JP2011175219A - 光電気変換モジュールの組立方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】歩留まり及び信頼性の高い光電気変換モジュールの組立方法を提供する。
【解決手段】光ファイバ保持穴を有する光フェルール2と、光ファイバ3を挿入することで位置決めされるように光電変換素子6が装備されている光電気変換モジュール300の組立方法であって、光ファイバを光ファイバ保持穴に挿入し、位置決めする光ファイバ位置決め工程と、光ファイバを本固定する第一接着剤14aを事前に加熱して粘度低下する接着剤粘度低下工程と、粘度低下した第一接着剤を光ファイバ保持穴に毛細管現象により充填する第一接着剤供給工程と、その後に第一接着剤より硬化時間の短い第二接着剤15aを接着剤供給穴に充填する第二接着剤供給工程と、第二接着剤を硬化して光ファイバを光フェルールに仮固定する第二接着剤硬化工程と、その後第一接着剤を加熱硬化して光ファイバを本固定する第一接着剤硬化工程とを有する。
【選択図】図2
【解決手段】光ファイバ保持穴を有する光フェルール2と、光ファイバ3を挿入することで位置決めされるように光電変換素子6が装備されている光電気変換モジュール300の組立方法であって、光ファイバを光ファイバ保持穴に挿入し、位置決めする光ファイバ位置決め工程と、光ファイバを本固定する第一接着剤14aを事前に加熱して粘度低下する接着剤粘度低下工程と、粘度低下した第一接着剤を光ファイバ保持穴に毛細管現象により充填する第一接着剤供給工程と、その後に第一接着剤より硬化時間の短い第二接着剤15aを接着剤供給穴に充填する第二接着剤供給工程と、第二接着剤を硬化して光ファイバを光フェルールに仮固定する第二接着剤硬化工程と、その後第一接着剤を加熱硬化して光ファイバを本固定する第一接着剤硬化工程とを有する。
【選択図】図2
Description
本発明は、光ファイバと光電変換素子を光結合させる光モジュールの組立方法に関し、特に、光ファイバを光フェルールに取り付ける方法に関する。
LSI間信号の高速化に伴い、電気による伝送ではノイズ、消費電力増加を解消することが困難となってきている。そこで、近年、LSI間を、電磁障害や周波数依存性損失が少ない光通信で伝送する試みがなされている。例えば特許文献1に開示される光電変換ヘッダー(光モジュール)は、発光素子(例えば、VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laserなど)又は受光素子(光電変換素子)と、この光電変換素子を装備し、光ファイバの挿入により光ファイバ先端と光電変換素子の相対位置を規定する光フェルールを備え、光電変換素子と光ファイバを光結合可能としている。
この光モジュール100は、図3に示すように、光フェルール2に光ファイバ(又は光導波路)3を挿入する貫通穴(光ファイバ保持穴)4を持ち、光ファイバ3を挿入することで位置決めされるように光電変換素子6が装備されている。図中、7はフェルール2上にパターン形成した電気配線部(引き出し電極)、8はAuバンプ、5は光素子アンダーフィル材及び光ファイバの接着剤としての透明樹脂、9は受光部又は発光部(以下、受発光部と略称する。)を示す。
この光モジュール100の製造は、図4(a)に示すように、まず、電極7及び光素子搭載面を有するフェルール2に光電変換素子6の搭載を行う。電極7への接続は、例えばAuバンプ8の加熱圧着を用いる。次に、図4(b)に示すように、フェルール2に光ファイバ3を挿入する。光ファイバ3の挿入は、押圧センサ付きのマイクロメータなど挿入圧力のモニタが可能な装置を用い、光ファイバ3の挿入圧が所定圧になったポイントで光ファイバ3の挿入を停止する。その後、図4(c)に示すように、熱硬化樹脂や紫外線硬化樹脂からなる透明樹脂5を注入,固化して光ファイバ3を固定する。
一方、光ファイバを光フェルールに取り付ける方法として、特許文献2に示すように、光フェルールに設けられた光ファイバ保持穴内に、真空ポンプを用いて接着剤を供給し、該光ファイバ保持穴に光ファイバを貫通後、光ファイバ端面に向けて温風を吹き付ける方法が開示されている。この方法によれば、温風により粘度が低下した接着剤は、風により光ファイバ上を移動し、表面張力により光ファイバの根本に一定量だけ寄せ集めることができる。
