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JP2011174674A - 空調システム - Google Patents

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Abstract

【課題】日照時間その他の外部環境の影響を受けても室間温度差を少なくすることができる技術を提供すること。
【解決手段】空調機室1内の空調を行う空調機2と、一方の口が前記空調機室1を基点になるようにされ、他方の口が住宅の複数のそれぞれの部屋に導かれて配管された複数のそれぞれのダクト3と、前記複数のそれぞれのダクト3の前記空調機室1側の口に対して設けられた複数の送風機4とを備え、前記空調機室1内の目標温度と、空調対象の部屋の目標温度が、冷房時摂氏5度以内の温度差、暖房時摂氏10度以内の温度差で空調させるセントラル空調システムS。
【選択図】図1

Description

本発明は、空調システムに関する。
空調システムの一つである住宅のセントラル空調システム(ダクト式全館空調システム)は、高気密・高断熱住宅に多く採用されている。しかし、空調面積の増加、運転時間の増加により、個別の空調機であるエアー・コンディショナー(エアコン)方式に比べ、エネルギー消費量が増大する傾向にある。特に複数の部屋を有する住宅では、各部屋の方位が異なるため、部屋毎に日射時間に差が出る関係で、室内温度にも差を生じる。
一方、これまでのセントラル空調システムでは、送風機が一台で定風量であったため、各部屋の風量制御が難しく、結果的に不要な空調、過暖房、過冷房による快適性の低下を招来する虞がある。
したがって、現状のセントラル空調システムでは、高気密・高断熱住宅の優れた熱的性能を生かしきれていない。
そこで、部屋毎に配管されたダクトのそれぞれに送風機を設置した技術が、例えば特許文献1に開示されている。
特許文献1に開示の技術では、ダクト毎に設置された送風機の回転速度を変えることで、各部屋に吹き出される風量を調整するようになっており、これにより各部屋の空調を実施するようになっている。
特開平10−325565号公報
社団法人 空気調和・衛生工学会編 「快適な温熱環境のメカニズム」第148頁〜149頁及び図7・6
しかしながら、前記特許文献1の技術では、日照時間その他の外部環境の影響を受けることに基づいた各部屋間の温度差である室間温度差の考察がされていない。
このため、各部屋、及び住宅全体としての快適性に支障を生じ、さらにはエネルギー消費も大きいという問題があった。
また、空調機室内の目標温度と、空調対象の部屋の目標温度との差によって、居住者が不快になる温度差というものを解消したいという要望があった。
本発明は、このような技術的背景を考慮してなされたもので、少なくとも日照時間その他の外部環境の影響を受けても室間温度差を少なくすることができる技術の提供をすることを課題とする。
上記した技術的課題を解決するため、本発明では以下の構成とした。
すなわち、本発明は、本発明は、空調機室内の空調を行う空調機と、一方の口が前記空調機室を基点になるようにされ、他方の口が住宅の複数のそれぞれの部屋に導かれて配管
された複数のそれぞれのダクトと、前記複数のそれぞれのダクトの前記空調機室側の口に対して設けられた複数の送風機とを備え、前記空調機室内の目標温度と、空調対象の部屋の目標温度が、立ち上がり時を除き冷房時摂氏5度以内の温度差、暖房時摂氏10度以内の温度差で空調させる空調システムでもある。
このように構成された本発明の空調システムによれば、空調機室内の目標温度と、空調対象の部屋の目標温度とが、冷房時摂氏5度以内の温度差、暖房時摂氏10度以内の温度差で空調されるので、日照時間その他の外部環境の影響を受けても室間温度差を少なくすることができる。よって、省エネルギー型の送風システムということができる。
また、空調機室と部屋の温度差を冷房時摂氏5度以内、暖房時摂氏10度以内とすることにより、ダクトから各部屋に排出される空気が部屋に居住する人に向けて放出されても、人が冷気あるいは暖気を感じる程度を抑制できる。
このように本発明によれば、日照時間その他の外部環境の影響を受けても部屋毎の極端な温度差のない住宅環境にすることができる。
