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JP2011127715A - 車両用制御装置および車両用制御方法 - Google Patents

車両用制御装置および車両用制御方法 Download PDF

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JP2011127715A JP2009287935A JP2009287935A JP2011127715A JP 2011127715 A JP2011127715 A JP 2011127715A JP 2009287935 A JP2009287935 A JP 2009287935A JP 2009287935 A JP2009287935 A JP 2009287935A JP 2011127715 A JP2011127715 A JP 2011127715A
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Hitoshi Matsunaga
仁 松永
Shinji Kato
伸二 加藤
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Abstract

【課題】エンジンストールを回避しつつ、燃費改善の効果を適切に発現させる。
【解決手段】ECUは、車両の発進時であって(S100にてYES)、N制御の実行中に(S102にてYES)、ロックアップクラッチの係合力の変更を要する場合に(S104にてYES)、N制御からの復帰制御を実行するステップ(S106)と、ロックアップクラッチの上限ガード制御を実行するステップ(S108)と、復帰制御が終了したと判定された場合に(S110にてYES)、ロックアップクラッチに対して通常の容量可変制御を実行するステップ(S112)とを含む、プログラムを実行する。
【選択図】図5

Description

本発明は、車両に搭載された自動変速機の制御に関し、特に、発進クラッチの係合制御と、トルクコンバータのトルク容量の制御とを同時に実行する場合の自動変速機の制御に関する。
従来、自動変速機には、発進時に係合するための発進クラッチに加えて、トルクコンバータに内蔵されるロックアップクラッチが設けられる。発進クラッチをスムーズに係合させることにより車両はショックを発生することなく発進することができる。一方、ロックアップクラッチを係合させて、トルクコンバータのトルク容量を増加させることにより車両の発進時等におけるトルクコンバータにおいての駆動力の損失を抑制することができる。そのため、燃費の悪化を抑制することができる。
このようなクラッチが搭載された車両として、たとえば、特開2004−150531号公報(特許文献1)は、ロックアップクラッチが設けられた流体継手と動力伝達のために摩擦係合装置が設けられた自動変速機とを備えた車両において、なめらかな発進性能が十分に得られるとともに係合ショックが抑制される車両の発進制御装置を開示する。この車両の発進制御装置は、ロックアップクラッチが設けられた流体継手と、動力伝達のために摩擦係合装置が設けられた自動変速機とを備えた車両の発進制御装置であって、車両の発進時には、ロックアップクラッチを係合または半係合させた状態で摩擦係合装置をスリップ状態とする発進制御手段を含むことを特徴とする。
上述した公報に開示された車両の発進制御装置によると、ロックアップクラッチをスリップさせるよりも高精度のスリップ制御が可能となり、車両のなめらかな発進性能が十分に得られるとともに係合ショックが抑制される。
また、車両の停止時に予め定められた実行条件が成立した場合に、発進クラッチの係合力を緩めることにより燃費の改善を図るニュートラル制御が公知である。ニュートラル制御中に、予め定められた復帰条件が成立した場合には、発進クラッチの係合力を増加させて、車両の発進に備える復帰制御が実行される。
特開2004−150531号公報
ところで、燃費改善効果を最大限に発現させるためには、車両の発進時にロックアップクラッチの係合力を制御してトルクコンバータのトルク容量を可能な限り高くすることが望ましい。一方、トルクコンバータにおけるトルク容量を高くすることによって、エンジン回転数がエンジンのストールを回避するための回転数(以下、エンスト保証回転数と記載する)よりも低下した場合には、エンジンのストールが発生する可能性が高くなる。これに対して、トルクコンバータのトルク容量を不必要に低下させた場合には、燃費改善効果が低下する可能性がある。そのため、エンジンのストールを回避するためには、ロックアップクラッチの係合力をフィードバック制御によってトルク容量を可能な限り高くしつつ、かつ、エンスト保証回転数以上にエンジン回転数を保持することが望ましい。
しかしながら、上述したロックアップクラッチを用いた容量可変制御と、ニュートラル制御からの復帰制御とが同時に実行する場合には、制御が発散し、トルク容量が不必要に増加することによってエンジンがストールする可能性がある。これは、容量可変制御およびニュートラル制御のいずれもが共通の状態量(たとえば、タービン回転数)に基づいてフィードバック制御することに起因する。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであって、その目的は、エンジンのストールを回避しつつ、燃費改善の効果を適切に発現させる車両用制御装置および車両用制御方法を提供することである。
この発明のある局面に係る車両用制御装置は、トルクコンバータと変速機構とを含む自動変速機と、エンジンとを搭載した車両の車両用制御装置である。変速機構は、車両の発進時に係合するための第1クラッチを有する。トルクコンバータは、トルクコンバータのトルク容量を変化させるための第2クラッチを有する。この車両用制御装置は、第1実行条件が成立した場合に係合状態の第1クラッチが非係合状態になるように第1クラッチの係合力を制御するニュートラル制御を実行するためのニュートラル制御部と、復帰条件が成立した場合に非係合状態の第1クラッチが係合状態に復帰するように第1クラッチの係合力を制御する復帰制御を実行するための復帰制御部と、第2実行条件が成立した場合にトルク容量が車両の状態に対応したトルク容量と一致するように第2クラッチの係合力を制御する容量可変制御を実行するための容量可変制御部と、復帰条件と第2実行条件とが同時に成立した場合に、復帰制御部による復帰制御が終了するまで、エンジンのストールを回避するためのエンジン回転数の下限値とエンジンの現在トルクとに基づいて第2クラッチのトルク容量の上限値を算出して、第2クラッチのトルク容量が上限値に沿って変化するように第2クラッチの係合力を制御する上限ガード制御部とを含む。
好ましくは、容量可変制御部は、復帰制御が終了した後に容量可変制御を実行する。
