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JP2011151251A - バックグラインドテープ付き導電接続材料、端子間の接続方法及び電気、電子部品 - Google Patents

バックグラインドテープ付き導電接続材料、端子間の接続方法及び電気、電子部品 Download PDF

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JP2011151251A
JP2011151251A JP2010012129A JP2010012129A JP2011151251A JP 2011151251 A JP2011151251 A JP 2011151251A JP 2010012129 A JP2010012129 A JP 2010012129A JP 2010012129 A JP2010012129 A JP 2010012129A JP 2011151251 A JP2011151251 A JP 2011151251A
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JP
Japan
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conductive
resin composition
conductive connection
back grind
grind tape
Prior art date
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Application number
JP2010012129A
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English (en)
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Tomohiro Kagimoto
奉広 鍵本
Toshiaki Chuma
敏秋 中馬
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

【課題】 本発明の課題は、半導体ウエハの研磨工程において半導体ウエハの回路面を保護すること、及び研磨後の半導体ウエハの反りを低減することができ、また、半導体チップと回路基板の接続端子間において良好な電気的接続と隣接端子間において高い絶縁信頼性を得ることが可能であり、更には電気、電子部品の生産性に優れるバックグラインドテープ付き導電接続材料を提供することにある。
【解決手段】 本発明のバックグラインドテープ付き導電接続材料は、バックグラインドテープと、導電接続材料とが積層されてなるバックグラインドテープ付き導電接続材料であって、前記導電接続材料が、樹脂組成物と、半田箔又は錫箔から選ばれる金属箔とから構成される積層構造を有することを特徴とする。また、本発明の電気、電子部品は、上記に記載のバックグラインドテープ付き導電接続材料の導電接続材料を有することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、バックグラインドテープ付き導電接続材料、端子間の接続方法及び電気、電子部品に関する。
近年、半導体装置の軽薄短小化の技術革新は目覚しいものがあり、様々なパッケージ構造が提唱され、製品化されている。近年では、従来のリードフレーム接合に代わり、半導体チップと回路基板とを、半導体チップの回路面に直接形成された突起電極を介して接合するエリア実装方式が主流になりつつある。
このエリア実装方式の代表的なものとして、フリップチップ実装がある。フリップチップ実装においては、接合部分の補強や信頼性向上等を目的として、半導体チップと回路基板の間隙を樹脂組成物で封止することが一般的である。
樹脂封止方法としては、一般にキャピラリーアンダーフィル方式が挙げられる。この方法は、チップの一辺又は複数面に液状封止樹脂組成物を塗布し毛細管現象を利用して樹脂組成物を回路基板とチップの間隙に流れ込ませることによって行う(特許文献1)。
しかし、キャビラリーアンダーフィル方式では、フラックスを用いて半導体チップと回路基板を接合させる工程及び、フラックス洗浄工程が必要になるため、工程が長くなり、且つ、洗浄廃液の処理問題等環境管理を厳しくしなければならない。また、封止を毛細管現象で行うため封止時間が長くなり、生産性に問題があった。
また、フリップチップ実装において、異方性導電フィルムを用いて半導体チップと回路基板間の電気的接続及び封止を一括で行う方法が知られている。例えば、半田粒子を含む接着テープを部材間に介在させて熱圧着することにより、両部材の電気接続部間に半田粒子を介在させ、他部に樹脂成分を充填する方法が提案されている。また、導電性粒子と該導電性粒子の融点で硬化が完了しない樹脂成分とを含む異方性導電接着剤を用いた端子間の接続方法も提案されている(特許文献2及び特許文献3)。
しかし、導電性粒子の凝集を制御することは非常に難しく、(1)導電性粒子と端子、或いは、導電性粒子同士が十分に接触せずに対向する端子間の一部が導通しない場合や、(2)対向する端子間(導通性領域)以外の樹脂中(絶縁性領域)に導電性粒子が残存してリーク電流が発生し、隣接端子間の絶縁性が十分に確保できない場合があった。このため、従来の異方性導電接着剤や異方性導電フィルムでは、端子間の更なる狭ピッチ化に対応することが困難な状況である。
また、近年、半導体パッケージの薄型化の要求に伴い、半導体ウエハも薄く研磨されることが通常に行なわれている。半導体ウエハを研磨する際は、半導体ウエハの回路面を保護する目的で半導体ウエハの回路面にバックグラインドテープを圧着し、半導体ウエハの裏面を研磨する。その後、半導体ウエハの回路面とは反対側の面にダイアタッチフィルムを貼り付け、バックグラインドテープを剥離し、半導体ウエハを個片化することによりダイアタッチフィルム付き半導体チップを作製し、次いで、基板にダイアタッチフィルムを介して半導体チップを実装し、さらに、ワイヤボンディングといった工程を経ることにより電気、電子部品を製造することが行われているが、工程が煩雑でありより簡素な方法が求められている。
特開2007−217708号公報 特開昭61−276873号公報 特開2004−260131号公報
本発明の目的は、半導体ウエハの研磨工程において半導体ウエハの回路面を保護すること、及び研磨後の半導体ウエハの反りを低減することができ、また、半導体チップと回路基板の接続端子間において良好な電気的接続と隣接端子間において高い絶縁信頼性を得ることが可能であり、更には電気、電子部品の生産性に優れるバックグラインドテープ付き導電接続材料を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、上記導電接続材料を用いて電気的に接続されてなる、電気、電子部品を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(13)に記載の本発明により達成される。
(1)バックグラインドテープと、導電接続材料とが積層されてなるバックグラインドテープ付き導電接続材料であって、前記導電接続材料が、樹脂組成物と、半田箔又は錫箔から選ばれる金属箔とから構成される積層構造を有することを特徴とするバックグラインドテープ付き導電接続材料、
(2)接続電極が設けられた回路面を有する半導体ウエハの回路面と、前記バックグラインドテープ付き導電接続材料の前記導電接続材料とを接着させて用いるものである、(1)に記載のバックグラインドテープ付き導電接続材料、
(3)前記バックグラインドテープと、前記導電接続材料との間に、離型フィルムを有するものである(1)又は(2)に記載のバックグラインドテープ付き導電接続材料、
(4)前記樹脂組成物が、フラックス機能を有する化合物を含むものである(1)〜(3)のいずれか1項に記載のバックグラインドテープ付き導電接続材料、
(5)前記フラックス機能を有する化合物が、フェノール性水酸基及び/又はカルボキシル基を有する(4)に記載のバックグラインドテープ付き導電接続材料、
(6)前記導電接続材料が、樹脂組成物層/金属箔層/樹脂組成物層からなる積層構造を含む、(1)〜(5)のいずれか1項に記載のバックグラインドテープ付き導電接続材料、
(7)前記導電接続材料が、樹脂組成物層/金属箔層からなる積層構造を含む、(1)〜(5)のいずれか1項に記載のバックグラインドテープ付き導電接続材料、
(8)(1)〜(7)のいずれか1項に記載のバックグラインドテープ付き導電接続材料の導電接続材料と、接続電極が設けられた回路面を有する半導体ウエハの回路面とを接着する接着工程と、前記半導体ウエハの回路面と反対側の面を研磨する研磨工程と、前記バックグラインドテープ付き導電接続材料が接着された状態で個片化して半導体チップを得る個片化工程と、前記導電接続材料が接着された半導体チップをピックアップするピックアップ工程と、前記導電接続材料が接着された半導体チップを基板に搭載する搭載工程と、
前記金属箔の融点以上であり、且つ、前記樹脂組成物の硬化が完了しない温度で前記導電接続材料を加熱する加熱工程と、前記樹脂組成物を硬化させる硬化工程と、を含む端子間の接続方法、
(9)(1)〜(7)のいずれか1項に記載のバックグラインドテープ付き導電接続材料の導電接続材料と、接続電極が設けられた回路面を有する半導体ウエハの回路面とを接着するバックグラインドテープ付き導電接続材料接着工程と、前記半導体ウエハの回路面と
反対側の面を研磨する研磨工程と、前記バックグラインドテープ付き導電接続材料が接着された状態で個片化して半導体チップを得る個片化工程と、前記導電接続材料が接着された半導体チップをピックアップするピックアップ工程と、前記導電接続材料が接着された半導体チップを基板に搭載する搭載工程と、前記金属箔の融点以上であり、且つ、前記樹脂組成物が軟化する温度で前記導電接続材料を加熱する加熱工程と、前記樹脂組成物を固化させる固化工程と、を含む端子間の接続方法、
(10)(1)〜(7)のいずれか1項に記載のバックグラインドテープ付き導電接続材料の導電接続材料と、接続電極が設けられた回路面を有する半導体ウエハの回路面とを接着するバックグラインド付き導電接続材料接着工程と、前記半導体ウエハの回路面と反対側の面を研磨する研磨工程と、前記半導体ウエハの回路面と反対側の面にダイシングシートを接着するダイシングシート接着工程と、前記バックグラインドテープを剥離する剥離工程と、前記導電接続材料が接着された状態で個片化して半導体チップを得る個片化工程と、
前記導電接続材料が接着された半導体チップをピックアップするピックアップ工程と、前記導電接続材料が接着された半導体チップを基板に搭載する搭載工程と、前記金属箔の融点以上であり、且つ、前記樹脂組成物の硬化が完了しない温度で前記導電接続材料を加熱する加熱工程と、前記樹脂組成物を硬化させる硬化工程と、を含む端子間の接続方法、
(11)(1)〜(7)のいずれか1項に記載のバックグラインドテープ付き導電接続材料の導電接続材料と、接続電極が設けられた回路面を有する半導体ウエハの回路面とを接着するバックグラインドテープ付き導電接続材料接着工程と、前記半導体ウエハの回路面と反対側の面を研磨する研磨工程と、前記半導体ウエハの回路面と反対側の面にダイシングシートを接着するダイシングシート接着工程と、前記バックグラインドテープを剥離する剥離工程と、前記バックグラインドテープ付き導電接続材料が接着された状態で個片化して半導体チップを得る個片化工程と、前記導電接続材料が接着された半導体チップをピックアップするピックアップ工程と、前記導電接続材料が接着された半導体チップを基板に搭載する搭載工程と、前記金属箔の融点以上であり、且つ、前記樹脂組成物が軟化する温度で前記導電接続材料を加熱する加熱工程と、前記樹脂組成物を固化させる固化工程と、を含む端子間の接続方法、
(12)接続電極が設けられた回路面を有する半導体ウエハの回路面に、(1)〜(7)のいずれか1項に記載のバックグラインドテープ付き導電接続材料が接着してなる、導電接続材料付き電子部材、
(13)電子部材間が、(1)〜(7)のいずれか1項に記載のバックグラインドテープ付き導電接続材料を用いて電気的に接続されてなる、電気、電子部品。
本発明によれば、半導体ウエハの研磨工程において半導体ウエハの回路面を保護すること、及び研磨後の半導体ウエハの反りを低減することができ、また、半導体チップと回路基板の接続端子間において良好な電気的接続と隣接端子間において高い絶縁信頼性を得ることが可能であり、更には電気、電子部品の生産性に優れるバックグラインドテープ付き導電接続材料を提供することができる。
また、本発明によれば、上記導電接続材料を用いて電気的に接続されてなる、電気、電子部品を提供することができる。
