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JP2011024810A - 電磁調理用容器 - Google Patents

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JP2011024810A JP2009174215A JP2009174215A JP2011024810A JP 2011024810 A JP2011024810 A JP 2011024810A JP 2009174215 A JP2009174215 A JP 2009174215A JP 2009174215 A JP2009174215 A JP 2009174215A JP 2011024810 A JP2011024810 A JP 2011024810A
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Abstract

【課題】 家庭用、業務用の電磁調理器を問わず幅広く使用が可能であって、しかも、種々の料理を調理するのに好適で、耐久性のある電磁調理用容器を安価に提供する。
【解決手段】 電磁誘導加熱によって発熱するカーボン板3が、カーボン板の周縁を保持する保持部を有する環状のカーボン板保持枠4に保持され、前記カーボン板保持枠の上面と前記容器本体2の外側底面とが耐熱性接着剤5で接着され、前記カーボン板の上面と容器本体の外側底面が面接触されてなることを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

この発明は、電磁調理用容器に関するものである。さらに詳しくは、この発明は、電磁誘導加熱によってカーボン板に発生した熱を利用して調理を行う電磁調理用容器に関するものである。
カーボン板を用いた電磁調理用容器としては、土鍋の外側底面を平らに削り取り、削られた外側底面にカーボン板を耐熱性接着剤で接着したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−303569号公報
図11に、従来のカーボン板を用いた電磁調理用容器の一例を示す。この電磁調理用容器81は、容器本体82の外側底面82aを平らに削り取り、削られた外側底面82aにカーボン板83を耐熱性接着剤84で接着したものである。ここで使用されている耐熱性接着剤としては、230℃近くまでの加熱に耐えられるシリコーン系接着剤が一般的である。耐熱性接着剤84は、容器本体の外側底面82aとカーボン板83の上面全体との間に挟まれ、カーボン板上面全体にわたって層状に存在している。
このような電磁調理用容器は、カーボン板の発熱効率と蓄熱性が良好で、部分的な焦げつきが生じ難く、冷めにくい等の利点がある。
しかしながら、このような電磁調理用容器81は、カーボン板の発熱でカーボン板が剥離等しないようにして使用することが必要である。
すなわち、このような電磁調理用容器では、通常の使用では問題はないものの、空焚きをしたり、空焚きに近い加熱をする料理、例えば、ビビンバ料理や焼き肉等を行うと、電磁誘導加熱によりカーボン板が短時間で230℃を超えることになる。このような場合、通常、電磁調理器の温度センサーが作動し電磁誘導加熱が中止されるが、それまでにすでに高温となったカーボン板は、ゆっくりとしか冷めず、耐熱性接着剤が劣化して悪臭を発したり、耐熱性接着剤の劣化とカーボン板と容器本体との熱膨張の差による相互作用によってカーボン板が部分的に剥離し、耐熱性接着剤との間に隙間が生じたりする。このような状態となった電磁調理用容器を使用して料理を行った後、電磁調理用容器を洗浄すると、隙間に水が侵入し残留する。この状態で再度電磁誘導加熱を行うと、その水が急激に気化し、水蒸気となって隙間から外部に排出される。そうすると、カーボン板の剥離が進行したり、新たな剥離が生じたりすることにもなる。
このようなことが繰り返されると、耐熱性接着剤の劣化がすすみ、また、カーボン板の剥離が増加し、隙間がますます拡大することになり、隙間に侵入し残留する水の量も増加することになる。そして、この水が電磁誘導加熱によって急激に水蒸気に気化して破壊的な作用をなし、カーボン板、耐熱性接着剤を損傷させたり、破損させたりし、ついには、カーボン板が脱落したり、容器本体までも損傷させたりすることになる。
外食産業では、高出力の電磁調理器を備えたオール電化厨房が増加し、調理時間の短縮等に応えるため、業務用に高出力の電磁調理器が導入されている。そのような高出力の電磁調理器では、230℃以上の加熱に耐えられる電磁調理用容器が必要とされる。また、近年、家庭でも高出力の電磁調理器が導入され、同様の電磁調理用容器に対する要望が高まっている。しかしながら、従来の電磁調理用容器では、これらの要望を満たすことができない。
