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JP2011148889A - 親水化処理剤 - Google Patents

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JP2011148889A
JP2011148889A JP2010010646A JP2010010646A JP2011148889A JP 2011148889 A JP2011148889 A JP 2011148889A JP 2010010646 A JP2010010646 A JP 2010010646A JP 2010010646 A JP2010010646 A JP 2010010646A JP 2011148889 A JP2011148889 A JP 2011148889A
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meth
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polymer fine
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Application number
JP2010010646A
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English (en)
Inventor
Toshio Kurihara
俊夫 栗原
Takako Matsuda
貴子 松田
Takasuke Higuchi
貴祐 樋口
Keiko Suwama
恵子 諏訪間
Koichi Morohoshi
好一 諸星
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Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

【課題】 汚染物質がフィン表面に付着しても、親水性の持続性、耐汚染性及び耐水性に優れる熱交換器フィン材用を提供すること。
【解決手段】
特定のアクリル樹脂(A)と特定の親水性架橋重合体微粒子(B)及び架橋剤(C)を含む耐汚染性処理組成物であって、アクリル樹脂(A)と親水性架橋重合体微粒子(B)及び架橋剤(C)の3成分の合計固形分質量を基準にして、アクリル樹脂(A)30〜60質量%、親水性架橋重合体微粒子(B)35〜65質量%、架橋剤(C)5〜30質量%の熱交換器フィン材用の親水性処理組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、脂肪酸等の汚染物質がフィン表面に付着しにくく、親水性の持続性、耐水性に優れる熱交換器フィン材用の親水化処理剤に関する。
冷房、暖房、除湿等の機能を備えた空調機(エアコン)は、その熱交換器部に熱交換器用フィン材を備えており、この熱交換器用フィン材は、一般に、軽量で加工性に優れしかも熱伝導性に優れていることからアルミニウム材で形成されている。
そして、このようなエアコンを冷房運転すると、室内側の熱交換器部が空気中の水分の露点以下になる為、この熱交換器部で用いられているフィン材には空気中の水分が結露して付着する。この場合、フィン材表面での結露水の形状は、フィン材表面の水に対する濡れ性できまるが、濡れ性の悪いフィン材表面では結露水は略半球状の水滴となったり、更にはフィン材間に水のブリッジを形成し、熱交換器部における通風抵抗となって通風性を損う原因になる。
この為、騒音の原因になるほか、場合によっては結露水が飛散して周辺を汚染することとなる。このような問題は、フィンピッチ(フィン材とフィン材との間の間隔)の狭い小型の熱交換器においては特に顕著である。
従来、特許文献1には、(A)ポリオキシアルキレングリコール、(B)親水性架橋重合体微粒子、及び(C)フェノール酸、フェノール酸縮合物及びそれらの塩から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する水性塗料組成物によって、プレス成型時における成型不良の問題がなく、親水性の持続性が良好で、且つ、素材密着性、潤滑性等の塗膜性能が良好な皮膜を形成できることが開示されている。しかし、特許文献1に記載の組成物では、得られた塗膜に汚染物質が付着して親水性が低下して十分な耐水性が得られなく、さらに親水性の持続が不十分であった。
特開2002−302644号公報
本発明の目的は、汚染物質がフィン表面に付着しにくく親水性を持続することができる耐汚染性と、耐水性に優れた塗膜を得る親水化処理剤を提供することである。
本発明者らは上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、特定のアクリル樹脂(A)と特定の親水性架橋重合体微粒子(B)及び架橋剤(C)の3成分の合計固形分質量を基準にして、アクリル樹脂(A)30〜60質量%、親水性架橋重合体微粒子(B)35〜65質量%、架橋剤(C)5〜30質量%の親水化処理剤によって上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
1.下記特徴のアクリル樹脂(A)と下記特徴の親水性架橋重合体微粒子(B)及び架橋剤(C)を含む親水化処理剤であって、アクリル樹脂(A)と親水性架橋重合体微粒子(B)及び架橋剤(C)の3成分の合計固形分質量を基準にして、アクリル樹脂(A)30〜60質量%、親水性架橋重合体微粒子(B)35〜65質量%、架橋剤(C)5〜30質量%の親水化処理剤、
アクリル樹脂(A):カルボキシル基含有モノマー(a1)5〜40質量%、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート5〜40質量%、式(1)に示す構造のポリオキシアルキレン基を有する重合性不飽和モノマー(a2)20〜70質量%及び必要に応じてその他のモノマー(a3)0〜70質量%を共重合して得られる樹脂
Figure 2011148889
式(1)
(Rは水素原子又はメチル基を表し、Rはn個の繰り返し単位中、その全てが同じであっても或いは異なっていてもよい炭素数2〜5のアルキレン基を表し、さらに該アルキレン基は直鎖状でも分岐状でもよく、Rは水素原子又は炭素数1〜30のアルキル基を表し、nは5〜300の整数である)
親水性架橋重合体微粒子(B):
(b1) ポリオキシアルキレン鎖又はポリビニルピロリドン鎖を有する重合性不飽和モノマー2〜50質量%、
(b2)N−メチロール(メタ)アクリルアミド及び/又はN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド20〜65質量%、
(b3)1分子中に2個以上の重合性不飽和二重結合を有する化合物0.1〜5質量%、
(b4)カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー 2〜50質量%、並びに
(b5)1分子中に1個の重合性不飽和基を有する、上記(b1)、(b2)、(b3)及び(b4)以外の他のモノマー 0〜65.9質量%、からなるモノマー混合物の共重合体からなる親水性架橋重合体微粒子
2.アクリル樹脂(A)と親水性架橋重合体微粒子(B)及び架橋剤(C)の3成分の合計固形分質量を基準にして、フェノール酸とフェノール酸縮合物及びそれらの塩から選ばれる少なくとも1種の化合物(D)を0.1〜10質量%含有する1項に記載の親水化処理剤、
