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JP2011016749A - 粒状発泡性浴用剤 - Google Patents

粒状発泡性浴用剤 Download PDF

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JP2011016749A JP2009161397A JP2009161397A JP2011016749A JP 2011016749 A JP2011016749 A JP 2011016749A JP 2009161397 A JP2009161397 A JP 2009161397A JP 2009161397 A JP2009161397 A JP 2009161397A JP 2011016749 A JP2011016749 A JP 2011016749A
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Abstract

【課題】炭酸ガスの微細発泡性、特に浴用剤を浴水に投入した直後から投入から30秒程度までの微細発泡性(初期微細発泡性)と、その後の微細発泡の持続性の両方が共に優れた粒状発泡性浴用剤の提供。
【解決手段】(A)有機酸、油性成分、非イオン界面活性剤、水溶性バインダーを含む造粒物、(B)炭酸塩、及び、(C)酒石酸を含有する粒状発泡性浴用剤であり、浴水に投入直後の微細発泡性及びその持続性が優れた粒状発泡性浴用剤。
【選択図】なし

Description

本発明は粒状浴用剤、特に粒状発泡性浴用剤に関する。
炭酸塩と有機酸を配合した浴用剤は、浴水中で炭酸ガスの泡を発生し、当該炭酸ガスによる血行促進効果が得られることから、優れた浴用剤として広く知られている。このような浴用剤においては、浴水中で発生した炭酸ガスの濃度を高める手段として、浴槽の底部付近で浴用剤を溶解させるために、その形態を粒状ではなく、比較的大型の錠剤型とすることが多い。
一方、浴用剤の他の形態である粒状発泡性浴用剤は、打錠等の特殊な製造技術を必要としないこと、一般に溶解時間が短いこと等から、使用状態や好みにより錠剤型と使い分けられており、種々の研究がなされている。例えば、短時間に炭酸ガスを溶解させようとする技術として炭酸塩や有機酸の粒子径を制御する技術(特許文献1)や、炭酸塩を水溶性高分子で被覆する技術(特許文献2)等が報告されている。また、発泡性と保存安定性のために特定の含有量で油性成分を配合して一定の平均粒子径範囲の顆粒とする技術(特許文献3)も報告されている。
特開2005−298454号公報 特開平11−47221号公報 特開2009−62319号公報
しかしながら、これら従来の浴用剤では泡の微細化や発泡の持続性については、検討の余地があった。
従って本発明の課題は、炭酸ガスの微細発泡性、特に浴用剤を浴水に投入した直後から投入から30秒程度までの微細発泡性(初期微細発泡性)と、その後の微細発泡の持続性の両方が共に優れた粒状発泡性浴用剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、有機酸の造粒化について鋭意検討を行った結果、有機酸を油性成分と非イオン界面活性剤と水溶性バインダーとで造粒することで有機酸の溶解性が良好に制御されるため、この造粒物と炭酸塩とをそれぞれ独立した粒子状態で同時に浴水に投入すると、浴水中で発生する炭酸ガスの泡を極めて微細なものにすることができることを見出した。更にこれらと共に更に独立した粒子状態で同時に酒石酸を投入すると、驚くべきことに、浴水に投入直後から微細発泡性が著しく良好となり、浴用剤を浴水に投入直後から極めて微細な泡の発生により浴槽全体が泡で白く濁った外観となり、更にその微細発泡の持続性も好適で、加えて、粒子強度及び保存安定性に優れた粒状発泡性浴用剤が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、課題の解決手段として、
(A)有機酸、油性成分、非イオン界面活性剤及び水溶性バインダーを含む造粒物
(B)炭酸塩、及び
(C)酒石酸
を含有する粒状発泡性浴用剤を提供する。
尚、本発明の粒状発泡性浴用剤では、(A)〜(C)成分がそれぞれ独立の粒子状態で存在するものである。ここで「独立の粒子状態で存在する」とは、製造時において、それぞれ独立した粒子状態の(A)〜(C)成分を混合することを意味するものであり、粒状発泡性浴用剤中では、(A)〜(C)成分が混在しており、一般的に粉状や顆粒状と呼ばれるものも含む。
