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JP2011162044A - カーテンエアバッグの配設構造 - Google Patents

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JP2011162044A JP2010026552A JP2010026552A JP2011162044A JP 2011162044 A JP2011162044 A JP 2011162044A JP 2010026552 A JP2010026552 A JP 2010026552A JP 2010026552 A JP2010026552 A JP 2010026552A JP 2011162044 A JP2011162044 A JP 2011162044A
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Abstract

【課題】側面衝突時にピラーガーニッシュがピラーから外れた場合でも、両者の間にカーテンエアバッグが入り込むことを阻止することができると共に、ピラーガーニッシュの組付け作業性を向上させることができるカーテンエアバッグの配設構造を得る。
【解決手段】カーテンエアバッグの配設構造10を構成する樹脂製のエッジプロテクタ30は、カーテンエアバッグ26の下方側でバッグ保護部30A2からBピラーガーニッシュアッパ18の上端部へ向けて延出されたジャンプ台30Dを有している。このジャンプ台30Dの先端部に形成された係止孔36には、Bピラーガーニッシュアッパ18の上端側に設けられた爪部18Bが差し込まれている。この爪部18Bの先端側には返し18B1が設けられており、側面衝突時にBピラーガーニッシュアッパ18がBピラー12から外れた場合でも、爪部18Bの返し18B1が係止孔36の孔縁部に引っ掛かるようになっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両へのカーテンエアバッグの配設構造に関する。
下記特許文献1に示された頭部保護エアバッグ袋体の配設構造では、センターピラーガーニッシュ(Bピラーガーニッシュ)の上端にジャンプ台が一体形成されており、このジャンプ台によってエアバッグ袋体の膨張方向が案内される。これにより、エアバッグ袋体がセンターピラーガーニッシュの上端部に接触または引っ掛かることを防止するようにしている。
一方、下記特許文献2に示されたカーテンエアバッグ装置では、折り畳まれたバッグと車体との間に樹脂製のプロテクタが配置されている。これにより、バッグの展開時にバッグが車体と干渉することを阻止するようにしている。
特開平11−91490号公報 特開2006−69248号公報
ところで、車両の側面衝突時(特に所謂ポール側突時)には、Bピラーの変形に伴って、BピラーガーニッシュがBピラーから外れることがある。このような場合、上記特許文献1に示された構造では、Bピラーガーニッシュの上端部に設けられたジャンプ台とBピラーとの間に隙間が生じてしまうため、エアバッグがその隙間に入り込む可能性がある。また、上記特許文献1に示された構造では、BピラーガーニッシュをBピラーに組み付ける際には、Bピラーガーニッシュと一体のジャンプ台をルーフヘッドライニングとBピラーとの間の狭い隙間に押し込みながら組み付ける必要があるため、組付け作業性が悪いという問題もある。
本発明は上記事実を考慮し、側面衝突時にピラーガーニッシュがピラーから外れた場合でも、両者の間にカーテンエアバッグが入り込むことを阻止することができると共に、ピラーガーニッシュの組付け作業性を向上させることができるカーテンエアバッグの配設構造を得ることを目的としている。
