JP2011132203A - 保湿用化粧料シート - Google Patents
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Abstract
【課題】安全性の高い天然物に由来する成分を用い、かつ従来よりも高い保湿効果を得ることのできる保湿用化粧料シートを提供する。
【解決手段】保湿用化粧料シートは、天然物に由来する油溶性保湿成分を含有し、水を実質的に含有しない保湿用化粧料が、不織布に含浸されてなり、前記保湿用化粧料の18℃における粘度が、1000mPa・s以下である。
【選択図】なし
【解決手段】保湿用化粧料シートは、天然物に由来する油溶性保湿成分を含有し、水を実質的に含有しない保湿用化粧料が、不織布に含浸されてなり、前記保湿用化粧料の18℃における粘度が、1000mPa・s以下である。
【選択図】なし
Description
本発明は、保湿用化粧料シートに関するものである。
従来、乾燥肌等を改善するために用いられる、保湿成分が配合されたクリーム、乳液、化粧水等の化粧料が市販されている。これらの化粧料は、皮膚に塗布することにより使用され、これにより表皮から保湿成分を浸透させることで保湿効果を発揮することを目的としている。
しかしながら、これらの化粧水は比較的粘性が低く、皮膚に塗布したとしてもすぐに流下してしまったり、流下しなくてもすぐに乾燥してしまったりして、表皮から保湿成分を浸透させることが困難であり、十分な保湿効果を得ることが困難なものであった。
このような課題を解決すべく、保湿成分を含む化粧料を織布、不織布等の基材に含浸させ、当該化粧料を含浸させた基材を皮膚に密着させて用いられるシート状パック化粧料が提案されている(特許文献1〜2参照)。
しかしながら、上記特許文献1及び2に記載のシート状パック化粧料においては、織布、不織布等の基材に保湿効果を有する油溶性成分を配合した化粧料を効率的に含浸させることを目的として、化粧料に当該油溶性成分とともに水(精製水等)が配合されている。そのため、化粧料中における油溶性成分の配合量が少なくなってしまい、十分な保湿効果が得られないという問題がある。一方で、水を配合せずに油溶性成分のみで化粧料を構成すると、化粧料の粘性が上昇してしまうため、基材(不織布等)による毛細管現象が働きにくくなる。その結果として、化粧料を基材全体にほぼ均一に含浸させにくくなり、十分量の化粧料を基材全体にほぼ均一に含浸させるためには大量の化粧料が必要となり、製造コストが増大してしまうという問題がある。
また、基材に含浸される化粧料に水と油溶性成分とを安定的に配合するために、非イオン性界面活性剤等をともに配合することで乳化させたり、可溶化させたりしているが、化粧料に界面活性剤が配合されているとべたつき感や違和感等が生じ、使用感が悪くなるおそれがあるとともに、化粧料の肌への安全性を確保するのが困難となるという問題がある。
上記課題に鑑みて、本発明は、安全性の高い天然物に由来する油溶性保湿成分を用い、かつ従来よりも優れた保湿効果を得ることのできる保湿用化粧料シートを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、天然物に由来する油溶性保湿成分を含有し、水を実質的に含有しない保湿用化粧料が、不織布に含浸されてなり、前記保湿用化粧料の18℃における粘度が、1000mPa・s以下であることを特徴とする保湿用化粧料シートを提供する(請求項1)。
上記発明(請求項1)によれば、不織布に含浸させる保湿用化粧料が油溶性保湿成分を含み、水を実質的に含まないものであるが、かかる保湿用化粧料の粘度(18℃)が1000mPa・s以下であるため、当該保湿用化粧料を不織布全体にほぼ均一に含浸させるのが容易となり、その結果として、含浸させる際に使用する当該保湿用化粧料の量を低減することができるため、保湿用化粧料シートの製造コストを低減することができる。また、水を実質的に含有しないことで、不織布に含浸されている保湿用化粧料の構成成分のほとんどを油溶性成分のみにすることができるため、皮膚への保湿成分の浸透性を高くすることができ、極めて高い保湿効果を得ることができる。
