JP2011037672A - 高強度ポーラスコンクリート組成物及び高強度ポーラスコンクリート硬化体 - Google Patents
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Abstract
【課題】水結合材比を低下させたとしても、得られるコンクリート硬化体が十分な空隙率を確保することができるとともに、高い圧縮強度及び曲げ強度を発現することができる高強度ポーラスコンクリート組成物を提供する。
【解決手段】本発明の高強度ポーラスコンクリート組成物は、2CaO・SiO2含有量が30〜60質量%であって、3CaO・Al2O3含有量が7質量%以下であるポルトランドセメント及びBET比表面積が5〜15m2/gのポゾラン質微粉末を含む結合材と、粗骨材と、細骨材と、水とを少なくとも含み、水結合材比が10〜16%となるように、結合材と水とが配合されてなり、当該組成物を硬化させてなるコンクリート1m3中に含まれる粗骨材粒子間の空隙容積に対する単位モルタル体積の比が0.55〜0.95であり、細骨材粒子間の空隙容積に対する単位セメントペースト体積の比が5.0〜7.0である。
【選択図】なし
【解決手段】本発明の高強度ポーラスコンクリート組成物は、2CaO・SiO2含有量が30〜60質量%であって、3CaO・Al2O3含有量が7質量%以下であるポルトランドセメント及びBET比表面積が5〜15m2/gのポゾラン質微粉末を含む結合材と、粗骨材と、細骨材と、水とを少なくとも含み、水結合材比が10〜16%となるように、結合材と水とが配合されてなり、当該組成物を硬化させてなるコンクリート1m3中に含まれる粗骨材粒子間の空隙容積に対する単位モルタル体積の比が0.55〜0.95であり、細骨材粒子間の空隙容積に対する単位セメントペースト体積の比が5.0〜7.0である。
【選択図】なし
Description
本発明は、高強度ポーラスコンクリート組成物及び高強度ポーラスコンクリート硬化体に関するものである。
近年、アスファルト舗装及びコンクリート構造物で整備された都市環境と、そこで営まれる化石資源等の消費活動とにより、都市部のヒートアイランド現象が問題となっている。この原因として、自然地表面をコンクリートで覆った人工地表面の増大による緑被率の減少や、コンクリートが蓄熱した熱の放出による夜間の気温上昇等が挙げられる。
地球環境重視の思想が定着してきた現在では、地球環境に負荷を与える材料(例えば、ヒートアイランド現象の原因となるコンクリート等)は、マイナスのイメージが先行しがちである。そこで、都市の持続可能な発展を図るために、環境配慮、環境負荷低減又は環境対応等を目的としたエコマテリアルとしてのコンクリートの研究開発が必要不可欠となってきている。
このような背景から、近年、エコマテリアルの一つとして、連続空隙を有するポーラスコンクリートの研究開発が盛んに行われている。ポーラスコンクリートは、大きな空隙を多量に保持することにより、透水性、保水性及び低騒音性等の環境負荷低減機能や環境保全機能を有している。さらに、ポーラスコンクリートは、植生基盤や水質浄化処理等にも用いることができ、生物共生分野への適用も可能となっている。
このようなポーラスコンクリートとして、従来、セメント、ポゾラン質微粉末、粒径2mm以下の細骨材、減水剤及び水を含む透水性コンクリート舗装用結合材等が知られている(特許文献1参照)。
しかしながら、上記特許文献1に記載の透水性コンクリート舗装用結合材は、十分な透水性(0.6〜0.7cm/sec)を有するものの、コンクリートのみでは高い曲げ強度(例えば、6MPa以上)を発現することが困難であり、当該高強度を発現するためには金属繊維や有機質繊維を配合する必要があった。
