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JP2011201277A - 補正値算出方法、印刷装置の製造方法、及び、プログラム - Google Patents

補正値算出方法、印刷装置の製造方法、及び、プログラム Download PDF

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JP2011201277A
JP2011201277A JP2010073652A JP2010073652A JP2011201277A JP 2011201277 A JP2011201277 A JP 2011201277A JP 2010073652 A JP2010073652 A JP 2010073652A JP 2010073652 A JP2010073652 A JP 2010073652A JP 2011201277 A JP2011201277 A JP 2011201277A
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昌彦 吉田
Takeshi Yoshida
剛 吉田
Michiaki Tokunaga
道昭 徳永
Tatsuya Nakano
龍也 中野
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Seiko Epson Corp
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Abstract

【課題】 画質劣化を抑制すること。
【解決手段】 所定の濃度を示す指令階調値に基づいてパターンを印刷することと、列領域ごとにスキャナーによるパターンの読取結果である読取階調値を取得することと、パターンの中央部に対応する各列領域の読取階調値に基づいて、中央部に対応する各列領域の補正値である第1の補正値を算出することと、パターンの所定方向における端部に対応する列領域の近傍の列領域の読取階調値に基づいて端部に対応する列領域の補正値である第2の補正値を算出することと、を有することを特徴とする補正値算出方法。
【選択図】 図10

Description

本発明は、補正値算出方法、印刷装置の製造方法、及び、プログラムに関する。
印刷装置の1つとして、紙や布、フィルムなどの各種媒体にノズルからインクを吐出して印刷を行うインクジェットプリンター(以下、プリンター)がある。このようなプリンターでは、ノズルの加工精度の問題により濃度むらが発生する場合がある。例えば、あるノズルからのインク滴が飛行曲がりする場合、そのノズルによって形成される画像片だけでなく、その画像片と隣接する画像片の濃度にも影響を及ぼす。そのため、単にノズルに対応付けた補正値では濃度むらを抑制することができない。
そこで、画像片が形成される媒体上の領域(以下、列領域)ごとに補正値を設定する方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2007−1141号公報
補正値を算出するためのテストパターンをスキャナーで読み取ると、テストパターンの端部の読取結果は、用紙の余白の影響を受けてしまう。そのため、用紙の余白の影響を受けた列領域の補正を行わないとすると、補正を行わない列領域と補正を行う列領域との境目が目立ち、画質が劣化してしまう。
そこで、本発明は、画質劣化を抑制することを目的とする。
前記課題を解決する為の主たる発明は、媒体にインクを吐出するノズルが所定方向に並んだノズル列と前記媒体とを、前記所定方向と交差する方向に相対移動させながら、前記ノズルからインクを吐出する印刷装置が、所定の濃度を示す指令階調値に基づいて、パターンを印刷することと、前記交差する方向に沿うドット列が形成される前記媒体上の領域である列領域ごとに、スキャナーによる前記パターンの読取結果である読取階調値を取得することと、前記パターンの前記所定方向における中央部に対応する各前記列領域の前記読取階調値に基づいて、前記中央部に対応する各前記列領域の補正値である第1の補正値を算出することと、前記パターンの前記所定方向における端部に対応する前記列領域の近傍の前記列領域の前記読取階調値に基づいて、前記端部に対応する前記列領域の補正値である第2の補正値を算出することと、を有することを特徴とする補正値算出方法である。
本発明の他の特徴は、本明細書、及び添付図面の記載により、明らかにする。
プリンターの全体構成ブロック図である。 図2Aはプリンターの概略断面図であり、図2Bはプリンターの概略上面図である。 ヘッドの配置を示す図である。 図4Aは1回のパスで画像が完成する印刷方法を示し、図4Bは複数回のパスで画像が完成する印刷方法を示す。 上下端処理・通常処理が実施される印刷方法を説明する図である。 濃度むらの原因を説明する図である。 濃度むら補正値Hの算出フローを示す図である。 テストパターンを説明する図である。 図9Aはテストパターンの読取結果を示し、図9Bおよび図9Cは補正値算出方法の比較例を説明する図である。 通常補正値適用範囲とダミー補正値適用範囲を説明する図である。 図11A及び図11Bは通常補正値の具体的な算出方法を示す図である。 補正値テーブルを説明する図である。 ダミー補正値Hdの算出範囲を説明する図である。 完成した補正値テーブルを示す図である。 各階調値に対応した補正値Hを算出する様子を示す図である。 第2実施形態におけるダミー補正値の算出方法を説明する図である。 1個のヘッドを有するプリンターのテストパターンの読取階調値を説明する図である。
===開示の概要===
本明細書の記載、及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかとなる。
即ち、媒体にインクを吐出するノズルが所定方向に並んだノズル列と前記媒体とを、前記所定方向と交差する方向に相対移動させながら、前記ノズルからインクを吐出する印刷装置が、所定の濃度を示す指令階調値に基づいて、パターンを印刷することと、前記交差する方向に沿うドット列が形成される前記媒体上の領域である列領域ごとに、スキャナーによる前記パターンの読取結果である読取階調値を取得することと、前記パターンの前記所定方向における中央部に対応する各前記列領域の前記読取階調値に基づいて、前記中央部に対応する各前記列領域の補正値である第1の補正値を算出することと、前記パターンの前記所定方向における端部に対応する前記列領域の近傍の前記列領域の前記読取階調値に基づいて、前記端部に対応する前記列領域の補正値である第2の補正値を算出することと、を有することを特徴とする補正値算出方法である。
このような補正値算出方法によれば、スキャナーによる読取結果が余白の影響を受けた虞のある列領域の濃度むらを補正する補正値を算出することができ、画質劣化を抑制することができる。
かかる補正値算出方法であって、前記ノズル列を備える複数のヘッドを有する前記印刷装置が、前記パターンを印刷し、前記第2の補正値を算出するために使用する前記列領域に、前記端部に対応する前記列領域に割り当てられる前記ヘッドと同じ前記ヘッドが割り当てられる前記列領域を含めること。
このような補正値算出方法によれば、端部に対応する列領域に割り当てられるヘッドの特性に応じた第2の補正値を算出することができ、より濃度むらを抑制することができる。
かかる補正値算出方法であって、前記第2の補正値を算出するために使用する前記列領域に、前記端部に対応する前記列領域に割り当てられる前記ヘッドと異なる前記ヘッドが割り当てられる前記列領域を含めないこと。
このような補正値算出方法によれば、端部に対応する列領域に割り当てられるヘッドの特性により応じた第2の補正値を算出することができ、より濃度むらを抑制することができる。
かかる補正値算出方法であって、前記第2の補正値を算出するために使用する前記列領域に、前記端部に対応する前記列領域を含めないこと。
このような補正値算出方法によれば、余白の影響を受けていない列領域の読取階調値に基づいて第2の補正値を算出することができ、画質劣化を抑制することができる。
