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JP2011019902A - 医療デバイスをコーティングする方法 - Google Patents

医療デバイスをコーティングする方法 Download PDF

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JP2011019902A
JP2011019902A JP2010150219A JP2010150219A JP2011019902A JP 2011019902 A JP2011019902 A JP 2011019902A JP 2010150219 A JP2010150219 A JP 2010150219A JP 2010150219 A JP2010150219 A JP 2010150219A JP 2011019902 A JP2011019902 A JP 2011019902A
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Abstract

【課題】細菌の接着、コロニー形成およびデバイスに関連する感染を防止し、そして有用な特性を提供する、医療デバイスをコーティングする方法を提供すること。
【解決手段】医療デバイスを、少なくとも1つのイソシアネート末端保有ポリマーを含有する組成物で予めコーティングする工程;およびこの予めコーティングされた医療デバイスを少なくとも1つのポリアミン化合物と接触させて、該少なくとも1つのイソシアネート末端保有ポリマーを架橋する工程を包含する、医療デバイスをコーティングする方法。
【選択図】なし

Description

(関連出願の引用)
本願は、2009年7月17日に出願された米国仮出願番号61/226,321の利益および優先権を主張する。この米国仮出願の全開示は、本明細書中に参考として援用される。
(技術分野)
本開示は、医療デバイスをコーティングする方法に関し、そしてより特定すると、医療デバイス(例えば、縫合糸)をコーティングする2工程方法に関する。
医療デバイス(例えば、縫合糸)をコーティングする方法は、デバイスの特定の表面特性(例えば、結び目を適切な位置まで滑らせることの容易さ(結び目再配置(knot−repositioning)としてもまた公知)、潤滑性、細菌接着防止、細胞およびタンパク質の接着、薬物送達、ならびにタンパク質およびDNAの送達および固定)を増強するために利用され得ることが、当該分野において周知である。
特許文献1は、ポリ(オキシプロピレン)グリコールと、ラクチドとグリコリドとのコポリマーとの混合物を反応させることによって得られる生成物を含有する、吸収性縫合糸コーティング組成物を開示する。
特許文献2は、多量のε−カプロラクトンと、少量の少なくとも1種の他の共重合性モノマーとを、多価アルコール開始剤の存在下で重合させることによって得られる生体吸収性コポリマーを開示する。このコポリマーは、縫合糸コーティングとして使用され得る。
米国特許第5,312,437号明細書 米国特許第5,425,949号明細書
これらの公知の方法にもかかわらず、細菌の接着、コロニー形成およびデバイスに関連する感染を防止し、そして有用な特性(例えば、潤滑性および薬物送達能力)を提供する、医療デバイスをコーティングする方法を提供することが有利である。
上記課題を解決するために、本発明は、例えば、以下を提供する:
(項目1)
医療デバイスを、少なくとも1つのイソシアネート末端保有ポリマーを含有する組成物で予めコーティングする工程;および
該予めコーティングされた医療デバイスを少なくとも1つのポリアミン化合物と接触させて、該少なくとも1つのイソシアネート末端保有ポリマーを架橋する工程、
を包含する、医療デバイスをコーティングする方法。
(項目2)
前記少なくとも1つのイソシアネート末端保有ポリマーが、ポリエーテル、ポリエステル、ポリ(エーテル−エステル)ブロック、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されるポリマーを含む、上記項目に記載の方法。
(項目3)
前記ポリエーテルが、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(エチレングリコール−co−プロピレングリコール)、ポリブチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
(項目4)
前記ポリエステルが、ラクチド、グリコリド、ε−カプロラクトン、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
(項目5)
前記少なくとも1つのポリアミン化合物が、ポリリジン、トリリジン、キトサン、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミン、N−エチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、スペルミン、スペルミジン、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
(項目6)