本発明の浴用剤を浴水に投入すると、投入直後から微細発泡性が著しく良好で、微細な泡の発生により浴槽全体が泡で白く濁った外観となり、かつ、その後の微細発泡の持続性も良好である。このような泡の性状から発生した炭酸ガスが十分に浴水中に溶解するため、炭酸ガスの浴水中及び油性成分中への溶解量、血行促進効果、温まり感に有利な影響がもたらされるとともに、極めて微細な泡による白く濁った外観により浴用剤投入直後から快適な浴用感が得られる。
本発明の浴用剤は、(A)有機酸、油性成分、非イオン界面活性剤及び水溶性バインダーを含む造粒物と(B)炭酸塩と(C)酒石酸とを含有するものであり、浴水に投入すると、炭酸塩が(A)成分中の有機酸及び(C)酒石酸と反応して投入直後から炭酸ガスの微細な泡が発生する。
<(A)成分の造粒物>
(A)成分の造粒物は、有機酸、油性成分、非イオン界面活性剤及び水溶性バインダーを含む造粒物であり、好ましくは、炭酸塩を実質的に含まない。ここで「前記(A)成分の造粒物は炭酸塩を実質的に含まない」とは、炭酸塩が(A)成分中に少量含まれる場合があることは許容する意味であり、本発明では、(A)成分の造粒物中に炭酸塩が含まれる場合であっても、その量は(A)成分中2質量%未満であり、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下であり、含有されていないことが望ましい。(A)成分中の炭酸塩の量がこの範囲内であると、泡の微細化、発泡の持続性及び浴用剤の保存安定性に有効に作用するため好ましい。
〔(A)成分中の有機酸〕
(A)成分中の有機酸は、浴水中での溶解性及び製造時や使用時のハンドリング性の観点から、水溶性で常温固体のものが好ましい。更に造粒物中に油性成分を含有させる観点から、吸油能0.02ml/g以上のものが更に好ましく、0.05ml/g以上のものが特に好ましい。一方、吸油能の上限は、粒子強度等の観点から、1.0ml/g以下であることが望ましい。尚、吸油能とは実施例に記載の方法により決定される値である。
(A)成分中の有機酸としては、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸、アジピン酸、酒石酸、安息香酸、クエン酸、ピロリドンカルボン酸、サリチル酸等が好ましい。泡の微細化、発泡の持続、ハンドリングの容易さ及び経済性の観点から、フマル酸が特に好ましい。これら(A)成分中の有機酸は、単独又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
尚、(A)成分中の有機酸として酒石酸を含有する場合には、本発明の課題を解決する上で、(A)成分中の有機酸全量中の30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることが更に好ましい。
更に、(A)成分中の有機酸の平均粒径は、造粒化及び溶解性の観点から、40〜250μmが好ましく、45〜225μmがより好ましく、50〜200μmが更に好ましい。尚、(A)成分中の有機酸の平均粒径は実施例に記載の測定方法により決定される。
(A)成分中の有機酸の含有量は、40〜95質量%が好ましく、70〜90質量%がより好ましい。この範囲であると、泡の微細化や発泡の持続が良好で、油性成分を安定的に配合でき、造粒物の保形性を保つことができるという観点から好ましい。
〔油性成分〕
本発明の浴用剤は、(A)成分の造粒物中に油性成分を含有している。油性成分は、造粒物の溶解性を制御し、泡の微細化や発泡の持続に有効に作用する観点から、(A)成分の造粒物に含有される。
尚、油性成分は、浴水中での分散性等の観点から、40℃にて液体のものが好ましい。これは単独では40℃にて固体や半固体の油性成分を含んでいても、油性成分全体では液体であるならば良いことを意味する。
油性成分は、更に好ましくは、炭酸ガスの油相/水相への分配比が1.1以上となるものを用いると、浴水中で発生した炭酸ガスが油性成分中により高濃度に存在することとなるので、皮膚へ高濃度の炭酸ガスを供給可能となり、微細な泡の持続による優れた血行促進効果と相まって入浴後の温まり効果を極めて高いものにすることができるため特に好適である。より好ましい分配比は1.3以上であり、更に好ましくは1.5以上であり、特に好ましくは1.6以上であり、更に好ましくは1.7以上である。尚、炭酸ガスの油相/水相への分配比とは実施例に記載の方法により決定される。