本発明のバックグラインドテープ付き導電接続材料の一例を模式的に示す断面図である。 本発明に係る金属箔層の形状の一例を示す平面模式図である。 本発明に係る導電接続材料の製造方法の一例を模式的に示す断面図である。 本発明のバックグラインドテープ付き導電接続材料の製造方法の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の端子間の接続方法において、バックグラインドテープ付き導電接続材料に半導体ウエハを接着した状態の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の端子間の接続方法において、半導体ウエハの回路面と反対側の面を研磨する工程の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の端子間接続方法において、半導体ウエハの回路面と反対側の面にダイシングシートを接着した状態の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の端子間接続方法において、バックグラインドテープを剥離した状態の一例を示す断面図である。 本発明の端子間の接続方法において、半導体ウエハをダイシングする工程の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の端子間の接続方法において、半導体ウエハをダイシングした後の半導体チップ、導電接続材料の状態の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の端子間の接続方法において、半導体チップをピックアップする工程の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の端子間の接続方法において、導電接続材料が接着された半導体チップを基板に搭載する際の半導体チップ、基板及び導電接続材料の状態の一例を概略的に示す断面図である。 本発明の端子間の接続方法において、端子間に配置した導電接続材料を加熱、硬化/固化した後の基板、導電性領域及び絶縁性領域の状態の一例を概略的に示す断面図である。 本発明の端子間の接続方法において、バックグラインドテープ付き導電接続材料に半導体ウエハを接着した状態の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の端子間の接続方法において、半導体ウエハの回路面と反対側の面を研磨する工程の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の端子間の接続方法において、半導体ウエハをダイシングする工程の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の端子間の接続方法において、半導体ウエハをダイシングした後の半導体チップ、導電接続材料の状態の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の端子間の接続方法において、半導体チップをピックアップする工程の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の端子間の接続方法において、導電接続材料が接着された半導体チップを基板に搭載する際の半導体チップ、基板及び導電接続材料の状態の一例を概略的に示す断面図である。 本発明の端子間の接続方法において、端子間に配置した導電接続材料を加熱、硬化/固化した後の基板、導電性領域及び絶縁性領域の状態の一例を概略的に示す断面図である。
以下、本発明のバックグラインドテープ付き導電接続材料、該導電接続材料を用いた端子間の接続方法及び該導電接続材料を用いて電気的に接続されてなる電気、電子部品について詳細に説明する。
1.バックグラインドテープ付き導電接続材料
本発明のバックグラインドテープ付き導電接続材料10は、図1に示すように基材11と粘着剤層12とからなるバックグラインドテープ1、金属箔110と金属箔110の両面に設けられた樹脂組成物120とからなる導電接続材料2及び剥離基材21とで構成されている。図示しないが、バックグラインドテープ1と導電接続材料2との間には、離型フィルムが設けられていても良い。これにより、バックグラインドテープ1と導電接続材料2との間の剥離が容易となる。
<1>導電接続材料
以下、本発明に係る導電接続材料について説明するが、本発明に係る導電接続材料はこれに限定されるものではない。
本発明に係る導電接続材料は、樹脂組成物と半田箔又は錫箔から選ばれる金属箔とから構成される。その形態は、樹脂組成物層と金属箔層とからなる多層構造を有する積層体であり、樹脂組成物層及び金属箔層は各々一層であっても複数層であってもよい。導電接続材料の積層構造は特に制限されなく、樹脂組成物層と金属箔層との二層構造(樹脂組成物層/金属箔層)でもよいし、樹脂組成物層あるいは金属箔層の何れか又は両方を複数含む三層構造又はそれ以上の多層構造でもよい。なお、樹脂組成物層又は金属箔層を複数用いる場合、各層の組成は同一でもよく、異なっていてもよい。
本発明の一実施形態では、金属箔の表面酸化膜を、フラックス機能を有する化合物で還元する観点から、金属箔層の上下層は樹脂組成物層であることが好ましい。例えば、三層構造(樹脂組成物層/金属箔層/樹脂組成物層)が好ましい。この場合、金属箔層の両側にある樹脂組成物層の厚みは、同一でもよく、異なっていてもよい。樹脂組成物層の厚みは、接続しようとする端子の導体厚みなどによって適宜調整すればよい。例えば、金属箔層の両側にある樹脂組成物層の厚みが異なる導電接続材料を用いて接続端子を製造する場合、厚みが薄い方を接続端子側(電極側)に配置することが好ましい。金属箔と接続端子との距離を短くすることで、接続端子部分への半田又は錫成分の凝集を制御しやすくなる。
本発明の他の実施形態において、例えば半導体ウエハ等の電子部材に接続端子を製造する場合、導電接続材料が金属箔層の片側にのみ樹脂組成物層を有していると、金属箔の一部を露出させることができ好ましい。二層構造の導電接続材料を用いて対向する接続端子同士を接続する場合、樹脂組成物層側が接続端子と接するように配置してもよいし、金属箔層側が接続端子と接するように配置してもよい。二層構造の導電接続材料を用いて対向する電子部材の接続端子同士を接続する場合、対向する電子部材の双方に該導電接続材料を貼り付け、その後、導電接続材料付き電子部材を貼り合わせることが好ましい。導電接続材料の配置方向は、金属箔のパターン形状によって適宜選択すればよい。
次に、本発明で用いる樹脂組成物及び金属箔についてそれぞれ説明する。
(1)樹脂組成物
本発明において、樹脂組成物は、室温で液状又は固形状のいずれの形態であってもよい。ここで「室温で液状」とは、室温(25℃)で一定の形態を持たない状態を意味する。ペースト状も液状に含まれる。
本発明では、樹脂組成物として、硬化性樹脂組成物及び熱可塑性樹脂組成物のいずれを用いてもよい。本発明で用いる硬化性樹脂組成物としては、加熱又は化学線を照射することにより硬化するものなどが挙げられる。硬化後の線膨張率や弾性率等の機械特性に優れるという点では、熱硬化性樹脂組成物が好ましい。本発明で用いる熱可塑性樹脂組成物としては、所定の温度に加熱することにより、成形が可能な程度に柔軟性を有するものであれば、特に制限されない。
(a)硬化性樹脂組成物
本発明で用いる硬化性樹脂組成物には、硬化性樹脂のほか、必要に応じて、フィルム形成性樹脂、硬化剤、硬化促進剤、フラックス機能を有する化合物、シランカップリング剤などが含まれる。
(i)硬化性樹脂
本発明で用いる硬化性樹脂は、通常、半導体装置製造用の接着剤成分として使用できるものであれば特に限定されない。例えば、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、シリコーン樹脂、オキセタン樹脂、フェノール樹脂、(メタ)アクリレート樹脂、ポリエステル樹脂(不飽和ポリエステル樹脂)、ジアリルフタレート樹脂、マレイミド樹脂、ポリイミド樹脂(ポリイミド前駆体樹脂)、ビスマレイミド−トリアジン樹脂などが挙げられる。特に、エポキシ樹脂、(メタ)アクリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、マレイミド樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。中でも、硬化性と保存性、硬化物の耐熱性、耐湿性、耐薬品性に優れるという観点からエポキシ樹脂を用いることが好ましい。これらの硬化性樹脂は1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
硬化性樹脂の含有量は硬化性樹脂組成物の形態に応じて適宜設定することができる。
例えば、硬化性樹脂組成物が液状の場合、硬化性樹脂の含有量は、硬化性樹脂組成物の全重量に対して、10重量%以上が好ましく、15重量%以上がより好ましく、20重量%以上がさらに好ましく、25重量%以上がさらにより好ましく、30重量%以上がなお好ましく、35重量%以上が特に好ましい。また、100重量%未満が好ましく、95重量%以下がより好ましく、90重量%以下がさらに好ましく、75重量%以下がさらにより好ましく、65重量%以下がなお好ましく、55重量%以下が特に好ましい。
硬化性樹脂組成物が固形状の場合は、硬化性樹脂の含有量は、硬化性樹脂組成物の全重量に対して、5重量%以上が好ましく、10重量%以上がより好ましく、15重量%以上がさらに好ましく、20重量%以上が特に好ましい。また、90重量%以下が好ましく、85重量%以下がより好ましく、80重量%以下がさらに好ましく、75重量%以下がさらにより好ましく、65重量%以下がなお好ましく、55重量%以下が特に好ましい。
硬化性樹脂の含有量が前記範囲内にあると端子間の電気的接続強度及び機械的接着強度を十分に確保することができる。
本発明では、室温で液状及び室温で固形状のいずれのエポキシ樹脂を使用してもよい。室温で液状のエポキシ樹脂と室温で固形状のエポキシ樹脂とを併用してもよい。硬化性樹脂組成物が液状の場合には、室温で液状のエポキシ樹脂を用いることが好ましく、硬化性樹脂組成物が固形状の場合には、液状及び固形状のいずれのエポキシ樹脂を使用してもよいが、固形状のエポキシ樹脂を使用する場合はフィルム形成性樹脂を適宜併用することが好ましい。
室温(25℃)で液状のエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂などが好ましく挙げられる。ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂とを併用してもよい。
室温で液状のエポキシ樹脂のエポキシ当量は、150〜300g/eqが好ましく、160〜250g/eqがより好ましく、170〜220g/eqが特に好ましい。前記エポキシ当量が上記下限未満になると硬化物の収縮率が大きくなる傾向があり、反りが生じることがある。他方、前記上限を超えると、フィルム形成性樹脂を併用した場合に、フィルム形成性樹脂、特にポリイミド樹脂との反応性が低下する傾向にある。
室温(25℃)で固形状のエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、3官能エポキシ樹脂、4官能エポキシ樹脂などが挙げられる。中でも、固形3官能エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などが好ましい。これらのエポキシ樹脂は1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
室温で固形状のエポキシ樹脂のエポキシ当量は、150〜3000g/eqが好ましく
、160〜2500g/eqがより好ましく、170〜2000g/eqが特に好ましい。
室温で固形状のエポキシ樹脂の軟化点は、40〜120℃が好ましく、50〜110℃がより好ましく、60〜100℃が特に好ましい。前記軟化点が前記範囲内にあると、タック性を抑えることができ、容易に取り扱うことが可能となる。
(ii)フィルム形成性樹脂
固形状の硬化性樹脂組成物を使用する場合、前記硬化性樹脂とフィルム形成性樹脂とを併用することが好ましい。本発明で用いるフィルム形成性樹脂としては、有機溶媒に可溶であり、単独で製膜性を有するものであれば特に制限はない。熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂のいずれのものも使用することができ、また、これらを併用することもできる。具体的に、フィルム形成性樹脂としては、(メタ)アクリル系樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂(飽和ポリエステル樹脂)、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、シロキサン変性ポリイミド樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリプロピレン樹脂、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体、ポリアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ポリアミド樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−アクリル酸共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリ酢酸ビニル、ナイロンなどが挙げられる。中でも、(メタ)アクリル系樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びポリイミド樹脂が好ましい。フィルム形成性樹脂は1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル系樹脂」とは、(メタ)アクリル酸及びその誘導体の重合体、又は(メタ)アクリル酸及びその誘導体と他の単量体との共重合体を意味する。「(メタ)アクリル酸」などと表記するときは、「アクリル酸又はメタクリル酸」などを意味する。