なお、本発明において「水を実質的に含有しない」とは、保湿用化粧料における水の含有量が0.001質量%以下であることを意味するものとする。
上記発明(請求項1)においては、前記保湿用化粧料は、前記油溶性保湿成分を90質量%以上含有するものであり、前記油溶性保湿成分の18℃における粘度が、1000mPa・s以下であるのが好ましい(請求項2)。かかる発明(請求項2)によれば、保湿用化粧料を容易に低粘性のものとすることができるため、保湿用化粧料を不織布全体に略均一に含浸させるのが容易となり、その結果として、含浸させる際に使用する当該保湿用化粧料の量を低減することができ、保湿用化粧料シートの製造コストを低減することができる。
上記発明(請求項1,2)においては、前記保湿用化粧料の含浸量が、前記不織布に対して2.8〜15倍量(質量基準)であるのが好ましい(請求項3)。
上記発明(請求項1〜3)においては、前記油溶性保湿成分が、分子中に脂肪族不飽和結合を有しないのが好ましい(請求項4)。油溶性保湿成分が、分子中に脂肪族不飽和結合を有するものであると、経時的に酸化されやすいため、保湿用化粧料の保存安定性を向上させるために当該化粧料に酸化防止剤を配合する必要があるが、上記発明(請求項4)によれば、油溶性保湿成分が分子中に脂肪族不飽和結合を有さずに酸化され難いため、当該油溶性保湿成分の酸化防止を目的として化粧料に酸化防止剤を配合する必要がなく、化粧料中の油溶性保湿成分の配合量を高めることができる。
上記発明(請求項1〜4)においては、前記油溶性保湿成分が、スクアランであるのが好ましい(請求項5)。スクアランは、天然物であるオリーブ、米糠、小麦胚芽、胡麻、深海鮫等に由来する油溶性保湿成分であって、天然物由来の油溶性保湿成分として知られている中でも比較的低粘性であって保湿効果に優れるため、かかる発明(請求項5)によれば、不織布に保湿用化粧料を効率的に含浸させることができるとともに、優れた保湿効果を得ることができる。
上記発明(請求項1〜5)においては、前記保湿用化粧料が、セラミド類及び/又はスフィンゴ糖脂質をさらに含有するのが好ましい(請求項6)。かかる発明(請求項6)によれば、保湿作用を有することが知られているセラミド類及び/又はスフィンゴ糖脂質を含有することで、さらに保湿効果に優れた保湿用化粧料シートとすることができる。
上記発明(請求項6)においては、前記保湿用化粧料が、トコフェロールをさらに含有するのが好ましい(請求項7)。セラミド類及びスフィンゴ糖脂質は優れた保湿効果を有するものの、脂肪族不飽和結合を有するものが多いため、経時的に酸化されてしまい、不織布に含浸されている保湿用化粧料の性状が不安定となったり、セラミド類等の酸化臭による不快感等が生じたりするおそれがあるが、かかる発明(請求項7)によれば、酸化防止作用を有するトコフェロールをさらに含有することで、セラミド類及びスフィンゴ糖脂質が酸化されるのを防止することができ、不織布に含浸されている保湿用化粧料を安定化することができる。
上記発明(請求項1〜7)においては、前記保湿用化粧料シートが、界面活性剤を含有しないのが好ましい(請求項8)。かかる発明(請求項8)によれば、使用感に優れるとともに、安全性の高い保湿用化粧料シートとすることができる。
上記発明(請求項1〜8)においては、前記不織布が、木綿繊維又はパルプ繊維からなるのが好ましい(請求項9)。かかる発明(請求項9)によれば、不織布が木綿繊維又はパルプ繊維からなることで、不織布に保湿用化粧料をより容易に含浸させることができ、その結果として、含浸させる際に使用する当該保湿用化粧料の量を低減することができ、保湿用化粧料シートの製造コストを低減することができる。
本発明によれば、安全性の高い天然物に由来する成分を用い、かつ従来よりも高い保湿効果を得ることのできる保湿用化粧料シートを提供することができる。