この発明は、上記のような実情に鑑み鋭意研究の結果創案されたものであり、家庭用、業務用の電磁調理器を問わず幅広く使用が可能であって、しかも、種々の料理を調理するのに好適で、耐久性のある電磁調理用容器を安価に提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、この発明の電磁調理用容器は、(1)電磁誘導加熱によって発熱するカーボン板が、カーボン板保持体に保持され、前記カーボン板の上面と容器本体の外側底面が面接触されてなることを特徴とする。
そして、(2)前記(1)の電磁調理用容器において、前記カーボン板保持体は、前記カーボン板の周縁を保持する保持部を有するカーボン板保持枠であって、該カーボン板保持枠と前記容器本体とが耐熱性接着剤で接着されてなるものであってもよい。
より具体的には、(3)前記(2)の電磁調理用容器において、前記カーボン板保持枠の上面と前記容器本体の外側底面とが耐熱性接着材で接着されてなるもの、または、(4)前記(2)の電磁調理用容器において、前記容器本体の胴部の下方には、該胴部の外側周壁に沿って前記カーボン板保持枠との接着用段部が設けられており、該段部の下面とカーボン板保持枠の上面とが前記耐熱性接着剤で接着されているものであることが好ましい。
(5)前記(1)の電磁調理用容器において、前記カーボン板保持体は、前記カーボン板の周縁を保持する保持部を有するカーボン板保持枠であって、該カーボン板保持枠と前記容器本体とが固定具で固定されてなるものであってもよい。
(6)前記(1)の電磁調理用容器において、前記容器本体の胴部の下方には、該胴部の外側周壁から外側に突出した係合片が複数箇所に設けられており、前記カーボン板保持体は、前記カーボン板の周縁を保持する保持部を有する環状のカーボン板保持枠であって、該カーボン板保持枠には、前記係合片を案内しバヨネット結合するための被係合スリットが前記係合片に対応して複数形成されており、前記容器本体と前記カーボン板保持枠がバヨネット結合されてなるものであってもよい。
また、(7)前記(1)の電磁調理用容器において、前記カーボン板保持体は、前記容器本体を収容する器状体であって、底部に前記カーボン板を載置する凹部を有するものであってもよい。
そして、(8)前記(1)ないし(7)のいずれかの電磁調理用容器において、前記カーボン板保持体には、水蒸気排出路が形成されてなるものであることが好ましい。
(9)前記(1)ないし(8)のいずれかの電磁調理用容器において、前記容器本体およびカーボン板保持体が、陶磁器、石材、ガラス、または、耐熱性合成樹脂のうちから選択された1種であることが好ましい。
この発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
すなわち、この発明(1)の電磁調理用容器は、従来の電磁調理用容器のようにカーボン板と容器本体の外側底面が耐熱性接着剤によって接着されていないことから、空焚きや、それに近い加熱をする料理、高出力の電磁調理器での料理に使用しても、カーボン板、容器本体、カーボン板保持体が損傷・破損したりすることがない。そのため、家庭用、業務用を問わず幅広い電磁調理器に使用可能であって、しかも、種々の料理を調理するのに好適で、耐久性に優れている。
また、この電磁調理用容器は構造が簡単であって、製造コストを低減できる利点がある。
そして、前記(2)〜(4)の電磁調理用容器では、耐熱性接着剤が使用されているが、それは、カーボン板保持枠を容器本体に接着するためのものであり、カーボン板を容器本体に接着するものではないから、空焚きや、それに近い加熱をする料理、高出力の電磁調理器での料理に使用しても、カーボン板の熱は直接耐熱性接着剤に伝達されることがなく、耐熱性接着剤の劣化や悪臭の発生等の恐れが少なく、容器本体からカーボン板保持枠が分離したり、カーボン板、容器本体、カーボン板保持枠が損傷・破損したりすることにはなり難い。従って、家庭用、業務用を問わず幅広い電磁調理器に使用可能であって、しかも、種々の料理を調理するのに好適で、耐久性に優れている。
また、(2)〜(4)の電磁調理用容器は構造が簡単であり、従来の電磁調理用容器のようなカーボン板と容器本体の外側底面とを耐熱性接着剤で接着するものと比べ、使用する耐熱性接着剤の量も少なくて済み、製造コストを低減できる利点がある。
