JP2011241910A - 管継手 - Google Patents
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Abstract
【課題】パイプの引き抜けを確実に防止することができるとともに、小型化を実現することができる管継手を提供することを目的としている。
【解決手段】挿入筒部11の外周面の、締付環体3の内周面に対面する位置に、パイプPの挿入方向前方側に向かって下り勾配で傾斜する傾斜面11cを有する抜け止めリング装着用周溝11bが設けられ、この抜け止めリング装着用周溝11bに、周面に突条52が設けられた略C字形をした抜け止めリング5aが装着されている構成とした。
【選択図】 図2
【解決手段】挿入筒部11の外周面の、締付環体3の内周面に対面する位置に、パイプPの挿入方向前方側に向かって下り勾配で傾斜する傾斜面11cを有する抜け止めリング装着用周溝11bが設けられ、この抜け止めリング装着用周溝11bに、周面に突条52が設けられた略C字形をした抜け止めリング5aが装着されている構成とした。
【選択図】 図2
Description
本発明は、架橋ポリエチレン管などの樹脂製パイプをワンタッチで接続できる管継手に関する。
例えば、給水・給湯用として用いられる架橋ポリエチレン管やポリブテン管などの樹脂製パイプをワンタッチで接続できる管継手として、図6及び図7に示すような管継手100が市販されている(特許文献1参照)。
すなわち、この管継手100は、継手本体110と、外筒部120と、締付環体130とを備えている。
すなわち、この管継手100は、継手本体110と、外筒部120と、締付環体130とを備えている。
そして、この管継手100は、外筒部120の開口からパイプPの一端部を外筒部120内に挿入し、継手本体110の挿入筒部(ノズルまたはニップルとも称される)111にパイプPの内部を挿入していくと、パイプPの先端が締付環体130を拡径状態に保持している拡径片131に当たる。
さらに、挿入すると、図7に示すように、パイプPの先端で拡径片131が押し飛ばされて、締付環体130が弾性力によって縮径し、その内周面と挿入筒部111との間でパイプPを挟み込んで、パイプPの抜け止めを図るようになっているとともに、挿入筒部111に外嵌されたリング状シール材112によってパイプPを水密に接続する。
さらに、挿入すると、図7に示すように、パイプPの先端で拡径片131が押し飛ばされて、締付環体130が弾性力によって縮径し、その内周面と挿入筒部111との間でパイプPを挟み込んで、パイプPの抜け止めを図るようになっているとともに、挿入筒部111に外嵌されたリング状シール材112によってパイプPを水密に接続する。
また、外筒部の入口には、管継手100の軸方向に菊の花びら状に延出する係止片141を備えた抜け止めリング140が設けられており、パイプPが一旦外筒部120内に挿入されると、パイプPに引き抜き方向の力が加わっても、係止片141がパイプPの外周面に食い込んで抜けないようになっている。
さらに、上記の管継手100は、外筒部120が外筒本体121と、キャップ122とから構成されていて、外筒本体121を継手本体110に嵌合によって一体化させたのち、拡径片131によって拡径状態に保持された締付環体130を挿入筒部111と外筒本体121との間に挿入し、抜け止めリング140を外筒本体121の端面に沿わせた状態で保持しながら、キャップ122を外筒本体121の端部外周面に設けたねじ部121aに螺合させることによって組み立てられるようになっている。
また、上記管継手100は、外筒本体121が透明樹脂材料で形成されている。
すなわち、上記のような管継手100の場合、リング状シール材112を備えているので、挿入筒部111のリング状シール材112部分がパイプP内に入り込む程度まで挿入されていると、パイプPの挿入不足によって締付環体130が縮径しなくても、リング状シール材112の働きによって、ある程度止水がなされてしまい、水圧テスト時には施工不良を発見できない。しかし、その状態で長期間使用していると、パイプの脈動などより止水性がなくなり漏水する場合がある。
すなわち、上記のような管継手100の場合、リング状シール材112を備えているので、挿入筒部111のリング状シール材112部分がパイプP内に入り込む程度まで挿入されていると、パイプPの挿入不足によって締付環体130が縮径しなくても、リング状シール材112の働きによって、ある程度止水がなされてしまい、水圧テスト時には施工不良を発見できない。しかし、その状態で長期間使用していると、パイプの脈動などより止水性がなくなり漏水する場合がある。
