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JP2011113010A - カメラ - Google Patents

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JP2011113010A
JP2011113010A JP2009271348A JP2009271348A JP2011113010A JP 2011113010 A JP2011113010 A JP 2011113010A JP 2009271348 A JP2009271348 A JP 2009271348A JP 2009271348 A JP2009271348 A JP 2009271348A JP 2011113010 A JP2011113010 A JP 2011113010A
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slit
front curtain
shutter
camera
unit
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JP2009271348A
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Akimitsu Majima
章充 馬島
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Nikon Corp
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Abstract

【課題】シャッタの走行速度のバラつきに影響されることなく、フラッシュ撮影において良好な撮像画像を得ることができるカメラを提供する
【解決手段】本発明に係わるカメラ(1)は、撮影画面(4)を開閉するように時間差で走行する先幕と後幕とを有し、少なくとも前記先幕の撮影画面領域外にスリット(120)が形成されたシャッタ部(23)と、前記先幕が走行したときに前記スリットが検出基準位置(5)を通過するタイミングを検出するスリット検出手段(80)と、前記スリット検出手段で検出された前記スリットが前記検出基準位置を通過したタイミングと前記スリットの開口間隔とに基づいて、前記先幕の走行速度を算出する走行速度算出手段(90)と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、フォーカルプレーンシャッタを備えたカメラに関するものである。
一般に、フォーカルプレーンシャッタ(以下、シャッタという)を備えたカメラによるフラッシュ撮影では、シャッタの先幕が撮影画面の全域を開放した後に、発光信号を発光装置に出力して、フラッシュ光を発光させている。そして、シャッタの後幕が撮影画面を遮蔽する前にフラッシュ光の発光を停止するようにしている。
上記のようなフラッシュ光の発光タイミングに関して、シャッタの先幕の先端を検出する検出手段を設け、この検出手段で先幕の先端を検出した時点から、一定の遅れ時間を経過した後に撮影画面の全域が開放するものとみなして、フラッシュ光を発光するようにしたシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−15052号公報
シャッタの先幕および後幕の走行速度は、シャッタ毎の個体差や経年変化のほか、使用環境によってもバラつきを生じる。このため、上記従来例のように先幕の先端を検出するようにした場合でも、走行速度のバラつきによりフラッシュ光を所定のタイミングで発光させることは難しい。
上記のような走行速度のバラつきが生じると、シャッタの先幕が撮影画面の全域を開放する前にフラッシュ光を発光させてしまうこともある。この場合、幕に覆われた部分はフラッシュ光が遮られるため、露光ムラが生じてしまう。したがって、先幕の先端を検出してから発光信号を出力するまでの間に、シャッタ幕の走行速度のバラつきを考慮した一定の猶予時間(マージン)を加える必要がある。
しかしながら、先幕の先端を検出してから、フラッシュ光が発光するまでの間に十分な猶予時間をもたせたまま、フラッシュ発光と同調可能な最小シャッタ秒(同調秒時)を速くすると、フラッシュ光がシャッタの後幕に遮られてしまい、露光ムラが生じてしまうことが考えられるため、シャッタ幕の走行速度のバラつきを考慮した猶予時間を設定したままでは、同調速度を速くすることができない。