3.アクリル樹脂(A)と親水性架橋重合体微粒子(B)及び架橋剤(C)の3成分の合計固形分質量を基準にして、ノニオン性界面活性剤(E)を0.1〜10質量%含有する1項又は2項に記載の親水化処理剤。
4.1項〜3項のいずれか1項に記載の親水化処理剤を塗装し、加熱乾燥して得られた塗膜を有する内装用の熱交換器用の塗装部品、に関する。
本発明の親水化処理剤によれば、汚染物質がフィン表面に付着しても親水性を持続することができる耐汚染性と耐水性に優れた皮膜を得る熱交換器用のフィン材を提供できる。理由として、特定のアクリル樹脂(A)を一定量配合することによって、塗膜に吸水性を付与することができる為、得られた塗膜は親水性を持続でき耐汚染性に優れると考える。
さらに、親水性架橋重合体微粒子(B)を一定量配合することによって、親水性の持続性が高まることを見出した。
本発明は、特定のアクリル樹脂(A)と特定の親水性架橋重合体微粒子(B)及び架橋剤(C)を含む熱交換器フィン材用の親水化処理剤である。以下、詳細に説明する。
アクリル樹脂(A)
アクリル樹脂(A)は、カルボキシル基含有モノマー(a1)5〜40質量%、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート5〜40質量%、特定の構造のポリオキシアルキレン基を有する重合性不飽和モノマー(a2)、及び必要に応じてその他の重合性不飽和モノマー(a3)を共重合反応して得られる。
前記、カルボキシル基含有モノマー(a1)は、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、2−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、2−カルボキシプロピル(メタ)アクリレート、5−カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートと無水コハク酸のエステル化物である2−メタクリロイルオキシエチルサクシネート等を挙げることができる。これらの中でも(メタ)アクリル酸が耐水性の点から好ましい。
このようなカルボキシル基含有モノマー(a1)の使用量は、カルボキシル基含有モノマー(a1)とヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと重合性不飽和モノマー(a2)及びその他の重合性不飽和モノマー(a3)との質量合計を基準にして、カルボキシル基含有モノマー(a1)を5〜40質量%、好ましくは10〜20質量%の範囲が、耐水性の向上のために好ましい。
前記、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートを挙げることができる。また、アクリル酸又はメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステルとε−カプロラクトンとの付加物も用いることができる。この付加物の市販品としては、例えば、「プラクセルFM−3」(商品名、ダイセル化学工業社製)が挙げられる。これらの中でも
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが耐水性の点から好ましい。
このようなヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの使用量は、カルボキシル基含有モノマー(a1)とヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと重合性不飽和モノマー(a2)及びその他の重合性不飽和モノマー(a3)との質量合計を基準にして、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを5〜40質量%、好ましくは10〜35質量%の範囲が、耐水性の向上のために好ましい。
次に、ポリオキシアルキレン基を有する重合性不飽和モノマー(a2)「以下、重合性不飽和モノマー(a2)と略することがある」は、下記式(1)で表される。
Figure 2011148889
式(1)
(式(1)におけるRは水素原子又はメチル基を表し、Rはn個の繰り返し単位中、その全てが同じであっても或いは異なっていてもよい、炭素数2〜5のアルキレン基を表し、さらに該アルキレン基は直鎖状でも分岐状でもよく、Rは水素原子又は炭素数1〜30のアルキル基を表し、nは5〜300の整数である)
なお重合性不飽和モノマー(a2)を配合することによって、汚染物質がフィン表面に付着しにくく親水性が持続でき、さらに耐水性に優れる塗膜を得ることができる。
本発明の親水化処理剤には、上記した式(1)において、該ポリオキシエチレン基の平均重合度に相当するnが5〜300、好ましくはnが5〜200の整数であることが好ましい。
上記理由は明らかではないが、この特定の構造でポリオキシアルキレン鎖の平均重合度nが5以上である場合は、ポリオキシアルキレン鎖はミクロブラウン運動している為、塗膜表層部のポリオキシアルキレン鎖に汚染物質が付着しにくく塗膜の親水性を持続できる。この為、塗膜の耐汚染性が持続し、さらに耐水性を維持できるものと考える。
このようなポリオキシアルキレン基を有する重合性不飽和モノマー(a2)の使用量は、カルボキシル基含有モノマー(a1)とヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと重合性不飽和モノマー(a2)及びその他の重合性不飽和モノマー(a3)との質量合計を基準にして、ポリオキシアルキレン基を有する重合性不飽和モノマー(a2)を20〜70質量%、好ましくは35〜55質量%の範囲であるのがよい。
重合性不飽和モノマー(a2)の使用量が20質量%よりも少ないと得られる塗膜の親水性の持続が不十分になることがある。70%質量よりも多いと重合性不飽和モノマー(a2)の一部が未反応のまま残存して結露水に溶出し、耐水性が低下することがある。
次いで、その他の重合性不飽和モノマー(a3)は、必要に応じて使用されるものであり、以下の化合物を挙げることができる。
具体的には、(メタ)アクリルアミド系モノマー:例えば(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン等;含窒素複素環式化合物系モノマー:例えば2−ビニルピリジン、1−ビニル−2−ピロリドン、4−ビニルピリジン等;アミノ基含有モノマー:例えばN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等;ニトリル基含有モノマー:例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等;(メタ)アクリル酸エステル系モノマー:例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル等のアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数1〜30のアルキルエステル又はシクロアルキルエステル等。