かかる補正値算出方法であって、前記第2の補正値を算出するために使用する前記列領域の前記第1の補正値に基づいて、前記第2の補正値を算出すること。
このような補正値算出方法によれば、スキャナーによる読取結果が余白の影響を受けた虞のある列領域の濃度むらを補正する補正値を算出することができ、画質劣化を抑制することができる。
かかる補正値算出方法であって、前記第2の補正値を算出するために使用する複数の前記列領域の各前記第1の補正値の平均値を、前記第2の補正値として算出すること。
このような補正値算出方法によれば、端部に対応する列領域の濃度を平均的に補正できる補正値を算出することができる。
また、媒体にインクを吐出するノズルが所定方向に並んだノズル列と前記媒体とを、前記所定方向と交差する方向に相対移動させながら、前記ノズルからインクを吐出する印刷装置が、所定の濃度を示す指令階調値に基づいて、パターンを印刷することと、前記交差する方向に沿うドット列が形成される前記媒体上の領域である列領域ごとに、スキャナーによる前記パターンの読取結果である読取階調値を取得することと、前記パターンの前記所定方向における中央部に対応する各前記列領域の前記読取階調値に基づいて、前記中央部に対応する各前記列領域の補正値である第1の補正値を算出することと、前記パターンの前記所定方向における端部に対応する前記列領域の近傍の前記列領域の前記読取階調値に基づいて、前記端部に対応する前記列領域の補正値である第2の補正値を算出することと、前記印刷装置が有する記憶部に、前記第1の補正値及び前記第2の補正値を記憶させること、を有することを特徴とする印刷装置の製造方法である。
このような印刷装置の製造方法によれば、スキャナーによる読取結果が余白の影響を受けた虞のある列領域の濃度むらを補正することができる印刷装置を製造することができる。
また、媒体にインクを吐出するノズルが所定方向に並んだノズル列と前記媒体とを、前記所定方向と交差する方向に相対移動させながら前記ノズルからインクを吐出する印刷装置が印刷する画像の濃度を補正する補正値を、コンピューターに算出させるためのプログラムであって、所定の濃度を示す指令階調値に基づいて、前記印刷装置に、パターンを印刷させることと、前記交差する方向に沿うドット列が形成される前記媒体上の領域である列領域ごとに、スキャナーによる前記パターンの読取結果である読取階調値を取得することと、前記パターンの前記所定方向における中央部に対応する各前記列領域の前記読取階調値に基づいて、前記中央部に対応する各前記列領域の補正値である第1の補正値を算出することと、前記パターンの前記所定方向における端部に対応する前記列領域の近傍の前記列領域の前記読取階調値に基づいて、前記端部に対応する前記列領域の補正値である第2の補正値を算出することと、を前記コンピューターに実行させるためのプログラムである。
このようなプログラムによれば、スキャナーによる読取結果が余白の影響を受けた虞のある列領域の濃度むらを補正する補正値を算出することができる。
===第1実施形態===
<<<印刷システムについて>>>
図1は、プリンター1の全体構成ブロック図であり、図2Aは、プリンター1の概略断面図であり、図2Bは、プリンター1の概略上面図である。以下、印刷装置をインクジェットプリンター(プリンター1)とし、プリンター1とコンピューター60が接続された印刷システムを例に挙げて実施形態を説明する。
コントローラー10は、プリンター1の制御を行うための制御ユニットである。インターフェース部11はコンピューター60とプリンター1との間でデータの送受信を行うためのものである。CPU12はプリンター1全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリー13はCPU12のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものである。CPU12はユニット制御回路14により各ユニットを制御する。なお、プリンター1内の状況を検出器群50が監視し、その検出結果に基づいて、コントローラー10は各ユニットを制御する。
搬送ユニット20は、媒体S(ロール紙など)が連続する方向(搬送方向)に、媒体Sを上流側から下流側に搬送するものである。モーターによって駆動する搬送ローラー21によって印刷前のロール状の媒体Sを印刷領域に供給し、その後、印刷済みの媒体Sを巻取機構によりロール状に巻き取る。なお、印刷中に印刷領域に位置する媒体を下からバキューム吸着することで、媒体Sを所定の位置に保持することができる。
駆動ユニット30は、ヘッドユニット40を、媒体Sの搬送方向に対応するX方向(交差する方向に相当)と媒体Sの紙幅方向に対応するY方向(所定方向に相当)とに自在に移動させるものである。駆動ユニット30は、ヘッドユニット40をX方向に移動させるX軸ステージ31と、ヘッドユニット40をY方向に移動させるY軸ステージ32と、これらを移動させるモーター(不図示)とで、構成されている。
ヘッドユニット40は、画像を形成するためのものであり、複数のヘッド41を有する。ヘッド41の下面には、インク吐出部であるノズルが複数設けられ、各ノズルにはインクが充填された圧力室が設けられている。なお、ノズルからのインク吐出方式は、駆動素子(ピエゾ素子)に電圧をかけて、圧力室を膨張・収縮させることによりインクを吐出するピエゾ方式でもよいし、発熱素子を用いてノズル内に気泡を発生させ、その気泡によってインクを吐出するサーマル方式でもよい。
図3は、ヘッドユニット40における複数のヘッド41の配置を示す図である。なお、図3はヘッド41およびノズルの配置をヘッドユニット40の上面から仮想的に見た図である。ここでは、ヘッドユニット40が15個のヘッド41(1)〜41(15)を有するとする。各ヘッド41のノズル面には、イエローインクを吐出するイエローノズル列Yと、マゼンタインクを吐出するマゼンタノズル列Mと、シアンインクを吐出するシアンノズル列Cと、ブラックインクを吐出するブラックノズル列Kが形成されている。各ノズル列はノズルを360個ずつ備え、360個のノズルは紙幅方向に一定の間隔(360dpi)で整列している。図示するように紙幅方向の上端側のノズルから順に小さい番号(正の整数の番号)を付す(#1〜#360)。
製造上の問題等により、ヘッドユニット40内において複数のヘッド41は千鳥状に配置されている。即ち、紙幅方向に隣り合うヘッド(例:41(1),41(2))は搬送方向にずれて配置されている。また、説明のため、紙幅方向の上端側のヘッド41から順に、第1ヘッド41(1)、第2ヘッド41(2)…と呼ぶ。また、紙幅方向に隣り合う2つのヘッド(例:41(1)・41(2))の端部の10個のノズルが重複している。ゆえに、ヘッドユニット40内において、複数のノズルがヘッドユニット40の幅長さに亘って紙幅方向に一定の間隔(360dpi)で並んでいる。
次に、印刷手順について説明する。まず、搬送ユニット20により印刷領域に媒体Sを供給する。そして、X軸ステージ31にてヘッドユニット40をX方向(媒体の搬送方向)に移動させながらノズルからインクを吐出する画像形成動作と、Y軸ステージ32によりX軸ステージ31を介して、ヘッドユニット40をY方向(紙幅方向)下端側に移動する動作と、を繰り返す。その結果、先の画像形成動作により形成されたドット位置とは異なる位置に、後の画像形成動作によりドットを形成することができ、印刷領域に位置する媒体Sに対して2次元の画像を印刷することができる。こうして印刷領域に位置する媒体Sへの印刷が終了すると、搬送ユニット20により印刷が未だなされていない媒体部分が印刷領域に供給され、印刷領域の媒体に画像が印刷される。以下の説明では、1回の画像形成動作(ヘッドユニット40をX方向に移動させながら画像を形成する動作)を「パス」と呼ぶ。
<<<印刷方法>>>