さらに好ましくは、容量可変制御部は、容量可変制御を実行している場合に第2クラッチに対する制御量についての補正量を算出する。上限ガード制御部は、補正量を用いて第2クラッチの係合力を制御する。
さらに好ましくは、第2クラッチは、トルクコンバータの入力軸と出力軸とを直結状態にするためのロックアップクラッチである。
さらに好ましくは、トルクコンバータは、ポンプインペラーと、タービンランナーと、ステータとを含む。第2クラッチは、ポンプインペラーと、タービンランナーと、ステータとのうちの少なくともいずれか一つの回転を制限するためのクラッチである。
この発明の他の局面に係る車両用制御方法は、トルクコンバータと変速機構とを含む自動変速機と、エンジンとを搭載した車両の車両用制御方法である。変速機構は、車両の発進時に係合するための第1クラッチを有する。トルクコンバータは、トルクコンバータのトルク容量を変化させるための第2クラッチを有する。この車両用制御方法は、第1実行条件が成立した場合に係合状態の第1クラッチが非係合状態になるように第1クラッチの係合力を制御するニュートラル制御を実行するステップと、復帰条件が成立した場合に非係合状態の第1クラッチが係合状態に復帰するように第1クラッチの係合力を制御する復帰制御を実行するステップと、第2実行条件が成立した場合にトルク容量が車両の状態に対応したトルク容量と一致するように第2クラッチの係合力を制御する容量可変制御を実行するステップと、復帰条件と第2実行条件とが同時に成立した場合に、復帰制御が終了するまで、エンジンのストールを回避するためのエンジン回転数の下限値とエンジンの現在トルクとに基づいて第2クラッチのトルク容量の上限値を算出して、第2クラッチのトルク容量が上限値に沿って変化するように第2クラッチの係合力を制御するステップとを含む。
第1の実施の形態に係る車両用制御装置を搭載した車両のパワートレーンを示す概略構成図である。 第1の実施の形態において車両に搭載された自動変速機のスケルトン図である。 トルクコンバータにおける速度比と容量係数との関係を示す図である。 第1の実施の形態に係る車両用制御装置であるECUの機能ブロック図である。 第1の実施の形態に係る車両用制御装置であるECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 第1の実施の形態に係る車両用制御装置であるECUの動作を示すタイミングチャートである。 第2の実施の形態において車両に搭載されたトルクコンバータのスケルトン図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
<第1の実施の形態>
図1を参照して、本実施の形態に係る車両用制御装置を搭載した車両10について説明する。車両10は、FR(Front engine Rear drive)車両である。なお、車両10は、FR以外の車両であってもよい。
車両10は、エンジン100と、自動変速機200と、ECU(Electronic Control Unit)300と、車輪400と、ディファレンシャルギヤ402と、ドライブシャフト404と、プロペラシャフト406とを含む。本実施の形態に係る車両用制御装置は、ECU300により実現される。
エンジン100は、インジェクタ(図示せず)から噴射された燃料とエアクリーナ104から吸気通路102を経由して吸入された空気との混合気を、シリンダの燃焼室内で燃焼させる内燃機関である。燃焼によってシリンダ内のピストンが押し下げられて、クランクシャフトが回転させられる。エンジン100の動力は、クランクシャフトを経由して自動変速機200に伝達される。
エアクリーナ104から吸入された空気の流量は、スロットルバルブ108によって調整される。スロットルバルブ108は、スロットルモータ110を動力源として作動する。スロットルモータ110は、ECU300からの制御信号に基づいて駆動する。
自動変速機200は、エンジン100のクランクシャフトに連結される。自動変速機200は、車両の走行状態に応じてクランクシャフトの回転数を所望の回転数に変速する。本実施の形態において、自動変速機200は、車両の走行状態に応じて変速比を段階的に変更する有段式自動変速機であるとして説明するが、特に有段式自動変速機に限定されるものではなく、たとえば、車両の走行状態に応じて連続的に変速比を変更する無段式自動変速機であってもよいものとする。
自動変速機200は、変速機構202と、トルクコンバータ204と、油圧回路206とを含む。トルクコンバータ204の内部には、ロックアップクラッチ216が設けられる。ロックアップクラッチ216は、係合状態になることによってトルクコンバータ204の入力軸と出力軸とを直結状態とし、非係合状態になることによって直結状態を解消する。本実施の形態においては、係合状態とは、ロックアップクラッチ216が完全に係合した状態をいい、非係合状態とは、ロックアップクラッチ216の半係合状態と解放状態とを含む。
ロックアップクラッチ216は、油圧回路206から供給される油圧によって係合状態になったり、解放状態になったり、あるいは、半係合状態になったりする。ECU300は、各種ソレノイド等を用いて油圧回路206からロックアップクラッチ216に供給される油圧を制御する。
自動変速機200の出力軸は、プロペラシャフト406を経由してディファレンシャルギヤ402に連結される。ディファレンシャルギヤ402にはドライブシャフト404がスプライン嵌合などによって連結される。自動変速機200からの動力は、プロペラシャフト406およびドライブシャフト404を経由して、左右の車輪400に伝達される。
ECU300には、エアフローメータ106と、スロットルバルブ108のスロットル開度センサ112と、アクセルポジションセンサ302と、ストップランプスイッチ304と、車輪速センサ308と、シフトレバー312のポジションスイッチ310と、エンジン回転数センサ314と、入力軸回転数センサ316と、出力軸回転数センサ318とがハーネスなどを介在させて接続されている。
エアフローメータ106は、スロットルバルブ108よりも吸気通路102の上流側に設けられる。エアフローメータ106は、エアクリーナ104から吸入される空気の流量(以下、吸入空気量Gaと記載する)を検出する。エアフローメータ106は、吸入空気量Gaを示す信号をECU300に送信する。
スロットル開度センサ112は、スロットルモータ110により開度が調整されるスロットルバルブ108の開度(以下、スロットル開度Thと記載する)を検出する。スロットル開度センサ112は、スロットル開度Thを示す信号をECU300に送信する。
アクセルポジションセンサ302は、アクセルペダル(図示せず)の踏み込み量を検出する。アクセルポジションセンサ302は、アクセルペダルの踏み込み量を示す信号をECU300に送信する。