本発明の課題は、シャッタの走行速度のバラつきに影響されることなく、フラッシュ撮影において良好な撮像画像を得ることができるカメラを提供することにある。
本発明は、以下のような解決手段により前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1に係わる発明は、撮影画面(4)を開閉するように時間差で走行する先幕と後幕とを有し、少なくとも前記先幕の撮影画面領域外にスリット(120)が形成されたシャッタ部(23)と、前記先幕が走行したときに前記スリットが検出基準位置(5)を通過するタイミングを検出するスリット検出手段(80)と、前記スリット検出手段で検出された前記スリットが前記検出基準位置を通過したタイミングと前記スリットの開口間隔とに基づいて、前記先幕の走行速度を算出する走行速度算出手段(90)と、を備えることを特徴とするカメラ(1)である。
請求項2に係わる発明は、請求項1に記載のカメラ(1)であって、前記走行速度算出手段(90)で算出された前記先幕の走行速度に基づいて、前記先幕が前記検出基準位置(5)を通過してから前記撮影画面(4)の全域を開放するまでの予測時間を算出する予測時間算出手段(90)と、前記先幕が前記検出基準位置を通過してから前記予測時間が経過した後、シャッタ開放信号を出力するシャッタ開放通知手段(90)と、を備えることを特徴とする。
請求項3に係わる発明は、請求項2に記載のカメラ(1)であって、前記シャッタ開放通知手段(90)から出力される前記シャッタ開放信号は、前記カメラに設けられた発光装置(70)を発光させるための発光制御信号であることを特徴とする。
請求項4に係わる発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のカメラ(1)であって、前記先幕および前記後幕は、複数枚のシャッタ羽根からそれぞれ構成され、前記スリット(120)は、前記先幕において最初に走行を開始するシャッタ羽根(101)に形成されていることを特徴とする。
請求項5に係わる発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のカメラ(1)であって、前記検出基準位置(5)は、前記撮影画面(4)において前記先幕の走行方向の略中間に設けられていることを特徴とする。
なお、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
本発明によれば、シャッタの走行速度のバラつきに影響されることなく、フラッシュ撮影において良好な撮像画像を得ることができるカメラを提供することができる。
実施形態に係わるカメラの構成を示すブロック図である。 (a)、(b)はシャッタユニットおよびスリット検出部の構成図である。 (a)、(b)はシャッタユニットおよびスリット検出部の構成図である。 フラッシュ撮影時における各信号および状態の変化を示すタイミングチャートである。 フラッシュ撮影時におけるカメラ制御部の処理手順を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明に係わるカメラの実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係わるカメラ1の構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態のカメラ1は、撮像部10、レンズ/機構部20、レリーズスイッチ30、操作入力部40、メモリ50、液晶モニタ60、発光部70、スリット検出部80、カメラ制御部90を備えたデジタルカメラである。
撮像部10は、撮像素子11および画像処理部12を備えている。撮像素子11は、レンズ/機構部20の撮影レンズ21を通過した被写体光を電気信号に変換して出力する光−電気変換素子である。撮像素子11から出力された電気信号は、画像処理部12においてノイズ除去、A/D変換、色補正処理、サイズ変更、符号化などのアナログ処理およびデジタル処理が施され、画像データとしてカメラ制御部90に出力される。
