果、光重合性組成物中に形成される複数の板状構造体の規則性が向上(すなわち、配向度が低下)し、製造された成形体において、散乱軸から外れた散乱が生じ難くなる。
本発明の他の好ましい態様によれば、
前記光変調部材が、略同一の方向に延びる複数の柱状プリズムを有するプリズムシートである。
本発明の他の好ましい態様によれば、
前記プリズムシートの各柱状プリズムの頂角が、10度以上130度未満である。
本発明の他の好ましい態様によれば、
前記プリズムシートが、前記光重合性組成物から10mm以上の間隔をおいて配置されている。
このような構成によれば、プリズムシートが、光重合性組成物から10mm以上の間隔をおいて配置されているので、プリズムシートから出る光が十分に広がって配向方向を揃えることができる。
本発明によれば、散乱軸から外れた散乱が生じにくく、所望の光制御が可能な成形体、その製造方法が提供される。
本発明の好ましい実施形態の成形体の内部構造を透視した模式的な斜視図である。 本発明の好ましい実施形態の成形体の構造を光学顕微鏡の透過モードで撮影した写真である。 図2の画像をフーリエ変換処理した後の画像である。 図2の補助線L1における、成形体の板状構造体のピッチとその輝度との関係を表すグラフである。 本発明の好ましい実施形態の成形体の板状構造体の配向と、輝度との関係を表すグラフである。 本発明の好ましい実施形態の成形体の製造方法を説明する図面である。 本発明の好ましい実施形態の成形体の製造方法を説明する図面である。
以下、本発明の好ましい実施形態の成形体について詳細に説明する。図1は、本発明の好ましい実施形態の成形体1の内部構造を透視した模式的な斜視図である。
図1に示すように、本実施形態の成形体1は、20〜1000μmの略均一な厚さを有する板状形状を有している。基質であり透明な薄板状のマトリックス2と、このマトリックス2中に配置された多数の透明な薄板状の板状構造体4とを備えた相分離構造を有している。マトリックス2と各板状構造体4は、屈折率が異なっている。
各板状構造体4は、略同一形状を有し、成形体1の表面から裏面まで延びるように互いに略平行に配向されている。したがって、本実施形態の成形体1は、互いに屈折率の異なる薄板状のマトリックス2と板状構造体4とが交互に配置された構造を有している。
板状構造体4の幅6、あるいは配列周期8は、80nm以上1000μm以下の範囲にあるのが好ましく、100nm以上50μmの範囲にあるのがより好ましい。板状構造体4の幅6あるいは配列周期8を、この範囲内にすることによって、成形体1は、350〜2000nmの波長範囲の光に対する干渉効果を十分に発現させることができ、例えば光制御フィルムのような一般的な光学用途で使用可能な波長範囲において高度な光制御が可能となる。具体的には、このような構造を有する成形体1は、板状構造体4の配向方向(成形体1の厚さ方向)と平行に入射した光を散乱する異方性散乱特性を示す。
本実施形態の成形体1では、板状構造体4が図2にみられるように高い精度で配向されている。具体的には、後述する配向度によって規定される板状構造体4の配向のばらつきの指標であり、小さいほど板状構造体4の向きが揃っていることを示す「配向度」が、0.05以下である。
次に、配向度について説明する。図2は、本発明の好ましい実施形態の成形体の構造を光学顕微鏡の透過モードで撮影した写真である。
図2の像をグレースケールのファイルに変換し、屈折率分布を256階調の明暗で表す。次いで、このグレースケールファイルを2次元でフーリエ変換する。フーリエ変換後の画像を図3に示す。図3の画像の右上から中心を通って左下方向に広がる白色部分には板状構造体4のピッチ(配列周期8)および向きの情報が含まれている。
次いで、図3の画像の中心から白色部分を貫くように補助線L1を引く。L1での輝度をプロットし、図4を得る。図4の横軸の単位は板状構造体4の配列周期8の逆数である波数であり、輝度が最大となる波数Aが平均配列周期に対応している。
次いで、図3において、補助線L1と波数Aとの交点で補助線L1に直交する補助線L2を引く。L2での輝度をプロットし、図5を得る。ただし、図5の横軸は波数Aで割った無次元の値とする。図5におけるピークの半値幅W1(輝度が最大値の半分になる高さでのピークの幅)が板状構造体4の配向度を表す。半値幅W1が小さいほど板状構造体4の配向方向のばらつきが小さく、半値幅W1が大きいほど板状構造体4の配向方向のばらつきが大きいことを示す。また、ここで図5の横軸を無次元の値とすることにより、板状構造体4の配列周期8が異なる場合でも、同じ配向度という指標で表すことが可能となる。
次に、本発明の好ましい実施形態の成形体1の製造方法について説明する。図6および図7は、本発明の好ましい実施形態の成形体製造方法を説明する図面である。
本発明の成形体の製造方法では、薄板状に配置された未硬化の光重合性組成物10に、光を屈折又は回折する光変調部材22を介して平行光が照射され、未硬化光重合性組成物10が光重合硬化され成形体1となる。
光重合性組成物10を薄板状に配置する方法としては、光重合性組成物10を基材上に塗布する方法、光重合性組成物10を基材間に液密に封入する方法などが挙げられる。
基材上に塗布する方法としては、例えば、光重合性組成物10を基材(基板)の一方の面に、均一な厚さで、塗膜表面が平滑となるように、バーコーター、スリットダイコーター、スピンコーター、円コーター、グラビアコーター、CAPコーターなどの既知の方法によって塗布する方法が挙げられる。
