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JP2011029800A - スピーカー装置およびスピーカー装置形成方法 - Google Patents

スピーカー装置およびスピーカー装置形成方法 Download PDF

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伸和 鈴木
Yoshio Ohashi
芳雄 大橋
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Abstract

【課題】スピーカー装置から放音される放音音響が、リスナーへの無指向性かつ水平方向へ進行する理想的な円筒波となるようにする。
【解決手段】、円錐型振動板1の頂点A部分に振動伝達部材2の一端を支持し、当該振動伝達部材2他端に対し、振動素子3によって音響信号に応じた振動が加えられるように構成する。頂点A部分から放音される音響の到達距離と、頂点から一番離れた側面端部から放音される音響の到達距離とが同じになるように、空気中の音速と円錐型振動板1内の音速とに基づいて、円錐型振動板1の頂点Aから底面に下ろした垂線と当該音響振動板の側面とのなす角度θを設定する。
【選択図】図1

Description

この発明は、例えば、超磁歪アクチュエータなどのアクチュエータによって発生させる音響信号に応じた振動を、音響振動板に伝達して音響を発生させる加振型の構成を有するスピーカー装置、当該スピーカー装置を形成するための方法に関する。
スピーカー装置として、ボイスコイルおよびコーンを有する通常のスピーカーユニットではなく、超磁歪アクチュエータなどのアクチュエータによってアクリルなどからなる音響振動板に振動を加えて音響を発生させるものが考えられ、実用化されている。
具体的に、特許文献1には、円筒状の音響振動板を鉛直に支持し、音響振動板の下端側に磁歪アクチュエータを複数配置して、それぞれの磁歪アクチュエータの駆動ロッドを音響振動板の下端面に当接させ、音響振動板に軸方向の振動を加える装置が示されている。
このスピーカー装置では、まず円筒状の振動板の端面を加振することで、円筒の長さ方向へ瞬時に粗密波が伝播する。この粗密波が伝播する過程で固体が持つポワソン比により円筒の径方向(円筒の長さ方向に直交する方向)へ力が発生する。この力によって径方向の振動が起こり、結果として円筒の振動板全体から音波が発生する。
なお、ここでポアソン比は、弾性体を引き伸ばしたとき、または押し縮めたときに、その力方向の伸びまたは縮みと、当該力方向に直交する方向である垂直方向の縮み、または伸びとの比を意味する。
そして、当該スピーカー装置では、音響振動板の軸方向のどの位置でも均一なレベルで音波が放射され、音響振動板の高さ(長さ)方向の全体に渡って均一な音像が形成される。すなわち、高品位な再生音場を実現できる。
また、特許文献2には、アクチュエータにおいて発生させた音響信号に応じた信号(振動)を紙で構成された振動板に伝達して音響を発生させるスピーカーに関する発明が開示されている。
引用文献2に記載のアクチュエータは、駆動部ボックスとして実現されるものであり、ボイスコイルを設けると共に、当該ボイスコイルによる力を受ける円板を、その振動を抑制した状態で設けたものである。
そして、ボイスコイルに電気信号を供給することにより、円板に対する力を発生させ、それによる波動を、支持支柱等を介して紙(振動板)に伝達し、当該紙を振動させて音響を放音するものである。
当該引用文献2に記載のスピーカー装置の場合、従来のスピーカー装置のように、ボイスコイルやコーンを近接して設ける必要が無いため、構造や設置の自由度を向上させることができる。
特開2007−166027号公報 特開2000−350285号公報
上述した特許文献1に開示されたスピーカー装置の場合、固体中の音速で瞬時に粗密波が伝播する。しかし、厳密に考えて見ると、振動板上における加振点の音波放射時間と加振点からもっとも離れた点の音波放射時間に関しては十分に考慮されていない。
つまり、振動板上において、加振点近傍からは即座に音響が放音されるのに対して、加振点からもっとも離れた点においては、加振点からの振動が伝達されるまでに若干の時間がかかることになる。
このため、特許文献1に記載の発明の場合、振動板全体から放射される音波面は振動板材料の音速(固体中(振動板中)を伝搬する縦波の速度)に依存した角度αを持った波面となる。
例えば、図17Aの正面図に示すように、例えばアクリル樹脂により形成された音響振動板100に対して、その下部に設けた振動素子(アクチュエータ)200によって、音響信号に応じた振動を加える場合について考える。
この場合、加振点近傍の音響振動板下側部分からは即座に音響が放音されるのに対して、加振点から離れた音響振動板上側部分から放音される音響は若干遅れて放音されることになる。
したがって、図17Bの側面図に示すように、音響振動板100の全面から放音される音響の音波面は、点線で示した音響振動板100に平行な面に対して、実線の音波面Auが示すようにし、角度αを有する波面となる。
このことは、上述した特許文献2に記載されたスピーカー装置の場合にも言えることである。すなわち、特許文献2に記載されたスピーカー装置の場合も、音響振動板を構成する紙の下側から振動が加えられる構成になっている。
このため、特許文献1に記載のスピーカー装置の場合と同様に、音響振動板である紙における加振部分近傍と加振部分から離れた部分とでは、同時に放音されるべき音響の放音タイミングが若干のずれを生じさせると考えられる。
また、特許文献2に記載のスピーカー装置の場合には、音響振動板である紙が、内部応力がある状態に弾性変形するようにされており、その形状の複雑さから、音響振動板に対して平行な放音面を形成するように制御することは難しい。
また、特許文献1に記載のスピーカー装置を前提に考えると、音響振動板に対して平行な音波面を形成できるようにすると言うだけでは足りない。放音される音響が、リスナーへの無指向性かつ水平方向へ進行する理想的な円筒波を形成できるスピーカー装置の実現が望まれる。
以上のことに鑑み、この発明は、スピーカー装置から放音される放音音響が、リスナーへの無指向性かつ水平方向へ進行する理想的な円筒波となるようにすることを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明のスピーカー装置は、
頂点から底面に下ろした垂線が当該底面の中心を通るようにされた錐体の音響振動板と、
再生する音響信号の供給を受けて、当該音響信号に応じた振動を発生させる振動素子と、
一端が前記錐体の音響振動板の前記頂点部分に支持されると共に、他端が前記振動素子によって加振される振動伝達部材とを備え、
前記錐体の音響振動板は、同じタイミングで放音されるべき音響であって、前記頂点部分から放音される音響の到達距離と前記頂点から一番離れた側面端部から放音される音響の到達距離とが同じになるように、前記音響振動板の前記頂点から底面に下ろした垂線と当該音響振動板の側面とのなす角度θを設定して形成したものである。
この請求項1に記載の発明のスピーカー装置によれば、錐体の音響振動板の頂点部分に振動伝達部材の一端が支持され、当該振動伝達部材の他端に対し、振動素子によって音響信号に応じた振動が加えられるように構成されている。つまり、振動素子からの振動が、振動伝達部材を介して、錐体の音響振動板の頂点部分に伝達されるようになっている。