レンズ/機構部20は、撮影レンズ21、絞りユニット22、シャッタユニット23、駆動制御部24を備えている。撮影レンズ21に入射した被写体光は、絞り値の大きさに開かれた絞りユニット22、所定の露光時間で開口されたシャッタユニット23を経て撮像部10の撮像素子11に導かれる。絞りユニット22は、被写体光の光量を調節するものであり、図示しない複数の絞り羽根を備えている。シャッタユニット23は、被写体光の露光時間を調節するものであり、後述する複数のシャッタ羽根を備えている。駆動制御部24は、例えば、焦点調節のために撮影レンズ21を光軸方向に駆動するアクチュエータや、絞りユニット22およびシャッタユニット23を駆動するアクチュエータ等により構成されている。
レリーズスイッチ30は、ユーザである撮影者がカメラ制御部90に対して撮影指示を入力する際に操作する部分である。レリーズスイッチ30は、半押し操作および全押し操作の2段階の操作が可能であり、撮影者がレリーズボタンを半押し操作することにより、カメラ制御部90に対して撮影準備信号が送信される。これにより、カメラ制御部90は不図示の測距センサの出力に基づいて、自動的に主要な被写体にピント合わせを行うAF(自動焦点)制御や、不図示の測光センサの出力に基づいて、自動的に露出を合わせるAE(自動露出)制御などを行う。そして、撮影者がレリーズボタンを全押し操作することにより、カメラ制御部90に対して撮影開始信号が送信される。これにより、絞りユニット22、シャッタユニット23が所定のタイミングで駆動され、撮像部10において被写体光が撮像される。また、フラッシュ撮影時には、カメラ制御部90により発光部70に出力される発光制御信号が制御される。
操作入力部40は、撮影者がカメラ制御部90に対して各種の指示を入力する際に操作する部分であり、不図示のスイッチやダイアル、レバーなどで構成されている。例えば、図示しない電源スイッチは、撮影者が押圧操作することにより、電源のオン/オフが切り替えられる。
メモリ50は、EEPROM、ROM、DRAMなどで構成されている。EEPROMは、カメラ1の電源がオフしても、記憶している情報を保持する不揮発性メモリであり、撮影者が操作入力した設定情報などが記憶される。ROMは、カメラ1の動作や制御に必要なプログラムのほか、このプログラムの実行に必要な初期値や設定値などが記憶されるメモリである。DRAMは、カメラ1の電源がオフしたときに、記憶している情報が消去される揮発性メモリであり、撮像部10から出力された画像データや、画像処理部12、カメラ制御部90などが演算処理を行う際に用いるデータが一時的に記憶される。
また、図示していないが、カメラ1には、撮影済みの画像とそのデータを記録するメモリカードが装着される。このメモリカードは、カメラ1の不図示のカードスロットに着脱可能に装着される。またカメラ1には、上記メモリカードに対してデータの書き込みを行うための不図示の記録装置が設けられている。
液晶モニタ60は、液晶ディスプレイからなり、撮像画像および再生画像のほか、ライブビューを含む動画、または各種メニュー画面、シャッタスピードや絞り値等の撮影条件などが表示される。
発光部70は、カメラ1の正面に設けられた図示しない内蔵フラッシュ(または、図示しないアクセサリシューに取り付けられた外部付けフラッシュ)により、被写体に対してフラッシュ光を発光する発光装置である。この発光部70は、カメラ制御部90から出力されている発光制御信号がL(Low)レベルからH(High)レベルになることで発光する。
スリット検出部80は、シャッタユニット23の後述する先幕羽根が走行したときに、この先幕羽根に形成された後述するスリットが所定の検出基準位置を通過するタイミングを検出して、LまたはHレベルのエッジ検出信号を出力する。スリット検出部80の構成については後に詳述する
カメラ制御部90は、上述したカメラ1を統合的に制御する集積回路であり、CPUを含むマイクロプロセッサにより構成されている。カメラ制御部90は、不図示の測距センサの出力に基づいて、焦点調節のためのレンズ駆動量を演算し、これを駆動制御部24に転送して、レンズ内モータまたはボディ内モータ(いずれも不図示)による撮影レンズ21の焦点調節を制御する。また、不図示の測光センサの出力に基づいて、適正な露出制御値を演算するとともに、この露出制御値を駆動制御部24に転送して、絞りユニット22およびシャッタユニット23による露出調節を制御する。同時に、撮像部10における被写体光の撮像を制御する。さらに、カメラ制御部90は、フラッシュ撮影時において、発光部70の発光量を制御する。また、カメラ制御部90は、時間計時を行う不図示のタイマを備えている。