また、基材間に液密に封入する方法としては、図6に示すように、下方基材12と上方基材14に挟まれた空間の周囲にスペーサ16を配置して液密空間18を形成し、この液密空間18内に液体状の未硬化の光重合性組成物8を充填する方法である。
上方基材14は、平行光が照射される側であるので、光重合性組成物10を光重合させるときに使用される光を吸収しない材料で構成される必要がある。このような材料として、パイレックス(登録商標)ガラスや石英ガラス、フッ素化(メタ)アクリル樹脂等の透明プラスチック材料等がある。
基材上に塗布あるいは液密空間内に充填される光重合性組成物10の厚さは、20〜1000μmが好ましく、50〜300μmがより好ましい。光重合性組成物10の厚さが20μm以下であると板状構造体4を形成させることが困難となり、1000μm以上であると板状構造体4を厚さ方向に成長させることが困難となるためである。
光重合性組成物10には、多官能モノマーが含まれることが好ましい。このような多官能モノマーとしては、(メタ)アクリロイル基を含む(メタ)アクリルモノマーや、ビニル基、アリル基等を含有するものが特に好ましい。
多官能モノマーの具体例としては、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、水添ジシクロペンタジエニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、多官能のエポキシ(メタ)アクリレート、多官能のウレタン(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジアリルクロレンデート、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、ジアリルフタレート等が挙げられ、これらを単独であるいは2種以上の混合物として使用することができる。
多官能モノマーは架橋構造を有するため重合度の違いにより密度差が形成されやすく、単独でも板状構造体4が形成されるが、マトリックス2と板状構造体4に、より大きな屈折率差をつけるためには、2種以上の多官能モノマーか、後述する単官能モノマー、ポリマー、低分子化合物などとの混合物を用いることが好ましい。
光重合性組成物10として2種以上の多官能モノマーあるいはそのオリゴマーを使用する場合には、それぞれの単独重合体としたときに互いに屈折率が異なるものを使用することが好ましく、その屈折率差が大きいものを組み合わせることがより好ましい。
回折、偏向、拡散などの機能を高効率で得られるようにする為には屈折率差を大きくすることが必要であり、その屈折率差が0.01以上であることが好ましく、0.05以上であることがより好ましい。また、重合過程でモノマーが拡散することにより分布が形成され、屈折率差が大きくなるので、拡散定数の差が大きい組み合わせが好ましい。
なお、3種以上の多官能モノマーあるいはオリゴマーを使用する場合は、それぞれの単独重合体の少なくともいずれか2つの屈折率差が上記範囲内となるようにすればよい。また、単独重合体の屈折率差が最も大きい2つのモノマーあるいはオリゴマーは、高効率な回折、偏向、拡散などの機能を得る為に、重量比で10:90〜90:10の割合で用いることが好ましい。
また、光重合性組成物10には、上記のような多官能モノマーあるいはオリゴマーとともに、分子内に1個の重合性炭素−炭素二重結合を有する単官能モノマーあるいはオリゴマーを使用してもよい。このような単官能モノマーあるいはオリゴマーとしては、(メタ)アクリロイル基を含む(メタ)アクリルモノマーや、ビニル基、アリル基等を含有するものが特に好ましい。
単官能モノマーの具体例としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、フェニルカルビトール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシエチルサクシネート、(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレート、フェニル(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、トリブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、p−ブロモベンジル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート化合物;スチレン、p−クロロスチレン、ビニルアセテート、アクリロニトリル、N−ビニルピロリドン、ビニルナフタレン等のビニル化合物;エチレングリコールビスアリルカーボネート、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート等のアリル化合物等が挙げられる。
これら単官能モノマーあるいはオリゴマーは、前述したようにマトリックス2と板状構造体4に、より大きな屈折率差をつけるため、又は成形体1に柔軟性を付与するために用いられ、その使用量は多官能モノマーあるいはオリゴマーとの合計量のうち10〜99質量%の範囲が好ましく、10〜50質量%の範囲がより好ましい。
また、光重合性組成物10には、前記多官能モノマーあるいはオリゴマーと重合性炭素−炭素二重結合を持たない化合物を含む均一溶解混合物を用いることもできる。