ストップランプスイッチ304は、ブレーキペダル(図示せず)のストローク量が予め定められた量以上となるときに、ブレーキペダルが踏み込まれたことを表すオン信号をECU300に送信する。なお、ストップランプスイッチ304に代えてブレーキペダルのストローク量を検出するストロークセンサを用いてもよい。この場合、ECU300は、ストロークセンサから受信するストローク量が予め定められた量以上となるときに、ブレーキペダルが踏み込まれたと判定すればよい。
車輪速センサ308は、ドライブシャフト404の回転数を検出する。車輪速センサ308は、ドライブシャフト404の回転数を示す信号をECU300に送信する。ECU300は、受信したドライブシャフト404の回転数に基づいて車両の速度を算出する。
ポジションスイッチ310は、シフトレバー312の位置を検出する。シフトレバー312は、予め定められた形状のシフトゲートに沿って移動可能に設けられる。ポジションスイッチ310は、シフトゲート上におけるシフトレバー312の位置を示す信号をECU300に送信する。
ECU300は、自動変速機200のシフトレンジがシフトレバー312の位置に対応するシフトレンジと一致するように自動変速機200を制御する。シフトレンジとは、たとえば、ドライブ(D)レンジと、ニュートラル(N)レンジと、リバース(R)レンジと、パーキング(P)レンジとを含む。
エンジン回転数センサ314は、エンジン100の出力軸(クランクシャフト)の回転数(以下、エンジン回転数NEと記載する)を検出する。エンジン回転数センサ314は、エンジン回転数NEを示す信号をECU300に送信する。
入力軸回転数センサ316は、自動変速機200の入力軸回転数(以下、タービン回転数NTと記載する)を検出する。入力軸回転数センサ316は、タービン回転数NTを示す信号をECU300に送信する。
出力軸回転数センサ318は、自動変速機200の出力軸回転数NOを検出する。出力軸回転数センサ318は、出力軸回転数NOを示す信号をECU300に送信する。
エンジン100の出力軸は、トルクコンバータ204の入力軸に接続され、トルクコンバータ204の出力軸は、変速機構202の入力軸に接続される。そのため、エンジン100の出力軸の回転数は、トルクコンバータ204の入力軸の回転数と同じ回転数となる。また、変速機構202の入力軸回転数は、トルクコンバータ204の出力軸の回転数と同じ回転数となる。
ECU300は、RAM(Random Access Memory)またはROM(Read Only Memory)等のメモリ306を含み、エアフローメータ106、スロットル開度センサ112、アクセルポジションセンサ302、ストップランプスイッチ304、車輪速センサ308、ポジションスイッチ310、エンジン回転数センサ314、入力軸回転数センサ316および出力軸回転数センサ318などから送られてきた信号、メモリ306に記憶されたマップおよびプログラムに基づいて、車両10が所望の走行状態となるように、機器類を制御する。
運転者がシフトレバー312をシフトゲートに沿ってDレンジに対応する位置に移動させたことによって、自動変速機200のシフトレンジとしてDレンジが選択された場合、ECU300は、車両の走行状態に対応した変速段が選択されるように自動変速機200を制御する。
あるいは、運転者がシフトレバー312をNレンジに対応する位置に移動させたことによって、自動変速機200のシフトレンジとしてNレンジが選択された場合、ECU300は、自動変速機200がニュートラル状態(動力伝達遮断状態)になるように、自動変速機200を制御する。
図2を参照して、自動変速機200の構成について詳細に説明する。トルクコンバータ204は、ポンプインペラー210と、ステータ212と、タービンランナー214と、ロックアップクラッチ216と、ワンウェイクラッチ220とを含む。
ポンプインペラー210は、クランクシャフトに連結された入力軸218に接続される。タービンランナー214は、出力軸222に連結される。ステータ212は、ポンプインペラー210とタービンランナー214との間に設けられる。
ワンウェイクラッチ220は、ステータ212の回転方向を一方向に制限する。ワンウェイクラッチ220は、アウターレース224とインナーレース226とを含む。ワンウェイクラッチ220のアウターレース224は、ギヤケース228に固定され、インナーレース226は、ステータ212に連結される。
トルクコンバータ204の内部には、作動油が充填される。エンジンの動力によってポンプインペラー210が回転して、ポンプインペラー210からタービンランナー214に向けて作動油が流通することによってトルクが伝達される場合に、ステータ212によって作動油が流通する方向を変えることによってトルクコンバータ204の入力軸218に入力されたトルクが増大して出力軸222に伝達される。なお、トルクコンバータ204の詳細な作動原理については周知の技術であるため、その詳細な説明は行なわない。
トルクコンバータ204の性能を表す要素として、トルク容量係数Cがある。トルク容量係数Cは、トルク容量係数C=入力軸を回転させるのに必要なトルク/(入力軸回転数)によって表される。
ロックアップクラッチ216は、係合状態になることによってトルクコンバータ204の入力軸218と出力軸222とを直結状態とし、解放状態になることによって入力軸218とと出力軸222との直結状態を解消する。
変速機構202は、シンプソン型のギヤトレーンであって、遊星歯車機構の第1セット240と、遊星歯車機構の第2セット250と、出力軸230と、ギヤケース228に固定されたB1ブレーキ260と、B2ブレーキ262と、C1クラッチ264と、C2クラッチ266とを含む。なお、変速機構202は、シンプソン型のギヤトレーンに限定されるものではなく、その他の形式のギヤトレーンであってもよい。
第1セット240および第2セット250は、いずれもシングルピニオン型の遊星歯車機構である。第1セット240は、第1サンギヤ242と、第1ピニオンギヤ244と、第1リングギヤ246と、第1キャリア248とを含む。
第1サンギヤ242は、C2クラッチ266を介在してトルクコンバータ204の出力軸222に連結されている。また、第1サンギヤ242は、B2ブレーキ262が係合した場合に第1サンギヤ242の回転は制限される。第1ピニオンギヤ244は、第1キャリア248に回転自在に支持されている。第1ピニオンギヤ244は、第1サンギヤ242および第1リングギヤ246と噛合している。第1リングギヤ246は、C1クラッチ264を介在してトルクコンバータ204の出力軸222に連結されている。第1キャリア248は、第2セット250の第2リングギヤ256および変速機構202の出力軸230に連結される。
第2セット250は、第2サンギヤ252と、第2ピニオンギヤ254と、第2リングギヤ256と、第2キャリア258とを含む。
