JP2011192873A - 広波長帯域光検出器アレイ - Google Patents
広波長帯域光検出器アレイ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2011192873A JP2011192873A JP2010058851A JP2010058851A JP2011192873A JP 2011192873 A JP2011192873 A JP 2011192873A JP 2010058851 A JP2010058851 A JP 2010058851A JP 2010058851 A JP2010058851 A JP 2010058851A JP 2011192873 A JP2011192873 A JP 2011192873A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- compound semiconductor
- wavelength
- infrared
- sos
- ultraviolet
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Light Receiving Elements (AREA)
Abstract
【課題】 軽量で信頼性が高く、紫外線から赤外線までの広い波長帯域に感度を有する広波長帯域光検出器アレイを安価に提供する。
【解決手段】 シリコンオンサファイア(SOS)上に読み出しIC(ROIC)と紫外または青色受光素子を形成し、化合物半導体基板上に赤色・赤外受光素子を形成し、両者の電極同士を貼り合わせる。異なった波長に対応する同一光路上の複数の光検出器の出力を独立にかつ同時に検出することにより、スペクトル情報を位置ずれ、時間ずれなしに取得する。
【選択図】 図1
【解決手段】 シリコンオンサファイア(SOS)上に読み出しIC(ROIC)と紫外または青色受光素子を形成し、化合物半導体基板上に赤色・赤外受光素子を形成し、両者の電極同士を貼り合わせる。異なった波長に対応する同一光路上の複数の光検出器の出力を独立にかつ同時に検出することにより、スペクトル情報を位置ずれ、時間ずれなしに取得する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、紫外から赤外波長に渡る極めて広い波長帯域に感度を持つ光検出器および光検出器アレイあるいは撮像素子に関するものである。
紫外から赤外波長に渡る極広い波長帯域を同時に検出するためには、検出する波長に応じて異なった感光材料を用いる必要がある。そのため、従来技術においては、光路切り替えあるいは波長選択フィルターの装着等を備えた上に、同一装置内に複数の素子を装着する必要があり、機器の構成が複雑になっていた。単一感光材料で検出可能な波長範囲が限定される原因は、感光材料のバンドギャップよりも小さなエネルギーを持つ長波長光の場合、光吸収が弱く光によるキャリア生成が起こりにくいこと、また、感光材料のバンドギャップに対して、光の波長が短すぎる場合には、結晶欠陥密度の大きな表面付近で入射光の大半が吸収され、光誘起キャリアが電流として検知されにくいためである。
光検出器やカメラ用光吸収層として一般的なシリコンフォトダイオード(Si-PD)は、構造にも依存するが、概ね波長400nmから1000nmの範囲に感度がある。更に短波長に感度が必要な場合は、GaNやGaPなどのワイドバンドギャップ半導体を使用するか、感光層を極薄膜にする必要がある。
紫外線のみに感度を持つ光検出器としては、サファイア基板上のGaN系PIN-PDがあり、0.1A/W程度の分光感度を実現している。(非特許文献1)
CMOS LSIの高速性と低消費電力化を向上させるのに有効なSOI(silicon on insulator)やSOS(silicon on sapphire)では、チャネル層となる絶縁膜上のシリコン層は、通常100nm以下である。SOIを感光層に用いた極薄膜横方向接合シリコン-PDでは、波長280nmから400nmの紫外線波長のみに感度を持ち、同じく0.1A/W程度の分光感度を持つ。(特許文献1)
一方、波長1000nm以上の赤外線領域ではシリコン光検出器の受光感度が低下するため、バンドギャップエネルギの小さいInGaAs、InAsあるいはInSb系化合物半導体が、高感度な赤外検出器用感光素子として広く使われている。
複数の感光波長帯において、位置ずれや時間ずれが生じない光検出器アレイを実現するためには、複数の感光材料を持つPDを平面的に近接させるか、短波長用光検出器と長波長光検出器を光の進行方向に積層することが有効である。単一素子の光検出器の感光波長を拡大する方法として、短波長に感度を有する感光材料と長波長に感度を有する感光材料を貼り合わせたタンデム構造が採られている。(非特許文献2、3)
