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JP2011101748A - 紫外線ランプを用いた殺菌・脱臭装置 - Google Patents

紫外線ランプを用いた殺菌・脱臭装置 Download PDF

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Abstract

【課題】オゾン濃度を許容値以下に維持することができ、かつ、メンテナンスフリーの脱臭および殺菌装置を提供する。
【解決手段】紫外線ランプ7と、外管8と、筐体9と、外管9の両端に配置された開閉可能な弁10,11とを有する。紫外線ランプ7は、少なくとも脱臭効果のある第1波長の紫外線、および、殺菌効果のある第2波長の紫外線を放射する。外管8は、第1波長の紫外線をカットし、第2波長の紫外線を透過する。制御部17は、オゾン濃度センサー16の検出したオゾン濃度が、予め定めた値以下の場合には、弁10,11を開放することにより、吸気12を外管8の内側14および外側13を通過させる。オゾン濃度が予め定めた値を超えた場合には弁を閉じ、吸気12を外管8の外側のみを通過させる。
【選択図】図3

Description

本発明は、低圧紫外線ランプを用いた殺菌および脱臭装置に関する。
殺菌用低圧紫外線ランプは、放電方式により熱陰極型と冷陰極型に分けられるが、両者とも水銀蒸気放電から放射される185.0nmと253.7nmの共鳴紫外線を主に利用しており、放射される波長範囲により、オゾンランプと殺菌ランプの2種類の名称がある。
オゾンランプは、脱臭と殺菌の効果のあるオゾンを発生させる185.0nm(オゾン線)と、殺菌効果はあるが脱臭効果のない253.7nm(殺菌線)の両方の波長の紫外線を放射する紫外線ランプである。封体材料には、200nm以下の透過率が高い合成石英等を使用する。
殺菌ランプは、オゾン線(185.0nm)をカットし、おもに殺菌線(253.7nm)を放射する紫外線ランプである。封体材料には、TiO2などが添加され、オゾン線をカットする作用をする石英(オゾンレス石英)または、紫外線透過ガラス(バリウムシリカ系の軟質ガラス)等が使用される。
脱臭と殺菌の効果があるオゾンは、高濃度になると人体に対して有害であることも広く一般に知られているため、さまざまな規格によりオゾン許容値が定められている。例えば、日本産業衛生学会許容濃度委員会では、日本国内での労働環境のオゾン許容値を0.1ppmと定めている。また、家庭用空気清浄機規格(IEC/J60335-2-65、UL867)では、測定開始24時間後のオゾン許容値が0.05ppmと定められている。
特許文献1、2には、オゾンランプと殺菌ランプの二種類を備えた装置で、人間がいる場合には殺菌ランプのみオン、いない場合にはオゾンランプのみオン、または、オゾンランプと殺菌ランプの両方をオンにするという運転方法が開示されている。
特開平6−142175号公報 特許第3753602号公報
図1および図2にオゾンランプまたは殺菌ランプを用いた殺菌・脱臭ユニットの基本構造を示す。
図1のようにオゾンランプ1を筐体2内に配置した構造の殺菌・脱臭ユニットは、オゾンランプ1のオゾン線(185nm)により生じたオゾンによって吸気4を脱臭および殺菌する。同時に、オゾンランプ1の放射する殺菌線(253.7nm)によっても吸気4を殺菌する。脱臭および殺菌後の排気5は、オゾン分解触媒を用いたオゾン分解フィルター3を通過して排気される。
図1の構成の装置では、排気5がオゾン許容値を満たすように、オゾン分解フィルター3の設置が必須である。このため、オゾン分解フィルターのメンテナンスが必要であり、メンテナンスフリーの装置の実現は困難である。
また、図2のようにオゾンランプ1および殺菌ランプ6を備えた脱臭・殺菌装置では、以下のような複数の運転モードが可能である。
(1)強い殺菌と脱臭の運転モード
オゾンランプおよび殺菌ランプの両方をオンにする。オゾンランプのオゾン線(185nm)で発生したオゾンで脱臭・殺菌を行い、オゾンランプおよび殺菌ランプ両方の殺菌線(253.7nm)で殺菌を行う。
(2)弱い殺菌と脱臭の運転モード
オゾンランプをオンにし、殺菌ランプをオフにする。オゾンランプのオゾン線で発生したオゾンで脱臭・殺菌を行い、オゾンランプの殺菌線で殺菌を行う。
(3)弱い殺菌モード(脱臭なし)
オゾンランプをオフにし、殺菌ランプをオンにする。殺菌ランプの殺菌線で殺菌を行う。
しかしながら、複数の運転モードを切り替えながら運転を行うと、切り替えの度に各ランプのオンオフが繰り返されるので、オゾンランプ1および殺菌ランプ6の寿命が短くなるという問題が生じる。
また、図2の装置の場合も、オゾン除去フィルター3によって排気5のオゾン濃度を許容濃度以下にする必要があるため、オゾン除去フィルターのメンテナンスが必要になる。
本発明の目的は、オゾン濃度を許容値以下に維持することができ、かつ、メンテナンスフリーの脱臭および殺菌装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明によれば、以下のような脱臭・殺菌装置が提供される。すなわち、紫外線ランプと、紫外線ランプの外側を空間をあけて覆う外管と、外管の外側に空間をあけて配置された筐体と、外管の両端に配置された開閉可能な弁とを有する装置である。紫外線ランプは、少なくとも脱臭効果のある第1波長の紫外線、および、殺菌効果のある第2波長の紫外線を放射する。外管は、第1波長の紫外線をカットし、第2波長の紫外線を透過する。これにより、弁の開閉により、第1波長の紫外線により生じるオゾンが漏れ出さない構成となり、オゾン濃度を許容値以下に維持することが可能になる。
例えば、筐体は、吸気口および排気口を備える構成とすることができ、排気口から排気されるオゾンの濃度を検出するセンサーと、センサーの出力に応じて、弁を開閉させる制御を行う制御部とを有する構成とする。これにより、センサーの検出結果に応じて、制御部が弁を自動制御する構成にすることができる。
例えば、制御部は、センサーの検出したオゾン濃度が予め定めた値以下の場合には、弁を開放することにより、吸気口からの吸気を外管の内側および外側を通過させ、オゾン濃度が予め定めた値を超えた場合には、弁を閉じ、吸気口からの吸気を前記外管の外側のみを通過させるようにする。