本発明の実施の形態を説明する。
本実施形態に係る保湿用化粧料シートは、天然物に由来する油溶性保湿成分を含有する保湿用化粧料が、基材としての不織布に含浸されてなるものである。
本実施形態に係る保湿用化粧料シートは、天然物に由来する油溶性保湿成分を含有する保湿用化粧料が、基材としての不織布に含浸されてなるものである。
保湿用化粧料に含有される天然物に由来する油溶性保湿成分は、18℃における粘度が、好ましくは1000mPa・s以下、より好ましくは100mPa・s以下、特に好ましくは60Pa・s以下のものである。このような油溶性保湿成分としては、例えば、スクアラン、流動パラフィン等が挙げられ、これらのうちの少なくとも1種を用いることができる。中でもスクアランは、天然物であるオリーブ、米糠、小麦胚芽、胡麻、深海鮫に由来する油溶性保湿成分であって、保湿効果が高く、比較的低粘性であることから、好適に用いることができる。
保湿用化粧料中における油溶性保湿成分の含有量は、当該化粧料全量に対して90質量%以上であるのが好ましく、90〜99質量%であるのがより好ましく、90〜95質量%であるのが特に好ましい。油溶性保湿成分の含有量が90質量%以上と高いことで、極めて優れた保湿効果を得ることができる。
天然物に由来する油溶性保湿成分は、分子中に脂肪族不飽和結合(炭素鎖における不飽和結合(二重結合又は三重結合))を有しないものであるのが好ましい。油溶性保湿成分が、分子中に脂肪族不飽和結合を有すると、経時的に酸化されるおそれがあり、保湿用化粧料(保湿用化粧料シート)を安定的に保存することが困難となるおそれがある。この場合において、保存安定性を向上させるために酸化防止剤を配合することも考えられるが、酸化防止剤を配合すると保湿用化粧料中の保湿成分の含有量が減少してしまうため、極めて優れた保湿効果を確保することが困難となる。一方、本実施形態における保湿用化粧料のように、油溶性保湿成分が分子中に脂肪族不飽和結合を有しないものであれば、酸化防止剤を配合する必要がなく、保湿用化粧料における油溶性保湿成分の含有量を高めることができる。
本実施形態における保湿用化粧料は、水を実質的に含有しないものであり、具体的には、水の含有量が保湿用化粧料全量に対して0.001質量%以下であるが、水を完全に含有しないものであるのが好ましい。保湿用化粧料が水を実質的に含有しないものであることで、不織布に含浸される保湿用化粧料の構成成分のほとんどを油溶性成分のみにすることができるため、皮膚への保湿成分の浸透性を高くすることができ、極めて高い保湿効果を得ることができる。
本実施形態における保湿用化粧料は、セラミド類及び/又はスフィンゴ糖脂質をさらに含有するのが好ましい。セラミド類及びスフィンゴ糖脂質は、優れた保湿作用を有することが知られているため、セラミド類及び/又はスフィンゴ糖脂質を含有することにより、本実施形態に係る保湿用化粧料シートによる保湿効果をさらに優れたものとすることができる。なお、本実施形態において「セラミド類」には、天然物に由来するセラミド若しくはその誘導体、又はセラミド類似物質等が含まれる。
セラミド類としては、トウモロコシ由来のセラミド類、米由来のセラミド類、リムナンテス科に属するメドフォーム(学名:Limnanthes alba)の種子油を原料として製造されるセラミド類(メドウフォームエストリド)等を好適に用いることができる。
保湿用化粧料におけるセラミド類及び/又はスフィンゴ糖脂質の含有量は、特に限定されるものではなく、例えば、セラミド類及びスフィンゴ糖脂質の合計量が、保湿用化粧料全量に対して0.001〜10質量%程度となるような量であればよい。なお、セラミド類及びスフィンゴ糖脂質を保湿用化粧料に配合する場合、それらの配合割合は適宜設定すればよい。