光電気変換モジュールにおける光ファイバ固定構造では、光ファイバの接着剤としての透明樹脂の信頼性が光電気変換モジュールの信頼性確保において重要な影響を及ぼす。しかしながら、特許文献1に開示されたような光電気変換モジュールの製造方法では、接着剤の粘性が高いため、接着剤は光ファイバ保持穴に容易に充填することは困難で、光ファイバ保持穴の中に接着剤が充填されていない部分ができる。このような空隙部分が光路上に発生すると光電気変換モジュールの接続損失を増加することとなり、また、光ファイバ保持穴内に発生すると耐環境信頼性(高温特性、低温特性、ヒートサイクル特性、高湿特性等)等が十分でなくなるといった問題があった。
加えて、光電気変換モジュールは光電変換素子を搭載していることから、製造方法に制約がある。そのため、光電気変換モジュールに設けられた光フェルールに光ファイバを取り付ける際に接着剤の充填性を向上させる手法として、特許文献2に開示されているような、(1)真空ポンプを用いて光ファイバ保持穴内に接着剤を供給する方法や、(2)接着剤供給後に光フェルールに温風を吹きつけることで、接着剤の粘度を低下させる方法を適用すると、以下のような不都合が生じる。
第一に、事前に接着剤を光ファイバ保持穴に十分に充填することが難しい。一般的な光電気変換モジュールの構造では、光ファイバ保持穴の端面近傍に光電変換素子が配置されているため、光電気変換モジュールの一端から接着剤を供給し、他端から真空ポンプ等を用いて接着剤を吸引して光ファイバ保持穴に接着剤を充填する方法を採用することができない。光ファイバ保持穴に接着剤が充填されない領域が生じると、前述のように光電気変換モジュールの接続損失が増加したり、耐環境信頼性が悪化する等の問題がある。
第二に、温風による光フェルールの加熱は、光電変換素子を破損する。一般に、接着剤として紫外線硬化性樹脂等の短時間で硬化するタイプのものを用いると、光ファイバと光フェルールの接着強度が弱かったり、光電気変換モジュールが使用される環境を想定した耐環境信頼性試験を行うと接着力が低下したり、光損失が増大する等の信頼性に問題があるため、接着剤としては硬化時間の長い熱硬化性樹脂が用いられる。しかしながら、光電気変換モジュールの構造では、光フェルールの一端に光電変換素子が配置されており、光ファイバ保持穴内に存在する接着剤に直接温風を当てることができない。そのため、接着剤の昇温には光電気変換モジュール自体の加熱を通して、光フェルール内部に充填した接着剤を加熱することとなる。その結果、光電気変換モジュールの局所的な温度上昇を生じ、光電変換素子が悪影響を受け、歩留まりが低下する。
第三に、製造工程において接着剤硬化前に光ファイバの位置ずれを生じ、歩留まりが低下する。光電気変換モジュール製造工程において接着剤の硬化には比較的時間がかかるため、生産性を向上する観点から接着剤が十分に硬化する前に接着剤硬化用加熱炉に搬送する工程が採用される場合があるが、その際の衝撃で光ファイバが位置ずれする恐れがある。光ファイバと受発光素子の間の間隙が拡大したり、軸方向にずれが生じると接続損失が増加し、歩留まりが低下する。
本発明は以上の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は信頼性及び歩留まりの高い光電気変換モジュールの組立方法を提供することにある。
上記課題を解決することのできる本発明の光電気変換モジュールの組立方法は、光電変換素子と、該光電変換素子を一端面に装備し、該光電変換素子の受光部又は発光部に対応する位置に光ファイバ保持穴を貫通形成し、該光ファイバ保持穴に通じる接着剤供給穴を形成した光フェルールとを備える光電気変換モジュールに光ファイバを実装する光電気変換モジュール組立方法であって、光ファイバを前記光電気変換モジュールの光ファイバ保持穴内に挿入し、位置決めする光ファイバ位置決め工程と、熱硬化性の第一接着剤を所定温度まで加熱して粘度を低下する接着剤粘度低下工程と、前記光ファイバ位置決め工程後に、粘度低下した前記第一接着剤を前記光ファイバ保持穴と前記光ファイバとの間の隙間に供給する第一接着剤供給工程と、前記第一接着剤供給後に、前記接着剤供給穴に前記第一接着剤より硬化時間の短い第二接着剤を供給する第二接着剤供給工程と、前記第二接着剤供給後に、前記第二接着剤を硬化して前記光ファイバを仮固定する第二接着剤硬化工程と、前記第二接着剤硬化後に前記第一接着剤を熱硬化して前記光ファイバを本固定する第一接着剤硬化工程と、を少なくとも有することを特徴とする。