本発明で用いる(メタ)アクリル系樹脂としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、ポリアクリル酸−2−エチルヘキシルなどのポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチルなどのポリメタクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリル、ポリアクリルアミド、アクリル酸ブチル−アクリル酸エチル−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−アクリル酸共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体、メタクリル酸メチル−アクリロニトリル共重合体、メタクリル酸メチル−α−メチルスチレン共重合体、アクリル酸ブチル−アクリル酸エチル−アクリロニトリル−2−ヒドロキシエチルメタクリレート−メタクリル酸共重合体、アクリル酸ブチル−アクリル酸エチル−アクリロニトリル−2−ヒドロキシエチルメタクリレート−アクリル酸共重合体、アクリル酸ブチル−アクリロニトリル−2−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体、アクリル酸ブチル−アクリロニトリル−アクリル酸共重合体、アクリル酸ブチル−アクリル酸エチル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エチル−アクリロニトリル−N,N−ジメチルアクリルアミド共重合体などが挙げられる。中でも、アクリル酸ブチル−アクリル酸エチル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エチル−アクリロニトリル−N,N−ジメチルアクリルアミドが好ましい。これらの(メタ)アクリル系樹脂は1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明で用いるフェノキシ樹脂の骨格は、特に制限されないが、ビスフェノールAタイプ、ビスフェノールFタイプ、ビフェニルタイプなどが好ましく挙げられる。
本発明で用いるポリイミド樹脂としては、繰り返し単位中にイミド結合を持つ樹脂であれば特に制限されない。例えば、ジアミンと酸二無水物を反応させ、得られたポリアミド酸を加熱、脱水閉環することにより得られるものが挙げられる。
前記ジアミンとしては、例えば、3,3’−ジメチル−4,4’ジアミノジフェニル、4,6−ジメチル−m−フェニレンジアミン、2,5−ジメチル−p−フェニレンジアミンなどの芳香族ジアミン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)―1,1,3,3―テトラメチルジシロキサンなどのシロキサンジアミンが挙げられる。ジアミンは1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
また、前記酸二無水物としては、3,3,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、ピロメリット酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物などが挙げられる。酸二無水物は1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
ポリイミド樹脂は、溶剤に可溶なものでも、不溶なものでもよいが、他の成分と混合する際のワニス化が容易であり、取扱性に優れている点で溶剤可溶性のものが好ましい。特に、様々な有機溶媒に溶解できる点でシロキサン変性ポリイミド樹脂を用いることが好ましい。
本発明で用いるフィルム形成性樹脂の重量平均分子量は8,000〜1,000,000が好ましく、8,500〜950,000がより好ましく、9,000〜900,000がさらに好ましい。フィルム形成性樹脂の重量平均分子量が上記の範囲であると、製膜性を向上させることが可能で、且つ、硬化前の導電接続材料の流動性を抑制することができる。なお、フィルム形成性樹脂の重量平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)により測定することができる。
本発明においては、このようなフィルム形成性樹脂として市販品を使用することができる。さらに、本発明の効果を損ねない範囲で、フィルム形成性樹脂に、可塑剤、安定剤、無機フィラー、帯電防止剤や顔料などの各種添加剤を配合したものを使用してもよい。
本発明に用いられる導電接続材料において、前記フィルム形成性樹脂の含有量は、使用する硬化性樹脂組成物の形態に応じて適宜設定することができる。
例えば、固形状の硬化性樹脂組成物の場合には、フィルム形成性樹脂の含有量は、硬化性樹脂組成物の全重量に対して、5重量%以上であることが好ましく、10重量%以上であることがより好ましく、15重量%以上であることが特に好ましい。また、50重量%以下であることが好ましく、45重量%以下であることがより好ましく、40重量%以下であることが特に好ましい。フィルム形成性樹脂の含有量が前記範囲内にあると溶融前の硬化性樹脂組成物の流動性を抑制することができ、導電接続材料を容易に取り扱うことが可能となる。
(iii)硬化剤
本発明で用いる硬化剤としては、フェノール類、酸無水物及びアミン化合物が好ましく挙げられる。硬化剤は、硬化性樹脂の種類などに応じて適宜選択することができる。例えば、硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を使用する場合、エポキシ樹脂との良好な反応性、硬化時の低寸法変化及び硬化後の適切な物性(例えば、耐熱性、耐湿性など)が得られる点で硬化剤としてフェノール類を用いることが好ましく、硬化性樹脂の硬化後の物性が優れている点で2官能以上のフェノール類がより好ましい。また、このような硬化剤は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記フェノール類としては、例えば、ビスフェノールA、テトラメチルビスフェノール
A、ジアリルビスフェノールA、ビフェノール、ビスフェノールF、ジアリルビスフェノールF、トリスフェノール、テトラキスフェノール、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂などが挙げられる。中でも、エポキシ樹脂との反応性が良好であり、硬化後の物性が優れている点でフェノールノボラック樹脂及びクレゾールノボラック樹脂が好ましい。
硬化剤の含有量は、使用する硬化性樹脂や硬化剤の種類及び後述するフラックス機能を有する化合物が硬化剤として機能する官能基を有する場合、その官能基の種類や使用量によって適宜選択することができる。
例えば、硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いた場合、硬化剤の含有量は硬化性樹脂組成物の全重量に対して、0.1〜50重量%が好ましく、0.2〜40重量%がより好ましく、0.5〜30重量%が特に好ましい。硬化剤の含有量が前記範囲内にあると端子間の電気的接続強度及び機械的接着強度を十分に確保することができる。
(iv)硬化促進剤
本発明で用いる硬化促進剤としては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4−メチルイミダゾリル(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル(1’)]−エチル−s−トリアジンのイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールのイソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールのイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシジメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールなどのイミダゾール化合物が挙げられる。
前記硬化促進剤の含有量は、使用する硬化促進剤の種類に応じて適宜設定することができる。
例えば、イミダゾール化合物を使用する場合には、イミダゾール化合物の含有量は、硬化性樹脂組成物の全重量に対して、0.001重量%以上が好ましく、0.003重量%以上がより好ましく、0.005重量%以上が特に好ましい。また、1.0重量%以下が好ましく、0.7重量%以下がより好ましく、0.5重量%以下が特に好ましい。イミダゾール化合物の含有量が前記下限未満になると硬化促進剤としての作用が十分に発揮されず、硬化性樹脂組成物を十分に硬化できない場合がある。他方、イミダゾール化合物の含有量が前記上限を超えると、硬化性樹脂組成物の硬化が完了する前に半田又は錫が端子表面に十分に移動せず、絶縁性領域に半田又は錫が残り絶縁性が十分に確保できない場合がある。また、導電接続材料の保存安定性が低下する場合がある。
(v)フラックス機能を有する化合物
本発明で用いるフラックス機能を有する化合物は、端子及び金属箔の表面酸化膜など金属酸化膜を還元する作用を有するものである。例えば、フラックス機能を有する化合物としては、フェノール性水酸基及び/又はカルボキシル基を有する化合物が好ましい。フェノール性水酸基を有する化合物としては、例えば、フェノール、o−クレゾール、2,6−キシレノール、p−クレゾール、m−クレゾール、o−エチルフェノール、2,4−キ
シレノール、2,5−キシレノール、m−エチルフェノール、2,3−キシレノール、メジトール、3,5−キシレノール、p−tert−ブチルフェノール、カテコール、p−tert−アミルフェノール、レゾルシノール、p−オクチルフェノール、p−フェニルフェノール、ビスフェノールF、ビスフェノールAF、ビフェノール、ジアリルビスフェノールF、ジアリルビスフェノールA、トリスフェノール、テトラキスフェノールなどのフェノール性水酸基を含有するモノマー類、フェノールノボラック樹脂、o−クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールFノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂などのフェノール性水酸基を含有する樹脂が挙げられる。
カルボキシル基を有する化合物としては、例えば、脂肪族酸無水物、脂環式酸無水物、芳香族酸無水物、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸などが挙げられる。前記脂肪族酸無水物としては、無水コハク酸、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物などが挙げられる。前記脂環式酸無水物としては、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイミック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物などが挙げられる。前記芳香族酸無水物としては、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビストリメリテート、グリセロールトリストリメリテートなどが挙げられる。
前記脂肪族カルボン酸としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、オレイン酸、フマル酸、マレイン酸、シュウ酸、マロン酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、ピメリン酸などが挙げられる。中でも、下記式(1):
HOOC−(CH−COOH (1)
(式(1)中、nは1〜20の整数である。)
で表される脂肪族カルボン酸が好ましく、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸がより好ましい。
芳香族カルボン酸の構造は特に制限されないが、下記式(2)又は(3)で表される化合物が好ましい。
Figure 2011151251
[式中、R〜Rは、それぞれ独立して、1価の有機基であり、R〜Rの少なくとも一つは水酸基である。]
Figure 2011151251
[式中、R〜R20は、それぞれ独立して、1価の有機基であり、R〜R20の少なくとも一つは水酸基又はカルボキシル基である。]
芳香族カルボン酸としては、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘミメリット酸、トリメリット酸、トリメシン酸、メロファン酸、プレートニ酸、ピロメリット酸、メリット酸、キシリル酸、ヘメリト酸、メシチレン酸、プレーニチル酸、トルイル酸、ケイ皮酸、サリチル酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、ゲンチジン酸(2,5−ジヒドロキシ安息香酸)、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、浸食子酸(3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸)、4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,5−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,5−2−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸などのナフトエ酸誘導体、フェノールフタリン、ジフェノール酸などが挙げられる。
これらの中でも、本発明では、フラックス機能を有するだけでなく、硬化性樹脂の硬化剤として作用する化合物であることが好ましい。すなわち、本発明で用いるフラックス機能を有する化合物としては、金属箔及び端子などの金属の表面酸化膜を還元する作用を示し、且つ、硬化性樹脂と反応可能な官能基を有する化合物を用いることが好ましい。該官能基は、硬化性樹脂の種類によって適宜選択する。例えば、硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合、該官能基は、カルボキシル基、水酸基及びアミノ基などのエポキシ基と反応可能な官能基が好ましい。フラックス機能を有する化合物が硬化剤としても作用することで、金属箔及び端子などの金属の表面酸化膜を還元して金属表面の濡れ性を高め、導電性領域の形成を容易にすると共に、導電性領域を形成した後は、硬化性樹脂に付加して樹脂の弾性率又はTgを高めることができる。また、フラックス機能を有する化合物が硬化剤として作用することで、フラックス洗浄が不要となり、フラックス成分が残存することによるイオンマイグレーションの発生を抑制することができるといった利点がある。
このようなフラックス機能を有する化合物としては、カルボキシル基を少なくとも1つ有していることが好ましい。例えば、硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合、該化合物としては、脂肪族ジカルボン酸又はカルボキシル基とフェノール性水酸基とを有する化合物などが挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸としては、脂肪族炭化水素基にカルボキシル基が2個結合した化合物が好ましく挙げられる。脂肪族炭化水素基は、飽和又は不飽和の非環式であってもよいし、飽和又は不飽和の環式であってもよい。また、脂肪族炭化水素基が非環式の場合には直鎖状でも分岐状でもよい。
このような脂肪族ジカルボン酸としては、前記式(1)においてnが1〜20の整数である化合物が好ましく挙げられる。前記式(1)中のnが上記範囲内であると、フラックス活性、接着時のアウトガス、導電接続材料が硬化した後の弾性率及びガラス転移温度のバランスが良好なものとなる。特に、導電接続材料の硬化後の弾性率の増加を抑制し、被接着物との接着性を向上させることができることから、nは3以上が好ましい。また、弾性率の低下を抑制し、接続信頼性をさらに向上させることができることから、nは10以下が好ましい。
前記式(1)で示される脂肪族ジカルボン酸としては、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、エイコサン二酸などが挙げられる。中でも、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデンカン二酸が好ましく、セバシン酸が特に好ましい。
前記カルボキシル基とフェノール性水酸基とを有する化合物としては、サリチル酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、ゲンチジン酸(2,5−ジヒドロキシ安息香酸)、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、浸食子酸(3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸)などの安息香酸誘導体、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,5−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸などのナフトエ酸誘導体、フェノールフタリン、ジフェノール酸などが挙げられる。中でも、フェノールフタリン、ゲンチジン酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸が好ましく、フェノールフタリン、ゲンチジン酸が特に好ましい。
フラックス機能を有する化合物は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。また、いずれの化合物も吸湿しやすく、ボイド発生の原因となるため、フラックス機能を有する化合物を使用前に予め乾燥させておくことが好ましい。
フラックス機能を有する化合物の含有量は、使用する樹脂組成物の形態に応じて適宜設定することができる。
例えば、樹脂組成物が液状の場合、フラックス機能を有する化合物の含有量は、硬化性樹脂組成物の全重量に対して、1重量%以上が好ましく、2重量%以上がより好ましく、3重量%以上が特に好ましい。また、50重量%以下が好ましく、40重量%以下がより好ましく、30重量%以下がさらに好ましく、25重量%以下が特に好ましい。
固形状の樹脂組成物の場合には、フラックス機能を有する化合物の含有量は、硬化性樹脂組成物の全重量に対して、1重量%以上が好ましく、2重量%以上がより好ましく、3重量%以上が特に好ましい。また、50重量%以下が好ましく、40重量%以下がより好ましく、30重量%以下がさらに好ましく、25重量%以下が特に好ましい。
フラックス機能を有する化合物の含有量が上記範囲内であると、金属箔及び端子の表面酸化膜を電気的に接合できる程度に除去することができる。さらに、樹脂組成物が硬化性樹脂の場合、硬化時に、樹脂に効率よく付加して樹脂の弾性率又はTgを高めることができる。また、未反応のフラックス機能を有する化合物に起因するイオンマイグレーションの発生を抑制することができる。
(vi)シランカップリング剤
本発明で用いるシランカップリング剤としては、エポキシシランカップリング剤、芳香族含有アミノシランカップリング剤などが挙げられる。シランカップリング剤を添加することにより、接合部材と導電接続材料との密着性を高めることができる。シランカップリング剤は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
シランカップリング剤の含有量は、接合部材や硬化性樹脂などの種類に応じて適宜選択
することができる。例えば、シランカップリング剤の含有量は、硬化性樹脂組成物の全重量に対して、0.01重量%以上が好ましく、0.05重量%以上がより好ましく、0.1重量%以上が特に好ましく、また、2重量%以下が好ましく、1.5重量%以下がより好ましく、1重量%以下が特に好ましい。
本発明で用いる硬化性樹脂組成物には、本発明の効果を損ねない範囲で、可塑剤、安定剤、粘着付与剤、滑剤、充填剤、帯電防止剤及び顔料などを配合してもよい。
本発明において、前記硬化性樹脂組成物は、上記各成分を混合・分散させることによって調製することができる。各成分の混合方法や分散方法は特に限定されず、従来公知の方法で混合、分散させることができる。
また、本発明においては、前記各成分を溶媒中で又は無溶媒下で混合して液状の硬化性樹脂組成物を調製してもよい。このとき用いられる溶媒としては、各成分に対して不活性なものであれば特に限定はないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、ジイソブチルケトン(DIBK)、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール(DAA)などのケトン類、ベンゼン、キシレン、トルエンなどの芳香族炭化水素類、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコールなどのアルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのセロソルブ類、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ニ塩基酸エステル(DBE)、3−エトキシプロピオン酸エチル(EEP)、ジメチルカーボネート(DMC)などが挙げられる。また、溶媒の使用量は、溶媒に混合した成分の固形分濃度が10〜60重量%となる量であることが好ましい。
(b)熱可塑性樹脂組成物
本発明においては、樹脂組成物として熱可塑性樹脂組成物を用いることもできる。
本発明で用いる熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂のほか、必要に応じて、フラックス機能を有する化合物、シランカップリング剤などが含まれる。
(i)熱可塑性樹脂
本発明で用いる熱可塑性樹脂としては、例えば、酢酸ビニル系、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、塩化ビニル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、シロキサン変性ポリイミド樹脂、ポリブタジエン樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、イソブチレン樹脂、ビニルエーテル樹脂、液晶ポリマー樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリウレタン樹脂、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体、ポリアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ブチルゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−アクリル酸共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリ酢酸ビニル等が挙げられる。熱可塑性樹脂は、単一の重合体でもよく、上記熱可塑樹脂の2種以上の共重合体でもよい。
熱可塑性樹脂の軟化点は、特に制限されないが、導電接続材料を構成する前記金属箔の融点より10℃以上低いことが好ましく、20℃以上低いことが特に好ましく、30℃以上低いことがより好ましい。
また、熱可塑性樹脂の分解温度は、特に制限されないが、導電接続材料を構成する金属箔の融点よりも10℃以上高いことが好ましく、20℃以上高いことが特に好ましく、30℃以上高いことがより好ましい。
熱可塑性樹脂の含有量は使用する熱可塑性樹脂組成物の形態に応じて適宜設定することができる。
例えば、熱可塑性樹脂組成物が液状の場合、熱可塑性樹脂の含有量は、熱可塑性樹脂組成物の全重量に対して、10重量%以上が好ましく、15重量%以上がより好ましく、20重量%以上がさらに好ましく、25重量%以上がさらにより好ましく、30重量%以上がなお好ましく、35重量%以上が特に好ましい。また、100重量%以下が好ましく、95重量%以下がより好ましく、90重量%以下がさらに好ましく、75重量%以下がさらにより好ましく、65重量%以下がなお好ましく、55重量%以下が特に好ましい。
熱可塑性樹脂組成物が固形状の場合は、熱可塑性樹脂の含有量は、熱可塑性樹脂組成物の全重量に対して、5重量%以上が好ましく、10重量%以上がより好ましく、15重量%以上がさらに好ましく、20重量%以上が特に好ましい。また、90重量%以下が好ましく、85重量%以下がより好ましく、80重量%以下がさらに好ましく、75重量%以下がさらにより好ましく、65重量%以下がなお好ましく、55重量%以下が特に好ましい。
