JP2011104805A - 記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】近年のインクジェットプリンタの高速印字に十分耐えうるインク吸収性を有し、耐オゾン性および耐湿性等の画像堅牢性に優れた記録媒体を提供することである。
【解決手段】支持体上にインク受容層を有する記録媒体であって、
前記インク受容層は、アルミナ水和物と、炭素数1以上4以下のアルキルスルホン酸と、明細書中に定義される一般式(1)で表されるヒドロキシルアミンおよびその塩の少なくとも一方とを含み、該炭素数1以上4以下のアルキルスルホン酸は、該アルミナ水和物に対して1.0質量%以上2.0質量%以下であり、かつ、該ヒドロキシルアミンおよびその塩の合計量は、該アルミナ水和物に対して0.2質量%以上2.0質量%以下であることを特徴とする記録媒体。
【選択図】なし
【解決手段】支持体上にインク受容層を有する記録媒体であって、
前記インク受容層は、アルミナ水和物と、炭素数1以上4以下のアルキルスルホン酸と、明細書中に定義される一般式(1)で表されるヒドロキシルアミンおよびその塩の少なくとも一方とを含み、該炭素数1以上4以下のアルキルスルホン酸は、該アルミナ水和物に対して1.0質量%以上2.0質量%以下であり、かつ、該ヒドロキシルアミンおよびその塩の合計量は、該アルミナ水和物に対して0.2質量%以上2.0質量%以下であることを特徴とする記録媒体。
【選択図】なし
Description
本発明は、記録媒体、特にインクジェット記録媒体に関する。
発色性、光沢性に優れた記録媒体としては、少量の親水性バインダーと架橋剤、および多量の微粒子シリカやアルミナ水和物等の無機微粒子を有する空隙型インク受容層タイプの記録媒体が知られている。また、親水性ポリマーを主体とし、インクで膨潤することによりインクを吸収する、いわゆる膨潤型インク受容層タイプの記録媒体も知られている。この中でも空隙型インク受容層タイプの記録媒体はインク吸収性に非常に優れ、好ましい。
空隙型インク受容層タイプの記録媒体の製造方法では、次に示す塗工液を塗布・乾燥することにより支持体上にインク受容層を形成する方法が一般的である。その塗工液とは、微粒子シリカやアルミナ水和物等の水性ゾルを調製し、その水性ゾルとポリビニルアルコール等の水溶性バインダーとを混合した塗工液である。
上記無機微粒子の水性ゾルに関して、特許文献1では、アルミナ水和物とスルホン酸とからなる、固形分濃度が15質量%以上30質量%以下のアルミナゾルが開示されている。さらに、固形分濃度が30質量%以下であれば、アルミナゾルの固形分濃度が高い場合でも安定で、インク吸収性が良好であるという内容の開示がある。特許文献2には、インク受容層にスルホン酸基を有する酸およびその塩の少なくとも一方を含有させることで耐光性および耐水性を向上させる技術の開示がある。特許文献3では、ヒドロキシルアミンを支持体中または支持体上に設けられたインク受容層中に含有させることで耐光性を向上させる技術の開示がある。
特許文献1では、ベンゼンスルホン酸やヘキサンスルホン酸やアミド硫酸といった、炭素数0のスルホン酸、炭素数6以上のアルキルスルホン酸、またはベンゼン環を有するスルホン酸でアルミナ水和物を解膠している。本発明者らの検討では、解膠酸として、アルキル鎖の炭素数が5以上のアルキルスルホン酸、ベンゼンスルホン酸またはp−トルエンスルホン酸を用いた場合、アルミナ水和物が解膠できず、ゲル化する場合があった。また、炭素数0のアミド硫酸については、耐湿性が低いことがあるため、炭素数1以上4以下のアルキルスルホン酸が好ましいという結論に至った。しかしながら、アルキルスルホン酸の量が多いと、インク吸収性が低下することがあり、またアルキルスルホン酸の量が少ないと耐オゾン性が低下することがあるため、高速印字に対応するインク吸収性と耐オゾン性を高いレベルで両立するのは難しい場合があった。
また、特許文献2では、主としてシリカゲルを含むインク受容層に対してスルホン酸を含有させる内容が開示されている。しかし、シリカゲルを含むインク受容層は光沢性や発色性に劣る場合があった。
また、特許文献3では、ヒドロキシルアミンをインク受容層へ添加する技術の開示があるが、これはゼラチンを主体とする膨潤型インク受容層に適用したものであって、インク吸収性が非常に劣る場合があった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、近年のインクジェットプリンタの高速印字に十分耐えうるインク吸収性を有し、耐オゾン性および耐湿性等の画像堅牢性に優れた記録媒体を提供することである。
本発明により、支持体上にインク受容層を有する記録媒体であって、前記インク受容層は、アルミナ水和物と、炭素数1以上4以下のアルキルスルホン酸と、下記一般式(1)で表されるヒドロキシルアミンおよびその塩の少なくとも一方とを含み、該炭素数1以上4以下のアルキルスルホン酸は、該アルミナ水和物に対して1.0質量%以上2.0質量%以下であり、かつ、該ヒドロキシルアミンおよびその塩の合計量は、該アルミナ水和物に対して0.2質量%以上2.0質量%以下である、ことを特徴とする記録媒体が提供される。
一般式(1) HO−N(R1)(R2)
(式中、R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、ビニル基、フェニル基またはアシル基を表す。)
(式中、R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、ビニル基、フェニル基またはアシル基を表す。)
本発明により、近年のインクジェットプリンタの高速印字に十分耐えうるインク吸収性を有し、耐オゾン性および耐湿性等の画像堅牢性に優れた記録媒体を提供することができる。
以下に本発明の記録媒体をその好ましい実施形態に基づいて説明する。
<記録媒体>
本発明の記録媒体は、支持体と、その支持体上に設けたアルミナ水和物を含有するインク受容層とから形成することができる。また、本発明の記録媒体は、インクジェット記録媒体として使用することができる。
本発明の記録媒体は、支持体と、その支持体上に設けたアルミナ水和物を含有するインク受容層とから形成することができる。また、本発明の記録媒体は、インクジェット記録媒体として使用することができる。
[インク受容層]
本発明に用いるインク受容層は、アルミナ水和物と、炭素数1以上4以下のアルキルスルホン酸と、一般式(1)で表されるヒドロキシルアミンおよびその塩の少なくとも一方とを含む。インク受容層は炭素数1以上4以下のアルキルスルホン酸をアルミナ水和物に対して1.0質量%以上2.0質量%以下含み、かつ一般式(1)で表されるヒドロキシルアミンおよびその塩の合計量をアルミナ水和物に対して0.2質量%以上2.0質量%以下含む。さらに、前記インク受容層は、アルミナ水和物ゾルと、バインダーとしてポリビニルアルコール水溶液とを混合した塗工液を前記支持体に塗工して得ることができる。また、インク受容層は、前記塗工液の固化物であることができる。
本発明に用いるインク受容層は、アルミナ水和物と、炭素数1以上4以下のアルキルスルホン酸と、一般式(1)で表されるヒドロキシルアミンおよびその塩の少なくとも一方とを含む。インク受容層は炭素数1以上4以下のアルキルスルホン酸をアルミナ水和物に対して1.0質量%以上2.0質量%以下含み、かつ一般式(1)で表されるヒドロキシルアミンおよびその塩の合計量をアルミナ水和物に対して0.2質量%以上2.0質量%以下含む。さらに、前記インク受容層は、アルミナ水和物ゾルと、バインダーとしてポリビニルアルコール水溶液とを混合した塗工液を前記支持体に塗工して得ることができる。また、インク受容層は、前記塗工液の固化物であることができる。
また、アルミナ水和物のインク受容層中の含有割合としては70質量%以上、98質量%以下であることが好ましい。70質量%以上の場合、インク吸収性が低下することを優れて防ぐことができる。
以下に、本発明に用いるインク受容層に含まれる成分、およびその物性について説明する。
(アルミナ水和物)
本発明はインク受容層を形成する顔料として、アルミナ水和物を用いる。
本発明はインク受容層を形成する顔料として、アルミナ水和物を用いる。
アルミナ水和物を使用することにより、高い光沢性とインク吸収性、および良好な発色性をもった記録媒体を得ることができる。このアルミナ水和物としては、例えば、下記一般式(X)により表されるものを好適に利用できる。
Al2O3-n(OH)2n・mH2O・・・・(X)
(上記式中、nは0、1、2および3の何れかを表し、mは0以上10以下、好ましくは0以上5以下の数を表す。但し、mとnは同時に0にはならない。)
mH2Oは、多くの場合、結晶格子の形成に関与しない脱離可能な水相を表すものであるため、mは整数または整数でない値をとることができる。また、アルミナ水和物を加熱するとmは0の値になることもあり得る。
Al2O3-n(OH)2n・mH2O・・・・(X)
(上記式中、nは0、1、2および3の何れかを表し、mは0以上10以下、好ましくは0以上5以下の数を表す。但し、mとnは同時に0にはならない。)