保湿用化粧料に上記セラミド類及び/又はスフィンゴ糖脂質を含有せしめる場合、さらに酸化防止剤を含有せしめるのが好ましい。セラミド類は、分子中に脂肪族不飽和結合を有するものが多く、またスフィンゴ糖脂質は、分子中に脂肪族不飽和結合を有しており、その脂肪族不飽和結合の存在のために経時的に酸化されやすいため、保湿用化粧料(保湿用化粧料シート)を安定的に保存することが困難となるおそれがあるが、酸化防止剤を含有することによりセラミド類及び/又はスフィンゴ糖脂質の酸化を防止することができ、保湿用化粧料(保湿用化粧料シート)の保存安定性を向上させることができる。なお、セラミド類として分子中に脂肪族不飽和結合を有しないものを用いる場合であって、特にスフィンゴ糖脂質を用いない場合には、保湿用化粧料に酸化防止剤を配合しなくてもよい。
上記酸化防止剤としては、天然物に由来する油溶性酸化防止剤を用いるのが好ましく、例えば、大豆、菜種油に由来するトコフェロール、アスコルビン酸パルミテート等のアスコルビン酸誘導体、ウコン由来のクルクミン、トマト由来のリコピン等が挙げられる。これらの中でもトコフェロールは、血流促進作用を有するために、トコフェロールを含有する保湿用化粧料を含浸させた保湿用化粧料シートを例えば眼の下に適用すれば、その血流促進作用により眼の下の隈を改善することもでき、好適に用いることができる。
保湿用皮膚化粧料における上記酸化防止剤の含有量は、酸化防止対象たるセラミド類及び/又はスフィンゴ糖脂質の含有量に応じて適宜設定することができるが、例えば、0〜2質量%程度であればよい。
本実施形態における保湿用化粧料は、非イオン性界面活性剤等の界面活性剤を含まないのが好ましい。保湿用化粧料に界面活性剤が含まれていると、べたつき感や違和感等が生じ、使用感が悪くなるおそれがあるとともに、化粧料の安全性を確保するのが困難となるおそれがあるが、本実施形態における保湿用化粧料は油溶性の成分を主成分とするもの、好ましくは油溶性の成分のみで構成されるものであることから、界面活性剤を含有させる必要がない。結果として、本実施形態に係る保湿用化粧料シートが、使用感に優れ、かつ安全性の高いものとなる。
本実施形態における保湿用化粧料は、油溶性保湿成分等の保湿効果を妨げない限り、他の成分を含むものであってもよいが、当該他の成分もまた天然物に由来する成分であるのが好ましい。当該保湿用化粧料に好適に含有せしめることのできる天然物に由来する成分としては、例えば、天然物に由来する精油(オレンジ花油、カミツレ花油、ラベンダー油、ノバラ油等)等が挙げられ、これらの精油を含むことで、保湿用化粧料シートの使用によりリラックス効果を得ることも可能となる。
本実施形態における保湿用化粧料は、上記各構成成分を所定の割合で配合して常法により製造することができる。このようにして得られる保湿用化粧料の粘度(18℃)は、10〜1000mPa・sであるのが好ましく、10〜100mPa・sであるのがより好ましく、30〜60Pa・sであるのが特に好ましい。
本実施形態に係る保湿用化粧料シートを構成する基材としては、不織布を用いる。基材として不織布を用いることで、保湿用化粧料の含浸性及び保湿用化粧料シート皮膚面への追従性に優れるとともに、低コストで保湿用化粧料シートを製造することができる。
不織布を構成する繊維としては、パルプ繊維、木綿繊維、ケナフ繊維、サトウキビ繊維、竹繊維等の天然繊維;レーヨン繊維等の再生繊維;アクリル繊維、ポリエステル繊維等の合成繊維であるのが好ましく、これらの中でも天然繊維がより好ましい。天然繊維からなる不織布を用いることで、保湿用化粧料シート全体を天然物に由来するものからなるものとすることができ、製品イメージを良好にすることができる。天然繊維の中でも、特に木綿繊維が好ましい。木綿繊維からなる不織布は、保湿用化粧料の含浸性に極めて優れるため、木綿繊維からなる不織布を用いることで、不織布全体にほぼ均一に保湿用化粧料を極めて容易に含浸させることができるとともに、保湿用化粧料シートの製造に際して保湿用化粧料の使用量を低減することができ、保湿用化粧料シートを効率的にかつ安価に製造することができる。