熱可塑性樹脂の含有量が上記の範囲内であると端子間の電気的接続強度及び機械的接着強度を十分に確保することができる。
(ii)その他の添加剤
本発明の熱可塑性樹脂組成物で用いるフラックス機能を有する化合物、シランカップリング剤、その他の添加剤は、前記「(a)硬化性樹脂組成物」において説明したものと同じものを用いることができる。各成分の含有量、好ましい化合物及び調製方法も硬化性樹脂組成物で説明したものと同様である。
本発明においては、樹脂組成物として硬化性樹脂組成物を用いることが好ましい。中でも、樹脂組成物の全重量に対して、エポキシ樹脂10〜90重量%、硬化剤0.1〜50重量%、フィルム形成性樹脂5〜50重量%及びフラックス機能を有する化合物1〜50重量%を含むものがより好ましい。また、樹脂組成物の全重量に対して、エポキシ樹脂20〜80重量%、硬化剤0.2〜40重量%、フィルム形成性樹脂10〜45重量%及びフラックス機能を有する化合物2〜40重量%を含むものがさらに好ましい。また、樹脂組成物の全重量に対して、エポキシ樹脂35〜55重量%、硬化剤0.5〜30重量%、フィルム形成性樹脂15〜40重量%及びフラックス機能を有する化合物3〜25重量%を含むものが特に好ましい。
本発明の導電接続材料において樹脂組成物層の各々の厚みは、特に制限されないが、1μm以上が好ましく、3μm以上がより好ましく、5μm以上が特に好ましい。また、樹脂組成物層の厚みは、200μm以下が好ましく、150μm以下がより好ましく、100μm以下が特に好ましい。樹脂組成物層の厚みが前記範囲内にあると、隣接する端子間の間隙に樹脂組成物を十分に充填することができ、樹脂組成物の硬化後又は固化後の機械的接着強度及び対向する端子間の電気的接続を十分に確保することができ、接続端子の製造も可能にすることができる。
本発明の導電接続材料が樹脂組成物層を複数含む場合、各樹脂組成物層の組成は同一でもよいし、用いる樹脂成分の種類や配合処方の違いなどにより異なっていてもよい。樹脂組成物層の溶融粘度や軟化温度などの物性も同一でもよいし異なっていてもよい。例えば液状の樹脂組成物層と固形状の樹脂組成物層とを組み合わせて用いてもよい。
(2)金属箔
本発明において金属箔層は、半田箔又は錫箔から選ばれる金属箔で構成される層である。金属箔層は平面視で樹脂組成物層の少なくとも一部に形成されていればよく、樹脂組成物層の全面に形成されていてもよい。
金属箔層の形状は特に制限されなく、一定の形状が繰り返しパターン状に形成されていてもよいし、形状が不規則であってもよい。規則的な形状と不規則な形状とが混在していてもよい。図2は、金属箔層の形状の一例を示す平面模式図である。樹脂組成物層160の上に様々な形状をもつ金属箔層150が形成されている。金属箔層の形状としては、例えば、図2に示されるような点線の抜き模様状(a)、縞模様状(b)、水玉模様状(c)、矩形模様状(d)、チェッカー模様状(e)、額縁状(f)、格子模様状(g)又は多重の額縁状(h)などが挙げられる。これらの形状は一例であり、目的や用途に応じてこれらの形状を組み合わせたり、変形させて用いることができる。
本発明の一実施態様において、接続しようとする電極が被着体の接続面全体に配置されているようなフルグリッド型の被着体を接続する場合、樹脂組成物の全面にシート状の金属箔を形成することが好ましい。
また、接続しようとする電極が被着体の接続面の周辺部に配置されるようなペリフェラル型の被着体を接続する場合、金属箔を有効に利用する観点、及び、隣接する電極間に金属箔を残存させないという観点から、樹脂組成物の少なくとも一部に繰り返しパターン状の金属箔を形成することが好ましい。このとき、金属箔の形状は電極のピッチや形態等によって適宜選択することができる。
本発明に使用する金属箔は、特に制限はないが、錫(Sn)、鉛(Pb)、銀(Ag)、ビスマス(Bi)、インジウム(In)、亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)、アンチモン(Sb)、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)、金(Au)、ゲルマニウム(Ge)及び銅(Cu)からなる群から選択される少なくとも2種以上の金属の合金、又は錫単体からなることが好ましい。
これらのうち、溶融温度及び機械的物性を考慮すると、金属箔は、Sn−Pbの合金、鉛フリー半田であるSn−Biの合金、Sn−Ag−Cuの合金、Sn−Inの合金、Sn−Agの合金などのSnを含む合金からなる半田箔がより好ましい。Sn−Pbの合金を用いる場合、錫の含有率は、30重量%以上100重量%未満が好ましく、35重量%以上100重量%未満がより好ましく、40重量%以上100重量%未満が特に好ましい。また、鉛フリー半田の場合の錫の含有率は、15重量%以上100重量%未満が好ましく、20重量%以上100重量%未満がより好ましく、25重量%以上100重量%未満が特に好ましい。例えば、Sn−Pbの合金としては、Sn63−Pb(融点183℃)、鉛フリー半田としては、Sn−3.0Ag−0.5Cu(融点217℃)、Sn−3.5Ag(融点221℃)、Sn−58Bi(融点139℃)、Sn−9.0Zn(融点199℃)、Sn−3.5Ag−0.5Bi−3.0In(融点193℃)、Au−20Sn(融点280℃)、等が好ましく挙げられる。
金属箔は、接続しようとする電子部材や半導体装置の耐熱性に応じて適宜選択すればよい。例えば、半導体装置における端子間接続においては、半導体装置の部材が熱履歴により損傷するのを防止するため、融点が330℃以下(より好ましくは300℃以下、特に好ましくは280℃以下、さらに好ましくは260℃以下)である金属箔を用いることが好ましい。また、端子間接続後の半導体装置の耐熱性を確保するためには、融点が100℃以上(より好ましくは110℃以上、特に好ましくは120℃以上)である金属箔を用いることが好ましい。なお、金属箔の融点は、示差走査熱量計(DSC)により測定する
ことができる。
金属箔の厚みは、対向する端子間のギャップ、隣接する端子の中心間距離などに応じて適宜選択することができる。例えば、半導体装置における半導体チップ、基板、半導体ウエハなどの各接続端子間の接続の場合、金属箔の厚みは、0.5μm以上が好ましく、3μm以上がより好ましく、5μm以上が特に好ましく、また、100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましく、20μm以下が特に好ましい。金属箔の厚みが前記下限未満になると半田又は錫不足により未接続の端子が増加する傾向にあり、他方、前記上限を超えると半田又は錫余剰により隣接端子間でブリッジを起こし、ショートしやすくなる傾向にある。
金属箔の作製方法としては、例えば、インゴットなどの塊から圧延により作製する方法、樹脂組成物層へ直接蒸着、スパッタ、めっきなどにより金属箔層を形成する方法が挙げられる。また、繰り返しパターン状の金属箔の作製方法としては、例えば、金属箔を所定のパターンに打抜く方法、エッチングなどにより所定のパターンを形成する方法、また、遮蔽板やマスクなどを使用することにより蒸着、スパッタ、めっきなどで形成する方法が挙げられる。
金属箔の含有量は、導電接続材料の全重量に対して、5重量%以上が好ましく、20重量%以上がより好ましく、30重量%以上が特に好ましい。また、100重量%未満が好ましく、80重量%以下がより好ましく、70重量%以下が特に好ましい。金属箔の含有量が上記下限未満になると半田又は錫不足により未接続の端子が増加する場合がある。他方、金属箔の含有量が上記上限を超えると半田又は錫余剰により隣接端子間でブリッジを起こしやすくなる。
あるいは、金属箔の含有量を導電接続材料に対する体積比率で定義してもよい。例えば、金属箔の含有量は、導電接続材料に対して1体積%以上が好ましく、5体積%以上がより好ましく、10体積%以上が特に好ましい。また、90体積%以下が好ましく、80体積%以下がより好ましく、70体積%以下が特に好ましい。金属箔の含有量が上記下限未満になると半田又は錫不足により未接続の端子が増加する場合がある。他方、金属箔の含有量が上記上限を超えると半田又は錫余剰により隣接端子間でブリッジを起こしやすくなる。
本発明において導電接続材料の形態は、樹脂組成物の形態などに応じて適宜選択することができる。例えば、樹脂組成物が液状の場合は、金属箔の両面に樹脂組成物を塗布したもの、ポリエステルシート等の剥離基材上に樹脂組成物を塗布し、所定温度で半硬化(Bステージ化)等の目的で乾燥、製膜させた後に金属箔を張り合わせてフィルム状にしたもの等を導電接続材料として供することができる。樹脂組成物が固形状の場合は、有機溶剤に溶解した樹脂組成物のワニスをポリエステルシート等の剥離基材上に塗布し、所定の温度で乾燥させた後に金属箔を張り合わせ、又は、蒸着などの手法を使いフィルム状に形成したものを導電接続材料として供することができる。
また、本発明の導電接続材料及びこれに用いられる金属箔は、端子との接触を高めるためにエンボス加工を施したものを用いることもできる。
本発明の導電接続材料の厚みは、特に制限されないが、1μm以上が好ましく、3μm以上がより好ましく、5μm以上が特に好ましく、また、200μm以下が好ましく、150μm以下がより好ましく、100μm以下が特に好ましい。導電接続材料の厚みが前記範囲内にあると隣接する端子間の間隙に樹脂組成物を十分に充填することができる。また、樹脂成分の硬化後又は固化後の機械的接着強度及び対向する端子間の電気的接続を十
分に確保することができる。また、目的や用途に応じた接続端子の製造も可能にすることができる。
次に、バックグラインドテープ付き導電接続材料10の製造方法について図3及び図4を用いて簡単に説明する。導電接続材料2の製造方法は、例えば、図(3−a)に示すように、樹脂成分を混合したワニスを、ポリエステルシート等の剥離基材21上に塗布し、所定の温度で乾燥、製膜させて剥離基材21上にフィルム状の樹脂組成物120を作製する。次に、図(3−b)に示すように、剥離基材21上に製膜させた樹脂組成物120を2枚準備し、金属箔110を挟んで熱ロールでラミネートすることで、金属箔110の両面に樹脂組成物120を配置した樹脂組成物120/金属箔110/樹脂組成物120からなる3層の導電接続材料2を作製することができる。また、上述のラミネート方式により、金属箔110の片面に樹脂組成物120を配置することで樹脂組成物120/金属箔110からなる2層の導電接続材料2を作製することもできる。これをハーフカットすることにより円形状の導電接続材料2を得た。
そして、図4に示すように、片側の剥離基材21を剥離し、粘着剤層12及び基材11とで構成されるバックグラインドテープ1を積層することで、バックグラインドテープ1、導電接続材料2及び剥離基材21で構成されるバックグラインドテープ付き導電接続材料10を得ることができる。
バックグラインドテープ1は、特に限定されるものではなく、粘着成分、必要に応じて、紫外線硬化成分、紫外線開始剤等の添加剤を混合した樹脂ワニスをポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、塩化ビニル、エチレンーメタクリル酸共重合体などの樹脂フィルム及びこれら樹脂の架橋フィルム、さらにこれら樹脂表面にシリコーン樹脂等を塗布して剥離処理したフィルムに塗布することにより製造することができる。
このようにして形成されるバックグラインドテープ1の厚さは、特に制限されないが、10μm以上が好ましく、20μm以上がより好ましく、30μm以上が特に好ましく、また、500μm以下が好ましく、400μm以下がより好ましく、300μm以下が特に好ましい。厚さが前記下限値未満であるとバックグラインドテープ1としての効果が低下する場合があり、前記上限値を超えると製品の製造が難しく厚み精度が低下する場合がある。
2.端子間の接続方法
次に、本発明の端子間の接続方法について説明する。
本発明の端子間の接続方法は、半導体ウエハを個片化する際に、ダイシングシートを新たに接着して行う場合と、本発明に係るバックグラインドテープがダイシングシート機能を有する場合で、その接続方法が若干異なる。さらに、前記導電接続材料の樹脂組成物が硬化性樹脂組成物である場合と、熱可塑性樹脂組成物である場合とで接続方法が若干異なる。そのため以下では、ダイシングシートを新たに接着させて端子間の接続を行い、且つ、前記導電接続材料の樹脂組成物が硬化性樹脂組成物である場合を第1実施形態、熱可塑性樹脂組成物である場合を第2実施形態とし、本発明に係るバックグラインドテープがダイシングシート機能を有し、且つ、前期導電接続材料の樹脂組成物が硬化性樹脂組成物である場合を第3実施形態、熱可塑性樹脂組成物である場合を第4実施形態として実施形態ごとに説明する。
<<第一実施形態>>
半導体ウエハを個片化する際に、ダイシングシートを新たに接着して行い、且つ、前記導電接続材料の樹脂組成物が硬化性樹脂組成物である実施形態では、前記バックグラインド