mH2Oは、多くの場合、結晶格子の形成に関与しない脱離可能な水相を表すものであるため、mは整数または整数でない値をとることができる。また、アルミナ水和物を加熱するとmは0の値になることもあり得る。
アルミナ水和物の結晶構造としては、熱処理する温度に応じて、非晶質、キブサイト型、ベーマイト型が知られており、これらのうち、何れの結晶構造のものも使用可能である。
これらの中で好適なアルミナ水和物は、X線回折法による分析でベーマイト構造、または非晶質を示すアルミナ水和物である。具体例としては、特開平7−232473号公報、特開平8−132731号公報、特開平9−66664号公報、特開平9−76628号公報等に記載されたアルミナ水和物を挙げることができる。さらに、アルミナ水和物としては、市販のDisperal HP14(商品名、サソール社製)等を挙げることができる。アルミナ水和物は2種類以上を併用してもよい。
本発明に用いるアルミナ水和物には、インク受容層形成時のインク受容層全体の平均細孔半径が7.0nm以上、10nm以下となるものを用いることが好ましい。より好ましくは、インク受容層形成時のインク受容層全体の平均細孔半径が、8.0nm以上、10nm以下となるものを用いるのが良い。インク受容層全体の平均細孔半径が、7.0nm以上10nm以下であることによって、優れたインク吸収性および発色性を発揮することが可能となる。また、インク受容層全体の平均細孔半径が7.0nm以上であれば、インク吸収性が低下することを優れて防ぎ、必要に応じてアルミナ水和物に対するバインダーの量を調整するなどして、優れたインク吸収性を得ることができる。また、インク受容層全体の平均細孔半径が10nm以下であれば、インク受容層のヘイズが大きくなることを優れて防ぐことができ、特に良好な発色性を得ることができる。
また、インク受容層全体の細孔容積は、全細孔容積が0.50ml/g以上であることが好ましい。全細孔容積が0.50ml/g以上であれば、インク受容層全体のインク吸収性が低下することを優れて防ぎ、必要に応じてアルミナ水和物に対するバインダーの量を調整するなどして、優れたインク吸収性を得ることができる。
また、インク受容層全体の細孔容積は、全細孔容積が0.50ml/g以上であることが好ましい。全細孔容積が0.50ml/g以上であれば、インク受容層全体のインク吸収性が低下することを優れて防ぎ、必要に応じてアルミナ水和物に対するバインダーの量を調整するなどして、優れたインク吸収性を得ることができる。
さらに、インク受容層の細孔中に、細孔半径として25nm以上の細孔が存在しないことが好ましい。言い換えると、本発明に用いるインク受容層中の細孔は全て、細孔半径が25nm未満であることが好ましい。細孔半径が25nm以上の細孔が存在しない場合には、インク受容層のヘイズが大きくなることを優れて防ぎ、特に良好な発色性を得ることができる。
なお、上記の平均細孔半径、全細孔容積、細孔半径とは、記録媒体を窒素吸着脱離法によって測定した、窒素ガスの吸着脱離等温線よりBJH(Barrett−Joyner−Halenda)法を用いて求められる値である。特に、平均細孔径とは、窒素ガス脱離時に測定される全細孔容積と比表面積から計算によって求まる値である。
なお、インク吸収性記録媒体を窒素吸着脱離法により測定した場合には、インク受容層以外の部分に対しても測定が行われることとなる。しかし、インク受容層以外の成分(例えば、基材のパルプ層、樹脂被膜層等)は窒素吸着脱離法で一般的に測定できる範囲である1nm以上100nm以下の細孔を持っていない。このため、インク吸収性記録媒体全体を窒素吸着脱離法で測定した場合は、インク受容層の平均細孔径を測定していることとなると考えられる。なお、このことは、レジンコート紙を窒素吸着脱離法で細孔分布を測定した場合、1nm以上100nm以下の細孔を有していないことからも理解できる。
また、上記のようなインク受容層形成時の平均細孔半径(7.0nm以上10nm以下)を得るためには、BET法により測定されるBET比表面積が、100m2/g以上200m2/g以下であるアルミナ水和物を用いることが好ましい。より好ましくは、前記BET比表面積が125m2/g以上175m2/g以下であるアルミナ水和物を用いるのが良い。
なお、上記BET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、即ち比表面積を求める方法である。このBET法では、通常、吸着気体として窒素ガスが用いられ、吸着量を被吸着気体の圧力または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられる。この際、多分子吸着の等温線を表すものとして最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であって、BET式と呼ばれ比表面積決定に広く用いられている。上記BET法では、BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けることにより比表面積が得られる。BET法では、窒素吸着脱離法の測定において、ある相対圧力における吸着量の関係を数点測定し、最小二乗法によりそのプロットの傾き、切片を求めることで比表面積を導き出す。このため、測定の精度を上げるためには、相対圧力と吸着量の関係は少なくとも5点測定しておくことが好ましく、より好ましくは10点以上であるのが良い。
また、アルミナ水和物の好適な形状としては、平板状で、平均アスペクト比が3.0以上10以下、かつ、平板面の縦横比が0.60以上1.0以下であるものが好ましい。なお、上記アスペクト比は、特公平5−16015号公報に記載された方法により求めることができる。すなわち、アスペクト比は、粒子の「厚さ」に対する「直径」の比で示される。ここで「直径」とは、アルミナ水和物を顕微鏡または電子顕微鏡で観察したときの粒子の投影面積と等しい面積を有する円の直径(円相当径)を示す。また、平板面の縦横比は、アスペクト比と同様に、粒子を顕微鏡で観察した場合の、平板面の最大値を示す直径に対する最小値を示す直径の比を示す。
上記アスペクト比が3.0以上10以下となるアルミナ水和物を使用した場合、形成したインク受容層の細孔分布範囲が狭くなることを優れて防ぐことができる。このため、アルミナ水和物の粒子径を揃えて製造することが可能となる。また、同様に、上記縦横比が0.60以上1.0以下となるアルミナ水和物を使用した場合も、インク受容層の細孔径分布が狭くなることを優れて防ぐことができる。
アルミナ水和物には繊毛状と、繊毛状でない形状のものがあることが知られている。本発明者らの知見によれば、同じアルミナ水和物であっても、平板状のアルミナ水和物の方が、繊毛状のアルミナ水和物よりも分散性が良い。また、繊毛状のアルミナ水和物は、塗工時に支持体の表面に対して平行に配向する傾向があり、形成されるインク受容層の細孔が小さくなる場合があり、インク受容層のインク吸収性が小さくなることがある。これに対して、平板状のアルミナ水和物は、塗工時に支持体の表面に対して平行に配向する傾向が小さく、形成されるインク受容層の細孔の大きさやインク吸収性へ特に良い影響を及ぼす。このため、平板状のアルミナ水和物を用いることが好ましい。
(アルキルスルホン酸)
本発明に好適に用いられるアルミナ水和物を安定的にゾルとして分散する解膠酸は、炭素数1以上4以下のアルキルスルホン酸である。前記解膠酸が、アルキル鎖の炭素数が5以上のアルキルスルホン酸、ベンゼンスルホン酸またはp−トルエンスルホン酸の場合、色安定性が低下し、画像濃度も低下する。炭素数が5以上のアルキルスルホン酸、ベンゼンスルホン酸またはp−トルエンスルホン酸の場合、疎水性が強いため、アルミナ表面の疎水性が強くなり、アルミナ表面での染料定着速度が遅くなり、色安定性及び画像濃度が低下すると考えられる。
本発明に好適に用いられるアルミナ水和物を安定的にゾルとして分散する解膠酸は、炭素数1以上4以下のアルキルスルホン酸である。前記解膠酸が、アルキル鎖の炭素数が5以上のアルキルスルホン酸、ベンゼンスルホン酸またはp−トルエンスルホン酸の場合、色安定性が低下し、画像濃度も低下する。炭素数が5以上のアルキルスルホン酸、ベンゼンスルホン酸またはp−トルエンスルホン酸の場合、疎水性が強いため、アルミナ表面の疎水性が強くなり、アルミナ表面での染料定着速度が遅くなり、色安定性及び画像濃度が低下すると考えられる。
また、アルキル鎖炭素数が5以上のアルキルスルホン酸、または、ベンゼン環を有するスルホン酸をそれぞれ単独でアルミナ水和物の解膠酸として用いた場合、充分な分散性が得られないため、増粘しやすい。また、生産適性が低く、アルミナ水和物が凝集し、画像濃度の低下を引起すことがわかった。このため、生産適性の観点からも、本発明に用いられるアルキルスルホン酸は、炭素数1以上4以下である。
本発明に用いるアルキルスルホン酸(RSO3H)は、スルホン酸基(SO3H)およびスルホン酸基の置換基であるアルキル基(R)を有する。