重合性炭素−炭素二重結合を持たない化合物としては、例えば、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ナイロン等のポリマー類、トルエン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルアルコール、エチルアルコール、酢酸エチル、アセトニトリル、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフランのような低分子化合物、有機ハロゲン化合物、有機ケイ素化合物、可塑剤、安定剤のような添加剤等が挙げられる。
これら重合性炭素−炭素二重結合を持たない化合物は、光重合性組成物10の粘度を調節し取り扱い性を良くする為に用いられ、その使用量は多官能モノマーあるいはオリゴマーとの合計量のうち1〜99質量%の範囲とすることが好ましく、取り扱い性も良くしつつ規則的な配列を持った板状構造体を形成させる為には1〜50質量%の範囲がより好ましい。
光重合性組成物10に使用する光重合開始剤は、紫外線等の活性エネルギー線を照射して重合を行う通常の光重合で用いられるものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、ベンゾフェノン、ベンジル、ミヒラーズケトン、2−クロロチオキサントン、ベンゾインエチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、p−t−ブチルトリクロロアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ジベンゾスベロン等が挙げられる。
これら光重合開始剤の使用量は、光重合性の材料の総量に対して0.001〜10質量%の範囲とする事が好ましく、成形体1の透明性を落とさないようにするためには0.01〜5質量%とする事がより好ましい。
次いで、薄板状に配置された光重合性組成物10の上方に、他のスペーサ20を介してプリズムシート(光変調部材)22を配置する。プリズムシート22は、照射される光を屈折させ、照射光源24より照射された平行光を一軸方向の広がりを有する光に変換する機能を有する。
プリズムシート22は、その表面にプリズムを連続的に規則的に並べて配置したものである。具体的には、プリズムシート22上には、多数の三角柱形状のプリズムが、プリズムの軸線が略同一の方向に配向されるように平行に配置されている構成を有する。
スペーサ26は、プリズムシート22から出射した光が十分に広がるよう、厚さ10mm以上とすることが好ましい。
また、プリズムシート22から出射した光が十分に広がるよう、プリズムシート22の各プリズム部の頂角は130°未満であることが好ましい。
プリズムシート22の各プリズムの断面形状は、図7に示すように、二等辺三角形状であるものが好ましいが、平行光を屈折又は回折させて広がる機能を有するものであれば形状は限定されない。
次いで、照射光源24からの平行光を、プリズムシート22を介して、光重合性組成物10に、照射し、光重合性組成物10を光重合硬化させ成形体1とする。
照射光源は、平行光を照射可能であることに加えて、照射する平行光の進行方向に対する垂直断面内で、平行光の光強度分布が略一定であるものを用いる。具体的には、点光源や棒状光源からの光を、ミラーやレンズ等により光強度分布が略一定(ハット型分布)の平行光としたもの、あるいはVCSEL等の面状光源等を使用することができる。板状構造体3は平行光の進行方向に成長して形成されるため、平行光の広がり角(平行度)は±0.03rad以下であるものが好ましい。なお、レーザー光線は平行度の点では好ましい光源であるが、その光強度分布がガウス型の分布を有しているため、適当なフィルタ等を用いて光強度分布を略一定にして使用することが好ましい。
照射光源は、照射エリアを複数の領域に分割して(例えば9領域)、各領域の光強度を測定し、下式で与えられる照度分布の値が、2.0%以下であるものを用いている。より好ましくは、1.0%以下であるものを用いている。
照度分布=(最大値−最小値)/(最大値+最小値)×100
照射強度は0.01〜100mW/cm2の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.1〜20mW/cm2の範囲である。照度が0.01mW/cm2以下であると重合が完了せず、100mW/cm2以上であると板状構造体3が形成されずに重合が完了してしまう。
塗膜として基材に塗布した光重合性組成物10を用いる場合、酸素による重合阻害を防ぐために光照射は不活性ガス雰囲気下で行うことが望ましい。用いる不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素などが挙げられる。ただし、不活性ガスを用いる目的は酸素を追い出すことであり、酸素を含まない組成の気体であればいずれの気体でも用いることができる。
光変調部材であるプリズムシート22の柱状のプリズム部で、平行光が屈折し、プリズム部の配列と直交する軸方向に光が広がる結果、配向方向が揃った板状構造体4を形成させることができる。
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範囲内で種々の変更、変形が可能である。
上記実施形態では、光変調部材としてプリズムシート22が使用されているが、プリズムシート22に代えて、プリズムや、回折格子などの入射した光を屈折又は回折させ1軸方向の広がりを有する光に変換する他の光変調部材を用いることができる。