第2サンギヤ252は、第1サンギヤ242と連結されている。そのため、B2ブレーキ262が係合した場合に第2サンギヤ252の回転は制限される。第2ピニオンギヤ254は、第2キャリア258に回転自在に支持されている。第2ピニオンギヤ254は、第2サンギヤ252および第2リングギヤ256と噛合している。第2キャリア258は、B1ブレーキ260に連結されている。そのため、B1ブレーキ260が係合した場合に第2キャリア258の回転は制限される。第2リングギヤ256は、第1キャリア248および変速機構202の出力軸230に連結されている。
以上のような構成を有する変速機構202においては、少なくともC1クラッチ264およびC2クラッチ266のいずれもが開放されている場合、自動変速機200は、エンジン100の動力が変速機構202の出力軸230に伝達されない状態、すなわち、動力遮断状態(以下、ニュートラル状態と記載する)となる。
一方、B1ブレーキ260、B2ブレーキ262、C1クラッチ264およびC2クラッチ266のうちの少なくともいずれか一つが係合することによって、複数の変速段(たとえば、4速段)のうちのいずれか一つの変速段が形成される。
本実施の形態において、車両が発進する場合の変速段(1速段)が形成される場合、C1クラッチ264が係合される。
このような構成を有する車両において、ECU300は、車両の状態について予め定められた実行条件が成立した場合にニュートラル制御(以下、N制御と記載する)を実行する。N制御とは、係合状態のC1クラッチ264が非係合状態となるようにする制御をいう。
予め定められた実行条件とは、たとえば、アクセルオフかつストップランプスイッチ304がオンかつブレーキマスタシリンダ圧が所定値以上かつ車速が所定値以下の停止状態であるという条件である。なお、予め定められた実行条件は、上記した条件に特に限定されるものではない。
さらに、ECU300は、車両の状態について予め定められた復帰条件が成立した場合にN制御からの復帰制御を実行する。復帰制御とは、非係合状態のC1クラッチ264を係合状態に復帰させる制御をいう。
予め定められた復帰条件とは、たとえば、上述の予め定められた実行条件が成立しないという条件であってもよいし、上述の予め定められた実行条件の各しきい値に対して制御ハンチングの生じない、一定の差を有する新たなしきい値を条件としてもよい。
ECU300は、C1クラッチ264が係合状態に復帰した場合に、復帰制御が完了したと判定する。ECU300は、C1クラッチ264が係合状態に復帰したか否かを自動変速機200の出力軸回転数NOとタービン回転数NTとに基づいて判定する。たとえば、ECU300は、出力軸回転数NOから換算したタービン回転数と入力軸回転数センサ316によって検出されたタービン回転数NTとが同期している場合(すなわち、両者の差の絶対値が所定値以下の場合)、C1クラッチ264が係合状態に復帰したことにより復帰制御が完了したと判定する。あるいは、ECU300は、C1クラッチ264の油圧制御量が予め定められた値以上である場合に復帰制御が完了したと判定してもよい。
さらに、ECU300は、車両の状態に応じてトルクコンバータ204におけるトルク容量を可能な限り増加させる可変容量制御を実行する。本実施の形態において、トルクコンバータ204におけるトルク容量を増加させる制御は、ロックアップクラッチ216の係合力を増加させることによって行なわれる。しかしながら、トルク容量を不必要に増加させた場合には、エンジン100がストールする可能性がある。そのため、ECU300は、エンジン回転数NEと、タービン回転数NTとに基づいてエンジン回転数NEがエンスト保証回転数nestを下回らないようにロックアップクラッチ216の係合力をフィードバック制御する。
エンスト保証回転数nestとは、トルク容量を増加させる制御の実行中に外乱等が生じてもエンジン100の回転を維持し、ストールを回避することが保証できるエンジン回転数NEの範囲の下限値である。エンスト保証回転数nestは、通常のアイドル回転数よりも低い回転数であって、エンジンの特性や排気量によって異なる。
車両の発進時においては、上述の復帰制御と可変容量制御とが同時に起動する場合がある。このような場合には制御が発散し、トルク容量が不適切に増加することによってエンジン100のストールが発生する可能性がある。これは、復帰制御および可変容量制御のいずれもがタービン回転数NTに基づいてフィードバック制御が行なわれるためである。
また、復帰制御と可変容量制御とのうちのいずれか一方の制御の制御量を一定として、他方の制御の安定を図ることも考えられるが、たとえば、可変容量制御の制御量を一定に設定した場合に、このときのトルク容量が大きい場合には、エンジン100は外乱等によってストールする可能性があり、このときのトルク容量が小さい場合には、燃費改善効果が小さくなる可能性がある。そのため、エンジン100のストールを確実に回避するためには、燃費改善効果の小さいトルク容量を設定する必要がある。
そこで、本実施の形態においては、ECU300は、復帰条件と可変容量制御の実行条件とが同時に成立した場合に、復帰制御が終了するまで、ロックアップクラッチ216の制御量および制御量の変化量のうちのいずれか一方が一定となるように前記第2のクラッチの係合力を制御するとともに、エンスト保証回転数nestと、エンジン100の現在トルクとに基づいてロックアップクラッチ216のトルク容量の上限値を算出し、かつ、ロックアップクラッチ216のトルク容量が上限値に沿って変化するようにロックアップクラッチ216の係合力を制御する点に特徴を有する。
図3に、本実施の形態に係る車両用制御装置であるECU300の機能ブロック図を示す。ECU300は、発進判定部352と、N制御実行判定部354と、係合判定部356と、補正量算出部358と、復帰制御部360と、上限ガード制御実行部362と、終了判定部364と、通常制御実行部366とを含む。
発進判定部352は、車両の発進時であるか否かを判定する。具体的には、発進判定部352は、ストップランプスイッチ304がオフされた場合、アクセルペダルが踏み込まれた場合、車速が予め定められた速度(たとえば、ゼロ)よりも大きい場合のうちのいずれかに該当する場合に、車両の発進時であると判定する。なお、発進判定部352は、たとえば、車両の発進時であると判定した場合、発進判定フラグをオンするようにしてもよい。
N制御実行判定部354は、N制御の実行中であるか否かを判定する。具体的には、N制御実行判定部354は、N制御の予め定められた実行条件が成立した後であって、かつ、復帰制御が完了する前である場合に、N制御の実行中であると判定する。たとえば、N制御実行判定部354はN制御の予め定められた実行条件が成立した場合にオンされ、復帰制御が完了した場合にオフされるN制御実行フラグの状態に基づいてN制御の実行中であるか否かを判定するようにしてもよい。なお、N制御実行判定部354は、たとえば、N制御の実行中であると判定した場合に実行判定フラグをオンするようにしてもよい。