この光電気変換モジュール組立方法によれば、製造工程における光ファイバ保持穴への気泡の混入を容易に防止することができる。即ち、加熱により十分に粘度を低下した第一接着剤を光ファイバ保持穴の内側開口部付近に供給し、毛細管現象によって光ファイバ保持穴に供給するため、真空ポンプ等を用いることなく、光ファイバ保持穴への気泡の混入を防止できる。また、第一接着剤供給前に粘度低下を実施することで、第一接着剤を均一に加熱することができる。そのため、接着剤の粘度むらの発生を防ぐことで、気泡の混入を防止することができる。
また、過度の昇温により光電変換素子が破損することを防止できる。即ち、第一接着剤供給前に第一接着剤のみを所定温度に加熱して粘度低下するため、 第一接着剤の温度管理が容易である。そのため、公知の温風による接着剤の加熱時に生じていたような、光電気変換モジュールの局所的な過度の昇温を防止し、光電変換素子の損傷を防ぐことができる。
また、製造工程において光ファイバの位置ずれを防止することができる。即ち、第一接着剤より硬化時間の短い第二接着剤を、第一接着剤硬化前に硬化して光ファイバを仮固定する。そのため、第一接着剤が流動性を有する状態で光電気変換モジュールの搬送等による衝撃が加わっても光ファイバの位置ずれが生じにくい。そのため、歩留まりの向上やリードタイムの短縮による生産性の向上が可能となる。
本発明の光電気変換モジュールの組立方法によれば、事前に加熱して粘度低下した第一接着剤を毛細管現象により光ファイバ保持穴に供給するので、光ファイバ保持穴への気泡の混入を防止することができる。また、接着剤粘度低下工程において光電気変換モジュールを直接加熱することが防止されるため、光電変換素子の破損を防止できる。さらに、第一接着剤硬化前に、第一接着剤より硬化時間の短い第二接着剤を供給し、第二接着剤を硬化して光ファイバを仮固定するため、第一接着剤が完全に硬化する前に光電気変換モジュールの搬送等による衝撃が加わっても光ファイバの位置ずれが生じない。即ち、歩留まり及び信頼性の高い光電気変換モジュールを容易に製造することができる。
以下、本発明に係る光電気変換モジュールの組立方法の実施形態の例を、図面を参照して説明する。図面において同一の部材に対しては同じ符号を用い、その説明を省略する。
図1は本発明にかかる組立方法を適用可能な、光電気変換モジュールの一例を示す断面図である。この光電気変換モジュール200は、実装基板10上に実装された光フェルール2に光ファイバ(又は光導波路)3を挿入する光ファイバ保持穴4及び該光ファイバ保持穴4に通じる接着剤供給穴11が形成されている。光電変換素子6は、光ファイバ保持穴4に光ファイバ3を挿入、固定することで光ファイバ端面との相対位置が位置決めされるように、光フェルール2に装着されている。7は光フェルール2上にパターン形成した電気配線(引き出し電極)、8はAuバンプ、5は光素子アンダーフィル材及び光ファイバの接着剤としての透明樹脂、9は受発光部を示す。
光電変換素子6としては、例えば、VCSEL、PD(photodiode)等が用いられる。光電変換素子6の結合面12には複数の受発光部9が配置される。受発光部9は、この受発光部9に沿って配設される複数のAuバンプ8を接続端子とする。
光フェルール2は、ポリエステル樹脂、PPS樹脂およびエポキシ樹脂のいずれかを含む材料で形成されている。また、光フェルール2は遮光性ある材料で形成されていても良いし、透明材料で形成されていても良い。結合面12には光ファイバ3を位置決め保持する複数の光ファイバ保持穴4が受発光部9に応じて配置されている。光フェルール2の結合面12にはバンプ8に接続される複数の電気回路である引き出し電極7が並設され、電極7は結合面12に隣接する交差面に延出して連続形成されている。