(メタ)アクリル酸メトキシブチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシブチル等のアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数2〜18のアルコキシアルキルエステル、又は、(メタ)アクリル酸アセトアセトキシエチル等;芳香族系モノマー:例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ヒドロキシスチレン等;フッ化アルキル基含有モノマー:例えば(メタ)アクリル酸パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロイソノニルエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロオクチルエチル等のアクリル酸又はメタクリル酸のパーフルオロアルキルエステル;オレフィン系モノマー:例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンテン等;フルオロオレフィン系モノマー:例えばトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン等;ビニルエステル系モノマー:例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプリン酸ビニル、酢酸イソプロペニル等の炭素原子数1〜20の脂肪酸のビニルエステル類やプロペニルエステル類。このようなビニルエステル類の市販品として、「VeoVa」モノマー(商品名、シェル化学社製、分岐高級脂肪酸のビニルエステル)等;が挙げられる。
他に、加水分解性アルコキシシリル基含有モノマー:例えば、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン等;スルホン酸基含有モノマー:例えば、ビニルスルホン酸、メタリルスルホン酸、(メタ)アクリル酸スルホエチル、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のスルホン酸基含有モノマー及びその塩;リン酸基含有モノマー、例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート等の水酸基含有モノマーとリン酸化合物のエステル化物、或いは(メタ)アクリル酸グリシジル等のエポキシ基にリン酸化合物を付加させた化合物等;一分子中に複数の不飽和結合を有するモノマー:(メタ)アクリル酸アリル、1,6−ジ(メタクリロイルオキシ)ヘキサン、ジビニルベンゼン等;上記したその他の重合性不飽和モノマー(a3)は、1種で又は2種以上を使用することができる。これらのその他の重合性不飽和モノマー(a3)の中でも、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレートを使用することが、親水性の維持のために好ましい。
このようなその他の重合性不飽和モノマー(a3)の使用量は、カルボキシル基含有モノマー(a1)とヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと重合性不飽和モノマー(a2)及びその他の重合性不飽和モノマー(a3)との質量合計を基準にして、その他の重合性不飽和モノマー(a3)を0〜70質量%、好ましくは10〜55質量%の範囲であるのがよい。
なおアクリル樹脂(A)の製造は、カルボキシル基含有モノマー(a1)、
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、重合性不飽和モノマー(a2)の1種又は2種以上、及び必要に応じてその他の重合性不飽和モノマー(a3)をラジカル重合開始剤を用いて共重合反応してできる。
上記合成方法としては、例えば溶媒中での均一重合(溶液重合)や分散重合、或いは溶媒を用いないバルク重合などの公知の方法を用いることができるが、中でも溶液重合法が最も一般的である。重合反応の際は必要に応じて連鎖移動剤を用いて分子量調整することもできる。モノマーと重合開始剤の重合系内への導入方法は従来公知の方法を用いることができる。
溶液重合法に際して使用される溶媒としては、例えば、水;トルエン、キシレン、「スワゾール1000」(コスモ石油社製、商品名、高沸点石油系溶剤)などの芳香族系溶剤;酢酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートなどのエステル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトンなどのケトン系溶剤;エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ブタノール等のアルコール系溶剤;プロピルプロピオネート、ブチルプロピオネート、エトキシエチルプロピオネートなどを挙げることができる。これらの溶媒は、1種で又は2種以上を組合せて使用することができる。また、必要に応じて上記した溶剤と水を混合して用いることも可能である。
重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−t−アミルパーオキサイド、t−ブチルパーオクトエート、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)などの公知のラジカル重合開始剤を挙げることができる。
重合開始剤の使用量は、重合させるモノマーの総量に対して、0.01〜30質量%が好ましく、0.1〜20質量%がより好ましい。必要に応じて用いることのできる連鎖移動剤としては、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、α−メチルスチレンダイマー等の公知の化合物を用いることができる。溶液重合による共重合は、例えばモノマーと重合開始剤の混合物を溶剤に溶解または分散し、これを撹拌しながら通常50℃〜200℃に加熱しながら1〜20時間撹拌することによって行うことができる。
アクリル樹脂(A)は、塩基性化合物と一緒に用いてもよく、アクリル樹脂(A)中のカルボキシル基の一部又は全部をアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩とすることができ、例えば、上記アクリル樹脂(A)をアルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物で中和することによって用いることができる。
得られたアクリル樹脂(A)の酸価は、200mgKOH/g以下であることが好ましい。固形分酸価が200mgKOH/gよりも大きいと焼付け後の硬化塗膜の耐水性が不十分となる場合がある。上記アクリル樹脂(A)の重量平均分子量は好ましくは2,000〜300,000、さらに好ましくは3,000〜200,000の範囲内である。
本明細書において重量平均分子量は、溶媒としてテトラヒドロフランを使用し、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィにより測定した保持時間(保持容量)をポリスチレンの重量平均分子量を基準にして換算した値である。数平均分子量は、その重量平均分子量から計算によって求めた値である。
ゲルパーミエーションクロマトグラフは、「HLC8120GPC」(東ソー社製)を使用した。カラムとしては、「TSKgel G−4000HXL」、「TSKgel G−3000HXL」、「TSKgel G−2500HXL」、「TSKgel G−2000HXL」(いずれも東ソー(株)社製、商品名)の4本を用い、移動相;テトラヒドロフラン、測定温度;40℃、流速;1ml/分、検出器;RIの条件で行ったものである。
親水性架橋重合体微粒子(B)