係合判定部356は、容量可変制御の実行時にロックアップクラッチ216の係合力の変更を要するか否かを判定する。容量可変制御は、エンジン100のトルクおよびアクセルペダルの踏み込み量についての条件が成立した場合に実行される。このとき、たとえば、エンジン100の低トルク領域等においては、トルクコンバータ204のみで最適運転が可能なため、ロックアップクラッチ216の係合力の変更は行なわれない。一方、エンジン100の高トルク領域等においては、トルクコンバータ204のみで燃費改善効果が発現できない場合に、ロックアップクラッチ216の係合力の変更が行なわれる。
すなわち、係合判定部356は、エンジン100のトルクおよびアクセルペダルの踏み込み量に基づいて容量可変制御の実行時にロックアップクラッチ216の係合力の変更を要するか否かを判定する。エンジン100のトルクは、たとえば、吸入空気量、スロットル開度、燃料噴射量、点火時期および吸排気バルブの開閉タイミングによって推定することができる。
なお、係合判定部356は、上述する上限ガード制御実行部362において算出されたロックアップクラッチ216の分担トルク容量がゼロよりも大きい場合に、ロックアップクラッチ216の係合力の変更を要すると判定するようにしてもよい。
また、係合判定部356は、たとえば、ロックアップクラッチ216の係合力の変更を要すると判定した場合に、係合判定フラグをオンするようにしてもよい。
補正量算出部358は、N制御中ではなく、かつ、容量可変制御を実行する場合に、ロックアップクラッチ216の制御量の補正量を算出する。具体的には、補正量算出部358は、制御量に対する理論上のスリップ量(エンジン回転数NEとタービン回転数NTとの差の絶対値)を目標値とし、当該制御量に対する実際のスリップ量が目標値よりも小さい場合に制御量(油圧指令値)を低下させ、あるいは、当該制御量に対する実際のスリップ量が目標値よりも大きい場合に制御量を増加させ、実際のスリップ量を目標値に一致させたときの制御量の変化量を補正量として算出する。容量可変制御の実行時だけでなく、上限ガード制御実行時のロックアップクラッチ216の制御量に対して上述の補正量を考慮することによって、油圧のばらつきやトルクコンバータの性能ばらつき等の影響を抑制することができる。その結果、トルク容量の変化させることによる燃費改善効果をより効果的に発生させることができる。なお、好ましくは、補正量の算出は、ユーザ操作あるいは変速等の外乱がない状態で行なうことが望ましい。そのため、ユーザ操作がないという条件あるいは変速が行なわれないという条件を補正の実行条件の一つとして含むようにしてもよい。
なお、補正量算出部358は、たとえば、発進判定フラグがオンであって、実行判定フラグがオフであって、かつ、係合判定フラグがオンである場合に、ロックアップクラッチ216の制御量の補正量を算出するようにしてもよい。また、補正量算出部358は、車両の走行状態について予め定められた条件が成立した場合に実行される、ロックアップクラッチ216のスリップ制御時にロックアップクラッチ216の制御量の補正量を算出するようにしてもよい。予め定められた条件とは、たとえば、スロットル開度Th(あるいはアクセルペダルの踏み込み量)と、車両の速度(あるいは、出力軸回転数NO)とについての条件である。また、補正量算出部358は、算出した補正量をメモリ306に記憶してもよい。
復帰制御部360は、車両発進時であって、かつ、N制御の実行中である場合に、N制御からの復帰制御を実行する。復帰制御部360は、C1クラッチ264の係合力を増加させてC1クラッチ264を係合状態に復帰させる。具体的には、復帰制御部360は、たとえば、C1クラッチ264の制御油圧について初期制御、スイープ制御および完了制御を実行する。復帰制御部360は、初期制御において、予め定められた初期油圧が予め定められた期間が経過するまで出力され、スイープ制御において、上記初期油圧よりも低い油圧を初期値として予め定められた期間が経過するまで予め定められた上昇率で制御油圧を上昇させていき、タービン回転数NTと、出力軸回転数NOから換算されたタービン回転数とが同期した時点で(差回転の絶対値が予め定められた値以下になった時点で)、完了制御において、制御油圧を係合状態に対応した制御油圧まで増加させる。
なお、復帰制御部360は、たとえば、発進判定フラグがオンであって、かつ、実行判定フラグがオンである場合に、復帰制御を実行するようにしてもよい。
上限ガード制御実行部362は、車両の発進時であって、N制御の実行中であって、トルク容量制御の実行時に係合力の変更を要し、かつ、N制御からの復帰制御が実行される場合に、ロックアップクラッチ216の分担トルク容量係数を含むトルクコンバータ204の全トルク容量係数がエンジン100のストールを回避できるトルク容量係数の上限値Cstを越えないようにロックアップクラッチ216の分担トルク容量係数の上限値Cluを設定する。上限ガード制御実行部362は、ロックアップクラッチ216の分担トルク容量係数が、設定された上限値Cluに沿って変化するようにロックアップクラッチ216の係合力を制御する。以下に、ロックアップクラッチ216の分担トルク容量係数の上限値Cluの算出方法について説明する。
図4に一般的なトルクコンバータのトルク容量係数性能曲線を示す。図4の縦軸はトルク容量係数Cを示す。図4の横軸は速度比eを示す。
トルク容量係数Cは、速度比eによって決定される。速度比eは、速度比e=タービン回転数NT/エンジン回転数NEの式で表される。トルク容量係数Cは、トルク容量係数C=エンジントルクTe/(エンジン回転数NE)の式で表される。
この場合、エンジン100のストールを回避するために必要なトルク容量係数Cstは、トルク容量係数Cst=現在のエンジントルクTe1/(エンスト保証回転数nest)で表される。このとき、現在の速度比e1は、現在の速度比e1=現在のタービン回転数NT1/エンスト保証回転数nestで表され、現在のトルク容量係数Ctcが決定される。
エンジン100のストールを回避するために必要なトルク容量係数Cstと現在のトルク容量係数Ctcとが等しい場合(Cst=Ctc)、トルクコンバータ204のみによってエンジン100のストールを回避できるトルク容量を確保することができており、最大限の燃費効果が得られている。この場合、ロックアップクラッチ216の分担トルク容量係数は、ゼロとなる。
一方、運転者のアクセルペダル踏み込み量の増加等に応じて現在のエンジントルクTe1が大きくなる場合には、エンジン100のストールを回避するために必要なトルク容量係数Cstは、現在のトルク容量係数Ctcよりも大きくなるため、エンジン100のストールを回避しつつ、燃費改善効果を維持するためには、ロックアップクラッチ216の係合力を増加させて、ロックアップクラッチ216の分担トルク容量係数を増加させることによって、トルクコンバータ204全体のトルク容量係数がCstになるようにする必要がある。