前記(5)の電磁調理用容器では、カーボン板保持枠を容器本体に固定具で固定していることから、空焚きや、それに近い加熱をする料理、高出力の電磁調理器での料理に使用しても、カーボン板、容器本体、カーボン板保持枠が損傷・破損したりすることがない。そのため、家庭用、業務用を問わず幅広い電磁調理器に使用可能であって、しかも、種々の料理を調理するのに好適で、耐久性に優れている。また、カーボン板保持枠と容器本体を固定具で固定していることから、固定具をはずせば、カーボン板保持枠が容器本体に着脱可能であり、従って、カーボン板保持枠、カーボン板、容器本体をバラバラにでき、掃除、洗浄が容易であり、また、損傷したものがあれば、交換することができる利点がある。
前記(6)の電磁調理用容器では、カーボン板保持枠と容器本体をバヨネット結合するようにしていることから、空焚きや、それに近い加熱をする料理、高出力の電磁調理器での料理に使用しても、カーボン板、容器本体、カーボン板保持枠が損傷・破損したりすることがない。そのため、家庭用、業務用を問わず幅広い電磁調理器に使用可能であって、しかも、種々の料理を調理するのに好適で、耐久性に優れている。また、カーボン板保持枠と容器本体をバヨネット結合することから、カーボン板保持枠が容器本体に着脱可能であり、従って、カーボン板保持枠、カーボン板、容器本体をバラバラにでき、掃除、洗浄が容易であり、また、損傷したものがあれば、交換することができる利点がある。
また、この電磁調理用容器は構造が簡単であって、従来の電磁調理用容器のようなカーボン板と容器本体の外側底面とを耐熱性接着剤で接着することを必要とせず、組立も容易であり、製造コストを低減できる利点がある。
前記(7)の電磁調理用容器では、カーボン板保持体の底部に形成された凹部にカーボン板を載置していることから、空焚きや、それに近い加熱をする料理、高出力の電磁調理器での料理に使用しても、カーボン板、容器本体、カーボン板保持体が損傷・破損したりすることがない。そのため、家庭用、業務用を問わず幅広い電磁調理器に使用可能であって、しかも、種々の料理を調理するのに好適で、耐久性に優れている。また、カーボン板保持体、カーボン板、容器本体が組立・分解可能であり、従って、カーボン板保持体、カーボン板、容器本体をバラバラにでき、掃除、洗浄が容易であり、また、損傷したものがあれば、交換することができる利点がある。
また、この電磁調理用容器は構造が簡単であって、従来の電磁調理用容器のようにカーボン板と容器本体の外側底面とを耐熱性接着剤で接着することを必要とせず、組立は単純であり、製造コストを低減できる利点がある。
前記(8)の電磁調理用容器のように、カーボン板保持体に水蒸気排出路が形成されていると、例えば、電磁調理用容器を洗浄した後、生乾きや充分に乾燥していない状態で電磁調理を行う必要が生じ、電磁誘導加熱をせざるを得ない場合において、容器本体、カーボン板、カーボン板保持体に付着したり吸着等したりした水や、これ等の間に残留した水が、カーボン板の発熱に伴って気化し水蒸気となっても、速やかに水蒸気排出路から外部に排出させることができることになる。
そして、(1)ないし(9)の電磁調理用容器は、カーボン板保持体によってカーボン板を保持していることから、カーボン板が露出せず見栄えが良いものであり、電磁調理用容器をテーブル等に置いても、カーボンがテーブル等の表面に付いたりせず、また、取り扱い時に手にカーボンが付いたりすることがない。
この発明の電磁調理用容器の一実施の形態を示す分解斜視図である。 図1に示す電磁調理用容器の縦断面図である。 図1に示す電磁調理用容器のカーボン板保持枠を示し、(a)は平面図、(b)は底面図である。 この発明の電磁調理用容器の他の実施の形態を示す縦断面図である。 この発明の電磁調理用容器の更に他の実施の形態を示す縦断面図である。 この発明の電磁調理用容器の更に他の実施の形態を示す分解正面図である。 図6に示す電磁調理用容器の一部破断正面図である。 この発明の電磁調理用容器の更に他の実施の形態を示す分解正面図である。 この発明の電磁調理用容器の更に他の実施の形態を示す縦断面図である。 この発明の電磁調理用容器の更に他の実施の形態を示す縦断面図である。 従来のカーボン板を用いた電磁調理用容器の縦断面図である。
以下、発明を実施するための形態を示し、さらに詳しくこの発明について説明する。もちろんこの発明は以下の実施の形態によって限定されるものではない。
この発明で、用語「陶磁器」は、陶器・磁器類の総称であって、土器等も含むものとして使用している。
図1は、この発明の電磁調理用容器の一実施の形態を示す分解斜視図、図2は、その電磁調理用容器の縦断面図で、鍋状のものとして示されている。
