JP2011240540A - ホイールホルダおよびその製造方法およびホイールホルダを用いたカッターホイール保持機構 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
溝1を隔てて相対するように配置された左右の支持部2と、この左右の支持部2を貫通して形成された円柱体取付孔5と、この円柱体取付孔5と平行して貫通して設けられたカバー取付孔6とを備えた金属製のホルダボディ3を加工する工程と、このホルダボディ3の円柱体取付孔5に超硬材料からなる円柱体4を取り付ける工程と、ワイヤ放電加工機8のワイヤ8aをカバー取付孔6に通してカバー取付孔6から円柱体4まで移動させることにより円柱体4の軸芯部にピン挿入孔9をワイヤ放電加工で加工する工程と、溝1の間で、円柱体4の中間部位を切除してカッターホイールAを収めるための隙間10を加工する工程とによってホイールホルダWを製造する。
【選択図】図7
Description
このホイールホルダは、連結ボルト20によって合体された左右一対のホルダ部材21で構成される。ホルダ部材21の下部にはカッターホイールAを配置するための空間が形成され、この空間を隔てて左右の支持部22が設けられている。左右の支持部22には互いの中心軸が一致するように一直線上に配置されたカッターピン挿入孔23が設けられている。また、支持部22の相対する内側面でピン挿入孔23の開口部には、(ピン挿入孔23よりわずかに径が大きい)ピン孔24を備えた超硬材料(焼結ダイヤモンドあるいは超硬合金)のリング体25がロウ付けで貼り付けられている。これら左右のリング体25の間に、超硬材料で作られたカッターホイールAが軽く接触した状態で配置されてカッターピン26で支持されている。
また、本発明は、第二に、リング体25の肉厚に応じて生じるモーメントの影響で加速するカッターピンの摩耗を小さく抑えることができるホイールホルダ並びに製造方法を提供することを目的とする。
超硬材料とは、具体的には焼結ダイヤモンドまたは超硬合金をいう。これらは耐摩耗性に優れた材料である。
また、ピン挿入孔をワイヤ放電加工する際のワイヤ移動軌跡がカバー取付孔から導入されたものであるから、円柱体の下面(底面)にはワイヤ導入軌跡によるスリットが形成されず、したがって、スクライブライン加工時にガラスくず等の微細な粉体の侵入を防止することができる。また、カッターピンを受けるピン挿入孔が超硬材料製の円柱体全長にわたって長く形成されるので、円柱体全体でほぼ均一に荷重を受けるようになり、挿入されるカッターピンを安定よく保持して、耐荷重性を一段と向上させることができる。
さらに、リング体に相当する部品がなくなり、カッターピンが円柱体に支持される点からカッターピンがカッターホイールを支持する点までの距離は無視できるほど小さくなるので、摩耗を加速させるようなモーメントはほとんど発生しない。
円柱体に加工されたピン挿入孔に残るワイヤ導入溝はピン挿入孔の上面には形成されることはなく、したがって、ピン挿入孔に挿入されるカッターピンにかかる荷重は、ピン挿入孔の凹凸のない滑らかな上面で受けることができて耐摩耗性や耐荷重性の劣化を抑えることができる。
ここで、下部の外形輪郭は特に限定されないが、使用するカッターホイールの径に合わせるとともにカッターホイールの刃面が見えやすくするように輪郭を形成するのが好ましい。例えば、ピン挿入孔の直下の近傍は水平面にし、水平面の端からホルダボディの端まで傾斜面にしてもよい。
このような外形輪郭をワイヤ放電加工で行うことにより、ピン挿入孔をワイヤ放電加工で加工する前または後に連続して加工できるので、効率的に加工することができる。