このような炭酸ガスの油相/水相への分配比が1.1以上の油性成分としては、オクタン酸セチル、イソオクタン酸セチル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソステアリル、アジピン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソステアリル、イソノナン酸イソトリデシル、オレイン酸デシル、イソステアリン酸コレステロール等の脂肪酸エステル類;
トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリン、トリカプリル酸グリセリル等の脂肪酸トリグリセライド類;
大豆油、ヌカ油、ホホバ油、アボガド油、アーモンド油、オリーブ油、カカオ脂、ゴマ油、パーシック油、ヒマシ油、ヤシ油、ミンク油、牛脂、豚脂等の天然油脂、これらの天然油脂を水素添加して得られる硬化油及びミリスチン酸グリセリド、2−エチルヘキサン酸グリセリド等のグリセリド類;
流動パラフィン、ワセリン、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、セレシン、スクワラン、スクアレン、ジオクチルシクロヘキサン、ブリスタン等の炭化水素油;
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ラノリン酸、イソステアリン酸等の高級脂肪酸類;
ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、コレステロール、2−ヘキシルデカノール等の高級アルコール類;
ハッカ油、ジャスミン油、ショウ脳油、ヒノキ油、トウヒ油、リュウ油、テレピン油、ケイ皮油、ベルガモット油、ミカン油、ショウブ油、パイン油、ラベンダー油、ベイ油、クローブ油、ヒバ油、バラ油、ユーカリ油、レモン油、タイム油、ペパーミント油、ローズ油、セージ油、メントール、シネオール、オイゲノール、シトラール、シトロネラール、ボルネオール、リナロール、ゲラーオール、カンファー、チモール、スピラントール、ピネン、リモネン、テルペン系化合物等の精油;
シリコーン油類等が挙げられる。
前記分配比は、油性成分を2種配合した場合には、その混合物の分配比である。従って、単独では前記分配比が1.1未満の油性成分であっても、他の油性成分と混合して分配比を1.1以上にすることができる。
油性成分のうち、単独で前記分配比が1.7以上のものとしては、ホホバ油、スクアレン、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソセチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソセチル、イソオクタン酸セチル、イソノナン酸イソトリデシル及びジオクチルシクロヘキサン、トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリン、トリカプリル酸グリセリルが挙げられる。
油性成分としては、単独で前記分配比が1.7以上ものを含有し、油性成分全体で前記分配比が1.1以上となるものが特に好ましい。
(A)成分中の油性成分の含有量は、0.1〜30質量%が好ましく、1〜15質量%がより好ましく、1〜8質量%が更に好ましい。この範囲内であると、造粒物の溶解性を制御し泡の持続性や泡の性状に有効に作用し、肌感触を良好にし、油性成分を安定的に配合可能にし、造粒物の保形性を保つという観点から好ましい。また、前記分配比が1.1以上の油性成分を用いた場合、(A)成分中の油性成分の含有量をこの範囲内とすると入浴後の温まり感を極めて高いものにすることができるため特に好適である。
尚、(A)成分中の油性成分の中には、消泡剤として機能するものが含まれる。すなわち、本発明の浴用剤を浴水中で使用した場合、微細な炭酸ガスの泡が発生する時に湯面に非イオン界面活性剤由来の泡が残存し、通常よりも湯浴時の外観が損なわれることがあるが、消泡剤のその消泡効果により非イオン界面活性剤由来の湯面の泡残りを回避することができる。
消泡剤として機能するものとしては、炭素数8〜24の炭化水素基、好ましくはアルキル基又はアルケニル基を有する脂肪酸(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ラノリン酸、イソステアリン酸等)等が挙げられる。これらの中でも、飽和脂肪酸が好ましい。消泡剤として機能するものは、必要に応じ2種以上組み合わせて使用しても良い。