また、GaN基板の上下にそれぞれ短波長光に感度のあるGaN PDおよび長波長に感度のあるシリコンPDをモノリシックに成長して、紫外および赤外光に感度のある光検出器が開発されている。更に、InPやGaAs基板をフィルターとして用いて太陽光の放射スペクトラムムに対応する波長感度を作為的に抑制する(sun blind)ことも可能である。(特許文献2)。
同一半導体材料を感光材料に用いる場合においても、短い波長の光は、表面で吸収され、長い波長の光は、比較的深く浸透するため、シリコン層厚さの異なる複数のPDを積層することにより、カラー情報を得ることができる。この構成の場合、同一受光面で複数の波長スペクトラム情報を得ることにより開口比を高く保つことが可能である。(非特許文献4)
本発明者が出願した、エピタキシャル成長でPN接合を表面近傍に形成する構造(特許文献3)により赤外波長域に吸収を有する半導体材料においても可視光まで波長範囲を拡大することが可能となった。さらに、p型基板上のn型エピタキシャル層構造を用いて、n型感光層の周辺からp型基板にいたるまで深いp型拡散を施すことにより、プレーナ構造にて、波長範囲が広く、素子分離特性の良い化合物半導体PDアレイを実現することができた。
赤外領域に感度を持つ2次元撮像素子の場合、一般的には、化合物半導体からなるフォトダイオード(PD)アレイと、シリコンLSIからなるリードアウトIC(ROIC)とをバンプ接続したフォーカルプレーンアレイ(FPA)構造が採られている。化合物半導体PDアレイとROICをバンプ接続する場合、両者の表面電極にAuあるいはAuSnなどでバンプを形成し、熱圧着により両者を接合する。この場合、光が入射する面は、化合物半導体PDの裏面となる。そのため、両者を接合後、基板による光吸収効果を抑制するために、通常、化合物半導体基板を50μm以下に鏡面研磨する。この場合は、基板が長波長透過フィルターの役割をするため、基板のバンドギャップよりも短い波長に相当する光は検出できない。
また、特許文献3、4に挙げたように、浅いPN接合を用いて感光波長範囲を広げる場合には、素子の電極面から光を入射する必要があるので、ROICに接続するためには、まず、PDの表面から深いスルーホールを形成し、一旦、やとい基板にPDの表面を接着し、化合物半導体基板を50μm以下に研磨した後、ROICにバンプ接続し、その後、やとい基板を除去するという工程が必要となる。いずれの場合にも、比較的脆い化合物半導体基板を薄片化する工程が必要であるため、製造歩留まりが悪く、従来の赤外撮像素子は高価なものになっていた。
光学ガラスなど透明な基板上に半導体薄膜を形成し、画素選択用薄膜トランジスタや光電変換素子を構成することにより、半導体基板の薄片化とそれに伴う歩止まりの低下を防止することができる。例えば特許文献5のようにX線検出用フラットパネルディテクタにおいて、ガラス基板上にアモルファスシリコンを形成し、薄膜トランジスタやPIN型光電変換素子を実現している。液晶ディスプレイの薄膜トランジスタによるスイッチングマトリクスとその周辺に配置されたLSIによる駆動回路の構成も、近年高密度化が進展し、構成および実装方法において、30μmピッチ程度以上の画素サイズの場合には、光検出アレイに転用することが可能になりつつある。
更に、SOSの場合は、サファイア基板が紫外線に対して透明であるため、基板側からの入射が有効となる。これは、読み出しIC(ROIC)が必要な2次元撮像素子に適用した場合、開口比を大きく取れる利点がある。(非特許文献5、非特許文献6)
また、サファイア基板が赤外光に対して透明であることを利用して、SOSによるドライバー回路チップ上に面発光レーザ(VCSEL)をフリップチップボンディングしたトランシーバモジュールと、SOSによる差動ディテクタ回路チップにPDを搭載したレシーバモジュールを開発し、自由空間あるいは光ファイバーによる伝送を行った例がある。(非特許文献7)
また、サファイア基板が赤外光に対して透明であることを利用して、SOSによるドライバー回路チップ上に面発光レーザ(VCSEL)をフリップチップボンディングしたトランシーバモジュールと、SOSによる差動ディテクタ回路チップにPDを搭載したレシーバモジュールを開発し、自由空間あるいは光ファイバーによる伝送を行った例がある。(非特許文献7)
赤外線カメラは、リモートセンシングにも重要であり、宇宙衛星にも多数搭載されている。宇宙空間で使用する電子機器においては、宇宙線によるソフト・ハードエラーが問題となる。SOIやSOSは、ハードエラーをもたらすCMOS寄生サイリスタが形成されないため、ハードエラーが構造的に発生しない。また、書き換え可能であるが、ロジックエラーの原因となるソフトエラーに関しても、バルクCMOSに比較してトランジスタ体積が小さく、その生成確率が10-4程度低い。従って、宇宙衛星に搭載される電子機器は、SOIまたはSOSによる集積回路(LSI)で構成されることが推奨されている。(非特許文献8)
Su-Sir Liu、Pei-Wen Li、W.H. Lanb、Wen-jen Lin、"The improvements of GaN p-i-n UV sensor on 1°off-axis sapphire substrate"、Materials Science and Engineering B 121 (2005) 86-91