そして、錐体の音響振動板においては、同じタイミングで放音されるべき音響であって、錐体の音響振動板において、頂点部分から放音される音響の到達距離と、頂点から一番離れた側面端部から放音される音響の到達距離とが同じになるように、当該音響振動板の頂点から底面に下ろした垂線と当該音響振動板の側面とのなす角度θが設定されている。
これにより、錐体の音響振動板から放音される放音音響が、リスナーへの無指向性かつ水平方向へ進行する理想的ないわゆる円筒波となるようにされ、リスナーに対して、無指向性の良好な再生音場を提供することができるようにされる。
この発明によれば、錐体の音響振動板を通じて放音される放音音響が、リスナーへの無指向性かつ水平方向へ進行する理想的な円筒波となるようにすることができる。これにより、リスナーに対して、無指向性の良好な再生音場を提供することができる。
この発明の装置、方法の一実施の形態が適用された第1の実施の形態の加振型のスピーカー装置の外観を説明するための図である。 図1に示した第1の実施の形態のスピーカー装置の側面図である。 円錐型振動板1において、その中心軸ADと側面の稜線ACとが形成する角度θの求め方を説明するための図である。 第1の実施の形態のスピーカー装置の変形例について説明するための図である。 第1の実施の形態のスピーカー装置を、その側面から見た場合にスピーカー装置が発生させる音波面を説明するための図である。 第1の実施の形態のスピーカー装置を、その上面から見た場合にスピーカー装置が発生させる音波面を説明するための図である。 振動素子3として用いられる超磁歪アクチュエータの構成例を説明するための図である。 第1の実施の形態のスピーカー装置の具体的な構成例を説明するための図である。 円錐型振動板1から放音される音響の音波面の進行方向を上側に向ける場合について説明するための図である。 円錐型振動板1から放音される音響の音波面の進行方向を下側に向ける場合について説明するための図である。 この発明の装置、方法の一実施の形態が適用された第2の実施の形態の加振型のスピーカー装置について説明するための図である。 底面を上側に向けるようにした円錐型振動板1aだけを用いたスピーカー装置について説明するための図である。 第3の実施の形態の第1の例のスピーカー装置について説明するための図である。 マグネシウムと紙の振動特性を説明するための図である。 第3の実施の形態の第2の例のスピーカー装置について説明するための図である。 第3の実施の形態の第3の例のスピーカー装置について説明するための図である。 加振型スピーカーの従来例を説明するための図である。
以下、図を参照しながら、この発明によるスピーカー装置、スピーカー装置の形成方法の一実施の形態について説明する。以下に説明する実施の形態のスピーカー装置は、その基本的な構成として、音響振動板と、振動伝達部材と、振動素子(アクチュエータ)とを備えたいわゆる加振型のものである。
そして、以下に説明する実施の形態のスピーカー装置は、いずれも音響振動板の形状、音響振動板の加振点の位置、振動伝達部材の材質(音速等)の3つの要素に着目して構成したものである。すなわち、これら3つの要素を最適化することで、理想的な円筒波を形成できる無指向性スピーカー装置を実現している。
以下、この発明によるスピーカー装置、スピーカー装置の形成方法について、第1〜第3の3つの実施の形態について具体的に説明する。
なお、この明細書において、「音響」という文言は、広く「音」を意味するものである。すなわち、この明細書において、「音響」と言う文言は、人の声、音楽など、振動によって伝搬され、人の耳によって聴取される種々の「音」が含まれる。
[第1の実施の形態]
図1は、この発明の装置、方法の一実施の形態が適用された第1の実施の形態の加振型のスピーカー装置の外観を説明するための図である。図1に示すように、この第1の実施の形態のスピーカー装置は、円錐型振動板1と、振動伝達部材2と、振動素子(アクチュエータ)3とからなっている。
円錐型振動板1は、音響振動板として用いられるものであり、例えば、エポキシ樹脂が円錐の形状に成型されたものである。この第1の実施の形態において、円錐型振動板1は、例えば、厚さが3mm程度のものであり、円錐型振動板1の内側は空洞になっているものである。すなわち、円錐型振動板1は、その側面側から見ると二等辺三角形の形状を有するように見え、また、底面は、正円(真円)形の開口部となっているものである。
また、円錐型振動板1の頂点Aから底面に対して垂線を下ろした場合に、当該垂線は、正円形の底面の中心を通るようになっている。従って、円錐型振動板1の頂点Aから底面に対して下ろした垂線は、当該円錐型振動板1の中心軸となっている。
そして、図1に示すように、円錐型振動板1の頂点A部分に対しては、円錐型振動板1の内側から振動伝達部材2がその一端を接するようにして設けられる。そして、振動伝達部材2の他端には振動素子3が接するように設けられ、振動素子3によって加振するようにされている。
ここで、振動伝達部材2は、例えば、いわゆるピアノ線やカーボンファイバー製の線材であり、直径が例えば1mm〜数mm程度のものである。すなわち、振動伝達部材2は、図1に示したように、円錐型振動板1の中心軸上に設けられるようにされ、円錐型振動板1の頂点A部分と振動素子3とを接続するものである。
なお、上述したように、円錐型振動板1の頂点A部分に対して振動伝達部材2の一端を接するように構成するが、その構成方法は種々の態様を取ることができる。例えば、円錐型振動板1自体がある程度の重さを有するものであれば、円錐型振動板1を振動伝達部材2上に対して、図1に示した態様で置くだけでもよい。
しかし、振動伝達部材2を通じての振動を円錐型振動板1に効率よく伝達するためには、円錐型振動板1と振動伝達部材2とを固着させることが望ましい。
例えば、円錐型振動板1の頂点A部分にネジ穴を形成しておき、振動伝達部材2の一端にネジ溝を切っておくことによって、両者をネジ式に固着させることができる。この場合、円錐型振動板1の頂点A部分に直接にネジ穴を開けたり、ネジ穴となる管を円錐型振動板1の頂点A部分に接着したりするなど、ネジ穴の形成は種々の方法を用いることができる。
また、円錐型振動板1の頂点A部分と振動伝達部材2とを溶融した樹脂、あるいは、接着剤などによってリジットに接着するようにしてもよい。これ以外にも、円錐型振動板1と振動伝達部材2とを種々の方法で固着するようにしてももちろんよい。
なお、振動伝達部材2は、棒状のものであればよく、円柱状、角柱状、板状のものなど、その断面の形状はどのようなものであってもよい。
そして、振動伝達部材2は、上述もしたように、例えば、鋼鉄材(いわゆるピアノ線など)や炭素繊維(カーボンファイバー)など、「内部損失」が小さく、「音速」が速い材料で形成される。
ここで、「内部損失」は文字通り、固体中に振動が伝播する時の損失を意味し、換言すれば振動が伝わり易いか否かを示すものである。したがって、「内部損失」が小さければ伝播ロスが少ないことを意味し、「振動が効率よく伝播する」ということになる。また、「音速」は、弾性体や連続体内を伝播する弾性波の伝達速度を意味する。
これら「内部損失」と「音速」とに着目すると、振動伝達部材2として最も望ましい材質(材料)としては、振動伝播効率が良いことが必要であるため、まず、「内部損失」が小さい材料であることが必要である。
さらに、振動伝達部材2の始点(加振点)と終点(加振点から最も離れたところ)の時間遅れを最小にするために、「音速」が速い材料である必要がある。