請求項1に記載の発明に係るカーテンエアバッグの配設構造は、車体側部のピラーに車室側から係合したクリップを有し、前記クリップによって前記ピラーの車室側に係止され、前記ピラー側へ突出した爪部が上端側に設けられると共に、前記爪部の先端側に返しが設けられたピラーガーニッシュと、前記ピラーガーニッシュの上方側の車幅方向外側において車体側部とルーフヘッドライニングとの間に折り畳み状態で配設され、ガス発生器が発生させたガスの圧力で膨張することにより前記ピラーガーニッシュと前記ルーフヘッドライニングとの間から車室内へ展開するカーテンエアバッグと、樹脂材料によって形成され、前記カーテンエアバッグと車体側部との間に配置されたバッグ保護部、及び前記カーテンエアバッグの下方側で前記バッグ保護部から前記ピラーガーニッシュの上端側へ向けて延出されたジャンプ台を有し、前記ジャンプ台の先端側に形成された係止孔に前記爪部が差し込まれたプロテクタと、を備えている。
請求項1に記載のカーテンエアバッグの配設構造では、カーテンエアバッグがピラーガーニッシュの上方側の車幅方向外側において車体側部とルーフヘッドライニングとの間に折り畳み状態で配設されている。このカーテンエアバッグは、ガス発生器が発生させたガスの圧力で膨張することにより、ピラーガーニッシュとルーフヘッドライニングとの間から車室内へ展開する。
ここで、本発明では、カーテンエアバッグと車体側部との間には、樹脂材料によって形成されたプロテクタのバッグ保護部が配置されている。したがって、上述の如くカーテンエアバッグが膨張展開する際には、プロテクタのバッグ保護部によってカーテンエアバッグと車体側部との干渉を防止することができる。
しかも、このプロテクタは、カーテンエアバッグの下方側でバッグ保護部からピラーガーニッシュの上端側へ向けて延出されたジャンプ台を有しており、このジャンプ台の先端側に形成された係止孔には、ピラーガーニッシュの上端側に設けられた爪部が差し込まれている。この爪部の先端側には返しが設けられているため、ピラーにクリップ止めされたピラーガーニッシュが側面衝突時の衝撃によってピラーから外れた場合でも、爪部の返しが係止孔の孔縁部に引っ掛かることにより、ピラーガーニッシュの上端側がジャンプ台の先端側から離れることを阻止することができる。これにより、カーテンエアバッグが膨張展開する際にピラーガーニッシュとピラーとの間へ入り込むことをジャンプ台によって阻止することができる。
さらに、この発明では、ピラーガーニッシュをピラーへ組み付ける際には、ピラーガーニッシュに設けられたクリップをピラーに係合させると共に、ピラーガーニッシュの上端側に設けられた爪部をジャンプ台の係止孔へ差し込むだけでよいため、ピラーガーニッシュの組付け作業性を向上させることができる。
請求項2に記載の発明に係るカーテンエアバッグの配設構造は、請求項1に記載のカーテンエアバッグの配設構造において、前記返しは、前記爪部から上方側へ向けて突出していることを特徴としている。
請求項2に記載のカーテンエアバッグの配設構造では、ピラーガーニッシュの爪部の先端側に設けられた返しが、爪部から上方側へ向けて突出している。このため、側面衝突時の衝撃によってピラーガーニッシュがピラーに対して車室内側の斜め上方側へ向けて脱落したような場合でも、爪部の返しがジャンプ台の係止孔の孔縁部に良好に引っ掛かることにより、ピラーガーニッシュとジャンプ台との離間を良好に阻止することができる。
請求項3に記載の発明に係るカーテンエアバッグの配設構造は、請求項1又は請求項2に記載のカーテンエアバッグの配設構造において、前記ジャンプ台は、前記バッグ保護部の下端から前記ピラーガーニッシュの上端側へ向けて延出された案内壁と、前記案内壁の先端から下方側へ向けて延出されると共に前記係止孔が形成された垂下壁と、前記案内壁の下面と前記垂下壁の車幅方向外側面との間に掛け渡されたリブとを有することを特徴としている。
請求項3に記載のカーテンエアバッグの配設構造では、プロテクタのジャンプ台は、バッグ保護部の下端からピラーガーニッシュの上端側へ向けて延出された案内壁と、この案内壁の先端から下方側へ向けて延出された垂下壁を有しており、この垂下壁に係止孔が形成されている。これにより、係止孔をルーフヘッドライニングの端末部よりも下方側へ離して配置させることができるため、ピラーガーニッシュの爪部を係止孔に差し込む際にルーフヘッドライニングが邪魔になることを回避することができる。しかも、このジャンプ台は、案内壁の下面と垂下壁の車幅方向外側面とに掛け渡されたリブを有しているため、ジャンプ台を含めたプロテクタの質量が増加することを抑制しつつ、リブによってジャンプ台の剛性を確保することができる。