Thorlabs DSD2 "Dual Band Detectors" http://www.thorlabs.com/Thorcat/12400/12408-S01.pdf
J Novak and P Elias、"A silicon-InGaAs tandem photodetectorfor radiation thermometry"、Measurement Science Technology 6 pp.1547-1549、1995
David L. Gilblom、Sang Keun Yoo、"Infrared and ultraviolet imaging with a CMOS sensor having layered photodiodes"、SPIE AeroSense 2003 - April 22、2003 - Orlando、Florida、USA
Chen Xu、Chao Shen、Wen Wu、and Mansun Chan、"Backside-Illuminated Lateral PIN Photodiode for CMOS Image Sensor on SOS Substrate"、IEEE TRANSACTIONS ON ELECTRON DEVICES、VOL. 52、NO. 6、JUNE 2005
E. Culurciello and A.G. Andreou 、"16_16 pixel silicon on sapphire CMOS digital pixel photosensor array"、ELECTRONICS LETTERS 8th January 2004 Vol. 40 No. 1
J. Jiang Liu、Zaven Kalayjian、Brian Riely、Wayne Chang、George J. Simonis、Alyssa Apsel、and Andreas Andreou、"Multichannel Ultrathin Silicon-on-Sapphire Optical Interconnects"、IEEE JOURNAL OF SELECTED TOPICS IN QUANTUM ELECTRONICS、VOL. 9、NO. 2、MARCH/APRIL 2003
Staff Writer、"Single Event Effects in UltraCMOSTM Devices"、 Technology Briefs Peregrine Semiconductor Corporation、http://www.psemi.com/articles/SEE_in_UltraCMOS.pdf
Ja-Myeong KOO、Jung-Lae JO、Jong-Bum LEE、Yu-Na KIM、 Jong-Woong KIM、Bo-In NOH、Jeong-Hoon MOON、Dae-Up KIM、and Seung-Boo JUNG、 "Effect of Atmospheric Pressure Plasma Treatment on Transverse Ultrasonic Bonding of Gold Flip-Chip Bump on Glass Substrate"、Japanese Journal of Applied Physics Vol. 47、No. 5、2008、pp. 4309-4313
Z. Fu、P. Weerakoon and E. Culurciello、"Nano-Watt silicon-on-sapphire ADC using 2C-1C capacitor chain"、Electronics Letters、16th March 2006、vol.42 No.6、pp341-343
従来の化合物半導体フォトダイオードアレイとシリコンROICを張り合わせた赤外検出器(FPA)は、1)化合物フォトダイオードの裏面から光を入射させるため、化合物半導体基板が長波長透過フィルターとして働き、感光波長が基板のエネルギーバンドキャップに相当する波長よりは長い波長に限られる。そのため、比較や照準合わせのために短波長の画像を得るためには別のカメラを用意するか、ダイクロイックミラー等で光路を分離する必要があり、位置ずれ等の補正が必要になる。2)また、化合物半導体を張り合わせた後に化合物半導体基板を薄膜化する必要があり、製造歩留まりが悪い。更に、リモートセンシング、特に宇宙衛星用カメラに於いては、総重量を軽減すること、機械的な強度に優れていること、宇宙線による損傷に強いことなどの要件を満たす必要がある。