そのため、ロックアップクラッチ216の分担トルク容量係数の上限値Cluが、上限値Clu=トルク容量係数Cst−トルク容量係数Ctcの式より算出される。
現在の速度比e1時に、トルクコンバータ204が受け持つ分担トルクが分担トルクTetcであるとした場合、現在のトルク容量係数Ctc=分担トルクTetc/(エンスト保証回転数nest)となる。したがって、上限値Cluは、上限値Clu=(現在のエンジントルクTe1−分担トルクTetc)/(エンスト保証回転数nest)の式により表される。したがって、ロックアップクラッチ216の分担トルクの上限値Teluは、上限値Telu=現在のエンジントルクTe1−分担トルクTetcの式により算出することができる。
本実施の形態において上限値Cluは、一定ではなく、たとえば、入力トルクが高くなると上限値Teluあるいは上限値Cluは、大きくなる。また、トルクコンバータ204の入力軸218の回転数が上昇し、速度比が減少した場合はトルクコンバータ204のトルク容量係数Ctcが大きくなるため、上限値Teluあるいは上限値Cluは、小さくなる。
上限ガード制御実行部362は、エンジン100のストールを回避するために必要なトルク容量係数Cstと現在のトルクコンバータ204のトルク容量係数Ctcとの差が上限値Cluに沿って変化するように、油圧指令値を制御量としている場合には、上限値Teluを達成するための油圧指令値を制御量として出力し、トルク容量を制御量としている場合には、Teluを制御量として出力する。
なお、上限ガード制御実行部362は、たとえば、発進判定フラグ、実行判定フラグ、係合判定フラグがいずれもオンであって、復帰制御が実行された場合に上述のロックアップクラッチ216の制御を実行するようにしてもよい。また、上限ガード制御実行部362は、補正量算出部358によって補正量が算出され、メモリ306等に記憶されている場合には、当該補正量を考慮してロックアップクラッチ216の係合力を制御する。
なお、上限ガード制御実行部362は、車両10の状態に応じて、ロックアップクラッチ216の分担トルク容量係数が、上述の上限値Cluに沿って変化させることができない場合には、上限ガード制御に代えて、トルク容量が一定の容量を有する状態を維持するようにロックアップクラッチ216を制御するようにしてもよい。
たとえば、上限ガード制御実行部362は、ロックアップクラッチ216の制御量が一定(予め定められた値あるいは車両の状態に応じた値)になるようにロックアップクラッチ216の係合力を制御する。
あるいは、上限ガード制御実行部362は、ロックアップクラッチ216のスリップ量の変化量を一定にするために制御量の上昇量あるいは下降量が一定に(予め定められた値あるいは車両の状態に応じた値)になるようにロックアップクラッチ216の係合力を制御する。
終了判定部364は、N制御からの復帰制御が開始された後に、当該復帰制御が終了したか否かを判定する。終了判定部364は、タービン回転数NTと出力軸回転数NOから換算されたタービン回転数とが同期した時点で(差回転の絶対値が予め定められた値以下になった時点で)、復帰制御が終了したと判定するようにしてもよいし、あるいは、制御量が予め定められた値以上となった場合に、復帰制御が終了したと判定するようにしてもよい。
なお、終了判定部364は、たとえば、N制御からの復帰制御が終了したと判定した場合に終了判定フラグをオンするようにしてもよい。
通常制御実行部366は、車両発進時であって、N制御中ではなく、トルク容量制御のみが実行される場合、あるいは、車両発進時であって、N制御中であって、ロックアップクラッチ216の係合力の変更を要し、かつ、N制御からの復帰制御が実行された場合であって、当該復帰制御が終了した場合、通常のトルク容量制御を実行する。
通常のトルク容量制御とは、最大限の燃費改善効果が発現するように、スリップ量の目標値を設定し、実際のスリップ量が目標値に一致するようにロックアップクラッチ216の係合力をフィードバック制御することをいう。
通常制御実行部366は、通常のトルク容量制御において、車両10の走行状態に応じてロックアップクラッチ216の分担トルクを算出し、算出された分担トルクを達成するようにロックアップクラッチ216の係合力を制御する。
なお、通常制御実行部366は、たとえば、車両の目標駆動力に対して、カップリングポイント等のトルクコンバータの損失が抑制される速度比領域を使用して、かつ、エンジン100の燃料消費効率の良い運転領域(エンジントルク、エンジン回転数)を基準にロックアップクラッチ216の分担トルクを算出するようにしてもよい。
本実施の形態において、発進判定部352と、N制御実行判定部354と、係合判定部356と、補正量算出部358と、復帰制御部360と、上限ガード制御実行部362と、終了判定部364と、通常制御実行部366とは、いずれもECU300のCPUがメモリ306に記憶されたプログラムを実行することにより実現される、ソフトウェアとして機能するものとして説明するが、ハードウェアにより実現されるようにしてもよい。なお、このようなプログラムは記憶媒体に記録されて車両に搭載される。
図5を参照して、本実施の形態に係る車両用制御装置であるECU300で実行されるプログラムの制御構造について説明する。
ステップ(以下、ステップをSと記載する)100にて、ECU300は、車両の発進時であるか否かを判定する。車両の発進時である場合(S100にてYES)、処理はS102に移される。もしそうでない場合(S100にてNO)、処理はS100に戻され、車両の発進時になるまで待機する。
S102にて、ECU300は、N制御の実行中であるか否かを判定する。N制御の実行中である場合(S102にてYES)、処理はS104に移される。もしそうでない場合(S102にてNO)、処理はS118に移される。
S104にて、ECU300は、係合力の変更を要するか否かを判定する。係合力の変更を要すると判定された場合(S104にてYES)、処理はS106に移される。もしそうでない場合(S104にてNO)、処理はS114に移される。
S106にて、ECU300は、N制御からの復帰制御を実行する。S108にて、ECUは、ロックアップクラッチ216に対して上限ガード制御を実行する。上限ガード制御については上述のとおりであるため、その詳細な説明は繰返さない。
S110にて、ECU300は、N制御からの復帰制御が終了したか否かを判定する。N制御からの復帰制御が終了したと判定された場合(S110にてYES)、処理はS112に移される。もしそうでない場合(S110にてNO)、処理はS108に戻される。
