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JP2011182993A - 歯垢検知装置 - Google Patents

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JP2011182993A
JP2011182993A JP2010052275A JP2010052275A JP2011182993A JP 2011182993 A JP2011182993 A JP 2011182993A JP 2010052275 A JP2010052275 A JP 2010052275A JP 2010052275 A JP2010052275 A JP 2010052275A JP 2011182993 A JP2011182993 A JP 2011182993A
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Satoshi Uchida
聡 内田
Masahito Nagayama
正仁 永山
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Panasonic Electric Works Co Ltd
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Panasonic Electric Works Co Ltd
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Abstract

【課題】歯垢を精度良く検知することができる歯垢検知装置を提供する。
【解決手段】歯垢検知装置1は、口腔内を撮影するカメラ21と、口腔内を照射するLED22と、カメラ21により撮影された画像のデータにおける色の差異に基づいて歯面部位および歯垢部位を抽出する情報処理部23と、情報処理部23により抽出された歯垢に関する情報を報知するための報知スピーカ24および報知LED25とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、口腔内の歯垢を検知する歯垢検知装置に関する。
歯垢検知装置として、歯垢を形成する一部の細菌が産生する蛍光物質を利用して歯垢を検知するものが知られている。例えば特許文献1に示されるように、上記歯垢検知装置は、蛍光物質を発光させる励起波長の光を照射するLED(Light Emitting Diode)により構成された光源と、蛍光物質が発する光を検知する光ダイオードセンサにより構成された検知部とを備えている。
特表2002−515276号公報
ところで、歯垢中の蛍光物質が発する光の強度である蛍光発光強度は微弱であるため、蛍光発光強度に基づいて歯垢を検知する歯垢検知装置において、歯垢の検知精度を高めるためには、光を検知する光ダイオードセンサの感度を高める必要がある。
しかし、光ダイオードセンサの感度を高めた場合には、口腔外の光である外光や口腔内での反射光等の歯垢中の蛍光物質に起因しない光に反応して検知部が動作し、誤検知する可能性が高くなる。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、歯垢を精度良く検知することができる歯垢検知装置を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明の歯垢検知装置は、口腔内を撮影するカメラと、口腔内を照射する光源と、前記カメラにより撮影された画像のデータにおける色の差異に基づいて歯面部位および歯垢部位を抽出する情報処理部と、この情報処理部により抽出された歯垢に関する情報を報知するための報知部とを含むことを特徴とする。
また、上記歯垢検知装置は、明るさのパラメータが独立した色空間を前記画像のデータの色空間として取り扱うことが好ましい。
また、上記歯垢検知装置は、YUV色空間およびHSV色空間およびHLS色空間のいずれかを前記画像のデータの色空間として取り扱うことが好ましい。
また、上記歯垢検知装置は、前記画像のデータにおける前記歯面部位と前記歯垢部位との面積比率を算出し、算出した面積比率に基づいて歯垢の付着度合いを判定することが好ましい。
また、上記歯垢検知装置は、連続的な撮影により得られた複数の画像のデータに基づいて前記歯面部位および前記歯垢部位のそれぞれの面積の移動平均値を算出し、この移動平均値を用いて前記歯面部位の面積に対する前記歯垢部位の面積を算出することが好ましい。