前記少なくとも1つのポリアミン化合物が、エタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、1−メチル−4−ジメチルアミノエチル−ピペラジン、3−メトキシ−N−ジメチル−プロピルアミン、N−エチルモルホリン、ジエチルエタノールアミン、N−ココモルホリン、N,N−ジメチル−N’,N’−ジメチルイソプロピル−プロピレンジアミン、N,N−ジエチル−3−ジエチルアミノプロピルアミン、ジメチル−ベンジルアミン、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
(項目7)
予めコーティングする前記組成物が、細孔形成剤をさらに含有する、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
(項目8)
前記細孔形成剤が、塩、タンパク質、デンプン、多糖類、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
(項目9)
前記細孔形成剤が、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、塩化カリウム、ゼラチン、コラーゲン、アガロース、アルギネート、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
(項目10)
架橋する前記組成物が、生物活性薬剤をさらに含有する、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
(項目11)
前記生物活性薬剤が、抗菌薬、鎮痛薬、解熱薬、麻酔薬、鎮痙薬、抗ヒスタミン薬、抗炎症薬、心臓血管薬剤、診断剤、交感神経様作用薬、コリン様作用薬、抗ムスカリン薬、鎮痙薬、ホルモン、増殖因子、成長因子、筋弛緩薬、アドレナリン作用性ニューロン遮断薬、抗腫瘍薬、免疫原性薬剤、免疫抑制薬、胃腸薬、利尿薬、ステロイド、脂質、リポ多糖類、多糖類、酵素、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
(項目12)
前記生物活性薬剤が、ウイルス、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、タンパク質インヒビター、タンパク質アンタゴニスト、タンパク質アゴニスト、核酸、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、リボザイム、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
(項目13)
上記項目のうちのいずれかに記載の方法を使用してコーティングされた医療デバイス。
(項目14)
前記医療デバイスが、縫合糸、ステープル、メッシュ、パッチ、三角巾、ステント、カテーテル、気管内チューブ、移植片、クリップ、ピン、ねじ、リベット、鋲、骨プレート、薬物送達デバイス、接着剤、封止剤、包帯、接着障壁、組織足場、および移植物からなる群より選択される、上記項目のうちのいずれかに記載の医療デバイス。
(項目15)
前記医療デバイスが縫合糸である、上記項目のうちのいずれかに記載の医療デバイス。
(項目16)
予めコーティングする組成物を縫合糸に塗布して、予めコーティングされた縫合糸を提供する工程であって、該予めコーティングする組成物が、少なくとも1つのイソシアネート末端保有ポリマーを含有する、工程;および
該予めコーティングされた縫合糸を、少なくとも1つのポリアミン化合物を含有する架橋組成物と接触させる工程、
を包含する、縫合糸をコーティングする方法。
(項目17)
前記イソシアネート末端保有ポリマーが、ポリアルキレンオキシドと、ラクチド、グリコリド、ε−カプロラクトン、トリメチレンカーボネート、p−ジオキサノンおよび1,5−ジオキセパン−2−オンからなる群より選択される少なくとも1種のモノマーとを含有する生体吸収性ポリエーテル−エステルを含有する、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
(項目18)
前記生体吸収性ポリエーテル−エステルが、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、ジベンジルジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−オキシビス(フェニルイソシアネート)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジメチルジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化トリメチルキシリレンジイソシアネート、2,4,6−トリメチル−1,3−フェニレンジイソシアネート、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されるジイソシアネートで末端キャップされている、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
(項目19)
前記架橋組成物が、ポリリジン、キトサン、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミン、N−エチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、スペルミン、スペルミジン、エタノールアミンおよびN−エチルエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、1−メチル−4−ジメチルアミノエチル−ピペラジン、3−メトキシ−N−ジメチル−プロピルアミン、N−エチルモルホリン、ジエチルエタノールアミン、N−ココモルホリン、N,N−ジメチル−N’,N’−ジメチルイソプロピル−プロピレンジアミン、N,N−ジエチル−3−ジエチルアミノプロピルアミン、ジメチル−ベンジルアミン、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも1つのポリアミンを含有する、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