そこで、外筒本体121を透明樹脂材料で形成することによって、拡径片131が離脱して締付環体130が正常にパイプPを締め付けているか、また、施工前に拡径片131が離脱して、すでに締付環体130が縮径していないかを容易に視認できるようにしている。
ところで、上記管継手100の場合、上記のように、抜け止めリング140によって、パイプPの抜けを防ぐ構造になっているが、抜け止めリング140にかかる力は、キャップ122を介して外筒本体121のねじ部121aにかかる。
したがって、パイプPに加わった引き抜き方向の力に耐えるようにするには、外筒本体121が樹脂で形成されているので、外筒本体121を厚肉にしなければならない。
しかし、外筒本体121を厚肉化すると、結果として外筒部120全体の外径を大きなものにせざるを得ないが、外筒部120の外径が大きくなると、狭い場所での施工性に問題がでる。
したがって、パイプPに加わった引き抜き方向の力に耐えるようにするには、外筒本体121が樹脂で形成されているので、外筒本体121を厚肉にしなければならない。
しかし、外筒本体121を厚肉化すると、結果として外筒部120全体の外径を大きなものにせざるを得ないが、外筒部120の外径が大きくなると、狭い場所での施工性に問題がでる。
本発明は、上記事情に鑑みて、パイプの抜けを確実に防止することができるとともに、小型化を実現することができる管継手を提供することを目的としている。
本発明の管継手は、抜け止めリング装着用周溝が、パイプの挿入方向前方側に向かって下り勾配で傾斜する傾斜面を有すること、また、抜け止めリング装着用周溝が、リング状シール材の装着位置より奥部(パイプの挿入方向前方側)に設けられていることが好ましい。
上記目的を達成するために、本発明にかかる管継手は、パイプの端部が挿入されるリング状シール材が外嵌された挿入筒部を一側に有する継手本体と、前記挿入筒部との間にパイプ挿入空間を形成するように継手本体に固定された外筒部とを有し、前記パイプ挿入空間の正常挿入位置までパイプが挿入されると、締付環体が縮径してパイプの端部を締め付けて締付環体と挿入筒部とによってパイプを挟み込んで抜け止め状態にするようにした管継手において、前記挿入筒部の外周面の、前記締付環体の内周面に対面する位置に、抜け止めリング装着用周溝が設けられ、この抜け止めリング装着用周溝に、周面に抜け止め突起が設けられた略C字形をした抜け止めリングが装着されていることを特徴としている。
本発明の管継手において、締付環体は、特に限定されないが、スリット間に挿入された拡径片によって拡径状態に保持され、パイプが正常挿入位置に配置されると、前記拡径片が離脱して縮径状態となる構成とすることが好ましい。
また、本発明の管継手は、抜け止めリング装着用周溝が、パイプの挿入方向前方側に向かって下り勾配で傾斜する傾斜面を有すること、また、抜け止めリング装着用周溝が、リング状シール材の装着位置より奥部(パイプの挿入方向前方側)に設けられていることが好ましい。
本発明にかかる管継手は、挿入筒部の外周面の、締付環体の内周面に対面する位置に、抜け止めリング装着用周溝が設けられ、この抜け止めリング装着用周溝に、周面に抜け止め突起が設けられた略C字形をした抜け止めリングが装着されているので、パイプの引き抜けを確実に防止することができるとともに、小型化を実現することができる。
すなわち、抜け止めリングにかかるパイプの抜け方向の力は、継手本体の挿入筒部に受けられ、外筒部にはまったくかからない。
したがって、外筒部を薄肉化して小径化、つまり、管継手の小型化を図ることができる。
すなわち、抜け止めリングにかかるパイプの抜け方向の力は、継手本体の挿入筒部に受けられ、外筒部にはまったくかからない。
したがって、外筒部を薄肉化して小径化、つまり、管継手の小型化を図ることができる。
また、抜け止めリングが、パイプを介して締付環体によって、挿入筒部方向に押圧されるため、止水性を損なうことなく、しっかりとパイプを係止して抜け止めを確実におこなうことができる。