また、上記歯垢検知装置は、前記複数の画像のデータのそれぞれに基づいて算出した複数の前記歯面部位の面積のうちの最大値および最小値を除外して前記歯面部位の移動平均値を算出するとともに、前記複数の画像のデータのそれぞれに基づいて算出した複数の前記歯垢部位の面積のうちの最大値および最小値を除外して前記歯垢部位の移動平均値を算出することが好ましい。
また、上記歯垢検知装置は、前記画像のデータのハイライト部位を抽出し、抽出したハイライト部位の情報を前記歯面部位の抽出に用いることが好ましい。
また、上記歯垢検知装置は、前記歯面部位の面積が所定値よりも小さい前記画像のデータを前記歯面部位および前記歯垢部位の抽出の対象から除外することが好ましい。
また、上記歯垢検知装置は、前記画像における被写界深度の範囲内において前記歯面部位および前記歯垢部位を抽出することが好ましい。
また、上記歯垢検知装置は、前記カメラで撮影された画像を表示するための映像出力部を含むことが好ましい。
また、上記歯垢検知装置は、歯を清掃するための清掃部を含むことが好ましい。
本発明によれば、歯垢を精度良く検知することができる。
本発明の一実施形態の歯垢検知装置を含む歯垢検知システムについて、(a)はその全体構成を示す構成図、(b)は同実施形態の変形例に係る歯垢検知装置の斜視図。 同実施形態の歯垢検知装置の断面構造を模式的に示す断面図。 同実施形態の歯垢検知システムを用いた歯垢検知の手順を示すフローチャート。 同実施形態の歯垢検知装置により撮影される口腔内の画像の一例を示す模式図。 同実施形態の歯垢検知装置により行われる部位抽出処理の手順を示すフローチャート。 同実施形態の歯垢検知装置により行われる歯垢度合い算出処理の手順を示すフローチャート。
図1〜図6を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
図1に示すように、歯垢検知装置1は、外部機器である映像表示装置9に接続され、歯垢検知装置1と映像表示装置9とにより歯垢検知システムが構成されている。なお、歯垢検知装置1の使用者は、歯垢が検知される口腔の対象者であってもよく、その他の第三者であってもよい。
歯垢検知装置1は、ユーザが本装置を使用するときの持ち手となる本体部11と、この本体部11に設けられたヘッド部12とを有している。ヘッド部12は、口腔内に挿入される口腔挿入部であって、本体部11から延びて設けられるとともに本体部11に比べて小さく形成されている。
図2に示すように、歯垢検知装置1は、本体部11またはヘッド部12に内蔵される部品として、カメラ21と、LED22と、情報処理部23と、報知スピーカ24と、報知LED25と、バッテリ26と、映像信号出力端子27とを備えている。
ヘッド部12に内蔵されたカメラ21は、撮像素子を備える装置である。具体的には、ヘッド部12内には、配線回路が形成された基板12aが設けられ、カメラ21は、この基板12aに設けられた小型カメラモジュールにより構成されている。カメラ21は、透明な樹脂からなる窓12bを介して撮像素子で口腔内を撮影する。このようにしてカメラ21により撮影された口腔内の画像のデータは、映像信号として情報処理部23に入力される。
ヘッド部12に内蔵されるとともにカメラ21の周囲に設けられたLED22は、窓12bを介して口腔内を照射する光源である。カメラ21と同様に基板12aに設けられた発光ダイオード(Light Emitting Diode)によりLED22は構成されている。LED22が口腔に照射する光は、405nmの波長を含んだ405nm付近の波長帯域の光である。
本体部11に内蔵された情報処理部23は、カメラ21から入力される映像信号に基づいて各種の信号処理や情報処理等を行って、歯の表面である歯表面に付着している歯垢を検知する電子回路である。電子回路により構成される情報処理部23は、歯における歯垢の付着度合いが所定以上である場合には、本体部11に内蔵されている報知スピーカ24および報知LED25を駆動させる。
小型スピーカにより構成される報知スピーカ24は、歯垢の付着度合いが所定以上であることを使用者に報知する報知部であって、音を発することにより報知する発音部である。また、発光ダイオードにより構成される報知LED25は、歯垢の付着度合いが所定以上であることを使用者に報知する報知部であって、光を発することにより報知する発光部である。