テープ付き導電接続材料の導電接続材料と、接続電極が設けられた回路面を有する半導体ウエハの回路面とを接着するバックグラインドテープ付き導電接続材料接着工程と、前記半導体ウエハの回路面と反対側の面を研磨する研磨工程と、前記半導体ウエハの回路面と反対側の面にダイシングシートを接着するダイシングシート接着工程と、前記バックグラインドテープを剥離する剥離工程と、前記導電接続材料が接着された状態で個片化して半導体チップを得る個片化工程と、前記導電接続材料が接着された半導体チップをピックアップするピックアップ工程と、前記導電接続材料が接着された半導体チップを基板に搭載する搭載工程と、前記金属箔の融点以上であり、且つ、前記樹脂組成物の硬化が完了しない温度で前記導電接続材料を加熱する加熱工程と、前記樹脂組成物を硬化させる硬化工程と、を含む。
この接続方法では、加熱溶融した半田又は錫を選択的に端子間で凝集させて導電性領域を形成し、その周囲に硬化性樹脂組成物による絶縁性領域を形成することができる。その結果、隣接する端子間の絶縁性を確保してリーク電流を防ぐことができるので、端子間の接続の接続信頼性を高めることができる。また、微細な配線回路においても多数の端子間の電気的接続を一括で実施することが可能となる。さらに硬化性樹脂組成物を硬化させることによって導電性領域又は絶縁性領域の機械的強度を高めることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の第一実施形態の端子間の接続方法の好適な実施形態について詳細に説明するが、本発明の接続方法はこれらの図面に限定されるものではない。
(a)バックグラインドテープ付き導電接続材料接着工程
まず、図5に示すように剥離基材21を導電接続材料2から剥離して、半導体ウエハ3の回路面3’と、導電接続材料2とが接するように、半導体ウエハ3とバックグラインドテープ付き導電接続材料10を積層する。半導体ウエハ3にバックグラインドテープ付き導電接続材料10を積層する方法としては、特に限定されないが、ラミネーターにより行うことができ、温度:25〜150℃、圧力:0.1〜1MPa、速度:0.1〜1m/minの条件で積層することができる。
(b)研磨工程
次に、図6に示すように半導体ウエハ3を搭載したバックグラインドテープ付き導電接続材料10を基材11が研磨装置の研磨ステージ4の上面(図6中の上側)と接するように研磨ステージ4に固定する。そして、半導体ウエハ3の回路面と反対側の面(図中の上側)を研磨する。研磨装置は、特に限定されることは無く、市販されているものを用いることができる。ここで、バックグラインドした後の半導体ウエハ3の厚さは、特に限定されないが、30〜600μm程度とすることが好ましい。
(c)ダイシングシート接着工程
次に、図7に示すように半導体ウエハ3の回路面3’の反対側の面に半導体ウエハ3とダイシングシート5が接するように、半導体ウエハ上にダイシングシート5を積層する。半導体ウエハ3にダイシングシート5を積層する方法としては、特に限定されないが、ラミネーターにより行うことができ、温度:25〜150℃、圧力:0.1〜1MPa、速度:0.1〜1m/minの条件で積層することができる。ここで、ダイシングシートとしては、市販のダイシングシートを使用することができる。
(d)剥離工程
次に、図8に示すように導電接続材料2とバックグラインドテープ1の界面で剥離を行い、バックグラインドテープを除去する。この時、バックグラインドテープに紫外線を照射することにより、導電接続材料に対する密着性を低下させてから剥離を行ってもよい。
(e)個片化工程
次に、図9に示すようにダイシングシート5がダイサーテーブル6の上面(図9中の上側)と接するようにダイサーテーブル6に設置し、次に、半導体ウエハ3の周囲にウエハリング7を設置して、半導体ウエハ3を固定する。そして、ブレード8で半導体ウエハ3を切断して、図10に示すように導電接続材料2を有する半導体チップ30を得る。この際、ダイシングシート5は、緩衝作用を有しており、半導体ウエハ3を切断する際の半導体チップ30の割れ、欠け等を防止している。
(f)ピックアップ工程
次に、図11に示すようにダイシングシート5をエキスパンド装置で伸ばして、個片化した導電接続材料2を有する半導体チップ30同士を一定の間隔に開き、半導体チップ30とダイシングシート5の界面で剥離することにより、導電接続材料2を有する半導体チップ30をピックアップする。
(g)搭載工程
次に、図12に示すように、前記ピックアップ工程においてピックアップされた導電接続材料2を有する半導体チップ30を、フリップチップボンダー等を用いて、半導体チップ30の端子31が基板9の端子91側(図(12−b)中の下側)になるように上下反転させる。そして、図(12−c)に示すように、個片化した半導体チップ30の端子31と基板9の端子91とが対向するように、導電接続材料2を有する半導体チップ30を基板9上に搭載する。
導電接続材料2を有する半導体チップ30を基板9上に搭載する方法としては、特に限定されないが、フリップチップボンダーにより、温度:25〜150℃、荷重:1〜50N、時間:1〜30秒の条件で積層することができる。
この時、前記端子31及び91の表面は、電気的な接続を良好にするために、必要により、洗浄、研磨、めっき及び表面活性化などの処理を施してもよい。
(h)加熱工程
加熱工程では、前記搭載工程において端子間に配置した導電接続材料2を、金属箔110の融点以上で加熱する。加熱温度は、金属箔110の融点以上であればよく、例えば加熱時間を短くするなど、加熱時間を調整することによって、半田又は錫が硬化性樹脂120中を移動できる範囲すなわち「硬化性樹脂組成物の硬化が完了しない」範囲であれば、その上限は特に制限されない。加熱温度は、金属箔の融点より5℃以上高い温度が好ましく、10℃以上高い温度がより好ましく、20℃以上高い温度がさらに好ましく、30℃以上高い温度が特に好ましい。
加熱温度は、使用する金属箔110及び硬化性樹脂組成物120の組成などによって適宜選択することができるが、100℃以上が好ましく、130℃以上がより好ましく、140℃以上が特に好ましく、150℃以上が最も好ましい。接続しようとする基板などの熱劣化を防止するためには、加熱温度は260℃以下が好ましく、250℃以下がより好ましく、240℃以下が特に好ましい。
このような温度で前記導電接続材料2を加熱すると、金属箔110が溶融し、溶融した半田又は錫が硬化性樹脂組成物120中を移動できるようになる。硬化性樹脂組成物120がフラックス機能を有する化合物を含む場合、硬化性樹脂組成物120に含まれるフラックス機能を有する化合物の還元作用により、半田又は錫の表面酸化膜が除去されるため、半田又は錫は濡れ性が高められた状態であり、金属結合が促されて対向する端子間に凝集しやすくなる。他方、フラックス機能を有する化合物の還元作用により端子31及び91の表面酸化膜も除去されて濡れ性が高められているため、半田又は錫との金属結合が容
易になる。その結果、図13に示すように、前記端子間には導電性領域130が形成され、端子31と端子91とが電気的に接続される。他方、導電性領域の周囲には硬化性樹脂組成物が充填されて絶縁性領域140が形成される。その結果、隣接する端子間の絶縁性が確保され、隣接する端子間のショートを防止することが可能となる。
本発明の接続方法においては、対向する端子間の距離を近づけるように加圧して加熱してもよい。例えば、図12中の半導体チップ30及び基板9が対向する方向に公知の熱圧着装置などの手段を用いて加熱及び加圧することにより、対向する各端子間の距離を一定に制御することができ、対向する端子間の電気的な接続信頼性を高めることが可能となる。また、フリップチップボンダーにより、搭載工程と加熱工程を連続して行ってもよい。
さらに、加圧又は加熱する際に超音波や電場などを加えたり、レーザーや電磁誘導などの特殊加熱を適用してもよい。
(i)硬化工程
本発明の接続方法においては、前記加熱工程で導電性領域130と絶縁性領域140とを形成した後、硬化性樹脂組成物からなる絶縁性領域140を硬化させて絶縁性領域140を固定する。これにより、前記端子間の電気的信頼性及び機械的接続強度を十分に確保することができる。特に本発明の接続方法においては、高絶縁抵抗値を有する硬化性樹脂組成物を使用しているため、絶縁性領域の絶縁性をより十分に確保することができる。
硬化性樹脂組成物からなる絶縁性領域140の硬化温度は、硬化性樹脂組成物120の組成に応じて適宜設定することができるが、前記加熱工程での加熱温度より少なくとも5℃低い温度であることが好ましく、少なくとも10℃低い温度であることが特に好ましい。具体的には、100℃以上であることが好ましく、120℃以上であることがより好ましく、130℃以上であることが特に好ましく、150℃以上であることが最も好ましい。また、300℃以下であることが好ましく、260℃以下であることがより好ましく、250℃以下であることが特に好ましく、240℃以下であることが最も好ましい。硬化温度が前記範囲内にあると、導電接続材料2が熱分解せず、硬化性樹脂組成物120を十分に硬化させることができる。
<<第二実施形態>>
半導体ウエハを個片化する際に、ダイシングシートを新たに接着して行い、且つ、前記導電接続材料の樹脂組成物が熱可塑性樹脂組成物である実施形態では、バックグラインドテープ付き導電接続材料の導電接続材料と、接続電極が設けられた回路面を有する半導体ウエハの回路面とを接着するバックグラインドテープ付き導電接続材料接着工程と、前記半導体ウエハの回路面と反対側の面を研磨する研磨工程と、前記半導体ウエハの回路面と反対側の面にダイシングシートを接着するダイシングシート接着工程と、前記バックグラインドテープを剥離する剥離工程と、前記バックグラインドテープ付き導電接続材料が接着された状態で個片化して半導体チップを得る個片化工程と、前記導電接続材料が接着された半導体チップをピックアップするピックアップ工程と、前記導電接続材料が接着された半導体チップを基板に搭載する搭載工程と、前記金属箔の融点以上であり、且つ、前記樹脂組成物が軟化する温度で前記導電接続材料を加熱する加熱工程と、前記樹脂組成物を固化させる固化工程と、を含む。
第二実施形態において、バックグラインドテープ付き導電接続材料接着工程から搭載工程までは、特に限定されるわけではないが、前記第一実施形態と同様の手法及び条件で行うことができる。
(a)加熱工程
加熱工程は、特に制限されないが、搭載工程において端子間に配置した導電接続材料を、金属箔110の融点以上で加熱する。加熱温度は、金属箔110の融点より5℃以上高
い温度が好ましく、10℃以上高い温度がより好ましく、20℃以上高い温度がさらに好ましく、30℃以上高い温度が特に好ましい。加熱温度は、金属箔110の融点以上であり、熱可塑性樹脂組成物が軟化して半田又は錫が熱可塑性樹脂中を移動できる範囲すなわち「熱可塑性樹脂組成物が軟化する」範囲であれば、その上限は特に制限されない。
加熱温度は、使用する金属箔110及び熱可塑性樹脂組成物の組成などによって適宜選択することができる。例えば、硬化性樹脂組成物と金属箔110とを含む導電接続材料と同様の加熱温度で加熱することができる。
上記の温度で前記導電接続材料2を加熱すると、金属箔110が溶融し、溶融した半田又は錫が熱可塑性樹脂組成物120中を移動できるようになる。熱可塑性樹脂組成物がフラックス機能を有する化合物を含む場合、熱可塑性樹脂組成物に含まれるフラックス機能を有する化合物の還元作用により、半田又は錫の表面酸化膜は除去されるため、半田又は錫は濡れ性が高められた状態であり、金属結合が促されて対向する端子間に凝集しやすくなる。他方、フラックス機能を有する化合物の還元作用により端子31及び91の表面酸化膜も除去されて濡れ性が高められているため、半田又は錫との金属結合が容易になる。その結果、図13に示すように、前記端子間には導電性領域130が形成され、端子31と端子91とが電気的に接続される。他方、導電性領域の周囲には熱可塑樹脂組成物が充填されて絶縁性領域140が形成される。その結果、隣接する端子間の絶縁性が確保され、隣接する端子間のショートを防止することが可能となる。
(b)固化工程
本発明の接続方法においては、前記加熱工程で導電性領域130と絶縁性領域140とを形成した後、熱可塑性樹脂組成物を固化させて絶縁性領域140領域を固定する。これにより、前記端子間の電気的信頼性及び機械的接続強度を十分に確保することができる。
熱可塑性樹脂組成物の固化は、前記加熱工程で加熱された熱可塑性樹脂組成物を冷却・固化することによって実施することができる。熱可塑性樹脂組成物の冷却・固化は、熱可塑性樹脂組成物の組成に応じて適宜設定することができるものであり、特に制限されないが、自然冷却による方法でもよく、また、冷気を吹きつけるなどの方法でもよい。