請求項4に記載の発明に係るカーテンエアバッグの配設構造は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のカーテンエアバッグの配設構造において、前記ピラーは、車室側へ膨出すると共に上面に前記ジャンプ台が当接した膨出部を有することを特徴としている。
請求項4に記載のカーテンエアバッグの配設構造では、ピラーに設けられた膨出部の上面にジャンプ台が当接して配置されるため、カーテンエアバッグの膨張展開時にカーテンエアバッグからジャンプ台に入力される荷重を、ピラーの膨出部によって良好に支持することができる。これにより、ジャンプ台の変形を抑制することができるので、ジャンプ台によってカーテンエアバッグの膨張方向を良好に案内することができる。
以上説明したように、請求項1に記載の発明に係るカーテンエアバッグの配設構造では、側面衝突時にピラーガーニッシュがピラーから外れた場合でも、両者の間にカーテンエアバッグが入り込むことを阻止することができると共に、ピラーガーニッシュの組付け作業性を向上させることができる。
請求項2に記載の発明に係るカーテンエアバッグの配設構造では、ピラーガーニッシュがピラーに対して車室内側の斜め上方側へ向けて脱落したような場合でも、ピラーガーニッシュとジャンプ台との離間を良好に阻止することができる。
請求項3に記載の発明に係るカーテンエアバッグの配設構造では、ピラーガーニッシュの爪部をジャンプ台の係止孔に差し込む際にルーフヘッドライニングが邪魔になることを回避することができると共に、プロテクタの質量が増加することを抑制しつつジャンプ台の剛性を確保することができる。
請求項4に記載の発明に係るカーテンエアバッグの配設構造では、カーテンエアバッグからジャンプ台に入力される荷重をピラーの膨出部によって良好に支持することができ、ジャンプ台によってカーテンエアバッグの膨張方向を良好に案内することができる。
本発明の実施形態に係るカーテンエアバッグの配設構造の構成を示す縦断面図である。 図1に示されるカーテンエアバッグの配設構造の構成部材であるカーテンエアバッグ装置の構成を示す斜視図である。 図1に示されるエッジプロテクタのジャンプ台と、Bピラーガーニッシュアッパの部分的は構成を拡大して示す拡大斜視図である。 本発明の実施形態に係るカーテンエアバッグ装置のエアバッグが膨張した状態を示す図1に対応した縦断面図である。 本発明の実施形態に係るBピラーガーニッシュアッパが、側面衝突時のBピラーの変形に伴って、車幅方向内側の斜め上方側へ向けて脱落した状態を示す図1に対応した縦断面図である。 本発明の実施形態に係るBピラーガーニッシュアッパが、Bピラーに組み付けられる際の組付方向などを説明するための図1に対応した縦断面図である。 比較例に係るBピラーガーニッシュアッパが、側面衝突時のBピラーの変形に伴って、車幅方向内側の斜め上方側へ向けて脱落した状態を示す縦断面図である。 比較例に係るBピラーガーニッシュアッパが、Bピラーに組み付けられる際の状況を説明するための図であり、(A)は、比較例に係るBピラーガーニッシュアッパの上端部に設けられたジャンプ台がルーフヘッドライニングとBピラーとの間に押し込まれる際の状況を示す縦断面図であり、(B)は、BピラーガーニッシュアッパのクリップがBピラーのクリップ孔に差し込まれた状況を示す縦断面図である。 比較例に係るBピラーガーニッシュアッパのクリップが、Bピラーのクリップ孔に差し込まれる際の差込方向を説明するための拡大縦断面図である。
次に、図1〜図9を参照して本発明の実施形態に係るカーテンエアバッグの配設構造10について説明する。なお、各図中矢印FRは車両前方向を示し、矢印UPは車両上方向を示し、矢印INは車幅内側方向を示している。
本実施形態に係るカーテンエアバッグの配設構造10は、車体のBピラー12の車幅方向内側部分を構成するBピラーインナパネル14に係止されたBピラーガーニッシュ16を備えている。このBピラーガーニッシュ16は、Bピラーインナパネル14の上半部を車室側(車幅方向内側)から覆うBピラーガーニッシュアッパ18と、Bピラーインナパネル14の下半部を車室側から覆う図示しないBピラーガーニッシュロアとを備えている。