親水性架橋重合体微粒子(B)は、ポリオキシアルキレン鎖又はポリビニルピロリドン鎖を有する重合性不飽和モノマー(b1)、N−メチロール(メタ)アクリルアミド及び/又はN−アルコキシメチル基を有する不飽和化合物(b2)、架橋性不飽和単量体(b3)、カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー(b4)並びに1分子中に1個の重合性不飽和基を有する上記(b1)、上記(b2)、上記(b3)及び(b4)以外のその他のモノマー(b5)からなるモノマー混合物の共重合体からなる親水性架橋重合体微粒子(B)を含有する。
ポリオキシアルキレン鎖又はポリビニルピロリドン鎖を有する重合性不飽和モノマー(b1)
ポリオキシアルキレン鎖又はポリビニルピロリドン鎖を有する重合性不飽和モノマー(b1)は、1分子中に少なくとも1個の重合性二重結合と、ポリオキシアルキレン鎖又はポリビニルピロリドン鎖を有する化合物であり、その代表例としては下記一般式(2)、一般式(3)又は一般式(4)で示される化合物を挙げることができる。
Figure 2011148889
式(2)
(式(2)中、R、RおよびRは同一又は相異なり、それぞれ水素原子又はメチル基を表わし、Rは−OH、−OCH、−SOH又は−SO を表わし、ここでMはNa、K、Li、NH4+又は有機アンモニウム基を表わし、nは10〜200の数であり、そしてn個の式
Figure 2011148889
の単位における各Rは同一であってもよく或いは互に異なっていてもよい、ここで、上記有機アンモニウム基は、1級、2級、3級および4級のいずれであってもよく、その窒素原子には少なくとも1個の有機基と0〜3個の水素原子が結合したものであり、上記有機基としては、O、S、N原子などを含有していてもよい炭素原子数1〜8のアルキル基、アリール基、アラルキル基などを挙げることができる)
Figure 2011148889
式(3)
(式(3)中、R、R、R、Rおよびnはそれぞれ前記と同じ意味を有する)
Figure 2011148889
式(4)
(式(4)中、RおよびRは前記と同じ意味を有し、XはO、S又はN原子を含有してもよい炭素原子数5〜10の二価の有機基を表わし、mは10〜100の整数である)
上記式(4)において、Xによって表わされる「O、S又はN原子を含有してもよい炭素原子数5〜10の二価の有機基」の具体例としては、下記式で表わされる基などを挙げることができる。
Figure 2011148889
上記モノマー(b1)としては、分散安定性等の観点から、中でも、nが50〜200である式(2)又は式(3)の化合物が好ましい。
N−メチロール(メタ)アクリルアミド及び/又はN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド(b2)
N−メチロール(メタ)アクリルアミド及び/又はN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド(b2)としては、式(5)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
Figure 2011148889
式(5)
(式(5)中、Rは水素原子又はメチル基を表わし、RおよびRは同一又は相異なり、Rはメチロール基又は炭素数1〜5のアルコキシメチル基を表し、RはRと同一又は水素原子又は炭素原子数1〜5の有機基を表わし、ここでRとRとの炭素原子数の和は5以下である)
上記式(5)において、R又はRによって表わされうる「炭素原子数1〜5の有機基」は、直鎖状のもの又は分枝鎖状のもののいずれであってもよく、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、アミルなどを挙げることができる。
上記式(5)で示されるN−メチロール(メタ)アクリルアミド及び/又はN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド(b2)の代表例としては、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなどのN−メチロール基を有する不飽和化合物;N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−エトキシメチルアクリルアミド、N−エトキシメチルメタクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルメタクリルアミドなどのN−アルコキシメチル基を有する不飽和化合物などが挙げられる。
架橋性不飽和単量体(b3)
架橋性不飽和単量体(b3)は、粒子の架橋に寄与する成分であり、1分子中に2個以上の重合性二重結合を有する化合物、ならびに1分子中に加水分解性シリル基、エポキシ基から選ばれる少なくとも1個の官能基と1個の重合性二重結合とを有する化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
上記架橋性不飽和単量体(b3)のうち、1分子中に2個以上の重合性二重結合を有する化合物(b31)としては、例えば、メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、アリル(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。これらのうち、得られる重合体微粒子の分散安定性および親水性等の観点から、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミドが好適である。本発明において各化合物の語尾の「(メタ)アクリレート」は「アクリレート又はメタクリレート」を意味する。
上記架橋性不飽和単量体(b3)のうち、1分子中に加水分解性シリル基、エポキシ基から選ばれる少なくとも1個の官能基と1個の重合性二重結合とを有する化合物(b32)としては、下記の化合物を挙げることができる。なお、本明細書において「加水分解性シリル基」とは、加水分解することによってシラノール基(Si−OH)を生成する珪素含有基を意味し、例えば、下記式で表わされる基を挙げることができる。
Figure 2011148889
(式中、2個のRは同一又は相異なり、それぞれ水素原子、炭素数1〜18個の炭化水素基、炭素数1〜4のアルコキシ基又は炭素数2〜4のアルコキシ基置換アルコキシ基を表わし、R10は炭素数1〜4のアルコキシ基又は炭素数2〜4のアルコキシ基置換アルコキシ基を表わす)
しかして、上記化合物(b32)の代表例としては、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、2−スチリルエチルトリメトキシシラン、ビニルトリス(メトキシエトキシ)シランなどの加水分解性シリル基を有する不飽和化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ基を有する不飽和化合物;を挙げることができる。これらの中、重合体微粒子の有機溶剤中での安定性等の点から炭素数1〜7のアルコキシメチル基を有する不飽和化合物が好ましい。
カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー(b4)