光電変換素子6はバンプ8を介して、光フェルール2の電極7に固定されている。固定は超音波による加熱圧着にて行うことができる。光モジュール200は、電極7が接触するように上面を回路基板等に実装することにより、電極7を介して光電変換素子6に対して容易な電気供給や信号取り出しを可能としている。結合面12に光電変換素子6を装備した光フェルール2の光ファイバ保持穴4に挿入されている光ファイバ3は、光電変換素子6の受発光部9に光学的に接続されている。光電変換素子6と光フェルール2の結合面12の間には、接着剤供給穴11より供給された接着剤5が充填硬化されている。つまり、光電変換素子6は、バンプ8と接着剤5にて光フェルール2に固定されている。
本発明の光電気変換モジュールの組立方法により、光電気変換モジュール300に光ファイバ3を実装する方法を図2に従って説明する。
図2は本発明の実施形態に係る光電気変換モジュールの組立方法を説明する概念図であって、(a)〜(f)は、それぞれ断面図である。図2(a)に示すように、まず光電変換素子6が搭載された光フェルール2に光ファイバ3を挿入する。光ファイバ3には、コア直径50μmの石英系マルチモードGI(Graded Index)ファイバを用い、先端から3.5mm程度までの被覆が予め除去されている。光ファイバ3としては、この他に多成分ガラス系の光ファイバや、プラスチック光ファイバを用いることができる。また、図示しないが、他端にはMTフェルールが接続され、光パワーメータと接続することで組立完了後に光パワーを容易にモニタ可能に構成してある。
図2は本発明の実施形態に係る光電気変換モジュールの組立方法を説明する概念図であって、(a)〜(f)は、それぞれ断面図である。図2(a)に示すように、まず光電変換素子6が搭載された光フェルール2に光ファイバ3を挿入する。光ファイバ3には、コア直径50μmの石英系マルチモードGI(Graded Index)ファイバを用い、先端から3.5mm程度までの被覆が予め除去されている。光ファイバ3としては、この他に多成分ガラス系の光ファイバや、プラスチック光ファイバを用いることができる。また、図示しないが、他端にはMTフェルールが接続され、光パワーメータと接続することで組立完了後に光パワーを容易にモニタ可能に構成してある。
光ファイバ3の挿入は、押圧センサ付きのマイクロメータなど挿入圧力のモニタが可能な装置を用い、図2(b)に示すように、光ファイバ3が所定挿入距離に対する挿入圧となったポイントで光ファイバ3の挿入を停止する。光ファイバ3の位置決め操作は、移動距離をμmスケールで制御可能なマイクロメータを用いて、光ファイバ3の先端位置をカメラで確認しながら、光ファイバ3と受発光素子6との間を所定距離に調整してもよい。
次に、光ファイバ3を光フェルール2に本固定する硬化前の第一接着剤14aを所定温度まで加熱して粘度を低下させる。第一接着剤14aの加熱方法は特に限定されず、例えば硬化前の第一接着剤14aを所定の容器中に収納した状態でホットプレートや恒温槽内に置くことで直接加熱すれば、容易に第一接着剤14a全体を均一に加熱することができる。このようにすれば、第一接着剤14aを光フェルール2に供給した後に、光フェルール2の加熱を通して第一接着剤14aの加熱を行う場合と比較して、より低温で迅速に、均一に第一接着剤14aの粘度を低下できるため、光電気変換モジュール300を直接加熱する必要がなく,光電変換素子の破損を防止できる。また、図示しないが第一接着剤14aを収納した容器をディスペンサ等と連結しておけば、第一接着剤14aを所定量、連続的に供給可能であり、作業の効率化や自動化が可能となるため好ましい。
第一接着剤14aとしては、光電気変換モジュール300を様々な環境で使用するに当たって信頼性を確保する観点から、硬化時間の長い熱硬化性樹脂を用いる。即ち、前述のように紫外線硬化性樹脂等の短時間で硬化するタイプのものを用いると、光ファイバ3と光フェルール2の接着強度が弱かったり、光電気変換モジュールが使用される環境を想定した長時間の高温高湿試験を行うと接着力が低下したり、光損失が増大する等の信頼性に問題が生じる虞ある。一方、硬化時間の長い熱硬化性樹脂はガラス転移点が高いため、耐環境信頼性が比較的良好であり、長期信頼性を確保する上で適している。