このように、振動伝達部材2としては、「内部損失」と「音速」とに基づいて、適切なものを選択し、用いるようにすればよい。
振動素子(アクチュエータ)3は、再生対象の音響信号の供給を受けて、当該音響信号に応じた振動を発生させるものである。振動素子3としては、後述もするが、圧電アクチュエータ、動電アクチュエータ、超磁歪アクチュエータなど種々のアクチュエータを用いることが可能である。
圧電アクチュエータは、電圧を印加することで変位を起こす素子を用いたものである。動電アクチュエータは、電流を用いて、コイルと磁石で振動を発生させるものである。超磁歪アクチュエータは、外部からの磁界に応じて素子寸法が変化する超磁歪素子を用いたものである。この第1の実施の形態のスピーカー装置において、振動素子3は、超磁歪アクチュエータが用いられている。
これにより、再生対象の音響信号に応じた振動が、振動素子3により振動伝達部材2の端部に加えられ、当該振動が当該振動伝達部材2を介して、円錐型振動板1の頂点A部分に伝達される。
そして、円錐型振動板1においては、その頂点A部分から、これに振動伝達部材2を通じて加えられた振動に応じた粗密波が、円錐型振動板1の素材(エポキシ樹脂)の持つ音速で伝播していく。この粗密波が伝播する過程で、固体(エポキシ樹脂の円錐型振動板1)が持つポワソン比により、円錐型振動板1に対して垂直な力が発生する。
円錐型振動板1に対する当該垂直な力によって円錐型振動板1に対して垂直な振動が起こり、これが結果として音波となる。すなわち、円錐型振動板1から振動伝達部材2を通じて伝達された振動に応じた音響が放音するようにされる。
そして、この第1の実施の形態の円錐型振動板1については、振動伝達部材2が接する頂点Aと頂点Aから最も離れた位置における音波放音タイミングの時間差を考慮して、円錐型振動板1の中心軸と円錐型振動板1の側面とのなす角度θを設定する。
図2は、図1に示した第1の実施の形態のスピーカー装置の側面図である。上述もしたように、この第1の実施の形態のスピーカー装置を側面側から見ると、円錐型振動板1は二等辺三角形の形状を有するように見える。
そして、図2にも示すように、円錐型振動板1の中心軸部分に振動伝達部材2が設けられる。この振動伝達部材2は、円錐型振動板1の頂点A部分に一端を接触させるようにされている。これにより、振動素子3が発生させる音響信号に応じた振動が、振動伝達部材2を通じて円錐型振動板1の頂点A部分に伝達される。
このため、円錐型振動板1における加振点は頂点A部分であり、頂点A部分からは即座に音響が放音される。これに対して、頂点Aから最も離れた位置である円錐型振動板1の位置Cからは、頂点A部分に加振された振動が、円錐型振動板1内部を通って側面端部の位置Cに到達して放音される。
そして、図2に示すように、円錐型振動板1の頂点Aを通り、円錐型振動板1の底面に対して平行な線と、位置Cを通り、円錐型振動板1の底面に対して垂直な線との交点を位置Bとする。また、図2において、位置Dは、円錐型振動板1の中心軸と円錐型振動板1の底面が交差する位置を示している。
この場合に、円錐型振動板1の頂点A部分から放音された音響が位置Bに到達したときに、頂点Aからの振動が円錐型振動板1を通じて位置Cに到達し、位置Cから音響が放音されないと、円錐型振動板1の周囲に理想的な円筒波を形成できない。
そこで、円錐型振動板1の頂点A部分から放音された音響が位置Bに到達したときに、頂点Aからの振動が円錐型振動板1を通じて位置Cに到達するように、円錐型振動板1の中心軸と円錐型振動板1の側面とが形成する角度θを設定する。
なお、図2に示すように、角度θは、円錐型振動板1における中心軸ADと円錐型振動板1の側面の稜線(頂点Aと位置Cとを結んだ辺)ACとが成す角度であると表現することもできる。
ここで、空気中の音速(空気中を伝播する音響の伝達速度)Vaと円錐型振動板1内部の音速(円錐型振動板1を伝播する弾性波の伝達速度)Vsとが重要になる。
すなわち、図2に示すように、円錐型振動板1の頂点A部分から位置Bに向かって進む音響は、空気中を伝播するので、空気中の音速Vaで伝播することになる。一方、円錐型振動板1の頂点A部分から位置Cに向かって伝播する振動(弾性波)は、円錐型振動板1内を円錐型振動板1内の音速Vsで伝播する。
空気中の音速Vaは、約340m/sec(メートル/秒)であり、円錐型振動板1を形成しているエポキシ樹脂内の音速は、約1700m/secである。そこで、頂点A部分から放音された音響が、音速340m/secで空気中を位置Bに到達するまでの時間と、頂点A部分からの振動が、音速1700m/secでエポキシ樹脂中を位置Cに到達するまでの時間とが同じになるように角度θを設定する。
図3は、円錐型振動板1において、その中心軸ADと側面の稜線ACとが形成する角度θの求め方を説明するための図であり、図2に示した頂点A、位置B、位置C、位置Dで示される部分を抜き出して示した図である。
図3において、点ABCDが形成する四角形は、内角がいずれも90度の長方形であり、辺ABと辺DCとは等しく、辺ADと辺BCとは等しい。また、このことから、図3において、三角形ABCと三角形CDAは、2辺とその挟む角度が同じであり、合同の三角形であると言える。
そして、図3においても、文字Vaは空気中の音速を示し、文字Vsはエポキシ樹脂内の音速を示し、角度θは、円錐型振動板1における中心軸ADと円錐型振動板1の側面の稜線ACとのなす角度を示している。また、文字Tは時間を示している。
そして、図3に示したように、AB間の距離は、VaT(VaとTの乗算)となり、AC間の距離はVsT(VsとTとの乗算)となる。この場合の角度θは、図3に示した(1)式により求められる。
なお、図3に示した(1)式においては、時間Tは分母と分子に共通に存在するので約分している。また、図3に示した(1)式は、sinθ=Va/Vsとも等価である。
そして、図3に示した(1)式に、(2)式に示した空気中の音速Vaと、(3)式に示したエポキシ樹脂内の音速Vsを代入し計算すると、図3において(4)式にも示したように、角度θは、11.53度と言うように求めることができる。
従って、図1〜図3に示したように、円錐型振動板1を、円錐型振動板1の中心軸ADと、円錐型振動板1の側面の稜線ACとのなす角度θが、11.53度となるように形成する。
これにより、円錐型振動板1の周囲に、図2において点線で示した音波面のように、理想的な円筒波を形成できる。従って、図1〜図3を用いて説明した第1の実施の形態のスピーカー装置は、完全な無指向性のものであると言える。すなわち、この第1の実施の形態のスピーカー装置の周囲であれば、どこにいても、当該スピーカー装置から放音される音響を良好に聴取することができるようにされる。
[第1の実施の形態の変形例]
図4は、第1の実施の形態のスピーカー装置の変形例について説明するための図である。図4に示したように、この変形例のスピーカー装置の場合にも、円錐型振動板1Xと、振動伝達部材2と、振動素子3とを備えたものである。
振動伝達部材2、振動素子3は、図1、図2に示したスピーカー装置の対応する部分と同様に構成されたものである。円錐型振動板1Xは、図1、図2に示した円錐型振動板1と同様の形状のものであるが、内部の構成が異なったものである。
すなわち、図4に示す変形例の円錐型振動板1Xは、図1、図2に示したスピーカー装置の場合と同様に、例えば、エポキシ樹脂により円錐の形状に形成されたものである。しかし、円錐型振動板1Xの内部には、図4に示すように、複数の振動板内振動伝達部材4が埋め込まれている。
