JP2011026717A - 結束テープ用布帛及び結束テープ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】結束テープ10は、基材11と、同基材11における電線束Wの外周面と接触する裏面側に形成された粘着層12とから構成される。基材11は、1枚の布帛20から構成され、この布帛20はともにポリエステル繊維からなる経糸21と緯糸22とを用い、経編緯糸挿入形式で編まれた編布からなる。経糸21の太さが22〜56デシテックスで、緯糸22の太さが440デシテックス以上であり、かつ経糸21の密度が10〜30ウェール/インチである。
【選択図】図1
Description
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、結束機能と保護機能とを兼ね備えた上で、手で切ることができるすなわち手切れ性の良い結束テープ用布帛及び結束テープを提供するところにある。
(1)前記経糸と前記緯糸の少なくともいずれか一方が熱融着性を有しており、前記経糸と前記緯糸とが熱融着されている。経糸と緯糸とが熱融着された状態となっているから、布帛を手で切った場合に、切断部分において経糸の先等がほつれることが防止される。
(2)布帛が、粘着剤を介して複数層積層されている。手切れ性の良さを担保したまま、結束機能、保護機能を向上させることができる。
(3)前記緯糸のポリエステル繊維が、複数本のポリエステルフィラメントを撚った撚り糸により構成されている。繊維が分散することに起因して毛羽が出ることが抑制される。
(4)前記複数本のポリエステルフィラメントのうち一部のみが熱融着性を有している。熱融着性を有する緯糸を得る場合に安価に対応できる。
各布帛の効果に対応した効果を得ることができる。
以下、本発明の実施形態1を図1ないし図4を参照しつつ説明する。この実施形態では、自動車に配線されるワイヤハーネスを構成する電線束Wを結束することに用いられる結束テープ10を例示する。電線束Wは、図4に示すように、複数本の被覆電線wあるいはシールド電線を一束に纏めたものである。
基材11は、1枚の布帛20から構成されている。この布帛20は、ともにポリエステル繊維からなる経糸21と緯糸22とを用い、経編緯糸挿入形式で編まれた編布からなる。経編緯糸挿入形式の編布とは、図2に模式的に示すように、経糸21をループが連続した形態とし、緯糸22を同ループに挿通して形成された布である。
緯糸22は、複数本のポリエステルファイバ(単糸)を仮撚加工したポリエステル仮撚加工糸からなり、この緯糸22の太さとしては、440デシテックス以上が好ましい。440デシテックス未満であると、編布となった場合における曲げ剛性等の剛性が不足する。
また、上記のように編まれた編布が熱処理されることによって、経糸21と緯糸22が熱溶着され、最終的な布帛20が完成される。
一方、保護機能については、耐摩耗性で評価される。「摩耗」について、同布帛20が電線束Wに巻かれた状態で布帛20が外部から荷重を受けた場合に、内側の電線束Wが外部に露出する程度に孔が開くことであるとすると、本実施形態の布帛20は、上記のように適度な剛性を保有することで、必要な耐摩耗性を有していると言える。これは、JISに規定された耐摩耗試験機でも実証され、すなわち保護機能も担保される。
ここで、経糸21の密度が30ウェール/インチを超えた高密度となると、一度に多数本の経糸21を切る必要があって、簡単には手で切ることができず、一方、10ウェール/インチ未満の低密度となると、不用意に切り裂かれてしまうおそれがある。
より好適な経糸21の密度は、18〜22ウェール/インチである。
また、本実施形態の布帛20は、基本的には編布であって、適度な厚さと弾力性とを備えているから、布帛20に他部材が当たった場合の打音と、布帛20に他部材が擦られた場合の擦れ音を抑えることに優れ、すなわち消音性にも優れている。
なお緯糸22は、複数本のポリエステルファイバを撚った撚り糸により形成されているから、繊維が分散することに起因して毛羽が出ることが抑制される。
このような裏面に粘着層12が形成された布帛20(基材11)が、緯糸22に沿った方向に所定間隔を開けて、経糸21に沿った方向に切断されることで、経糸21を長さ方向に沿って配した所定幅の結束テープ10が形成される。