アルキルスルホン酸は、可溶化基としてスルホン酸基のみを有する一塩基酸であることが好ましく、アルキル基は耐湿性向上の点で、可溶化基をもたない直鎖または分岐した無置換アルキル基であることが好ましい。なお、可溶化基としては、水酸基、スルホン酸基およびカルボン酸基等が挙げられる。
一方、スルホン酸基のみを可溶化基として有するアルキルスルホン酸は、アルミナの解膠に関与しない可溶化基を有さないため、多孔質層内に水分を保持する傾向が小さく、耐湿性が極端に低下することを優れて防ぐことができる。耐湿性と色安定性を同時に向上させるために、アルキルスルホン酸は一塩基酸であり、かつ、アルキル鎖の炭素数が1以上4以下の直鎖または分岐した無置換アルキル基であることが好ましい。好ましいアルキルスルホン酸としては、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、イソプロパンスルホン酸、n−プロパンスルホン酸、n−ブタンスルホン酸、I−ブタンスルホン酸、t−ブタンスルホン酸が挙げられるが、より好ましくは、炭素数1以上3以下のメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、イソプロパンスルホン酸、n−プロパンスルホン酸である。さらにこれらの中でもメタンスルホン酸がより好ましい。
アルキル鎖の炭素数が1以上4以下のアルキルスルホン酸の使用量は、アルミナ水和物に対して、1.0質量%以上、2.0質量%以下である。1.0質量%よりも少ないと耐オゾン性が低下し、2.0質量%よりも多いとインク吸収性が低下する。尚、アルキルスルホン酸は、2種類以上を併用してもよい。
(ヒドロキシルアミンおよびヒドロキシルアミン塩)
本発明で用いられるヒドロキシルアミンおよびその塩について説明する。本発明で使用されるヒドロキシルアミン化合物は、下記一般式(1)で示される。
一般式(1) HO−N(R1)(R2)
(式中、R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、ビニル基、フェニル基又はアシル基を表す。)
前記一般式(1)のR1及びR2で表されるアルキル基は、それぞれ炭素原子数(置換原子および置換基を含まない炭素原子数)が1以上18以下の直鎖、分岐又は環状のアルキル基であることが好ましい。これらのアルキル基は、それぞれ置換原子、置換基を有していても良い。置換原子、置換基としては例えば、アルコキシ基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アシル基、アルケニル基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、スルホ基、カルボキシ基、スルファモイル基、ウレイド基、ホスホノ基およびホスフィン基等が挙げられる。置換基としてのアリール基及びアルケニル基は、炭素原子数が2以上18以下であることが好ましい。
一般式(1)のR1及びR2で表されるアルコキシ基は、それぞれ炭素原子数(置換基を含まない炭素原子数)が1以上8以下の直鎖又は分岐のアルコキシ基であることが好ましい。これらのアルコキシ基は、置換基を有していても良い。置換基としては、上記アルキル基における置換基と同一のものが挙げられる。
一般式(1)のR1及びR2で表されるカルバモイル基は、例えばメチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基等である。これらのカルバモイル基は、置換基を有していても良い。置換基としては、上記アルキル基における置換基と同一のものが挙げられる。
一般式(1)のR1及びR2で表されるアルコキシカルボニル基は、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等である。これらのアルコキシカルボニル基は、置換基を有していても良い。置換基としては、上記アルキル基における置換基と同一のものが挙げられる。
本発明で用いられるヒドロキシルアミンおよびその塩について説明する。本発明で使用されるヒドロキシルアミン化合物は、下記一般式(1)で示される。
一般式(1) HO−N(R1)(R2)
(式中、R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、ビニル基、フェニル基又はアシル基を表す。)
前記一般式(1)のR1及びR2で表されるアルキル基は、それぞれ炭素原子数(置換原子および置換基を含まない炭素原子数)が1以上18以下の直鎖、分岐又は環状のアルキル基であることが好ましい。これらのアルキル基は、それぞれ置換原子、置換基を有していても良い。置換原子、置換基としては例えば、アルコキシ基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アシル基、アルケニル基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、スルホ基、カルボキシ基、スルファモイル基、ウレイド基、ホスホノ基およびホスフィン基等が挙げられる。置換基としてのアリール基及びアルケニル基は、炭素原子数が2以上18以下であることが好ましい。
一般式(1)のR1及びR2で表されるアルコキシ基は、それぞれ炭素原子数(置換基を含まない炭素原子数)が1以上8以下の直鎖又は分岐のアルコキシ基であることが好ましい。これらのアルコキシ基は、置換基を有していても良い。置換基としては、上記アルキル基における置換基と同一のものが挙げられる。
一般式(1)のR1及びR2で表されるカルバモイル基は、例えばメチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基等である。これらのカルバモイル基は、置換基を有していても良い。置換基としては、上記アルキル基における置換基と同一のものが挙げられる。
一般式(1)のR1及びR2で表されるアルコキシカルボニル基は、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等である。これらのアルコキシカルボニル基は、置換基を有していても良い。置換基としては、上記アルキル基における置換基と同一のものが挙げられる。
一般式(1)のR1及びR2で表されるアシル基は、例えばアセチル基、プロパノイル基、ベンゾイル基等である。これらのアシル基は、置換基を有していても良い。置換基としては、上記アルキル基における置換基と同一のものが挙げられる。
このようなヒドロキシルアミン化合物は、還元剤として機能を発揮し、オゾン等の酸化性ガスに対して抗酸化作用を示すと考えられる。
一般式(1)で表されるヒドロキシルアミンの具体例は、ヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N−イソプロピルヒドロキシルアミン、N−(tert−ブチル)ヒドロキシルアミン、N−メチルヒドロキシルアミン、N−エチル−N−メチルヒドロキシルアミン、N−エチル−N−プロピルヒドロキシルアミン、N,N−ジプロピルヒドロキシルアミン、N−メチル−N−ブチルヒドロキシルアミン、N−イソプロピル−N−エチルスルホン酸ヒドロキシルアミン、N,N−ジベンジルヒドロキシルアミン、ベンゾヒドロキサム酸、N−カルボベンゾキシヒドロキシルアミン、サリチルヒドロキルアミン、N−ベンゾイル−N−フェニルヒドロキシルアミン等が挙げられ、これらを単独もしくは混合して使用してもよい。
上記ヒドロキシルアミン化合物は塩の形で安定に取り扱うことができるため、インク受容層中にヒドロキシルアミン塩として添加することが好ましい。前記ヒドロキシルアミン塩としては、塩酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩、亜硫酸塩、燐酸塩、次亜塩素酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩などが挙げられる。これらの中でもメタンスルホン酸塩が耐オゾン性の効果も高いためより好ましい。ヒドロキシルアミンのメタンスルホン酸塩は、アルミナ水和物ゾル調製時にアルミナ水和物の解膠酸(アルキルスルホン酸)として添加するメタンスルホン酸の他に、メタンスルホン酸をヒドロキシルアミン塩の形成量分過剰に添加して調製することができる。このようにヒドロキシルアミン塩に用いる酸が炭素数1以上4以下のアルキルスルホン酸の場合、インク受容層中のアルミナ水和物に対する質量割合を算出する際のアルキルスルホン酸量ならびにヒドロキシルアミン及びその塩の合計量はそれぞれ以下のようになる。アルキルスルホン酸量=総アルキルスルホン酸量−ヒドロキシルアミンを中和するのに要したアルキルスルホン酸量。ヒドロキシルアミン及びその塩の合計含有量=アルキルスルホン酸で中和する前のヒドロキシルアミン及びその塩の合計量+ヒドロキシルアミンを中和するのに要したアルキルスルホン酸量。
インク受容層を分析した際に、アルミナ水和物に対して、炭素数1以上4以下のアルキルスルホン酸がA質量%、炭素数1以上4以下のアルキルスルホン酸以外の酸(「他の酸」と称する)がB質量%、およびヒドロキシルアミンがC質量%である場合を考える。その際、インク受容層中のアルミナ水和物に対するアルキルスルホン酸含有量(相対比)、およびアルミナ水和物に対するヒドロキシルアミンおよびその塩の合計含有量(相対比)は以下のようになる。