図4Aは、1回のパスで画像が完成する印刷方法を説明する図であり、図4Bは、複数回のパスで画像が完成する印刷方法を説明する図である。図中ではヘッド41に属するノズル数を減らして描く。また、本実施形態のプリンター1では図3に示すようにヘッド41の端部のノズルが重複しているが、説明の簡略のため、以下では、重複する2つのノズルのうちの一方のノズルを使用するとする。また、X方向に沿うドット列を「ラスターライン」と呼ぶ。そして、画像データを構成する画素に対応する媒体上の領域、即ち、1つのドットが形成される媒体上の単位領域を「画素領域」と呼び、X方向に並ぶ画素領域の群を「列領域」と呼ぶ。即ち、1つの列領域に1つのラスターラインが形成されることになる。画像を構成する列領域に対して、Y方向の上端側の列領域から順に小さい番号を付す。例えば、図4では、Y方向の最も上端側の列領域を1番目の列領域と呼び、「L1」と付す。本実施形態のプリンター1では、図2Bに示すように、ヘッドユニット40のY方向の長さが媒体Sの紙幅に対して比較的に長い。そのため、例えば、紙幅の小さい媒体Sに画像を印刷する場合や小さい画像を印刷する場合には、ヘッドユニット40をY方向下端側へ大きく移動することなく画像を完成することが出来る。
図4AはY方向の印刷解像度が比較的に低い印刷方法を示す。Y方向の印刷解像度がノズルピッチ(図3の360dpi)に相当する場合、1回のパス、即ち、ヘッドユニット40がX方向へ1回移動することによって画像が完成する。この印刷方法では、Y方向上端側の番号の小さい列領域には、第1ヘッド41(1)によるラスターライン(白いドット列)が形成され、Y方向下端側の番号の大きい列領域には、第15ヘッド41(15)によるラスターライン(斜線のドット列)が形成される。
図4BはY方向の印刷解像度が比較的に高い印刷方法を示す。Y方向の印刷解像度がノズルピッチの4倍(1440dpi)に相当する場合、最初のパス1で形成されたラスターライン間に3つのラスターラインが形成される。そのため、4回のパスによって画像が完成し、パス間ではヘッドユニット40がY方向下端側に1440dpiに相当する長さを搬送される。この印刷方法でも、図4Aの印刷方法と同様に、Y方向上端側の番号の小さい列領域には、第1ヘッド41(1)によるラスターラインが形成され、Y方向下端側の番号の大きい列領域には、第15ヘッド41(15)によるラスターラインが形成される。
図5は、上端処理・通常処理・下端処理が実施される印刷方法を説明する図であり、パスごとのヘッド41の遷移図を示す図である。説明の容易のため、Y方向の最も上端側の第1ヘッド41(1)とY方向の最も下端側の第15ヘッド41(15)だけを図示し、間のヘッド41は省略し、ヘッド41に属するノズル数を7個とする。第1ヘッド41(1)のノズルを丸で示し、第15ヘッド41(15)のノズルを三角で示し、インクを吐出するノズルを黒塗りし、インクを吐出しないノズルを白塗りにする。図5では、Y方向の印刷解像度がノズルピッチの2倍(720dpi)に相当する。
印刷開始時および印刷終了時において、媒体に対するヘッドユニット40の飛び出し量を少なくするために、上端処理と下端処理を実施する。図5では、1マスのY方向の長さをDとし、ノズルピッチが2Dに相当し、通常処理のヘッドユニット40の搬送量が5Dであり、上下端処理のヘッドユニット40の搬送量がDである。
図4Aおよび図4Bの印刷方法では、1つの列領域に対して1つのノズルが割り当てられ、1つのラスターラインを1つのノズルで形成する。これに対して、図5の印刷方法では、1つの列領域に対して複数のノズルが割り当てられ、1つのラスターラインを複数のノズルで形成する。そのため、通常処理で印刷される列領域(Y方向中央の列領域)には、異なるヘッド41により1つのラスターラインが形成される。
しかし、上端処理および下端処理のヘッドユニット40の搬送量は、通常処理のヘッドユニット40の搬送量に比べて短い。そのため、図5の印刷方法でも、図4の印刷方法と同様に、上端処理で印刷される列領域、即ち、Y方向上端側の番号の小さい列領域には、第1ヘッド41(1)によるラスターラインが形成され、Y方向下端側の番号の大きい列領域には、第15ヘッド41(15)によるラスターラインが形成される。
<<<濃度むらについて>>>
図6は、濃度むらの原因を説明する図である。ノズルの加工精度の問題によって、ノズルからのインク吐出量にばらつきが生じたり、ノズルから吐出されたインク滴が飛行曲がりして正しい位置に着弾しながったりすると、画像に濃度むらが発生する。
例えば、図6では、2番目の列領域に形成されたラスターライン(ドット)は、ノズルから吐出されたインク滴の飛行曲がりにより、3番目の列領域に寄って形成される。その結果、2番目の列領域は淡く視認され、3番目の列領域は濃く視認される。一方、5番目の列領域に吐出されたインク滴のインク量は規定量よりも少なく、5番目の列領域に形成されるドットが小さくなっている。その結果、5番目の列領域は淡くなる。これが画像上において濃度むらとなって現れる。そのため、淡く印刷される列領域は濃く印刷されるように補正し、濃く印刷される列領域は淡く印刷されるように補正することで、濃度むらを抑制できる。
ただし、3番目の列領域が濃くなる理由は、3番目の列領域に割り当てられたノズルの影響によるものではなく、隣接する2番目の列領域に割り当てられたノズルの影響によるものである。このため、3番目の列領域に割り当てられたノズルが別の列領域にラスターラインを形成する場合、その列領域に形成される画像片が濃くなるとは限らない。つまり、同じノズルにより形成された画像片であっても、隣接する画像片を形成するノズルが異なれば、濃度が異なる場合がある。このような場合、単にノズルに対応付けた補正値では、濃度むらを抑制することができない。そこで、本実施形態では、列領域ごとに濃度むらを抑制する補正値Hを設定する。また、印刷濃度によっても濃度むらの度合いが異なるため、濃度ごと(濃度を示す階調値ごと)にも、濃度むらを抑制する補正値Hを設定する。
<<<濃度むら補正値Hの算出>>>
図7は、濃度むら補正値Hの算出フローを示す図である。列領域ごとの濃度むら補正値Hは、プリンター1の製造工程やメンテナンス時に、プリンター1ごとに算出する。ここでは、補正値Hの算出対象のプリンター1に接続されたコンピューターにインストールされている「補正値取得プログラム(プログラムに相当)」に従って、補正値Hが算出されるとする。補正値取得プログラムは、CD−ROMなどの記録媒体(コンピューターが読み取り可能な記録媒体)に記録されていたり、インターネットを介してコンピューターにダウンロード可能であったりする。補正値取得プログラムは、コンピューターのハードウェア資源を利用して、以下の処理を実行する。
<S01:テストパターンの印刷>
図8は、テストパターンを説明する図である。補正値取得プログラムは、まず、補正値Hの算出対象のプリンター1に、テストパターンを印刷させる。テストパターンは、インクの色ごと、即ちノズル列ごと(YMCK)に形成された4つの補正用パターンによって構成される。1つの補正用パターンは、3種類の濃度の帯状パターンから構成される。帯状パターンはそれぞれ一定の階調値の画像データから生成されたものである。帯状パターンを形成するための階調値を指令階調値と呼び、濃度30%の帯状パターンの指令階調値をSa(76)、濃度50%の帯状パターンの指令階調値をSb(128)、濃度70%の帯状パターンの指令階調値をSc(179)と表す。なお、階調値の値が高いほど濃い濃度を表し、階調値の値が低いほど淡い濃度を表す。
図4や図5に示すように、印刷方法によって、画像を構成する列領域の数や各列領域に割り当てられるノズルが異なる。そこで、補正値取得プログラムは、プリンター1が実施する印刷方法ごとに、濃度むら補正値Hを算出する。そのために、補正値取得プログラムは、プリンター1が実施する各印刷方法によって、プリンター1にテストパターンを印刷させる。例えば、図4Bの印刷方法によってテストパターンが印刷された場合、4回のパスでテストパターンの印刷が完成し、補正用パターンはn個のラスターライン(列領域)から構成される。また、図5の印刷方法における通常処理のパス数は媒体サイズ等によって変動する。通常処理では、所定数の列領域ごとに、割り当てられるノズルに規則性が生じる。そこで、補正用パターンには、少なくとも、通常処理における規則性のある所定数の列領域が含まれるようにする。
<S02:読取階調値の取得>