本体部11に内蔵されたバッテリ26は、歯垢検知装置1の外部から電力を供給することなく歯垢検知装置1を動作させるための内部電源である。また、映像信号出力端子27は、カメラ21により撮影される映像を電気信号として映像表示装置9に出力するための端子である。映像信号出力端子27は、本体部11に内蔵されたコネクタ27Aに設けられている。
以上のように構成された歯垢検知装置1において、情報処理部23が、カメラ21により撮影された画像を解析して歯垢を検知する検知部として機能する。以下、歯垢を検知して報知部を駆動させる歯垢検知装置1の動作を、図3を参照しながら詳しく説明する。なお、図3に示す一連の動作は、情報処理部23を構成する電子回路に設けられた電源スイッチ23aが操作されることによりスタートする。
図3に示すように、歯垢を検知する歯垢検知装置1は、検知処理の初期化、画像キャプチャ、画像変換、部位抽出処理、歯垢度合い算出処理、および報知の一連の動作を行う。なお、電源スイッチ23aが再度操作されて歯垢の検知を停止する旨の指示が歯垢検知装置1に入力されるまでは、図3に示す一連の動作が繰り返される。
まず、歯垢検知装置1において、カメラ21および情報処理部23に設けられた内部メモリ(図示略)の初期化が行われて(ステップS1)、カメラ21が口腔内の撮影を開始する。カメラ21は動画を撮影するため、ヘッド部12を口腔内において移動させながら口腔内が撮影されることにより、連続的に撮影された画像が得られる。カメラ21によって撮影された口腔内の映像は、電気信号である映像信号として情報処理部23に入力される。なお、カメラ21によって撮影された映像は、画像を表示するための映像出力部である映像信号出力端子27から電気信号として出力されることにより、映像表示装置9によって随時表示される。
次いで、情報処理部23が、カメラ21から入力された映像信号に基づき、カメラ21によって撮影された映像から1画像分の静止画像をキャプチャする(ステップS2)。キャプチャされた口腔内の静止画像は、情報処理部23の内部メモリに画像のデータとして記憶される。このようにして、情報処理部23は、カメラ21により撮影された画像のデータを取得する。なお、静止画像をキャプチャした回数は、カウンタ(図示略)を用いてカウントされる。
情報処理部23は、ステップS3において、初期化が行われてから静止画像を所定回数キャプチャしたか否かを判断する。
ステップS3において、静止画像を所定回数キャプチャしていないと判断した場合、ステップS2を繰り返し行う。すなわち、所定回数だけ静止画像がキャプチャされて、口腔内の複数の画像のデータが情報処理部23の内部メモリに記憶される。
ステップS3において、静止画像を所定回数キャプチャしていると判断した場合、ステップS4以降の処理を実行する。なお、情報処理部23は、例えば、1画像分の静止画像を25ミリ秒の間隔でキャプチャすることができ、静止画像を20回キャプチャしたと判断された場合に、ステップS4以降の動作が実行される。
複数の画像のデータが得られると、画像変換部である情報処理部23は、各画像に対して画像変換(画像処理)を施す(ステップS4)。具体的には、情報処理部23は、キャプチャされた静止画像のデータ(すなわち、キャプチャデータ)を、例えばRGB形式のデータから、HSV形式のデータに変換する。HSV形式のデータは、色相(H)、彩度(S)、明度(V)の3つの成分からなる色空間であるHSV色空間に準じたデータ形式である。情報処理部23は、色相、彩度、明度の各度合いを0〜255の範囲の数値によって取り扱う。HSV色空間は、明るさのパラメータとして明度が独立した色空間であって、明るさのパラメータが独立しない色空間であるRGB色空間を構成する各成分に比べて、明度以外の成分である彩度および明度は明るさとの関連性が小さい成分である。
ステップS4に次いで、部位情報処理部である情報処理部23は、図4に示すような静止画像から部位抽出処理を行うことによって、静止画像における口腔内の各部位を抽出する(ステップS5)。ステップS5における部位抽出処理を、図5を参照しながら詳しく説明する。
図5に示す部位抽出処理において、まず、静止画像における歯垢の部位である歯垢部位Bを抽出する(ステップS11)。具体的には、情報処理部23は、静止画像を構成する各画素を解析して、例えば、色相の値が15〜20の範囲内であって、かつ、彩度および明度の双方の値が128以上の部分を歯垢部位Bとして抽出する。