さらに、熱硬化性樹脂は硬化温度より低い所定温度に加熱することで、容易に粘度を低下することが可能である。十分に粘度を低下した熱硬化性樹脂である第一接着剤を用いれば、容易に光ファイバ保持穴への気泡の混入を防止して、光ファイバ3を光フェルール2に接着可能となる。
また、光電変換素子の破損を防止するためには、低温で粘度低下可能であることが好ましく、40℃以上100℃以下において、十分低い粘度に設定可能であることが好ましい。
以上のような観点から第一接着剤14aとしては、加熱による粘度低下前の粘度が200cpsより高い場合であっても、40℃以上100℃以下において粘度1cps以上200cps以下、好ましくは粘度1cps以上100cps以下に設定可能な温度が少なくとも存在するものを選択すると良い。接着剤粘度の測定は、当該粘度に適したあらゆる測定方法を採用可能であるが、例えばJIS K 6833のBH型粘度計を用いて測定すればよい。
熱硬化性樹脂である第一接着剤14aとしては、例えばエポキシ樹脂、シリコーン系樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリウレタン樹脂、メラニン樹脂、フッ素樹脂等を用いることができる。例えば、汎用のエポキシ樹脂製光学接着剤を用いた場合、常温においては粘度3.000cps以上であるが、60℃においては粘度100cps前後に設定可能である。また、後述するように、熱硬化性樹脂はガラス転移点が高く、耐環境信頼性も比較的良好である点で適している。
次に、図2(c)に示すように光フェルール3に設けられた接着剤供給穴11から、加熱して粘度を低下してある第一接着剤14aを光ファイバ保持穴4の内側開口部13付近に供給し、毛細管現象により光ファイバ保持穴4と光ファイバ3との間の隙間に広がらせる。このようにすれば、真空ポンプ等を用いることなく、光ファイバ保持穴4への気泡の混入を防止して、第一接着剤14aを光ファイバ保持穴4に供給することができる。
次に、図2(d)に示すように、光フェルール2に設けられた接着剤供給穴11から前記第一接着剤14aより硬化時間の短い第二接着剤15aを供給し、続いて図2(e)に示すように第二接着剤15aを硬化して光ファイバ3を仮固定する。硬化後の第二接着剤15bが光ファイバ3の接着剤供給穴11より露出する部分と光フェルール2とを連結して固定するため、光ファイバ3は光フェルール2に仮固定される。これにより、第一接着剤14aが硬化前で流動性を有する場合であっても、第二接着剤15bによって光ファイバ3の一部を光フェルール2に固定することができる。光ファイバ3を精密に位置決めした状態で第一接着剤14aの固定前に光電気変換モジュール300の搬送等を行っても、その際の衝撃で光ファイバ3が位置ずれする心配がないため、歩留まりの向上やリードタイムの短縮による生産性の向上が可能となる。
このような観点から、第二接着剤15aの硬化とは、硬化後の第二接着剤15bが光電気変換モジュール300搬送等による衝撃で光ファイバ3が位置ずれする心配がない、即ち例えば光電気変換モジュール300を搬送機により接触または非接触にて把持して移動する際に加わる衝撃で光ファイバ3が位置ずれする心配がない程度に粘度を高く設定することを意味し、必ずしも完全に流動性を失わせることを必要としない。
第二接着剤15aとしては、接着剤供給穴11から光ファイバ3の一部を光フェルール2に固定することができるものであれば特に限定されないが、リードタイムの短縮の観点から第一接着剤14aより硬化時間が短いことが好ましい。また、接着剤供給後に接着剤供給穴11より露出する第二接着剤15aを紫外線照射により硬化することが可能となるため、紫外線硬化性樹脂を好適に使用可能である。紫外線硬化性樹脂としては、例えばエポキシ系、ポリイミド系、アクリル系紫外線硬化性樹脂を、第二接着剤15aとして使用することができる。