補正値取得プログラムがインストールされたコンピューターには、スキャナーが接続されている(ただし、プリンター1がスキャナー機能を有する場合はこれに限らない)。テストパターンが印刷された用紙Sを検査者がスキャナーにセットした後、補正値取得プログラム(又はスキャナードライバー)は、セットされたテストパターンをスキャナーに読み取らせる。その後、補正値取得プログラムは、テストパターンの読取結果を取得する。なお、読取データ上において、テストパターンの画像が傾いている場合には、画像の傾きθを検出し、回転処理を行って画像の傾きを補正するとよい。以下、読取データ上において、1つのドットが形成される媒体上の単位領域である「画素領域」に対応する領域を「画素」と呼び、画素領域がX方向に並んだ「列領域」に対応する領域を「画素列」と呼ぶ。
また、例えば、テストパターンのY方向の印刷解像度よりも高い解像度にてテストパターンを読み取らせた場合、補正用パターンを構成する列領域の数(ラスターラインの数)よりも、読取データ上の画素列の数の方が多くなる。この場合、補正値取得プログラムは、補正用パターンを構成する列領域の数と読取データ上の画素列の数とを同数にして、補正用パターンを構成する列領域と読取データ上の画素列とを一対一で対応させる。
補正用パターンを構成する列領域と読取データ上の画素列とを対応させた後、補正値取得プログラムは、インク(YMCK)ごと、帯状パターン(30%,50%,70%)ごとに、各列領域(L1〜)の読取階調値(濃度)を算出する。具体的には、補正値取得プログラムは、或る色の、或る帯状パターンの、或る列領域に対応する画素列に属する画素の読取階調値の平均値を、その色、帯状パターン、列領域の「読取階調値(濃度)」として算出する。なお、スキャナーによる読取階調値の値が高いほど濃い濃度を表し、読取階調値の値が低いほど淡い濃度を表す。
<比較例の補正値算出方法>
図9Aは、図4Bの印刷方法により印刷されたテストパターンのうち、シアンの濃度50%の帯状パターンをスキャナーが読み取った結果を示し、図9Bおよび図9Cは、補正値算出方法の比較例を説明する図である。以下、図4Bの印刷方法により印刷されたシアンの濃度50%の帯状パターンを例に挙げて、濃度むら補正値Hの算出方法を説明する。図9Aのグラフでは、横軸が列領域番号であり、縦軸が読取階調値である。図4Bの印刷方法により印刷されたテストパターンであるため、補正用パターン(帯状パターン)を構成する列領域は1番目の列領域からn番目の列領域であり、図9Aに示すように番号の小さい列領域から順に、番号の小さいヘッド41によって印刷された列領域となる。
濃度50%の帯状パターンは、指令階調値Sbで一様に形成されたにも関わらず、列領域ごとに読取階調値にばらつきが生じている。この列領域ごとの読取階調値のばらつきが、印刷画像の濃度むらの原因となる。また、本実施形態のプリンター1は15個のヘッド41を有する。ヘッド41の製造誤差や取付誤差などによって、各ヘッド41の印刷特性にもばらつきが生じる。例えば、図9Aでは、第1ヘッド41(1)によって印刷される画像の濃度は比較的に濃く視認され、第2ヘッド41(2)によって印刷される画像の濃度は比較的に淡く視認される。このように、各ノズルのインク吐出特性のばらつきに限らず、ヘッド41ごとの印刷特性のばらつきも、濃度むらの原因となる。
図9Bは、比較例の算出方法により算出した濃度むらの補正値を示すグラフである。横軸が列領域番号であり、縦軸が補正値である。補正値が大きいほど(正の値)、画像の濃度を濃く補正し、補正値が小さいほど(負の値)、画像の濃度を淡く補正する。例えば、図9Aに示すように第1ヘッド41(1)によって印刷される画像は、他のヘッド41によって印刷される画像に比べて濃く印刷されるため、図9Bに示すように、第1ヘッド41(1)に割り当てられる列領域の補正値は小さい値(淡く補正する補正値)となっている。一方、第2ヘッド41(2)によって印刷される画像は、他のヘッド41によって印刷される画像に比べて淡く印刷されるため、第2ヘッド41(2)に割り当てられる列領域の補正値は大きい値(濃く補正する補正値)となっている。その結果、第1ヘッド41(1)によって印刷される画像の濃度は淡くなるように補正され、逆に、第2ヘッド41(2)によって印刷される画像の濃度は濃くなるように補正されるので、濃度むらが抑制される。
ところで、補正用パターン(図8)においてY方向の上端部および下端部に相当する列領域は、テストパターンが印刷された用紙の余白に近い。そのため、補正用パターンをスキャナーで読み取る際に、Y方向の上端部および下端部に相当する列領域は媒体の地色の影響を受けてしまう。媒体の地色(下地)が白色である場合、余白に近い列領域は、実際の濃度よりも淡く読み取られてしまう虞がある。図9Aに示すように、上端部に相当する番号の小さい列領域の読取階調値、及び、下端部に相当する番号の大きい列領域の読取階調値は、近傍の列領域の読取階調値に比べて、低い値(淡い値)となっている。
図9Bに示す比較例の補正値算出方法では、余白の影響を受けた列領域の補正値を、余白の影響を受けたその列領域の読取階調値に基づいて算出する。その結果、図9Bに示すように、余白の影響を受けた列領域の補正値(線で囲われた補正値)は、大きい値、即ち、画像濃度を濃く補正する補正値となってしまっている。第1ヘッド41(1)および第15ヘッド41(15)によって印刷される画像は、他のヘッド41によって印刷される画像に比べて、濃く印刷される。そのため、第1ヘッド41(1)によって印刷される上端部に相当する列領域も、第15ヘッド41(15)によって印刷される下端部に相当する列領域も、実際には濃く印刷されているはずである。しかし、上端部と下端部に相当する列領域の読取結果(読取階調値)は、余白の影響を受けて実際の濃度よりも淡い読取結果となるため、この淡い読取結果に基づいて算出した補正値では濃度むらを抑制することが出来ない。
つまり、余白の影響を受けた列領域の読取階調値は、上端部および下端部に相当する列領域の正しい読取結果ではないため、その正しい読取結果ではない読取階調値に基づいて補正値を算出したとしても、濃度むらを抑制することは出来ない。特に、この図9Bのように、上端部および下端部に相当する列領域は、実際には濃く印刷されるため淡く補正しなければならないところを、余白の影響を受けて濃く補正する補正値が算出されてしまうと、濃度むらを悪化させてしまう虞がある。また、上端部および下端部に相当する列領域は更に濃くなるように補正されるのに対して、その近傍の列領域、即ち、第1ヘッド41(1)および第15ヘッド41(15)によって印刷される他の列領域は淡く補正される。そのため、余白の影響を受けた列領域と、そうでない列領域の境目が目立ち画質が劣化してしまう。
図9Cに示す比較例の算出方法では、余白の影響を受けた列領域の補正値を0とする。即ち、余白の影響を受けた列領域に対しては濃度補正を実施しないとする。この場合、図9Bに示す補正値のように、余白の影響を受けた列領域に対して逆の補正を行って濃度むらを悪化してしまうことは防止できる。ただし、余白の影響を受けていない列領域は、一定の濃度で画像が印刷されるように補正されるのに対して、余白の影響を受けた列領域は濃度補正されないため、画像の上端部および下端部の濃度むらは解消されないままである。
また、複数のヘッド41を有するプリンター1では、ヘッド41ごとの特性差により、各ヘッド41により印刷される画像に濃度差が生じる。ヘッド41ごとに生じる濃度差は、同じヘッド41内のノズルごとに生じる濃度差よりも大きい傾向がある。例えば、図9Aに示すように、第2ヘッド41(2)から第14ヘッド41(14)によって印刷される画像の読取階調値は比較的近い値であるが、第1ヘッド41(1)および第15ヘッド41(15)によって印刷される画像の読取階調値は、他のヘッド41(2)〜41(14)によって印刷される画像の読取階調値と比較的に離れた値であるとする。そして、全ヘッド41(1)〜41(15)の読取階調値の平均値を目標値とし、各ヘッド41によって印刷される画像の濃度がこの目標値となるように、補正値が算出されたとする。この場合、第1ヘッド41(1)と第15ヘッド41(15)の補正量は、他のヘッド41の補正量に比べて大きくなる。ただし、第1ヘッド41(1)および第15ヘッド41(15)に印刷される列領域のうち、余白の影響を受ける列領域だけ補正されないため、他の列領域と比べて濃度差が大きくなってしまう。その結果、余白の影響を受けた列領域と、そうでない列領域の濃度差が境目となって目立ち画質が劣化してしまう。