次いで、情報処理部23は、静止画像において歯の表面の部位である歯面部位A1を抽出する(ステップS12)。具体的には、情報処理部23は、静止画像を構成する各画素を解析して、例えば、色相の値が10〜60の範囲内であって、かつ、彩度および明度の双方の値が80以上の部分を歯面部位A1として抽出する。このステップS12においては、情報処理部23は、ステップS11で抽出された歯垢部位Bを静止画像から除外して、歯面部位A1を抽出する。
さらに、情報処理部23は、静止画像において歯の表面として識別困難な部位であるハイライト部位A2を抽出する(ステップS13)。具体的には、情報処理部23は、静止画像における各画素を解析して、例えば、色相の値に関係なく、彩度の値が80未満であって、かつ、明度の値が200以上の部分をハイライト部位A2として抽出する。このステップS13においては、情報処理部23は、ステップS11で抽出された歯垢部位BおよびステップS12で抽出された歯面部位A1を静止画像から除外して、ハイライト部位A2を抽出する。
そして、抽出された歯面部位A1およびハイライト部位A2が静止画像における歯面部位Xとして抽出される。すなわち、ハイライト部位A2も歯面部位Xの一部として抽出される。このように、情報処理部23は、ステップS11において、キャプチャデータにおける色の差異に基づいて歯垢部位Bを画像から抽出し、ステップS12およびステップS13において、キャプチャデータにおける色の差異に基づいて歯面部位Xを画像から抽出する。
情報処理部23においては、歯垢の付着度合いを算出するために複数の画像が解析されて、複数の静止画像の各々から歯面部位Xおよび歯垢部位Bが抽出された後、ステップS5の動作が終了する。
なお、情報処理部23は、静止画像における被写界深度の範囲内において、歯面部位Xと歯垢部位Bとを静止画像から抽出する。すなわち、いわゆるピントが合っていない領域においては歯垢部位Bが抽出されにくいため、静止画像においてピントが合っていない領域は、解析対象から除外される。
図1に示すように、ステップS5(すなわち、ステップS11〜S13)の処理が終了すると、歯垢度合い算出部である情報処理部23は、抽出された歯面部位Xと歯垢部位Bとの面積比率Rを算出して、歯における歯垢の付着度合いを算出する(ステップS6)。ステップS6における歯垢度合い算出処理を、図6を参照しながら詳しく説明する。
図6に示す歯垢度合い算出処理において、まず、情報処理部23は、歯面部位Xの面積を算出して(ステップS21)、次いで、歯垢部位Bの面積を算出する(ステップS22)。歯面部位Xの面積は、その部位Xが抽出された画像において歯面部位Xを構成する画素数がカウントされることによって算出される。同様に、歯垢部位Bの面積は、その部位Bが抽出された画像において歯垢部位Bを構成する画素数がカウントされることによって算出される。
以上のようにして、複数の静止画像のそれぞれから抽出された複数の歯面部位Xの移動平均が、歯面部位Xの面積としてステップS21において算出される。同様に、複数の静止画像のそれぞれから抽出された複数の歯垢部位Bの移動平均が、歯垢部位Bの面積としてステップS22において算出される。
なお、1つの静止画像から抽出された歯面部位Xの面積が、所定以下である場合には、その静止画像から抽出された歯面部位Xおよび歯垢部位Bの面積を用いず、歯面部位Xおよび歯垢部位Bの平均面積が算出される。すなわち、結果的に、歯面部位Xの面積が所定値よりも小さい画像のデータが、歯垢を検知するための歯面部位Xおよび歯垢部位Bの抽出の対象から除外される。
また、ステップS21,S22における平均面積の算出において、複数の画像のデータから、歯面部位Xの面積が最大であるデータと、歯垢部位Bの面積が最大であるデータが除外される。また、複数の画像のデータから、歯面部位Xの面積が最小であるデータと、歯垢部位Bの面積が最小であるデータが除外される。すなわち、複数の画像のデータのそれぞれに基づいて算出した複数の歯面部位Xの面積のうちの最大および最小値を除外してその移動平均値が算出される。また、複数の画像のデータのそれぞれに基づいて算出した複数の歯垢部位Bの面積のうちの最大および最小値を除外してその移動平均値が算出される。このようにして、面積比率Rの算出には、歯面部位Xの面積が平均的なデータと、歯垢部位Bの面積が平均的なデータとが用いられる。