また、抜け止めリング装着用周溝が、パイプの挿入方向前方側に向かって下り勾配で傾斜する傾斜面を有する構成とすれば、パイプに抜け方向の力が加わり、抜け止めリングがパイプとともに抜け方向に動こうとすると、傾斜面の作用によって抜け止めリングが拡径しようとする。したがって、抜け止め突起がパイプの内壁面によりしっかりと食い込むように作用し、パイプがより強固に抜け止めされる。
さらに、抜け止めリング装着用周溝が、リング状シール材の装着位置より奥部に設けられている構成とすれば、パイプPの挿入時にパイプPの内周面が抜け止めリングの抜け止め突起によって傷ついたとしても、その逆の位置関係と比較してリング状シール材による止水性に影響を及ぼすことがなく、安全性が高い。
また、抜け止めリング装着用周溝が、パイプの挿入方向前方側に向かって下り勾配で傾斜する傾斜面を有する構成とすれば、パイプに抜け方向の力が加わり、抜け止めリングがパイプとともに抜け方向に動こうとすると、傾斜面の作用によって抜け止めリングが拡径しようとする。したがって、抜け止め突起がパイプの内壁面によりしっかりと食い込むように作用し、パイプがより強固に抜け止めされる。
さらに、抜け止めリング装着用周溝が、リング状シール材の装着位置より奥部に設けられている構成とすれば、パイプPの挿入時にパイプPの内周面が抜け止めリングの抜け止め突起によって傷ついたとしても、その逆の位置関係と比較してリング状シール材による止水性に影響を及ぼすことがなく、安全性が高い。
以下に、本発明を、その実施の形態をあらわす図面を参照しつつ詳しく説明する。
図1及び図2は、本発明にかかる管継手の1つの実施の形態をあらわしている。
図1及び図2は、本発明にかかる管継手の1つの実施の形態をあらわしている。
図1に示すように、この管継手Aは、継手本体1と、外筒部2とを備え、図2に示すように、締付環体3が内蔵されている。
継手本体1は、図1及び図2に示すように、砲金等の金属材料で形成され、一側に挿入筒部11、他側に雄ねじ筒部12を備え、中央部に締め付け工具受部13が設けられている。
継手本体1は、図1及び図2に示すように、砲金等の金属材料で形成され、一側に挿入筒部11、他側に雄ねじ筒部12を備え、中央部に締め付け工具受部13が設けられている。
挿入筒部11は、後述するように接続されるパイプP内に挿入されるようになっていて、最大径部が、パイプPの内径より少し小径になっている。
また、挿入筒部11の外周面には、後述する締付環体3によって締め付けられる位置に2条のシール材装着用周溝11aと、1条の抜け止めリング装着用周溝11bとを備えている。
また、挿入筒部11の外周面には、後述する締付環体3によって締め付けられる位置に2条のシール材装着用周溝11aと、1条の抜け止めリング装着用周溝11bとを備えている。
2条のシール材装着用周溝11aには、EPDM等の合成樹脂弾性材料からなるリング状シール材4が嵌装されている。
リング状シール材4は、シール材装着用周溝11aに嵌装された状態で、その外径がパイプPの内径と略同じか少し大径になっている。
リング状シール材4は、シール材装着用周溝11aに嵌装された状態で、その外径がパイプPの内径と略同じか少し大径になっている。
抜け止めリング装着用周溝11bは、2条のシール材装着用周溝11aよりパイプPの挿入方向前方(雄ねじ筒部12側)に設けられていて、奥部に向かって下り勾配で傾斜する傾斜面11cを備え、抜け止めリング5が嵌装されている。
また、抜け止めリング装着用周溝11bは、後述する抜け止めリング5を縮径状態にすると、抜け止めリング5が完全に収まる大きさを備えている。
また、抜け止めリング装着用周溝11bは、後述する抜け止めリング5を縮径状態にすると、抜け止めリング5が完全に収まる大きさを備えている。
抜け止めリング5は、ステンレス鋼や銅合金などの金属材料、もしくは、ポリアセタールやポリエーテルサルフォンなどのエンジニアリングプラスチックで形成されていて、図3に示すように、本体部51と、抜け止め突起としての2条の突条52とを備えている。
本体部51は、内周側が幅方向の一側から他側に向かって傾斜面11cと略同じ角度で徐々に縮径する傾斜面53を有する断面略三角形のC字形をして、抜け止めリング装着用周溝11bに嵌装された状態で、傾斜面11cと傾斜面53とが対面するとともに、その外周面がほぼ抜け止めリング装着用周溝11bの上端縁と略一致するようになっている。
