JP2011021584A - 密閉型圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の構成では、クランク軸に大きな切り欠きや穴を設置するため、クランク軸に挿入されるピストン内周面との接触面積が減少する。クランク軸には大きな摩擦力がかかるため、接触面積の低減は単位面積にかかる面圧の増大につながり、クランク軸とピストン内周との異常磨耗、焼き付き、かじりを発生させる原因ともなっていた。
【解決手段】本発明にかかる密閉型圧縮機は、回転軸のクランク軸部分を比重の異なる材料(例えば金属と樹脂)で構成したものである。これよって、クランク軸で発生する遠心力を低減するとともに、クランク軸の異常磨耗、焼き付き、かじりを防ぎ、低振動、低騒音、高信頼性の圧縮機を提供できる。
【選択図】図2
【解決手段】本発明にかかる密閉型圧縮機は、回転軸のクランク軸部分を比重の異なる材料(例えば金属と樹脂)で構成したものである。これよって、クランク軸で発生する遠心力を低減するとともに、クランク軸の異常磨耗、焼き付き、かじりを防ぎ、低振動、低騒音、高信頼性の圧縮機を提供できる。
【選択図】図2
Description
本発明は、空気調和装置や冷蔵庫等の冷凍機器に使用される密閉型圧縮機のうち、特にロータリー式圧縮機に関するものである。
一般的に密閉型圧縮機は図1に示すとおり密閉容器1に圧縮機構部2と電動機部3を有し、電動機部の回転軸力を回転軸4によって圧縮機構部2に伝動し、冷媒ガスを圧縮している。その中でもロータリー式の圧縮機においては、回転軸4のクランク軸部分13の中心が主軸の中心に対して偏心しており、運転時の主軸周りに生じる遠心力をつりあわせるため、電動機の回転子の上下にバランサー6を取り付けていた。
しかし近年では電動機のインバーター制御による高速運転により、主軸周りに大きな曲げモーメントがかかり、回転軸を支持する軸受けの焼きつき、かじり、入力や騒音振動の増大といった不具合を起こす場合もあった。この課題を解決する従来の技術として、図2に示すようにクランク軸部13に切り欠きや穴を設置して重量を軽くすることで、遠心力の絶対値を低減する技術があった(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記従来の構成では、クランク軸に大きな切り欠きや穴を設置するため、クランク軸に挿入されるピストン内周面との接触面積が減少する。クランク軸には大きな摩擦力がかかるため、接触面積の低減は単位面積にかかる面圧の増大につながり、クランク軸とピストン内周との異常磨耗、焼き付き、かじりを発生させる原因ともなっていた。
本発明の目的は、クランク軸で発生する遠心力を低減すると共に、クランク軸の異常磨耗、焼き付き、かじりの起こらない密閉型圧縮機を提供するものである。
前記従来の課題を解決するための本発明にかかる密閉型圧縮機の構成は、回転軸のクランク軸部分を比重の異なる材料(例えば金属と樹脂)で構成したものである。
本発明によって、クランク軸で発生する遠心力を低減するとともに、クランク軸の異常磨耗、焼き付き、かじりを防ぎ、低振動、低騒音、高信頼性の圧縮機を提供できる。
第1の発明は、密閉容器内に圧縮機構部と電動機部を収納し、電動機部の回転軸力を回転軸によって圧縮機構に伝動し、冷媒ガスを圧縮しているロータリー式密閉型圧縮機にお
いて、回転軸のクランク軸部分を、金属とカーボンファイバー等の比重の異なる材料で構成する。
いて、回転軸のクランク軸部分を、金属とカーボンファイバー等の比重の異なる材料で構成する。
第2の発明は、第1の発明の密閉型圧縮機において、圧縮されるガスが二酸化炭素のような自然冷媒の場合、圧縮機から吐出されるガスは高圧にする必要があり、摺動部の負荷耐力も大きなものが必要となるため、密閉容器内にオイルを確保しておく必要が特に高いが、本発明により密閉容器外へオイル吐出量を低減できるので、摺動部の信頼性を確保することができる。
第3の発明は、通常圧縮機には、使用する冷媒や圧縮機構部2に用いられる材質によって様々な種類のオイルが使用されているが、当発明は圧縮機で主に用いられているナフテン油、パラフィン油、アルキルベンゼン油などの天然物あるいは天然物由来のオイル、およびポリエーテル系油、ポリオールエステル系油などの合成オイル、または上記天然物あるいは天然物由来のオイルと合成オイルの混合オイルなどにも適用することが可能である。
第4の発明は、機械的特性を上げるために、上記オイルに種々の添加剤を加えることがあるが、当発明はベンゾトリアゾールなどの銅不活性化剤、硫黄系極圧添加剤、ハロゲン系極圧添加剤、りん系極圧添加剤、有機金属化合物系極圧添加剤、およびこれらの組み合わせからなる極圧添加剤などを有効量配合した圧縮機にも適用することも可能である。
以下本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、各図において、それぞれ同じ構成要素については同じ符号を用い説明を省略する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における密閉型圧縮機の断面図である。図1において、密閉容器1内に圧縮機構部2と電動機部3を収納し、密閉容器1内には圧縮機構部2の摺動部を潤滑するためのオイル4が封入され、密閉容器底部に貯留される。
図1は、本発明の実施の形態1における密閉型圧縮機の断面図である。図1において、密閉容器1内に圧縮機構部2と電動機部3を収納し、密閉容器1内には圧縮機構部2の摺動部を潤滑するためのオイル4が封入され、密閉容器底部に貯留される。
電動機部の回転軸力は回転軸4を通じて圧縮機構部に伝動し、冷媒ガスを圧縮している。圧縮機構部は、主に回転軸4、主軸受け8、シリンダ9、副軸受け10、ピストン11で構成されている。回転軸のクランク軸部は主軸部に対して偏心しており、当該クランク軸部で運転時に発生する遠心力を打ち消すため、電動機の回転子の上下にはバランサー6が取り付けてある。