次に、カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー(b4)としては、1分子中に少なくとも1個のカルボキシル基と1個の重合性不飽和基を有する化合物であれば特に制限なく使用でき、その代表例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸モノブチル、マレイン酸モノブチルなどを挙げることができる。モノマー(b4)は、本発明の親水化処理剤の硬化性に寄与する。
その他のモノマー(b5)
その他のモノマー(b5)は、必要に応じて用いられる不飽和単量体であり、1分子中に1個の重合性不飽和基を有し、前記(b1)、(b2)、(b3)及び(b4)と共重合可能な、前記(b1)、(b2)、(b3)及び(b4)以外の化合物である。
上記その他のモノマー(b5)は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の如きアクリル酸又はメタアクリル酸の炭素数1〜24のアルキル又はシクロアルキルエステル;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の如きアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数2〜8のヒドロキシアルキルエステル;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの重合性不飽和ニトリル;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロルスチレンなどの芳香族ビニル化合物;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどのアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数3〜8の含窒素アルキルエステル;エチレン、プロピレンなどのα−オレフイン;ブタジエン、イソプレンなどのジエン化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル;エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテルなどのビニルエーテルなどを挙げることができる。これらの化合物は1種で又は2種以上の混合物として使用することができるが、疎水性の化合物を多く用いると重合体粒子の親水性が損なわれるため注意が必要である。
親水性架橋重合体微粒子(B)の製造
親水性架橋重合体微粒子(B)は、例えば、以上に述べたポリオキシアルキレン鎖又はポリビニルピロリドン鎖を有する重合性不飽和モノマー(b1)、
N−メチロール(メタ)アクリルアミド及び/又はN−アルコキシメチル基を有する不飽和化合物(b2)、架橋性不飽和単量体(b3)、カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー(b4)並びに必要に応じてその他のモノマー(b5)からなるモノマー混合物を、該モノマー混合物は溶解するが生成する共重合体を実質的に溶解しない水混和性有機溶媒中又は水混和性有機溶媒/水混合溶媒中で重合せしめることにより製造することができる。
その際の各不飽和単量体(b1)、(b2)、(b3)、(b4)及び(b5)の使用割合は、形成される共重合体中に望まれる不飽和単量体の構成割合と同じにすることができ、例えば、以下のとおりとすることができる。
(b1):2〜50質量%、好ましくは2〜40質量%、
(b2):20〜65質量%、好ましくは30〜60質量%、
(b3):0.1〜5質量%、好ましくは0.5〜4質量%、
(b4):2〜50質量%、好ましくは5〜40質量%、
(b5):0〜65.9質量%、好ましくは0〜60質量%。
親水性架橋重合体微粒子(B)の製造において使用されるポリオキシアルキレン鎖又はポリビニルピロリドン鎖を有する重合性不飽和モノマー(b1)は、分子中に、親水性に富んだポリオキシアルキレン鎖又はポリビニルピロリドン鎖を有しているため、この不飽和モノマー(b1)が生成重合体の分散安定化の役割を果すため分散安定剤の使用を必要としない。
上記親水性架橋重合体微粒子(B)の製造に際して反応溶媒として、原料のモノマー混合物は溶解するが、生成する共重合体を実質的に溶解しない水混和性有機溶媒又は水混和性有機溶媒/水混合溶媒が使用される。ここで、「水混和性」又は「水と混和する」とは、20℃の温度で水に任意の割合で溶解しうることを意味する。上記水混和性有機溶媒としては、上記の要件を満たす限り任意のものを使用することができるが、特に、溶解性パラメータ(SP)値が一般に9〜11、特に9.5〜10.7の範囲内にある有機溶媒を少なくとも50重量%、特に70重量%以上含有するものが、重合安定性の観点から好適である。なお、本明細書における「溶解性パラメータ(SP)値」は、Journal of Paint Technology, Vol.42 No. 541,76〜118(1970年2月)の記載に基づくものである。
SP値が上記の範囲内にある水混和性有機溶媒としては、例えば、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテルが挙げられ、これらの中特に、エチレングリコールモノブチルエーテル又はプロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましい。
水混和性有機溶媒は、以上に述べた如きSP値が9〜11の範囲内にある有機溶媒以外に、他の水混和性又は水非混和性有機溶媒を含有することができる。そのような有機溶媒としては、水混和性有機溶媒、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等が好適である。該他の有機溶媒は、有機溶媒の全量の50質量%以下、特に30質量%以下の量で使用することが望ましい。
また、反応溶媒として、水混和性有機溶媒/水の混合溶媒を使用する場合、該混合溶媒中における水の含有量は、重合安定性等の観点から、通常、水混和性有機溶媒100質量部あたり60質量部以下、特に40質量部以下であることが好ましい。
上記重合は、通常、ラジカル重合開始剤の存在下に行なわれる。ラジカル重合開始剤としては、それ自体既知のものを使用することができ、その使用量は、通常、不飽和単量体の合計量に対して0.2〜5質量%の範囲内とすることができる。
重合温度は、使用する重合開始剤の種類等によって変えることができるが、通常、約50〜約160℃、さらには90〜160℃の範囲内の温度が適当であり、反応時間は0.5〜10時間とすることができる。また、重合反応後に架橋性不飽和単量体(b3)による架橋を進行させるために、より高温に加熱してもよい。さらに、重合反応中や重合反応後における粒子内架橋反応をより速やかに進行させるために、必要に応じて、架橋反応触媒を加えてもよい。架橋反応触媒としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸等の強酸触媒;トリエチルアミンなどの塩基触媒などを挙げることができ、架橋反応種に応じて適宜選定すればよい。
以上に述べた如くして製造される親水性架橋重合体微粒子(B)の粒子径は、特に限定されるものではないが、重合体微粒子(B)の安定性、凝集物の発生抑制などの点から、一般に0.03〜1μm、好ましくは0.05〜0.6μmの範囲内の平均粒子径を有することが適当である。この平均粒子径は、粒子径測定装置、例えばコールター(coulter)モデルN4MD(コールター社製)によって測定することができる。