図1、図2に示される電磁調理用容器1は、陶磁器製の容器本体2の底を平らとなるように削り、その外側底面2aに、円盤状のカーボン板3の上面が陶磁器製で環状のカーボン板保持枠4に保持された状態で面接触させられ、カーボン板保持枠4を耐熱性接着剤5で接着したものである。なお、図面では、便宜上、耐熱性接着剤5の厚さを強調して示している。
耐熱性接着剤は、高温度に耐え、硬化時に体積が収縮せず、弾力性を保つ性質を有するものであれば特に限定されるものではないが、耐熱性シリコーン接着剤が例示できる。具体的な耐熱性シリコーン接着剤としては、例えば、1成分加熱硬化型シリコーン接着剤であるモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製のTSE322、TSE322−B、TSE3250を挙げることができる。
容器本体2の底の厚さは、容器本体の強度、カーボン板からの熱伝導効率等を勘案して、適宜決定されるものであるが、陶磁器等の場合は、3mm以下にすることが好ましいが、これに限られるものではない。
容器本体2は、底を削り取ったものに限られず、初めから底が所定の厚さで、外側底面2aが平らなものとして製造したものであってもよい。
カーボン板保持枠4は、環状で上面4aが平らとされ、内側に段部が環状に形成されており、段部の支持面4bでカーボン板3を支持し、カーボン板3をカーボン板保持枠4内に保持するようになっている。カーボン板保持枠4は、その上面4aが容器本体2の外側底面2aと耐熱性接着剤5で接着される。そして、図1乃至図3から明らかであるように、段部の支持面4bには、内側斜め下方に向かう溝状の水蒸気排出路7が等間隔に複数形成されている。また、カーボン板保持枠4の下面には、内から外に向かう溝状の水蒸気排出路8が等間隔に複数形成されている。なお、水蒸気排出路は、等間隔に配置されていなくてもよく、また、その形状も溝状のものに限られず、孔状のものであってもよい。
カーボン板3は、上面側周縁が側方に張り出した環状の張出部3aを有する段付き板であって、張出部3aが肉薄となっている。カーボン板3の厚さは、電磁調理用容器1を電磁調理器に載置した時、カーボン板3が電磁調理器の天板と接しないように設定されている。すなわち、カーボン板保持枠4の段部の支持面4bでカーボン板3が支持された際、カーボン板3の下面とカーボン板保持枠4の下面位置との間に所定の間隙が生じるように設定されている。
カーボン板保持枠4の内側面とカーボン板3の側面との間にも間隙が生じるように設定されて、耐熱性接着剤5とカーボン板3が接触しないようになっている。
この電磁調理用容器1は、容器本体に取っ手を備えているが、電磁調理用容器としては必ずしも取っ手を必要とするものではない。
電磁調理用容器1は、各種の料理に使用できるものである。料理の種類によっては、蓋を使用したり、蒸し料理等では、蓋と多孔の蒸し板を使用したりすることになる。
この電磁調理用容器1は、耐熱性接着剤が使用されているが、それは、カーボン板保持枠4を容器本体2に接着するためのものであり、カーボン板3を容器本体2に接着するものではないから、空焚きや、それに近い加熱をする料理、高出力の電磁調理器での料理に使用しても、カーボン板3の熱は直接耐熱性接着剤5に伝達されることがなく、耐熱性接着剤5の劣化や悪臭の発生等の恐れが少なく、容器本体2からカーボン板保持枠4が分離したり、カーボン板3、容器本体2、カーボン板保持枠4が損傷・破損したりすることにはなり難い。従って、家庭用、業務用を問わず幅広い電磁調理器に使用可能であって、しかも、種々の料理を調理するのに好適で、耐久性に優れている。
そして、カーボン板保持枠4に、水蒸気排出路7、8が設けられていることから、例えば、電磁調理用容器1を洗浄した後、生乾きや充分に乾燥していない状態で電磁調理を行う必要が生じ、電磁誘導加熱をせざるを得ない場合において、容器本体2、カーボン板3、カーボン板保持枠4に付着したり吸着等したりした水や、これ等の間に残留した水が、カーボン板3の発熱に伴って気化し水蒸気となっても、速やかに水蒸気排出路7を経由し水蒸気排出路8から外部に排出させることができることになる。そのため、電磁調理用容器1のカーボン板保持枠4、カーボン板3と電磁調理器の天板とで形成される空間に水蒸気が溜まらず、水蒸気の圧力が高まることがなく、水蒸気の圧力で、電磁調理用容器1が電磁調理器の天板から浮き上がったり、天板上を滑って移動してしまうようなことが起きる恐れはない。