コンクリートのみで高い圧縮強度及び曲げ強度を発現するために、配合条件としての水結合材比(水セメント比)を低下させると(例えば、15%以下)、コンクリートの粘性が増大して流動性が低下し、ひいては得られるコンクリート硬化体の空隙率が低下してしまうという問題があった。そのため、従来のポーラスコンクリートにおいては、水結合材比(水セメント比)を低下させることができず、結果として圧縮強度及び曲げ強度を向上させることが困難であるという問題があった。
上記問題点に鑑みて、本発明は、水結合材比を低下させたとしても、得られるコンクリート硬化体が十分な空隙率を確保することができるとともに、高い圧縮強度及び曲げ強度を発現することができる高強度ポーラスコンクリート組成物及び当該組成物を硬化させてなる高強度ポーラスコンクリート硬化体、並びに当該高強度ポーラスコンクリート硬化体の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は第一に、高強度ポーラスコンクリート組成物であって、2CaO・SiO2含有量が30〜60質量%であって、3CaO・Al2O3含有量が7質量%以下であるポルトランドセメント及びBET比表面積が5〜15m2/gのポゾラン質微粉末を含む結合材と、粗骨材と、細骨材と、水とを少なくとも含み、水結合材比が10〜16%となるように、前記結合材と前記水とが配合されてなり、前記組成物を硬化させてなるコンクリート1m3中に含まれる粗骨材粒子間の空隙容積に対する単位モルタル体積の比が、0.55〜0.95であり、前記組成物を硬化させてなるコンクリート1m3中に含まれる細骨材粒子間の空隙容積に対する単位セメントペースト体積の比が、5.0〜7.0であることを特徴とする高強度ポーラスコンクリート組成物を提供する(請求項1)。
上記発明(請求項1)によれば、水結合材比を低くすることで高い圧縮強度及び曲げ強度を発現することができるとともに、コンクリート1m3中に含まれる粗骨材粒子間の空隙容積に対する単位モルタル体積の比(Km)及び細骨材粒子間の空隙容積に対する単位セメントペースト体積の比(Kp)を上記範囲とすることで、水結合材比を低くしても所定の流動性を有するため、十分な空隙率(透水係数)を確保することができる。
上記発明(請求項1)においては、前記組成物を硬化させてなるコンクリートの透水係数が0.01〜0.65cm/secであればよく(請求項2)、上記発明(請求項1,2)においては、前記組成物を硬化させてなるコンクリートの曲げ強度が4.5N/mm2以上であればよく(請求項3)、上記発明(請求項1〜3)においては、前記組成物を硬化させてなるコンクリートの圧縮強度が24N/mm2以上であればよく(請求項4)、上記発明(請求項1〜4)においては、前記組成物を硬化させてなるコンクリートの空隙率が10〜25%であればよい(請求項5)。
上記発明(請求項2〜5)のように、非常に高い強度(曲げ強度、圧縮強度)と、十分な空隙率(透水性能)を有する高強度ポーラスコンクリート組成物を提供することができる。
また、本発明は、上記発明(請求項1〜5)に係る高強度ポーラスコンクリート組成物を硬化させてなる高強度ポーラスコンクリート硬化体を提供する(請求項6)。
さらに、本発明は、高強度ポーラスコンクリート硬化体を製造する方法であって、少なくとも2CaO・SiO2含有量が30〜60質量%であって、3CaO・Al2O3含有量が7質量%以下であるポルトランドセメント及びBET比表面積が5〜15m2/gのポゾラン質微粉末を含む結合材と、粗骨材と、細骨材と、水とを、水結合材比が10〜16%となるように、前記ポーラスコンクリート硬化体1m3中に含まれる粗骨材粒子間の空隙容積に対する単位モルタル体積の比が0.55〜0.95となるように、かつ前記ポーラスコンクリート硬化体1m3中に含まれる細骨材粒子間の空隙容積に対する単位セメントペースト体積の比が5.0〜7.0となるように配合し、硬化させることを特徴とする高強度ポーラスコンクリート硬化体の製造方法を提供する(請求項7)。