そして、情報処理部23は、歯面部位Xの面積に対する歯垢部位Bの面積の比の値を算出することにより、歯面部位Xと歯垢部位Bとの面積比率Rを算出する(ステップS23)。具体的には、ステップS23においては、歯面部位A1の画素数とハイライト部位A2の画素数との総和である歯面部位Xの画素数を、歯垢部位Bの画素数で割った値を面積比率Rとして算出する。
図1に示すように、ステップS6(すなわち、ステップS21〜S23)の処理が終了すると、情報処理部23は、ステップS6において算出された歯垢度合いに基づいて歯垢を検知したか否かを判断する(ステップS7)。具体的には、ステップS23において算出された面積比率Rが判定値(例えば0.005)よりも大きいか否かを判断する。
ステップS7において、面積比率Rが判定値よりも大きい場合には、歯面に歯垢が付着している旨判断する。この場合、情報処理部23は、報知スピーカ24および報知LED25を駆動させ、歯垢が付着している旨を使用者に報知する。一方、面積比率Rが判定値よりも小さい場合、ステップS2以降を繰り返す。
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)歯垢検知装置1は、カメラ21と、LED22と、カメラ21により撮影された静止画像のデータにおける色の差異に基づいて歯面部位Xおよび歯垢部位Bを抽出する情報処理部23を含む。このため、歯垢中の蛍光物質が発する光の強度(すなわち、蛍光発光強度)に基づかずに歯垢を検知することができ、蛍光発光強度に基づいて歯垢を検知する場合に比べて、光学的環境が安定しない場合においても、歯垢を精度良く検知することができる。また、歯垢検知装置1は、情報処理部23により抽出された歯垢に関する情報(即ち、歯垢の検知結果)を報知するための報知スピーカ24および報知LED25を備えるため、歯垢検知装置1の使用者は、歯垢の検知結果を即座に知ることができる。
(2)歯垢検知装置1は、明るさのパラメータが独立した色空間であるHSV色空間を画像のデータの色空間として取り扱う。HSV色空間は、明るさのパラメータとして明度が独立した色空間である。従って、口腔内が暗い場合や歯表面や歯肉が過剰に照らされている場合であっても、特定色を精度良く抽出することができ、歯面部位Xや歯垢部位Bの抽出精度を高めることができる。また、HSV色空間においては似通った色である歯肉の色と歯垢中の蛍光物質の発光色とが識別され易いため、歯垢部位Bの抽出精度を高めることができる。その結果、歯垢の検知精度を高めることができる。
(3)歯垢検知装置1は、画像のデータにおける歯面部位Xと歯垢部位Bとの面積比率Rを算出し、算出した面積比率Rに基づいて歯垢の付着度合いを判定する。このため、歯垢部位Bの面積のみに基づく歯垢の検知結果に比べて、静止画像におけるノイズに起因する誤検知を低減して歯垢を精度良く検知することができる。すなわち、歯垢部位Bの面積のみに基づいて歯垢の付着度合いが判定される場合に、静止画像において歯垢部位Bにノイズが発生していれば、このノイズに起因して歯垢の付着度合いが適切に判定されないおそれがある。よって、本発明によれば、歯垢部位Bの面積のみに基づいて歯垢が検知される場合に比べて、画像におけるノイズに起因する誤検知を低減して歯垢を精度良く検知することができる。
(4)歯垢検知装置1は、連続的な撮影により得られた複数の画像のデータに基づいて歯面部位Xおよび歯垢部位Bのそれぞれの面積の移動平均値を算出し、この移動平均値を用いて歯面部位Xの面積に対する歯垢部位Bの面積を算出する。このため、1つの静止画像から抽出された歯面部位Xと歯垢部位Bとの面積比率Rに基づいて歯垢の付着度合いが判定される場合に比べて、画像におけるノイズに起因する誤検知をより低減して歯垢を精度良く検知することができる。
(5)歯垢検知装置1は、複数の画像のデータのそれぞれに基づいて算出した複数の歯面部位Xの面積のうちの最大値および最小値を除外して歯面部位Xの移動平均値を算出する。さらに、複数の画像のデータのそれぞれに基づいて算出した複数の歯垢部位Bの面積のうちの最大値および最小値を除外して歯垢部位Bの移動平均値を算出する。すなわち、複数の静止画像のうち、抽出される歯面部位Xの面積が平均的でない静止画像や、抽出される歯垢部位Bの面積が平均的でない静止画像は、歯面部位Xと歯垢部位Bとの面積比率Rに基づく歯垢の付着度合いの判定に利用されない。従って、複数の画像のデータに撮影が不適切な画像のデータが含まれている場合であっても、このデータが除外され、歯垢を精度良く検知することができる。