(項目20)
前記架橋組成物が、細孔形成剤をさらに含有する、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
(項目21)
前記細孔形成剤が、塩、タンパク質、デンプン、多糖類、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
(項目22)
前記細孔形成剤が、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、塩化カリウム、ゼラチン、コラーゲン、アガロース、アルギネート、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
(摘要)
本開示は、医療デバイスのためのコーティング、このようなコーティングを塗布する方法、およびこのようなコーティングを有する医療デバイスを提供する。
(要旨)
コーティングが医療デバイスに塗布される方法が記載される。ある実施形態において、この方法は、医療デバイスを、少なくとも1つのイソシアネート末端保有ポリマーを含有する組成物で予めコーティングする工程、およびこの予めコーティングされた医療デバイスを、少なくとも1つのポリアミン化合物と接触させて、この少なくとも1つのイソシアネート末端保有ポリマーを架橋する工程を包含する。
このようなコーティングを有する医療デバイスもまた提供される。
本方法は、種々の医療デバイスをコーティングするために使用され得る。本開示に従ってコーティングされ得る医療デバイスのいくつかの例としては、縫合糸、ステープル、メッシュ、パッチ、三角巾、ステント、カテーテル、気管内チューブ、移植片、クリップ、ピン、ねじ、リベット、鋲、骨プレート、薬物送達デバイス、接着剤、封止剤、包帯、織られたデバイス、不織デバイス、編組デバイス、接着障壁、組織足場、および他の移植物が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態において、この医療デバイスは、1つ以上のフィラメントから形成され得る。これらのフィラメントは、編まれても、編組されても、織られても、織られなくてもよい。1つの実施形態において、この医療デバイスは、縫合糸であり得る。
医療デバイスは、その医療デバイスの意図される用途のために適切な物理特性を有する、任意の滅菌可能材料から形成され得る。この医療デバイスは、生体吸収性であっても非生体吸収性であってもよい。医療デバイスを形成するために利用され得る適切な吸収性材料のいくつかの具体的な例としては、トリメチレンカーボネート、カプロラクトン、ジオキサノン、グリコール酸、乳酸、グリコリド、ラクチド、これらのホモポリマー、これらのコポリマー、およびこれらの組み合わせが挙げられる。医療デバイスを形成するために利用され得る適切な非吸収性材料のいくつかの具体的な例としては、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンとポリプロピレンとのコポリマー、およびポリエチレンとポリプロピレンとのブレンド)が挙げられる。
本明細書中に開示される、医療デバイスをコーティングする方法は、2工程プロセスを包含する。第一の工程は、医療デバイスを、少なくとも1つのイソシアネート末端保有ポリマーを含有する組成物で予めコーティングする工程を包含する。第2の工程は、この予めコーティングされた医療デバイスを、少なくとも1つのポリアミン化合物と接触させて、この少なくとも1つのイソシアネート末端保有ポリマーを架橋する工程を包含する。
本方法は、当業者の知識の範囲内である、イソシアネートを末端とする任意のポリマーを利用して、予めコーティングされた医療デバイスを形成し得る。いくつかの例としては、イソシアネートを末端とする、ポリエーテル、ポリエステルまたはポリ(エーテル−エステル)ブロックなどのポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。利用され得る適切なポリエーテルは、当業者の知識の範囲内であり、そして例えば、ポリアルキレンオキシド(例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール、これらのコポリマー(例えば、ポリ(エチレングリコール−co−プロピレングリコール)、およびこれらの組み合わせ)が挙げられる。利用され得る他のポリアルキレンオキシドとしては、コポリエチレンオキシドのブロックコポリマーまたはランダムコポリマー、およびポロキサマー(例えば、ポリプロピレンオキシド(PPO)とのポリエチレンオキシド(PEO)コポリマー(例えば、PLURONICS(登録商標)としてBASF Corporation(Mt.Olive,NJ)から市販されているトリブロックPEO−PPOコポリマー))が挙げられる。