本発明の実施例1のセントラル空調システムが適用された高気密・高断熱住宅の断面図。 図1の斜視図。 図1の要部拡大図。
以下、この発明を実施するための形態(以下、実施形態)を実施例に基づいて例示的に説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状その相対配置などは、特に特定的に記載がない限りは、この発明の範囲をそれらに限定する趣旨ではない。
以下、本発明の空調システムの好適な実施形態を図1〜3を参照して説明する。
(実施例1)
図1は、本発明に係るセントラル空調システムS1が適用された高気密・高断熱住宅を示す。
高気密とは、住宅内に隙間風が入ってこないようにすることであり、高断熱とは住宅の外部と接する部分である外壁、屋根、窓などから、冬なら暖かさを逃さないように、夏なら暑さが入らないようにすることである。よって、具体的に高気密・高断熱住宅とは、気密性を高めるために、微細な隙間も埋められており、断熱性を高めるために、断熱性能が高い断熱材を使用し、窓には複層ガラス入りサッシなどが使用されている住宅をいう。
セントラル空調システムS1は、このような高気密・高断熱住宅の優れた熱的性能を生かすためのものである。
以下、セントラル空調システムS1について述べる。
セントラル空調システムS1は、屋根裏に設置された空調機室1内の空調を行う空調機であって冷暖房機能を併せもつ市販の家庭用省エネエアコン(エアー・コンディショナー)2と、一方の口が前記空調機室1を基点になるよう設置され、他方の口が住宅の複数のそれぞれの部屋に導かれるように配管された複数のそれぞれの給気ダクト3と、空調機室1側の前記一方の口に対してそれぞれ設けられた複数の給気(送風)送風機(換気扇)4と、空調機室1に向けて外気OAを送気するための送気ダクト31と、屋外に向けて家屋
の空気を排気するための排気ダクト32とを備える。そして、空調機室1にエアコン2と、各給気ダクト3の一方の口と、給気送風機4と、が配置されている。
以下これらの各構成部材について説明する。
エアコン2は、室内機21が空調機室1に設置され、室外機22が家屋の外に設置されている。エアコン能力は、冷暖房負荷計算により決定する。また、エアコン能力は住宅の構造・施工に大きく依存し、実績に基づく経験値から機器選定を行う必要がある。
なお、断熱区分4地域の通常(140m2程度)の住宅ではエアコンの能力は1台(5
kw相当)で十分である。住宅の形状、住まい方により、2台設置することもある。
給気ダクト3は、低圧損フレキシブルダクトであることが望ましい。そして、その中を通風するにあたり、空気に抵抗(通風抵抗)ができるだけ掛からないよう、給気ダクト3は、直線的に又は大きな曲率を有する曲線形状で配管されている。
またこの実施例では、給気ダクト3は、給気SAを、住宅の空調対象の部屋である複数の居室42と床下36にそれぞれ設けられた吹出グリル50から、これら居室42や床下36に向けて吹き出す。なお、給気SAは、エアコン2の吹き出し口から出された冷気や暖気によって温度や湿度が調整された、空調機室1内の空気である。また、居室42等における吹出グリル50の設置場所は、負荷の大きな窓側が好ましい。
給気送風機4は、空調機室1の壁面に空調対象の居室42の数だけ設置される。当該設置のための設置穴である排気口41が、空調機室1の壁面に複数形成されている。そして、各給気送風機4は、これが排気口41に設置された状態で、給気ダクト3の一方の口とそれぞれ接続されるようになっている。給気送風機4は、直流(DC)モータを駆動源として回転される。
また、空調機室1は、断熱材で囲繞されている。これにより、エアコン2の吹き出し口から出された冷気や暖気により冷暖房された空調機室1内の空気が、空調機室1の外部に漏れないようになっている。
さらに、空調機室1には、前記送気ダクト31の一方の口が嵌合されている給気口311と、住宅のホール46と連通路47を介して連通されているガラリ15と、点検やメンテナンスのための専用の点検口17(図2参照)が形成されている。
送気ダクト31には、その他方の口が家屋の外壁に形成された外気取込口10に取り付けられた、外気導入のための外気導入部である深形フード121、大気中の塵芥を取り除くフィルターユニット13、冷暖房時に発生する熱ロスを抑制するため熱エネルギーを回収する熱交換気ユニット14が設けられている。