振動板内振動伝達部材4は、例えば、チタン(Titanium)により形成された棒状のものである。そして、複数の振動板内振動伝達部材4は、円錐型振動板1Xの頂点Aから円錐型振動板1Xの側面に放射状に埋め込まれるようにされている。
これにより、複数の振動板内振動伝達部材4のそれぞれは、円錐型振動板1Xの頂点A部分において、振動伝達部材2と近接するようにされる。なお、円錐型振動板1Xの頂点A部分において、複数の振動板内振動伝達部材4と振動伝達部材2とを直接に接触させるようにしてもよい。
チタンの「内部損失」は、0.002であり、チタン内の音速は、4950m/secである。そして、上述したように、エポキシ樹脂内の音速は、1700m/secである。つまり、チタン内の音速は、エポキシ樹脂内の音速の約3倍の速さである。
したがって、チタンの複数の振動板内振動伝達部材4が放射上に埋め込まれた図4に示した円錐型振動板1X内の音速は、図1、図2に示したエポキシ樹脂のみにより形成された円錐型振動板1内の音速よりも早くなる。
このため、図4に示したこの変形例のスピーカー装置の場合には、図1、図2に示したスピーカー装置に比べて、円錐型振動板1Xにおける中心軸ADと側面の稜線ACとのなす角度θをより小さくすることができる。これにより、円錐型振動板のスリム化を実現できる。
なお、図4を用いて説明した変形例のスピーカー装置の場合には、円錐型振動板1Xに埋め込む振動板内振動伝達部材4の数や振動板内振動伝達部材4内の音速を考慮して、円錐型振動板1X内の音速Vsを求める。
そして、図3を用いて説明した計算にしたがって、円錐型振動板1Xにおける中心軸ADと側面の稜線ACとのなす角度θを適切にもとめ、これに応じて円錐型振動板1Xを形成することができる。
なお、この変形例では振動板内振動伝達部材4をチタンにより形成したものとして説明したが、これに限るものではない。振動板内振動伝達部材4としては、他の種々の材料で形成されたものを用いることももちろんできる。例えば、鋼鉄製のいわゆるピアノ線やカーボンファイバー製の線材等を用いることもできる。
また、ここでは、振動板内振動伝達部材4を円錐型振動板内に埋め込むものとして説明したが、これに限るものではない。例えば、振動板内振動伝達部材4を円錐型振動板の表面に密接して貼り付けるようにしてもよい。
[第1の実施の形態のスピーカー装置が形成する円筒波]
そして、図1〜図4を用いて説明したスピーカー装置の場合には、上述もしたように、理想的な円筒波を形成できる無指向性スピーカー装置を実現できる。
図5は、図1〜図4を用いて説明した第1の実施の形態のスピーカー装置を、その側面から見た場合にスピーカー装置が発生させる音波面を説明するための図である。また、図6は、図1〜図4を用いて説明した第1の実施の形態のスピーカー装置を、その上面から見た場合にスピーカー装置が発生させる音波面を説明するための図である。
第1の実施の形態のスピーカー装置は、その側面から見た場合を考えると、図5において点線で示したように、円錐型振動板1、1Xの底面に対して垂直で、かつ、水平方向に進行する音波面を形成することができる。
また、第1の実施の形態のスピーカー装置の場合は、その上面から見た場合を考えると、図6において点線で示したように、円錐型振動板1、1Xの頂点Aを中心にして、円錐型振動板1、1Xの周囲に水平方向へ進行する理想的な円筒波を形成することができる。
これら図5、図6から分かるように、中心軸ADと側面の稜線ACとのなす角度θを適正に調整した円錐型振動板を用いることによって、完全無指向性のスピーカー装置を実現することができる。
[振動素子3の構成例]
ここで、この実施の形態のスピーカー装置において用いられる振動素子(アクチュエータ)3の構成例について説明する。上述もしたように、この第1の実施の形態において、振動素子3は、超磁歪アクチュエータである。
そこで、ここでは、超磁歪アクチュエータの構成例について説明する。図7は、この実施の形態のスピーカー装置で振動素子3として用いられる超磁歪アクチュエータの構成例を説明するための図である。この例は、超磁歪素子に予荷重が加えられる場合で、図7(A)は上面図、図7(B)は側断面図である。
振動素子(アクチュエータ)本体として、棒状の超磁歪素子31の周囲にソレノイドコイル32が配置され、ソレノイドコイル32の周囲にマグネット33およびヨーク34が配置される。
さらに、超磁歪素子31の一端に駆動ロッド35が連結され、超磁歪素子31の他端に固定盤36が取り付けられる。
この振動素子(アクチュエータ)本体が、駆動ロッド35の先端部が外筐ケース39の外側に突出するように、例えばアルミニウムからなる外筐ケース39内に装填される。
さらに、駆動ロッド35にはシリコンゴムなどからなるダンピング材37が装填されるとともに、固定盤36の背後にはネジ38が挿入されて、超磁歪素子31に予荷重が加えられる。
図1、図2、図4に示したスピーカー装置では、図7に示した構成の振動素子3が、振動伝達部材2の端部に接触するようにして設けられることになる。
この場合、制御磁界の変化に対して磁歪値が直線的に変化する磁界範囲が広く、かつその磁界範囲での制御磁界の変化に対する磁歪値の変化が大きい磁歪特性が得られるようにする。例えば、振動素子3の下部に配置するコイルスプリングなどの圧縮により超磁歪素子31への荷重を調整することができる。
[スピーカー装置の具体的な構成例]
次に、上述した第1の実施の形態の具体的な構成例について説明する。図8は、第1の実施の形態のスピーカー装置の具体的な構成例を説明するための図であり、スピーカー装置をその中心を通る面で切断した場合の断面図である。
図1〜図4を用いて説明したように、この第1の実施の形態のスピーカー装置の基本的な構成は、円錐型振動板1と、振動伝達部材2と、振動素子3とを備えたものである。この具体的な構成例の円錐型振動板1は、例えば、エポキシ樹脂やアクリル樹脂等によって形成された厚さ(肉厚)が3mm程度のものである。
この円錐型振動板1は、図3を用いて説明したように、空気中の音速Vaと、円錐型振動板1内の音速Vsとに基づいて、円錐型振動板1の中心軸と円錐型振動板1の側面の稜線との成す角度θが適切に設定されて形成されたものである。
そして、図8に示したスピーカー装置の円錐型振動板1の頂点部分には、その内側からネジ穴が形成されている。この円錐型振動板1の頂点部分のネジ穴には、振動伝達部材2の一端が勘合するようにされる。
この例の振動伝達部材2は、上述もしたように、いわゆるピアノ線やカーボンファイバー素材の棒状のものであり、円錐型振動板1の高さとほぼ同等の長さを有するものである。そして、振動伝達部材2の一方の端部には、円錐型振動板1の頂点部分のネジ穴に勘合するネジ溝が設けられている。
これにより、円錐型振動板1の頂点部分のネジ穴に対して、振動伝達部材2のネジ溝を有する端部をネジ式に勘合させることによって、円錐型振動板1の頂点部分と振動伝達部材2の端部とが固着される。
そして、振動伝達部材2の他端には、振動素子3が接触するように設けられる。そして、振動伝達部材2に振動素子3を適切に接触させ、これを維持できるようにするなどのために、円錐型振動板1、振動伝達部材2、振動素子3のそれぞれを、図8に示すように、ベース筐体5上に設ける。
ベース筐体5は、円錐型振動板1、振動伝達部材2、振動素子3が固定されるものであり、ベース筐体5自体が振動しないようにするために重たいほうがよい。このため、ベース筐体5は、真鍮、アルミ等の金属によって形成される。