1)A≦2.0の場合は、Aは全て前記アルキルスルホン酸含有量に含める。一方、A>2.0の場合は、Aのうちの2.0質量%を、前記アルキルスルホン酸含有量に含める。残りのアルキルスルホン酸(A−2.0)質量%については、4)に従う。
2)ヒドロキシルアミンC質量%は、前記ヒドロキシルアミンおよびその塩の合計含有量に含める。
3)ヒドロキシルアミンC質量%と過不足なく塩を形成する(化学当量分の)他の酸の量を考える。その他の酸の量を、インク受容層のアルミナ水和物に対する質量%で表したものをDと称する。B≦Dの場合は、Bは全て前記ヒドロキシルアミンおよびその塩の合計含有量に含める。一方B>Dの場合は、BのうちのD質量%のみ前記ヒドロキシルアミンおよびその塩の合計含有量に含める。
4)B≧Dの場合、ヒドロキシルアミンC質量%は全て他の酸と塩を形成しているため、残りのアルキルスルホン酸(A−2.0)質量%は前記アルキルスルホン酸含有量に含める。一方、B<Dの場合は、他の酸(D−B)質量%と等しい酸の量となる炭素数1以上4以下のアルキルスルホン酸の量(例えば、これらの酸の価数が等しければ同じモル数)を考える。そのアルキルスルホン酸の量をインク受容層のアルミナ水和物に対する質量%で表したものをEと称する。(A−2.0)≦Eの場合、(A−2.0)質量%は全て前記ヒドロキシルアミンおよびその塩の合計含有量に含める。一方、(A−2.0)>Eの場合は、(A−2.0)質量%のうちのE質量%は前記ヒドロキシルアミンおよびその塩の合計含有量に含め、それ以外の過剰分のアルキルスルホン酸((A−2.0)−E)質量%は、前記アルキルスルホン酸含有量に含める。
インク受容層を分析した際に、アルミナ水和物に対して、炭素数1以上4以下のアルキルスルホン酸がA質量%、炭素数1以上4以下のアルキルスルホン酸以外の酸(「他の酸」と称する)がB質量%、およびヒドロキシルアミンがC質量%である場合を考える。その際、インク受容層中のアルミナ水和物に対するアルキルスルホン酸含有量(相対比)、およびアルミナ水和物に対するヒドロキシルアミンおよびその塩の合計含有量(相対比)は以下のようになる。
1)A≦2.0の場合は、Aは全て前記アルキルスルホン酸含有量に含める。一方、A>2.0の場合は、Aのうちの2.0質量%を、前記アルキルスルホン酸含有量に含める。残りのアルキルスルホン酸(A−2.0)質量%については、4)に従う。
2)ヒドロキシルアミンC質量%は、前記ヒドロキシルアミンおよびその塩の合計含有量に含める。
3)ヒドロキシルアミンC質量%と過不足なく塩を形成する(化学当量分の)他の酸の量を考える。その他の酸の量を、インク受容層のアルミナ水和物に対する質量%で表したものをDと称する。B≦Dの場合は、Bは全て前記ヒドロキシルアミンおよびその塩の合計含有量に含める。一方B>Dの場合は、BのうちのD質量%のみ前記ヒドロキシルアミンおよびその塩の合計含有量に含める。
4)B≧Dの場合、ヒドロキシルアミンC質量%は全て他の酸と塩を形成しているため、残りのアルキルスルホン酸(A−2.0)質量%は前記アルキルスルホン酸含有量に含める。一方、B<Dの場合は、他の酸(D−B)質量%と等しい酸の量となる炭素数1以上4以下のアルキルスルホン酸の量(例えば、これらの酸の価数が等しければ同じモル数)を考える。そのアルキルスルホン酸の量をインク受容層のアルミナ水和物に対する質量%で表したものをEと称する。(A−2.0)≦Eの場合、(A−2.0)質量%は全て前記ヒドロキシルアミンおよびその塩の合計含有量に含める。一方、(A−2.0)>Eの場合は、(A−2.0)質量%のうちのE質量%は前記ヒドロキシルアミンおよびその塩の合計含有量に含め、それ以外の過剰分のアルキルスルホン酸((A−2.0)−E)質量%は、前記アルキルスルホン酸含有量に含める。
例えば、ヒドロキシルアミンの塩は、本発明に用いるヒドロキシルアミンのモル数を求め、それと同一モル数の1価の酸(例えばメタンスルホン酸)を混合し、中和することにより得ることができる。なお、アルミナゾルの凝集防止の観点から、ヒドロキシルアミン塩に用いる酸は、2価以上の酸(例えば硫酸)より、1価の酸がより好ましい。また、本発明に用いるヒドロキシルアミンの塩は、塩酸塩等の形で市販されているものを用いてもよい。
一般式(1)で表されるヒドロキシルアミン及びその塩の合計量は、インク受容層中に上記アルミナ水和物に対して0.2質量%以上2.0質量%以下含まれる。尚、合計量と記載したが、ヒドロキシルアミンまたはその塩の一方のみを用いた場合は、当然のことながらその一方の量である。0.2質量%未満だと、耐オゾン性、耐光性の効果が小さい。2.0質量%を超えると、アルミナゾルの安定性が低下するため好ましくない。さらには、0.5質量%以上1.5質量%以下が好ましい。
また、一般式(1)で表されるヒドロキシルアミン及びその塩の水に対する溶解度は、室温で5質量%以上であることが好ましい。前記溶解度が5質量%以上であれば、アルミナゾルの安定性が低下することを優れて防ぐことができる。さらには、前記溶解度は10質量%以上であることがより好ましい。
(バインダー)
本発明に用いるインク受容層は、バインダーを含有することができる。バインダーとしては、上記アルミナ水和物を結着し、被膜を形成する能力のある材料であって、かつ、本発明の効果を損なわないものであれば、特に制限なく利用することができる。
本発明に用いるインク受容層は、バインダーを含有することができる。バインダーとしては、上記アルミナ水和物を結着し、被膜を形成する能力のある材料であって、かつ、本発明の効果を損なわないものであれば、特に制限なく利用することができる。
バインダーとしては例えば、下記のものを挙げることができる。酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉等の澱粉誘導体。カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体。カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白およびポリビニルアルコールならびにその誘導体。ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役重合体ラテックス。アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体等のアクリル系重合体ラテックス。エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス。上記の各種重合体のカルボキシル基等の官能基含有単量体による官能基変性重合体ラテックス。カチオン基を用いて上記各種重合体をカチオン化したもの、カチオン性界面活性剤を用いて上記各種重合体の表面をカチオン化したもの。カチオン性ポリビニルアルコール下で上記各種重合体を重合し、重合体の表面にポリビニルアルコールを分布させたもの。カチオン性コロイド粒子の懸濁ゾル中で上記各種重合体の重合を行い、重合体の表面にカチオン性コロイド粒子を分布させたもの。メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化合成樹脂等の水性バインダー。ポリメチルメタクリレート等のメタクリル酸エステルやアクリル酸エステルの重合体および共重合体樹脂。ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂等の合成樹脂系バインダー。
上記バインダーは、単独で、または複数種を混合して用いることができる。中でも最も好ましく用いられるバインダーはポリビニルアルコールである。このポリビニルアルコールは、例えば、ポリ酢酸ビニルを加水分解して合成することができる。このポリビニルアルコールは、重量平均重合度が1500以上のものが好ましく用いられ、重量平均重合度が2000以上5000以下のものがより好ましい。また、ケン化度は80モル%以上100モル%以下のものが好ましく、85モル%以上100モル%以下のものがより好ましい。ここでいうケン化度とは、JIS−K6726の方法で測定した値である。化学的には、ポリ酢酸ビニルをケン化してポリビニルアルコールを得た際の、ケン化反応によって生じた水酸基のモル数の割合である。
ポリビニルアルコール(PVA)の使用量は、アルミナ水和物に対して7質量%以上12質量%以下であることが好ましい。7質量%以上の場合は、特に強い塗膜が形成され、12質量%以下の場合は、ゲル化を優れて抑制し、塗工適性が低下する等の弊害を優れて防ぐことができる。本発明の最良な実施形態は、ポリビニルアルコールの使用量が、アルミナ水和物に対して8質量%以上9質量%以下である。
ポリビニルアルコールは水溶液の状態で使用することが好ましく、そのポリビニルアルコール水溶液の乾燥固形分濃度は、3質量%以上20質量%以下が好ましい。3質量%以上20質量%以下であれば、塗工液の濃度が過度に低下して乾燥速度が大幅に低下することを良好に抑制できる。また、塗工液の濃度の過度な上昇により塗工液粘度が大幅に上昇して塗工面の平滑性が損なわれるのを良好に抑制できる。