また、別の観点からなされた本発明のホイールホルダは、上述した製造方法によって形成されることにより、カッターホイールを収めるための下向きに開口した溝と、前記溝を隔てて相対するように配置された左右の支持部と、この左右の支持部を貫通して形成された円柱体取付孔と、この円柱体取付孔と平行して貫通して設けられたカバー取付孔とを備えた金属製のホルダボディの円柱体取付孔に、超硬材料製の円柱体が左右の支持部にわたって取り付けられ、ワイヤ放電加工機のワイヤをカバー取付孔から円柱体まで移動させることにより円柱体の軸芯を貫通するピン挿入孔が加工されており、さらに、前記溝の間で、円柱体の中間部位が切除されてカッターホイールを収めるための隙間が形成されている構成としている。
さらに、リング体に相当する部品がなくなり、カッターピンが円柱体に支持される点からカッターピンがカッターホイールを支持する点までの距離は無視できるほど小さくなるので、摩耗を加速させるようなモーメントはほとんど発生しない。
その上、円柱体の下面にはスリットがないので、スクライブライン加工時にガラスくず等の微細粉末の侵入を防止することができる。
このようにすれば、円柱体に加工されたピン挿入孔に残るワイヤ導入溝はピン挿入孔の上面に形成されることはなくなる。したがって、ピン挿入孔に挿入されるカッターピンにかかる荷重は、ピン挿入孔の凹凸のない滑らかな上面で受けることができて耐摩耗性や耐荷重性の劣化を抑えることができる。
このようにすれば、ピン挿入孔とホイールホルダの最下面となる水平面との距離が縮まるので、小さなカッターホイールを取り付けた場合でもスクライブできるようになる。
図1は本発明の製造方法によって製造されたホイールホルダWの斜視図であり、後述する図7(d)でその断面図が示される。このホイールホルダWは、下部に後述のカッターホイールAを収めるための下向きに開口した溝1を有し、溝1を隔てて相対する左右の支持部2が設けられたホルダボディ3を備えている。支持部2には、超硬材料(焼結ダイヤモンドまたは超硬合金)からなる円柱体4(一部が切り欠かれている)が支持部2を貫通して取り付けられている。そして、円柱体4の軸芯部にはワイヤ放電加工によりピン挿入孔9が加工されている。
先ず、図2並びに図7(a)に示すように、下部にカッターホイールAを収めるための下向きに開口した溝1を形成し、溝1を隔てて相対する左右の支持部2を備えた工具鋼などの金属製のホルダボディ3を作製する。このホルダボディ3には、左右の支持部2を貫通する円柱体取付孔5と、内面にネジが施されたカバー取付孔6、並びにホイールホルダWをスクライブ装置のスクライブヘッド(図示せず)に取り付けるための取付孔7とが予め加工されている。なお、カバー取付孔6は、後述するカバー14でピン挿入孔9を隠すことができるようにするため(図8参照)、円柱体取付孔5の近傍に形成している。好ましくは、カバー14を固定するネジが緩んだときでもカバー14の重心位置と自重との関係でピン挿入孔9を隠す位置にくるようにするために、円柱体取付孔5の上方に形成するのがよい。
この際、ワイヤ放電加工機のワイヤ8aの移動軌跡Rを、図6に示すように、カバー取付孔6から円柱体4の上面を避けた箇所に至るように折り曲げて形成する。これにより、円柱体に加工されたピン挿入孔6に残るワイヤ導入溝の跡がピン挿入孔6の直上面に形成されることはないので滑らかな上面になる。したがって、後述するように、ピン挿入孔6にカッターピン12が挿入されたとき、カッターピン12にかかる荷重は、ピン挿入孔6の滑らかな上面で受けることができて耐摩耗性や耐荷重性の劣化を抑えることができる。
そして、図8に示すように、左右の支持部材2の外側面でビス13によりカバー14を取り付けたカッターホイール保持機構Cを完成させる。これにより、カッターピン12の両端部が塞がれてカッターピンの抜脱が阻止される。同時に、ワイヤ放電加工時のワイヤ移動によって形成された軌跡(溝)が隠されて、ここからのガラスくず等の微細粉末の侵入を防止することができる。また、カッターホイールAを交換したいときには、カバー14を取り外してカッターピン12を抜き取ることにより行うことができる。
