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JP2011202580A - エンジンの冷却装置 - Google Patents

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JP2011202580A JP2010070520A JP2010070520A JP2011202580A JP 2011202580 A JP2011202580 A JP 2011202580A JP 2010070520 A JP2010070520 A JP 2010070520A JP 2010070520 A JP2010070520 A JP 2010070520A JP 2011202580 A JP2011202580 A JP 2011202580A
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Abstract

【課題】 エンジンの冷却性を考慮しつつ燃料の気化を促進することで、ノッキングの発生を抑制しつつ、シリンダ上部、且つ排気側の部分に向かって筒内に直接噴射される燃料の気化を促進可能な、さらには両立可能な態様で冷却損失を好適に低減可能なエンジンの冷却装置を提供する。
【解決手段】 冷却装置1Aは、シリンダ51aの上部、且つ排気側の所定部分に向かって燃料を直接噴射可能に設けられた燃料噴射弁58を備えたエンジン50Aにつき、シリンダライナ54Aに熱伝導部54aA、54bAを構成することで、シリンダ51aの上部であり、且つ当該所定部分以外の部分である主要上部を介して行われる熱の伝導性を高めつつ、当該所定部分を介して行われる熱の伝導性を低下させる冷却構造を備える。
【選択図】 図2

Description

本発明はエンジンの冷却装置に関する。
従来、エンジンでは一般に冷却水による冷却が行われている。また従来、筒内に燃料を直接噴射できるように燃料噴射弁を設けたエンジンが知られている。
この点、本発明と構成上、関連性があると考えられる技術として、例えば特許文献1ではインジェクタから噴射された燃料が当たる位置にセラミック膜を形成した直噴式エンジン用のピストンが開示されている。また本発明と構成上、関連性があると考えられる技術として、例えば特許文献2では高熱伝導皮膜を軸方向の上部の外周面に形成したシリンダライナが開示されている。
特開2000−8857号公報 特開2007−16735号公報
ところで、筒内に直接燃料を噴射可能に燃料噴射弁を設けた場合、噴射された燃料が衝突する部分は、高温であるほうが燃料の気化を促進できるため好ましい。しかしながら、エンジンにおいては冷却の要求があるところ、例えば燃料の気化を促進すべく、当該部分の冷却性のみを低下させるのでは、逆に当該部分でノッキングを誘発する虞がある。この点、シリンダ上部、且つ排気側の部分は吸気側の部分と比較して高温になることから、燃料の気化を促進すべく燃料を噴射するにあたって好適な部分であるところ、かかる部分では特にノッキングを誘発する虞が高くなると考えられる。
一方、エンジンを冷却するにあたっては、高い熱効率を実現できることが望まれる。そしてそのためにはノッキングの発生を抑制しつつ、エネルギ損失全体の大きな割合を占める冷却損失を低減することで、熱効率の向上を図ることが望ましいと考えられる。
そこで本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、エンジンの冷却性を考慮しつつ燃料の気化を促進することで、ノッキングの発生を抑制しつつ、シリンダ上部、且つ排気側の部分に向かって筒内に直接噴射される燃料の気化を促進可能な、さらには両立可能な態様で冷却損失を好適に低減可能なエンジンの冷却装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明はシリンダが形成されたシリンダブロック、シリンダヘッドおよび前記シリンダの上部、且つ排気側の所定部分に向かって燃料を直接噴射可能に設けられた燃料噴射弁を備えたエンジンにつき、前記シリンダの上部であり、且つ前記所定部分以外の部分である主要上部を介して行われる熱の伝導性を高めつつ、前記所定部分を介して行われる熱の伝導性を少なくとも前記主要上部よりも低下させる冷却構造を備えたエンジンの冷却装置である。
