JP2011026884A - 開口部の構築方法、及び開口部を備えるコンクリート壁の施工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、開口部Aを構成する枠体1U,1S,1H,1Mを配すると共に、間隔保持部材5を、取付具2に設けた係止穴211に貫通させ、前記取付具2の頭部21を前記枠体1U,1S,1H,1Mの裏面側から表面側に突出させ、その突出させた頭部21に前記枠体1U,1S,1H,1Mの表面にて留め具3を取り付けて固定することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
また、特許文献1では、セパレータ2、アタッチメント3、締結部材4から構成される固定保持具5によって開口型枠1を型枠パネル8a,8b間(コンクリートの打設空間)に固定する提案がなされている。
また、この工法に用いられる固定保持具5やセパレータ2は、特殊品であって、一般に使用されるセパレータを転用できないという問題もあった。
さらに、コンクリート建築物にあっては、壁体の仕上げ等の施工性の観点から型枠を取り外さない兼用型枠(型枠を仕上げ材として用いるか仕上げ材の一部とする)が採用されているが、この工法は、そのような兼用型枠には転用ができないという問題もあった。
そこで、本発明は、前述のような問題を全く生ずることなく、施工性に優れている開口部の構築方法、及び開口部を備えるコンクリート壁の施工方法を提供することを目的とする。
そして、枠体は、前述の従来工法のように間隔保持部材に直接的に固定されているものではなく取付具及び留め具により間接的に固定されているので、仮に取り外して別の枠材を取り付ける場合にも型枠の取り外しを待たずに施工を行うことができる。
また、一般的な間隔保持部材をそのまま用いることができるので、実用的価値が高い。
さらに、型枠を取り外さない兼用型枠とする工法にも容易に適用することができる。
また、枠体の保持には、強大な力が加えられるものではないので、変形等を生ずることがなく、安定に保持されるものとなる。
そして、この開口部の形状については、特に限定するものではなく、例えば矩形状の開口部を形成する場合には、その上辺、下辺、左辺、右辺にそれぞれ相当する部分にそれぞれ直線状の枠体を配せばよく、また例えばその上辺に相当する部分に屈曲状、アーチ状の枠体を配するようにしてもよい。そして、各枠体は、取付具及び留め具を介して間隔保持部材に取り付ければよく、このように矩形状の開口部に限らず、任意形状の開口部の構築を容易に行うことができる。
また、これらの枠体は、コンクリートの硬化後もそのまま利用してもよいが、取り外して別の枠材を取り付けるようにしてもよい。
なお、このように枠体の形状については、特に限定しないが、開口部分を囲むように配して開口側縁を形成するためには、枠体の周辺が型枠もしくは他の枠体と接触(当接)し、コンクリート打設時に当該接触部分からコンクリートの流出を防ぐ構成であればよい。また、その場合、接触部分に継ぎ部材やシール部材を介在させてもよい。
前記取付具の頭部に留め具を取り付ける手段としては、特に限定するものではないが、後述する図示実施例のように取付具の頭部に孔(取付孔)を設けて該取付孔に留め具を挿着するようにしてもよいし、前述のように取付具の頭部を雄ねじ加工した場合にはナットでもよい。
そして、コンクリートの打設時には、各部材は、上記の螺合手段により一体状に接続(連結)され、一方側及び他方側の型枠間が均一な間隔となるように配設される。コンクリートの打設、硬化後には、これらの各部材を分離して他方側に配された第2部材のみを抜き出す。すなわち一方側に配される第1部材は、コンクリートの打設後もコンクリート壁内に残存して埋設され、型枠を保持する機能を果たし、他方側に配される第2部材は、コンクリートの打設、硬化後に抜き出して繰り返し利用することができる。
開口部Aを構成する4つの枠体1(各枠体を特定せずに指す場合に1と表記する)は、当然のことながらコンクリート壁の厚みに相当する幅寸法を有し、図示実施例では、図3に示すように縦長の矩形状の開口部Aを構築するので、上辺に相当する部分に配設する枠体1U及び下辺に相当する部分に配設する枠体1Sは、同一の長さ寸法を有し、左辺に相当する部分に配設する枠体1H及び右辺に相当する部分に配設する枠体1Mは、同一の長さ寸法を有する。
また、これらの枠体1U,1S,1H,1Mの横面部11の幅方向の略中央には、後述する取付具2の頭部21を挿通させる通孔111が形成されている。なお、この通孔111は、図3に示すように枠体1U,1Sでは長さ方向の略中央(1箇所)に、枠体1H,1Mでは長さ方向を略均等分割した3箇所に設けられている。
図示実施例の取付具2は、図2(a),(c)に示すように棒状の一端に太径の頭部21が設けられ、該頭部21を貫通する角孔211が形成されている。また、この頭部21の他端側には、頭部21よりも大径のフランジ22が設けられ、さらにその他端側にはリング状の取付部23(係止穴231)が設けられている。