ガラリ15は、居室42経由の給気SAでホール46に導入された給気SAを連通路47経由で空調機室1にリターンさせるための通風口である。
排気ダクト32は、例えば洗濯機・乾燥機・アイロンなどの設備をまとめて設置した部屋であるユーティリティ34や床下36などに設置された排気グリル40を排気の流れの基点にしている。そして、排気グリル40を基点としてそこから排気ダクト32の途中に設けられた熱交換気ユニット14を経由後、家屋の外壁に形成された外気排出のための排出口11に設置された深形フード122から家屋内の空気が屋外に排出される。
なお、熱交換気ユニット14、送気ダクト31及び排気ダクト32は、結露防止のため、断熱されている。また、熱交換気ユニット14は、送気ダクト31及び排気ダクト32の通風抵抗を計算し、風量を十分に確保できる仕様のものを選択することが好適である。
さらに、エアコン、排気口、給気口の位置が近すぎて、狭い範囲で空気が循環してしまう現象であるショートサーキットを防止するため、空調機室1にあっては、エアコン2、排気口41、給気口311の設置位置をできるだけ離すことが好ましい。
そして、本システムS1にあっては、空調機室1内の目標温度と、居室42の目標温度との温度差が冷房時最大摂氏5度以内、暖房時最大摂氏10度以内になるように小さく設定され、給気送風機4による空気排出量が最低100m3/hになるように大きく設定されている。
夏の冷房の場合でいえば、空調機室の温度が摂氏23度となる能力の空調機を選定し設定する。また、冬の暖房の場合でいえば、空調機室の温度が摂氏18度となる能力の空調機を選定し設定する。さらに、熱損失係数であるQ値及び相当隙間面積であるC値は、それぞれ2.4w/m2℃及び1.0cm2/m2程度あれば、十分に冷暖房が可能である。
但し、空調機室の温度は摂氏23度や18度に限定されるわけではない。また温度差は冷房時摂氏5度、暖房時摂氏10度よりも小さくてもよい。
このような設定にできるのは、高気密高断熱住宅では、所定限度の風量が確保できれば、熱負荷を処理するための冷温風に大温度差が必要ないからである。なお熱負荷とは、暖房時に熱が屋外に逃げ、冷房時には熱が屋外から流入するような、熱損失と熱取得の量のことを言う。
次にこのような構成のセントラル空調システムS1を使用した場合の空気の循環について述べる。
給気送風機4を直流モータで駆動すると、空調機室1を起点とした空気の循環を生じる。
最初に空調機室1内の空気が給気ダクト3経由で各居室42及び床下36に向けて送気される。当該送気された空気に相当する量の外気OAが、外気取込口10に取り付けられた深形フード121から送気ダクト31に入る。
当該外気OAは、フィルターユニット13により外気OAに含まれている塵芥が取り除かれる。その後、熱交換気ユニット14を経由して、空調機室1の給気口311から外気OAは空調機室1に導入される。空調機室1に導入された外気OAは、エアコン2の設定温度にされてから、給気ダクト3経由で各居室42及び床下36に向けて送気される。
居室42に送られた給気SAは、その後、居室42の通気口43からホール46を経由した後、ユーティリティ34にその通気口35を介して至る。その後、給気SAは、室内空気RAとして、ユーティリティ34に設置された排気グリル40を基点としてそこから排気ダクト32を通り、熱交換気ユニット14を経由して、排気EAとして屋外に排出される。
また、吹出グリル50から床下36に送気された給気SAは、その後、床下36に設置された排気グリル40からダクト32を通り、熱交換気ユニット14を経由して、同じく排気EAとして屋外に排出される。
さらに、居室42等の室内空気RAは、ユーティリティ34に流れる以外に、ホール46の連通路47を経由して空調機室1へ送られる。
次に作用効果について述べる。
本システムS1にあっては、空調機室1内の温度と、居室42等の目標温度との温度差が最大5度以内になるように小さく設定され、給気送風機4による空気排出量が最低100m3/hになるように設定されている。
したがって、居室42等の目標温度と、通気口43から居室42に導入される空気の温度との差は、冷房時摂氏5度、暖房時摂氏10度よりさらに小さい。したがって、居室42等に居住する人に通気口43から導入された空気があたっても温度差による不快感を持つことが少ない。