(塗工液)
本発明に用いることができる塗工液は、アルミナ水和物ゾルと、ポリビニルアルコール水溶液とを含むことができる。また、前記塗工液は、アルミナ水和物ゾルと、ポリビニルアルコール水溶液との混合液であることができる。
本発明に用いることができる塗工液は、アルミナ水和物ゾルと、ポリビニルアルコール水溶液とを含むことができる。また、前記塗工液は、アルミナ水和物ゾルと、ポリビニルアルコール水溶液との混合液であることができる。
(アルミナ水和物ゾル)
本発明に用いることができるアルミナ水和物ゾルについて説明する。
本発明に用いることができるアルミナ水和物ゾルについて説明する。
上記アルミナ水和物ゾルは、上記アルミナ水和物と、上記炭素数1以上4以下のアルキルスルホン酸と、上記一般式(1)で表されるヒドロキシルアミンおよびその塩の少なくとも一方と、水とを含むことが好ましい。また、前記アルミナ水和物ゾル中の炭素数1以上4以下のアルキルスルホン酸は、アルミナ水和物ゾル中のアルミナ水和物に対して1.0質量%以上2.0質量%以下であることが好ましい。さらに、前記アルミナ水和物ゾル中の一般式(1)で表されるヒドロキシルアミンおよびその塩の合計量は、アルミナ水和物ゾル中のアルミナ水和物に対して0.2質量%以上2.0質量%以下であることが好ましい。
また、アルミナ水和物ゾル中のアルミナ水和物の含有割合は、アルミナ水和物ゾル中に含有される全固形分中の70質量%以上であることが好ましい。70質量%以上の場合、インク吸収性が低下するのを優れて防ぐことができる。
このアルミナ水和物ゾルの特徴は、アルミナ水和物ゾルの固形分濃度が30質量%よりも高い濃度においても、低粘度で安定な状態を保持できるところにある。アルミナ水和物ゾルの固形分濃度が30質量%より高いとバインダー成分や架橋剤成分と混合した塗工液の固形分濃度も高くできるため、高濃度塗工液の塗工が可能となり、塗工速度を特に速めることが可能になる。そのため、前記固形分濃度が30質量%より高い場合は、生産性を特に高めることができ、好ましい。アルミナ水和物ゾルの固形分濃度は、さらに33質量%以上がより好ましい。
(添加剤)
本発明の記録媒体では、必要に応じて、インク受容層中にバインダーの架橋成分を含有することができる。前記架橋成分の具体例としては、ホウ酸やホウ酸塩が挙げられる。ホウ酸およびホウ酸塩の少なくとも一方を添加することにより、インク受容層内でのクラックの発生を優れて防止することができる。この際、使用できるホウ酸としては、オルトホウ酸(H3BO3)だけでなく、メタホウ酸や次ホウ酸等が挙げられる。ホウ酸塩としては、上記ホウ酸の水溶性の塩であることが好ましい。具体的には、下記のホウ酸のアルカリ土類金属塩等を挙げることができる。
本発明の記録媒体では、必要に応じて、インク受容層中にバインダーの架橋成分を含有することができる。前記架橋成分の具体例としては、ホウ酸やホウ酸塩が挙げられる。ホウ酸およびホウ酸塩の少なくとも一方を添加することにより、インク受容層内でのクラックの発生を優れて防止することができる。この際、使用できるホウ酸としては、オルトホウ酸(H3BO3)だけでなく、メタホウ酸や次ホウ酸等が挙げられる。ホウ酸塩としては、上記ホウ酸の水溶性の塩であることが好ましい。具体的には、下記のホウ酸のアルカリ土類金属塩等を挙げることができる。
例えば、ホウ酸のナトリウム塩(Na2B4O7・10H2O、NaBO2・4H2O等)、ホウ酸のカリウム塩(K2B4O7・5H2O、KBO2等)等のアルカリ金属塩、ホウ酸のアンモニウム塩(NH4B4O9・3H2O、NH4BO2等)、ホウ酸のマグネシウム塩やカルシウム塩が挙げられる。これらのホウ酸およびホウ酸塩の中でも、塗工液の経時安定性と、クラック発生の抑制効果の点からオルトホウ酸を用いることが好ましい。また、ホウ酸およびホウ酸塩の使用量は、インク受容層中のバインダーに対して、ホウ酸固形分が5質量%以上50質量%以下であることが好ましい。50質量%以下であれば、塗工液の経時安定性が低下することを優れて防ぐことができる。5質量%以上であれば、架橋剤としての効果が優れて得られる。
また、その他の添加剤として、pH調製剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、界面活性剤、離型剤、浸透剤、着色顔料、着色染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、耐水化剤、染料定着剤、硬化剤、耐候材料等を、必要に応じて適宜、添加しても良い。
[支持体]
本発明で用いられる支持体としては、例えば、キャストコート紙、バライタ紙、レジンコート紙(両面がポリオレフィンなどの樹脂で被覆された樹脂皮膜紙)などの紙類、フィルムからなるものなどが好ましく使用される。このフィルムとしては例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ乳酸、ポリスチレン、ポリアセテート、ポリ塩化ビニル、酢酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート等の透明な熱可塑性樹脂フィルムを使用することができる。
本発明で用いられる支持体としては、例えば、キャストコート紙、バライタ紙、レジンコート紙(両面がポリオレフィンなどの樹脂で被覆された樹脂皮膜紙)などの紙類、フィルムからなるものなどが好ましく使用される。このフィルムとしては例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ乳酸、ポリスチレン、ポリアセテート、ポリ塩化ビニル、酢酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート等の透明な熱可塑性樹脂フィルムを使用することができる。
これ以外にも、適度なサイジングが施された紙である無サイズ紙やコート紙、無機物の充填もしくは微細な発泡により不透明化されたフィルムからなるシート状物質(合成紙など)を使用できる。また、ガラスまたは金属などからなるシートなどを使用しても良い。更に、これらの支持体とインク受容層との接着強度を向上させるため、支持体の表面にコロナ放電処理や各種アンダーコート処理を施すことも可能である。上述した支持体の中でも、インク受容層形成後の光沢性の点から、レジンコート紙を用いるのが好ましい。
〔塗工液の塗工方法〕
インク受容層を形成するための塗工液の塗工には、例えば、各種カーテンコーター、エクストルージョン方式を用いたコーター、スライドホッパー方式を用いたコーターなどが好適に用いられる。この中でもスライドカーテン塗工装置が好適に使用できる。なお、塗工時に、塗工液の粘度調製等を目的として、塗工液を加温してもよく、コーターヘッドを加温することも可能である。また、塗工後の塗工液の乾燥には、例えば、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤー等の熱風乾燥機を使用できる。また、赤外線、加熱ドライヤー、マイクロ波等を利用した乾燥機等を、適宜、選択して用いることができる。
インク受容層を形成するための塗工液の塗工には、例えば、各種カーテンコーター、エクストルージョン方式を用いたコーター、スライドホッパー方式を用いたコーターなどが好適に用いられる。この中でもスライドカーテン塗工装置が好適に使用できる。なお、塗工時に、塗工液の粘度調製等を目的として、塗工液を加温してもよく、コーターヘッドを加温することも可能である。また、塗工後の塗工液の乾燥には、例えば、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤー等の熱風乾燥機を使用できる。また、赤外線、加熱ドライヤー、マイクロ波等を利用した乾燥機等を、適宜、選択して用いることができる。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例では、インクジェット記録媒体を作製した。
<支持体の作製>
下記条件にて支持体を作製した。まず下記組成の紙料を固形分濃度が3質量%となるように水で調製した。
下記条件にて支持体を作製した。まず下記組成の紙料を固形分濃度が3質量%となるように水で調製した。
(紙料組成)
・パルプ 100質量部
(濾水度450mlCSF(Canadian Standarad Freeness)の、広葉樹晒しクラフトパルプ(LBKP)80質量部、
および、濾水度480mlCSFの、針葉樹晒しクラフトパルプ(NBKP)20質量部)、
・カチオン化澱粉 0.60質量部、
・重質炭酸カルシウム 10質量部、
・軽質炭酸カルシウム 15質量部、
・アルキルケテンダイマー 0.10質量部、
・カチオン性ポリアクリルアミド 0.03質量部。
・パルプ 100質量部
(濾水度450mlCSF(Canadian Standarad Freeness)の、広葉樹晒しクラフトパルプ(LBKP)80質量部、
および、濾水度480mlCSFの、針葉樹晒しクラフトパルプ(NBKP)20質量部)、