本体部51は、内周側が幅方向の一側から他側に向かって傾斜面11cと略同じ角度で徐々に縮径する傾斜面53を有する断面略三角形のC字形をして、抜け止めリング装着用周溝11bに嵌装された状態で、傾斜面11cと傾斜面53とが対面するとともに、その外周面がほぼ抜け止めリング装着用周溝11bの上端縁と略一致するようになっている。
2条の突条52は、本体部51の外周面から突出した状態で平行に設けられているとともに、頂点が、底辺の中心より傾斜面53の小径側にずれた断面略三角形をしている。すなわち、2条の突条52は、パイプPの挿入方向に向かって傾いた断面略三角形をしている。
雄ねじ筒部12は、他の金属製配管材の雌ねじ筒部(図示せず)に螺合するようになっている。
雄ねじ筒部12は、他の金属製配管材の雌ねじ筒部(図示せず)に螺合するようになっている。
締め付け工具受部13は、外周面がスパナなどの締め付け工具の作用部が係止できるように、6つの面取り部を備えた形状になっている。
外筒部2は、外筒本体21と、キャップ22とを備えている。
外筒本体21は、例えば、線膨張係数が金属に近く、強度、耐熱性、耐薬品性に優れたポリサルフォン(PSF)などの透明樹脂材からなり、一端部が挿入筒部11との間に、締付環体3の拡径状態より大きな外径を備えた締付環体収容部を形成する円筒状をした大径筒部21aと、大径筒部21aに連設され、大径筒部21aから離れるにつれて徐々に縮径する縮径筒部21bとを備えている。
外筒本体21は、例えば、線膨張係数が金属に近く、強度、耐熱性、耐薬品性に優れたポリサルフォン(PSF)などの透明樹脂材からなり、一端部が挿入筒部11との間に、締付環体3の拡径状態より大きな外径を備えた締付環体収容部を形成する円筒状をした大径筒部21aと、大径筒部21aに連設され、大径筒部21aから離れるにつれて徐々に縮径する縮径筒部21bとを備えている。
大径筒部21aは、その開放端の外周面に雄ねじ部21cを備えている。
縮径筒部21bは、その内周面にリング状に係合突条21dを備えている。
縮径筒部21bは、その内周面にリング状に係合突条21dを備えている。
キャップ22は、砲金などの金属材料あるいはポリアセタール等のエンジニアリングプラスチック(透明でも非透明でも構わない)からなり、一側にパイプPより少し大径のパイプ挿入口22aを有し、他側に雄ねじ部21cに螺合するねじ筒部22bを備えた袋ナット状をしている。
そして、キャップ22は、後述する締付環体3を外筒本体21と、挿入筒部11との間に挿入したのち、ねじ筒部22bを外筒本体21の雄ねじ部21cに螺合することによって、締付環体3を外筒本体21内に収容した状態で保持するようになっている。
そして、キャップ22は、後述する締付環体3を外筒本体21と、挿入筒部11との間に挿入したのち、ねじ筒部22bを外筒本体21の雄ねじ部21cに螺合することによって、締付環体3を外筒本体21内に収容した状態で保持するようになっている。
締付環体3は、先に示した特許文献1、2などに記載の管継手と同様に、炭素鋼やバネ鋼等からなり、軸心方向のスリット3aを有し、施工前には、このスリット3a間に配置した炭素鋼等の高剛性な鋼材からなる拡径片31が挿入されて拡径状態になっていて、拡径片31が取り除かれた状態で挿入筒部11に外嵌されたパイプPの端部を外周方向から弾発的な締付力で締め付けるようになっている。
この管継手Aは、以下のようにして組み立てられる。
継手本体1の挿入筒部11にリング状シール材4及び抜け止めリング5を装着するとともに、係合突条21dが継手本体1の係合凹溝14に嵌り込むまで、外筒本体21を、縮径筒部21b側を先頭にして挿入筒部11に外嵌し、継手本体1に外筒本体21を回転自在に固定する。
つぎに、拡径片31で拡径した状態の締付環体3を挿入筒部11と外筒本体21との間に挿入したのち、キャップ22のねじ筒部22bを外筒本体21の雄ねじ部21cと螺合させて、外筒本体21とキャップ22とを一体化して外筒部2を形成する。すなわち、締付環体3を外筒部2内に内蔵した状態にする。
継手本体1の挿入筒部11にリング状シール材4及び抜け止めリング5を装着するとともに、係合突条21dが継手本体1の係合凹溝14に嵌り込むまで、外筒本体21を、縮径筒部21b側を先頭にして挿入筒部11に外嵌し、継手本体1に外筒本体21を回転自在に固定する。
つぎに、拡径片31で拡径した状態の締付環体3を挿入筒部11と外筒本体21との間に挿入したのち、キャップ22のねじ筒部22bを外筒本体21の雄ねじ部21cと螺合させて、外筒本体21とキャップ22とを一体化して外筒部2を形成する。すなわち、締付環体3を外筒部2内に内蔵した状態にする。