サファイア基板上のCMOS LSI(SOS)により紫外または青色センサーとROICを兼ねるとともに、化合物半導体光ディテクタアレイを両者の表面電極側から張り合わせ接続する。化合物半導体光ディテクタアレイは、必要な感光波長に応じて、InGaP/GaAs系、InGaAs/InP系、InGaSb/GaSb系、InAsSb/GaSb系PDまたはフォトトランジスタを使用する。SOSを構成するサファイア基板を紫外から赤外波長まで透過可能な光学窓として使用する。SOS基板上のシリコン薄膜による紫外センサーは、裏面入射、化合物半導体による可視・赤外センサーは、表面入射構成となり、両者の基板の薄片化は不要となる。
本発明においては、紫外、可視、赤外波長帯域に対応したシリコンおよび化合物半導体からなる複数の光検出素子アレイをデジタル信号処理回路を含むSOS基板上のROICとともに積層する。SOS基板は、化合物系光検出器の光学窓として機能するため、歩留まりの低下の原因となる、光検出器側基板の薄片化は不要となり、バンプ接続等の高密度実装が容易となる。また、浮遊容量が少なく、素子分離の容易なSOS−CMOS集積回路をROICとするため、読み出し回路の高速化、低消費電力化が可能になる。光学透過特性に優れたサファイア基板を光学窓としてそのサファイア基板の裏面に紫外または青色光ディテクタを形成することにより、CMOS-LSIを構成するスピンオングラス等に伴う紫外光の吸収効果を抑制することができる。一方、化合物半導体による赤外光検出器は、表面入射となり、浅い接合を持つフォトダイードを使用することにより、可視から赤外波長域に感度を持つ。
SOSのチャネル層に用いられるシリコン薄膜は、100nm以下で、黄色から赤外波長域に対しては透明である。そのため、同一受光面において、複数の波長帯域を持つ受光素子を積層できるため、開口比が大きく、位置ずれ、時間遅延の少ない大規模かつ波長範囲200nmから5μmをカバーする超高波長帯域FPAが比較的安価に製造可能となる。更に、SOSは、宇宙線に対して耐性が強く、宇宙衛星搭載用カメラとして、信頼性を高めることが可能になる。
化合物半導体による可視から赤外波長領域の光検出器においては、バンドギャップの異なる材料からなるフォトダイオード等を表面から基板側にタンデムに積層し、それぞれの光応答電流を独立に検出することができる。従って、本発明による光検出器アレイにおいては、同一光路上に配置され、それぞれ、紫外、可視あるいは赤外波長領域に感度を有する複数の素子からの出力をROICで検出することが可能となり、分光器やフィルター無しに、波長スペクトラム情報を同時に取得することができる。
図1は、本発明による紫外から赤外まで受光する超広波長帯域FPAの1画素分に対応する断面構造を示す。本発明は、SOSによる紫外光検出器兼ROIC100と化合物半導体による赤外光検出器200とを張り合わせた構造になっている。SOSによる紫外光検出器兼ROIC100は、1画素ごとに、SOS側金バンプ107、赤外光検出器側金バンプ212により化合物半導体による赤外検出器200に接続されている。
紫外光検出器兼ROIC100は、透明サファイア基板101上に、薄膜シリコンで形成されたCMOS回路102と非特許文献4に準じた横方向PIN接合からなる紫外PDアレイ104、更に化合物半導体による赤外検出器200のための読み出し回路111が設けられている。また、バンプ接続用にROIC側電極110、配線109を経由して幅5μm長さ20μm、厚さ15μmのSOS側金バンプ108が設けられている。
化合物半導体による赤外光検出器200は、特許文献3に準じた、n型化合物半導体基板用電極201上にn型InP基板202、n型InPバッファ203、n-InGaAsコレクター204、p-InGaAsベース205、n-InPエミッタ206、n-InGaAsエミッタコンタクト207からなるフォトトランジスタ構造を持ち、更に横方向に、アイソレーション用溝208が形成され、その側面は、p型拡散層209により囲まれている。
エミッタコンタクト207およびp型拡散層209は、赤外光検出用電極210、配線211を介して、赤外光検出器側金バンプ212に接続されている。ベース205にもベースと電気的に導通しているp型拡散層209を介して赤外光検出用電極210を設けることにより、フォトトランジスタのリセットが可能になり、ブルーミング効果が抑制される。
また、表面側に配置されたエミッターベース接合と基板側に配置されたベースコレクタ接合に誘起される光応答電流をそれぞれ独立に計測することにより、接合深さの異なる2つのPDを利用して、可視から赤外波長のスペクトル情報を分離して得ることができる。また、光の強度や、必要とするフレーム速度に応じて、フォトダイオードモードと内部増幅作用を有するフォトトランジスタモードを切り替えることが可能である。
更に、赤外検出器200として、フォトダイオード(PD)を用いることも可能である。この場合は、正の印可電圧が使用可能で、素子分離の優れた特許文献4に開示するp型化合物基板上のPD構造が優れている。
ROIC側電極105および赤外線検出用電極210上には、それぞれ高さ15ミクロン程度の金バンプ107およ212が電界メッキにより形成されている。熱圧着プロセス後、ROIC100と赤外検出器200と間隙は、BCB(benzocyclobutene)213で充填され、張り合わせ強度が補強されている。