また本発明は前記シリンダブロックの冷却能力を抑制することなく、前記シリンダヘッドの冷却能力を抑制可能な冷却能力調整手段と、前記冷却能力調整手段を制御することで、前記シリンダヘッドの冷却能力を抑制するための制御を行う制御手段と、をさらに備えた構成であることが好ましい。
本発明によれば、エンジンの冷却性を考慮しつつ燃料の気化を促進することで、ノッキングの発生を抑制しつつ、シリンダ上部、且つ排気側の部分に向かって筒内に直接噴射される燃料の気化を促進できる。また本発明によれば、さらには両立可能な態様で冷却損失を好適に低減できる。
実施例1にかかるエンジンの冷却装置(以下、単に冷却装置と称す)の概略構成図である。 実施例1にかかるエンジンの概略構成図である。 ECU(Electronic Control Unit:電子制御装置)の概略構成図である。 機関運転状態の分類を模式的に示す図である。 ECUの動作をフローチャートで示す図である。 実施例1にかかる冷却構造とともに熱伝導の様子を示す図である。 クランク角度に応じた燃焼室の熱伝達率および表面積割合を示す図である。 実施例2にかかるエンジンの概略構成図である。 実施例2にかかる冷却構造とともに熱伝導の様子を示す図である。 実施例3にかかるエンジンの概略構成図である。 実施例3にかかる冷却構造と共に熱伝導の様子を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面と共に詳細に説明する。
図1に示す冷却装置1Aは図示しない車両に搭載されており、ウォータポンプ(以下、W/Pと称す)11と、ラジエータ12と、サーモスタット13と、流量調節弁14と、エンジン50Aと、第1から第4の部分流量調節弁61から64までを備えている。W/P11は冷却媒体圧送手段であり、冷却媒体である冷却水を圧送するとともに、圧送する冷却水の流量を可変にする可変W/Pとなっている。W/P11が圧送する冷却水はエンジン50Aに供給される。
エンジン50Aは金属製(ここではアルミ合金製)のシリンダブロック51およびシリンダヘッド52を備えている。シリンダブロック51には第1の冷却媒体通路であるブロック側ウォータジャケット(以下、ブロック側W/Jと称す)511が形成されている。ブロック側W/J511はシリンダブロック51に1系統の冷却系統を形成している。一方、シリンダヘッド52には第2の冷却媒体通路であるヘッド側ウォータジャケット(以下、ヘッド側W/Jと称す)521が形成されている。ヘッド側W/J521はシリンダヘッド52に複数(ここでは4つ)の冷却系統を形成している。W/P11が圧送する冷却水は具体的にはブロック側W/J511およびヘッド側W/J521に供給される。
この点、冷却装置1Aでは複数の冷却水循環経路が形成されている。
冷却水循環経路としては、例えばブロック側W/J511が組み込まれた循環経路であるブロック側循環経路C1がある。このブロック側循環経路C1を流通する冷却水は、W/P11から吐出された後、ブロック側W/J511を流通し、さらにサーモスタット13を介するか、或いはラジエータ12およびサーモスタット13を介してW/P11に戻るようになっている。ラジエータ12は熱交換器であり、流通する冷却水と空気との間で熱交換を行うことで冷却水を冷却する。サーモスタット13はW/P11に入口側から連通する流通経路を切り替える。具体的にはサーモスタット13は、冷却水温が所定値未満の場合にラジエータ12をバイパスする流通経路を連通状態にし、所定値以上の場合にラジエータ12を流通する流通する流通経路を連通状態にする。
また冷却水循環経路としては、例えばヘッド側W/J521が組み込まれた循環経路であるヘッド側循環経路C2がある。このヘッド側循環経路C2を流通する冷却水は、W/P11から吐出された後、流量調節弁14、第1から第4の部分流量調節弁61から64までのうち少なくともいずれか、およびヘッド側W/J521が形成する4系統の冷却系統のうち少なくともいずれかを流通し、さらにサーモスタット13を介するか、或いはラジエータ12およびサーモスタット13を介してW/P11に戻るようになっている。
流量調節弁14はヘッド側循環経路C2のうち、循環経路C1、C2が分岐した後の部分、且つシリンダヘッド52よりも上流側の部分に設けられており、さらに具体的には第1から第4の部分流量調節弁61から64までよりも上流側の部分に設けられている。流量調節弁14は、シリンダヘッド52の冷却能力を調整可能な冷却能力調整手段となっている。この点、流量調節弁14は具体的には、ヘッド側W/J521を流通する冷却水の流量を全体的に調節することで、シリンダヘッド52の冷却能力を全体的に調整可能な冷却能力調整手段となっている。