Bピラーガーニッシュアッパ18は、樹脂材料によって略板状に形成されたものであり、板厚方向が車幅方向に沿う状態でBピラーインナパネル14の車室側に配置されている。このBピラーガーニッシュアッパ18の上下方向中間部には、複数のクリップ支持部18Aが設けられている(なお、図1では説明の都合上、クリップ支持部18Aを1つだけ図示している)。このクリップ支持部18Aは、Bピラーガーニッシュアッパ18の裏面(Bピラーインナパネル14側の面)からBピラーインナパネル14側へ向けて断面台形状に突出している。このクリップ支持部18Aの先端部には、樹脂製のクリップ20が取り付けられており、このクリップ20がBピラーインナパネル14に形成されたクリップ孔22に対して車室側から車幅方向外側へ向けて差し込まれることにより、Bピラーガーニッシュアッパ18がBピラーインナパネル14に係止されている。
なお、Bピラーインナパネル14の上部側には、断面台形状に車室側へ膨出した膨出部14Aが設けられており、上述した複数のクリップ20のうちの1つは、この膨出部14Aの先端部に形成されたクリップ孔22に差し込まれている。
一方、Bピラーガーニッシュアッパ18の上方側の車幅方向外側には、カーテンエアバッグ装置24が配置されている。このカーテンエアバッグ装置24は、膨出部14Aの上方に配置されており、図2に示されるように、カーテンエアバッグ26と、インフレータ28(ガス発生器)と、エッジプロテクタ30(プロテクタ)とを備えている。カーテンエアバッグ26は、ロール折りにて長尺状に折り畳まれた状態で、車体の側部とルーフヘッドライニング32との間に配置されている(なお、図1、図2、図4〜図8においては、説明の都合上、カーテンエアバッグ26を概略的に記載している)。このカーテンエアバッグ26は、車体の側部を構成する図示しないルーフサイドレールに沿って車両前後方向に延びるように配置されており、Bピラー12に跨る状態で車体のAピラーからCピラー(何れも図示省略)までの間に延在している。
一方、エッジプロテクタ30は、軟質の合成樹脂材料(ここではポリプロピレン (PP)の中に、エチレン‐プロピレンゴム(EPDM,EPM)を微分散させたオレフィン系熱可塑性エラストマーであるThermo Plastic Olefin(所謂TPO))によって長尺状に成形されたものであり、長手方向が車両前後方向に沿う状態で車両のAピラーからCピラーまでの間にBピラー12に跨って延在している。このエッジプロテクタ30は、車体側部とカーテンエアバッグ26との間に配置されたバッグ保護部30Aを有している。
エッジプロテクタ30のバッグ保護部30Aは、本実施形態では断面略L字状に形成されており、カーテンエアバッグ26の上方側に配置された上壁30A1と、カーテンエアバッグ26の車幅方向外側に配置された縦壁30A2とを備えている。上壁30A1の上面には、複数のタブ30Bがエッジプロテクタ30の長手方向に並んで設けられている。これらのタブ30Bには、それぞれ金属プレート34が取り付けられている。各金属プレート34は、上記複数のタブ30Bに対応してカーテンエアバッグ26の上端縁に一体に設けられた図示しない複数の取付片を各々が挟持した状態で車体側部に締結されている。これにより、カーテンエアバッグ26及びエッジプロテクタ30が車体側部に固定されている。
また、図2に示されるように、縦壁30A2の下端からは、車幅方向内側の斜め下方側へ向けて延長部30Cが延出されている。この延長部30Cは、車幅方向外側へ向けて屈曲した先端部がルーフヘッドライニング32の端末部32Aの裏面に対して当接又は近接して配置されている。この延長部30Cの先端部には、複数のクリップ孔40がエッジプロテクタ30の長手方向に適宜間隔をあけて形成されている。これらのクリップ孔40には、ルーフヘッドライニング32の端末部32Aの裏面に固定された図示しない樹脂製のサイドクリップ20が差し込まれている。これにより、ルーフヘッドライニング32の端末部32Aがエッジプロテクタ30に係止されている。