本発明によれば、水結合材比を低下させたとしても、得られるコンクリート硬化体が十分な空隙率を確保することができるとともに、高い圧縮強度及び曲げ強度を発現することができる高強度ポーラスコンクリート組成物及び当該組成物を硬化させてなる高強度ポーラスコンクリート硬化体、並びに当該高強度ポーラスコンクリート硬化体の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態について詳細に説明する。
本実施形態に係る高強度ポーラスコンクリート組成物は、2CaO・SiO2(以下、「C2S」という。)含有量が30〜60質量%であって、3CaO・Al2O3(以下、「C3A」という。)含有量が7質量%以下であるポルトランドセメント及びポゾラン質微粉末を含む結合材と、粗骨材と、細骨材と、水とを含むものである。
本実施形態に係る高強度ポーラスコンクリート組成物は、2CaO・SiO2(以下、「C2S」という。)含有量が30〜60質量%であって、3CaO・Al2O3(以下、「C3A」という。)含有量が7質量%以下であるポルトランドセメント及びポゾラン質微粉末を含む結合材と、粗骨材と、細骨材と、水とを含むものである。
上記結合材中のポルトランドセメントは、C2S含有量が30〜60質量%、好ましくは32〜55質量%、より好ましくは34〜50質量%のものである。C2S含有量が30質量%未満であると、所望の流動性を確保するのが困難となってしまい、60質量%を超えると、ポーラスコンクリートの初期の強度発現性が低下してしまう。
また、上記結合材中のポルトランドセメントは、C3A含有量が7質量%以下、好ましくは4.5質量%以下、より好ましくは3質量%以下のものである。C3A含有量が7質量%以下であることで、所望の流動性を確保することができる。
なお、上記結合材中のポルトランドセメントにおける3CaO・SiO2(C3S)含有量は特に限定されないが、50質量%以下であるのが好ましい。
当該高強度ポーラスコンクリート組成物に含まれる結合材中のポゾラン質微粉末としては、例えば、シリカフューム、シリカダスト、フライアッシュ、スラグ、火山灰、シリカゾル、沈降シリカ等が挙げられる。一般に、シリカフュームやシリカダストは、その平均粒径が1.0μm以下であり、高強度ポーラスコンクリート組成物を調製するに際して粉砕等をする必要がなく、本実施形態におけるポゾラン質微粉末として好適に用いることができる。
ポゾラン質微粉末のBET比表面積は、5〜15m2/gであり、好ましくは7〜13m2/gである。BET比表面積が上記範囲内であることで、水結合材比を低くして高い強度を得ることができるとともに、所要の流動性が得られるため、十分な空隙率を確保することができる。
結合材中におけるポゾラン質微粉末の配合量は、上記ポルトランドセメント100質量部に対して7.5〜17.5質量部であるのが好ましい。7.5質量部未満であると、低水結合材比(例えば、15%以下)の配合条件において所望の流動性を確保するのが困難となるおそれがあり、17.5質量部を超えると、強度発現性の低下を招き、所定の材齢(例えば、28日)において高い強度(曲げ強度、圧縮強度)を得ることができないおそれがある。
本実施形態において使用し得る粗骨材としては、特に限定されるものではなく、砂利、砕石、各種軽量粗骨材、各種スラグ粗骨材、再生粗骨材又はこれらの混合物等を用いることができる。また、本実施形態において使用し得る細骨材としても、特に限定されず、川砂、山砂、陸砂、海砂、砕砂、珪砂等の砂系細骨材;各種スラグ細骨材;各種軽量細骨材;再生細骨材又はこれらの混合物等を用いることができる。
また、本実施形態に係る高強度ポーラスコンクリート組成物においては、所望により各種混和剤が含まれていてもよく、特に水結合材比を低くしつつ所定の流動性を確保するために、減水剤が含まれているのが好ましい。なお、減水剤の配合量は、所定の流動性を確保し得るように適宜決定すればよい。