またこのように設けられた流量調節弁14は、シリンダブロック51の冷却能力を抑制することなく、シリンダヘッド52の冷却能力を抑制可能な冷却能力調整手段となっている。具体的には例えば流量調節弁14は、シリンダブロック51およびシリンダヘッド52にともに冷却水を流通させる高回転高負荷時のシリンダブロック51の冷却能力およびシリンダヘッド52の冷却能力がある場合に、これらの冷却能力に対してシリンダブロック51の冷却能力を抑制することなく、シリンダヘッド52の冷却能力を抑制可能な冷却能力調整手段となっている。
さらにこのように設けられた流量調節弁14は、シリンダヘッド52の冷却能力を抑制するようにヘッド側W/J521を流通する冷却水の流量を調節した場合に、シリンダブロック51の冷却能力を高めるようにブロック側W/J511を流通する冷却水の流量を調節可能な冷却能力調整手段となっている。
第1から第4の部分流量調節弁61から64までは、ヘッド側循環経路C2のうち、流量調節弁14およびシリンダヘッド52の間の部分に、ヘッド側W/J521が形成する4系統の冷却系統に対応させて設けられている。これら部分流量調節弁61から64までは、シリンダヘッド52の冷却能力を調整可能な冷却能力調整手段となっており、さらに具体的にはヘッド側W/J521を流通する冷却水の流量を部分的に調節することで、シリンダヘッド52の冷却能力を部分的に調整可能な冷却能力調整手段となっている。
冷却装置1Aでは、ブロック側循環経路C1を流通する冷却水が、W/P11によって圧送された後、一巡するまでの間にヘッド側W/J521を流通することがないようになっている。また、冷却装置1Aではヘッド側循環経路C2を流通する冷却水が、W/P11によって圧送された後、一巡するまでの間にブロック側W/J511を流通することがないようになっている。すなわち冷却装置1Aでは、ブロック側W/J511とヘッド側W/J521とが互いに異なる冷却媒体循環経路に組み込まれている。
次にエンジン50Aについてさらに具体的に説明する。図2に示すように、シリンダブロック51にはシリンダ51aが形成されている。シリンダ51aにはシリンダライナ54Aを介してピストン53が設けられている。シリンダブロック51には断熱性の高いガスケット55を介してシリンダヘッド52が固定されている。ガスケット55はその高い断熱性でシリンダブロック51からシリンダヘッド52への熱伝達を抑制する。シリンダ51a、シリンダヘッド52およびピストン53は、燃焼室56を形成している。シリンダヘッド52には燃焼室56に吸気を導く吸気ポート52aと、燃焼室56から燃焼ガスを排出する排気ポート52bが形成されている。シリンダヘッド52には、燃焼室56の上部略中央に臨むようにして点火プラグ57が設けられている。
さらにシリンダヘッド52には、燃料噴射弁58が設けられている。燃料噴射弁58は筒内に燃料を直接噴射できるように設けられており、具体的にはシリンダヘッド52の吸気側、且つ吸気ポート52aよりもシリンダブロック51側の部分に設けられている。このように設けられた燃料噴射弁58はシリンダ51aの上部、且つ排気側の所定部分に向かって燃料を直接噴射可能に設けられている。
これに対してシリンダライナ54Aはシリンダ51aの上部であり、且つ当該所定部分以外の部分である主要上部に対応する部分を高熱伝導部54aAとするとともに、当該所定部分に対応する部分を低熱伝導部54bAとする熱伝導構造を備えている。
熱伝導部54aA、54bAは、具体的には例えばシリンダライナ54Aの外周面のうち、主要部分に対応する部分に高熱伝導皮膜を形成するとともに、所定部分に対応する部分に低熱伝導皮膜を形成することで構成することができる。
この点、高熱伝導皮膜は高熱伝導皮膜を特段形成しない場合と比較して、主要部分を介して行われる熱の伝導性を高めることができる皮膜となっており、低熱伝導皮膜は低熱伝導皮膜を特段形成しない場合と比較して、所定部分を介して行われる熱の伝導性を低下させることができる皮膜となっている。
そして熱伝導部54aA、54bAを構成するシリンダライナ54Aの熱伝導構造は、高熱伝導部54aAを特段構成しない場合と比較して、主要上部を介して行われる熱の伝導性を高めつつ、所定部分を介して行われる熱の伝導性を少なくとも主要部分よりも低下させる冷却構造となっている。