さらに、このエッジプロテクタ30の長手方向中間部(Bピラー12に対向した部位)には、ジャンプ台30Dが設けられている。このジャンプ台30Dは、縦壁30A2の下端からBピラーガーニッシュアッパ18の上端部へ向けて延出された板状の案内壁30D1と、案内壁30D1の先端から下方側へ向けて延出された板状の垂下壁30D2と、案内壁30D1の下面と垂下壁30D2の車幅方向外側面との間に掛け渡されると共に、下端がBピラーインナパネル14の膨出部14Aの上面に当接した板状のリブ30D3と、を備えている。
案内壁30D1は、車幅方向内側端部が車幅方向外側端部よりも低くなるように傾斜して配置されており、先端部がBピラーガーニッシュアッパ18の上端部及びルーフヘッドライニング32の端末部32Aに対向して配置されている。また、垂下壁30D2は、ルーフヘッドライニング32の端末部32Aよりも下方側へ延長されており、Bピラーガーニッシュアッパ18の上端部に対して車幅方向外側に重なり合って配置されている。この垂下壁30D2の下端部には、図3に示されるように、車両前後方向に沿って長尺状な矩形状の係止孔36が形成されている。この係止孔36は、前述したクリップ支持部18Aよりも上方側で、Bピラーガーニッシュアッパ18の上端部に設けられた爪部18Bに対応している。
この爪部18Bは、板厚方向が上下方向に沿った板状に形成され、Bピラーガーニッシュアッパ18の裏面(Bピラー12側の面)からBピラー12側へ向けて突出しており、垂下壁30D2の係止孔36に対して車室側から差し込まれている。この爪部18Bの先端部は、垂下壁30D2よりもBピラー12側へ突出しており、当該先端部には、上方側へ向けて断面三角形に突出した返し18B1が設けられている。これにより、爪部18Bは、返し18B1が係止孔36の孔縁部に引っ掛かることで、係止孔36からの不用意な抜け出しを阻止されている。これにより、Bピラーガーニッシュアッパ18の上端部が、エッジプロテクタ30の垂下壁30D2に係止(連結)されている。
なお、エッジプロテクタ30の後端部には、上述した案内壁30D1と基本的に同様な案内壁30E1を備えたジャンプ台30Eが設けられている。このジャンプ台30Eの案内壁30E1は、バッグ保護部30Aの縦壁30A2の下端から図示しないCピラーガーニッシュの上端部へ向けて延出されている。このCピラーガーニッシュは、車体のCピラー(図示省略)を車室側から覆っている。
一方、図2に示されるように、カーテンエアバッグ26の長手方向中間部からは、筒状のガス供給口26Aが延出されている。このガス供給口26Aは、エッジプロテクタ30のバッグ保護部30Aの上壁30A1に形成された切欠38を介して上壁30A1の上方側へ引き出されており、このガス供給口26Aの先端には、インフレータ28が接続されている。このインフレータ28は、略円柱形状に形成されており、図示しないブラケットを介して車体側部に固定されている。
このインフレータ28には、車両に搭載された図示しないエアバッグECUが電気的に接続されており、このエアバッグECUには、車両に搭載された図示しない側面衝突検知センサ及びロールオーバーセンサが電気的に接続されている。このエアバッグECUは、側面衝突検知センサ及びロールオーバーセンサによって車両の側面衝突状態又はロールオーバー状態が検知された際にインフレータ28に通電してインフレータ28を作動させる。これにより、インフレータ28がガス供給口26Aを介してカーテンエアバッグ26内へガスを噴出するようになっている。
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
本実施形態では、車両が側面衝突又はロールオーバーをすると、エアバッグECUによってインフレータ28が作動され、ガス供給口26Aを介してカーテンエアバッグ26内にガスが噴出される。これにより、カーテンエアバッグ26がエッジプロテクタ30のジャンプ台30Dに膨張方向を案内されつつ車室側へ膨張するが、この際、カーテンエアバッグ26は、エッジプロテクタ30のバッグ保護部30Aによって車体側部との干渉を防止される。したがって、車体側部(ルーフサイドレールなど)の角部やバリ等との干渉によってカーテンエアバッグ26が破損することを防止できる。しかも、このエッジプロテクタ30は、ゴム材が混ぜ合わされた軟質の合成樹脂材料(所謂TPO)によって成形されたものであるため、カーテンエアバッグ26を弾力的に保護することができる。