また、全ヘッド41(1)〜41(15)の読取階調値の平均値を目標値にする場合に限らず、補正用パターンを印刷した際の指令階調値(図9ではSb)を目標値として補正値が算出される場合にも同様のことが言える。例えば、第1ヘッド41(1)及び第15ヘッド41(15)の読取階調値が指令階調値から離れた値であるとする。この場合にも、第1ヘッド41(1)と第15ヘッド41(15)の補正量は、他のヘッド41の補正量に比べて大きくなる。ただし、余白の影響を受けた列領域は補正されないため、余白の影響を受けた列領域と、そうでない列領域の濃度差が境目となって目立ち画質が劣化してしまう。
そこで、本実施形態では、テストパターンが印刷された用紙の余白の影響を受ける列領域と余白の影響を受けていない列領域との濃度差を解消し、境目を目立ち難くすることを目的とする。言い換えれば、画像全域の濃度むらを解消し、画質劣化を抑制することを目的とする。
<本実施形態の補正値算出方法>
図10は、通常補正値Ho適用範囲とダミー補正値Hd適用範囲を説明する図である。図10のグラフは、図9Aのグラフと同様に、シアンの濃度50%の帯状パターンをスキャナーによって読み取った結果である。補正用パターンの上端部に相当する番号の小さい列領域の読取階調値および補正用パターンの下端部に相当する番号の大きい列領域の読取階調値は、テストパターンを印刷した用紙の余白の影響を受けて、実際の濃度よりも淡い濃度に読み取られる。そこで、本実施形態では、この余白の影響を受けた列領域の補正値を、近傍の列領域の補正値に基づいて算出する。
図10では、余白の影響を受けた上端部の列領域を1番目の列領域から20番目の列領域(L1〜L20)とし、余白の影響を受けた下端部の列領域をn1番目列領域からn番目の列領域(Ln1〜Ln)とする。この余白の影響を受けた列領域に対して、近傍の他の列領域の補正値に基づいて算出する補正値(以下、「ダミー補正値Hd(第2の補正値に相当)」と呼ぶ)を適用する。ダミー補正値Hdが適用される列領域の範囲を「ダミー補正値適用範囲」と呼ぶ。ダミー補正値適用範囲に属する列領域が、補正用パターンのY方向における端部に対応する列領域に相当する。そして、余白の影響を受けていない列領域、即ち、ダミー補正値適用範囲外の列領域に対しては、各列領域の読取階調値に基づいて算出する補正値(以下、「通常補正値Ho(第1の補正値に相当)」と呼ぶ)を適用する。通常補正値Hoが適用される列領域の範囲を「通常補正値適用範囲」と呼ぶ。通常補正値適用範囲に属する列領域が、補正用パターンのY方向における中央部に対応する列領域に相当する。即ち、図10では、21番目の列領域からn1−1番目の列領域までの範囲(L21〜Ln1−1)が、「通常補正値適用範囲」となる。なお、ここでは、余白の影響を受ける列領域の数を20個としているがこれに限らない。
<S03:通常補正値Hoの算出>
補正値取得プログラムは、プリンター1にテストパターンを印刷させ、テストパターをスキャナーが読み取った読取階調値(例えば図10)を取得した後、通常補正値適用範囲に属する列領域ごとに、通常補正値Hoを算出する。例えば、シアンの濃度50%の帯状パターンの読取結果である図10のグラフでは、i番目の列領域Liは、他の列領域に比べて淡く視認され、j番目の列領域Ljは、他の列領域に比べて濃く視認されている。この列領域ごとの読取階調値のばらつきが、濃度むらの原因となる。そこで、通常補正値適用範囲に属する列領域にそれぞれ形成される画像片の濃度を一定の値に近づけることで、通常補正値適用範囲の濃度むらを抑制することが出来る。
そこで、補正値取得プログラムは、色(YMCK)ごとに、指令階調値(Sa,Sb,Sc)ごとに、通常補正値適用範囲に属する列領域(L21〜Ln1−1)の各読取階調値の平均値を算出し、この平均値を濃度補正の目標値とする。例えば、シアンの濃度50%の帯状パターンを構成する列領域のうち、通常補正値適用範囲に属する列領域の各読取階調値の平均値が「Cbt」であるとする。この場合、補正値取得プログラムは、指令階調値Sbで各列領域に印刷される画像片の濃度(読取階調値)が目標値(平均値)Cbtに近づくように、指令階調値Sbを補正する補正値を算出する。
例えば、図10に示すように、目標値Cbtよりも読取階調値の低いi番目の列領域に対応する画素の示す階調値を、指令階調値Sbよりも濃い階調値に補正する。一方、目標値Cbtよりも読取階調値の高いj番目の列領域に対応する画素の示す階調値を、指令階調値Sbよりも淡い階調値に補正する。
図11A及び図11Bは、通常補正値Hoの具体的な算出方法を示す図である。図11Aは目標値Cbtよりも読取階調値の低いi番目の列領域において、指令階調値(Sb)に対する目標指令階調値(Sbt)を算出する様子を示す。横軸が階調値を示し、縦軸がi番目の列領域の読取階調値を示す。グラフ上には、指令階調値(Sa,Sb,Sc)に対する読取階調値(Cai,Cbi,Cci)がプロットされている。指令階調値Sbに対してi番目の列領域が目標値Cbtで表されるための目標指令階調値Sbtは次式(直線BCに基づく線形補間)により算出される。
Sbt=Sb+{(Sc−Sb)×(Cbt−Cbi)/(Cci−Cbi)}
同様に、図11Bに示すように、目標値Cbtよりも読取階調値の高いj番目の列領域において、指令階調値Sbに対してj番目の列領域が目標値Cbtで表されるための目標指令階調値Sbtは次式(直線ABに基づく線形補間)により算出される。
Sbt=Sa+{(Sb−Sa)×(Cbt−Caj)/(Cbj−Caj)}
こうして、指令階調値Sbに対する各列領域の目標指令階調値Sbtが算出される。その後、補正値取得プログラムは、次式により、通常補正値適用範囲に属する列領域ごとに、指令階調値Sbに対するシアンの通常補正値Ho(b)を算出する。同様にして、補正値取得プログラムは、他の指令階調値(Sa,Sc)に対する通常補正値Ho、及び、他の色(イエロー,マゼンタ,ブラック)に対する通常補正値Hoも算出する。
Ho(b)=(Sbt−Sb)/Sb
<S04:通常補正値Hoの記憶>
図12は、補正値テーブルを説明する図である。補正値取得プログラムは、通常補正値適用範囲に属する列領域の通常補正値Hoを算出した後、算出した通常補正値Hoを補正値テーブルに記憶させる。補正値テーブルでは、列領域ごと、3つの指令階調値(Sa,Sb,Sc)ごとに、それぞれ対応する通常補正値(Ho(a),Ho(b),Ho(c))が記憶される。この段階では、通常補正値適用範囲に属する列領域(L21〜Ln1−1)に対応する補正値Hoだけが記憶され、ダミー補正値適用範囲に属する列領域(L1〜L20,Ln1〜Ln)に対応する補正値Hdは記憶されない。なお、図5の印刷方法のように、通常処理にて所定数の列領域ごとに規則性がある場合、その所定数の列領域に対応する数の補正値を記憶するとよい。
<S05:ダミー補正値Hdの算出>
図13は、ダミー補正値Hdの算出範囲を説明する図である。図13は、シアンの指令階調値Sbの通常補正値Ho(b)をグラフで表したもので、横軸が列領域番号であり、縦軸が通常補正値Hoである。ここでは、Y方向上端側のダミー補正値適用範囲に属する列領域(L1〜L20)を例に挙げて説明する。本実施形態では、ダミー補正値適用範囲の近傍の他の列領域の通常補正値Hoに基づいて、ダミー補正値適用範囲に属する列領域のダミー補正値Hdを算出する。なお、上端側のダミー補正値適用範囲に属する列領域には共通のダミー補正値Hd(u)を適用し、下端側のダミー補正値適用範囲に属する列領域には共通のダミー補正値Hd(l)を適用する。ダミー補正値Hdを算出するために使用する列領域の範囲を「ダミー補正値算出範囲」と呼ぶ。ダミー補正値算出範囲に属する列領域が、ダミー補正値を算出するために使用する列領域に相当し、補正用パターンの端部に対応する列領域(ダミー補正値適用範囲の列領域)の近傍の列領域に相当する。図13では、21番目の列領域から50番目の列領域をダミー補正値算出範囲とする。なお、補正値取得プログラムは、ダミー補正値適用範囲やダミー補正値算出範囲をパラメーターとして記憶している。