なお、基材として用いられる不織布の目付量は、通常20〜80g/m2であり、好ましくは40〜60g/m2である。また、不織布の厚さは、通常250〜600μmであり、好ましくは300〜400μmである。
基材として用いられる不織布の形状としては、例えば、円形状、楕円形状、半円形状、三日月形状、方形状等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではなく、用途(適用部位)に応じて適宜好適な形状を採用すればよい。
なお、基材として用いる不織布を構成する繊維は疎水性のものが多いため、不織布を製造する際には、その用途に応じて不織布を親水化することを目的として、界面活性剤が用いられることがあり、そのため、得られる不織布としても界面活性剤を含むものがある。このような界面活性剤を含む不織布を本実施形態に係る保湿用化粧料シートの基材として用いると、保湿用化粧料シートの安全性が低下してしまうおそれがある。したがって、本実施形態に係る保湿用化粧料シートの基材としては、界面活性剤を含まない不織布を用いるのが好ましい。
本実施形態に係る保湿用化粧料シートにおける保湿用化粧料の含浸量は、所望の保湿効果が得られ、かつ保湿用化粧料シートの全体が保湿用化粧料により湿潤している状態を維持し得る限り特に限定されるものではない。例えば、保湿用化粧料の含浸量は、保湿用化粧料シートの基材としての不織布に対して2.8〜15倍量(質量基準)であるのが好ましく、特に5〜12.5倍量(質量基準)であるのが好ましい。
上述したような本実施形態に係る保湿用化粧料シートを製造する方法としては、まず、気密性の高い容器(例えば、アルミラミネート製包装体、ポリエチレンテレフタレート(PET)製包装体等)内に保湿用化粧料が含浸されていない不織布を入れる。
次に、当該容器内に保湿用化粧料を注入し、当該容器を密封する。保湿用化粧料の注入量は、不織布を構成する繊維の種類に応じて適宜設定すればよいが、不織布に対して3〜40倍量(質量基準)であるのが好ましい。
容器を密封した後、所定時間放置し、不織布全体に保湿用化粧料をほぼ均一に含浸させる。かかる時間は、不織布を構成する繊維の種類に応じて適宜設定することができ、例えば、木綿繊維からなる不織布を用いる場合、30分〜1時間程度であればよく、パルプ繊維からなる不織布を用いる場合、12〜24時間程度であればよい。
このようにして製造される本実施形態に係る保湿用化粧料シートは、顔(全体、頬部、目元部、口元部、眼下部等)、腕部、足部、胸部、腹部、首部等の所望の適用部位に密着させることにより使用され、適当な時間(例えば、15分程度)密着させた後に剥離される。なお、所望の適用部位に保湿用クリーム等を塗布し、その塗布部位に重ねるようにして本実施形態に係る保湿用化粧料シートを密着させて使用してもよい。このようにして使用することで、より優れた保湿効果を得ることができる。
一般に、保湿用化粧料シートは、空気の乾燥する冬期に使用頻度が高くなると考えられるが、当該保湿用化粧料シートに含浸されている保湿用化粧料が水を含有するものであると、皮膚に適用した際に冷感を与えてしまい、使用感が悪くなるおそれがある。しかしながら、本実施形態に係る保湿用化粧料シートによれば、当該保湿用化粧料シートに含浸されている保湿用化粧料が水を実質的に含有していないため、皮膚に適用した際にほどよい温感を与えることができ、使用感を良好にすることができるという効果も併せ持つ。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は特に制限はなく、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
上記実施形態においては、容器に不織布を入れてから当該容器内に保湿用化粧料を注入することで保湿用化粧料シートを製造しているが、これに限定されるものではなく、例えば、不織布を保湿用化粧料に6〜24時間程度浸漬させて、当該保湿用化粧料を不織布全体に含浸させ、得られた保湿用化粧料を直ちに気密性の高い容器に封入するようにしてもよい。