S112にて、ECU300は、ロックアップクラッチ216に対して通常の容量可変制御を実行する。S114にて、ECU300は、N制御からの復帰制御を実行する。S116にて、ECU300は、N制御からの復帰制御が終了したか否かを判定する。N制御からの復帰制御が終了した場合(S116にてYES)、この処理は終了する。もしそうでない場合(S116にてNO)、処理はS114に移される。
S118にて、ECU300は、係合力の変更を要するか否かを判定する。係合力の変更を要すると判定された場合(S118にてYES)、処理はS120に移される。もしそうでない場合(S118にてNO)、この処理は終了する。S120にて、ECU300は、ロックアップクラッチ216の制御量の補正量を算出する。補正量の算出方法については上述したとおりであるため、その詳細な説明は繰返さない。
以上のような構造およびフローチャートに基づく本実施の形態に係る車両用制御装置であるECU300の動作について図6を用いて説明する。
図6の上段においては、縦軸はロックアップクラッチのトルク容量係数を示し、横軸は時間を示す。図6の下段においては、縦軸はエンジントルクを示し、横軸は時間を示す。
たとえば、停車中の車両において、予め定められた実行条件が成立したことによってニュートラル制御が実行されている場合を想定する。このとき、ECU300は、半係合状態となるようにC1クラッチ264の係合力を制御する。
時間T(1)にて、運転者がアクセルペダルを踏み込んだ場合にECU300は、車両の発進時であって(S100にてYES)、かつ、N制御の実行中であるため(S102にてYES)、ロックアップクラッチ216の係合を要するか否かを判定する(S104)。
ロックアップクラッチ216の係合を要する場合(S104にてYES)、N制御からの復帰制御が実行されるとともに(S106)、ロックアップクラッチ216に対して上限ガード制御が実行される(S108)。
図6に示すように、アクセルペダルが運転者によって踏み込まれたことによって、エンジントルクは上昇する。エンジントルクの上昇によって上限値Cluも上昇する。そのため、上限ガード制御を実行した場合(図6の実線)には、ロックアップクラッチ216の分担トルク容量係数は、上限値Cluの変化に沿って算出されるため、エンジン100のストールを回避しつつ、燃費改善の効果を有効に発生させることができる。一方、トルク容量を一定に保持する場合(図6の破線)には、低トルク領域においてエンジン100のストールを回避するための分担トルク容量係数に制限されるため、エンジントルクが上昇した場合に、上限ガード制御を実行した場合と比較して燃費改善の効果を有効に発生させることができない。
復帰制御が終了したと判定された場合(S110にてYES)、ロックアップクラッチ216に対して通常の容量可変制御が実行される(S112)。
一方、車両の発進時である場合に(S100にてYES)、N制御の実行中ではなく(S102にてNO)、かつ、ロックアップクラッチ216の係合力の変更を要する場合(S118にてYES)、ロックアップクラッチ216に対する制御量の補正量が算出される(S120)。そして、ロックアップクラッチ216に対して通常の容量可変制御が実行される(S112)。
さらに、車両の発進時である場合に(S100にてYES)、N制御の実行中であって(S102にてYES)、ロックアップクラッチ216の係合力の変更を要しない場合(S104にてNO)、N制御からの復帰制御が実行され(S114)、復帰制御が終了したと判定された場合に(S116にてYES)、処理が終了する。
以上のようにして、本実施の形態に係る車両用制御装置によると、N制御からの復帰制御の実行中に、ロックアップクラッチに対して上限ガード制御を実行することによって、復帰制御を安定して実行しつつ、エンジンのストールを回避して、可能な限りトルク容量を増加させることができる。復帰制御を安定して実行することによって、N制御から速やかに復帰することができる。また、可能な限りトルク容量を増加させることによって、トルクコンバータにおいて生じる滑りによる損失分に加えて、滑りによるエンジン回転数の上昇に対して必要となる、イナーシャを相殺するためのエネルギー分について燃費改善効果を有効に発生させることができる。
さらに、上限ガードの実行時にロックアップクラッチの制御量に対して補正量を考慮することによって、制御精度を向上させることができる。これによって、燃費改善効果をさらに向上させることができる。したがって、エンジンストールを回避しつつ、燃費改善の効果を適切に発現させる車両用制御装置および車両用制御方法を提供することができる。
ロックアップクラッチの制御に対しては、ドライバビリティ、燃費およびエンジンストールの回避を考慮する必要があるが、本発明を適用することによって、エンジン100のストールについては考慮する必要がないため、燃費に代えて車両の加速度の急な変動を抑制するなどドライバビリティを優先してロックアップクラッチの制御を行なうことも可能となる。
また、本実施の形態においては、復帰制御に対してはフィードバック制御を実行しつつ、ロックアップクラッチに対して上限ガード制御を実行するとしたが、特にこれに限定されるものではなく、たとえば、ロックアップクラッチの係合力についてはフィードバック制御を実行しつつ、復帰制御に対してC1クラッチの制御量についてエンジンのストールを回避し、燃費改善効果を発生させるためのC1クラッチの制御量の上限値を算出して、算出された上限値に沿って変化するようにC1クラッチの係合力を制御するようにしてもよい。復帰制御およびロックアップクラッチの係合力の制御のうちいずれをフィードバック制御とし、いずれを上限ガード制御とするかについては、たとえば、C1クラッチおよびロックアップクラッチの耐熱容量、制御性を考慮して判断してもよい。
<第2の実施の形態>
本実施の形態に係る車両用制御装置を搭載した車両は、第1の実施の形態に係る車両用制御装置を搭載した車両10と比較して、トルクコンバータ204がワンウェイクラッチ220に代えてCsクラッチ232を含む点が異なる。その他の構成については、第1の実施の形態に係る車両用制御装置を搭載した車両10と同じである。そのため、その詳細な説明は繰返さない。
図7に示すように、ステータ212は、Csクラッチ232を介在してギヤケース228に連結される。したがって、Csクラッチ232が係合状態である場合、ステータ212は、ギヤケース228に固定され、回転が制限されることとなる。一方、Csクラッチ232が解放状態あるいは半係合状態である場合、ステータ212は、ギヤケース228に対して相対的に回転可能となる。したがって、Csクラッチ232の係合力によって許容される回転数が決定される。