(6)歯垢検知装置1は、画像のデータのハイライト部位A2を抽出し、抽出したハイライト部位A2の情報を歯面部位Xの抽出に用いる。静止画像におけるハイライト部位A2は、色の判別が困難であるが、このようなハイライト部位A2は、歯表面上の唾液による光の反射や、歯表面を覆う銀歯等の補綴物における光の反射に起因して生じている可能性が高い。従って、画像におけるハイライト部位A2が歯面部位Xの一部として抽出されることにより、歯の全体では歯垢の付着度合いが低い場合に歯垢の付着度合いが高いと判定されないように、適切な面積比率Rの算出を図ることができる。
(7)歯垢検知装置1は、歯面部位Xの面積が所定値よりも小さい画像のデータを歯面部位Xおよび歯垢部位Bの抽出の対象から除外する。歯面部位Xの面積が小さい場合には、静止画像におけるノイズに起因して、歯垢の付着度合いが低い場合であっても、歯垢の付着度合いが高いと判定されるおそれがある。このため、歯面部位Xの所定以下の面積に基づく歯垢の検知が禁止されることにより、画像におけるノイズに起因する誤検知をより一層低減して歯垢を精度良く検知することができる。
(8)歯垢検知装置1は、静止画像における被写界深度の範囲内において歯面部位Xおよび歯垢部位Bを抽出する。すなわち、静止画像における被写界深度の範囲外(いわゆるピントが合っていない領域)においては、歯面部位Xおよび歯垢部位Bが抽出されない。従って、歯面部位Xや歯垢部位Bの抽出精度をより一層高めることができる。
(9)歯垢検知装置1は、カメラ21で撮影された画像である映像を表示するための映像信号出力端子27を含む。このため、歯垢検知装置1の使用者が、映像信号出力端子27を用いて表示される画像を参照することによって、カメラ21によって撮影されている口腔内の部位を容易に把握することができる。そして、検知された歯垢の刷掃等のケアを容易に行うことが可能となる。
(その他の実施形態)
・図1(b)に示すように、歯垢検知装置1が、歯の表面を刷掃するための刷掃部28をさらに備えていてもよい。図1(b)に示す刷掃部28は、ヘッド部12に設けられている束ねられた繊維により構成されている。刷掃部28は歯の表面を刷掃することにより歯を清掃する清掃部であって、歯垢検知装置1はブラシとして構成されている。このような構成によれば、歯垢検知装置1の使用者は、検知された歯垢を、その歯垢検知装置1を使用して即座に刷掃することが可能である。
・歯垢検知装置1が、映像出力部として小型モニタ(不図示)を備えていてもよい。このような構成によれば、歯垢検知装置1の使用者は、映像表示装置9を用いずに、小型モニタを用いて表示される画像を参照することによって、上記(9)に記載の効果を得ることができる。
・面積比率Rの算出方法を適宜変更してもよい、また、1つの静止画像から抽出された歯面部位Xおよび歯垢部位Bに基づいて歯垢が検知されてもよい。このような場合であっても、歯面部位Xと歯垢部位Bとの面積比率Rに基づいて歯垢の付着度合いを判定することができ、歯垢の検知結果を報知することができる。
・RGB形式のデータから変換された変換後のデータは、HSV形式のデータに限られず、YUV形式のデータ、または、HLS形式のデータであってもよい。YUV形式のデータは、輝度(Y)、赤との色差(U)、青との色差(V)の3つの成分からなる色空間であるYUV色空間に準じたデータ形式である。また、HLS形式のデータは、色相(H)、彩度(S)、輝度(L)の3つの成分からなる色空間であるHLS色空間に準じたデータ形式である。
すなわち、画像のデータの色空間として取り扱われる色空間は、YUV色空間またはHLS色空間であってもよい。このような構成であっても、静止画像のデータにおける色が、これらの色空間を構成する成分に分離されて、この色空間を構成する成分に基づいて歯面部位Xおよび歯垢部位Bが抽出されることにより、上記(2)および(3)に準じた効果を得ることができる。
なお、YUV色空間は、明るさのパラメータとして輝度が独立した色空間であって、RGB色空間を構成する各成分に比べて、輝度以外の成分である色差は明るさとの関連性が小さい成分である。また、HLS色空間は、明るさのパラメータとして明度が独立した色空間であって、RGB色空間を構成する各成分に比べて、明度以外の成分である色相および彩度は明るさとの関連性が小さい成分である。