上記親水性架橋重合体微粒子(B)は、モノマー(b1)に由来するポリオキシアルキレン鎖又はポリビニルピロリドン鎖が重合体微粒子表面に化学的に結合した状態で外側に向って配向しているため分散安定剤の不存在下であっても、重合安定性及び経時での分散安定性(貯蔵安定性)が極めて優れており、しかも表面が親水性に富んでいる。
本発明の熱交換器フィン材用の親水化処理剤は、アクリル樹脂(A)と親水性架橋重合体微粒子(B)に加え、架橋剤(C)を使用することにより、耐汚染性及び耐水性を大きく向上させることができる。
架橋剤(C)
架橋剤(C)は、メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリアルデヒド化合物、フェノール樹脂、オキサゾリン基含有樹脂、ポリエポキシ化合物、ブロック化ポリイソシアネート化合物、カルボジイミド化合物、ヒドロキシアルキルアミド化合物、ヒドラジド化合物、セミカルバジド化合物、シリケート化合物等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。この中でも、加工性、耐水性の面からメラミン樹脂やオキサゾリン基含有樹脂が好ましい。
メラミン樹脂としては、例えば、メチロール化メラミンのメチロール基の一
部又は全部を炭素数1〜8の1価アルコール、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノール等で、エーテル化した部分エーテル化又はフルエーテル化メラミン樹脂が挙げられる。
これらは、メチロール基がすべてエーテル化されているか、又は部分的にエーテル化され、メチロール基やイミノ基が残存しているものも使用できる。メチルエーテル化メラミン、エチルエーテル化メラミン、ブチルエーテル化メラミン等のアルキルエーテル化メラミンを挙げることができ、1種のみ、又は必要に応じて2種以上を併用してもよい。なかでもメチロール基の少なくとも一部をメチルエーテル化したメチルエーテル化メラミン樹脂が好適である。
このような条件を満たすメラミン樹脂の市販品としては、例えば、「サイメル202」、「サイメル232」、「サイメル235」、「サイメル238」、「サイメル254」、「サイメル266」、「サイメル267」、「サイメル272」、「サイメル285」、「サイメル301」、「サイメル303」、「サイメル325」、「サイメル327」、「サイメル350」、「サイメル370」、「サイメル701」、「サイメル703」、「サイメル736」、「サイメル738」、「サイメル771」、「サイメル1141」、「サイメル1156」、「サイメル1158」等(以上、日本サイテック社製)、「ユーバン120」、「ユーバン20HS」、「ユーバン2021」、「ユーバン2028」、「ユーバン2061」等(以上、三井化学社製)、および「メラン522」等(日立化成社製)の商品名で市販されている。
上記、架橋剤(C)の配合割合は、アクリル樹脂(A)と親水性架橋重合体微粒子(B)及び架橋剤(C)の固形分合計を基準にして、アクリル樹脂(A)30〜60質量%、好ましくは35〜50質量%、親水性架橋重合体微粒子(B)35〜65質量%、好ましくは40〜55質量%、架橋剤(C)5〜30質量%、好ましくは10〜25質量%である。この範囲であることが、汚染物質が付着しにくく親水性を持続性でき、かつ耐水性の向上の為にも好ましい。
フェノール酸とフェノール酸縮合物及びそれらの塩から選ばれる少なくとも1種の化合物(D)
本発明の親水化処理剤には、必要に応じて、フェノール酸とフェノール酸縮合物及びそれらの塩から選ばれる少なくとも1種の化合物(D)(以下、「化合物(D)」と称することがある)を使用することができる。
このような化合物(D)は、フェノール酸、フェノール酸縮合物及びそれらの塩から選ばれる少なくとも1種の化合物であり、塗膜の焼付け硬化時における樹脂の分解を抑制することができるとともに、得られた塗膜の耐汚染性や耐水性をさらに向上させることができる。
上記のフェノール酸は、ベンゼン核に1つ以上のフェノール性水酸基と1つ以上のカルボキシル基をもつ芳香族カルボン酸であり、具体例としては、o−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸等のモノオキシモノカルボン酸;3,4−ジヒドロキシ安息香酸、オルセリン酸等のジオキシモノカルボン酸;2,3,4−トリオキシ安息香酸、3,4,5−トリオキシ安息香酸等のトリオキシモノカルボン酸;2,3,4,5−テトラオキシ安息香酸等のテトラオキシモノカルボン酸;3,4−ジオキシフタル酸、2,3−ジオキシテレフタル酸等のジオキシジカルボン酸;2,4,6−トリオキシイソフタル酸、4,5,6−トリオキシイソフタル酸等のトリオキシジカルボン酸等がある。フェノール酸縮合物としては、フェノール酸の一方のカルボキシル基と他方の水酸基とでエステル結合を形成した一般にデプシドと呼ばれるものであり、例えば、レカノール酸、ジロホール酸、タンニン酸などが挙げられる。また、フェノール酸やフェノール酸縮合物などを含む混合物である各種タンニンも使用することができ、その中では加水分解型タンニンが好ましい。また、フェノール酸及びフェノール酸縮合物の塩としては、アンモニウム塩、ナトリウム塩、亜鉛塩、アルミニウム塩などが挙げられる。これらの化合物はそれぞれ単独で又は2種以上を組合せて使用することができる。
化合物(D)の配合量は、アクリル樹脂(A)と親水性架橋重合体微粒子(B)及び架橋剤(C)の固形分合計を基準にして、0.1〜10質量%、好ましくは0.3〜5質量%、さらに好ましくは0.5〜3質量%であることが、親水性を持続させて耐汚染性に優れ、かつ耐水性の面から好ましい。
ノニオン系界面活性剤(E)
ノニオン系界面活性剤(E)は、得られる皮膜に付着した水分が水滴を形成せず、拡張濡れし易くするためなどの目的で、必要に応じて配合されるものである。
このようなノニオン系界面活性剤は、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエステル、ソルビタンアルキルエステル、ポリオキシアルキレンソルビタンアルキルエステルポリオキシアルキレングリコール、アルキルポリグルコシド、ポリオキシエチレン誘導体、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、アルキレンオキシドシラン化合物が挙げられる。これらの界面活性剤は、それぞれ単独で又は2種以上を組合せて使用することができる。
これらの中でも、親水性の持続性には、ポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましい。ポリオキシエチレンアルキルエーテルの市販品としては、ニューコール2308(日本乳化剤社製)、ノニオンS220(日本油脂社製)が挙げられる。
このようなノニオン系界面活性剤(E)の配合量は、アクリル樹脂(A)、親水性架橋重合体微粒子(B)及び架橋剤(C)の3成分の合計固形分質量を基準にして、ノニオン性界面活性剤を0.1〜10質量%、好ましくは1〜8質量%、さらに好ましくは2.0〜5.0質量%の範囲内である。