以下図2を用いて回転軸4の構成について説明する。回転軸4は主軸部12、クランク軸部13、副軸部14で構成される。主軸部12、クランク軸部13、副軸部14はすべて一体成形され、同一の金属材料で構成される。
本発明ではクランク軸部13の偏心部分が大きく軸方向に半円状にカットされ、当該部分にカーボンファイバーで構成されたパーツ15を組み合わせる。カーボンファイバーは金属より比重が小さいため、クランク軸部13がすべて金属で構成されている場合に比べると、運転時にクランク軸部で発生する遠心力が小さくなる。
よって遠心力とつり合わせている、電動機のバランサー6の重量を小さく出来る。上記効果により、主軸受け8にかかる曲げモーメントが減少し、主軸受け8の異常磨耗、焼き付き、かじりを防ぐことが出来る。また、回転軸4のクランク軸部13にはピストン11が挿入され、回転運動を行う。通常、クランク軸部13に大きな切り欠きを設けた場合は摺動面積が減少するので、単位面積あたりの圧力が増加し、異常磨耗、焼き付き、かじり
を起こす恐れがあるが、本発明においては組み合わせたパーツ15によってクランク軸部13の外周全体でピストン内周と摺動を行うため、単位面積あたりの圧力は低い状態を保ったままの運転が可能であり、異常磨耗、焼き付き、かじりを防ぐことができる。
を起こす恐れがあるが、本発明においては組み合わせたパーツ15によってクランク軸部13の外周全体でピストン内周と摺動を行うため、単位面積あたりの圧力は低い状態を保ったままの運転が可能であり、異常磨耗、焼き付き、かじりを防ぐことができる。
以上のように、本発明にかかる密閉型圧縮機は、簡素な構造で、異常磨耗、焼き付き、かじりを防ぐことが可能となるので、空気調和装置や冷蔵庫等の冷凍機器の用途に適用できる。
1 密閉容器
2 圧縮機構部
3 電動機部
4 回転軸
5 偏心部
6 バランサー
7 冷凍機油
8 主軸受け
9 シリンダ
10 副軸受け
11 ピストン
12 主軸部
13 クランク軸部
14 副軸部
15 パーツ
2 圧縮機構部
3 電動機部
4 回転軸
5 偏心部
6 バランサー
7 冷凍機油
8 主軸受け
9 シリンダ
10 副軸受け
11 ピストン
12 主軸部
13 クランク軸部
14 副軸部
15 パーツ
Claims (4)
- 密閉容器内に電動機と圧縮機構部を備え、さらに電動機による回転力を圧縮機構部に伝える回転軸とが収納されたロータリー式密閉型圧縮機において、前記回転軸の偏心部の一部がカーボンファイバー等の、金属より比重が小さい材料で構成されていることを特徴とする密閉型圧縮機。
- 二酸化炭素やアンモニア、ヘリウム等の自然冷媒を冷媒とした請求項1記載の密閉型圧縮機。
- ナフテン油、パラフィン油、アルキルベンゼン油などの天然物あるいは天然物由来のオイル、およびポリエーテル系油、ポリオールエステル系油などの合成オイル、または上記天然物あるいは天然物由来のオイルと合成オイルの混合オイルを使用した請求項1記載の密閉型圧縮機。
- オイルに、ベンゾトリアゾールなどの銅不活性化剤、硫黄系極圧添加剤、ハロゲン系極圧添加剤、りん系極圧添加剤、有機金属化合物系極圧添加剤、およびこれらの組み合わせからなる極圧添加剤など、その他の公知の添加剤を有効量配合した請求項3記載の密閉型圧縮機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009169881A JP2011021584A (ja) | 2009-07-21 | 2009-07-21 | 密閉型圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009169881A JP2011021584A (ja) | 2009-07-21 | 2009-07-21 | 密閉型圧縮機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011021584A true JP2011021584A (ja) | 2011-02-03 |
Family
ID=43631869
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009169881A Pending JP2011021584A (ja) | 2009-07-21 | 2009-07-21 | 密閉型圧縮機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2011021584A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10295057B2 (en) | 2015-12-11 | 2019-05-21 | Hyundai Motor Company | Piston pin with eccentric center of gravity using different materials and method for manufacturing the same |
JPWO2018146764A1 (ja) * | 2017-02-09 | 2019-11-07 | 三菱電機株式会社 | ロータリ型圧縮機 |
-
2009
- 2009-07-21 JP JP2009169881A patent/JP2011021584A/ja active Pending
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US10295057B2 (en) | 2015-12-11 | 2019-05-21 | Hyundai Motor Company | Piston pin with eccentric center of gravity using different materials and method for manufacturing the same |
JPWO2018146764A1 (ja) * | 2017-02-09 | 2019-11-07 | 三菱電機株式会社 | ロータリ型圧縮機 |
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