カーテンエアバッグ26が膨張すると、このカーテンエアバッグ26の膨張圧によってルーフヘッドライニング32の端末部32Aが車室側へ押圧される。これにより、端末部32Aの裏面に固定された図示しないサイドクリップがエッジプロテクタ30のクリップ孔22から抜け出して、エッジプロテクタ30に対する端末部32Aの係止が解除される。これにより、カーテンエアバッグ26は、図4に示されるように、端末部32Aを車室側へ撓ませつつ(押し開きつつ)、ルーフサイドレールの下方側へカーテン状に展開する。これにより、側面衝突又はロールオーバーの衝撃から車両乗員を良好に保護することができる。
ここで、本実施形態では、上述のエッジプロテクタ30は、カーテンエアバッグ26の下方側でバッグ保護部30Aの下端からBピラーガーニッシュアッパ18の上端部へ向けて延出されたジャンプ台30Dを有している。そして、このジャンプ台30Dの垂下壁30D2に形成された係止孔36には、Bピラーガーニッシュアッパ18の上端部に設けられた爪部18Bが差し込まれており、この爪部18Bの先端部には返し18B1が設けられている。このため、図5に示されるように、クリップ20によってBピラーインナパネル14に係止されたBピラーガーニッシュアッパ18が、側面衝突時の衝撃荷重FによるBピラー12の変形に伴って、Bピラーインナパネル14から外れた場合においても、爪部18Bの返し18B1が係止孔36の孔縁部に引っ掛かることにより、Bピラーガーニッシュアッパ18の上端部とジャンプ台30Dの先端部との離間が阻止される。これにより、カーテンエアバッグ26の膨張展開時にカーテンエアバッグ26がBピラーガーニッシュアッパ18とBピラーインナパネル14との間へ入り込むことをジャンプ台30Dによって阻止することができる。
つまり、図7に示される比較例のように、Bピラーガーニッシュアッパ18の上端にジャンプ台18Cが一体形成されている構成においては、側面衝突時のBピラー12の変形に伴ってBピラーガーニッシュアッパ18がBピラーインナパネル14から外れると、Bピラーガーニッシュアッパ18とBピラーインナパネル14との間に隙間42が生じてしまうため、カーテンエアバッグ26がその隙間42に入り込んでしまう可能性がある(図7に実線で示されるカーテンエアバッグ26参照。なお、図7においては、カーテンエアバッグ26が正常に膨張している状態が二点鎖線により示されている。
この点、本実施形態においては、上述の如く爪部18Bの返し18B1が係止孔36の孔縁部に引っ掛かることにより、Bピラーガーニッシュアッパ18とジャンプ台30Dとの離間が阻止されるため、図5に示される如くカーテンエアバッグ26を適正に車室内へ膨張展開させることができる。
しかも、本実施形態では、返し18B1が爪部18Bから上方側へ向けて突出している。このため、所謂ポール側突時にBピラー12が局所的に大きく変形することに伴って、Bピラーガーニッシュアッパ18がBピラーインナパネル14に対して車室内側の斜め上方側へ脱落した場合(図5の矢印A参照)でも、爪部18Bの返し18B1がジャンプ台30Dの係止孔36の孔縁部に良好に引っ掛かる。つまり、この場合、返し18B1が係止孔36の孔縁部に引っ掛かる方向へBピラーガーニッシュアッパ18が脱落するため、Bピラーガーニッシュアッパ18とジャンプ台30Dとの離間を良好に阻止することができる。これにより、Bピラーガーニッシュアッパ18とBピラーインナパネル14との間にカーテンエアバッグ26が入り込むことを一層良好に阻止することができる。
また、本実施形態では、車両の製造時において、Bピラーガーニッシュアッパ18をBピラーインナパネル14へ組み付ける際には、Bピラーガーニッシュアッパ18に設けられたクリップ20をBピラーインナパネル14のクリップ孔22に差し込むと共に、Bピラーガーニッシュアッパ18の上端部に設けられた爪部18Bをジャンプ台30Dの係止孔36へ差し込むだけでよいため、Bピラーインナパネル14へのBピラーガーニッシュアッパ18の組付け作業性が極めて容易である。