ある実施形態において、適切なポリアルキレンオキシドとしては、ポリエチレンオキシド(例えば、ポリエチレングリコール(PEG))が挙げられる。本明細書中で使用される場合、ポリエチレングリコールとは一般に、50,000g/mol未満の分子量を有するポリマーをいい、一方で、ポリエチレンオキシドは、より高い分子量に対して使用される。PEGは、生体適合性合成マクロマー組成物において、優れた水保持性、柔軟性および粘度を提供する。
ある実施形態において、約500より大きい分子量を有するポリアルキレンオキシドが利用され得、ある実施形態においては、約500〜約1000の分子量が利用され得る。例えば、1つの実施形態において、約600の分子量を有するポリエチレングリコール(PEG600)が利用され得る。
ある実施形態において、イソシアネート末端保有ポリマーは、約1%〜約90%、ある実施形態においては、約5%〜約80%の濃度のポリエチレングリコールであり得る。コーティングのポリエチレングリコール濃度を増加させると、医療デバイスの表面の斥力を増加させ得、これによって、分子の移動度およびコーティングの親水性を改善し、そして細胞およびタンパク質の接着を減少させることが想定される。
イソシアネートを末端とし、本開示のコーティングの成分として利用され得る適切なポリエステルは、当業者の知識の範囲内であり、例えば、トリメチレンカーボネート、ε−カプロラクトン、p−ジオキサノン、グリコリド、ラクチド、1,5−ジオキセパン−2−オン、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンアジペート、ポリエチレンテレフタレート、およびこれらの組み合わせが挙げられる。ある実施形態において、ポリエステルは、ラクチド、グリコリド、ε−カプロラクトン、および/またはこれらの組み合わせであり得る。例えば、ある実施形態において、ポリエステルは、グリコリド/カプロラクトンコポリマーであり得る。
さらに、イソシアネート末端保有ポリマーとしては、ポリ(エーテル−エステル)ブロックが挙げられ得る。当業者の知識の範囲内である任意の適切なポリ(エーテル−エステル)ブロックが、利用され得る。いくつかの例としては、ポリエチレングリコール−ポリカプロラクトン、ポリエチレングリコール−ポリラクチド、ポリエチレングリコール−ポリグリコリド、ポリエチレングリコール−グリコリド/カプロラクトンコポリマー、ならびに本明細書中に記載される個々のポリエーテルおよびポリエステルの種々の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。ポリ(エーテル−エステル)ブロックのさらなる例は、米国特許第5,578,662号および米国特許出願公開第2003/0135238号に開示されており、これらの各々の全開示は、本明細書中に参考として援用される。
上記のように、本開示のイソシアネート末端保有ポリマーとしては、少なくとも1つのイソシアネートで末端キャップされた、本明細書中に記載されるようなポリマーが挙げられる。ポリマーを末端キャップするために利用され得る適切なイソシアネートは、当業者の知識の範囲内であり、芳香族イソシアネート、脂肪族イソシアネートおよび脂環式イソシアネートが挙げられる。例としては、芳香族ジイソシアネート(例えば、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、ジベンジルジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−オキシビス(フェニルイソシアネート)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、およびこれらの組み合わせ);脂肪族ジイソシアネート(例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジメチルジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、およびこれらの組み合わせ);ならびに脂環式ジイソシアネート(例えば、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化トリメチルキシリレンジイソシアネート、2,4,6−トリメチル−1,3−フェニレンジイソシアネート、市販のイソシアネート(名称DESMODURS(登録商標)のもとでBayer Material Scienceから販売されているものが挙げられる)、およびこれらの組み合わせ)が挙げられるが、これらに限定されない。
ポリマーをジイソシアネートで末端キャップする方法は、当業者の知識の範囲内である。いくつかの実施形態において、このポリマーは、適切なジイソシアネート(例えば、トルエンジイソシアネート)と合わせられ得、そして適切な温度(約55℃〜約75℃、ある実施形態においては、約60℃〜約70℃、ある実施形態においては、約65℃)まで加熱され得る。使用されるジイソシアネートの量は、ポリマー1モル当たり約2モル〜約8モルのジイソシアネートであり得る。適切な反応時間は、約15分間〜約72時間、またはより長時間であり得る。いくつかの実施形態において、得られるジイソシアネート官能基化化合物は、次いで、石油エーテルでの熱時抽出により得られ得る。
本開示に従うコーティングを形成する際に使用するためのイソシアネート末端保有ポリマーは、約600〜約15,000g/mol、ある実施形態においては、約1,500〜約5,000g/molの分子量を有し得る。