補正値取得プログラムは、指令階調値Sbに対する上端側のダミー補正値Hd(bu)を算出するために、まず、図12の補正値テーブルを参照し、ダミー補正値算出範囲に属する列領域の指令階調値Sbに対する通常補正値(Ho(b21)〜Ho(b50))を取得する。次に、補正値取得プログラムは、取得した通常補正値Hoの平均値Haveを算出する。(Have={Ho(b21)+Ho(b22)+…+Ho(b50)}/30)を算出する。この算出した平均値Haveが、指令階調値Sbに対する上端側のダミー補正値Hd(bu)である。同様にして、補正値取得プログラムは、他の指令階調値Sa,Scに関しても上端側のダミー補正値Hd(au),Hd(cu)を算出する。また、図示しないが、下端側のダミー補正値算出範囲が、例えば、n1−30番からn1−1番目の列領域であるとする。この場合、補正値取得プログラムは、指令階調値ごとに、n1−30番目からn1−1番目の列領域の通常補正値Hdの平均値をダミー補正値Hdとして算出する。
即ち、本実施形態では、ダミー補正値適用範囲(例:L1〜L20)の近傍の他の列領域(例:L21〜L50)をダミー補正値算出範囲とし、ダミー補正値算出範囲に属する列領域の通常補正値Hoの平均値を、ダミー補正値Hdとして算出する。
前述の図9Aに示すように、ヘッド41ごとの特性差により、各ヘッド41によって印刷される画像の濃度にばらつきが生じる。図9Aでは、第1ヘッド41(1)によって印刷される画像は他のヘッド41によって印刷される画像に比べて濃度が高い。ゆえに、第1ヘッド41(1)によって印刷される列領域は淡く補正する必要がある。上端側のダミー補正値適用範囲の列領域(L1〜L20)は第1ヘッド41(1)によって印刷されるため、ダミー補正値Hdは画像濃度を淡くする補正値にする必要がある。本実施形態では、ダミー補正値適用範囲の近傍の他の列領域をダミー補正値算出範囲としている。そのため、ダミー補正値算出範囲の列領域(L21〜L50)も第1ヘッド41(1)によって印刷される列領域であり、ダミー補正値算出範囲の列領域の通常補正値Hoは画像濃度を淡くする補正値である。よって、ダミー補正値Hdも画像濃度を淡くする補正値となり、ダミー補正値適用範囲の列領域(L1〜L20)が第1ヘッド41(1)によって濃く印刷されてしまうところを、ダミー補正値Hdにより淡く補正される。その結果、ダミー補正値適用範囲の列領域と他の列領域との濃度むらを抑制することが出来る。
本実施形態のプリンター1は、図4や図5に示す印刷方法を実施する。どの印刷方法においても、Y方向上端側の番号の小さい複数の列領域は第1ヘッド41(1)によって印刷され、Y方向下端側の番号の大きい複数の列領域は第15ヘッド41(15)によって印刷される。よって、テストパターンをスキャナーで読み取った際に、上端側の余白の影響を受ける列領域は第1ヘッド41(1)によって印刷される。そのため、上端側のダミー補正値算出範囲は第1ヘッド41(1)によって印刷される列領域を含むとよい。一方、下端側の余白の影響を受ける列領域は第15ヘッド41(15)によって印刷されるため、下端側のダミー補正値算出範囲は第15ヘッド41(15)によって印刷される列領域を含むとよい。
つまり、ダミー補正値適用範囲に属する列領域を印刷するヘッド41とダミー補正値算出範囲に属する列領域を印刷するヘッド41とを同じにすることによって、ダミー補正値適用範囲に属する列領域を印刷するヘッド41の特性に応じた補正値を算出することができ、濃度むらを抑制することが出来る。そして、ダミー補正値適用範囲に属する列領域(例:L1〜L20)も、その近傍のダミー補正値算出範囲に属する列領域(例:L21〜L50)も、同程度の濃度で印刷されるが(例:濃く印刷されるが)、同じ様に補正されるため(例:淡く補正されるため)、余白の影響を受けた列領域(ダミー補正値適用範囲の列領域)と余白の影響を受けていない列領域の境目を目立ち難くすることが出来る。更に言えば、ダミー補正値適用範囲の列領域を印刷するヘッド41と異なるヘッド41で印刷する列領域は、ダミー補正値算出範囲に含めない。そうすることで、より確実に、ダミー補正値適用範囲の列領域を印刷するヘッド41の特性に応じたダミー補正値Hdを、算出することが出来る。
ダミー補正値適用範囲とダミー補正値算出範囲に各々属する列領域を印刷するヘッド41を同じにするためには、印刷開始位置からほぼヘッド1個分の長さの領域に位置する列領域を、ダミー補正値算出範囲の列領域にするとよい。具体的には、上端側のダミー補正値算出範囲に属する列領域は、最初のパス1にて第1ヘッド41(1)の最も下端側のノズルに割り当てられる列領域までの上端側の番号の小さい列領域にするとよい。なお、重複する2つのノズル(例えば第1ヘッド41(1)のノズル#351と第2ヘッド41(2)のノズル#1)を両方使用する場合、パス1の第1ヘッド41(1)の最も下端側のノズルとは、重複しないノズルの中で最も下端側のノズルとする。一方、下端側のダミー補正値算出範囲に属する列領域は、最後のパスにて第15ヘッド41(15)の最も上端側のノズルに割り当てられる列領域から下端側の番号の大きい列領域にするとよい。例えば、図5の印刷方法であれば、パス1にて第1ヘッド41(1)の最も下端側のノズル#7に割り当てられる列領域L11までの列領域を、上端側のダミー補正値算出範囲の列領域にするとよい。一方、最後のパス15にて第15ヘッド41(15)の最も上端側のノズル#1に割り当てられる列領域L59以降の列領域を、下端側のダミー補正値算出範囲の列領域にするとよい。
なお、図13の例では、ダミー補正値適用範囲の列領域が20番目の列領域までであり、21番目の列領域からダミー補正値算出範囲としており、ダミー補正値適用範囲の列領域とダミー補正値算出範囲の列領域が隣接しているが、これに限らない。ダミー補正値適用範囲とダミー補正値算出範囲に各々属する列領域を印刷するヘッド41が同じであれば、ダミー補正値適用範囲の列領域とダミー補正値算出範囲の列領域が離れていても良い。
また、図13の例では、ダミー補正値算出範囲(L21〜L50)に、ダミー補正値適用範囲(L1〜L20)を含めていないが、これに限らない。ダミー補正値算出範囲にダミー補正値適用範囲の列領域を含めても良い。例えば、ダミー補正値算出範囲に、ダミー補正値適用範囲の列領域のうちの余白の影響の小さい列領域を含めた場合、余白の影響を受けた列領域に適用する補正値に、その列領域に実際に印刷するヘッド41の特性が加味される。ただし、ダミー補正値算出範囲には、ダミー補正値適用範囲を含めないことが好ましい。余白の影響を受けていない列領域の補正値に基づいてダミー補正値Hdを算出する方が、より確実に、余白の影響を受けた列領域と余白の影響を受けていない列領域の濃度差を抑えることが出来る。
また、図13の例では、ダミー補正値算出範囲に属する列領域の数を30個としているが、これに限らない。ダミー補正値算出範囲に属する列領域の数を、例えば20個にしても良いし、1個にしても良い。ただし、同じヘッド41内のノズルであってもノズルごとに特性差があるため、図9Aに示すように異なるノズルにて印刷される画像片の濃度(読取階調値)にばらつきが生じる。そのため、ダミー補正値算出範囲に属する列領域の数は複数にすることが好ましい。そうすることで、ダミー補正値Hdを算出する際に、ある1つのノズルの特性に応じた補正値Hdではなく、複数のノズルの特性が考慮された平均的な補正値Hdを算出することが出来る。そのため、ダミー補正値適用範囲に属する列領域に対して、平均的に濃度むらを補正することが出来る。
また、本実施形態では、ダミー補正値算出範囲に属する列領域の通常補正値Hoを単純に平均値化している。ただし、ダミー補正値算出範囲に属する列領域の通常補正値Hoに基づいてダミー補正値Hdを算出すればよく、これに限らない。例えば、ダミー補正値適用範囲に近い列領域ほど重み付け値を大きくし、ダミー補正値適用範囲から離れた列領域ほど重み付け値を小さくする重み付け平均を行っても良い。