光電変換素子6が発光素子である場合を例にとって第二接着剤供給工程の具体的な実施形態を説明する。まず光ファイバ保持穴4に第一接着剤14aの供給を完了した光電気変換モジュール300において、光電変換素子6に所定の電圧を印加して、光フェルール2に固定した光ファイバ3の他端に接続されたパワーメータより発光強度を検出し、光ファイバ3が正常に位置決めされていることを確認する。その後、ディスペンサを使用して、紫外線硬化性の第二接着剤15aを接着剤供給穴11から所定量供給する。続いて接着剤供給穴11の上方から紫外線を照射して第二接着剤15aを硬化する。接着剤供給穴11に充填した硬化後の第二接着剤15bが、光ファイバ3の一部を光フェルール2に連結して固定することにより、短時間で容易に光ファイバ3の仮固定を完了することができる。
最後に、図2(f)に示すように、光ファイバ保持穴4に供給した第一接着剤14aを、光フェルール2の外部より加熱して硬化し、光ファイバ3を光ファイバ保持穴4に本固定することにより、光電気変換モジュール300の組立を完了する。第一接着剤14aの加熱硬化は光電変換素子に悪影響を与えない条件で実施すれば良いが、硬化後の第一接着剤14bが高いガラス転移点を有すると光電気変換モジュールの耐環境信頼性、長期信頼性を確保する上で好ましく、80℃以上のガラス転移点を有すると特に好適である。例えば、第一接着剤として汎用のエポキシ樹脂製光学接着剤を用いた場合には、80℃で2時間、または100℃で20分間加熱すれば良い。
なお、生産リードタイムの短縮の観点から、第一接着剤硬化工程は光ファイバ3を位置決めし、第一接着剤14aを供給し、第二接着剤15aを供給し、第二接着剤15aを硬化した後に、光電気変換モジュール300を専用の加熱炉に搬送して実施することが好ましい。この場合においても、光ファイバ3は硬化した第二接着剤15bにより光フェルール2に仮固定されているため、搬送時に光電気変換モジュール300に衝撃が加わった場合にも位置ずれする心配がない。即ち、本発明に係る光電気変換モジュール300の組立方法によれば、歩留まり及び信頼性の高い光電気変換モジュールを容易に製造することができる。
100、200、300:光電気変換モジュール、2:光フェルール、
3:光ファイバ(又は光導波路)、4:光ファイバ保持穴、5:光素子アンダーフィル材及び光ファイバの接着剤としての透明樹脂、6:光電変換素子、7:電気配線(引き出し電極)、8:光素子搭載用バンプ、9:受光部又は発光部、10:実装基板、11:接着剤供給穴、12:結合面12、13:内側開口部、14a:第一接着剤(硬化前)、14b:第一接着剤(硬化後)、15a:第二接着剤(硬化前)、15b:第二接着剤(硬化後)、
3:光ファイバ(又は光導波路)、4:光ファイバ保持穴、5:光素子アンダーフィル材及び光ファイバの接着剤としての透明樹脂、6:光電変換素子、7:電気配線(引き出し電極)、8:光素子搭載用バンプ、9:受光部又は発光部、10:実装基板、11:接着剤供給穴、12:結合面12、13:内側開口部、14a:第一接着剤(硬化前)、14b:第一接着剤(硬化後)、15a:第二接着剤(硬化前)、15b:第二接着剤(硬化後)、
Claims (1)
- 光電変換素子と、該光電変換素子を一端面に装備し、該光電変換素子の受光部又は発光部に対応する位置に光ファイバ保持穴を貫通形成し、該光ファイバ保持穴に通じる接着剤供給穴を形成した光フェルールとを備える光電気変換モジュールに光ファイバを実装する光電気変換モジュール組立方法であって、
光ファイバを前記光電気変換モジュールの光ファイバ保持穴内に挿入し、位置決めする光ファイバ位置決め工程と、
熱硬化性の第一接着剤を所定温度まで加熱して粘度を低下する接着剤粘度低下工程と、
前記光ファイバ位置決め工程後に、粘度低下した前記第一接着剤を前記光ファイバ保持穴と前記光ファイバとの間の隙間に供給する第一接着剤供給工程と、
前記第一接着剤供給後に、前記第一接着剤より硬化時間の短い第二接着剤を前記接着剤供給穴に供給する第二接着剤供給工程と、
前記第二接着剤供給後に、前記第二接着剤を硬化して前記光ファイバを仮固定する第二接着剤硬化工程と、
前記第二接着剤硬化後に前記第一接着剤を加熱硬化して前記光ファイバを本固定する第一接着剤硬化工程と、
を少なくとも有することを特徴とする光電気変換モジュールの組立方法。
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