・カチオン化澱粉 0.60質量部、
・重質炭酸カルシウム 10質量部、
・軽質炭酸カルシウム 15質量部、
・アルキルケテンダイマー 0.10質量部、
・カチオン性ポリアクリルアミド 0.03質量部。
次に、この紙料を長網抄紙機で抄造し3段のウエットプレスを行った後、多筒式ドライヤーで乾燥した。この後、サイズプレス装置で、塗工量が1.0g/m2となるように酸化澱粉水溶液を含浸させ、乾燥させた。この後、マシンカレンダー仕上げをして、坪量170g/m2、ステキヒトサイズ度100秒、透気度50秒、ベック平滑度30秒、ガーレー剛度11.0mNの基紙Aを得た。その基紙A上に、低密度ポリエチレン(70質量部)と、高密度ポリエチレン(20質量部)と、酸化チタン(10質量部)とからなる樹脂組成物を25g/m2塗布した。更に、その基紙Aの裏面に、高密度ポリエチレン(50質量部)と、低密度ポリエチレン(50質量部)とからなる樹脂組成物を、25g/m2塗布することにより、樹脂被覆した支持体1を得た。
<アルミナ水和物ゾルの作製>
(アルミナ水和物ゾル1):
純水207質量部中に、アルミナ水和物として、Disperal HP14(商品名、サソール社製)100質量部と、炭素数1以上4以下のアルキルスルホン酸として、メタンスルホン酸をアルミナ水和物に対して1.5質量%と、ヒドロキシルアミンとして、塩酸ヒドロキシルアミンをアルミナ水和物に対して0.5質量%とを混合し、ホモミキサーで30分間撹拌してアルミナ水和物ゾル1を作製した。アルミナ水和物ゾル1の固形分濃度を測定したところ、33.0質量%であり、またその粘度は280mPa・sであった。固形分濃度の測定は、アルミナ水和物ゾル5gを秤取り、赤外線水分計FD−620(商品名、(株)ケツト科学研究所製)を用い、120℃にて測定した。また、粘度はB型粘度計RB−80L(商品名、東機産業(株)製)を用い、25℃で回転数30rpmにて測定した。
(アルミナ水和物ゾル1):
純水207質量部中に、アルミナ水和物として、Disperal HP14(商品名、サソール社製)100質量部と、炭素数1以上4以下のアルキルスルホン酸として、メタンスルホン酸をアルミナ水和物に対して1.5質量%と、ヒドロキシルアミンとして、塩酸ヒドロキシルアミンをアルミナ水和物に対して0.5質量%とを混合し、ホモミキサーで30分間撹拌してアルミナ水和物ゾル1を作製した。アルミナ水和物ゾル1の固形分濃度を測定したところ、33.0質量%であり、またその粘度は280mPa・sであった。固形分濃度の測定は、アルミナ水和物ゾル5gを秤取り、赤外線水分計FD−620(商品名、(株)ケツト科学研究所製)を用い、120℃にて測定した。また、粘度はB型粘度計RB−80L(商品名、東機産業(株)製)を用い、25℃で回転数30rpmにて測定した。
(アルミナ水和物ゾル2):
塩酸ヒドロキシルアミンをN−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩に変えたこと以外は、アルミナ水和物ゾル1と同一組成、同一条件にて分散し、アルミナ水和物ゾル2を作製した。アルミナ水和物ゾル2の固形分濃度を測定したところ、33.0質量%であり、またその粘度は170mPa・sであった。
塩酸ヒドロキシルアミンをN−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩に変えたこと以外は、アルミナ水和物ゾル1と同一組成、同一条件にて分散し、アルミナ水和物ゾル2を作製した。アルミナ水和物ゾル2の固形分濃度を測定したところ、33.0質量%であり、またその粘度は170mPa・sであった。
(アルミナ水和物ゾル3):
塩酸ヒドロキシルアミンをN,N−ジベンジルヒドロキシルアミンに変えたこと以外は、アルミナ水和物ゾル1と同一組成、同一条件にて分散し、アルミナ水和物ゾル3を作製した。アルミナ水和物ゾル3の固形分濃度を測定したところ、33.0質量%であり、またその粘度は150mPa・sであった。
塩酸ヒドロキシルアミンをN,N−ジベンジルヒドロキシルアミンに変えたこと以外は、アルミナ水和物ゾル1と同一組成、同一条件にて分散し、アルミナ水和物ゾル3を作製した。アルミナ水和物ゾル3の固形分濃度を測定したところ、33.0質量%であり、またその粘度は150mPa・sであった。
(アルミナ水和物ゾル4):
メタンスルホン酸の量をアルミナ水和物に対して2.0質量%に、塩酸ヒドロキシルアミンをN,N−ジエチルヒドロキシルアミンに変えたこと以外は、アルミナ水和物ゾル1と同一組成、同一条件にて分散しアルミナ水和物ゾル4を作製した。アルミナ水和物ゾル4の固形分濃度を測定したところ、33.0質量%であり、またその粘度は380mPa・sであった。
メタンスルホン酸の量をアルミナ水和物に対して2.0質量%に、塩酸ヒドロキシルアミンをN,N−ジエチルヒドロキシルアミンに変えたこと以外は、アルミナ水和物ゾル1と同一組成、同一条件にて分散しアルミナ水和物ゾル4を作製した。アルミナ水和物ゾル4の固形分濃度を測定したところ、33.0質量%であり、またその粘度は380mPa・sであった。
(アルミナ水和物ゾル5):
塩酸ヒドロキシルアミンの量をアルミナ水和物に対して1.8質量%としたこと以外は、アルミナ水和物ゾル1と同一組成、同一条件にて分散し、アルミナ水和物ゾル5を作製した。アルミナ水和物ゾル5の固形分濃度を測定したところ、33.0質量%であり、またその粘度は1200mPa・sであった。
塩酸ヒドロキシルアミンの量をアルミナ水和物に対して1.8質量%としたこと以外は、アルミナ水和物ゾル1と同一組成、同一条件にて分散し、アルミナ水和物ゾル5を作製した。アルミナ水和物ゾル5の固形分濃度を測定したところ、33.0質量%であり、またその粘度は1200mPa・sであった。
(アルミナ水和物ゾル6):
塩酸ヒドロキシルアミンの量をアルミナ水和物に対して0.2質量%としたこと以外は、アルミナ水和物ゾル1と同一組成、同一条件にて分散し、アルミナ水和物ゾル6を作製した。アルミナ水和物ゾル6の固形分濃度を測定したところ、33.0質量%、またその粘度は450mPa・sであった。
塩酸ヒドロキシルアミンの量をアルミナ水和物に対して0.2質量%としたこと以外は、アルミナ水和物ゾル1と同一組成、同一条件にて分散し、アルミナ水和物ゾル6を作製した。アルミナ水和物ゾル6の固形分濃度を測定したところ、33.0質量%、またその粘度は450mPa・sであった。
(アルミナ水和物ゾル7):
メタンスルホン酸の量をアルミナ水和物に対して2.0質量%としたこと以外は、アルミナ水和物ゾル1と同一組成、同一条件にて分散し、アルミナ水和物ゾル7を作製した。アルミナ水和物ゾル7の固形分濃度を測定したところ、33.0質量%であり、またその粘度は88mPa・sであった。
メタンスルホン酸の量をアルミナ水和物に対して2.0質量%としたこと以外は、アルミナ水和物ゾル1と同一組成、同一条件にて分散し、アルミナ水和物ゾル7を作製した。アルミナ水和物ゾル7の固形分濃度を測定したところ、33.0質量%であり、またその粘度は88mPa・sであった。
(アルミナ水和物ゾル8):
メタンスルホン酸の量をアルミナ水和物に対して1.0質量%としたこと以外は、アルミナ水和物ゾル1と同一組成、同一条件にて分散し、アルミナ水和物ゾル8を作製した。アルミナ水和物ゾル8の固形分濃度を測定したところ、33.0質量%であり、またその粘度は2300mPa・sであった。
メタンスルホン酸の量をアルミナ水和物に対して1.0質量%としたこと以外は、アルミナ水和物ゾル1と同一組成、同一条件にて分散し、アルミナ水和物ゾル8を作製した。アルミナ水和物ゾル8の固形分濃度を測定したところ、33.0質量%であり、またその粘度は2300mPa・sであった。
(アルミナ水和物ゾル9):
メタンスルホン酸をエタンスルホン酸に変えたこと以外は、アルミナ水和物ゾル1と同一組成、同一条件にて分散し、アルミナ水和物ゾル9を作製した。アルミナ水和物ゾル9の固形分濃度を測定したところ、33.0質量%であり、またその粘度は380mPa・sであった。
メタンスルホン酸をエタンスルホン酸に変えたこと以外は、アルミナ水和物ゾル1と同一組成、同一条件にて分散し、アルミナ水和物ゾル9を作製した。アルミナ水和物ゾル9の固形分濃度を測定したところ、33.0質量%であり、またその粘度は380mPa・sであった。
(アルミナ水和物ゾル10):
メタンスルホン酸をプロパンスルホン酸に変えたこと以外は、アルミナ水和物ゾル1と同一組成、同一条件にて分散し、アルミナ水和物ゾル10を作製した。アルミナ水和物ゾル10の固形分濃度を測定したところ、33.0質量%、またその粘度は460mPa・sであった。
メタンスルホン酸をプロパンスルホン酸に変えたこと以外は、アルミナ水和物ゾル1と同一組成、同一条件にて分散し、アルミナ水和物ゾル10を作製した。アルミナ水和物ゾル10の固形分濃度を測定したところ、33.0質量%、またその粘度は460mPa・sであった。
(アルミナ水和物ゾル11):
メタンスルホン酸を硫酸に変えたこと以外は、アルミナ水和物ゾル1と同一組成、同一条件にて分散し、アルミナ水和物ゾル11を作製した。アルミナ水和物ゾル11の固形分濃度を測定したところ、33.0質量%であったが、アルミナ水和物ゾル11の液全体がゲル化していた。