本発明の脱臭・殺菌装置は、弁の開閉により、第1波長の紫外線により生じるオゾンが漏れ出さない構成となる。オゾン除去フィルターを用いることなく、オゾン濃度を許容値以下に維持することが可能になるため、メンテナンスフリーの装置を実現できる。
オゾンランプを用いた殺菌・脱臭装置の基本構成を示すブロック図。 オゾンランプおよび殺菌ランプを用いた殺菌・脱臭装置の基本構成を示すブロック図。 実施形態の紫外線ランプを用いた殺菌・脱臭装置の全体構成を示すブロック図。
本発明の一実施形態の殺菌・脱臭装置について図3を用いて説明する。
図3に、本実施形態の殺菌・脱臭装置の全体構成を示す。筐体9には、向かい合う位置に吸気口12aと排気口15aが設けられ、内部には、波長185.0nmのオゾン線と、253.7nmの殺菌線を放射するオゾンランプ7が配置されている。オゾンランプ7の外側には、フィルター管8が配置されている。フィルター管8は、波長185.0nmの紫外線をカットし、それよりも長波長の光を透過する材料によって形成されている。例えば、TiO2などが添加され、オゾン線をカットする作用をする石英(オゾンレス石英)または、紫外線透過ガラス(バリウムシリカ系の軟質ガラス)で形成されたフィルター管8を用いる。
フィルター管8の一方の開口には、吸気側電磁弁10が配置され、吸気口12aに向けられている。他方の開口は排気側電磁弁11が配置され、排気口15aに向けられている。吸気側電磁弁10および排気側電磁弁11は、制御部17に接続されており、制御部17の出力する制御信号により開閉する。
筐体1内の排気口15aに近い位置には、オゾン濃度センサー16が配置されている。オゾン濃度センサー16の出力するオゾン濃度を示す信号は、制御部17に入力される。
フィルター管8の内径は、オゾンランプ7との間に、所定量の空気の流れ14が生じる空間が確保されるように設計されている。筐体9の内径は、フィルター管8との間に所定量の空気の流れ13が生じる空間が確保できるように設計されている。吸気口12aとフィルター管8との位置関係は、吸気口12aから筐体9内に流入した空気が、吸気側電磁弁10が開の時に、フィルター管8の内側と外側の両方に流れ込むように設計されている。同様に、排気口15aとフィルター管8との位置関係は、排気口側電磁弁11が開いている場合に、フィルター管8の内側の空気の流れ14と、フィルター管8の外側の空気の流れ13の両方が排気口15aに到達できるように設計されている。
また、所定の流量の吸気12および排気15が確保できるように、筐体9の内側もしくは外側に、不図示のファンを配置することが可能である。
このような構成の本実施形態の殺菌・脱臭にユニットの動作について説明する。
制御部17は、オゾン濃度センサー16が検出するオゾン濃度が、予め定めた許容値以下の場合、電磁弁10,11の両方を開放することにより殺菌・脱臭モードで運転する。オゾン濃度が予め定めた許容値を越えている場合、電磁弁10,11の両方を閉じることにより殺菌モードに切り換える。殺菌・脱臭モードは、殺菌および脱臭の両方を行うモードであり、殺菌モードは、殺菌のみを行い、脱臭を行わないモードである。
具体的には、制御部17は、オゾン濃度センサー16が検出するオゾン濃度が、予め定めた許容値以下の場合、吸気側および排気側電磁弁10,11を開放する。これにより、吸気口12aから筐体9内に流入した吸気12は、開いている電磁弁10を通過してフィルター管8の内側を流れる空気の流れ14と、フィルター管8の外側を流れる空気の流れ13とに分かれる。
フィルター管8の内側の空気の流れ14は、オゾンランプ7からの185.0nmのオゾン線によりフィルター管8内に発生したオゾンによって、殺菌および脱臭される。また、オゾンランプ7からの254.7nmの殺菌線によっても殺菌される。
一方、フィルター管8は、オゾン線をカットし、殺菌線のみを透過するため、フィルター管8の外側の空気の流れ13は、殺菌線でのみ殺菌される。
フィルター管8の内側および外側を通過した空気の流れ14,13は、いずれも排気口15aから排気される。このとき、排気15のオゾン濃度は、オゾン濃度センサー16により検出される。検出結果は、制御部17に入力される。
制御部17は、排気15のオゾン濃度が予め定めた許容値を越える場合、吸気側及び排気側電磁弁10,11を両方とも閉じ、殺菌モードに切り換える。これにより、フィルター管8は、両端が閉じられるため、フィルター管8内のオゾンがフィルター管8の外側に流れ出ない構成となる。吸気口12aから筐体9内に流入した吸気12は、フィルター管8の外側のみを流れ、オゾンランプ7から放射された254.7nmの殺菌線のみで殺菌される。その後、排気口15aから排気される。よって、排気口15aからオゾンは排気されず、殺菌された空気のみが排気されるため、排気15のオゾン濃度が低下する。
オゾン濃度センサー16が検出する濃度が、許容値以下に下がった場合には、制御部17は、吸気側及び排気側電磁弁10,11を開放し、再び、殺菌・脱臭モードで運転する。
このように本実施形態の殺菌・脱臭装置は、排気15のオゾン濃度を所定の許容値以下に維持することができるため、人体に影響を与えない所定の規格を満たした運転を行うことができる。
また、本実施形態の装置は、オゾン除去フィルターを用いることなく、オゾン濃度の制御が可能であるため、オゾン除去フィルターのメンテナンスが不要であり、メンテナンスフリーの殺菌・脱臭装置を提供でできる。
また、オゾンランプと殺菌ランプの2種類のランプを併用しなくても、オゾンランプのみで殺菌・脱臭モードと殺菌モードの2種類の運転モードに対応できる。しかも、運転モードの切り替えの際に、ランプのオンオフをしないため、ランプ寿命が長くなる。
本実施形態の殺菌・脱臭装置は、空気調和器(エアーコンディショナー)、空気清浄器等に内蔵または設置される殺菌・脱臭装置として好適である。
1:オゾンランプ、2:筐体、3:オゾン文化フィルター、4:吸気、5:排気、6:殺菌ランプ、7:オゾンランプ、8:フィルター管、9:筐体、10:吸気側電磁弁、11:排気側電磁弁、12:吸気、12a:吸気口、13:フィルター管の外側の空気の流れ、14:フィルター管の内側の空気の流れ、15:排気、15a:排気口、16:オゾン濃度センサー