一旦得られると、このイソシアネート末端保有ポリマーは、医療デバイスに塗布され得る。このイソシアネート末端保有ポリマーを塗布する方法は、当業者の知識の範囲内である。ある実施形態において、イソシアネート末端保有ポリマーは、適切な溶媒に入れられ得、そしてその溶液が、適切な方法(浸漬、ブラッシング、スプレーなどが挙げられるが、これらに限定されない)によって、医療デバイスに塗布され得る。利用され得る適切な溶媒は、医療デバイスのコーティングにおいて使用するための、当業者の知識の範囲内である溶媒が挙げられ、例えば、アルコール(メタノール、エタノール、およびプロパノールが挙げられる);塩素化炭化水素(塩化メチレン、クロロホルム、および1,2−ジクロロエタンが挙げられる)、脂肪族炭化水素(ヘキサン、ヘプタンが挙げられる)、酢酸エチル、これらの組み合わせなどである。当業者に容易に明らかになるように、利用される溶媒は、医療デバイスを有害な様式で分解するべきではない。
いくつかの実施形態において、一旦、溶液中のイソシアネート末端保有ポリマーが医療デバイスに塗布されると、その溶媒は(ある実施形態においては加熱により)除去され得、これによって、イソシアネート末端保有ポリマーをこの医療デバイスの表面に残す。他の実施形態において、溶液中のイソシアネート末端保有ポリマーは、医療デバイス上に残されて、湿った医療デバイスを形成し得る。
本方法はまた、予めコーティングされた医療デバイスを、少なくとも1つのポリアミン化合物を含有する組成物と接触させて、イソシアネート末端保有ポリマーを架橋するという第二の工程を包含する。利用され得る適切なポリアミン化合物は、当業者の知識の範囲内であり、例えば、ポリリジン、トリリジン、キトサン、ジアミン(ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミン、N−エチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミンが挙げられる)、スペルミン、スペルミジン、およびアルカノールアミンが挙げられる。利用され得るアルカノールアミンの例としては、二価アルカノールアミンおよび三価アルカノールアミン(例えば、エタノールアミンおよびN−エチルエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、1−メチル−4−ジメチルアミノエチル−ピペラジン、3−メトキシ−N−ジメチル−プロピルアミン、N−エチルモルホリン、ジエチルエタノールアミン、N−ココモルホリン、N,N−ジメチル−N’,N’−ジメチルイソプロピル−プロピレンジアミン、N,N−ジエチル−3−ジエチルアミノプロピルアミンおよびジメチル−ベンジルアミン)が挙げられる。上記ポリアミン化合物の組み合わせが、いくつかの実施形態において利用され得る。いくつかの実施形態において、ポリアミン化合物としては、ポリリジン、キトサン、ヘキサメチレンジアミン、スペルミンおよびこれらの組み合わせが挙げられ得る。
ポリアミンの遊離アミン基は、医療デバイスにすでに塗布されたイソシアネート末端保有ポリマーの遊離イソシアネート基と反応し、これによって、本開示のコーティングを形成する。
特定の実施形態において、ポリアミンは、コーティングの約0.1重量%〜約90重量%、ある実施形態においては、コーティングの約5重量%〜約80重量%、他の実施形態においては、コーティングの約10重量%〜約75重量%の量で、コーティング中に存在し得る。
本開示に従うコーティングを形成する際に利用されるポリアミンは、約500〜約100,000g/mol、ある実施形態においては、約1,000〜約50,000g/molの分子量を有し得る。
ポリアミン化合物は、任意の適切なプロセス(例えば、縫合糸をポリアミンの溶液に通すこと、またはブラシもしくは他のコーティング溶液アプリケータを通すこと、またはポリアミン(必要に応じて溶液中)を分配する1つ以上のスプレーノズルを通すこと、またはポリアミン化合物に直接浸漬すること)によって、医療デバイスに塗布され得ることが想定される。ポリアミンが溶液中に存在する場合、医療デバイスのために適切な任意の溶媒が利用され得る。
コーティングされた医療デバイスは、引き続いて、コーティングされたデバイスを硬化させ、そしてイソシアネート末端保有ポリマーへのポリアミンの結合を増強するために充分な時間にわたって、乾燥オーブンに通され得るか、または乾燥オーブン中に保持され得る。
ある実施形態において、本明細書中に記載される方法は、滑らかな、層状の親水性ポリマーコーティングを、医療デバイス上に生成する。他の実施形態において、本明細書中に記載される方法は、多孔性の親水性ポリマーコーティングを、医療デバイス上に生成し得る。
多孔性の親水性ポリマーコーティングは、細孔形成剤とイソシアネート末端保有ポリマーとを、医療デバイスをコーティングする前に合わせることによって、医療デバイス上に形成され得ることが想定される。細孔形成剤は、一般に、粒子として添加され得、そして水溶性化合物(例えば、無機塩および糖)が挙げられる。適切な細孔形成剤としては、塩結晶(例えば、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウムおよび塩化カリウム)、タンパク質(例えば、ゼラチン、コラーゲンおよびアガロース)、デンプン、多糖類(例えば、アルギネート)、他の類似のポリマー、およびこれらの組み合わせが挙げられる。これらの細孔形成剤は、ある実施形態において、浸出により除去され得る。有機溶媒により浸出可能な粒子状細孔形成剤を使用することもまた可能であり、この場合、この溶媒は、ポリマーに有害な影響を与えない。細孔形成剤として利用される粒子の直径は、約10ナノメートル〜約500マイクロメートルであり得る。これらの粒子はまた、凍結乾燥可能であり得る。細孔形成剤は、コーティングの約0.1重量%〜約75重量%、ある実施形態においては、コーティングの5重量%〜約50重量%の量で含有されて、細孔形成を増大させ得る。