ブロック側W/J511は、具体的には第1の部分冷却媒体通路である部分W/J511aを備えている。部分W/J511aはシリンダ51aの周辺部に設けられている。
ヘッド側W/J521は、具体的には第2の部分冷却媒体通路である複数の部分W/J521a、部分W/J521b、部分W/J521cおよび部分W/J521dを備えている。部分W/J521aは吸気ポート52aの周辺部に、部分W/J521bは排気ポート52bの周辺部に、部分W/J521cは点火プラグ57の周辺部にそれぞれ設けられている。また、部分W/J521dは吸排気弁52a、52b間や、その他の部分を冷却するために設けられている。部分W/J521aから部分W/J524dまではヘッド側W/J521が形成する4系統の冷却系統に別個に組み込まれている。そして、第1の部分流量調節弁61が部分W/J521aに、第2の部分流量調節弁62が部分W/J521bに、第3の部分流量調節弁63が部分W/J521cに、第4の部分流量調節弁64が、部分W/J521dにそれぞれ対応させて設けられている。
さらに冷却装置1Aは図3に示すECU70を備えている。ECU70はCPU71、ROM72、RAM73等からなるマイクロコンピュータと入出力回路75、76とを備えている。これらの構成は互いにバス74を介して接続されている。ECU70には、エンジン50Aの回転数を検出するためのクランク角センサ81や、吸入空気量を計測するためのエアフロメータ82や、アクセル開度を検出するためのアクセル開度センサ83や、冷却水の温度を検知する水温センサ84などの各種のセンサ・スイッチ類が電気的に接続されている。この点、エンジン50Aの負荷はエアフロメータ82やアクセル開度センサ83の出力に基づきECU70で検出される。またECU70にはW/P11や流量調節弁14や、第1から第4までの部分流量調節弁61から64などの各種の制御対象が電気的に接続されている。
ROM72はCPU71が実行する種々の処理が記述されたプログラムやマップデータなどを格納するための構成である。CPU71がROM72に格納されたプログラムに基づき、必要に応じてRAM73の一時記憶領域を利用しつつ処理を実行することで、ECU70では各種の制御手段や判定手段や検出手段や算出手段などが機能的に実現される。
この点、ECU70では例えば、シリンダヘッド52の冷却能力を抑制するための制御を行う制御手段が機能的に実現される。
制御手段は、具体的には機関運転状態が高負荷である場合に、シリンダヘッド52の冷却能力を抑制するための制御を行うように実現される。
さらに具体的には、制御手段は機関運転状態が低回転高負荷である場合に、流量調節弁14を制御することで、ヘッド側W/J521に基づき発揮される冷却能力を抑制するための制御を行うように実現される。
また制御手段は、機関運転状態が高負荷である場合のほか、他の運転状態においてもエンジン50Aの運転を成立させるための制御を行うように実現される。
この点、機関運転状態は具体的にはエンジン50Aの回転数および負荷のほか、冷間運転時であるか否か、または機関始動時であるか否かに応じて図4に示す6つの区分D1からD6までに分類されている。そして冷却装置1Aでは、全体的な制御の整合性や簡素化などを考慮し、制御手段がW/P11については、基本的にエンジン50Aの回転数に応じて、回転数が高くなるほど吐出量が多くなるようにW/P11を駆動するための制御を行うとともに、各部分流量調節弁61から64までについては、基本的に全開にするための制御を行うように実現される。一方、流量調節弁14については、さらに具体的には以下に示す制御を行うよう実現される。
すなわち制御手段は、機関運転状態が区分D1に対応するアイドル状態である場合と、機関運転状態が区分D2に対応する軽負荷である場合と、区分D5に対応する機関冷間時と、区分D6に対応する機関始動時においては、流量調節弁14を閉弁するための制御を行うように実現される。
また制御手段は、機関運転状態が区分D3に対応する低回転高負荷である場合には、流量調節弁14を閉弁、或いはシリンダヘッド52への冷却水の流通を抑制しつつ、シリンダヘッド52における冷却水の沸騰を抑制可能な態様(以下、沸騰抑制態様と称す)で開弁するための制御を行うように実現される。
また制御手段は、機関運転状態が区分D4に対応する高回転高負荷である場合には、流量調節弁14を全開にするための制御を行うように実現される。