Claims (3)

  1. 紫外線ランプと、該紫外線ランプの外側を空間をあけて覆う外管と、該外管の外側に空間をあけて配置された筐体と、前記外管の両端に配置された開閉可能な弁とを有し、
    前記紫外線ランプは、少なくとも脱臭効果のある第1波長の紫外線、および、殺菌効果のある第2波長の紫外線を放射し、
    前記外管は、前記第1波長の紫外線をカットし、前記第2波長の紫外線を透過することを特徴とする脱臭・殺菌装置。
  2. 請求項1に記載の脱臭・殺菌装置において、前記筐体は、吸気口および排気口を備え、
    前記排気口から排気されるオゾンの濃度を検出するセンサーと、前記センサーの出力に応じて、前記弁を開閉させる制御を行う制御部とを有することを特徴とする脱臭・殺菌装置。
  3. 請求項2に記載の脱臭・殺菌装置において、前記制御部は、前記センサーの検出したオゾン濃度が予め定めた値以下の場合には、前記弁を開放することにより、前記吸気口からの吸気を前記外管の内側および外側を通過させ、前記オゾン濃度が予め定めた値を超えた場合には、前記弁を閉じ、前記吸気口からの吸気を前記外管の外側のみを通過させることを特徴とする脱臭・殺菌装置。
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