ベース筐体5は、円錐型振動板1の底面と同じかやや大きい面積の上面を有する円柱上のものである。なお、ベース筐体5は、円柱上のものに限るものではなく、円錐型振動板1の底面の全部を塞ぐことが可能な大きさの上面を有する角柱状のものであってもよい。
このように、円錐型振動板1の底面をベース筐体の上面によって塞ぎ、円錐型振動板1の内部を密閉することにより、円錐型振動板1の内部で発生する音波は遮断することができる。
すなわち、円錐型振動板1の外側表面で発生する音波と円錐型振動板1の内部で発生する音波との干渉を防止することができる。これによって、より良好な音場を形成することができる。
そして、図8に示すように、ベース筐体5の上面と円錐型振動板1の側面の端面とが、ネジ6によって固定される。この例の場合、円錐型振動板1の底面の周囲に45度間隔で8箇所において固定される。
なお、ネジ止めだけでなく、ベース筐体4と円錐型振動板1との接合部分に、ゴムやフエルトなどを挟んだり、接着剤を併用したりするなどして、密着性を高めるなどの方策を適宜用いるようにしてもよい。
そして、ベース筐体5の中心部分には、振動素子3が搭載される縦穴部が設けられる。ベース筐体の中心部分に設けられた縦穴部に振動素子3が搭載されることにより、振動素子3は径方向(横方向)に支持され、径方向には振動しないようにされる。
また、振動素子3は、図8に示すように、ベース筐体5の裏側から押しネジで上側(振動伝達部材2側)に持ち上げられるようにされる。これにより、ベース筐体5上に設けられる円錐型振動板1に固着された振動伝達部材2の端部(ヘッド)に対して、適切な押圧力で振動素子3を押し当てることができるようにされる。
これにより、振動素子3は、ベース筐体5により径方向に支持されると共に、縦方向にも振動伝達部材2に対して適切な押圧力で接触される。これにより、振動素子3が音響信号に応じて発生させる振動を適切に、振動伝達部材2を通じて円錐型振動板1の頂点部分に加振することができるようにされる。
そして、図8に示すように、ベース筐体5は、脚7と底板8とからなる支持台上に載置されて固定され、床面から所定の高さに支持される。これにより、円錐型振動板1を起点とする空間(音場空間)に、円錐型振動板1から水平方向に進む理想的な円筒波を形成することができる。
なお、図8に示した具体的な構成例において、円錐型振動板1と振動伝達部材2とはネジ式に固着するものとして説明したが、これに限るものでない。図8を用いて説明したように、円錐型振動板1とベース筐体4とはネジ5によって強固に接続されるので、振動伝達部材2は、円錐型振動板1の頂点部分に接するように配置するだけでもよい。
また、振動伝達部材2を円錐型振動板1の頂点部分に、種々の樹脂や接着材を用いて固定するようにしてももちろんよい。要は、振動伝達部材2は、円錐型振動板1の頂点部分に対して適切に振動を伝えることができるような態様で、円錐型振動板1の頂点部分に接触させるようにすればよい。
[音波面の進行方向の制御]
上述した第1の実施の形態のスピーカー装置の場合には、図5を用いて説明したように、円錐型振動板1の中心軸と側面の稜線とのなす角度θを適切に設定することによって、円錐型振動板1の底面に直交し、水平に進行する円筒波を形成するようにした。
しかし、第1の実施の形態のスピーカー装置が、ユーザー(リスナー)の下方側に配置されたり、逆にユーザーの上方側に配置されたりする場合もある。このような場合には、円筒波の進行方向を上方側に傾かせたり、逆に下方側に傾かせたりしたい場合もある。
しかし、スピーカー装置自体、すなわち、円錐型振動板1自体を全体的に傾かせてしまったのでは、当該スピーカー装置は、その全周方向に音波面を形成するので、傾かせた側とその反対側とで進行方向が逆になってしまう。
つまり、図5に示したスピーカー装置を左側に傾かせたとする。この場合、当該スピーカーの左側では、音波面は下側に向かって進行するのに対して、当該スピーカーの右側では音波面は上側に向かって進行することになる。
そこで、この第1の実施の形態のスピーカー装置の場合には、円錐型振動板1の中心軸と側面の稜線とが形成する角度θを調整することによって、円錐型振動板1の全周に渡って音波面の進行方向を下側や上側にすることができる。
ここでは、図1〜図3を用いて説明した第1の実施の形態の場合と同様に、エポキシ樹脂製の円錐型振動板1と、いわゆるピアノ線の振動伝達部材2と、振動素子3とからなるスピーカー装置の場合を例にして説明する。
図9は、円錐型振動板1から放音される音響の音波面の進行方向を上側に向ける場合について説明するための図である。
図2、図3を用いて説明した第1の実施の形態のスピーカー装置の場合、エポキシ樹脂製の円錐型振動板1の中心軸と側面の稜線とのなす角度を11.53度とすることによって、円錐型振動板1の底面に垂直な音波面を形成するように音響を放音することができた。
このため、音波面を上側に向けるようにするためには、円錐型振動板1の中心軸と側面の稜線との角度θを11.53度よりも大きくする。角度θを大きくした場合には、図9に示すように、円錐型振動板1の側面の端部Cは、中心軸ADから離れる。
つまり、図5と図9とを比較すると分かるように、円錐型振動板1の頂点Aの位置は変わらないのに、角度θを大きくすることにより、位置Cの位置は中心軸ADからより離れた位置となり、音波面の進行方向は上側向きとなるようにされる。
この場合、円錐型振動板1の全周に渡って音波面の進行方向は上側向きとなるので、ユーザーの頭部よりも下側、例えば、足元近傍に置く場合に適したスピーカー装置を構成することができる。
図10は、円錐型振動板1から放音される音響の音波面の進行方向を下側に向ける場合について説明するための図である。
この例の場合には、音波面を下側に向けるようにするために、円錐型振動板1の中心軸と側面の稜線との角度θを11.53度よりも小さくする。角度θを大きくした場合には、図10に示すように、円錐型振動板1の端部Cは、中心軸ADに近くなる。
つまり、図5と図9とを比較すると分かるように、円錐型振動板1の頂点Aの位置は変わらないのに、角度θを小さくすることにより、位置Cの位置は中心軸ADに近い位置となり、音波面の進行方向は下向きとなるようにされる。
この場合、円錐型振動板1の全周に渡って音波面の進行方向は下側向きとなるので、ユーザーの頭部よりも上側、例えば、天井の近傍などに置くスピーカー装置を構成することができる。
このように、適切に求めた角度θを、スピーカーが設置される位置などに応じて、調整することにより、音波の放音方向を微調整することが可能である。
[第2の実施の形態]
図11は、この発明の装置、方法の一実施の形態が適用された第2の実施の形態の加振型のスピーカー装置について説明するための図であり、この第2実施の形態のスピーカー装置の側面図である。
図11において、図1〜図3を用いて説明した第1の実施の形態のスピーカー装置と同様に構成される部分には同じ参照符号を付し、当該部分の詳細な説明については省略する。
そして、図11に示す第2の実施の形態のスピーカー装置は、2つの円錐型振動板1a、1bと、振動伝達部材2と、振動素子3とからなっている。
円錐型振動板1a、1bのそれぞれは、図3を用いて説明した第1の実施の形態の円錐型振動板1の場合と同様にして、空気中の音速と、円錐型振動板1a、1b内の音速とに基づいて、中心軸と側面とのなす角度θが調整されたものである。
すなわち、円錐型振動板1a、1bのそれぞれは、その周囲に自己の底面に直交し、底面の平行に進行する円筒波を形成することができるものである。なお、円錐型振動板1a、1bのそれぞれは、第1の実施の形態の場合と同様に、例えば、エポキシ樹脂製のものである。