また、電磁調理用容器1は構造が簡単であり、従来の電磁調理用容器のようなカーボン板と容器本体の外側底面とを耐熱性接着剤で接着するものと比べ、使用する耐熱性接着剤の量も少なくて済み、製造コストを低減できる利点がある。
図4は、この発明の電磁調理用容器の他の実施の形態を示す縦断面図であって、カーボン板と耐熱性接着剤との距離が離れているものであり、カーボン板による発熱の影響がより耐熱性接着剤に及びにくくなっているものである。
すなわち、図4に示される電磁調理用容器11は、容器本体12の胴部の下方が削られ、胴部の外側周壁に沿ってカーボン板保持枠14との接着用段部が設けられており、カーボン板保持枠14は外周部が上方に延長され、容器本体12の段部の下面12aとカーボン板保持枠14の上面14aとが耐熱性接着剤5で接着されているものである。その他の構成は、図1に示した電磁調理用容器1と相違がないことから、同様な構成には同一の番号を付し説明は省略する。
そして、この電磁調理用容器11は、耐熱性接着剤が使用されているが、それは、カーボン板保持枠14を容器本体12にカーボン板3から離して接着するためのものであり、カーボン板3を容器本体12に接着するものではないから、空焚きや、それに近い加熱をする料理、高出力の電磁調理器での料理に使用しても、カーボン板3の熱は直接耐熱性接着剤5に伝達されることがなく、耐熱性接着剤5の劣化や悪臭の発生等の恐れが少なく、容器本体12からカーボン板保持枠14が分離したり、カーボン板3、容器本体12、カーボン板保持枠14が損傷・損傷したりすることにはなり難い。従って、家庭用、業務用を問わず幅広い電磁調理器に使用可能であって、しかも、種々の料理を調理するのに好適で、耐久性に優れている。
そして、カーボン板保持枠14に、水蒸気排出路7、8が設けられていることから、例えば、電磁調理用容器11を洗浄した後、生乾きや充分に乾燥していない状態で、電磁調理を行う必要が生じ、電磁誘導加熱をせざるを得ない場合において、容器本体12、カーボン板3、カーボン板保持枠14に付着したり吸着等したりした水や、これ等の間に残留した水が、カーボン板3の発熱に伴って気化し水蒸気となっても、速やかに水蒸気排出路7を経由し水蒸気排出路8から外部に排出させることができることになる。そのため、電磁調理用容器11のカーボン板保持枠14、カーボン板3と電磁調理器の天板とで形成される空間と電磁調理器の天板との間に水蒸気が溜まらず、水蒸気の圧力が高まることがなく、水蒸気の圧力で、電磁調理用容器11が電磁調理器の天板から浮き上がったり、天板上を滑って移動してしまうようなことが起きる恐れはない。
また、電磁調理用容器11は構造が簡単であり、従来の電磁調理用容器のようなカーボン板と容器本体の外側底面とを耐熱性接着剤で接着するものと比べ、使用する耐熱性接着剤の量も少なくて済み、製造コストを低減できる利点がある。
なお、水蒸気排出路は溝に限られず、孔であってもよく、例えば、カーボン板保持枠14の上方に延長された外周部に、水蒸気排出路となる孔を設けるようにしてもよい。
図5は、この発明の電磁調理用容器の更に他の実施の形態を示す縦断面図である。
図5に示される電磁調理用容器21は、容器本体22にカーボン板保持枠24を固定具の一種としてのネジ26で固定したものであり、容器本体22は、下方が寸胴で稍肉厚となっている。
容器本体22にカーボン板保持枠24をネジ26で固定するには、容器本体22の底面に穿設した穴22aに、耐熱性セメント25(例えば、カーボンセメント(SECカーボン社製のKC−300))を充填し、カーボン板3とカーボン板保持枠24を重ね、ネジ26をカーボン板保持枠24に穿設したネジ挿通孔24aに通して、ネジ26の先端を耐熱性セメント25の中にまで到達させた後、耐熱性セメント25を硬化させればよい。
カーボン板保持枠24のネジ挿通孔24aは、ネジ径より稍大きく設定しているが、容器本体22とカーボン板保持枠24の熱膨張率が同じであれば、ネジ径と殆ど同じであっても良い。その他の構成は、図1に示した電磁調理用容器1と相違がないことから、同様な構成には同一の番号を付し説明は省略する。
なお、容器本体22の底面に穿設した穴22aに耐熱性セメント25を充填しカーボン板保持枠24を容器本体22にネジで固定することに代え、容器本体に設けた穴をネジ穴としカーボン板保持枠をネジで直接固定するようにしてもよい。