つまり、図8(A)及び図8(B)に示される比較例のように、Bピラーガーニッシュアッパ18の上端にジャンプ台18Cが一体形成されている構成においては、Bピラーガーニッシュアッパ18をBピラーインナパネル14に組み付ける際には、Bピラーガーニッシュアッパ18と一体のジャンプ台18Cをルーフヘッドライニング32とBピラーインナパネル14との間の狭い隙間に押し込みながら組み付ける必要がある。このとき、ジャンプ台18Cの裏側に設けられたリブ18C1がBピラーインナパネル14の膨出部14Aに当るため、組付け作業が非常に困難である。この点、本実施形態では、ジャンプ台30Dがエッジプロテクタ30と一体に形成されているため、上述の如きジャンプ台30Dの押し込み作業が不要であり、これにより、Bピラーガーニッシュアッパ18の組付け作業性を格段に向上させることができる。
さらに、図8(A)及び図8(B)に示される比較例においては、先ず、図8(A)に示されるように、ジャンプ台18Cをルーフヘッドライニング32とBピラーインナパネル14との間に押し込み、その後で、図8(B)に示されるようにジャンプ台18C側を中心としてBピラーガーニッシュアッパ18をBピラーインナパネル14側へ回転させることにより、クリップ20をBピラーインナパネル14のクリップ孔22に差し込まなければならない。この場合、図9に示されるように、クリップ20がクリップ孔22に対して斜めに挿入されることになるため、組付け荷重が非常に高くなってしまう。しかも、この挿入作業は、Bピラーガーニッシュアッパ18の影になってクリップ20及びクリップ孔22が視認できない状態で行う必要があるため、組付け作業性が極めて悪いという問題がある。
この点、本実施形態においては、Bピラーガーニッシュアッパ18の組付時には、図6に示されるように、Bピラーガーニッシュアッパ18を、Bピラーインナパネル14への取付姿勢を保持したまま車幅方向外側へ向けて真っ直ぐにBピラーインナパネル14に接近させればよい。これにより、クリップ20が真っ直ぐにクリップ孔22に挿入され、爪部18Bが係止孔36に真っ直ぐに挿入されるため、組付け荷重が増加することを回避できる。したがって、これによっても組付け作業性を格段に向上させることができる。
また、本実施形態では、エッジプロテクタ30のジャンプ台30Dは、カーテンエアバッグ26の膨張方向を案内する案内壁30D1の先端から下方側へ向けて延出された垂下壁30D2を有しており、この垂下壁30D2の下端側に係止孔36が形成されている。これにより、係止孔36がルーフヘッドライニング32の端末部32Aよりも下方側へ離れて配置されているため、Bピラーガーニッシュアッパ18の爪部18Bを係止孔36に差し込む際にルーフヘッドライニング32が邪魔になることがない。したがって、これによっても組み付け作業性を向上させることができる。しかも、このジャンプ台30Dは、案内壁30D1の下面と垂下壁30D2の車幅方向外側面とに掛け渡されたリブ30D3を有しているため、ジャンプ台30Dを含めたエッジプロテクタ30の質量が増加することを抑制しつつ、リブ30D3によってジャンプ台30Dの剛性を確保することができる。
さらに、本実施形態では、Bピラーインナパネル14に設けられた膨出部14Aの上面にジャンプ台30Dのリブ30D3が当接して配置されているため、カーテンエアバッグ26の膨張展開時にカーテンエアバッグ26からジャンプ台30Dに入力される荷重を、膨出部14Aによって良好に支持することができる。これにより、ジャンプ台30Dの変形を抑制することができるため、ジャンプ台30Dによってカーテンエアバッグ26の膨張方向を的確に案内することができる。
なお、上記実施形態では、Bピラーインナパネル14に設けられた膨出部14Aの上面にジャンプ台30Dのリブ30D3が当接して配置された構成にしたが、請求項1に係る発明はこれに限らず、Bピラーインナパネル14に取り付けられた別の部材の上部にジャンプ台が当接して配置される構成にしてもよい。
また、上記実施形態では、ジャンプ台30Dが案内壁30D1と垂下壁30D2とを備え、この垂下壁30D2に係止孔36が形成された構成にしたが、請求項1に係る発明はこれに限らず、ジャンプ台は、先端側に係止孔が形成されたものであればよく、その構成は適宜変更することができる。