カメラ制御部90は、スリット検出部80から出力されたエッジ検出信号と、不図示のスリットの開口間隔とに基づいて、後述する先幕羽根の走行速度を算出する走行速度算出手段として機能する。また、カメラ制御部90は、前記走行速度算出手段としての機能において算出した先幕羽根の走行速度に基づいて、先幕羽根が検出基準位置を通過してから撮影画面の全域を開放するまでの予測時間を算出する予測時間算出手段として機能する。さらに、カメラ制御部90は、先幕羽根が検出基準位置を通過してから、前記予測時間が経過した後、発光部70に出力する発光制御信号(シャッタ開放信号)をHレベルとするシャッタ開放通知手段として機能する。
次に、シャッタユニット23およびスリット検出部80の構成について説明する。図2および図3は、シャッタユニット23およびスリット検出部80の構成図である。図2および図3において、(a)はシャッタユニット23を撮像素子11側から見たときの正面図、(b)は(a)のI−I線断面図である。また、図2はシャッタユニット23が撮影画面を遮蔽している撮影前の状態を示し、図3はシャッタユニット23の先幕が走行を開始した撮影時の状態を示している(図3では一部符号を省略する)。
ここで、図2を用いてシャッタユニット23およびスリット検出部80の構成を説明する。ただし、図3についても図2と同一部分には同一符号を付している。
シャッタユニット23は、大別すると、先幕ユニット100、後幕ユニット200、および不図示のアクチュエータ部を備えている。このうち、先幕ユニット100および後幕ユニット200は、シャッタ基板2の一方の面に取り付けられ、不図示のアクチュエータ部はシャッタ基板2の側縁部に取り付けられている。また、シャッタ基板2には、シャッタユニット23を覆うようにカバー板3が取り付けられている。
先幕ユニット100は、先幕羽根101、102、103、104を備えている。先幕羽根101〜104は、複数の先幕駆動アームと複数の先幕羽根支持ピン(いずれも符号を省略)とから構成される先幕駆動機構110に連結されている。また、後幕ユニット200は、後幕羽根201、202、203、204を備えている。後幕羽根201〜204は、複数の先幕駆動アームと複数の先幕羽根支持ピン(いずれも符号を省略)とから構成される後幕駆動機構210に連結されている。
本実施形態のシャッタユニット23は、上下走行式のフォーカルプレーンシャッタとして構成されている。撮影前の状態では、図2に示すように、先幕ユニット100の先幕羽根101〜104が上方に展開して撮影画面4を覆っている。一方、後幕ユニット200の後幕羽根201〜204は、重なった状態で撮影画面4の上に収納されている。そして、撮影時には、図3(a)に示すように、先幕ユニット100の先幕羽根101〜104が矢印II方向に走行し始め、撮影画面4は上から下に向けて徐々に開放される。そして、先幕ユニット100の先幕羽根101〜104が撮影画面4の下に重なった状態で収納されると、撮影画面4の全域が開放されることになる。フラッシュ撮影時には、このタイミングで発光部70からフラッシュ光が発光され、同時に撮像部10により被写体光が撮像される。
そして、所定の時間(露光時間)差で後幕ユニット200の後幕羽根201〜204が図中の矢印II方向に走行し始め、撮影画面4は上から下に向けて徐々に遮蔽される。そして、後幕ユニット200の後幕羽根201〜204が下方に展開して撮影画面4を覆うと、撮影画面4の全域が遮蔽されることになる。この後、先幕ユニット100の先幕羽根101〜104が図3(a)の矢印III方向に走行して撮影画面4を覆い、さらに、後幕ユニット200の後幕羽根201〜204が同じく図中の矢印III方向に走行して撮影画面4の上に収納される。これにより、図2(a)に示すように、撮影前の状態に復帰することになる。
上述した先幕ユニット100の先幕羽根101〜104のうち、最初に走行を開始する先幕羽根101には、スリット120が形成されている。スリット120は、先幕羽根101が後述する検出基準位置を通過するタイミングを検出するための開口部であり、撮影画面4の領域外に形成されている。本実施形態では、図3(a)に示すように、先幕羽根101のスリット120の上下の開口端を、それぞれ第1エッジ121、第2エッジ122といい、先幕羽根101の側縁を第3エッジ123という。また、スリット120は、図3(a)に示すように、撮影画面4の縦方向に開口間隔X(m)を有する。