この点、機関運転状態が区分D3に対応する低回転高負荷である場合に、流量調節弁14を沸騰抑制態様で開弁するための制御を行うにあたっては、制御手段は具体的には例えばあらゆる条件において冷却水の沸騰を抑制できる必要最小限の開度で流量調節弁14を開弁することや、シリンダヘッド52を流通する冷却水の温度を検出或いは推定するとともに、当該冷却水の温度に基づいて流量調節弁14を間欠的に開弁することや、所定の回転数以上で流量調節弁14を開弁することなどができる。これによりシリンダヘッド52の冷却能力を抑制するにあたり、冷却水の沸騰を抑制しつつ、流量調節弁14が必要以上に開弁されることを抑制できる。
そして冷却装置1Aでは、制御手段の制御のもと、区分D3において流量調節弁14がこのようにシリンダヘッド52を流通する冷却水の流量を低下させることで、エンジン50Aを流通する冷却水の流量を局部的に低下させる。
そして冷却装置1Aでは、流量調節弁14が全開でない場合にシリンダヘッド52への冷却水の流通を抑制することで、シリンダヘッド52の冷却能力を抑制していることになる。この点、冷却装置1Aではさらに具体的には、流量調節弁14を閉弁するか、或いは沸騰抑制態様で流量調節弁14を開弁している場合にシリンダヘッド52の冷却能力を抑制していることになる。
なお、冷却装置1Aでは、全体的な制御の整合性や簡素化などを考慮した結果、区分D1、D2、D5およびD6において、制御手段が流量調節弁14を閉弁するための制御を行うように実現されている。但しこれに限られず、制御手段は区分D1、D2、D5およびD6において、W/P11、流量調節弁14および各部分流量調節弁61から64までを適宜制御することで互いに異なる制御を行うように実現されてもよい。これにより区分D1、D2、D5およびD6において、さらにエンジン50Aの運転を好適に成立させることもできる。
また、制御手段は機関運転状態が区分D3に対応する低回転高負荷である場合に、例えば流量調節弁14を全開にするとともに、流量調節弁14に代えて各部分流量調節弁61から64までを閉弁、或いは沸騰抑制態様で開弁するための制御を行うように実現することもできる。また制御手段は機関運転状態が低回転高負荷である場合に、例えば流量調節弁14を全開にするとともに、各部分流量調節弁61から64までのうち、少なくともいずれかの開度(例えば熱負荷の大きい部分に対応する部分流量調節弁62や部分流量調節弁63)を間欠的な態様で全閉状態から小さい開度で開弁するように実現することもできる。これにより、区分D3においてシリンダヘッド52の信頼性を好適に確保することもできる。
次にECU70で行われる処理を図5に示すフローチャートを用いて説明する。ECU70は機関始動時であるか否かを判定する(ステップS1)。肯定判定であれば、ECU70はW/P11の駆動を開始するとともに(ステップS3)、流量調節弁14を閉弁する(ステップS21)。一方、ステップS1で否定判定であれば、ECU70は機関冷間時であるか否かを判定する(ステップS5)。機関冷間時であるか否かは、例えば冷却水温が所定値(例えば75℃)以下であるか否かで判定できる。ステップS5で肯定判定であれば、ステップS21に進む。一方、ステップS5で否定判定であれば、ECU70はエンジン50Aの回転数および負荷を検出する(ステップS11)。
続いてECU70は検出した回転数および負荷に対応する区分を判定する(ステップS12からS14まで)。具体的には対応する区分が区分D1であれば、ステップS12の肯定判定からステップS21に進み、対応する区分が区分D2であれば、ステップS13の肯定判定からステップS21に進む。一方、対応する区分が区分D3であれば、ステップS14の肯定判定からステップS31に進む。このときECU70は流量調節弁14を閉弁、或いは沸騰抑制態様で開弁する(ステップS31)。また対応する区分が区分D4であれば、ステップS14の否定判定からステップS41に進み、ECU70は流量調節弁14を全開にする(ステップS41)。
次に冷却装置1Aの作用効果について説明する。冷却装置1Aでは、図6に示すように、熱伝導部54aA、54bAを構成するシリンダライナ54Aの冷却構造が、主要上部を介して行われる熱の伝導性を高めつつ、排気側の所定部分を介して行われる熱の伝導性を低下させる。
このため冷却装置1Aは、主要上部を介した熱の伝導性を高めることでエンジン50Aの冷却性を高めつつ、所定部分に向かって噴射される燃料の気化を促進できる。そして、このようにしてエンジン50Aの冷却性を高める冷却装置1Aは、燃料の気化を促進するにあたり、ノッキングが誘発されることを抑制できる。このため冷却装置1Aは、エンジン50Aの冷却性を考慮しつつ燃料の気化を促進することで、ノッキングの発生を抑制しつつ所定部分に向かって筒内に直接噴射される燃料の気化を促進できる。