当該高強度ポーラスコンクリート組成物に含まれ得る減水剤としては、例えば、リグニン系、ナフタレンスルホン酸系、メラミン系、ポリカルボン酸系の減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本実施形態に係る高強度ポーラスコンクリート組成物は、水結合材比が10〜16%となるように、結合材と水とが配合されてなるものであり、好ましくは12〜14%となるようにそれらが配合されてなるものである。水結合材比が10%未満であると、ポーラスコンクリート組成物を硬化させるのが困難となるおそれがあり、16%を超えると、コンクリートの流動性が向上し、コンクリート中の骨材粒子間の空隙にセメントペーストが充填されてしまい、十分な透水性を確保することができないおそれがある。よって、水結合材比が上記範囲内であることで、圧縮強度及び曲げ強度の発現性能に優れたポーラスコンクリートとすることができる。
本実施形態に係る高強度ポーラスコンクリート組成物においては、当該組成物を硬化させてなるコンクリート硬化体1m3中に含まれる粗骨材粒子間の空隙容積に対する単位モルタル体積の比(モルタル粗骨材空隙比,Km)が、0.55〜0.95となるように、各種材料(結合材、水、粗骨材、細骨材等)を配合する。当該Kmが0.55未満であると、空隙率が大きくなるため、高い強度を得ることができず、0.95を超えると、空隙率が小さくなるため、十分な透水性を得ることができない。当該Kmは0.65〜0.85であるのが好ましく、0.65〜0.75であるのがより好ましい。
上記モルタル粗骨材空隙比(Km)は、下記式(1)により算出することができる。
上記式(1)中、mは「単位モルタル体積(m3)」を表し、Vgは「コンクリート1m3中の粗骨材粒子間の空隙量(m3)」を表し、gは「単位粗骨材体積(m3)」を表し、Ggは「粗骨材の実積率(%)」を表す。
また、本実施形態に係る高強度ポーラスコンクリート組成物においては、当該組成物を硬化させてなるコンクリート硬化体1m3中に含まれる細骨材粒子間の空隙容積に対する単位セメントペースト体積の比(ペースト細骨材空隙比,Kp)が5.0〜7.0となるように、各種材料(結合材、水、粗骨材、細骨材等)を配合する。当該Kpが5.0未満であると、ポーラスコンクリート硬化体の強度(圧縮強度及び曲げ強度)が不十分となってしまい、7.0を超えると、ポーラスコンクリート硬化体の空隙率及び透水係数が低下し、透水性能が不十分となってしまう。当該Kpは、7.0程度であるのが好ましい。
上記ペースト細骨材空隙比(Kp)は、下記式(2)により算出することができる。
上記式(2)中、pは「単位ペースト体積(m3)」を表し、Vsは「コンクリート1m3中の細骨材粒子間空隙の単位体積(m3)」を表し、sは「単位細骨材体積(m3)」を表し、Gsは「細骨材の実積率(%)」を表す。
本実施形態に係る高強度ポーラスコンクリート組成物を混練し、必要に応じて型枠等に流し込み、養生して硬化させることにより、高強度ポーラスコンクリート硬化体を製造することができる。養生方法としては、例えば、加温養生、水中養生、蒸気養生等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
このようにして得られる高強度ポーラスコンクリート硬化体の圧縮強度(材齢28日)は、好ましくは24N/mm2以上、より好ましくは24〜40N/mm2、特に好ましくは30〜36N/mm2である。また、当該高硬度ポーラスコンクリート硬化体の曲げ強度(材齢28日)は、好ましくは4.5N/mm2以上、より好ましくは4.5〜8.0N/mm2、特に好ましくは6.0〜7.0N/mm2、最も好ましくは7.0N/mm2程度である。このように、本実施形態に係る高強度ポーラスコンクリート組成物から得られる硬化体は、高い圧縮強度及び曲げ強度を発現することができ、特に透水性舗装用コンクリートの要求強度(曲げ強度:4.5N/mm2以上、圧縮強度:18N/mm2以上)を満足することができる。