そして、この第2の実施の形態のスピーカー装置は、図11に示すように、円錐型振動板1aと円錐型振動板1bとを、その中心軸を一致させ、頂点同士を対向させるようにして接続したものである。
さらに、接触させた円錐型振動板1a、1bのそれぞれの頂点部分に、振動伝達部材2の一端が接触するようにして設けられる。すなわち、円錐型振動板1a、1bのそれぞれに対して振動を伝達できるように、円錐型振動板1a、1bのそれぞれの頂点部分に、振動伝達部材2の一端が接触するようにされている。
そして、振動伝達部材2の他端には、第1の実施の形態の場合と同様に、振動素子3が設けられるようにされている。
これにより、音響信号に応じて振動素子3が発生させた振動が、振動伝達部材2を通じて円錐型振動板1a、1bのそれぞれに伝達される。そして、円錐型振動板1a、1bの周囲には、円錐型振動板1a、1bの底面に対して直交し、円錐型振動板1a、1bの周囲に、円錐型振動板1a、1bの底面に対して平行に進行する円筒波が形成される。
そして、図11に示したように、2つの円錐型振動板1a、1bをつなげた形状とすることで、円錐型振動板1a、1bのそれぞれ毎の高さを抑制し、底面の径方向の大きさを抑えるメリットがある。
つまり、図1、図2に示したように、1つの円錐型振動板1だけである程度の高さを稼ごうとすると、円錐型振動板1の底面は比較的に大きなものとなる。しかし、同じ高さを2つの円錐型振動板1a、1bを用いて実現するようにすれば、そのそれぞれの高さは第1の実施の形態の円錐型振動板1の半分で済む。
この場合、円錐型振動板1a、1bの底面の大きさは、1つの円錐型振動板で同じ高を実現するようにした場合に比べて小さくなる。すなわち、2つの円錐型振動板1a、1bを用いることによって、底面の径方向の大きさを抑制することができ、スリムな(細身の)スピーカー装置を形成することが可能となる。
また、逆に考えれば、複数の円錐型振動板を、その中心軸方向に複数並べた構成にすることによって、中心軸方向の幅を広げた円筒波の形成が可能なスピーカー装置を実現することができる。
すなわち、図11に示した構成の円錐型振動板1a、1bを、さらに縦方向に連結するようにする。これにより、1本の振動伝達部材でそれぞれの頂点部分を接続するように構成することによって、中心軸方向の幅を広げた円筒波の形成が可能なスピーカー装置を実現することができる。
[円錐型振動板の向きの変更]
なお、図11に示した第2の実施の形態のスピーカー装置は、円錐型振動板1a、1bを用いるようにした。しかし、底面を上側に向けるようにした円錐型振動板1aだけを用いたスピーカー装置を形成することもできる。
図12は、底面を上側に向けるようにした円錐型振動板1aだけを用いたスピーカー装置について説明するための図である。円錐型振動板1a、振動伝達部材2、振動素子3のそれぞれは、図11に示した第2の実施の形態のスピーカー装置と同様に構成されたものである。
すなわち、図12に示したスピーカー装置は、図11に示したスピーカー装置から、円錐型振動板1bを除いた構成のスピーカー装置である。図12に示したスピーカー装置は、単に底面を上方に位置するようにしただけであるので、図1、図2に示したスピーカー装置の場合と同等に、円錐型振動板1aの周囲に第1の実施の形態の場合のスピーカー装置の場合と同様の円筒波を形成することができる。
図12に示したように、円錐型振動板をその底面を上側に向けて配設した場合であっても、図1、図2に示したように、円錐型振動板をその底面を下側に向けて配設した場合であっても、形成される円筒波の性質は同じである。
したがって、図12に示したように、円錐型振動板をその底面を上側に向けて配設したものと、図1、図2に示したように、円錐型振動板をその底面を下側に向けて配設したものとを提供することにより、ユーザーを好みのものを選択することができる。
なお、図11、図12に示したようにスピーカー装置を構成する場合に、図4を用いて説明したように、円錐型振動板1a、1bに、例えば、チタンで形成された振動板内振動伝達部材を埋め込む、あるいは、貼り付けるなどしてもよい。
このようにすることによって、円錐型振動板1a、1b内の音速を早めることができ、更に、円錐型振動板1a、1bの中心軸と側面のなす角度θを小さくし、スリム化を図ることもできる。
[第3の実施の形態]
図13〜図16は、第3の実施の形態のスピーカー装置の構成例を説明するための図である。この第3の実施の形態のスピーカー装置は、図12に示したスピーカー装置の場合と同様に、複数の円錐型振動板を用いるものであるが、その配置の仕方が第2の実施の形態のものとは異なるものである。
[第3の実施の形態の第1の例]
図13は、この第3の実施の形態の第1の例のスピーカー装置について説明するための図である。図13に示すように、この例のスピーカー装置は、マグネシウムで形成された円錐型振動板1cと、紙(例えばコーン紙)により形成された円錐型振動板1dとを備えている。
これら、円錐型振動板1c、1dのそれぞれは、図3を用いて説明した第1の実施の形態の円錐型振動板1の場合と同様にして、空気中の音速と、円錐型振動板1c、1d内の音速とに基づいて、中心軸と側面の稜線とのなす角度θ1、θ2が調整されたものである。
これにより、円錐型振動板1c、1dのそれぞれの周囲には、第1の実施の形態の場合と同様に、自己の底面に直交し、底面に対して平行に(水平方向に)進行する円筒波を形成することができるようにされる。
なお、マグネシウムの「内部損失」は、0.0045であり、音速はチタンと同様に約5000m/secである。また、また、紙(コーン紙)の「内部損失」は、0.04であり、「音速」は、1650m/secである。
このため、図13では、円錐型振動板1cにおける角度θ1と、円錐型振動板1dにおける角度θ2とはほぼ同じ角度に示しているが、マグネシウム製の円錐型振動板1cの角度θ1の方が小さな値となる。
そして、図13に示すように、円錐型振動板1c、1dのそれぞれは、振動伝達部材2に対して直列的に配設され、それぞれの頂点部分が振動伝達部材2に接続される。この場合の接続方法は、種々の方法を用いることが可能である。例えば、上述もしたように、ネジ式で両者を固着するようにしたり、樹脂や接着材によって両者を固着するようにしたりするなどのことが可能である。
そして、振動伝達部材2の端部には、振動素子3が接触するように設けられる。これにより、音響信号に応じて振動素子3が発生させた振動が、振動伝達部材2を通じて円錐型振動板1c、1dのそれぞれに伝達される。
これにより、円錐型振動板1c、1dの周囲には、円錐型振動板1c、1dの底面に対して直交し、円錐型振動板1c、1dの周囲に、円錐型振動板1c、1dの底面に対して平行な方向に進行する円筒波が形成される。
そして、マグネシウムが用いられて形成された音響振動板1cは、内部損失が比較的に小さく、高域部(高域側)の振動に対してよく反応する。このため、音響振動板1cは、高域側の音響を放音するためのものとして用いられる。
また、紙が用いられて形成された音響振動板1dは、マグネシウムに比べると内部損失も大きく、低域部(低域側)の振動に対してよく反応する。このため、音響振動板1dは、低域側の音響を放音するためのものとして用いられる。
図14は、マグネシウムと紙の振動特性を説明するための図である。図14に示すように、マグネシウムにより形成された音響振動板1cの場合には、高い周波数の振動に反応して、高音域の音響を音圧高く放音できるものである。これに対して、紙により形成された音響振動板1dの場合には、図14に示すように、低い周波数の振動に反応して、低音域の音響を音圧高く放音できるものである。