次に、スリット検出部80について説明する。スリット検出部80は、シャッタ基板2の裏面に配置されたフォトリフレクタ81と、カバー板3のシャッタ基板2側に配置された反射板84とを備えている。また、シャッタ基板2には、開口部5が形成されている。開口部5の位置は、撮影画面4の領域外であって、撮影画面4の縦方向(先幕羽根101の走行方向)の中間であり、この位置がスリット120の検出基準位置となる。図3(b)に示すように、開口部5(検出基準位置)から撮影画面4の下端までの間隔をY(m)とする。本実施形態では、図3(a)に示すように、開口部5の中央とスリット120の中央とが重なった位置における第1エッジ121の位置を検出基準位置としているが、開口部5の範囲であれば、どの位置を検出基準位置としてもよい。
フォトリフレクタ81は、ビーム状の赤外光を照射する発光素子82と、反射板84で反射した赤外光を受光する受光素子83とを備えている。フォトリフレクタ81と反射板84とは、図3(b)に示すように、開口部5を挟んで対向する位置に取り付けられている。また、フォトリフレクタ81の発光素子82から赤外光が照射されたときに、この赤外光が反射板84で反射して、フォトリフレクタ81の受光素子83で受光されるように、発光素子82および受光素子83の取り付け角度が設定されている。
本実施形態のスリット検出部80では、フォトリフレクタ81の受光素子83で赤外光を受光していない状態では、カメラ制御部90に出力するエッジ検出信号をH(High)レベルとし、フォトリフレクタ81の受光素子83で赤外光を受光している状態では、カメラ制御部90に出力するエッジ検出信号をL(Low)レベルとしている。なお、エッジ検出信号のHレベル、Lレベルの関係は逆であってもよい。
上記構成において、先幕羽根101が図2の位置から矢印II方向に走行して、最初に先幕羽根101の第1エッジ121が開口部5(検出基準位置)に達すると、発光素子82から照射された赤外光が反射板84に反射して受光素子83で受光されるため、スリット検出部80から出力されるエッジ検出信号はLレベルとなる。次に、先幕羽根101の第2エッジ122が開口部5に達すると、発光素子82から照射された赤外光が先幕羽根101で遮られるため、スリット検出部80から出力されるエッジ検出信号はHレベルとなる。さらに、先幕羽根101の第3エッジ123が開口部5に達すると、発光素子82から照射された赤外光が反射板84に反射して受光素子83で受光される。このため、スリット検出部80から出力されるエッジ検出信号はLレベルとなる。この後、撮影画面4が全域で開放されている間は、スリット検出部80から出力されるエッジ検出信号はLレベルが維持される。
図4は、フラッシュ撮影時における各信号および状態の変化を示すタイミングチャートであり、横軸は時間を示している。図4に示す先幕/後幕走行曲線は、先幕羽根101〜104の走行曲線41と後幕羽根201〜204の走行曲線42とを表わしている。先幕/後幕走行曲線において、縦軸は先幕羽根101〜104および後幕羽根201〜204の撮影画面4の縦方向の位置を示している。なお、図4では、フラッシュ同調速度以下のシャッタスピードによるフラッシュ撮影の場合を示している。
フラッシュ撮影が開始されると、先幕羽根101〜104が順に下方に走行し始め、撮影画面4は上から下に向けて徐々に開放される。そして、先幕羽根101の第1エッジ121が撮影画面4の縦方向の中間に形成された開口部5(検出基準位置)に達すると、発光素子82から照射された赤外光が反射板84に反射して受光素子83で受光されるため、スリット検出部80から出力されるエッジ検出信号はLレベルとなる。続いて、先幕羽根101の第2エッジ122が開口部5に達すると、発光素子82から照射された赤外光が先幕羽根101で遮られるため、スリット検出部80から出力されるエッジ検出信号はHレベルとなる。
次に、カメラ制御部90は、スリット検出部80から出力されたエッジ検出信号と、スリット120の開口間隔X(m)とに基づいて、先幕羽根101の走行速度を算出する。カメラ制御部90は、エッジ検出信号がHからLレベルに変化したときにタイマによる計時をスタートし、次にエッジ検出信号がLからHレベルに変化したときにタイマによる計時をストップする。これによりエッジ検出信号がLからHレベルに変化したときの時間間隔t1(s)を得ることができる。上述したスリット120の開口間隔Xは既知であるため、開口間隔X(m)/時間間隔t1(s)の式によって、先幕羽根101の走行速度V(m/s)を算出することができる。