さらに、本発明の親水化処理剤には、アクリル樹脂(A)、親水性架橋重合体微粒子(B)及び架橋剤(C)、及び必要に応じて配合される化合物(D)、ノニオン性界面活性剤(E)とともに、硬化触媒、防菌剤、防腐剤、防カビ剤、着色顔料、染料、それ自体既知の防錆顔料(たとえばクロム酸塩系、鉛系、モリブデン酸系など)、防錆剤や酸化防止剤(たとえばタンニン酸や3’,4’,5’−トリヒドロキシ安息香酸などのフェノール性水酸基含有芳香族カルボン酸およびその塩類やエステル類、ポリフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、フィチン酸やホスフィン酸などの有機リン酸、重リン酸の金属塩類、亜硝酸塩など)、帯電防止剤、難燃剤、レオロジーコントロール剤、紫外線吸収剤、光安定剤などの公知の添加剤を含有することができる。
本発明組成物は、例えばアクリル樹脂(A)、親水性架橋重合体微粒子(B)、架橋剤(C)、及び必要に応じて配合される化合物(D)、ノニオン性界面活性剤(E)とともに、有機溶媒または有機溶媒と水との混合溶媒に溶解ないしは分散することにより調製することができる。
本発明の親水化処理剤は、例えば熱交換器フィン材表面に塗布し、乾燥させることによって、汚染物質がフィン表面に付着しても親水性を持続させて耐汚染性に優れ、かつ耐水性に優れる塗膜を熱交換器フィン材表面に形成することができる。
熱交換器用のアルミニウムフィン材の皮膜形成方法について
熱交換器用のアルミニウムフィン材の製造は、アルミニウム又はアルミニウム合金製のフィン材の表面に、本発明の親水化処理剤を塗装し、乾燥して皮膜を形成する。
該基材であるアルミニウム又はアルミニウム合金製のフィン材としては、従
来、熱交換器アルミニウムフィン材の基材として使用可能なそれ自体既知のものを使用することができ、通常、無処理の上記基材を従来公知の方法で脱脂、水洗、乾燥したものを好適に使用することができる。
上記アルミニウム系基材上に親水化処理剤を塗装し乾燥させることによって皮膜を形成することができる。親水化処理剤は、基材であるアルミニウム系基材(熱交換器に組み立てられたものであってもよい)上に、それ自体既知の塗装方法、例えば、浸漬塗装、シャワー塗装、スプレー塗装、ロール塗装、電着塗装などによって塗装することができる。親水化処理剤の乾燥条件は、通常、素材到達最高温度が60〜250℃となる条件で、2秒間〜30分間乾燥させることが好適である。
また、親水化処理剤の乾燥膜厚としては通常、乾燥膜厚0.1〜5μm、特に0.5〜3μmの範囲が好ましい。0.1μm未満になると、耐食性、耐水性などの性能が劣り、一方5μmを超えると、アルミニウムフィン材の熱伝導性や加工性が劣るので好ましくない。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下において、「部」及び「%」はそれぞれ「質量部」及び「質量%」を意味する。
[アクリル樹脂(A)の製造例]
製造例1 アクリル樹脂溶液No.1の製造
温度計、サーモスタット、還流冷却器、モノマー槽1とモノマー槽2、攪拌機、水分離器等を備えた反応槽に、プロピレングリコールモノメチルエーテル70部を仕込み、窒気流下で110℃に加熱して保持し、表1に記した組成のモノマーの内、「アクリル酸 10部、2−ヒドロキシエチルアクリレート 10部、2−エチルヘキシルアクリレート 25部、メチルメタクリレート 5部、ラジカル重合開始剤t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.7部」からなる混合物をモノマー槽1に仕込み、「ブレンマーPME−400(注1)の50質量%水溶液を100部(モノマー量で50部)と酢酸エチル5部」からなる混合物をモノマー槽2に仕込んだ。
モノマー槽1と2内のモノマー混合物を同時に2時間かけて反応槽内に滴下した。滴下終了後、さらに同温度で0.5時間保持してから、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.5部とプロピレングリコールモノメチルエーテル5部との混合物を0.5時間かけて滴下した。
その後、同温度で1時間保持してから50℃まで冷却し、プロピレングリコールモノメチルエーテルで希釈し固形分50%のアクリル樹脂溶液A−1を得た。なお重合中は水分離器により、系中の水分を酢酸エチルと共沸し、分離除去した。得られた樹脂は樹脂酸価78mgKOH/g、水酸基価48mgKOH/g、重量平均分子量2.8万を有していた。
製造例2〜13、比較製造例1〜3
製造例1において、モノマー組成を表1と表2(表1のつづき)に記載した配合とする以外は、製造例1と同様にして製造し、アクリル樹脂溶液A−2〜A−13、比較製造例1〜3のアクリル樹脂溶液A−14〜A−16を得た。
Figure 2011148889
Figure 2011148889
ポリオキシアルキレン基含有モノマー:式(1)におけるオキシエチレン基の繰り返し単位数を変動させた下記式(6)(メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート)の市販品(日本油脂社製)を用いた。
Figure 2011148889

式(6)
(注1)ブレンマーPME−400:日本油脂(株)製、商品名、式(1)におけるオキシエチレン基の繰り返し単位数n=9
(注2)PLEX6969−0:エボニックデグサジャパン(株)、商品名、
式(1)におけるオキシエチレン基の繰り返し単位数n=22
(注3)PLEX6968−0:エボニックデグサジャパン(株)、商品名、
式(1)におけるオキシエチレン基の繰り返し単位数n=45
(注4)PLEX6965−0:エボニックデグサジャパン(株)、商品名、
式(1)におけるオキシエチレン基の繰り返し単位数n=113
(注5)ブレンマーPME−200:日本油脂(株)製、商品名、式(1)におけるオキシエチレン基の繰り返し単位数n=4。
[親水性架橋重合体微粒子(B)の製造例]
製造例14 親水性架橋重合体微粒子分散液No.1
窒素導入管、コンデンサ、滴下ロート及びメカニカルスターラを備えたフラスコにプロピレングリコールモノメチルエーテル200部を入れ、118℃に昇温した。次にフラスコ内に下記のモノマー、溶媒及び開始剤の混合物を5時間かけて滴下し、滴下終了後さらに1時間118℃に保持して親水性架橋重合体微粒子分散液No.1を得た。
ブレンマーPME−400(注1参照) 30部
N−メチロールアクリルアミド 47部
メチレンビスアクリルアミド 3部
メタクリル酸2−ヒドロキシエチル 2部
アクリルアミド 7部
アクリル酸 13部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 200部
2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル) 1.5部
得られた分散液は乳白色の固形分20%の安定な分散液であり、樹脂粒子の粒子径は336nmであった。
製造例15 親水性架橋重合体微粒子分散液No.2
製造例14においてモノマー、溶媒及び開始剤の混合物を下記の組成とする以外は製造例14と同様にして製造し、親水性架橋重合体微粒子分散液No.2を得た。
ブレンマーPME−400(注1参照) 30部
N−メチロールアクリルアミド 23部
メチレンビスアクリルアミド 3部
メタクリル酸2−ヒドロキシエチル 2部
アクリルアミド 31部
アクリル酸 11部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 200部
2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル) 1.5部
得られた分散液は乳白色の固形分20%の安定な分散液であり、樹脂粒子の粒子径は285nmであった。
熱交換器フィン材用の親水化処理剤の製造