・上記実施形態において、画像変換が行われずに、部位抽出処理が行われてもよい。すなわち、RGB色空間を構成する成分に基づいて静止画像から歯面部位Xおよび歯垢部位Bが抽出されてもよい。
・映像表示装置9によって歯垢の検知結果を報知する構成としてもよい。すなわち、歯垢の検知結果を報知するための報知部を、映像信号出力端子27や歯垢検知装置1が備える小型モニタ(不図示)等の映像出力部により構成してもよい。
・歯垢検知装置1が、報知部として報知スピーカ24のみ、または報知LED25のみを備える構成であってもよい。すなわち、歯垢検知装置1は、少なくとも1つの報知部を備えていればよい。
1…歯垢検知装置、9…映像表示装置、11…本体部、12…ヘッド部、12a…基板、12b…窓、21…カメラ、22…LED(光源)、23…情報処理部、23a…電源スイッチ、24…報知スピーカ(報知部)、25…報知LED(報知部)、26…バッテリ、27…映像信号出力端子(映像出力部)、28…刷掃部(清掃部)。

Claims (11)

  1. 口腔内を撮影するカメラと、口腔内を照射する光源と、前記カメラにより撮影された画像のデータにおける色の差異に基づいて歯面部位および歯垢部位を抽出する情報処理部と、この情報処理部により抽出された歯垢に関する情報を報知するための報知部とを含む
    ことを特徴とする歯垢検知装置。
  2. 請求項1に記載の歯垢検知装置において、
    明るさのパラメータが独立した色空間を前記画像のデータの色空間として取り扱う
    ことを特徴とする歯垢検知装置。
  3. 請求項1または2に記載の歯垢検知装置において、
    YUV色空間およびHSV色空間およびHLS色空間のいずれかを前記画像のデータの色空間として取り扱う
    ことを特徴とする歯垢検知装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の歯垢検知装置において、
    前記画像のデータにおける前記歯面部位と前記歯垢部位との面積比率を算出し、算出した面積比率に基づいて歯垢の付着度合いを判定する
    ことを特徴とする歯垢検知装置。
  5. 請求項4に記載の歯垢検知装置において、
    連続的な撮影により得られた複数の画像のデータに基づいて前記歯面部位および前記歯垢部位のそれぞれの面積の移動平均値を算出し、この移動平均値を用いて前記歯面部位の面積に対する前記歯垢部位の面積を算出する
    ことを特徴とする歯垢検知装置。
  6. 請求項5に記載の歯垢検知装置において、
    前記複数の画像のデータのそれぞれに基づいて算出した複数の前記歯面部位の面積のうちの最大値および最小値を除外して前記歯面部位の移動平均値を算出するとともに、前記複数の画像のデータのそれぞれに基づいて算出した複数の前記歯垢部位の面積のうちの最大値および最小値を除外して前記歯垢部位の移動平均値を算出する
    ことを特徴とする歯垢検知装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の歯垢検知装置において、
    前記画像のデータのハイライト部位を抽出し、抽出したハイライト部位の情報を前記歯面部位の抽出に用いる
    ことを特徴とする歯垢検知装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の歯垢検知装置において、
    前記歯面部位の面積が所定値よりも小さい前記画像のデータを前記歯面部位および前記歯垢部位の抽出の対象から除外する
    ことを特徴とする歯垢検知装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の歯垢検知装置において、
    前記画像における被写界深度の範囲内において前記歯面部位および前記歯垢部位を抽出する
    ことを特徴とする歯垢検知装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の歯垢検知装置において、
    前記カメラで撮影された画像を表示するための映像出力部を含む
    ことを特徴とする歯垢検知装置。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の歯垢検知装置において、
    歯を清掃するための清掃部を含む
    ことを特徴とする歯垢検知装置。
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