メタンスルホン酸を硫酸に変えたこと以外は、アルミナ水和物ゾル1と同一組成、同一条件にて分散し、アルミナ水和物ゾル11を作製した。アルミナ水和物ゾル11の固形分濃度を測定したところ、33.0質量%であったが、アルミナ水和物ゾル11の液全体がゲル化していた。
(アルミナ水和物ゾル12):
メタンスルホン酸を塩酸に変えたこと以外は、アルミナ水和物ゾル1と同一組成、同一条件にて分散し、アルミナ水和物ゾル12を作製した。アルミナ水和物ゾル12の固形分濃度を測定したところ、33.0質量%であり、またその粘度は170mPa・sであった。
メタンスルホン酸を塩酸に変えたこと以外は、アルミナ水和物ゾル1と同一組成、同一条件にて分散し、アルミナ水和物ゾル12を作製した。アルミナ水和物ゾル12の固形分濃度を測定したところ、33.0質量%であり、またその粘度は170mPa・sであった。
(アルミナ水和物ゾル13):
メタンスルホン酸を酢酸に変え、その酢酸の量をアルミナ水和物に対して2.0質量%としたこと以外は、アルミナ水和物ゾル1と同一組成、同一条件にて分散し、アルミナ水和物ゾル13を作製した。アルミナ水和物ゾル13の固形分濃度を測定したところ、33.0質量%、またその粘度は300mPa・sであった。
メタンスルホン酸を酢酸に変え、その酢酸の量をアルミナ水和物に対して2.0質量%としたこと以外は、アルミナ水和物ゾル1と同一組成、同一条件にて分散し、アルミナ水和物ゾル13を作製した。アルミナ水和物ゾル13の固形分濃度を測定したところ、33.0質量%、またその粘度は300mPa・sであった。
(アルミナ水和物ゾル14):
メタンスルホン酸を乳酸に変え、その乳酸の量をアルミナ水和物に対して2.0質量%としたこと以外は、アルミナ水和物ゾル1と同一組成、同一条件にて分散し、アルミナ水和物ゾル14を作製した。アルミナ水和物ゾル14の固形分濃度を測定したところ、33.0質量%、またその粘度は340mPa・sであった。
メタンスルホン酸を乳酸に変え、その乳酸の量をアルミナ水和物に対して2.0質量%としたこと以外は、アルミナ水和物ゾル1と同一組成、同一条件にて分散し、アルミナ水和物ゾル14を作製した。アルミナ水和物ゾル14の固形分濃度を測定したところ、33.0質量%、またその粘度は340mPa・sであった。
(アルミナ水和物ゾル15):
メタンスルホン酸をアミド硫酸に変えたこと以外は、アルミナ水和物ゾル1と同一組成、同一条件にて分散し、アルミナ水和物ゾル15を作製した。アルミナ水和物ゾル15の固形分濃度を測定したところ、33.0質量%、またその粘度は240mPa・sであった。
メタンスルホン酸をアミド硫酸に変えたこと以外は、アルミナ水和物ゾル1と同一組成、同一条件にて分散し、アルミナ水和物ゾル15を作製した。アルミナ水和物ゾル15の固形分濃度を測定したところ、33.0質量%、またその粘度は240mPa・sであった。
(アルミナ水和物ゾル16):
メタンスルホン酸の量をアルミナ水和物に対して2.5質量%としたこと以外は、アルミナ水和物ゾル1と同一組成、同一条件にて分散し、アルミナ水和物ゾル16を作製した。アルミナ水和物ゾル16の固形分濃度を測定したところ、33.0質量%、またその粘度は52mPa・sであった。
メタンスルホン酸の量をアルミナ水和物に対して2.5質量%としたこと以外は、アルミナ水和物ゾル1と同一組成、同一条件にて分散し、アルミナ水和物ゾル16を作製した。アルミナ水和物ゾル16の固形分濃度を測定したところ、33.0質量%、またその粘度は52mPa・sであった。
(アルミナ水和物ゾル17):
メタンスルホン酸の量をアルミナ水和物に対して0.8質量%としたこと以外は、アルミナ水和物ゾル1と同一組成、同一条件にて分散し、アルミナ水和物ゾル17を作製した。アルミナ水和物ゾル17の固形分濃度を測定したところ、33.0質量%であったが、アルミナ水和物ゾル17の液全体がゲル化していた。
メタンスルホン酸の量をアルミナ水和物に対して0.8質量%としたこと以外は、アルミナ水和物ゾル1と同一組成、同一条件にて分散し、アルミナ水和物ゾル17を作製した。アルミナ水和物ゾル17の固形分濃度を測定したところ、33.0質量%であったが、アルミナ水和物ゾル17の液全体がゲル化していた。
(アルミナ水和物ゾル18):
塩酸ヒドロキシルアミンの量をアルミナ水和物に対して2.5質量%としたこと以外は、アルミナ水和物ゾル1と同一組成、同一条件にて分散し、アルミナ水和物ゾル18を作製した。アルミナ水和物ゾル18の固形分濃度を測定したところ、33.0質量%であったが、アルミナ水和物ゾル18の液全体がゲル化していた。
塩酸ヒドロキシルアミンの量をアルミナ水和物に対して2.5質量%としたこと以外は、アルミナ水和物ゾル1と同一組成、同一条件にて分散し、アルミナ水和物ゾル18を作製した。アルミナ水和物ゾル18の固形分濃度を測定したところ、33.0質量%であったが、アルミナ水和物ゾル18の液全体がゲル化していた。
(アルミナ水和物ゾル19):
塩酸ヒドロキシルアミンを添加しなかったこと以外は、アルミナ水和物ゾル1と同一組成、同一条件にて分散し、アルミナ水和物ゾル19を作製した。アルミナ水和物ゾル19の固形分濃度を測定したところ、33.0質量%であったが、アルミナ水和物ゾル19の液全体がゲル化していた。
塩酸ヒドロキシルアミンを添加しなかったこと以外は、アルミナ水和物ゾル1と同一組成、同一条件にて分散し、アルミナ水和物ゾル19を作製した。アルミナ水和物ゾル19の固形分濃度を測定したところ、33.0質量%であったが、アルミナ水和物ゾル19の液全体がゲル化していた。
(アルミナ水和物ゾル20):
塩酸ヒドロキシルアミンを塩化アンモニウムに変えたこと以外は、アルミナ水和物ゾル1と同一組成、同一条件にて分散し、アルミナ水和物ゾル20を作製した。アルミナ水和物ゾル20の固形分濃度を測定したところ、33.0質量%、またその粘度は290mPa・sであった。
塩酸ヒドロキシルアミンを塩化アンモニウムに変えたこと以外は、アルミナ水和物ゾル1と同一組成、同一条件にて分散し、アルミナ水和物ゾル20を作製した。アルミナ水和物ゾル20の固形分濃度を測定したところ、33.0質量%、またその粘度は290mPa・sであった。
(アルミナ水和物ゾル21):
塩酸ヒドロキシルアミンをメタンスルホン酸ナトリウムに変えたこと以外は、アルミナ水和物ゾル1と同一組成、同一条件にて分散し、アルミナ水和物ゾル21を作製した。アルミナ水和物ゾル21の固形分濃度を測定したところ、33.0質量%、またその粘度は150mPa・sであった。
塩酸ヒドロキシルアミンをメタンスルホン酸ナトリウムに変えたこと以外は、アルミナ水和物ゾル1と同一組成、同一条件にて分散し、アルミナ水和物ゾル21を作製した。アルミナ水和物ゾル21の固形分濃度を測定したところ、33.0質量%、またその粘度は150mPa・sであった。
<インク受容層の形成>
(実施例1)
ポリビニルアルコールPVA235(商品名、クラレ(株)製、平均重合度:3500、ケン化度:88モル%)をイオン交換水中に溶解させて、固形分濃度9.0質量%のPVA水溶液を得た。このPVA水溶液と、上記で調製したアルミナ水和物ゾル1を、アルミナ水和物の固形分(仕込み量)に対して、PVA固形分換算((ポリビニルアルコール)/(アルミナ水和物)×100)が9.0質量%となるように混合した。次に、3.0質量%ホウ酸水溶液を、アルミナ水和物の固形分(仕込み量)に対してホウ酸固形分換算で1.5質量%となるように混合して、塗工液を調製した。
(実施例1)
ポリビニルアルコールPVA235(商品名、クラレ(株)製、平均重合度:3500、ケン化度:88モル%)をイオン交換水中に溶解させて、固形分濃度9.0質量%のPVA水溶液を得た。このPVA水溶液と、上記で調製したアルミナ水和物ゾル1を、アルミナ水和物の固形分(仕込み量)に対して、PVA固形分換算((ポリビニルアルコール)/(アルミナ水和物)×100)が9.0質量%となるように混合した。次に、3.0質量%ホウ酸水溶液を、アルミナ水和物の固形分(仕込み量)に対してホウ酸固形分換算で1.5質量%となるように混合して、塗工液を調製した。
この塗工液を上記支持体1の上に乾燥後の厚みが35μmとなるようにスライドダイを用いて塗布した。塗工液の温度は45℃とした。次に、これを80℃で乾燥して、記録媒体1を作成した。
(実施例2〜実施例10、および比較例1〜11)
アルミナ水和物ゾル1をアルミナ水和物ゾル2〜21に変更したこと以外は実施例1と同様にして、記録媒体2〜21をそれぞれ作製した。ただし、アルミナ水和物ゾル11および17〜19はゲル化したため、記録媒体は作製しなかった。このため、記録媒体11および17〜19は欠番となる。
アルミナ水和物ゾル1をアルミナ水和物ゾル2〜21に変更したこと以外は実施例1と同様にして、記録媒体2〜21をそれぞれ作製した。ただし、アルミナ水和物ゾル11および17〜19はゲル化したため、記録媒体は作製しなかった。このため、記録媒体11および17〜19は欠番となる。
<記録媒体の評価>