マルチスペクトラム光10は、サファイア基板101側から入射され、紫外光および青色側の可視光は、SOSを構成する極薄膜シリコン層からなる紫外PDアレイに、赤色側の可視光および赤外光は、SOS構造を透過し、化合物半導体による赤外光検出器200に吸収される。
図2は、透明サファイア基板101上のシリコン薄膜により形成されたSOSによる紫外または青色光検出部および読み出し回路の1画素に対応する部分の平面模式図を示す。各画素のピッチは25μmで、中心に紫外または青色フォトダイオード(PD)あるいはフォトトランジスタ104、各画素の周辺にCMOSFET103からなる紫外または青色PDおよびアドレス設定用CMOS回路102、赤外フォトダイオード用読み出し回路111が配置されている。
紫外または青色フォトダイオード104は、厚さ100nmのp型シリコン薄膜105、i型シリコン薄膜106、およびn型シリコン薄膜107からなる横方向PN接合で構成されている。紫外または青色フォトダイオードの増幅およびアドレス設定用CMOS回路102は、0.25μmルールで製作された4ヶのMOSFET103からなる。紫外または青色フォトダイオード104で誘起された光電流は、CMOS回路102により増幅され、信号処理回路に送出される。
一方赤外検出器200から検出された光電流は、幅5μm、長さ20μmの金バンプ108から配線109、ROIC側電極110を介して数個のMOSFETからなる赤外検出用読み出し回路111に導かれる。
図3は、化合物半導体による赤外光検出器200として特許文献3に準じたフォトトランジスタを用いた場合の1画素に対応する部分の平面模式図を示す。エミッタコンタクト207およびベースコンタクト214は、赤外光検出用電極210および配線211を介して幅5μm長さ20μmの赤外光検出器側金バンプ212に接続されている。特許文献3および特許文献4において開示予定の化合物半導体系フォトトランジスタおよびフォトダイオードは、いずれも基板に対してプラス電圧のバイアスで、その電圧は1V程度で動作するため、単一正電源のシリコンROICとの接続が容易である。
SOS-ROICと化合物半導体HPTアレイとの接続には、微細バンプの形成に有利な金の超音波・熱併用圧着プロセスを用いた。金系の熱圧着プロセスは、300℃付近が一般的であるが、プラズマクリーニング処理を加えることにより接着強度を損なうことなく、熱処理温度を下げることができた。(非特許文献9)
図4はSOSにおけるROIC機能を説明する回路ブロック図である。透明サファイア基板101上に各画素に対応する紫外または青色検出器兼ROIC100が640x512画素配置されている。ROIC側金バンプ108を介して、化合物半導体による赤外光検出器200を張り合わせる。各行の画素は、行走査回路124により選択された行選択線120により順次選択され、更にそれぞれの列に対応する画像信号は、列選択線121によりAD変換器122に送出される。各画素にラッチ機能を持たせることにより、行選択の順序に応じて、同一開口面上に積層された紫外、可視、赤外光検出器の信号を順番に送出することができる。また、ADC122には、マルチプレクサが付属し、2列からの信号を順番にAD変換する。AD変換された信号は、外部クロックに接続されたタイミング制御回路125に従い、16ビットデータバス123に送出される。AD変換器122には、極低消費電力動作可能なスイッチドキャパシタ方式(非特許文献10)が採用されている。
図5は、SOSによるROIC兼紫外光検出器100の下に化合物半導体による赤外検出器200を積層した広帯域撮像素子の模式図を示す。サファイア基板101の回路側とInP基板202の素子側の表面が金バンプ108を介して接合されている。したがってと素子の能動部分は、既にサファイア基板101と化合物基板202に機械的に保護され、その隙間はBCBにより充填されている。パッケージとしては、周辺部分と化合物半導体基板の裏面をシリコン樹脂で保護し、サファイア基板上に表面実装用の端子を形成している。
SOSにおいて、シリコン薄膜の厚さを0.5μm程度に増やすことにより、可視領域に感度を持たせることが可能になる。この場合は、シリコンCMOSによる可視カメラと化合物半導体による赤外カメラが重畳した構成となる。
10 マルチスペクトラム光
100 紫外検出器兼ROIC
101 透明サファイア基板
102 CMOS回路
103 MOSFET
104 紫外または青色PDアレイ
105 p型シリコン薄膜
106 i型シリコン薄膜
107 n型シリコン薄膜
108 金バンプ
109 配線
110 ROIC側電極
111 化合物PD用読み出し回路
120 行選択線
121 列選択線
122 AD変換器
123 データバス
124 行走査回路
125 タイミング制御回路
200 赤外光検出器
201 n型化合物半導体基板用電極
202 n型InP基板
203 n型InPバッファー
204 n-InGaAsコレクター
205 p-InGaAsベース