以下、実施例等を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記の実施例等により何ら限定されるものではない。
〔実施例1〕
表1に示す配合の保湿用化粧料を常法により調製した。かかる保湿用化粧料の粘度(18℃)を、粘度計(東京計器社製,製品名:B型粘度計)を用いて測定したところ、34.5mPa・sであった。
表1に示す配合の保湿用化粧料を常法により調製した。かかる保湿用化粧料の粘度(18℃)を、粘度計(東京計器社製,製品名:B型粘度計)を用いて測定したところ、34.5mPa・sであった。
〔実施例2〕
実施例1において得られた保湿用化粧料0.15mLを、パルプ繊維からなる不織布(目付量:40g/m2,製品名:パルクロスPL−40,王子キノクロス社製)に滴下した。24時間後に略円形に広がった保湿用化粧料の液滴の長径を測定した。その結果、不織布上に広がった略円形状の液滴の長径が2.1cmであった(n=5)。
実施例1において得られた保湿用化粧料0.15mLを、パルプ繊維からなる不織布(目付量:40g/m2,製品名:パルクロスPL−40,王子キノクロス社製)に滴下した。24時間後に略円形に広がった保湿用化粧料の液滴の長径を測定した。その結果、不織布上に広がった略円形状の液滴の長径が2.1cmであった(n=5)。
〔実施例3〕
不織布として木綿繊維からなる不織布(目付量:40g/m2,製品名:コットエースC040S/A01,ユニチカ社製)を用いる以外は実施例2と同様にして保湿用化粧料の液滴の長径を測定した。その結果、不織布上に広がった略円形状の液滴の長径が4.1cmであった(n=5)。
不織布として木綿繊維からなる不織布(目付量:40g/m2,製品名:コットエースC040S/A01,ユニチカ社製)を用いる以外は実施例2と同様にして保湿用化粧料の液滴の長径を測定した。その結果、不織布上に広がった略円形状の液滴の長径が4.1cmであった(n=5)。
〔実施例4〕
不織布として木綿繊維からなる不織布(目付量:60g/m2,製品名:コットエースC060S/A01,ユニチカ社製)を用いる以外は実施例2と同様にして保湿用化粧料の液滴の長径を測定した。その結果、不織布上に広がった略円形状の液滴の長径が3.0cmであった(n=5)。
不織布として木綿繊維からなる不織布(目付量:60g/m2,製品名:コットエースC060S/A01,ユニチカ社製)を用いる以外は実施例2と同様にして保湿用化粧料の液滴の長径を測定した。その結果、不織布上に広がった略円形状の液滴の長径が3.0cmであった(n=5)。
上述した結果から、実施例3で用いた木綿繊維からなる不織布の方が、実施例2で用いたパルプ繊維からなる不織布よりも保湿用化粧料の含浸性に優れることが判明した。また、実施例3及び4の結果から、目付量の増加に伴って保湿用化粧料の含浸性が低下することが判明した。
以下に、本発明における保湿用化粧料の配合例(配合例1〜3)を示すが、本発明における保湿用化粧料は下記の配合例に限定されるものではない。
〔配合例1〕
流動パラフィン 94質量%
メドウフォームエストリド 5質量%
トコフェロール 0.5質量%
ビサボロール 0.3質量%
ビターオレンジ花油 0.1質量%
ローマカミツレ花油 0.05質量%
ラベンダー油 0.05質量%
〔配合例1〕
流動パラフィン 94質量%
メドウフォームエストリド 5質量%
トコフェロール 0.5質量%
ビサボロール 0.3質量%
ビターオレンジ花油 0.1質量%
ローマカミツレ花油 0.05質量%
ラベンダー油 0.05質量%
〔配合例2〕
スクアラン 93.95質量%
メドウフォームエストリド 5質量%
トコフェロール 0.5質量%
ビサボロール 0.3質量%
ビターオレンジ花油 0.12質量%
ローマカミツレ花油 0.05質量%
ラベンダー油 0.08質量%
スクアラン 93.95質量%
メドウフォームエストリド 5質量%
トコフェロール 0.5質量%