次に記録媒体の評価方法、および評価結果について説明する。
次に記録媒体の評価方法、および評価結果について説明する。
(評価1:インク吸収性の評価)
上記で得られた記録媒体1〜21のインク吸収性をそれぞれ評価した。印字はiP4600(商品名、キヤノン(株)製)の印字処理方法を改造した装置を使用した。印字パターンは、Green色の64階調のベタを使用(6.25%Duty刻みで64階調、0〜400%Duty)し、キャリッジ速度が25インチ/秒で、往復2回のパスで印字が完了する双方向印字で検討した。なお、400%Dutyとは、600dpi四方(600dpiで1平方インチの正方形)に44ngのインクを付与することを意味する。インク吸収性とビーディングはほぼ相関性があるため、ビーディングを評価することによって、記録媒体のインク吸収性を評価した。評価は目視で行い、下記の評価基準に基づきランクを決定した。表1からわかるように、本発明の記録媒体は、次世代の高速印字プリンタの印字速度であっても、十分使用可能なインク吸収性を有する。
上記で得られた記録媒体1〜21のインク吸収性をそれぞれ評価した。印字はiP4600(商品名、キヤノン(株)製)の印字処理方法を改造した装置を使用した。印字パターンは、Green色の64階調のベタを使用(6.25%Duty刻みで64階調、0〜400%Duty)し、キャリッジ速度が25インチ/秒で、往復2回のパスで印字が完了する双方向印字で検討した。なお、400%Dutyとは、600dpi四方(600dpiで1平方インチの正方形)に44ngのインクを付与することを意味する。インク吸収性とビーディングはほぼ相関性があるため、ビーディングを評価することによって、記録媒体のインク吸収性を評価した。評価は目視で行い、下記の評価基準に基づきランクを決定した。表1からわかるように、本発明の記録媒体は、次世代の高速印字プリンタの印字速度であっても、十分使用可能なインク吸収性を有する。
・評価基準
ランク3:300%Dutyでもビーディングが観察されなかった。
ランク2:200%Duty以上300%Duty以下の範囲ではビーディングがやや観察されたが、200%Duty未満ではビーディングが観察されなかった。
ランク1:200%Duty未満でもビーディングが観察された。
ランク3:300%Dutyでもビーディングが観察されなかった。
ランク2:200%Duty以上300%Duty以下の範囲ではビーディングがやや観察されたが、200%Duty未満ではビーディングが観察されなかった。
ランク1:200%Duty未満でもビーディングが観察された。
(評価2:耐オゾン性の評価)
上記で得られた記録媒体1〜21の耐オゾン性をそれぞれ評価した。プリンタはiP4600(商品名、キヤノン(株)製)を用い、256階調のグレーパッチを各記録媒体に印字した。Bk(ブラック)のO.D.値で1.0に最も近いパッチをオゾン暴露し、オゾン暴露前後のO.D.値の比率(O.D.残存率)にてオゾン性を評価した。オゾン暴露の条件は、温度:23℃、相対湿度:50%、オゾン濃度10体積ppm、オゾン暴露時間40hとした。
上記で得られた記録媒体1〜21の耐オゾン性をそれぞれ評価した。プリンタはiP4600(商品名、キヤノン(株)製)を用い、256階調のグレーパッチを各記録媒体に印字した。Bk(ブラック)のO.D.値で1.0に最も近いパッチをオゾン暴露し、オゾン暴露前後のO.D.値の比率(O.D.残存率)にてオゾン性を評価した。オゾン暴露の条件は、温度:23℃、相対湿度:50%、オゾン濃度10体積ppm、オゾン暴露時間40hとした。
・評価基準
ランク4:O.D.残存率が95%以上、
ランク3:O.D.残存率が90%以上95%未満、
ランク2:O.D.残存率が80%以上90%未満、
ランク1:O.D.残存率が80%未満。
ランク4:O.D.残存率が95%以上、
ランク3:O.D.残存率が90%以上95%未満、
ランク2:O.D.残存率が80%以上90%未満、
ランク1:O.D.残存率が80%未満。
(評価3:耐湿性の評価)
上記で得られた記録媒体1〜21の耐湿性をそれぞれ評価した。これらの記録媒体に、プリンタはiP4600(商品名、キヤノン(株)製)を用い、ブルーベタに「電驚」の白抜き文字を48ポイントで印字し、温度:30℃、相対湿度:90%の環境に、7日間放置した。放置前後での白抜き部分への色材のにじみ度合いを目視にて評価した。
上記で得られた記録媒体1〜21の耐湿性をそれぞれ評価した。これらの記録媒体に、プリンタはiP4600(商品名、キヤノン(株)製)を用い、ブルーベタに「電驚」の白抜き文字を48ポイントで印字し、温度:30℃、相対湿度:90%の環境に、7日間放置した。放置前後での白抜き部分への色材のにじみ度合いを目視にて評価した。
・評価基準
ランク3:にじみが確認されない。
ランク2:拡大して観察すると、多少にじみがあるが、肉眼ではほとんどわからないレベル。
ランク1:肉眼にてにじみが確認でき、耐湿性が低いレベル。
ランク3:にじみが確認されない。
ランク2:拡大して観察すると、多少にじみがあるが、肉眼ではほとんどわからないレベル。
ランク1:肉眼にてにじみが確認でき、耐湿性が低いレベル。
表1に示したように、記録媒体1〜10(実施例1〜10)では、いずれもアルミナ水和物ゾルがゲル化せずに、アルミナ水和物ゾルの固形分濃度が33質量%という高濃度で調製できた。また、これらのアルミナ水和物ゾル1〜10を使用したインクジェット記録媒体はインク吸収性や、耐湿性に優れ、かつ耐オゾン性にも優れていた。一方、比較例のうちの比較例1および7〜9では、アルミナ水和物ゾルを高い固形分濃度で調製するとゲル化した。またゲル化しない他の比較例においても、これらのアルミナ水和物ゾルを使用したインクジェット記録媒体は、インク吸収性、耐湿性、耐オゾン性のいずれかが劣るもの(ランク1のもの)であった。
Claims (3)
- 支持体上にインク受容層を有する記録媒体であって、
前記インク受容層は、アルミナ水和物と、炭素数1以上4以下のアルキルスルホン酸と、下記一般式(1)で表されるヒドロキシルアミンおよびその塩の少なくとも一方とを含み、
一般式(1) HO−N(R1)(R2)
(式中、R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、ビニル基、フェニル基またはアシル基を表す。)
該炭素数1以上4以下のアルキルスルホン酸は、該アルミナ水和物に対して1.0質量%以上2.0質量%以下であり、かつ、該ヒドロキシルアミンおよびその塩の合計量は、該アルミナ水和物に対して0.2質量%以上2.0質量%以下である、
ことを特徴とする記録媒体。 - 前記インク受容層が、アルミナ水和物ゾルと、ポリビニルアルコール水溶液とを含む塗工液を、前記支持体上に塗工して得られるインク受容層であって、
該アルミナ水和物ゾルは、アルミナ水和物と、炭素数1以上4以下のアルキルスルホン酸と、前記一般式(1)で表されるヒドロキシルアミンおよびその塩の少なくとも一方と、水とを含み、
該アルミナ水和物ゾル中の一般式(1)で表されるヒドロキシルアミンおよびその塩の合計量が、該アルミナ水和物ゾル中のアルミナ水和物に対して0.2質量%以上、2.0質量%以下であり、かつ、該アルミナ水和物ゾル中の炭素数1以上4以下のアルキルスルホン酸が、該アルミナ水和物ゾル中のアルミナ水和物に対して1.0質量%以上、2.0質量%以下であり、かつ、該アルミナ水和物ゾルの固形分濃度が、30質量%よりも高いことを特徴とする請求項1に記載の記録媒体。 - 前記アルキルスルホン酸がメタンスルホン酸である、請求項1または2記載の記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009259815A JP2011104805A (ja) | 2009-11-13 | 2009-11-13 | 記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009259815A JP2011104805A (ja) | 2009-11-13 | 2009-11-13 | 記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011104805A true JP2011104805A (ja) | 2011-06-02 |
Family
ID=44228880
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009259815A Pending JP2011104805A (ja) | 2009-11-13 | 2009-11-13 | 記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2011104805A (ja) |
-
2009
- 2009-11-13 JP JP2009259815A patent/JP2011104805A/ja active Pending
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