これにより、マグネシウムの音響振動板1cと、紙の音響振動板1dとを用いているので、高域側にも低域側にも再生周波数特性を拡大することができる。つまり、総合的に再生周波数特性を拡大させ、良好な再生音場を形成することができるようにされる。
[第3の実施の形態の第2の例]
図15は、この第3の実施の形態の第2の例のスピーカー装置について説明するための図である。この第2の例の場合にも、図13に示した第2の例の場合と同様に、マグネシウムで形成された円錐型振動板1cと、紙(例えばコーン紙)により形成された円錐型振動板1dとを備えたものである。
これら円錐型振動板1c、1dは、図13に示した第1の例のスピーカー装置の円錐型振動板1c、1dと同様に、図3に示した計算に基づいて、角度θ1、角度θ2が設定されたものである。
これにより、円錐型振動板1c、1dのそれぞれの周囲には、第1の実施の形態の場合と同様に、自己の底面に直交し、底面に対して平行に(水平方向に)進行する円筒波を形成することができるようにされる。
そして、図15に示すように、円錐型振動板1c、1dは、2本に分岐された振動伝達部材2aのそれぞれに配設され、円錐型振動板1c、1dのそれぞれの頂点部分が、2本に分岐された振動伝達部材2aのそれぞれの先端部分に接続される。
この場合の接続方法は、上述もしたように、ネジ式で両者を固着するようにしたり、樹脂や接着材によって両者を固着するようにしたりするなどのことが可能である。また、振動伝達部材2aの分岐部分は、振動をできるだけ減衰させることがないように、曲線となるようにされている。
そして、振動伝達部材2aの端部には、振動素子3が接触するように設けられる。これにより、音響信号に応じて振動素子3が発生させた振動が、振動伝達部材2を通じて円錐型振動板1c、1dのそれぞれに伝達される。
これにより、円錐型振動板1c、1dの周囲には、円錐型振動板1c、1dの底面に対して直交し、円錐型振動板1c、1dの周囲に、円錐型振動板1c、1dの底面に対して平行な方向に進行する円筒波が形成される。
この場合、図13を用いて説明したスピーカー装置の場合と同様に、マグネシウムの音響振動板1cと、紙の音響振動板1dとを用いることによって、高域側にも低域側にも再生周波数特性を拡大することができる。つまり、総合的に再生周波数特性を拡大させ、良好な再生音場を形成することができるようにされる。
なお、この例の場合には、2本に分岐した振動伝達部材2aが用いられることにより、音響振動板1cと、音響振動板1dとのそれぞれに対して、等しく(均等に)振動を伝達することができる。
[音響振動板を複数用いる場合の第3の例]
図16は、この第3の実施の形態の第3の例のスピーカー装置について説明するための図である。この第3の例の場合には、マグネシウムで形成された円錐型振動板1cと、紙(例えばコーン紙)により形成された2つの円錐型振動板1d、1eとを備えたものである。つまり、全部で3つの円錐型振動板1c、1d,1eを有するようにされている。
これら円錐型振動板1c、1d、1eは、上述した第3の実施の形態の第1、第2の例のスピーカー装置の円錐型振動板1c、1dと同様に、図3に示した計算に基づいて、角度θ1、角度θ2が設定されたものである。
これにより、円錐型振動板1c、1d、1eのそれぞれの周囲には、第1の実施の形態の場合と同様に、自己の底面に直交し、底面に対して平行に(水平方向に)進行する円筒波を形成することができるようにされる。
そして、図16に示すように、円錐型振動板1c、1d、1eは、3本に分岐された振動伝達部材2bのそれぞれに配設され、円錐型振動板1c、1d、1eのそれぞれの頂点部分が、3本に分岐された振動伝達部材2bのそれぞれの先端部分に接続される。
この場合の接続方法は、上述もしたように、ネジ式で両者を固着するようにしたり、樹脂や接着材によって両者を固着するようにしたりするなどのことが可能である。また、振動伝達部材2bの分岐部分もまた、図15に示した第2の例の振動伝達部材2aの場合と同様に、振動をできるだけ減衰させることがないように、曲線となるようにされている。
そして、振動伝達部材2bの端部には、振動素子3が接触するように設けられる。これにより、音響信号に応じて振動素子3が発生させた振動が、振動伝達部材2を通じて円錐型振動板1c、1d、1eのそれぞれに伝達される。
これにより、円錐型振動板1c、1d、1eの周囲には、円錐型振動板1c、1d、1eの底面に対して直交し、円錐型振動板1c、1d、1eの周囲に、円錐型振動板1c、1d、1eの底面に対して平行な方向に進行する円筒波が形成される。
この場合、図13を用いて説明したスピーカー装置の場合と同様に、マグネシウムの音響振動板1cと、紙の音響振動板1dとを用いることによって、高域側にも低域側にも再生周波数特性を拡大することができる。つまり、総合的に再生周波数特性を拡大させ、良好な再生音場を形成することができるようにされる。
なお、この例の場合には、3本に分岐した振動伝達部材2aが用いられることにより、音響振動板1cと、音響振動板1dと、円錐型振動板1eのそれぞれに対して、等しく(均等に)振動を伝達することができる。
なお、この第3の実施の形態のスピーカー装置の場合にも、図4を用いて説明したように、円錐型振動板1a、1bに、例えば、チタンで形成された振動板内振動伝達部材を埋め込む、あるいは、貼り付けるなどしてもよい。
このようにすることによって、円錐型振動板1a、1b内の音速を早めることができ、更に、円錐型振動板1a、1bの中心軸と側面のなす角度θを小さくし、スリム化を図ることもできる。
[音響振動板を複数用いる場合のその他の例]
なお、用いる音響振動板の数は適宜の数とすることができる。その場合に、音響振動板毎に異なるアクチュエータによって加振する構成とすることも可能である。また、図15、図16を用いて説明したように、振動伝達部材を分岐するようにして、複数の音響振動板に対して1つのアクチュエータからの振動を伝達させるようにすることも可能である。
また、大きさを音響振動板毎に異ならせるようにしてもよい。例えば、高域側の音響を放音する音響振動板よりも、低域側音響を放音する音響振動板の高さを高くするなどのことも可能である。この逆に、低域側の音響を放音する音響振動板よりも、高域側音響を放音する音響振動板の高さを高くするなどのことも可能である。
また、音響振動板の材質も、マグネシウムと紙に限るものではない。マグネシウムだけの音響振動板を用いたり、紙だけの音響振動板を用いたりすることももちろん可能である。また、マグネシウムや紙以外の素材の音響振動板を用いるようにすることももちろん可能である。例えば、プラスチック、ガラス、種々の繊維など、様々な材質の音響振動板を用いるようにすることもできる。
[実施の形態の効果]
上述した実施の形態のスピーカー装置によれば、水平方向に進行する円筒波を放射する無指向性スピーカーを実現することができる。そして、従来の水平方向に進行しない円筒波を形成する加振型スピーカーと比べ、距離による音圧減衰の更なる抑制効果が期待できる。すなわち、より良好な音場形成が可能な無指向性スピーカーを実現できる。
[この発明の方法]
そして、この発明の方法は、上述した第1〜第3の実施の形態の説明からも分かるように、円錐型振動板1等、振動伝達部材2等、及び振動素子3を備え、円錐型振動板1等の頂点から底面に下ろした垂線と円錐型振動板1の側面とのなす角度θを、同じタイミングで放音されるべき音響であって、頂点部分から放音される音響の到達距離と頂点から一番離れた側面端部から放音される音響の到達距離とが同じになるように設定して形成することを特徴とするものである。