前記熱可塑性樹脂組成物の固化温度は、特に制限されないが、金属箔110の融点より低いことが好ましい。より具体的には、前記熱可塑性樹脂組成物の固化温度は、金属箔110の融点より10℃以上低いことが好ましく、20℃以上低いことが特に好ましい。また、前記熱可塑性樹脂組成物の固化温度は、50℃以上であることが好ましく、60℃以上であることが特に好ましく、100℃以上であることがさらに好ましい。前記熱可塑性樹脂組成物の固化温度が前記範囲内にあると、導電性領域130を確実に形成することができ、また、絶縁性領域140が所望の耐熱性を有することができる。このため、隣接する端子間の絶縁性が確保され、隣接する端子間のショートをより確実に防止することができる。
本発明の第一実施形態及び第二実施形態によれば、半導体ウエハの研磨工程において半導体ウエハの回路面を保護すること、及び研磨後の半導体ウエハの反りを低減することができる。また、半導体チップと回路基板の接続端子間において良好な電気的接続と隣接端子間において高い絶縁信頼性を得ることが可能となる。
<<第三実施形態>>
半導体ウエハを個片化する際に、本発明に係るバックグラインドテープがダイシングシート機能を有し、且つ、前記導電接続材料の樹脂組成物が硬化性樹脂組成物である実施形態では、バックグラインドテープ付き導電接続材料の導電接続材料と、接続電極が設けられ
た回路面を有する半導体ウエハの回路面とを接着する接着工程と、前記半導体ウエハの回路面と反対側の面を研磨する研磨工程と、前記バックグラインドテープ付き導電接続材料が接着された状態で個片化して半導体チップを得る個片化工程と、前記導電接続材料が接着された半導体チップをピックアップするピックアップ工程と、前記導電接続材料が接着された半導体チップを基板に搭載する搭載工程と、前記金属箔の融点以上であり、且つ、前記樹脂組成物の硬化が完了しない温度で前記導電接続材料を加熱する加熱工程と、前記樹脂組成物を硬化させる硬化工程と、を含む。
この接続方法では、加熱溶融した半田又は錫を選択的に端子間で凝集させて導電性領域を形成し、その周囲に硬化性樹脂組成物による絶縁性領域を形成することができる。その結果、隣接する端子間の絶縁性を確保してリーク電流を防ぐことができるので、端子間の接続の接続信頼性を高めることができる。また、微細な配線回路においても多数の端子間の電気的接続を一括で実施することが可能となる。さらに硬化性樹脂組成物を硬化させることによって導電性領域又は絶縁性領域の機械的強度を高めることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の第三実施形態の端子間の接続方法の好適な実施形態について詳細に説明するが、本発明の接続方法はこれらの図面に限定されるものではない。
(a)バックグラインドテープ付き導電接続材料接着工程
まず、図14に示すように剥離基材21を導電接続材料2から剥離して、半導体ウエハ3の回路面3’と、導電接続材料2とが接するように、半導体ウエハ3とバックグラインドテープ付き導電接続材料10を積層する。半導体ウエハ3にバックグラインドテープ付き導電接続材料10を積層する方法としては、特に限定されないが、ラミネーターにより行うことができ、温度:25〜150℃、圧力:0.1〜1MPa、速度:0.1〜1m/minの条件で積層することができる。
(b)研磨工程
次に、図15に示すように半導体ウエハ3を搭載したバックグラインドテープ付き導電接続材料10を基材11が研磨装置の研磨ステージ4の上面(図15中の上側)と接するように研磨ステージ4に固定する。そして、半導体ウエハ3の回路面と反対側の面(図中の上側)を研磨する。研磨装置は、特に限定されることは無く、市販されているものを用いることができる。ここで、バックグラインドした後の半導体ウエハ3の厚さは、特に限定されないが、30〜600μm程度とすることが好ましい。
(c)個片化工程
次に、図16に示すように半導体ウエハ3を搭載したバックグラインドテープ付き導電接続材料10を基材11がダイサーテーブル6の上面(図16中の上側)と接するようにダイサーテーブル6に設置し、次に、半導体ウエハ3の周囲にウエハリング7を設置して、半導体ウエハ3を固定する。そして、ブレード8で半導体ウエハ3を切断して、図17に示すように導電接続材料2を有する半導体チップ30を得る。この際、バックグラインドテープ付き導電接続材料10は、緩衝作用を有しており、半導体ウエハ3を切断する際の半導体チップ30の割れ、欠け等を防止している。
なお、ダイシングシート機能付き導電接続材料10に、半導体ウエハ3及びウエハリング7を予め貼着した後に、ダイサーテーブル6に設置しても良い。
(d)ピックアップ工程
次に、図18に示すようにバックグラインドテープ1をエキスパンド装置で伸ばして、個片化した導電接続材料2を有する半導体チップ30同士を一定の間隔に開き、半導体チップ30とバックグラインドテープ1の界面で剥離することにより、導電接続材料2を有
する半導体チップ30をピックアップする。
(e)搭載工程
次に、図19に示すように、個片化した半導体チップ30の端子31と基板9の端子91とが対向するように、導電接続材料2を有する半導体チップ30を基板9上に搭載する。
導電接続材料2を有する半導体チップ30を基板9上に搭載する方法としては、特に限定されないが、フリップチップボンダーにより、温度:25〜150℃、荷重:1〜50N、時間:1〜30秒の条件で積層することができる。
この時、前記端子31及び91の表面は、電気的な接続を良好にするために、必要により、洗浄、研磨、めっき及び表面活性化などの処理を施してもよい。
(f)加熱工程
加熱工程では、前記搭載工程において端子間に配置した導電接続材料2を、金属箔110の融点以上で加熱する。加熱温度は、金属箔110の融点以上であればよく、例えば加熱時間を短くするなど、加熱時間を調整することによって、半田又は錫が硬化性樹脂120中を移動できる範囲すなわち「硬化性樹脂組成物の硬化が完了しない」範囲であれば、その上限は特に制限されない。加熱温度は、金属箔の融点より5℃以上高い温度が好ましく、10℃以上高い温度がより好ましく、20℃以上高い温度がさらに好ましく、30℃以上高い温度が特に好ましい。
加熱温度は、使用する金属箔110及び硬化性樹脂組成物120の組成などによって適宜選択することができるが、100℃以上が好ましく、130℃以上がより好ましく、140℃以上が特に好ましく、150℃以上が最も好ましい。接続しようとする基板などの熱劣化を防止するためには、加熱温度は260℃以下が好ましく、250℃以下がより好ましく、240℃以下が特に好ましい。
このような温度で前記導電接続材料2を加熱すると、金属箔110が溶融し、溶融した半田又は錫が硬化性樹脂組成物120中を移動できるようになる。硬化性樹脂組成物120がフラックス機能を有する化合物を含む場合、硬化性樹脂組成物120に含まれるフラックス機能を有する化合物の還元作用により、半田又は錫の表面酸化膜が除去されるため、半田又は錫は濡れ性が高められた状態であり、金属結合が促されて対向する端子間に凝集しやすくなる。他方、フラックス機能を有する化合物の還元作用により端子31及び91の表面酸化膜も除去されて濡れ性が高められているため、半田又は錫との金属結合が容易になる。その結果、図20に示すように、前記端子間には導電性領域130が形成され、端子31と端子91とが電気的に接続される。他方、導電性領域の周囲には硬化性樹脂組成物が充填されて絶縁性領域140が形成される。その結果、隣接する端子間の絶縁性が確保され、隣接する端子間のショートを防止することが可能となる。
本発明の接続方法においては、対向する端子間の距離を近づけるように加圧して加熱してもよい。例えば、図19中の半導体チップ30及び基板9が対向する方向に公知の熱圧着装置などの手段を用いて加熱及び加圧することにより、対向する各端子間の距離を一定に制御することができ、対向する端子間の電気的な接続信頼性を高めることが可能となる。また、フリップチップボンダーにより、搭載工程と加熱工程を連続して行ってもよい。
さらに、加圧又は加熱する際に超音波や電場などを加えたり、レーザーや電磁誘導などの特殊加熱を適用してもよい。
(g)硬化工程
本発明の接続方法においては、前記加熱工程で導電性領域130と絶縁性領域140とを形成した後、硬化性樹脂組成物からなる絶縁性領域140を硬化させて絶縁性領域14
0を固定する。これにより、前記端子間の電気的信頼性及び機械的接続強度を十分に確保することができる。特に本発明の接続方法においては、高絶縁抵抗値を有する硬化性樹脂組成物を使用しているため、絶縁性領域の絶縁性をより十分に確保することができる。
硬化性樹脂組成物からなる絶縁性領域140の硬化温度は、硬化性樹脂組成物120の組成に応じて適宜設定することができるが、前記加熱工程での加熱温度より少なくとも5℃低い温度であることが好ましく、少なくとも10℃低い温度であることが特に好ましい。具体的には、100℃以上であることが好ましく、120℃以上であることがより好ましく、130℃以上であることが特に好ましく、150℃以上であることが最も好ましい。また、300℃以下であることが好ましく、260℃以下であることがより好ましく、250℃以下であることが特に好ましく、240℃以下であることが最も好ましい。硬化温度が前記範囲内にあると、導電接続材料2が熱分解せず、硬化性樹脂組成物120を十分に硬化させることができる。
<<第四実施形態>>
半導体ウエハを個片化する際に、本発明に係るバックグラインドテープがダイシングシート機能を有し、且つ、前記導電接続材料の樹脂組成物が熱可塑性樹脂組成物である実施形態では、バックグラインドテープ付き導電接続材料の導電接続材料と、接続電極が設けられた回路面を有する半導体ウエハの回路面とを接着するバックグラインドテープ付き導電接続材料接着工程と、前記半導体ウエハの回路面と反対側の面を研磨する研磨工程と、前記バックグラインドテープ付き導電接続材料が接着された状態で個片化して半導体チップを得る個片化工程と、前記導電接続材料が接着された半導体チップをピックアップするピックアップ工程と、前記導電接続材料が接着された半導体チップを基板に搭載する搭載工程と、前記金属箔の融点以上であり、且つ、前記樹脂組成物が軟化する温度で前記導電接続材料を加熱する加熱工程と、前記樹脂組成物を固化させる固化工程と、を含む。
第四実施形態において、バックグラインドテープ付き導電接続材料接着工程から搭載工程までは、特に限定されるわけではないが、前記第三実施形態と同様の手法及び条件で行うことができる。また、加熱工程及び固化工程は、特に限定されるわけではないが、第二実施形態と同様の手法及び条件で行うことができる。
本発明の第三実施形態及び第四実施形態によれば、半導体ウエハの研磨工程において半導体ウエハの回路面を保護すること、及び研磨後の半導体ウエハの反りを低減することができる。また、半導体チップと回路基板の接続端子間において良好な電気的接続と隣接端子間において高い絶縁信頼性を得ることが可能となる。
3.導電接続材料付き電子部材及び電気、電子部品
本発明は、電子部材の電気的接続面に本発明のバックグラインドテープ付き導電接続材料が接着してなる導電接続材料付き電子部材をも包含する。本発明の導電接続材料付き電子部材において、導電接続材料の電子部材の電気的接続面との接着面は樹脂組成物層であることが好ましい。該樹脂組成物層は、電子部材の電気的接続面に直接接着されていてもよいし、接着剤層を介して接着されていてもよい。本発明の導電接続材料付き電子部材を互いに貼り合わせ、あるいは、本発明の導電接続材料付き電子部材を他の電子部材の電気的接続面と貼り合わせて熱圧着させることで、電子部材間を電気的に接続することができる。
本発明では、このようにして得られた本発明のバックグラインドテープ付き導電接続材料を用いて電子部材間が電気的に接続されてなる半導体ウエハ、半導体チップ、リジッド基板及びフレキシブル基板、その他の電気、電子部品をも包含する。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[実施例1〜4]
(1)硬化性樹脂組成物の調製
表1に示した各成分を、メチルエチルケトン(MEK)に溶解して樹脂固形分40%の樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを、コンマコーターを用いて、ポリエステルシート(剥離基材)に塗布し、90℃で5分間乾燥させてフィルム状の厚さ30μmの硬化性樹脂組成物を得た。
(2)導電接続材料の製造
得られたフィルム状の硬化性樹脂組成物の未処理品を60℃、0.3MPa、0.3m/minの条件で、表1に示した半田箔の両面にラミネートし、厚み70μmの両面剥離基材付き導電接続材料を製造した。
(3)バックグラインドテープの製造
クリアテックCT−H717(クラレ製)を、押し出し機で押し出し、厚み100μmのフィルムを形成し、表面をコロナ処理して、基材フィルムを得た。次に、アクリル酸2−エチルヘキシル50重量%、アクリル酸ブチル10重量%、酢酸ビニル37重量%、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル3重量%を共重合して得られた重量平均分子量500,000の共重合体を剥離処理した厚さ38μmのポリエステルフィルム(粘着層のカバーフィルムに相当)に乾燥後の厚さが10μmになるように塗工し、80℃5分間乾燥し、粘着剤層を得た。その後、この粘着剤層を上述した基材フィルムのコロナ処理面にラミネートしてバックグラインドテープを製造した。