このように、ステータ212の許容される回転数をCsクラッチ232の係合力によって制御することにより、トルクコンバータ204のトルク容量を可変とすることができる。たとえば、Csクラッチ232が係合状態であって、ステータ212がギヤケース228に固定された状態(すなわち、回転数ゼロ)である場合に、トルクコンバータ204を、トルクコンバータ204の入力軸218とトルクコンバータ204の出力軸222との間で差回転が生じない程度のトルク容量になるような構成とする。
このような構成によって、Csクラッチ232の係合力を低下させて、ステータ212の回転を許容する状態にすることにより、ステータ212において反力が失われることによってトルクコンバータ204のトルク容量を低下させることができ、第1の実施の形態に係る車両10のロックアップクラッチ216の機能と同様の機能を発現させることができる。
このような構成において、Csクラッチ232による分担トルク容量係数の上限値を算出して、Csクラッチ232による分担トルク容量係数が、算出された上限値に沿って変化するようにCsクラッチ232の係合力を制御することによって、第1の実施の形態に係る車両用制御装置によって発現する効果と同様の効果を発現させることができる。
なお、本実施の形態に係る車両用制御装置は、第1の実施の形態に係る車両用制御装置の制御対象がロックアップクラッチ216であり、ロックアップクラッチ216の油圧指令値を制御量としているのに対して、Csクラッチ232を制御対象とし、Csクラッチ232の油圧指令値を制御量としている点で異なる。それ以外のECU300の動作については、第1の実施の形態に係る車両用制御装置であるECU300の動作と同様である。そのため、その詳細な説明は繰返さない。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 車両、100 エンジン、102 吸気通路、104 エアクリーナ、106 エアフローメータ、108 スロットルバルブ、110 スロットルモータ、112 スロットル開度センサ、200 自動変速機、202 変速機構、204 トルクコンバータ、206 油圧回路、210 ポンプインペラー、212 ステータ、214 タービンランナー、216 ロックアップクラッチ、218 入力軸、220 ワンウェイクラッチ、222,230 出力軸、224 アウターレース、226 インナーレース、228 ギヤケース、240 第1セット、242,252 サンギヤ、244,254 ピニオンギヤ、246,256 リングギヤ、248,258 キャリア、250 第2セット、260 B1ブレーキ、262 B2ブレーキ、264 C1クラッチ、266 C2クラッチ、300 ECU、302 アクセルポジションセンサ、304 ストップランプスイッチ、306 メモリ、308 車輪速センサ、310 ポジションスイッチ、312 シフトレバー、314 エンジン回転数センサ、316 入力軸回転数センサ、318 出力軸回転数センサ、352 発進判定部、354 N制御実行判定部、356 係合判定部、358 補正量算出部、360 復帰制御部、362 上限ガード制御実行部、364 終了判定部、366 通常制御実行部、400 車輪、402 ディファレンシャルギヤ、404 ドライブシャフト、406 プロペラシャフト。

Claims (6)

  1. トルクコンバータと変速機構とを含む自動変速機と、エンジンとを搭載した車両の車両用制御装置であって、前記変速機構は、前記車両の発進時に係合するための第1クラッチを有し、前記トルクコンバータは、前記トルクコンバータのトルク容量を変化させるための第2クラッチを有し、
    前記車両用制御装置は、
    第1実行条件が成立した場合に係合状態の前記第1クラッチが非係合状態になるように前記第1クラッチの係合力を制御するニュートラル制御を実行するためのニュートラル制御部と、
    復帰条件が成立した場合に前記非係合状態の前記第1クラッチが前記係合状態に復帰するように前記第1クラッチの係合力を制御する復帰制御を実行するための復帰制御部と、
    第2実行条件が成立した場合に前記トルク容量が前記車両の状態に対応したトルク容量と一致するように前記第2クラッチの係合力を制御する容量可変制御を実行するための容量可変制御部と、
    前記復帰条件と前記第2実行条件とが同時に成立した場合に、前記復帰制御部による前記復帰制御が終了するまで、前記エンジンのストールを回避するためのエンジン回転数の下限値と前記エンジンの現在トルクとに基づいて前記第2クラッチのトルク容量の上限値を算出して、前記第2クラッチのトルク容量が前記上限値に沿って変化するように前記第2クラッチの係合力を制御する上限ガード制御部とを含む、車両用制御装置。
  2. 前記容量可変制御部は、前記復帰制御が終了した後に前記容量可変制御を実行する、請求項1に記載の車両用制御装置。
  3. 前記容量可変制御部は、前記容量可変制御を実行している場合に前記第2クラッチに対する制御量についての補正量を算出し、
    前記上限ガード制御部は、前記補正量を用いて前記第2クラッチの係合力を制御する、請求項2に記載の車両用制御装置。
  4. 前記第2クラッチは、前記トルクコンバータの入力軸と出力軸とを直結状態にするためのロックアップクラッチである、請求項1に記載の車両用制御装置。
  5. 前記トルクコンバータは、ポンプインペラーと、タービンランナーと、ステータとを含み、
    前記第2クラッチは、前記ポンプインペラーと、前記タービンランナーと、前記ステータとのうちの少なくともいずれか一つの回転を制限するためのクラッチである、請求項1に記載の車両用制御装置。
  6. トルクコンバータと変速機構とを含む自動変速機と、エンジンとを搭載した車両の車両用制御方法であって、前記変速機構は、前記車両の発進時に係合するための第1クラッチを有し、前記トルクコンバータは、前記トルクコンバータのトルク容量を変化させるための第2クラッチを有し、
    前記車両用制御方法は、
    第1実行条件が成立した場合に係合状態の前記第1クラッチが非係合状態になるように前記第1クラッチの係合力を制御するニュートラル制御を実行するステップと、
    復帰条件が成立した場合に前記非係合状態の前記第1クラッチが前記係合状態に復帰するように前記第1クラッチの係合力を制御する復帰制御を実行するステップと、
    第2実行条件が成立した場合に前記トルク容量が前記車両の状態に対応したトルク容量と一致するように前記第2クラッチの係合力を制御する容量可変制御を実行するステップと、
    前記復帰条件と前記第2実行条件とが同時に成立した場合に、前記復帰制御が終了するまで、前記エンジンのストールを回避するためのエンジン回転数の下限値と前記エンジンの現在トルクとに基づいて前記第2クラッチのトルク容量の上限値を算出して、前記第2クラッチのトルク容量が前記上限値に沿って変化するように前記第2クラッチの係合力を制御するステップとを含む、車両用制御方法。
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