さらに、本システムS1にあっては、ヒートショックを生じ難い。ヒートショックとは、急激な温度の変化が、身体に及ぼす影響のことをいう。例えば、冬の入浴時の脱衣室から浴室への急激な温度変化は、血管を著しく伸縮させるとともに、血圧や脈拍を大きく変動させる。これにより、脳梗塞や、脳出血を引き起こすことがある。
さらにまた、量販の省エネルギーのエアコン2や、同じく量販される直流モータにより駆動する、給気送風機4を利用するので、安価である。安価であるからリニューアルするのも比較的容易である。
加えて、給気送風機4を回転するのに直流モータを利用することで、交流(AC)モータに比べ、消費電流を数分の1にできる(最大30〜75%の消費電力の低減が可能)。このように、市販品を使用することにより、市販品の省エネルギー性能を家屋全体の空調に生かすことができる。
そして、エアコン2、直流モータにより駆動する給気送風機4は量販品であるので、本システムの構築にあたり、コスト負担や生産対応力は何ら問題ない。
さらに、給気ダクト3は、低圧損フレキシブルダクトが採用されているので、通風抵抗が掛かりにくい。したがって、給気ダクト3内の圧力損失の低減が可能である。そして、給気ダクト3の配置は、直線的又は大きな曲率を有する曲線形状で配管されているため、その内部を清掃し易い。
さらにまた、屋根裏に設置された空調機室1にエアコン2や給気送風機4等の機器を集約してあるので、メンテナンスの最中にメンテナンス作業者と居住者とが接することがなく、両者が互いに気遣いをする必要がない。
そして、ダクト内を大風量が流れるため、ダクト内におけるカビの発生を抑制することができる。
また、屋根裏にも給気送風機による冷気を送れるように本システムを適用すれば夏場は屋根裏に溜まった熱気を除去することができる(図2参照)。
本願発明はあくまで、セントラル空調システムの空調機としては、エアコン能力の小さな市販の家庭用省エネエアコン(エアー・コンディショナー)を空調機室に設置してある。
しかしながら、一方の口が前記空調機室1を基点になるよう設置され、他方の口が住宅の複数のそれぞれの部屋に導かれるように配管された複数のそれぞれの給気ダクト3と、空調機室1側の前記一方の口に対してそれぞれ設けられた複数の給気(送風)送風機(換気扇)4とで大きな風量を住宅の複数のそれぞれの部屋に供給するものである。このため、エアコンの吹き出し口から出る風量の温度が、夏場であればさほど低くなくとも、給気送風機4によって各部屋に供給される風量が多い分、涼しく感じることができる。
また、冬場であれば、エアコンの吹き出し口から出る風量の温度が、さほど高くなくとも、給気送風機4によって各部屋に供給される風量が多い分暖かく感じることができる。
具体的には既述のように、空調機室1内の目標温度と、居室42の目標温度との温度差が冷房時最大摂氏5度以内、暖房時最大摂氏10度以内になるように小さく設定し、給気送風機4による空気排出量が最低100m3/hになるように大きく設定することで、望まれない局部気流(ドラフト)を生じないようにできるのである。
S1 セントラル空調システム
1 空調機室
2 エアコン(空調機)
3 給気ダクト(ダクト)
4 給気送風機(送風機)
10 外気取込口
11 排出口
13 フィルターユニット
14 熱交換気ユニット
15 ガラリ
17 点検口
21 室内機
22 室外機
31 送気ダクト
32 排気ダクト
34 ユーティリティ
35 通気口
36 床下
40 排気グリル
41 排気口
42 居室
43 通気口
46 ホール
50 吹出グリル
121 深形フード
122 深形フード
311 給気口
EA 排気
OA 外気
RA リターンエア
SA 給気

Claims (1)

  1. 空調機室内の空調を行う空調機と、
    一方の口が前記空調機室を基点になるようにされ、他方の口が住宅の複数のそれぞれの部屋に導かれて配管された複数のそれぞれのダクトと、
    前記複数のそれぞれのダクトの前記空調機室側の口に対して設けられた複数の送風機とを備え、
    前記空調機室内の目標温度と、空調対象の部屋の目標温度とが、冷房時摂氏5度以内の温度差、暖房時摂氏10度以内の温度差で空調させる空調システム。
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