(4)バックグラインドテープ付き導電接続材料の製造
上述の両面剥離基材付き導電接続材料の片側の剥離基材を剥離し、次に、導電接続材料を8インチシリコンウエハのほぼ同じ外径(円形)にハーフカットし、円形にハーフカットした以外の部分の導電接続材料を除去した。その後、導電接続材料の硬化性樹脂組成物とバックグラインドテープを対向させて80℃、0.3MPa、2m/minの条件で貼り合わせ、バックグラインドテープ/導電接続材料/剥離基材の層構成を有するバックグラインドテープ付き導電接続材料を製造した。
(5)端子間接続
このバックグラインドテープ付き導電接続材料の剥離基材を剥離して、導電接続材料面を8インチ、725μm厚シリコンウエハの回路面に温度60℃、圧力0.3MPaで貼り付け、バックグラインドテープ付き導電接続材料が付いたシリコンウエハを得た。シリコンウエハとして、回路層(銅回路、厚み12μm)からなり、銅回路上にNi/Auメッキ(厚み3μm)を施して形成される接続端子(端子径100μm、隣接する端子の中心間距離300μm)を有するものを使用した。そして、バックグラインドテープの回路面と反対側の面を、研磨装置の研磨ステージに固定し、シリコンウエハの厚さが725μmから100μmとなるまで研磨を行った。
その後、このウエハを、バックグラインドテープとダイサーテーブルの上面とが接するように設置して、ダイシングソーを用いて、スピンドル回転数30,000rpm、切断速度50mm/secで10mm×10mm角の半導体チップのサイズにダイシング(個片化)した。次に、バックグラインドテープ付き導電接続材料の裏面から突上げし、バックグラインドテープと導電接続材料の界面で剥離させ、導電接続材料を有する半導体チップを得た。この半導体チップを、FR−4基板(基材厚み0.1mm、回路層:銅12μm、NI/Auメッキ3μm、端子径100μm、隣接する端子の中心間距離300μm)にフリップチップボンダー(澁谷工業(株)製「DB200」)を用いて、半導体チッ
プの端子とFR−4基板の端子が対向するように位置合わせを行った後、表1に記載の条件で半導体チップをFR−4基板に搭載した。さらに、表1に記載の条件で圧着を行い、半導体チップとFR−4基板の端子間を接続した。その後、半導体チップとFR−4基板の端子が接続された積層体を180℃で1時間加熱して硬化性樹脂組成物を硬化させ、半導体チップとFR−4基板の端子が接続し、さらに、硬化性樹脂組成物が硬化した積層体を得た。
実施例で得られた積層体において対向する端子間の接続抵抗、導通路形成性及び導通路以外の領域に残存する半田粒子の有無を後述する方法により評価した。
[1]接続抵抗
接続抵抗は、積層体において対向する端子間の抵抗を4端子法(抵抗計:岩崎通信機(株)製「デジタルマルチメータVOA7510」、測定プローブ:日置電機(株)製「ピン型リード9771」)により12点測定した。その平均値が30mΩ未満の場合を「A」、30mΩ以上の場合を「B」と判定した。
[2]導通路形成性
積層体において対向する端子10組について、その端子間の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)(日本電子(株)製「JSM−7401F」)で観察し、10組全てにおいて半田により円柱状の導通路が形成されている場合を「A」、1組でも導通路が形成されていない端子が存在する場合を「B」、隣接している端子とショート接触している場合を「C」と判定した。
[3]残存半田の有無
積層体の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)(日本電子(株)製、型番「JSM−7401F」)で観察し、全ての半田が対向する端子間の導通路形成に寄与している場合を「A」、導通路形成に寄与せずに対向する端子間(導電性領域)以外の樹脂(絶縁性領域)中に半田が残存している場合を「B」と判定した。
結果を表1に示す。
Figure 2011151251
表1における樹脂組成物の成分及び半田箔は以下に示したものを用いた。
エポキシ樹脂:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、大日本インキ化学工業(株)製「EPICLON−840S」、エポキシ当量185g/eq
硬化剤:フェノールノボラック、住友ベークライト(株)製「PR−53647」
フィルム形成性樹脂:変性ビフェノール型フェノキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン(株)製「YX−6954」、重量平均分子量39,000
フラックス機能を有する化合物1:セバシン酸、東京化成工業(株)製「セバシン酸」
フラックス機能を有する化合物2:ゲンチジン酸、みどり化学(株)製「ゲンチジン酸」フラックス機能を有する化合物3:フェノールフタリン、東京化成工業(株)製「フェノールフタリン」
シランカップリング剤:2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、信越化学工業(株)製「KBM−303」
イミダゾール:2−フェニル−4−メチルイミダゾール、四国化成工業(株)製「キュアゾール2P4MZ」
半田箔A:Sn/Pb=63/37(融点:183℃)、厚さ10μm
半田箔B:Sn/Ag/Cu=96.5/3.0/0.5(融点:217℃)、厚さ10μm
表1から明らかなように、接続端子間において良好な電気的接続と隣接端子間において高い絶縁信頼性を得ることが可能なバックグラインドテープ付き導電接続材料が得られた。また、半導体ウエハの研磨工程において半導体ウエハの回路面を保護すること、及び研磨後の半導体ウエハの反りを低減することができた。
本発明のバックグラインドテープ付き導電接続材料は、半導体チップと回路基板の端子間接続をする際に利用可能である。本発明のバックグラインドテープ付き導電接続材料を用いることにより、半導体ウエハの研磨工程において半導体ウエハの回路面を保護すること、及び研磨後の半導体ウエハの反りを低減することができ、また、半導体チップと回路基板の接続端子間において良好な電気的接続と隣接端子間において高い絶縁信頼性を得ることが可能であり、更には電気、電子部品の生産性に優れるバックグラインドテープ付き導電接続材料を提供することができる。
1 バックグラインドテープ
2 導電接続材料
3 半導体ウエハ
3’ 回路面
4 研磨ステージ
5 ダイシングシート
6 ダイサーテーブル
7 ウエハリング
8 ブレード
9 基板
91 端子
10 バックグラインドテープ付き導電接続材料
11 基材
12 粘着剤層
21 剥離基材
30 半導体チップ
31 端子
110 金属箔
120 樹脂組成物
130 導電性領域
140 絶縁性領域
150 金属箔層
160 樹脂組成物層

Claims (13)

  1. バックグラインドテープと、導電接続材料とが積層されてなるバックグラインドテープ付き導電接続材料であって、前記導電接続材料が、樹脂組成物と、半田箔又は錫箔から選ばれる金属箔とから構成される積層構造を有することを特徴とするバックグラインドテープ付き導電接続材料。
  2. 接続電極が設けられた回路面を有する半導体ウエハの回路面と、前記バックグラインドテープ付き導電接続材料の前記導電接続材料とを接着させて用いるものである、請求項1に記載のバックグラインドテープ付き導電接続材料。
  3. 前記バックグラインドテープと、前記導電接続材料との間に、離型フィルムを有するものである請求項1又は2に記載のバックグラインドテープ付き導電接続材料。
  4. 前記樹脂組成物が、フラックス機能を有する化合物を含むものである請求項1〜3のいずれか1項に記載のバックグラインドテープ付き導電接続材料。
  5. 前記フラックス機能を有する化合物が、フェノール性水酸基及び/又はカルボキシル基を有する請求項4に記載のバックグラインドテープ付き導電接続材料。
  6. 前記導電接続材料が、樹脂組成物層/金属箔層/樹脂組成物層からなる積層構造を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のバックグラインドテープ付き導電接続材料。
  7. 前記導電接続材料が、樹脂組成物層/金属箔層からなる積層構造を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のバックグラインドテープ付き導電接続材料。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のバックグラインドテープ付き導電接続材料の導電接続材料と、接続電極が設けられた回路面を有する半導体ウエハの回路面とを接着する接着工程と、
    前記半導体ウエハの回路面と反対側の面を研磨する研磨工程と、
    前記バックグラインドテープ付き導電接続材料が接着された状態で個片化して半導体チップを得る個片化工程と、
    前記導電接続材料が接着された半導体チップをピックアップするピックアップ工程と、
    前記導電接続材料が接着された半導体チップを基板に搭載する搭載工程と、
    前記金属箔の融点以上であり、且つ、前記樹脂組成物の硬化が完了しない温度で前記導電接続材料を加熱する加熱工程と、
    前記樹脂組成物を硬化させる硬化工程と、を含む端子間の接続方法。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のバックグラインドテープ付き導電接続材料の導電接続材料と、接続電極が設けられた回路面を有する半導体ウエハの回路面とを接着するバックグラインドテープ付き導電接続材料接着工程と、
    前記半導体ウエハの回路面と反対側の面を研磨する研磨工程と、
    前記バックグラインドテープ付き導電接続材料が接着された状態で個片化して半導体チップを得る個片化工程と、
    前記導電接続材料が接着された半導体チップをピックアップするピックアップ工程と、
    前記導電接続材料が接着された半導体チップを基板に搭載する搭載工程と、
    前記金属箔の融点以上であり、且つ、前記樹脂組成物が軟化する温度で前記導電接続材料を加熱する加熱工程と、
    前記樹脂組成物を固化させる固化工程と、を含む端子間の接続方法。
  10. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のバックグラインドテープ付き導電接続材料の導電接続材料と、接続電極が設けられた回路面を有する半導体ウエハの回路面とを接着するバックグラインド付き導電接続材料接着工程と、
    前記半導体ウエハの回路面と反対側の面を研磨する研磨工程と、
    前記半導体ウエハの回路面と反対側の面にダイシングシートを接着するダイシングシート接着工程と、
    前記バックグラインドテープを剥離する剥離工程と、
    前記導電接続材料が接着された状態で個片化して半導体チップを得る個片化工程と、
    前記導電接続材料が接着された半導体チップをピックアップするピックアップ工程と、
    前記導電接続材料が接着された半導体チップを基板に搭載する搭載工程と、
    前記金属箔の融点以上であり、且つ、前記樹脂組成物の硬化が完了しない温度で前記導電接続材料を加熱する加熱工程と、
    前記樹脂組成物を硬化させる硬化工程と、を含む端子間の接続方法。
  11. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のバックグラインドテープ付き導電接続材料の導電接続材料と、接続電極が設けられた回路面を有する半導体ウエハの回路面とを接着するバックグラインドテープ付き導電接続材料接着工程と、
    前記半導体ウエハの回路面と反対側の面を研磨する研磨工程と、
    前記半導体ウエハの回路面と反対側の面にダイシングシートを接着するダイシングシート接着工程と、
    前記バックグラインドテープを剥離する剥離工程と、
    前記バックグラインドテープ付き導電接続材料が接着された状態で個片化して半導体チップを得る個片化工程と、
    前記導電接続材料が接着された半導体チップをピックアップするピックアップ工程と、
    前記導電接続材料が接着された半導体チップを基板に搭載する搭載工程と、
    前記金属箔の融点以上であり、且つ、前記樹脂組成物が軟化する温度で前記導電接続材料を加熱する加熱工程と、
    前記樹脂組成物を固化させる固化工程と、を含む端子間の接続方法。
  12. 接続電極が設けられた回路面を有する半導体ウエハの回路面に、請求項1〜7のいずれか1項に記載のバックグラインドテープ付き導電接続材料が接着してなる、導電接続材料付き電子部材。
  13. 電子部材間が、請求項1〜7のいずれか1項に記載のバックグラインドテープ付き導電接続材料を用いて電気的に接続されてなる、電気、電子部品。
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