また、当該高強度ポーラスコンクリート硬化体の透水係数は、0.01〜0.65cm/secであるのが好ましく、0.10〜0.30cm/secであるのがより好ましい。透水係数が0.01cm/sec未満であると、十分な透水性能を得ることができないおそれがあり、特に透水性舗装用コンクリートとして用いる場合の基準を満たさなくなってしまう。また、0.65cm/secを超えると、十分な透水性能を得ることができるものの、圧縮強度及び曲げ強度が不十分となるおそれがある。
このような透水係数を得るために、当該高強度ポーラスコンクリート硬化体の空隙率は、10〜25%であるのが好ましく、特に15〜20%であるのが好ましい。空隙率が10%未満であると、透水係数が低くなり、十分な透水性能を得ることができないおそれがあり、25%を超えると、十分な透水性能を得ることができるものの、圧縮強度及び曲げ強度が不十分となるおそれがある。
なお、上記空隙率(コンクリート1m3に対する空隙率)は、例えば、φ10×20cmの鋼性型枠に高強度ポーラスコンクリート組成物(試料)を投入し、その上に所定の質量(例えば、4kg)の錘を載置して振動台で60秒間振動を加え、その後試料の高さ及び直径を測定して高強度ポーラスコンクリート硬化体のかさ体積を求め、配合から空気が全く無いものとして計算した高強度ポーラスコンクリート硬化体の理論体積質量を用いて、下記式(3)により算出した値である。
上記式(3)中、Vvtは「コンクリート1m3に対する空隙率(%)」を表し、Wtpは「試料質量(kg)」を表し、Vtpは「高強度ポーラスコンクリート硬化体のかさ体積(m3)」を表し、Tcは「高強度ポーラスコンクリート硬化体の理論体積質量(kg/m3)」を表す。
上述した本実施形態に係る高強度ポーラスコンクリート組成物は、水結合材比を低下させたとしても、得られるコンクリート硬化体が十分な空隙率を確保することができ、優れた透水性を有するとともに、透水性舗装用コンクリートとして要求される圧縮強度(18N/mm2以上)及び曲げ強度(4.5N/mm2以上)を発現することができる。したがって、本実施形態に係る高強度ポーラスコンクリート組成物は、特に透水性舗装用コンクリートとして好適に用いることができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例等に何ら限定されるものではない。
〔実施例1〜8,比較例1〜8〕
表1に示す材料(結合材、粗骨材、細骨材、高性能減水剤)を用いて、表2に示す配合に従って、ポーラスコンクリート組成物を作製した。なお、比較例4として、粗骨材を配合しないモルタルを作製した。また、実施例7及び8、並びに比較例7及び8のポーラスコンクリート組成物においては、水結合材比(W/C)を13%、混和剤(高性能減水剤)添加率をC×0.90%としたポーラスコンクリート組成物(実施例2)と、同様のモルタルのフローとなるように混和剤添加率を調整(増減)した。
表1に示す材料(結合材、粗骨材、細骨材、高性能減水剤)を用いて、表2に示す配合に従って、ポーラスコンクリート組成物を作製した。なお、比較例4として、粗骨材を配合しないモルタルを作製した。また、実施例7及び8、並びに比較例7及び8のポーラスコンクリート組成物においては、水結合材比(W/C)を13%、混和剤(高性能減水剤)添加率をC×0.90%としたポーラスコンクリート組成物(実施例2)と、同様のモルタルのフローとなるように混和剤添加率を調整(増減)した。
〔圧縮強度の測定〕
上述のようにして作製されたポーラスコンクリート組成物及びモルタル(実施例1〜8、比較例1〜8)について、JIS−A1108に準拠して圧縮強度を測定した。結果を表3に示す。
上述のようにして作製されたポーラスコンクリート組成物及びモルタル(実施例1〜8、比較例1〜8)について、JIS−A1108に準拠して圧縮強度を測定した。結果を表3に示す。