つぎに、この管継手AへのパイプPの接続動作を説明する。
まず、図2(b)に示すように、パイプPの先端を外筒部2のパイプ挿入口22aから外筒部2内に挿入する。この挿入によって、挿入筒部11がパイプP内に挿入されていく。
まず、図2(b)に示すように、パイプPの先端を外筒部2のパイプ挿入口22aから外筒部2内に挿入する。この挿入によって、挿入筒部11がパイプP内に挿入されていく。
そして、さらにパイプPを外筒部2内に押し込み、パイプPの先端によって拡径片31を押し込む。拡径片31は、この押し込みによって、図2(c)に示すように、締付環体3のスリット3a間から離脱する。
この拡径片31の離脱によって、締付環体3が縮径し、その弾発力によってパイプPをその外周方向から締め付ける。そして、締付環体3による締め付けによって、パイプPの内周面が挿入筒部11の外周面に密着するとともに、リング状シール材4を圧縮してパイプPが挿入筒部11と水密に接続される。また、このとき、抜け止めリング5が、パイプPの内周面で押されて傾斜面44cが傾斜面11cに沿ってスライドして少し縮径するが、突条52の先端部が少しパイプPの内周面に食い込んだように作用する。
この拡径片31の離脱によって、締付環体3が縮径し、その弾発力によってパイプPをその外周方向から締め付ける。そして、締付環体3による締め付けによって、パイプPの内周面が挿入筒部11の外周面に密着するとともに、リング状シール材4を圧縮してパイプPが挿入筒部11と水密に接続される。また、このとき、抜け止めリング5が、パイプPの内周面で押されて傾斜面44cが傾斜面11cに沿ってスライドして少し縮径するが、突条52の先端部が少しパイプPの内周面に食い込んだように作用する。
この管継手Aは、上記のように、抜け止めリング5を挿入筒部11に設けられた抜け止めリング装着用周溝11bに収容するようにしたので、パイプPの抜け方向に力が加わると、抜け止めリング装着用周溝11bの傾斜面11cの作用によって、抜け止めリング5が拡径しようとして、抜け止めリング5の突条52がパイプPの内周面に食い込むように作用し、パイプPに抜け方向の大きな力が加わってもパイプPをしっかりと保持することができる。
しかも、パイプPの抜け止めリング5直上部分が締付環体3によって締め付けられるので、パイプPの内周面がよりしっかりと抜け止めリング5側に押さえつけられ、より抜け止め効果が高い。
しかも、パイプPの抜け止めリング5直上部分が締付環体3によって締め付けられるので、パイプPの内周面がよりしっかりと抜け止めリング5側に押さえつけられ、より抜け止め効果が高い。
また、抜け止めリングにかかる力が砲金等の金属材料で形成された継手本体1によって受けられ、パイプPに引き抜き方向の力が加わっても、外筒部2には力が加わらない。したがって、外筒部2に強度が要求されず、外筒部2の薄肉化など小型化できるとともに、管継手のコストダウンや軽量化を図ることができる。
さらに、抜け止めリング5が、リング状シール材4より奥部に設けられているので、パイプPの内壁面が抜け止めリング5の突条52によって傷ついたとしても、リング状シール材4による止水性に影響を及ぼすことがなく、安全性が高い。
また、抜け止めリング5の突条52が、パイプPの挿入方向に向かって傾いた断面略三角形をしているので、突条52が挿入時には、障害にならず、本体部51をスムーズに縮径させるとともに、パイプPに引き抜き方向の力が加わると、パイプPの内周面に食い込みやすい。
さらに、抜け止めリング5が、リング状シール材4より奥部に設けられているので、パイプPの内壁面が抜け止めリング5の突条52によって傷ついたとしても、リング状シール材4による止水性に影響を及ぼすことがなく、安全性が高い。
また、抜け止めリング5の突条52が、パイプPの挿入方向に向かって傾いた断面略三角形をしているので、突条52が挿入時には、障害にならず、本体部51をスムーズに縮径させるとともに、パイプPに引き抜き方向の力が加わると、パイプPの内周面に食い込みやすい。
図4は、本発明の管継手の第2の実施の形態をあらわしている。
図4に示すように、この管継手Bは、抜け止めリング5がリング状シール材4よりパイプPの挿入方向後方、すなわち、挿入筒部11の先端側に設けられている以外は、上記管継手Aと同様になっている。