さらに、上記実施形態では、Bピラーガーニッシュアッパ18の上端側に設けられた爪部18Bが、エッジプロテクタ30のジャンプ台30Dの先端側に形成された係止孔36に差し込まれることで、Bピラーガーニッシュアッパ18とジャンプ台30Dとが連結された場合について説明したが、請求項1に係る発明はこれに限らず、Cピラーガーニッシュの上端側に設けられた爪部が、エッジプロテクタ30のジャンプ台30Eの先端側に形成された係止孔に差し込まれることで、Cピラーガーニッシュとジャンプ台30Eとが連結される構成にしてもよい。この場合、側面衝突時の衝撃によってCピラーガーニッシュがCピラーから外れた際に、CピラーガーニッシュとCピラーとの間に生じた隙間へカーテンエアバッグが入り込むことを、ジャンプ台30Eによって阻止することができる。
また、上記実施形態では、エッジプロテクタ30が所謂TPO(樹脂材料とゴム材料とからなる合成樹脂材料)によって形成された構成にしたが、請求項1に係る発明はこれに限らず、エッジプロテクタ30が他の種類の樹脂材料によって形成された構成にしてもよい。また、エッジプロテクタ30は、カーテンエアバッグ26と車体側部との間に配置されたバッグ保護部と、カーテンエアバッグ26の下方側で前記バッグ保護部からピラーガーニッシュアッパ18の上端側へ向けて延出されたジャンプ台とを有するものであればよく、その形状は適宜変更することができる。
その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記各実施形態に限定されないことは言うまでもない。
10 カーテンエアバッグの配設構造
12 Bピラー(ピラー)
14 Bピラーインナパネル
14A 膨出部
18 Bピラーガーニッシュアッパ(ピラーガーニッシュ)
18B 爪部
18B1 返し
26 カーテンエアバッグ
28 インフレータ(ガス発生器)
30 エッジプロテクタ(プロテクタ)
30A バッグ保護部
30D ジャンプ台
30D1 案内壁
30D2 垂下壁
30D3 リブ
32 ルーフヘッドライニング
36 係止孔

Claims (4)

  1. 車体側部のピラーに車室側から係合したクリップを有し、前記クリップによって前記ピラーの車室側に係止され、前記ピラー側へ突出した爪部が上端側に設けられると共に、前記爪部の先端側に返しが設けられたピラーガーニッシュと、
    前記ピラーガーニッシュの上方側の車幅方向外側において車体側部とルーフヘッドライニングとの間に折り畳み状態で配設され、ガス発生器が発生させたガスの圧力で膨張することにより前記ピラーガーニッシュと前記ルーフヘッドライニングとの間から車室内へ展開するカーテンエアバッグと、
    樹脂材料によって形成され、前記カーテンエアバッグと車体側部との間に配置されたバッグ保護部、及び前記カーテンエアバッグの下方側で前記バッグ保護部から前記ピラーガーニッシュの上端側へ向けて延出されたジャンプ台を有し、前記ジャンプ台の先端側に形成された係止孔に前記爪部が差し込まれたプロテクタと、
    を備えたカーテンエアバッグの配設構造。
  2. 前記返しは、前記爪部から上方側へ向けて突出していることを特徴とする請求項1に記載のカーテンエアバッグの配設構造。
  3. 前記ジャンプ台は、前記バッグ保護部の下端から前記ピラーガーニッシュの上端側へ向けて延出された案内壁と、前記案内壁の先端から下方側へ向けて延出されると共に前記係止孔が形成された垂下壁と、前記案内壁の下面と前記垂下壁の車幅方向外側面との間に掛け渡されたリブとを有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカーテンエアバッグの配設構造。
  4. 前記ピラーは、車室側へ膨出すると共に上面に前記ジャンプ台が当接した膨出部を有することを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のカーテンエアバッグの配設構造。
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