次に、カメラ制御部90は、算出した先幕羽根101の走行速度Vに基づいて、先幕羽根101が検出基準位置を通過してから撮影画面4の全域を開放するまで、すなわち先幕羽根101が撮影画面4の下方に達するまでの予測時間t2を算出する。図3(b)に示すように、開口部5(検出基準位置)から撮影画面4の下端までの間隔Yは既知であるため、間隔Y(m)/先幕羽根101の走行速度V(m/s)の式によって、先幕羽根101が撮影画面4の下方に達するまでの予測時間t2(s)を算出することができる。
続いて、先幕羽根101の第3エッジ123が開口部5に達すると、発光素子82から照射された赤外光が反射板84に反射して受光素子83で受光されるため、スリット検出部80から出力されるエッジ検出信号は再びLレベルとなる。カメラ制御部90は、エッジ検出信号がHからLレベルに変化したときにタイマによる計時をスタートする。そして、先に算出した予測時間t2が経過すると、タイマによる計時をストップするとともに、発光部70に出力している発光制御信号をHレベルとする。このとき、カメラ制御部90は、予測時間t2が経過した後、必要最小限の猶予時間t3の経過後に発光制御信号をHレベルとするようにしている。
ただし、上述した予測時間t2の中に猶予時間t3を付加しておいてもよい。この場合は、予測時間t2が経過した直後に、発光部70に出力している発光制御信号をHレベルとする。
図4に示すように、カメラ制御部90が発光制御信号をHレベルとすることによって、発光部70は、撮影画面4の全域が開放(画面全開)したタイミングでフラッシュ光を発光することになる。
次に、上述したフラッシュ撮影時におけるカメラ制御部90の処理手順を図5のフローチャートを参照しながら説明する。このフラッシュ撮影処理のルーチンは、フラッシュ撮影時に、レリーズスイッチ30が押されることで実行される。
まず、ステップS101において、カメラ制御部90は、検出基準位置において先幕羽根101の第1エッジ121を検出したか否かを判定する。この判定でYESになると、ステップS102において、カメラ制御部90はタイマによる計時をスタートする。続いて、ステップS103において、カメラ制御部90は、開口部5(検出基準位置)において先幕羽根101の第2エッジ122を検出したか否かを判定する。この判定でYESになると、ステップS104において、カメラ制御部90は、タイマによる計時をストップ/クリアする。そして、ステップS105において、カメラ制御部90は、先幕羽根101の走行速度Vを算出する。続いて、ステップS106において、カメラ制御部90は、先幕羽根101が撮影画面4の下方に達するまでの予測時間t2を算出する。
次に、ステップS107において、カメラ制御部90は、先幕羽根101の第3エッジ123を検出したか否かを判定する。この判定でYESになると、ステップS108において、カメラ制御部90はタイマによる計時をスタートする。続いて、ステップS109において、カメラ制御部90はタイマの計時により予測時間t2が経過したか否かを判定する。この判定でYESになると、ステップS110において、カメラ制御部90は、発光部70に出力する発光制御信号をHレベルとする。そして、ステップS111において、カメラ制御部90は、タイマによる計時をストップ/クリアして、本ルーチンによる処理を終了する。
上述した実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)先幕羽根101の走行速度をシャッタレリーズ毎に算出するとともに、この走行速度に基づいて先幕羽根101が撮影画面の全域を開放するまでの時間を算出してフラッシュ光を発光するようにしたので、シャッタの走行速度にバラつきが生じていても、レリーズスイッチ30が押されてから発光部70においてフラッシュ光を発光させるまでの猶予時間を必要最小限とすることができる。したがって、フラッシュ光がシャッタの後幕に遮られて露光ムラを生じることがなく、同調速度を速くすることができ、常に良好な撮影画像を得ることができる。
(2)先幕羽根101〜104のうち、最初に走行を開始する先幕羽根101は、先幕駆動アームや回転中心から離れているため、位置の変動や部品のガタつきなどが発生しやすい。本実施形態では、この先幕羽根101にスリット120を形成しているため、位置の変動や部品のガタつきなどによる影響が最も大きくなる条件でシャッタの走行速度を算出することになる。このため、製品ごとのバラつきの影響を最も考慮した状態でフラッシュ光の制御が可能となる。