この電磁調理用容器21は、カーボン板保持枠24を容器本体22にネジ26で固定するのに耐熱性セメント25が使用されている場合でも、耐熱性セメント25は、容器本体22の穴22aに充填し、カーボン板保持枠24を容器本体22にネジ26で固定するためのものであり、カーボン板3を容器本体22に接着するものではないから、空焚きや、それに近い加熱をする料理、高出力の電磁調理器での料理に使用しても、カーボン板3の熱は直接耐熱性セメント25に伝達されることがなく、耐熱性セメント25の劣化の恐れが少なく、容器本体22からカーボン板保持枠24が分離したり、カーボン板3、容器本体22、カーボン板保持枠24が損傷したりすることにはなり難い。また、この電磁調理用容器21が、カーボン板保持枠24を容器本体にネジ26で直接固定している場合は、空焚きや、それに近い加熱をする料理、高出力の電磁調理器での料理に使用しても、カーボン板3、容器本体22、カーボン板保持枠24が損傷・破損したりすることがない。
こういったことから、この電磁調理用容器は、家庭用、業務用を問わず幅広い電磁調理器に使用可能であって、しかも、種々の料理を調理するのに好適で、耐久性に優れている。また、カーボン板保持枠と容器本体をネジで固定していることから、ネジをはずせば、カーボン板保持枠と容器本体とが着脱可能であり、従って、カーボン板保持枠、カーボン板、容器本体をバラバラにでき、掃除、洗浄が容易であり、また、損傷したものがあれば、交換することができる利点がある。
そして、カーボン板保持枠24に、水蒸気排出路7、8が設けられていることから、例えば、電磁調理用容器21を洗浄した後、生乾きや充分に乾燥していない状態で電磁調理を行う必要が生じ、電磁誘導加熱をせざるを得ない場合において、容器本体22、カーボン板3、カーボン板保持枠24に付着したり吸着等したりした水や、これ等の間に残留した水が、カーボン板3の発熱に伴って気化し水蒸気となっても、速やかに水蒸気排出路7を経由し水蒸気排出路8から外部に排出させることができることになる。そのため、電磁調理用容器21のカーボン板保持枠24、カーボン板3と電磁調理器の天板とで形成される空間に水蒸気が溜まらず、水蒸気の圧力が高まることがなく、水蒸気の圧力で、電磁調理用容器21が電磁調理器の天板から浮き上がったり、天板上を滑って移動してしまうようなことが起きる恐れはない。
なお、固定具の一種としてネジを例示したが、これに限られるものではない。
図6は、この発明の電磁調理用容器の更に他の実施の形態を示す分解正面図であり、図7は、一部破断正面図である。
図6、図7に示される電磁調理用容器31は、容器本体32とカーボン板保持枠34をバヨネット結合するようにしたものであり、容器本体32は、下方が寸胴で稍肉厚とされており、寸胴部の外側周壁から係合片32aが突設されている。係合片32aは、120゜の間隔をもって3箇所に配設されている。
カーボン板保持枠34には、係合片32aを案内してバヨネット結合するためのL字状スリット34aが形成されている。L字状スリット34aは、係合片32aに対応した箇所に3箇所形成されている。その他は、図1に示した電磁調理用容器1と相違がないことから、同様な構成には同一の番号を付し説明は省略する。
なお、係合片32a、L字状スリット34aはそれぞれ3箇所としているが、これに限られるものではない。
この電磁調理用容器31では、バヨネット結合させるには、カーボン板3をカーボン板保持枠34の段部に支持させた状態で、容器本体32の係合片32aとカーボン板保持枠34のL字状スリット34aの開口を合致させ、例えば、容器本体32を垂直に移動させ、次いで、図6で左方(時計方向)に回動させれば良く、バヨネット結合の解除は、逆の操作を行えばよい。
このバヨネット結合は、容器本体を持ち上げても結合が外れにくい利点がある。
図8は、この発明の電磁調理用容器の更に他の実施の形態を示す分解正面図であって、図6に示す電磁調理用容器31とはバヨネット結合の形状が異なるものである。
図8に示す電磁調理用容器41は、容器本体42に傾斜した係合片42aが突設されており、カーボン板保持枠44には、係合片42aを案内しバヨネット結合するための傾斜状スリット44aが形成されている。
その他は、図6に示した電磁調理用容器31と相違がないことから、同様な構成には同一の番号を付し説明は省略する。
この電磁調理用容器41では、バヨネット結合させるには、カーボン板3をカーボン板保持枠44の段部に支持させた状態で、容器本体42の係合片42aとカーボン板保持枠44の傾斜状スリット44aの開口を合致させ、例えば、容器本体42を図8で左方(時計方向)に回動させれば良く、バヨネット結合の解除は、逆の操作を行えばよい。
このバヨネット結合は、ネジを回すようにして行うだけででき、容器本体の外側底面にカーボン板の上面を面接触させやすい等の利点がある。