ポリアミン化合物はまた、さらなる成分(1種以上の生物活性薬剤が挙げられる)と組み合わせられ得ることが、さらに想定される。用語「生物活性薬剤」は、本明細書中で使用される場合、その最も広い意味で使用され、そして臨床用途を有する任意の物質または物質混合物を包含する。その結果、生物活性薬剤は、それ自体が薬理学的活性を有しても有さなくてもよい(例えば、色素または香料)。あるいは、生物活性薬剤は、治療効果または予防効果を提供する任意の薬剤、組織成長、細胞増殖または細胞分化に影響を与えるかまたは関与する化合物、生物学的作用(例えば、免疫応答)を起こし得る化合物であり得るか、あるいは1つ以上の生物学的プロセスにおいて他の任意の役割を果たし得る。
本開示により利用され得る生物活性薬剤のクラスの例としては、抗菌薬、鎮痛薬、解熱薬、麻酔薬、鎮痙薬、抗ヒスタミン薬、抗炎症薬、心臓血管薬剤、診断剤、交感神経様作用薬、コリン様作用薬、抗ムスカリン薬、鎮痙薬、ホルモン、増殖因子、成長因子、筋弛緩薬、アドレナリン作用性ニューロン遮断薬、抗腫瘍薬、免疫原性薬剤、免疫抑制薬、胃腸薬、利尿薬、ステロイド、脂質、リポ多糖類、多糖類、酵素、ポリマー薬物、生物活性ポリマー、およびこれらの組み合わせが挙げられる。生物活性ポリマーのいくつかの非限定的な例としては、リン脂質、ヒドロキサメート、細胞外マトリックスタンパク質/ペプチドおよびフラノンを含むポリマーが挙げられる。
本開示の生物活性コーティングに生物活性薬剤として含有され得る適切な抗菌剤としては、トリクロサン(triclosan)(2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテルとしてもまた公知)、クロルヘキシジンおよびその塩(酢酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン、および硫酸クロルヘキシジンが挙げられる)、銀およびその塩(酢酸銀、安息香酸銀、炭酸銀、クエン酸銀、ヨウ素酸銀、ヨウ化銀、乳酸銀、ラウリン酸銀、硝酸銀、酸化銀、パルミチン酸銀、銀タンパク、および銀スルファジアジンが挙げられる)、ポリミキシン、テトラサイクリン、アミノグリコシド(例えば、トブラマイシンおよびゲンタマイシン)、リファンピシン、バシトラシン、ネオマイシン、クロラムフェニコール、ミコナゾール、キノロン(例えば、オキソリン酸、ノルフロキサシン、ナリジクス酸、ペフロキサシン(pefloxacin)、エノキサシンおよびシプロフロキサシン)、ペニシリン(例えば、オキサシリンおよびピプラシル(pipracil))、ノンオキシノール9、フシジン酸、セファロスポリン、ならびにこれらの組み合わせが挙げられる。さらに、抗菌タンパク質およびペプチド(例えば、ウシラクトフェリンおよびラクトフェリシン(lactoferricin)B)が、本開示の生物活性コーティングに生物活性薬剤として含有され得る。
本開示に従って含有され得る他の生物活性薬剤としては、局所麻酔薬;非ステロイド性抗受精剤;副交感神経様作用剤;精神療法剤;トランキライザ;うっ血除去薬;鎮静催眠薬;ステロイド;スルホンアミド;交感神経様作用剤;ワクチン;ビタミン;抗マラリア薬;抗片頭痛薬;抗パーキンソン剤(例えば、L−ドパ);鎮痙薬;抗コリン作用性剤(例えば、オキシブチニン);鎮咳薬;気管支拡張薬;心臓血管薬剤(例えば、冠状血管拡張薬およびニトログリセリン);アルカロイド;鎮痛薬;麻酔薬(例えば、コデイン、ジヒドロコデイノン、メペリジン、モルヒネなど);非麻酔薬(例えば、サリチレート、アスピリン、アセトアミノフェン、d−プロポキシフェンなど);オピオイドレセプターアンタゴニスト(例えば、ナルトレキソンおよびナロキソン);抗癌剤;鎮痙薬;制吐薬;抗ヒスタミン薬;抗炎症剤(例えば、ホルモン剤、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、非ホルモン剤、アロプリノール、インドメタシン、フェニルブタゾンなど);プロスタグランジンおよび細胞傷害性薬剤;エストロゲン;抗菌剤;抗生物質;抗真菌剤;抗ウイルス剤;抗凝固薬;鎮痙薬;抗うつ薬;抗ヒスタミン薬;ならびに免疫学的薬剤が挙げられる。
本開示のコーティングに含有され得る適切な生物活性薬剤の他の例としては、ウイルスおよび細胞、ペプチド、ポリペプチドおよびタンパク質、アナログ、ムテイン、ならびにその活性フラグメント(例えば、免疫グロブリン、抗体、サイトカイン(例えば、リンホカイン、モノカイン、ケモカイン))、血液凝固因子、造血因子、インターロイキン(IL−2、IL−3、IL−4、IL−6)、インターフェロン(β−IFN、α−IFNおよびγ−IFN)、エリスロポイエチン、ヌクレアーゼ、腫瘍壊死因子、コロニー刺激因子(例えば、GCSF、GM−CSF、MCSF)、インスリン、抗腫瘍剤および癌抑制因子、血液タンパク質、性腺刺激ホルモン(例えば、FSH、LH、CGなど)、ホルモンおよびホルモンアナログ(例えば、成長ホルモン)、ワクチン(例えば、腫瘍抗原、細菌抗原およびウイルス抗原)、ソマトスタチン、抗原、血液凝固因子、増殖因子または成長因子(例えば、神経成長因子、インスリン様成長因子)、タンパク質インヒビター、タンパク質アンタゴニスト、タンパク質アゴニスト、核酸(例えば、アンチセンス分子、DNAおよびRNA)、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチドならびにリボザイムが挙げられる。