〔曲げ強度の測定〕
上述のようにして作製されたポーラスコンクリート組成物及びモルタル(実施例1〜8、比較例1〜8)について、JIS−A1106に準拠して曲げ強度を測定した。結果を表3に示す。
上述のようにして作製されたポーラスコンクリート組成物及びモルタル(実施例1〜8、比較例1〜8)について、JIS−A1106に準拠して曲げ強度を測定した。結果を表3に示す。
〔透水係数の測定〕
上述のようにして作製されたポーラスコンクリート組成物及びモルタル(実施例1〜8、比較例1〜8)について、JCI−SPO3(ポーラスコンクリートの透水試験方法(案))に準拠して透水係数を測定した。結果を表3に示す。
上述のようにして作製されたポーラスコンクリート組成物及びモルタル(実施例1〜8、比較例1〜8)について、JCI−SPO3(ポーラスコンクリートの透水試験方法(案))に準拠して透水係数を測定した。結果を表3に示す。
〔空隙率の測定〕
φ10×20cmの鋼性型枠に、試料としてポーラスコンクリート組成物及びモルタル(実施例1〜8、比較例1〜8)2.6kgを投入し、その上に4kgの錘を載置して振動台で60秒間振動を加えた。その後、試料の高さ及び直径を測定してポーラスコンクリート硬化体のかさ体積を求め、配合から空気が全く無いものとして計算したポーラスコンクリート硬化体の理論体積質量を用いて、下記式(3)により空隙率(%)を算出した。結果を表3に示す。
φ10×20cmの鋼性型枠に、試料としてポーラスコンクリート組成物及びモルタル(実施例1〜8、比較例1〜8)2.6kgを投入し、その上に4kgの錘を載置して振動台で60秒間振動を加えた。その後、試料の高さ及び直径を測定してポーラスコンクリート硬化体のかさ体積を求め、配合から空気が全く無いものとして計算したポーラスコンクリート硬化体の理論体積質量を用いて、下記式(3)により空隙率(%)を算出した。結果を表3に示す。
上記式(3)中、Vvtは「コンクリート1m3に対する空隙率(%)」を表し、Wtpは「試料質量(kg)」を表し、Vtpは「ポーラスコンクリート硬化体のかさ体積(m3)」を表し、Tcは「ポーラスコンクリート硬化体の理論体積質量(kg/m3)」を表す。
表3に示すように、実施例1〜8のポーラスコンクリート組成物から得られた硬化体は、透水性舗装用コンクリートの要求強度である材齢28日にける曲げ強度4.5N/mm2、圧縮強度18N/mm2以上を満足し、優れた強度を発現することができることが判明した。一方、比較例1、2、5及び7のポーラスコンクリート組成物から得られた硬化体は、曲げ強度及び圧縮強度ともに不十分であることが判明した。この結果から、モルタル粗骨材空隙比(Km)が0.55以上、ペースト細骨材空隙比(Kp)が5.0以上、水結合材比が16%以下になるようにコンクリート材料(結合材、粗骨材、細骨材、水等)を配合することで、優れた強度発現性能を発揮し得ることが確認された。
また、表3に示すように、実施例1〜8のポーラスコンクリート組成物から得られた硬化体は、空隙率が10〜25%であり、透水係数が0.01〜0.65cm/secであり、優れた透水性を発揮し得ることが判明した。一方、比較例3のポーラスコンクリート組成物から得られた硬化体は、空隙率が1.5%と低く、透水係数を測定することができなかった(不透水)。さらに、比較例6及び7のポーラスコンクリート組成物から得られた硬化体も、透水係数を測定することができなかった(不透水)。この結果から、モルタル粗骨材空隙比(Km)が0.95以下、ペースト細骨材空隙比(Kp)が7.0以下、水結合材比が16%以下になるようにコンクリート材料(結合材、粗骨材、細骨材、水等)を配合することで、優れた透水性能を発揮し得ることが確認された。
さらにまた、水結合材比を7%とした比較例8のポーラスコンクリート組成物から硬化体を得ようとしても、水の配合量が少なすぎて硬化・成形させることができなかった。