これらの電磁調理用容器31、41では、耐熱性接着剤を使用しないで、カーボン板保持枠と容器本体をバヨネット結合するようにしていることから、空焚きや、それに近い加熱をする料理、高出力の電磁調理器での料理に使用しても、カーボン板、容器本体、カーボン板保持枠が損傷・破損したりすることがない。そのため、家庭用、業務用を問わず幅広い電磁調理器に使用可能であって、しかも、種々の料理を調理するのに好適で、耐久性に優れている。また、カーボン板保持枠と容器本体をバヨネット結合することから、カーボン板保持枠と容器本体とが着脱可能であり、従って、カーボン板保持枠、カーボン板、容器本体をバラバラにでき、掃除、洗浄が容易であり、また、損傷したものがあれば、交換することができる利点がある。
そして、これら電磁調理用容器31、41は、バヨネット結合を外してカーボン板保持枠、カーボン板、容器本体をバラバラにして洗浄し、その状態で乾燥させれば乾燥が容易であるが、それでも、例えば、電磁調理用容器を洗浄した後、生乾きや充分に乾燥していない状態で電磁調理を行う必要が生じ、電磁誘導加熱をせざるを得ない場合において、カーボン板保持枠に、水蒸気排出路7、8が設けられていることから、容器本体、カーボン板3、カーボン板保持枠に付着したり吸着等したりした水や、これ等の間に残留した水が、カーボン板3の発熱に伴って気化し水蒸気となっても、速やかに水蒸気排出路7を経由し水蒸気排出路8から外部に排出させることができることになる。そのため、電磁調理用容器のカーボン板保持枠、カーボン板と電磁調理器の天板とで形成される空間に水蒸気が溜まらず、水蒸気の圧力が高まることがなく、水蒸気の圧力で、電磁調理用容器が電磁調理器の天板から浮き上がったり、天板上を滑って移動してしまうようなことが起きる恐れはない。
また、これら電磁調理用容器は構造が簡単であって、従来の電磁調理用容器のようなカーボン板と容器本体の外側底面とを耐熱性接着剤で接着することを必要とせず、組立も容易であり、製造コストを低減できる利点がある。
図9は、この発明の電磁調理用容器の更に他の実施の形態を示す縦断面図である。
図9に示される電磁調理用容器51は、カーボン板保持体52を深皿状とし、カーボン板保持体52の底部内側にカーボン板53を載置する凹部52aを形成し、凹部52aに載置されたカーボン板53の上に鍋状の容器本体54を載せ、カーボン板53の上面と容器本体54の外側底面とを面接触させたものである。
カーボン板保持体52の凹部52aには、その中央に水蒸気排出路を形成する孔55が穿設されており、凹部52aの周壁には内側斜め下方に向かう溝状の水蒸気排出路56が形成されている。なお、図示していないが、カーボン板保持体52の凹部52aおよび下面には、孔55から放射状に溝状の水蒸気排出路が設けられている。孔は一つに限られず、多数設けてもよく、その場合、水蒸気の排出が効率よく行えるように、各孔を溝状の水蒸気排出路によって複雑に連絡するようにすればよい。
また、図10は、この発明の電磁調理用容器の更に他の実施の形態を示す縦断面図である。
図10に示される電磁調理用容器61は、カーボン板保持体62を深皿状とし、カーボン板保持体62底部内側にカーボン板63を載置する凹部62aを形成し、凹部62aに載置されたカーボン板63の上から外側底面に脚64aを備えた鍋状の容器本体64を載せ、カーボン板63の上面と容器本体64の外側底面とを面接触させたものである。
カーボン板保持体62の凹部62aには、その中央に水蒸気排出路を形成する孔65が穿設されており、図示していないが、水蒸気の排出を可能とするため、カーボン板保持体62の凹部62aおよび下面には、孔65から放射状に溝状の水蒸気排出路が設けられている。孔は一つに限られず、多数設けてもよく、その場合、水蒸気の排出が効率よく行えるように、各孔を溝状の水蒸気排出路によって複雑に連絡するようにすればよい。
これら電磁調理用容器51、61は、耐熱性接着剤を使用しないで、カーボン板保持体の底部に形成された凹部にカーボン板を載置していることから、空焚きや、それに近い加熱をする料理、高出力の電磁調理器での料理に使用しても、カーボン板、容器本体、カーボン板保持体が損傷・破損したりすることがない。そのため、家庭用、業務用を問わず幅広い電磁調理器に使用可能であって、しかも、種々の料理を調理するのに好適で、耐久性に優れている。また、カーボン板保持体、カーボン板、容器本体は組立・分解可能であり、従って、カーボン板保持体、カーボン板、容器本体をバラバラにでき、掃除、洗浄が容易であり、また、損傷したものがあれば、交換することができる利点がある。