図示実施例の留め具3は、図2(b),(c)に示すように角柱を略L字状に成形した形状であり、前記取付具2の頭部21の角孔211に挿入される挿入部31とそれと直交する抜け止め部分32とからなり、挿入部31の先端は角が取られている。
具体的には、代表として開口部Aの上辺に相当する部分を拡大した図4(a)に示すように一方側の型枠6内に位置する第1部材(特殊ボルトである雄螺子棒状材51)とコンクリートに埋設される第2部材(雄螺子棒状材52,高ナット53,雄螺子棒状材54,筒状部材55)とからなる構成である。
そして、雄螺子棒状材54は、他方側の型枠6'の外側に配されたフォームタイの棒状部材と連結されているため、締め付け具7の取り外しと同時に雄螺子棒状材54の取り外しを行える。
すなわちこの実施例では、コンクリートに埋設される第2部分(52〜55)を取り外した状態で搬送など取り扱うことにより、型枠6に出っ張りなどがなく、積み重ねた状態で搬送や保管を行うことができる。
まず、図4(a)に示すように型枠兼用パネル6を配し、コンクリート打設空間40内に、雄螺子棒状材52及び高ナット53が突出するように取り付け配設する。
次に、高ナット53の他方側に、雄螺子棒状材54の一方側の先端を螺合して接続し、締め付け具7にて締め付けて型枠6'を所定位置に固定してコンクリート打設空間40を形成する。なお、筒状部材55は、予め前記取付具2の係止穴231を挿通させておき、見かけ上、筒状部材55に取付具2が固定される(図面では吊り下げられている)状態としておき、この筒状部材55の貫通孔を雄螺子棒状材54が貫通して高ナット53に螺号するように接続した。
この状態の枠体1Uは、間隔保持部材5に対し、取付具2及び留め具3を介して一体的に固定された状態となっている。
また、図示実施例では、直管状のパイプ材(筒材)である筒状部材55としては、例えば打設するコンクリートとなじみのよい樹脂製パイプ材のような廉価品を選択、使用できるため、製造コストが低く、実用的価値が極めて高い。
この場合、枠体1H,1Mは、それぞれ2箇所で取付具2及び留め具3を介して間隔保持部材5に安定に取り付けられているため、長さが長い枠体1H,1Mであってもその傾きを防止でき、コンクリート4の打設に際して生ずる圧力に対する耐久性も高いものとなる。
そして、一方側の型枠6Dには、前記垂木62の外側に縦バタと称される支持部材71が配され、フォームタイを含む締め付け具7'が配され、他方側の型枠6'の外側には横バタと称される支持部材72が配され、同様にフォームタイを含む締め付け具7'が配されている。
このように前述の開口部以外の構成及び施工については、何ら限定するものではなく、どのように構成、施工してもよい。
2 取付具
21 頭部
211 係止穴
22 フランジ
23 取付部
231 取付穴
3 留め具
31 挿入部
32 抜け止め部分
4 コンクリート
40 打設空間
5.8 間隔保持部材
51 第1部材
52〜55 第2部材
6A,6B,6C,6D (一方側の)型枠
6' (他方側の)型枠
7,7' 締め付け具
Claims (5)
- 開口部を構成する枠体を配すると共に、間隔保持部材を、取付具に設けた係止穴に貫通させ、前記取付具の頭部を前記枠体の裏面側から表面側に突出させ、その突出させた頭部に前記枠体の表面にて留め具を取り付けて固定することを特徴とする開口部の構築方法。
- 開口部を構成する枠体は、それぞれ一方のみが解放する枠体であって、それぞれ開放部分を内側に向けて配することを特徴とする請求項1に記載の開口部の構築方法。
- 一方側及び他方側の型枠間に開口部を構成する枠体を配して施工するコンクリート壁の施工方法であって、
開口部を構成する枠体をコンクリート打設空間内に配すると共に、コンクリート打設空間の一方側から他方側に至る間隔保持部材を、取付具に設けた係止穴に貫通させ、前記取付具の頭部を前記枠体の裏面側から表面側に突出させ、その突出させた頭部に前記枠体の表面にて留め具を取り付けて固定し、この状態でコンクリートを打設することを特徴とする開口部を備えるコンクリート壁の施工方法。 - 型枠の何れか一方又は両方が断熱材及び/又は外装仕上材を兼用することを特徴とする請求項3に記載の開口部を備えるコンクリート壁の施工方法。
- 間隔保持部材は、コンクリート打設空
間内で分離可能であって、螺合手段で接続される複数の間隔保持部材にて構成され、一方側に配される第1部材は、少なくとも棒状部材を備え、一方側の端部が型枠に保持され、他方側に配される第2部材は、コンクリート打設空間内に位置する部分が筒状部材で包囲され、コンクリート打設後に抜き取り可能であることを特徴とする請求項3又は4に記載の開口部を備えるコンクリート壁の施工方法。
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