また、ダミー補正値算出範囲内の全ての列領域を使用するに限らない。例えば、ダミー補正値算出範囲に属する列領域のうち、複数個おきの列領域の通常補正値Hoに基づいてダミー補正値Hdを算出してもよい。
<S06:ダミー補正値Hdの記憶>
図14は、完成した補正値テーブルを示す図である。補正値取得プログラムは、Y方向上端側のダミー補正値Hd(u)と下端側のダミー補正値Hd(l)を算出した後、算出した補正値Hd(u),Hd(l)を補正値テーブルに記憶させる。上端側のダミー補正値適用範囲に属する列領域L1〜L20に対して、共通のダミー補正値Hd(u)が適用される。そのため、補正値テーブルの列領域L1〜L20に対して、3つの指令階調値(Sa,Sb,Sc)ごとに、上端側のダミー補正値(Hd(au),Hd(bu),Hd(cu))を記憶する。同様に、下端側のダミー補正値適用範囲に属する列領域Ln1〜Lnに対して、共通のダミー補正値Hd(l)が適用される。そのため、補正値テーブルの列領域Ln1〜Lnに対して、3つの指令階調値ごとに、下端側のダミー補正値(Hd(al),Hd(bl),Hd(cl))を記憶する。なお、シアンに関する補正値テーブルを示すが、補正値取得プログラムは、イエロー、マゼンタ、ブラックに関しても同様の補正値テーブルを作成する。
最後に、補正値取得プログラムは、作成した補正値テーブルを、補正値算出対象のプリンター1のメモリー13(記憶部に相当)に記憶させる。こうして、図7のフローに従ったプリンター1の製造方法が完了する。その後、プリンター1はユーザーのもとへ出荷される。なお、図7に示すフローでは、通常補正値Hoとダミー補正値Hdがそれぞれ算出された段階で、算出した補正値を補正値テーブルに記憶させているが、これに限らず、両方の補正値Ho,Hdが算出された段階で、算出した補正値を補正値テーブルに記憶させてもよい。
<濃度補正処理について>
ユーザーは、プリンター1の使用開始時に、プリンター1に接続するコンピューター60(図1)にプリンタードライバーをインストールする。なお、プリンタードライバーは、CD−ROMなどの記録媒体に記録されていたり、インターネットを介してコンピューターにダウンロード可能であったりする。プリンタードライバーは、コンピューター60に接続されたプリンター1に対してメモリー13に記憶されている補正値テーブル(図14)をコンピューター60に送信するように要求する。プリンタードライバーは、プリンター1から送信された補正値テーブルをコンピューター60内のメモリーに記憶する。
プリンタードライバーは、各種アプリケーションプログラムから印刷指令および画像データを受信すると、プリンター1が印刷を実施するための印刷データを作成する。まず、プリンタードライバーは、解像度変換処理により、アプリケーションプログラムからの画像データの解像度を、印刷解像度に変換する。次に、プリンタードライバーは、色変換処理により、RGBデータである画像データを、印刷に使用するインクの色に対応したYMCKデータに変換する。その後、プリンタードライバーは、補正値テーブル(図14)を参照し、列領域ごと、色ごと、指令階調値ごとの濃度むら補正値Ho,Hdにより、各画素の示す階調値(例えば256階調値)を補正する。
画素の示す補正前の階調値S_inが指令階調値のいずれかSa,Sb,Scと同じであれば、補正値テーブルの補正値H(a),H(b),H(c)をそのまま適用することができる。例えば、補正前の階調値S_in=Scであれば、補正後の階調値S_outは次式により求められる。
S_out=Sc×(1+H(c))
図15は、シアンのk番目の列領域に関して各階調値に対応した補正値Hを算出する様子を示す図である。横軸は補正前の階調値S_inを示し、縦軸は補正前の階調値S_inに対応する補正値H_outを示す。プリンタードライバーは、補正前の階調値S_inが指令階調値と異なる場合、補正前の階調値S_inに応じた補正値H_outを算出する。
例えば、図15に示すように補正前の階調値S_inが指令階調値SaとSbの間であるとき、プリンタードライバーは、指令階調値Saの補正値Haと指令階調値Sbの補正値Hbの線形補間によって次式により補正値H_outを算出する。
H_out=Ha+{(Hb−Ha)×(S_in−Sa)/(Sb−Sa)}
次に、プリンタードライバーは、算出した補正値H_outを用いて、補正前の階調値S_inを次式により補正し、補正後の階調値S_outを算出する。
S_out=S_in×(1+H_out)
なお、補正前の階調値S_inが指令階調値Saよりも小さい場合には、最低階調値0と指令階調値Saの線形補間により補正値H_outを算出し、補正前の階調値S_inが指令階調値Scよりも大きい場合には、最高階調値255と指令階調値Scの線形補間によって補正値H_outを算出する。
こうして、プリンタードライバーは、色(YMCK)ごと、列領域ごと、階調値ごとに設定される補正値Hによって、画像データを構成する各画素の示す階調値S_in(256階調データ)を補正する。そうすることで、濃度が淡く視認される列領域に対応する画素の階調値S_inは濃い階調値S_outに補正され、濃度が濃く視認される列領域に対応する画素の示す階調値S_inは淡い階調値S_outに補正される。
濃度補正処理後、プリンタードライバーは、ハーフトーン処理によって、高い階調数(256階調)のデータを、プリンター1が形成可能な低い階調数のデータ(ドットのON・OFFを示すデータ)に変換する。最後に、プリンタードライバーは、ラスタライズ処理にて、マトリクス状の画像データをプリンター1に転送すべき順に並べ替える。プリンタードライバーは、これらの処理を経た印刷データを、コマンドデータ(印刷指令、印刷モードなど)と共に、プリンター1に送信する。プリンター1は、受信した印刷データに基づいて、印刷を実行する。
===第2実施形態===
図16は、第2実施形態におけるダミー補正値Hdの算出方法を説明する図である。前述の第1実施形態では、ダミー補正値算出範囲に属する列領域の通常補正値Hoの平均値を、ダミー補正値Hdとして算出している。これに対して、第2実施形態では、ダミー補正値算出範囲に属する列領域の読取階調値の平均値Caveに基づいて、ダミー補正値Hdを算出する。即ち、ダミー補正値算出範囲に属する列領域(図16ではL21〜L50)の読取階調値の平均値Cave(={C21+C22+…+C50}/30)を、ダミー補正値適用範囲の列領域(図16ではL1〜L20)の読取階調値として、通常補正値Hoの算出方法(図11)と同じ算出方法でダミー補正値Hdを算出するとよい。
この場合にも、ダミー補正値算出範囲に、ダミー補正値適用範囲の列領域を印刷するヘッド41で印刷される列領域を含める。更には、ダミー補正値算出範囲に、ダミー補正値適用範囲の列領域を印刷するヘッド41とは異なるヘッド41で印刷される列領域を含めないようにする。そうすることで、ダミー補正値算出範囲に属する列領域の読取階調値の平均値Cbtは、ダミー補正値適用範囲に属する列領域の実際の濃度(読取階調値)と近い値となり、ダミー補正値適用範囲に属する列領域も、他の列領域と同様に濃度むらを抑制することが出来る。
===第3実施形態===
図17は、1個のヘッド41を有するプリンター1のテストパターンの読取階調値を説明する図である。ここまで、図3に示すように、複数のヘッド41を有するプリンター1を例に挙げているが、これに限らない。複数のヘッド41を有するプリンター1では、各ヘッド41の特性差により、図9Aに示すように、各ヘッド41で印刷される画像の濃度にばらつきが生じる。そのため、例えば、余白の影響を受ける列領域(即ち、ダミー補正値適用範囲の列領域)を印刷するヘッド41による画像濃度と、他のヘッド41による画像濃度との差が大きく、余白の影響を受ける列領域の近傍の列領域の補正量が大きい場合に、余白の影響を受ける列領域と余白の影響を受けない列領域との境目が目立つことが特に問題となる。