以下、本発明の実施例の説明をする。
(実施例1)
ポリエチレングリコールジメタクリレート(商品名:NKエステル14G、新中村化学工業社製)50質量部とベンジルアクリレート(商品名:ビスコート#160、大阪有機化学工業社製)50重量部の混合物に対しイルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)1質量部を加え、光重合性組成物を得た。
スライドグラスとカバーグラスの間に0.3mmのシリコン製スペーサを配置し、前記光重合性組成物をスペーサ内部に封入させた。更にカバーグラス上部に10mmのシリコン製スペーサを配置し、スペーサの上部に頂角54°であるプリズムシートをプリズム面が上になるように配置した。続いて、水銀キセノンランプから平行光をプリズムシートの面に垂直に照射し、光重合性組成物を重合させてフィルムを得た。平行光の強度は10mW/cm2、照射時間は10minとした。
このようにして得られたフィルムの面内顕微鏡像を撮影し、板状構造体の配向度を計算したところ0.04と良好な値が確認できた。
(比較例1)
比較例1は、カバーグラス上部に直接プリズムシートを配置したものである。
ポリエチレングリコールジメタクリレート(商品名:NKエステル14G、新中村化学工業社製)50質量部とベンジルアクリレート(商品名:ビスコート#160、大阪有機化学工業社製)50重量部の混合物に対しイルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)1質量部を加え、光重合性組成物を得た。
スライドグラスとカバーグラスの間に0.3mmのシリコン製スペーサを配置し、前記光重合性組成物をスペーサ内部に封入させた。更にカバーグラス上部に頂角54°であるプリズムシートをプリズム面が上になるように直接配置した。続いて、水銀キセノンランプから平行光をプリズムシートの面に垂直に照射し、光重合性組成物を重合させてフィルムを得た。平行光の強度は10mW/cm2、照射時間は10minとした。
このようにして得られたフィルムの面内顕微鏡像を撮影し、板状構造体の配向度を計算したところ0.27と良好な値を示さなかった。
(比較例2)
比較例2は、棒状のケミカルランプの光を、プリズムシートを介さずに照射したものである。
ポリエチレングリコールジメタクリレート(商品名:NKエステル14G、新中村化学工業社製)50質量部とベンジルアクリレート(商品名:ビスコート#160、大阪有機化学工業社製)50重量部の混合物に対しイルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)1質量部を加え、光重合性組成物を得た。
スライドグラスとカバーグラスの間に0.3mmのシリコン製スペーサを配置し、前記光重合性組成物をスペーサ内部に封入させた。続いて、棒状のケミカルランプの光をプリズムシートの面に垂直に照射し、光重合性組成物を重合させてフィルムを得た。光の強度は5mW/cm2、照射時間は20minとした。
このようにして得られたフィルムの面内顕微鏡像を撮影し、板状構造体の配向度を計算したところ0.08と良好な値を示さなかった。
1 成形体
2 マトリックス
4 板状構造体
10 光重合性組成物
12 下方基材
14 上方基材
16 スペーサ
18 液密空間
20 他のスペーサ
22 プリズムシート
24 照射光源

Claims (5)

  1. 光重合性組成物を硬化してなるマトリックスと、該マトリックス中に配設され該マトリックスと屈折率が異なる複数の板状構造体とを備えた成形体であって、
    前記複数の板状構造体は、前記マトリクス内で略同一の方向に配向されており、その配向度が0.05未満である、
    ことを特徴とする成形体。
  2. 光重合性組成物を硬化してなるマトリックスと、該マトリックス中に配設された該マトリックスと屈折率が異なる複数の板状構造体とを備えた板状成形体の製造方法であって、
    未硬化の前記光重合性組成物を板状に配置するステップと、
    入射した光を屈折又は回折させ1軸方向の広がりを有する光に変換する光変調部材を介して、前記板状に配置された前記光重合性組成物に光を照射し、前記光重合性組成物を光重合硬化させるステップと、を備えている、
    ことを特徴とする成形体の製造方法。
  3. 前記光変調部材が、略同一の方向に延びる複数の柱状プリズムを有するプリズムシートである、
    請求項2に記載の成形体の製造方法。
  4. 前記プリズムシートの各柱状プリズムの頂角が、10度以上130度未満である、
    請求項3に記載の成形体の製造方法。
  5. 前記プリズムシートが、前記光重合性組成物から10mm以上の間隔をおいて配置されている、
    請求項3又は4に記載の成形体の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013210408A (ja) * 2012-03-30 2013-10-10 Lintec Corp 異方性光拡散フィルムの製造方法
JP2019144418A (ja) * 2018-02-21 2019-08-29 リンテック株式会社 光拡散制御フィルム及び光拡散制御フィルムの製造方法

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