またこのようにして燃料の気化を促進する冷却装置1Aは、所定部分を介して行われる熱の伝導性を設定可能な構造となっているため、最適或いはより好適な条件で燃料の気化を促進することもできる。
一方、エンジン50Aでは高い熱効率を実現することが望まれる。この点、エンジン50Aのクランク角度に応じた燃焼室56の熱伝達率および表面積割合は、図7に示すようになっている。図7に示すように熱伝達率は、圧縮行程上死点付近で高まることがわかる。そして表面積割合については、圧縮行程上死点付近でシリンダヘッド52とピストン53の表面積割合が大きくなることがわかる。したがって冷却損失については、シリンダヘッド52の温度の影響力が大きいことがわかる。一方、ノッキングについては圧縮端温度に依存するところ、圧縮端温度に影響する吸気圧縮行程ではシリンダ壁部の表面積割合が大きいことがわかる。したがってノッキングについてはシリンダ壁部の温度の影響力が大きいことがわかる。
これに対して、冷却装置1Aではかかる知見に基づき、機関運転状態が低回転高負荷である場合に、流量調節弁14を閉弁、或いは沸騰抑制態様で開弁する。そしてこれにより、ヘッド側W/J521を流通する冷却水の流量を制限することで、シリンダヘッド52の冷却能力を抑制でき、以ってエネルギー損失のうち、大きな割合を占める冷却損失を低減できる。
一方、この場合にはノッキングの発生が懸念される。これに対して冷却装置1Aでは、シリンダブロック51の冷却能力を抑制することなく、シリンダヘッド52の冷却能力を抑制可能な流量調節弁14を制御することで、ヘッド側W/J521を流通する冷却水の流量を制限する。このため冷却装置1Aではこれによりシリンダ壁部の冷却を維持でき、以ってノッキングの発生も抑制できる。
すなわち冷却装置1Aでは、上述した知見に基づく合理的な態様で熱伝達の状態を局部的に可変することでシリンダヘッド52の断熱(冷却損失の低減)を図ることができ、同時にシリンダブロック51の冷却を図ることで、ノッキングの発生も抑制できる。そして、このようにして冷却損失の低減とノック性能とを両立させることで、冷却装置1Aは熱効率を向上させることができる。また冷却装置1Aは、このようにして冷却損失を低減することで、上述の冷却構造と両立可能な態様で冷却損失を好適に低減できる。換言すれば、上述の冷却構造はこのようにして行う冷却損失の低減と好適に両立させることができる。
また冷却装置1Aでは、流量調節弁14が、シリンダヘッド52の冷却能力を抑制するようにヘッド側W/J521を流通する冷却水の流量を調節した場合に、シリンダブロック51の冷却能力を高めるようにブロック側W/J511を流通する冷却水の流量を調節可能になっている。このため冷却装置1Aではこれによって吸気をより一層冷却でき、ノッキングの発生をさらに好適に抑制できる。
また冷却装置1Aは、主に低回転高負荷時に熱効率の向上を図ることができる一方で、他の運転状態においてもエンジン50Aの運転を成立させることができる。この点、高回転高負荷時には信頼性確保やノッキングの低減のほか、例えば排気温度の低下による触媒の熱負荷低減を図ることもできる。このため冷却装置1Aは特定の運転状態だけでなく、通常行われるエンジン50Aの運転全体として見ても熱効率の向上を図ることができる。
本実施例にかかる冷却装置1Bはエンジン50Aの代わりにエンジン50Bを備えている点以外、冷却装置1Aと実質的に同一のものとなっている。またエンジン50Bは、次に示すようにシリンダライナ54Aの代わりにシリンダライナ54Bを備えている点と、流通阻止部59をさらに備えている点以外、エンジン50Aと実質的に同一のものとなっている。このため冷却装置1B全体の概略構成については図示省略する。
図8に示すように、シリンダライナ54Bはシリンダ51aの上部に対応する部分を高熱伝導部54aBとする熱伝導構造を備えている。高熱伝導部54aBは例えばシリンダライナ54Bの外周面のうち、シリンダ51aの上部に対応する部分に高熱伝導皮膜を形成することで構成することができる。
流通阻止部59は部分W/J511aを流通する冷却水の流通を部分的に阻止するための構成であり、部分W/J511aのうち、所定部分に対応する部分に設けられている。そしてこのように設けられた流通阻止部59は、部分W/J511aを流通する冷却水が、部分W/J511aのうち、所定部分に対応する部分を流通することを阻止できるようになっている。