1つの生物活性薬剤がコーティング組成物において利用され得るか、または代替の実施形態において、生物活性薬剤の任意の組み合わせがコーティング組成物において利用され得、本開示に従って塗布されることが想定される。
以下の実施例は、本開示の実施形態を説明するために提供される。これらの実施例は、説明のみであることが意図され、本開示の範囲を限定することは意図されない。また、部および百分率は、他に示されない限り、重量に基づく。
(実施例1)
外科手術用縫合糸を、25%のラクチド、70%のポリエチレングリコール(PEG)および5%のヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)を含有する、塩化メチレン中のコポリマーで予めコーティングした。このコポリマーは、約100センチポアズ(0.1Pa・s)の粘度を有し、繊維をぬらすことまたは広がることのために適切である。予めコーティングした外科手術用縫合糸を、引き続いて、水中10%のポリリジンの溶液と接触させて、縫合糸を予めコーティングするために使用したイソシアネート末端保有ポリマーコーティングの利用可能なイソシアネート官能基と反応させた。滑らかな、層状の親水性ポリマーコーティングが、医療デバイス上に形成された。
(実施例2)
外科手術用縫合糸を、25%のラクチド、70%のポリエチレングリコール(PEG)および5%のヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)を含有する、塩化メチレン中のコポリマーで予めコーティングした。予めコーティングした縫合糸を、引き続いて、水中に10%のポリリジンおよび20%の重炭酸ナトリウムを含有する溶液と接触させて、縫合糸をコーティングするために使用したイソシアネート末端保有ポリマーの利用可能なイソシアネート官能基と反応させた。コーティングされた縫合糸を水中で洗浄して細孔形成剤を除去することによって、コーティングされた縫合糸をさらに処理し、これによって、多孔性の親水性ポリマーコーティングを生じた。
上記説明は多くの詳細を含むが、これらの詳細は、本開示の範囲に対する限定であると解釈されるべきではなく、単に、本開示の実施形態の説明であると解釈されるべきである。当業者は、添付の特許請求の範囲により規定されるような本開示の範囲および趣旨内で、他の多くの可能性を予測する。

Claims (22)

  1. 医療デバイスを、少なくとも1つのイソシアネート末端保有ポリマーを含有する組成物で予めコーティングする工程;および
    該予めコーティングされた医療デバイスを少なくとも1つのポリアミン化合物と接触させて、該少なくとも1つのイソシアネート末端保有ポリマーを架橋する工程、
    を包含する、医療デバイスをコーティングする方法。
  2. 前記少なくとも1つのイソシアネート末端保有ポリマーが、ポリエーテル、ポリエステル、ポリ(エーテル−エステル)ブロック、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されるポリマーを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ポリエーテルが、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(エチレングリコール−co−プロピレングリコール)、ポリブチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記ポリエステルが、ラクチド、グリコリド、ε−カプロラクトン、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項2に記載の方法。
  5. 前記少なくとも1つのポリアミン化合物が、ポリリジン、トリリジン、キトサン、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミン、N−エチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、スペルミン、スペルミジン、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
  6. 前記少なくとも1つのポリアミン化合物が、エタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、1−メチル−4−ジメチルアミノエチル−ピペラジン、3−メトキシ−N−ジメチル−プロピルアミン、N−エチルモルホリン、ジエチルエタノールアミン、N−ココモルホリン、N,N−ジメチル−N’,N’−ジメチルイソプロピル−プロピレンジアミン、N,N−ジエチル−3−ジエチルアミノプロピルアミン、ジメチル−ベンジルアミン、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
  7. 予めコーティングする前記組成物が、細孔形成剤をさらに含有する、請求項1に記載の方法。
  8. 前記細孔形成剤が、塩、タンパク質、デンプン、多糖類、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項7に記載の方法。