206 n-InPエミッタ
207 n-InGaAsエミッタコンタクト
208 アイソレーション用溝
209 p型拡散層
210 赤外光検出用電極
211 配線
212 赤外検出器側金バンプ
213 BCB
214 ベースコンタクト
205 p側電極
100 紫外検出器兼ROIC
101 透明サファイア基板
102 CMOS回路
103 MOSFET
104 紫外または青色PDアレイ
105 p型シリコン薄膜
106 i型シリコン薄膜
107 n型シリコン薄膜
108 金バンプ
109 配線
110 ROIC側電極
111 化合物PD用読み出し回路
120 行選択線
121 列選択線
122 AD変換器
123 データバス
124 行走査回路
125 タイミング制御回路
200 赤外光検出器
201 n型化合物半導体基板用電極
202 n型InP基板
203 n型InPバッファー
204 n-InGaAsコレクター
205 p-InGaAsベース
206 n-InPエミッタ
207 n-InGaAsエミッタコンタクト
208 アイソレーション用溝
209 p型拡散層
210 赤外光検出用電極
211 配線
212 赤外検出器側金バンプ
213 BCB
214 ベースコンタクト
205 p側電極
Claims (6)
- 読み出し回路(ROIC)にシリコンオンサファイア基板(SOS)を使用し、その回路側に化合物半導体からなる光検出器アレイを張り合わせたフォーカルプレーンアレイ(FPA)。
- SOSがROICと紫外または青色光検出器を兼ねた請求項1のFPA。
- 化合物半導体からなる光検出器アレイがフォトダイオードから構成される請求項1のFPA。
- 化合物半導体からなる光検出器アレイがフォトトランジスタから構成される請求項1のFPA。
- 化合物半導体からなる光検出器アレイが積層された複数のPN接合から構成される請求項1のFPA。
- SOSおよび化合物半導体からなる複数の光検出器が同一光路上に積層され、上記複数の光検出器の出力を独立に検出することが可能な請求項1のFPA。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010058851A JP2011192873A (ja) | 2010-03-16 | 2010-03-16 | 広波長帯域光検出器アレイ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010058851A JP2011192873A (ja) | 2010-03-16 | 2010-03-16 | 広波長帯域光検出器アレイ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011192873A true JP2011192873A (ja) | 2011-09-29 |
Family
ID=44797473
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010058851A Withdrawn JP2011192873A (ja) | 2010-03-16 | 2010-03-16 | 広波長帯域光検出器アレイ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2011192873A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105914252A (zh) * | 2016-06-12 | 2016-08-31 | 中国科学院上海技术物理研究所 | 紫外红外双色焦平面探测器阵列及其性能设计和制备方法 |
RU2611552C2 (ru) * | 2015-07-17 | 2017-02-28 | Российская Федерация, от имени которой выступает Государственная корпорация по атомной энергии "Росатом" | Фотоприемное устройство (варианты) и способ его изготовления |
KR20170127971A (ko) * | 2016-05-13 | 2017-11-22 | 전자부품연구원 | 동시 입출력이 가능한 ROIC 구조와 이를 포함하는 Lidar ToF 센서 |
WO2021019744A1 (ja) | 2019-07-31 | 2021-02-04 | 株式会社京都セミコンダクター | 受光素子ユニット |
US11143827B1 (en) | 2020-08-03 | 2021-10-12 | Kyoto Semiconductor Co., Ltd. | Light receiving element unit |
-
2010
- 2010-03-16 JP JP2010058851A patent/JP2011192873A/ja not_active Withdrawn