当該角度θの具体的な設定方法は、図3を用いて説明した通りである。そして、基本的に、図1、図2、図4、図8、図11〜図13、図15、図16を用いて説明したスピーカー装置が、この発明のスピーカー装置の形成方法が用いられて形成されたものである。
[その他]
[構成要素の素材、大きさ、形状等]
なお、上述もしたように、円錐型振動板1、1a、1b、1c、1d、1eの素材、大きさは種々のものを用いることが可能である。特に、円錐型振動板の高さなどは、種々に設定可能であり、これに応じて円錐型振動板の底面の大きさも定まる。
また、上述した実施の形態において、円錐型振動板1、1a、1b、1c、1d、1eは円錐形のものであった。しかし、これに限るものではない。多角錐の形状の音響振動板を用いるようにすることができる。つまり、種々の錐型の音響振動板を用いることができる。具体的には、三角錐、四角錐、五角錐などの音響振動板を用いることができる。
この場合、放音音響の放音方向(進行方向)は、多角錐の側面が向いている方向に影響を受ける。しかし、例えば八角錐、16角錐などというように、側面の数を増やすことにより、無指向性に近づけることが可能である。
なお、多角錐は基本的には正多角錐を用いることが好ましい。しかし、音響振動板として正多角錐出ないものを用いてもよい。この場合には、各側面毎に中心軸との角度θを適切に設定することにより、音波面を適切に制御することができる。
また、振動伝達部材の素材、形状、大きさも種々のものを用いることができる。また、錐型の音響振動板の数、振動伝達部材の数、アクチュエータの数等も適宜の数とすることができる。
これら、錐型の音響振動板の素材、形状、大きさ、振動伝達部材の素材、形状、大きさ、錐型の音響振動板の数、振動伝達部材の数、アクチュエータの数等は、放音音響の目的とする音響特性(周波数特性、時間応答、位相特性等)を実現可能な範囲で適宜選択可能である。
また、アクチュエータも、圧電アクチュエータ、動電アクチュエータ、超磁歪アクチュエータなど種々のアクチュエータを用いることが可能である。
また、音響振動板として用いるようにする紙も種々の種類のものを用いることが可能である。例えば、画用紙やクラフト紙、その他、種々の加工を施した加工紙などを用いることが可能である。
[振動伝達部材の構成例]
また、振動伝達部材2は、予め長さが決まったものに限るものではない。振動伝達部材2は、長さ調整が可能な構成のものを用いるようにすることもできる。例えば、振動伝達部材の構造を、複数の太さの異なる振動伝達部材が伸び縮み可能ないわゆるアンテナロッドの構造とすることが可能である。
また、先端にネジ(片側オスネジ、片側メスネジ)が切ってある複数の振動伝達部材を用意し、必要に応じてオスネジとメスネジとをつなぎ合わせることにより、1本の振動伝達部材を構成することが可能である。
そして、必要に応じて伸び縮み可能なように連結した構成としたり、あるいは、必要に応じて連結できるように構成したりすることが可能である。
1…円錐型振動板、1a、1b…円錐型振動板、1c、1d、1e…円錐型振動板、2、2a、2b…振動伝達部材、3…振動素子、4…振動板内振動伝達部材、5…ベース筐体、6…ネジ、7…脚部、8…底板

Claims (12)

  1. 頂点から底面に下ろした垂線が当該底面の中心を通るようにされた錐体の音響振動板と、
    再生する音響信号の供給を受けて、当該音響信号に応じた振動を発生させる振動素子と、
    一端が前記錐体の音響振動板の前記頂点部分に支持されると共に、他端が前記振動素子によって加振される振動伝達部材とを備え、
    前記錐体の音響振動板は、同じタイミングで放音されるべき音響であって、前記頂点部分から放音される音響の到達距離と前記頂点から一番離れた側面端部から放音される音響の到達距離とが同じになるように、前記音響振動板の前記頂点から底面に下ろした垂線と当該音響振動板の側面とのなす角度θを設定して形成したスピーカー装置。
  2. 請求項1に記載のスピーカー装置であって、
    空気中を音響が伝播する速度Va、前記錐体の音響振動板中を音響が伝播する速度Vsである場合に、前記角度θは、
    cos(90−θ)=Va/Vbによって求められるスピーカー装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のスピーカー装置であって、
    前記錐体の音響振動板の側面に対して当該音響振動板よりも音速の速い1以上の他の振動伝達部材を設けたスピーカー装置。
  4. 請求項1、請求項2または請求項3に記載のスピーカー装置であって、
    前記振動伝達部材に対して、複数の前記錐体の音響振動板を設置したスピーカー装置。
  5. 請求項4に記載のスピーカー装置であって、
    前記振動伝達部材は、複数の前記錐体の音響振動板に対応して、複数に分岐した構造を有するスピーカー装置。
  6. 請求項4または請求項5に記載のスピーカー装置であって、
    複数の前記錐体の音響振動板の内、1以上の音響振動板と残りの音響振動板とは、異なる素材が用いられて形成されているスピーカー装置。
  7. 請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5または請求項6に記載のスピーカー装置であって、
    前記錐体の音響振動板は、円錐の音響振動板であるスピーカー装置。
  8. 請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5または請求項6に記載のスピーカー装置であって、
    前記錐体の音響振動板は、多角錐の音響振動板であるスピーカー装置。
  9. 請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7または請求項8に記載のスピーカー装置であって、
    前記振動素子は、超磁歪アクチュエータであるスピーカー装置。
  10. 請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7または請求項8に記載のスピーカー装置であって、
    前記振動素子は、圧電アクチュエータであるスピーカー装置。
  11. 請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7または請求項8に記載のスピーカー装置であって、
    前記振動素子は、動電アクチュエータであるスピーカー装置。
  12. 頂点から底面に下ろした垂線が当該底面の中心を通るようにされた錐体の音響振動板と、再生する音響信号の供給を受けて、当該音響信号に応じた振動を発生させる振動素子と、一端が前記錐体の音響振動板の前記頂点部分に支持されると共に、他端が前記振動素子によって加振される振動伝達部材とを備えたスピーカー装置において、
    前記音響振動板の前記頂点から底面に下ろした垂線と当該音響振動板の側面とのなす角度θを、同じタイミングで放音されるべき音響であって、前記頂点部分から放音される音響の到達距離と前記頂点から一番離れた側面端部から放音される音響の到達距離とが同じになるように設定するスピーカー装置形成方法。
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