図4に示すように、この管継手Bは、抜け止めリング5がリング状シール材4よりパイプPの挿入方向後方、すなわち、挿入筒部11の先端側に設けられている以外は、上記管継手Aと同様になっている。
図5は、本発明の管継手に用いられる抜け止めリングの他の態様をあらわしている。
図5に示すように、この抜け止めリング5bは、本体部54が断面四角形になっている以外は、上記抜け止めリング5と同様になっている。
図5に示すように、この抜け止めリング5bは、本体部54が断面四角形になっている以外は、上記抜け止めリング5と同様になっている。
すなわち、抜け止めリング装着用周溝11bが傾斜面11cを備えていれば、本体部54が断面四角形をしていても、パイプPに引き抜き方向の力が加わったときに、傾斜面11cが本体部54を拡径させように作用して、抜け止め力を発揮する。
本発明にかかる管継手は、上記の実施の形態に限定されない。例えば、上記の実施の形態では、継手本体が、雄ねじ筒部を一端に備えていたが、雄ねじ筒部に代えて雌ねじ筒部を備えていても構わないし、チーズのように、パイプを複数接続できるようになっていても構わない。
また、上記の実施の形態では、抜け止めリングがリング状シール材よりパイプの挿入方向の前方または後方のいずれかに設けられていたが、両側に設けるようにしても構わないし、2つのリング状シール材の間に設けるようにしても構わない。
さらに、上記の実施の形態では、抜け止めリング装着用周溝が、パイプの挿入方向前方側に向かって下り勾配で傾斜する傾斜面を備えていたが、傾斜面はなくても構わない。
さらに、上記の実施の形態では、抜け止めリング装着用周溝が、パイプの挿入方向前方側に向かって下り勾配で傾斜する傾斜面を備えていたが、傾斜面はなくても構わない。
A,B 管継手
P パイプ
1 継手本体
11 挿入筒部
11b 抜け止めリング装着用周溝
11c 傾斜面
12 雄ねじ筒部
2 外筒部
3 締付環体
3a スリット
31 拡径片
4 リング状シール材
5,5b 抜け止めリング
52 突条(抜け止め突起)
P パイプ
1 継手本体
11 挿入筒部
11b 抜け止めリング装着用周溝
11c 傾斜面
12 雄ねじ筒部
2 外筒部
3 締付環体
3a スリット
31 拡径片
4 リング状シール材
5,5b 抜け止めリング
52 突条(抜け止め突起)
Claims (4)
- パイプの端部が挿入されるリング状シール材が外嵌された挿入筒部を一側に有する継手本体と、
前記挿入筒部との間にパイプ挿入空間を形成するように継手本体に固定された外筒部とを有し、
前記パイプ挿入空間の正常挿入位置までパイプが挿入されると、締付環体が縮径してパイプの端部を締め付けて締付環体と挿入筒部とによってパイプを挟み込んで抜け止め状態にするようにした管継手において、
前記挿入筒部の外周面の、前記締付環体の内周面に対面する位置に、抜け止めリング装着用周溝が設けられ、この抜け止めリング装着用周溝に、周面に抜け止め突起が設けられた略C字形をした抜け止めリングが装着されていることを特徴とする管継手。 - 締付環体は、スリット間に挿入された拡径片によって拡径状態に保持され、パイプが正常挿入位置に配置されると、前記拡径片が離脱して縮径状態となる請求項1に記載の管継手。
- 抜け止めリング装着用周溝が、パイプの挿入方向前方側に向かって下り勾配で傾斜する傾斜面を有する請求項1または請求項2に記載の管継手。
- 抜け止めリング装着用周溝が、リング状シール材の装着位置より奥部に設けられている請求項1〜請求項3のいずれかに記載の管継手。
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JP2021042812A (ja) * | 2019-09-11 | 2021-03-18 | 横浜ゴム株式会社 | 継手金具 |
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JP3843288B2 (ja) * | 2002-04-19 | 2006-11-08 | 井上スダレ株式会社 | 管継手 |
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- 2010-05-19 JP JP2010114957A patent/JP2011241910A/ja active Pending
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