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
RU2611552C2 (ru) * | 2015-07-17 | 2017-02-28 | Российская Федерация, от имени которой выступает Государственная корпорация по атомной энергии "Росатом" | Фотоприемное устройство (варианты) и способ его изготовления |
KR20170127971A (ko) * | 2016-05-13 | 2017-11-22 | 전자부품연구원 | 동시 입출력이 가능한 ROIC 구조와 이를 포함하는 Lidar ToF 센서 |
KR102259759B1 (ko) * | 2016-05-13 | 2021-06-02 | 한국전자기술연구원 | 동시 입출력이 가능한 ROIC 구조와 이를 포함하는 Lidar ToF 센서 |
CN105914252A (zh) * | 2016-06-12 | 2016-08-31 | 中国科学院上海技术物理研究所 | 紫外红外双色焦平面探测器阵列及其性能设计和制备方法 |
WO2021019744A1 (ja) | 2019-07-31 | 2021-02-04 | 株式会社京都セミコンダクター | 受光素子ユニット |
KR20210015746A (ko) | 2019-07-31 | 2021-02-10 | 가부시키가이샤 교토 세미컨덕터 | 수광 소자 유닛 |
US11145773B2 (en) | 2019-07-31 | 2021-10-12 | Kyoto Semiconductor Co., Ltd. | Light receiving element unit |
US11143827B1 (en) | 2020-08-03 | 2021-10-12 | Kyoto Semiconductor Co., Ltd. | Light receiving element unit |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US10304987B2 (en) | Hybrid integration of photodetector array with digital front end | |
US9142585B2 (en) | Image sensor comprising isolated germanium photodetectors integrated with a silicon substrate and silicon circuitry | |
US11152411B2 (en) | Resonant cavity enhanced image sensor | |
US9040916B2 (en) | Visible and near-infrared radiation detector | |
US9880057B2 (en) | Visible and near-infrared radiation detector | |
EP1685701B1 (en) | Image sensor comprising isolated germanium photodetectors integrated with a silicon substrate and silicon circuitry | |
US9379158B2 (en) | Optical detector unit | |
US10115764B2 (en) | Multi-band position sensitive imaging arrays | |
WO2000062344A1 (fr) | Dispositif à semiconducteur | |
JP2011192873A (ja) | 広波長帯域光検出器アレイ | |
US9685477B2 (en) | Two-terminal multi-mode detector | |
US9812603B2 (en) | Photosensing device with graphene | |
WO2012161747A1 (en) | Passivated upstanding nanostructures and methods of making the same | |
US20160087000A1 (en) | Infrared image sensor | |
US10861897B2 (en) | Imaging device and imaging system | |
CN110651173B (zh) | 红外线摄像元件、红外线摄像阵列以及红外线摄像元件的制造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20130604 |