C カッターホイール保持機構
R ワイヤの移動軌跡
W ホイールホルダ
1 溝
2 支持部
3 ホルダボディ
4 円柱体
6 カバー取付孔
9 ピン挿入孔
10 隙間
12 カッターピン
14 カバー
Claims (7)
- カッターホイールを収めるための下向きに開口した溝と、前記溝を隔てて相対するように配置された左右の支持部と、この左右の支持部を貫通して形成された円柱体取付孔と、この円柱体取付孔と平行して貫通して設けられたカバー取付孔とを備えた金属製のホルダボディを加工する工程と、
このホルダボディの円柱体取付孔に超硬材料からなる円柱体を取り付ける工程と、
ワイヤ放電加工機のワイヤを前記カバー取付孔に通してカバー取付孔から円柱体まで移動させることにより円柱体の軸芯部にピン挿入孔をワイヤ放電加工で加工する工程と、
前記溝の間で、円柱体の中間部位を切除してカッターホイールを収めるための隙間を加工する工程とからなるホイールホルダの製造方法。 - カバー取付孔が円柱体取付孔の上方に形成され、ワイヤ放電加工機のワイヤの移動軌跡が、カバー取付孔から円柱体取付孔の上面を避けた箇所に至るように折曲させた軌跡とした請求項1に記載のホイールホルダの製造方法。
- ホルダボディの下部の外形輪郭をワイヤ放電加工により加工する工程を含む請求項1または請求項2に記載のホイールホルダの製造方法。
- カッターホイールを収めるための下向きに開口した溝と、前記溝を隔てて相対するように配置された左右の支持部と、この左右の支持部を貫通して形成された円柱体取付孔と、この円柱体取付孔と平行して貫通して設けられたカバー取付孔とを備えた金属製のホルダボディの円柱体取付孔に、超硬材料製の円柱体が左右の支持部にわたって取り付けられ、ワイヤ放電加工機のワイヤをカバー取付孔から円柱体まで移動させることにより円柱体の軸芯を貫通するピン挿入孔が加工されており、さらに、前記溝の間で、円柱体の中間部位が切除されてカッターホイールを収めるための隙間が形成されているホイールホルダ。
- 前記カバー取付孔が円柱体取付孔の上方に形成され、ワイヤ放電加工機のワイヤの移動軌跡が、カバー取付孔から円柱体取付孔の上面を避けた箇所に至るように折曲させた軌跡としてある請求項4に記載のホイールホルダ。
- 前記ホルダボディの下部側は、円柱体の下部側の一部が露出した水平面が形成されるように加工してある請求項4または請求項5に記載のホイールホルダ。
- カッターホイールと前記カッターホイールを保持するためのホイールホルダとからなるカッターホイール保持機構であって、
前記ホイールホルダは、前記カッターホイールを収めるための下向きに開口した溝と、前記溝を隔てて相対するように配置された左右の支持部と、この左右の支持部を貫通して形成された円柱体取付孔と、この円柱体取付孔と平行して貫通して設けられたカバー取付孔とを備えた金属製のホルダボディの円柱体取付孔に、超硬材料製の円柱体が左右の支持部にわたって取り付けられ、ワイヤ放電加工機のワイヤをカバー取付孔から円柱体まで移動させることにより円柱体の軸芯を貫通するピン挿入孔が加工されており、さらに、前記溝の間で、円柱体の中間部位が切除されてカッターホイールを収めるための隙間が形成されており、
前記カッターホイールは、前記ホイールホルダの隙間に配置され、
前記円柱体のピン挿入孔に超硬材料製のカッターピンが挿通され、前記溝内でカッターホイールが左右の円柱体の端面に接触した状態でカッターピンにより支持され、
さらに、左右の支持部材の外側面に前記カバー取付孔に支持されたカバーにより、カッターピンの両端部が塞がれてカッターピンの抜脱が阻止されるとともにワイヤ放電加工時のワイヤ移動によって形成された溝が隠されているカッターホイール保持機構。
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