結束テープ10の幅は例えば100mm未満に設定され、同結束テープ10は、図3に示すように、紙製の芯管31に巻き付けられた、いわゆる巻物30として準備される。
結束テープ10の基材11(布帛20)は、所定の結束機能と保護機能とを有していることで、電線束Wを確実に結束しかつ保護することができる。
その上で、結束テープ10の装着は、同結束テープ10を、巻物30から繰り出しつつ、電線束Wの外周に対して、側縁をラップさせつつ螺旋状に巻き付けるだけでよく、特に、同結束テープ10は手切れ性に優れているから、所定の巻き付けが終わって切断する場合も、簡単に手で切ることができ、もって保護材としての結束テープ10の装着作業を能率良く行うことができる。
また結束テープ10は消音性に優れているから、振動等に伴ってワイヤハーネスが周辺の機材等に当たったり、擦れたりした場合の騒音の発生も有効に抑えることができる。
図5は、本発明の実施形態2を示す。この実施形態では、結束テープ10Aの基材11Aが、上記実施形態1に例示した2枚の布帛20(編布)を接着剤25で貼り合わせた3層の積層構造となっている。接着剤25としては、ポリアミド系接着剤が例示される。また、同基材11Aの裏面には、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤等の粘着剤を塗布した粘着層12が形成されている。
一方、手切れ性については、基本的には、布帛20(編布)を構成する経糸21の太さと密度とによるから、それぞれ許容範囲内の小さい方に設定した布帛20(編布)を用いることにより、同布帛20を2枚備えた3層構造であっても、手切れ性の良いものとすることができる。
実施形態2の結束テープ10Aによれば、結束機能と保護機能とを向上させた上で、手切れ性にも優れたものにでき、消音性についてもさらに向上させることができる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、経糸が熱融着性を有している場合を例示したが、緯糸も含めて同特性を有していないものであってもよく、そのようなものも本発明の技術的範囲に含まれる。
(2)逆に熱融着性について、経糸に限らず、緯糸側、さらには経糸と緯糸の両方に同特性を持たせるようにしてもよい。なお、緯糸の場合は、同緯糸を構成する複数本のポリエステルフィラメントのうち一部のみに熱融着性を有するものを使用するようにしてもよい。
(3)布帛の積層構造は、同布帛を3枚以上用いた積層構造としてもよい。
(5)結束テープの巻き付け方としては、上記実施形態に例示した螺旋巻きに限らず、両側縁をラップさせつつ円筒形をなして巻くいわゆるすし巻き状に巻く、また両側縁を合掌貼りしつつ円筒形をなして巻く等、他の巻き方を採用してもよい。
11,11A…基材
12…粘着層
20…布帛
21…経糸
22…緯糸
25…粘着剤
W…電線束
Claims (6)
- 太さが22〜56デシテックスのポリエステル繊維からなる経糸と、太さが440デシテックス以上のポリエステル繊維からなる緯糸とにより経編緯糸挿入形式で編まれ、かつ前記経糸の密度が10〜30ウェール/インチであることを特徴とする結束テープ用布帛。
- 前記経糸と前記緯糸の少なくともいずれか一方が熱融着性を有しており、前記縦糸と前記緯糸とが熱融着されていることを特徴とする請求項1記載の結束テープ用布帛。
- 請求項1または請求項2に記載の布帛が、粘着剤を介して複数層積層されていることを特徴とする結束テープ用布帛。
- 前記緯糸のポリエステル繊維が、複数本のポリエステルフィラメントを撚った撚り糸により構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の結束テープ用布帛。
- 前記複数本のポリエステルフィラメントのうち一部のみが熱融着性を有していることを特徴とする請求項4記載の結束テープ用布帛。
- 請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の布帛の片面には、粘着層が形成されていることを特徴とする結束テープ。
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