ビサボロール 0.3質量%
ビターオレンジ花油 0.12質量%
ローマカミツレ花油 0.05質量%
ラベンダー油 0.08質量%
〔配合例3〕
スクアラン 94質量%
メドウフォームエストリド 5質量%
トコフェロール 0.5質量%
ビサボロール 0.3質量%
ビターオレンジ花油 0.1質量%
ローマカミツレ花油 0.05質量%
ノバラ油 0.05質量%
スクアラン 94質量%
メドウフォームエストリド 5質量%
トコフェロール 0.5質量%
ビサボロール 0.3質量%
ビターオレンジ花油 0.1質量%
ローマカミツレ花油 0.05質量%
ノバラ油 0.05質量%
本発明の保湿用化粧料シートは、皮膚の保湿能を向上させることができ、結果として皮膚の乾燥等に伴うしわ等の予防・改善に有用である。
Claims (9)
- 天然物に由来する油溶性保湿成分を含有し、水を実質的に含有しない保湿用化粧料が、不織布に含浸されてなり、
前記保湿用化粧料の18℃における粘度が、1000mPa・s以下であることを特徴とする保湿用化粧料シート - 前記保湿用化粧料は、前記油溶性保湿成分を90質量%以上含有するものであり、
前記油溶性保湿成分の18℃における粘度が、1000mPa・s以下であることを特徴とする請求項1に記載の保湿用化粧料シート。 - 前記保湿用化粧料の含浸量が、前記不織布に対して2.8〜15倍量(質量基準)であることを特徴とする請求項1又は2に記載の保湿用化粧料シート。
- 前記油溶性保湿成分が、分子中に脂肪族不飽和結合を有しないことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の保湿用化粧料シート。
- 前記油溶性保湿成分が、スクアランであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の保湿用化粧料シート。
- 前記保湿用化粧料が、セラミド類及び/又はスフィンゴ糖脂質をさらに含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の保湿用化粧料シート。
- 前記保湿用化粧料が、トコフェロールをさらに含有することを特徴とする請求項6に記載の保湿用化粧料シート。
- 前記保湿用化粧料シートが、界面活性剤を含有しないことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の保湿用化粧料シート。
- 前記不織布が、木綿繊維又はパルプ繊維からなることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の保湿用化粧料シート。
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---|---|---|---|---|
JP2016108243A (ja) * | 2014-12-02 | 2016-06-20 | 日本メナード化粧品株式会社 | 乳化化粧料 |
JP2016216375A (ja) * | 2015-05-14 | 2016-12-22 | 丸善製薬株式会社 | 血管新生促進剤 |
JP2017124989A (ja) * | 2016-01-14 | 2017-07-20 | 株式会社ニッピ | パック化粧料およびトイレタリー用品 |
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2009
- 2009-12-25 JP JP2009295120A patent/JP2011132203A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016108243A (ja) * | 2014-12-02 | 2016-06-20 | 日本メナード化粧品株式会社 | 乳化化粧料 |
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