(3)撮影画面4の縦方向(先幕羽根101の走行方向)の中間に検出基準位置を設定したので、先幕羽根101の走行が較的安定する期間で走行速度Vを算出することができる。また、スリット120の第2エッジ122が検出されてから、走行速度Vや予測時間t2を算出するのに十分な時間を確保することができる。
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、本発明は以下に示すような種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の範囲内である。
(1)スリット120を先幕羽根101に形成した例について示したが、本発明はこれに限定されず、他の先幕羽根102〜104に形成してもよい。
(2)スリット120の検出基準位置となる開口部5を、撮影画面4の領域外であって、撮影画面4の縦方向の中間に形成した例について示したが、開口部5は撮影画面4の領域外であれば、どの位置に形成されていてもよい。
(3)フォトリフレクタ81において、反射板84の位置に受光素子83を配置し、発光素子82と受光素子83とが開口部5を挟んで対向するよう配置するようにしてもよい。このような構成とすることにより反射板84を省略することができる。また反射板84による不要な光の反射や写り込みを防ぐことができる。また、スリット120が開口部5を通過した際に第1エッジ121〜第3エッジ123を検出することができれば、フォトリフレクタ81に限らず、他の素子を用いてもよいし、またそれらを組み合わせて使用することもできる。
(4)スリット120が開口部5を通過したときに算出する先幕羽根101の走行速度を、シャッタスピードの補正に利用してもよい。すなわち、設定されたシャッタスピードと、実際の作動時に算出したシャッタスピードとをメモリ50に記憶しておくことにより、自動的に誤差を補正するようにしたり、メンテナンス用のデータとして活用したりすることができる。
(5)本実施形態では、撮像素子11を備えたデジタルカメラを例として説明したが、フィルム式のカメラにも適用することができる。
また、上記実施形態および変形形態は適宜に組み合わせて用いることができるが、各実施形態の構成は図示と説明により明らかであるため、詳細な説明を省略する。さらに、本発明は以上説明した実施形態によって限定されることはない。
1:カメラ、4:撮影画面、5:開口部、10:撮像部、20:レンズ/機構部、30:レリーズスイッチ、50:メモリ、70:発光部、80:スリット検出部、90:カメラ制御部、101〜104:先幕羽根、120:スリット

Claims (5)

  1. 撮影画面を開閉するように時間差で走行する先幕と後幕とを有し、少なくとも前記先幕の撮影画面領域外にスリットが形成されたシャッタ部と、
    前記先幕が走行したときに前記スリットが検出基準位置を通過するタイミングを検出するスリット検出手段と、
    前記スリット検出手段で検出された前記スリットが前記検出基準位置を通過したタイミングと前記スリットの開口間隔とに基づいて、前記先幕の走行速度を算出する走行速度算出手段と、
    を備えることを特徴とするカメラ。
  2. 請求項1に記載のカメラであって、
    前記走行速度算出手段で算出された前記先幕の走行速度に基づいて、前記先幕が前記検出基準位置を通過してから前記撮影画面の全域を開放するまでの予測時間を算出する予測時間算出手段と、
    前記先幕が前記検出基準位置を通過してから前記予測時間が経過した後、シャッタ開放信号を出力するシャッタ開放通知手段と、を備えることを特徴とするカメラ。
  3. 請求項2に記載のカメラであって、
    前記シャッタ開放通知手段から出力される前記シャッタ開放信号は、前記カメラに設けられた発光装置を発光させるための発光制御信号であることを特徴とするカメラ。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のカメラであって、
    前記先幕および前記後幕は、複数枚のシャッタ羽根からそれぞれ構成され、
    前記スリットは、前記先幕において最初に走行を開始するシャッタ羽根に形成されていることを特徴とするカメラ。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のカメラであって、
    前記検出基準位置は、前記撮影画面において前記先幕の走行方向の略中間に設けられていることを特徴とするカメラ。
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