実施例1 親水化処理剤No.1の製造例
製造例1で得たNo.1を40部(固形分)、重合体架橋水分散体No.1を50部(固形分)、サイメル701(注6)10部(固形分)を加え、さらに脱イオン水を加えて固形分を調整して、固形分10%の親水化処理剤No.1を得た。
実施例2〜18
下記表3及び表4に示す配合に従って各成分を攪拌機で十分に混合し、脱イオン水を加えて固形分を調整して固形分10%の親水化処理剤No.2〜No.18を作成した。
Figure 2011148889
Figure 2011148889
比較例1〜9
下記表5に示す配合に従って各成分を攪拌機で十分に混合し、脱イオン水を加えて固形分を調整して固形分10%の親水化処理剤No.19〜No.27を作成した。
Figure 2011148889
(注6)サイメル701:日本サイテックインダストリーズ社製、商品名、メ
チロール・イミノ型メラミン樹脂
(注7)エポクロスWS−701:日本触媒株式会社製、商品名、オキサゾリ
ン基含有樹脂、固形分25質量%
(注8)サイメル325:日本サイテックインダストリーズ社製、商品名、メ
チルエーテル化メラミン樹脂
(注9)サイメル301:日本サイテックインダストリーズ社製、商品名、メ
チルエーテル化メラミン樹脂
親水化処理剤を塗装したアルミニウム板の作成及び性能評価
アルミニウムフィン材(JIS−A1100)を200×250mmに切断し、濃度2質量%の脱脂剤(ケミクリーナー561B、日本シービーケミカル社製)を用いて脱脂を行った後にリン酸クロメート処理を行い、その表面に上記各親水化処理剤No.1〜No.27を乾燥皮膜が1μmになるように塗布した。その後、素材到達最高温度(PMT)が210℃になるようにして10秒間焼付け乾燥して、試験板No.1〜No.27を得た。下記の塗膜性能試験に従って試験に供した。その結果を示す。
Figure 2011148889
Figure 2011148889
Figure 2011148889
塗膜性能試験
(注10)耐水性:3枚重ねのガーゼに水をしみ込ませて、試験板の平面部を
こすった時の素地露出までの往復回数を求め、下記基準で評価した。
◎:30回以上。
〇:20回以上で30回未満、実用の範囲。
△:10回以上で20回未満。
×:10回未満。
(注11)塗膜密着性:素地に達するように鋭利な刃物で塗膜に大きさ1×1mmのゴバン目を100個作り、その表面に粘着セロハンテープを貼着し、それを急激に剥離した後の残存した枡目数を求め、下記基準で評価した。
◎:残存個数/全体個数=100個/100個。
〇:残存個数/全体個数=90個〜99個/100個。
△:残存個数/全体個数=70個〜89個/100個。
×:残存個数/全体個数=69個以下/100個。
(注12)親水性:各試験板に揮発性プレス油AF−2C(出光興産社製)
を塗布し、180℃にて5分間乾燥させたものを試験塗板とした。この試験塗
板と水との接触角を協和化学社製CA−X150型接触角計で測定し「初期」
の親水性を評価した。
親水性は下記基準に従って評価した。
◎:接触角が10°未満。
〇:接触角が10°以上で20°未満、実用の範囲。
△:接触角が20°以上で30°未満。
×:接触角が30°以上。
また、試験塗板を水道水流水(流水量は塗板1m当り15kg/時)中に
120時間浸漬し、80℃で5分間乾燥したのち上記と同様にして塗板と水と
の接触角を測定し「流水後」の親水性を評価した。親水性は下記基準に従って
評価した。
◎:接触角が20°未満。
〇:接触角が20°以上で30°未満、実用の範囲。
△:接触角が30°以上で40°未満。
×:接触角が40以上。
(注13)耐汚染性:各試験板に揮発性プレス油AF−2C(出光興産社製)
を塗布し、180℃にて5分間乾燥させた後、水道水流水(流水量は塗板1m
当り15kg/時)中に72時間浸漬したものを試験塗板とした。15リット
ルのガラス容器内にステアリン酸30gを入れたシャーレを置き、各試験塗板
を容器内に吊るして容器を密閉した。該容器を100℃に設定した乾燥器の中
に24時間放置した後、取り出して各試験塗板の水との接触角を協和化学社製
CA−X150型接触角計で測定し、下記基準に従って評価した。
◎:接触角が30°未満。
〇:接触角が30°以上で35°未満、実用の範囲
△:接触角が35°以上で40°未満。
×:接触角が40°以上
汚染物質がフィン表面に付着しても親水性の持続性、耐汚染性及び耐水性に優れる熱交換器フィン材用を提供する。

Claims (4)

  1. 下記特徴のアクリル樹脂(A)と下記特徴の親水性架橋重合体微粒子(B)及び架橋剤(C)を含む親水化処理剤であって、アクリル樹脂(A)と親水性架橋重合体微粒子(B)及び架橋剤(C)の3成分の合計固形分質量を基準にして、アクリル樹脂(A)30〜60質量%、親水性架橋重合体微粒子(B)35〜65質量%、架橋剤(C)5〜30質量%の親水化処理剤。
    アクリル樹脂(A):カルボキシル基含有モノマー(a1)5〜40質量%、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート5〜40質量%、式(1)に示す構造のポリオキシアルキレン基を有する重合性不飽和モノマー(a2)20〜70質量%及び必要に応じてその他のモノマー(a3)0〜70質量%を共重合して得られる樹脂
    Figure 2011148889

    式(1)
    (Rは水素原子又はメチル基を表し、Rはn個の繰り返し単位中、その全てが同じであっても或いは異なっていてもよい炭素数2〜5のアルキレン基を表し、さらに該アルキレン基は直鎖状でも分岐状でもよく、Rは水素原子又は炭素数1〜30のアルキル基を表し、nは5〜300の整数である)
    親水性架橋重合体微粒子(B):
    (b1) ポリオキシアルキレン鎖又はポリビニルピロリドン鎖を有する重合性不飽和モノマー2〜50質量%、
    (b2)N−メチロール(メタ)アクリルアミド及び/又はN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド20〜65質量%、
    (b3)1分子中に2個以上の重合性不飽和二重結合を有する化合物0.1〜5質量%、
    (b4)カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー 2〜50質量%、並びに
    (b5)1分子中に1個の重合性不飽和基を有する、上記(b1)、(b2)、(b3)及び(b4)以外の他のモノマー 0〜65.9質量%、からなるモノマー混合物の共重合体からなる親水性架橋重合体微粒子
  2. アクリル樹脂(A)と親水性架橋重合体微粒子(B)及び架橋剤(C)の3成分の合計固形分質量を基準にして、フェノール酸とフェノール酸縮合物及びそれらの塩から選ばれる少なくとも1種の化合物(D)を0.1〜10質量%含有する請求項1に記載の親水化処理剤。
  3. アクリル樹脂(A)と親水性架橋重合体微粒子(B)及び架橋剤(C)の3成分の合計固形分質量を基準にして、ノニオン性界面活性剤(E)を0.1〜10質量%含有する請求項1又は2に記載の親水化処理剤。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の親水化処理剤を塗装し、加熱乾燥して得られた塗膜を有する内装用の熱交換器用の塗装部品。
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