以上の結果から、水結合材比を10〜16%(好ましくは12〜14%)とし、モルタル粗骨材空隙比(Km)が0.55〜0.95、ペースト細骨材空隙比(Kp)が5.0〜7.0になるようにコンクリート材料(結合材、粗骨材、細骨材、水等)を配合することで、透水性及び強度(圧縮強度、曲げ強度)発現性能に優れた高強度ポーラスコンクリート組成物(硬化体)を得ることができることが確認された。
特に、水結合材比を13%とし、モルタル粗骨材空隙比(Km)が0.65〜0.75(最も好ましくは0.65)、ペースト細骨材空隙比(Kp)が7.0になるようにコンクリート材料を配合することで、透水係数が0.2〜0.6cm/sec、曲げ強度が6.0N/mm2以上のポーラスコンクリート硬化体を得ることができることが確認された。
本発明の高強度ポーラスコンクリート組成物及び高強度ポーラスコンクリート硬化体は、優れた透水性及び強度発現性能を発揮し得るため、透水性舗装用コンクリートとして有用である。
Claims (7)
- 高強度ポーラスコンクリート組成物であって、
2CaO・SiO2含有量が30〜60質量%であって、3CaO・Al2O3含有量が7質量%以下であるポルトランドセメント及びBET比表面積が5〜15m2/gのポゾラン質微粉末を含む結合材と、粗骨材と、細骨材と、水とを少なくとも含み、水結合材比が10〜16%となるように、前記結合材と前記水とが配合されてなり、
前記組成物を硬化させてなるコンクリート1m3中に含まれる粗骨材粒子間の空隙容積に対する単位モルタル体積の比が、0.55〜0.95であり、
前記組成物を硬化させてなるコンクリート1m3中に含まれる細骨材粒子間の空隙容積に対する単位セメントペースト体積の比が、5.0〜7.0であることを特徴とする高強度ポーラスコンクリート組成物。 - 前記組成物を硬化させてなるコンクリートの透水係数が、0.01〜0.65cm/secであることを特徴とする請求項1に記載の高強度ポーラスコンクリート組成物。
- 前記組成物を硬化させてなるコンクリートの曲げ強度が、4.5N/mm2以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の高強度ポーラスコンクリート組成物。
- 前記組成物を硬化させてなるコンクリートの圧縮強度が、24N/mm2以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高強度ポーラスコンクリート組成物。
- 前記組成物を硬化させてなるコンクリートの空隙率が、10〜25%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の高強度ポーラスコンクリート組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の高強度ポーラスコンクリート組成物を硬化させてなる高強度ポーラスコンクリート硬化体。
- 高強度ポーラスコンクリート硬化体を製造する方法であって、
少なくとも2CaO・SiO2含有量が30〜60質量%であって、3CaO・Al2O3含有量が7質量%以下であるポルトランドセメント及びBET比表面積が5〜15m2/gのポゾラン質微粉末を含む結合材と、粗骨材と、細骨材と、水とを、水結合材比が10〜16%となるように、前記ポーラスコンクリート硬化体1m3中に含まれる粗骨材粒子間の空隙容積に対する単位モルタル体積の比が0.55〜0.95となるように、かつ前記ポーラスコンクリート硬化体1m3中に含まれる細骨材粒子間の空隙容積に対する単位セメントペースト体積の比が5.0〜7.0となるように配合し、硬化させることを特徴とする高強度ポーラスコンクリート硬化体の製造方法。
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