  9. 前記細孔形成剤が、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、塩化カリウム、ゼラチン、コラーゲン、アガロース、アルギネート、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項7に記載の方法。
  10. 架橋する前記組成物が、生物活性薬剤をさらに含有する、請求項1に記載の方法。
  11. 前記生物活性薬剤が、抗菌薬、鎮痛薬、解熱薬、麻酔薬、鎮痙薬、抗ヒスタミン薬、抗炎症薬、心臓血管薬剤、診断剤、交感神経様作用薬、コリン様作用薬、抗ムスカリン薬、鎮痙薬、ホルモン、増殖因子、成長因子、筋弛緩薬、アドレナリン作用性ニューロン遮断薬、抗腫瘍薬、免疫原性薬剤、免疫抑制薬、胃腸薬、利尿薬、ステロイド、脂質、リポ多糖類、多糖類、酵素、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項10に記載の方法。
  12. 前記生物活性薬剤が、ウイルス、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、タンパク質インヒビター、タンパク質アンタゴニスト、タンパク質アゴニスト、核酸、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、リボザイム、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項10に記載の方法。
  13. 請求項1に記載の方法を使用してコーティングされた医療デバイス。
  14. 前記医療デバイスが、縫合糸、ステープル、メッシュ、パッチ、三角巾、ステント、カテーテル、気管内チューブ、移植片、クリップ、ピン、ねじ、リベット、鋲、骨プレート、薬物送達デバイス、接着剤、封止剤、包帯、接着障壁、組織足場、および移植物からなる群より選択される、請求項13に記載の医療デバイス。
  15. 前記医療デバイスが縫合糸である、請求項13に記載の医療デバイス。
  16. 予めコーティングする組成物を縫合糸に塗布して、予めコーティングされた縫合糸を提供する工程であって、該予めコーティングする組成物が、少なくとも1つのイソシアネート末端保有ポリマーを含有する、工程;および
    該予めコーティングされた縫合糸を、少なくとも1つのポリアミン化合物を含有する架橋組成物と接触させる工程、
    を包含する、縫合糸をコーティングする方法。
  17. 前記イソシアネート末端保有ポリマーが、ポリアルキレンオキシドと、ラクチド、グリコリド、ε−カプロラクトン、トリメチレンカーボネート、p−ジオキサノンおよび1,5−ジオキセパン−2−オンからなる群より選択される少なくとも1種のモノマーとを含有する生体吸収性ポリエーテル−エステルを含有する、請求項16に記載の方法。
  18. 前記生体吸収性ポリエーテル−エステルが、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、ジベンジルジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−オキシビス(フェニルイソシアネート)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジメチルジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化トリメチルキシリレンジイソシアネート、2,4,6−トリメチル−1,3−フェニレンジイソシアネート、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されるジイソシアネートで末端キャップされている、請求項17に記載の方法。
  19. 前記架橋組成物が、ポリリジン、キトサン、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミン、N−エチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、スペルミン、スペルミジン、エタノールアミンおよびN−エチルエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、1−メチル−4−ジメチルアミノエチル−ピペラジン、3−メトキシ−N−ジメチル−プロピルアミン、N−エチルモルホリン、ジエチルエタノールアミン、N−ココモルホリン、N,N−ジメチル−N’,N’−ジメチルイソプロピル−プロピレンジアミン、N,N−ジエチル−3−ジエチルアミノプロピルアミン、ジメチル−ベンジルアミン、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも1つのポリアミンを含有する、請求項16に記載の方法。
  20. 前記架橋組成物が、細孔形成剤をさらに含有する、請求項16に記載の方法。
  21. 前記細孔形成剤が、塩、タンパク質、デンプン、多糖類、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項20に記載の方法。
  22. 前記細孔形成剤が、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、塩化カリウム、ゼラチン、コラーゲン、アガロース、アルギネート、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項20に記載の方法。
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