ただし、複数のヘッド41に限らず、同じヘッド41内のノズル列であっても、例えば、端部ノズルの特性が他のノズルの特性と異なる場合がある。この場合に、図5の印刷方法と同様に、上下端処理と通常処理を有する印刷方法を実施したとする。上端処理で印刷される番号の小さい列領域(図17のL1〜L20)はノズル列の上端部のノズルで印刷され、下端処理で印刷される番号の大きい列領域(L180〜L200)はノズル列の下端部のノズルで印刷される。ここで、ノズル列の端部ノズルは他のノズルに比べてインク吐出量が多いとする。そうすると、図17に示すように、上端処理・下端処理で印刷される列領域の読取階調値は、通常処理で印刷される列領域(L21〜L180)の読取階調値よりも大きくなる(濃い階調値となる)。
図示するように、余白の影響を受けた上端側の列領域(L1〜L10)と、余白の影響を受けた下端側の列領域(L191〜L200)を、ダミー補正値適用範囲とし、11番目の列領域から190番目の列領域を通常補正値適用範囲とする。そして、補正値取得プログラムが、通常補正値適用範囲に属する列領域(L11〜L190)の読取階調値の平均値Cbtを目標値として通常補正値Hoを算出したとする。そうすると、通常補正値適用範囲内において、通常処理にて印刷される列領域の数に比べて、上端・下端処理にて印刷される列領域の数は少なく、上端・下端処理の列領域の補正量は通常処理の補正量に比べて多くなる。そのため、仮に、前述の比較例(図9C)と同様に、余白の影響を受けた列領域の補正値を0にしてしまうと、余白の影響を受けた列領域と余白の影響を受けていない列領域との境目が目立ってしまう。
よって、ヘッド41を1個だけ有するプリンターであっても、余白の影響を受けた列領域の補正値(ダミー補正値Hd)を、近傍の他の列領域の補正値(又は読取階調値)に基づいて算出するとよい。また、ダミー補正値算出範囲の列領域は、ダミー補正値適用範囲の列領域と同様に、上端処理(又は下端処理)で印刷される列領域にする。そうすることで、端部ノズルで印刷されるダミー補正値適用範囲の列領域を、端部ノズルの特性に応じた補正値にて濃度むら補正を実施することができる。その結果、余白の影響を受けた列領域と余白の影響を受けていない列領域との境目を目立ち難くすることができる。
===その他の実施の形態===
上記の各実施形態は、主としてインクジェットプリンターを有する印刷システムについて記載されているが、濃度むら補正値の算出方法等の開示が含まれている。また、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<プリンターについて>
前述の実施形態では、印刷領域に搬送された連続用紙に対して、ヘッドユニット40を媒体搬送方向に移動しながら画像を形成する動作と、ヘッドユニット40を紙幅方向に移動する動作と、を繰り返して画像を形成し、その後、未だ印刷されていない媒体部分を印刷領域に搬送するプリンターを例に挙げているがこれに限らない。例えば、ヘッドを移動方向に移動しながら単票紙に画像を形成する動作と、ヘッドに対して単票紙を移動方向と交差する搬送方向に搬送する動作と、を繰り返すプリンターでもよい。また、ノズル列方向に複数のヘッド41が並んで固定されたヘッドユニット40の下を、媒体が搬送される間に、画像を形成するプリンター(所謂ラインプリンター)であっても良い。
1 プリンター、10 コントローラー、11 インターフェース部、
12 CPU、13 メモリー、14 ユニット制御回路、
20 搬送ユニット、21 搬送ローラー、
30 駆動ユニット、31 X軸ステージ、32 Y軸ステージ、
40 ヘッドユニット、41 ヘッド、
50 検出器群、60 コンピューター

Claims (8)

  1. 媒体にインクを吐出するノズルが所定方向に並んだノズル列と前記媒体とを、前記所定方向と交差する方向に相対移動させながら、前記ノズルからインクを吐出する印刷装置が、所定の濃度を示す指令階調値に基づいて、パターンを印刷することと、
    前記交差する方向に沿うドット列が形成される前記媒体上の領域である列領域ごとに、スキャナーによる前記パターンの読取結果である読取階調値を取得することと、
    前記パターンの前記所定方向における中央部に対応する各前記列領域の前記読取階調値に基づいて、前記中央部に対応する各前記列領域の補正値である第1の補正値を算出することと、
    前記パターンの前記所定方向における端部に対応する前記列領域の近傍の前記列領域の前記読取階調値に基づいて、前記端部に対応する前記列領域の補正値である第2の補正値を算出することと、
    を有することを特徴とする補正値算出方法。
  2. 請求項1に記載の補正値算出方法であって、
    前記ノズル列を備える複数のヘッドを有する前記印刷装置が、前記パターンを印刷し、
    前記第2の補正値を算出するために使用する前記列領域に、前記端部に対応する前記列領域に割り当てられる前記ヘッドと同じ前記ヘッドが割り当てられる前記列領域を含める、
    補正値算出方法。
  3. 請求項2に記載の補正値算出方法であって、
    前記第2の補正値を算出するために使用する前記列領域に、前記端部に対応する前記列領域に割り当てられる前記ヘッドと異なる前記ヘッドが割り当てられる前記列領域を含めない、
    補正値算出方法。
  4. 請求項2または請求項3に記載の補正値算出方法であって、
    前記第2の補正値を算出するために使用する前記列領域に、前記端部に対応する前記列領域を含めない、
    補正値算出方法。
  5. 請求項1から請求項4の何れか1項に記載の補正値算出方法であって、
    前記第2の補正値を算出するために使用する前記列領域の前記第1の補正値に基づいて、前記第2の補正値を算出する、
    補正値算出方法。
  6. 請求項5に記載の補正値算出方法であって、
    前記第2の補正値を算出するために使用する複数の前記列領域の各前記第1の補正値の平均値を、前記第2の補正値として算出する、
    補正値算出方法。
  7. 媒体にインクを吐出するノズルが所定方向に並んだノズル列と前記媒体とを、前記所定方向と交差する方向に相対移動させながら、前記ノズルからインクを吐出する印刷装置が、所定の濃度を示す指令階調値に基づいて、パターンを印刷することと、
    前記交差する方向に沿うドット列が形成される前記媒体上の領域である列領域ごとに、スキャナーによる前記パターンの読取結果である読取階調値を取得することと、
    前記パターンの前記所定方向における中央部に対応する各前記列領域の前記読取階調値に基づいて、前記中央部に対応する各前記列領域の補正値である第1の補正値を算出することと、
    前記パターンの前記所定方向における端部に対応する前記列領域の近傍の前記列領域の前記読取階調値に基づいて、前記端部に対応する前記列領域の補正値である第2の補正値を算出することと、
    前記印刷装置が有する記憶部に、前記第1の補正値及び前記第2の補正値を記憶させること、
    を有することを特徴とする印刷装置の製造方法。
  8. 媒体にインクを吐出するノズルが所定方向に並んだノズル列と前記媒体とを、前記所定方向と交差する方向に相対移動させながら前記ノズルからインクを吐出する印刷装置が印刷する画像の濃度を補正する補正値を、コンピューターに算出させるためのプログラムであって、
    所定の濃度を示す指令階調値に基づいて、前記印刷装置に、パターンを印刷させることと、
    前記交差する方向に沿うドット列が形成される前記媒体上の領域である列領域ごとに、スキャナーによる前記パターンの読取結果である読取階調値を取得することと、
    前記パターンの前記所定方向における中央部に対応する各前記列領域の前記読取階調値に基づいて、前記中央部に対応する各前記列領域の補正値である第1の補正値を算出することと、
    前記パターンの前記所定方向における端部に対応する前記列領域の近傍の前記列領域の前記読取階調値に基づいて、前記端部に対応する前記列領域の補正値である第2の補正値を算出することと、
    を前記コンピューターに実行させるためのプログラム。
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