そして、これら電磁調理用容器51、61は、カーボン板保持体、カーボン板、容器本体をバラバラにして洗浄し、その状態で乾燥させれば乾燥が容易であるが、それでも、例えば、電磁調理用容器を洗浄した後、生乾きや充分に乾燥していない状態で電磁調理を行う必要が生じ、電磁誘導加熱をせざるを得ない場合において、カーボン板保持体に、水蒸気排出路が設けられていることから、容器本体、カーボン板、カーボン板保持体に付着したり吸着等したりした水や、これ等の間に残留した水が、カーボン板の発熱に伴って気化し水蒸気となっても、速やかに水蒸気排出路を経由し外部に排出させることができることになる。そのため、電磁誘導加熱によって発生した水蒸気の圧力で、電磁調理用容器が電磁調理器の天板から浮き上がったり、天板上を滑って移動してしまうようなことが起きる恐れはない。
また、この電磁調理用容器は構造が簡単であって、従来の電磁調理用容器のようなカーボン板と容器本体の外側底面とを耐熱性接着剤で接着することを必要とせず、組立は単純であり、製造コストを低減できる利点がある。
カーボン板保持体は、深皿状に限られず、平皿状であってもよく、鉢、碗等種々の器状体のものが使用できる。
なお、カーボン板保持体に凹部を設けることなく、単に、カーボン板保持体と容器本体の間にカーボン板を挟み込んだものであってもよい。
これらの電磁調理用容器は、カーボン板保持体によってカーボン板を保持していることから、カーボン板が露出せず見栄えが良いものであり、電磁調理用容器をテーブル等においても、カーボンがテーブル等の表面に付いたりせず、また、取り扱い時に手にカーボンが付いたりすることがない利点もある。
以上は、容器本体が円筒形の鍋状のものについて説明したが、これに限られず、その他の鍋形状(例えば、楕円、四角、三角等の多角形やハート形)でも良く、また、扁平な形状、グラタン皿のような形状、陶板のような形状等種々の形状のものが可能である。
また、容器本体、カーボン板保持体を陶磁器製として説明したが、これに限られず、石材、ガラス、耐熱性合成樹脂であってもよいものである。実用的な観点からは、陶磁器製であることが好ましい。
1 電磁調理用容器
2 容器本体
3 カーボン板
4 カーボン板保持枠
5 耐熱性接着剤
7、8 水蒸気排出路

Claims (9)

  1. 電磁誘導加熱によって発熱するカーボン板が、カーボン板保持体に保持され、前記カーボン板の上面と容器本体の外側底面が面接触されてなることを特徴とする電磁調理用容器。
  2. 前記カーボン板保持体は、前記カーボン板の周縁を保持する保持部を有するカーボン板保持枠であって、該カーボン板保持枠と前記容器本体とが耐熱性接着剤で接着されてなることを特徴とする請求項1記載の電磁調理用容器。
  3. 前記カーボン板保持枠の上面と前記容器本体の外側底面とが耐熱性接着材で接着されてなることを特徴とする請求項2記載の電磁調理用容器。
  4. 前記容器本体の胴部の下方には、該胴部の外側周壁に沿って前記カーボン板保持枠との接着用段部が設けられており、該段部の下面とカーボン板保持枠の上面とが前記耐熱性接着剤で接着されてなることを特徴とする請求項2記載の電磁調理用容器。
  5. 前記カーボン板保持体は、前記カーボン板の周縁を保持する保持部を有するカーボン板保持枠であって、該カーボン板保持枠と前記容器本体とが固定具で固定されてなることを特徴とする請求項1記載の電磁調理用容器。
  6. 前記容器本体の胴部の下方には、該胴部の外側周壁から外側に突出した係合片が複数箇所に設けられており、
    前記カーボン板保持体は、前記カーボン板の周縁を保持する保持部を有する環状のカーボン板保持枠であって、該カーボン板保持枠には、前記係合片を案内しバヨネット結合するための被係合スリットが前記係合片に対応して複数形成されており、
    前記容器本体と前記カーボン板保持枠がバヨネット結合されてなることを特徴とする請求項1記載の電磁調理用容器。
  7. 前記カーボン板保持体は、前記容器本体を収容する器状体であって、底部に前記カーボン板を載置する凹部を有するものであることを特徴とする請求項1記載の電磁調理用容器。
  8. 前記カーボン板保持体には、水蒸気排出路が形成されてなることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の電磁調理用容器。
  9. 前記容器本体およびカーボン板保持体が、陶磁器、石材、ガラス、または、耐熱性合成樹脂のうちから選択された1種であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の電磁調理用容器。
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