本実施例では、シリンダライナ54Bと流通阻止部59とで冷却構造が実現されている。
次に冷却装置1Bの作用効果について説明する。冷却装置1Bでも、図9に示すようにシリンダライナ54Bと流通阻止部59とで実現される冷却構造により、主要上部を介した熱の伝導性を高めることでエンジン50Bの冷却性を高めつつ、排気側の所定部分に向かって噴射される燃料の気化を促進でき、これにより燃料の気化を促進するにあたり、ノックングが誘発されることも抑制できる。
また冷却装置1Bは、冷却構造を構成するにあたり、冷却装置1Aと比較して簡素なシリンダライナ54Bを備えることで、製作容易化を図ることもできる。
また冷却装置1Bも、かかる冷却構造と両立可能な態様で冷却装置1Aと同様にして冷却損失を好適に低減できる。
本実施例にかかる冷却装置1Cは、エンジン50Bの代わりにエンジン50Cを備えている点以外、冷却装置1Aと実質的に同一のものとなっている。またエンジン50Cは、流通阻止部59を備えていない点と、次に示すように密着性低下部60をさらに備える点以外、エンジン50Bと実質的に同一のものとなっている。このため冷却装置1C全体の概略構成については図示省略する。
図10に示すように、エンジン50Cでは排気側の所定部分につき、シリンダ51aとシリンダライナ54Bとの密着性を低下させる密着性低下部60が設けられる。密着性低下部60は具体的には例えば、排気側の所定部分につき、シリンダ51aおよびシリンダライナ54Bそれぞれのうち、少なくとも一方をシリンダ51aおよびシリンダライナ54B間に隙間を形成可能な形状に形成することで実現できる。この点、かかる形状は排気側の所定部分につき、範囲全体に亘って隙間を形成するものであってもよく、排気側の所定部分につき、複数の凹凸や溝によって範囲全体に亘って分布される隙間を形成するものであってもよい。
本実施例では、シリンダライナ54Bと密着性低下部60とで冷却構造が実現される。
次に冷却装置1Cの作用効果について説明する。冷却装置1Cでも、図11に示すようにシリンダライナ54Bと密着性低下部60とで実現される冷却構造により、主要上部を介した熱の伝導性を高めることでエンジン50Cの冷却性を高めつつ、排気側の所定部分に向かって噴射される燃料の気化を促進でき、これにより燃料の気化を促進するにあたり、ノッキングが誘発されることも抑制できる。
また冷却装置1Cは、冷却構造を構成するにあたり、冷却装置1Bと比較して流通阻止部59を必要としない点で、部品点数の削減を図ることもできる。
また冷却装置1Cも、上述の冷却構造と両立可能な態様で冷却装置1Aと同様にして冷却損失を好適に低減できる。
上述した実施例は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
例えば上述した実施例1では熱伝導部54aA、54bAを構成するシリンダライナ54Aが冷却構造を備える場合について説明した。しかしながら、本発明においては必ずしもこれに限られず、例えばシリンダが同様の冷却構造を備えてもよい。
1A、1B、1C 冷却装置
11 W/P
14 流量調節弁
50A、50B、50C エンジン
51 シリンダブロック
51a シリンダ
511 ブロック側W/J
52 シリンダヘッド
521 ヘッド側W/J
54A、54B シリンダライナ
59 流通阻止部
60 密着性低下部
70 ECU

Claims (2)

  1. シリンダが形成されたシリンダブロック、シリンダヘッドおよび前記シリンダの上部、且つ排気側の所定部分に向かって燃料を直接噴射可能に設けられた燃料噴射弁を備えたエンジンにつき、
    前記シリンダの上部であり、且つ前記所定部分以外の部分である主要上部を介して行われる熱の伝導性を高めつつ、前記所定部分を介して行われる熱の伝導性を少なくとも前記主要上部よりも低下させる冷却構造を備えたエンジンの冷却装置。
  2. 請求項1記載のエンジンの冷却装置であって、
    前記シリンダブロックの冷却能力を抑制することなく、前記シリンダヘッドの冷却能力を抑制可能な冷却能力調整手段と、
    前記冷却能力調整手段を制御することで、前記シリンダヘッドの冷却能力を抑制するための制御を行う制御手段と、をさらに備えたエンジンの冷却装置。
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