(A)成分中の、消泡剤として機能するものの含有量は、消泡効果の観点から、0.01質量%〜7質量%が好ましく、特に好ましくは0.05質量%〜5質量%である。
〔非イオン界面活性剤〕
本発明の浴用剤は成分(A)の造粒物中に非イオン界面活性剤を含有している。非イオン界面活性剤は、油性成分と共に存在させることで造粒物の溶解性を制御し、泡の微細化や発泡の持続に有効に作用する観点や、肌感触を良好にする観点から、成分(A)の造粒物に含有される。非イオン界面活性剤はまた、本発明の浴用剤を浴水に投入した場合に、油性成分を浴水中に均一に乳化・分散させることでその油性成分又は界面活性剤ミセル中に炭酸ガスを十分量溶解させることができるので好ましい。
非イオン界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルケニルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
これらのうちの1種又は2種以上を組み合わせて配合すれば乳化・分散性を十分に発揮させることができるため好ましいが、特に、ポリオキシエチレンアルキルエーテル及びポリオキシエチレンアルケニルエーテルから選ばれる1種以上の非イオン界面活性剤と、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる1種以上の非イオン界面活性剤を組み合わせることが好ましい。このような組み合わせで非イオン界面活性剤を用いることで、油性成分を浴水中により均一に乳化・分散させることができるため泡の微細化や発泡の持続や肌感触に良好に作用するとともにその油性成分又は界面活性剤ミセル中に炭酸ガスを十分量溶解させることができるので特に好ましい。
(A)成分中の非イオン界面活性剤の含有量は、浴水への投入時の乳化・分散性及び入浴後の肌感触の観点から、油性成分と非イオン界面活性剤の合計量中、10〜70質量%が好ましく、特に15〜60質量%が好ましい。この範囲内であると、油性成分を浴水中に均一に乳化・分散可能であるとともに、泡の微細化や発泡の持続や肌感触、更に、造粒物の保形性を保つという観点から好ましい。また、前記分配比が1.1以上の油性成分を用いた場合、(A)成分中の非イオン界面活性剤の含有量をこの範囲内とすると入浴後の温まり感を極めて高いものにすることができるため特に好適である。
〔水溶性バインダー〕
本発明の浴用剤は成分(A)の造粒物中に水溶性バインダーを含有している。水溶性バインダーは造粒物の溶解性を制御して泡の微細化や発泡の持続に有効に作用する観点、造粒物の強度を高めるという観点、保存安定性が向上するという観点から成分(A)の造粒物に含有される。
水溶性バインダーは、熱可塑性であることが好ましい。そのような水溶性バインダーとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンフェノールエーテルが好ましく、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールが更に好ましい。
また、これらバインダーの平均分子量(数平均)は、ポリエチレングリコールの平均分子量(数平均)ではポリスチレン(溶媒は水/エタノール)を標準としたGPC法で4,000〜20,000、更に6,000〜13,000のものが好ましい。
また、これら水溶性バインダーを用いる場合には、平均分子量の異なる水溶性バインダーを2種以上組み合わせて用いても良い。
(A)成分中の水溶性バインダーの含有量は、2〜30質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。この範囲内であると、造粒物の粒子強度が高くなり、例えば製造時の輸送過程等で造粒物が壊れ難くなるとともに、保存中に(A)成分中の有機酸と炭酸塩が接触することが抑制され保存安定性が向上し、加えて、浴水中での溶解性が制御され泡の微細化や発泡の持続に有効に作用するため好ましい。
〔その他成分〕
尚、本発明における(A)成分には、上記以外の成分であっても、本発明の課題を解決できる範囲内において、適宜配合することができる。
〔崩壊助剤〕
(A)成分中に更に崩壊助剤を配合することにより、(A)成分の造粒物の崩壊性を向上させ、浴水中での溶解性を向上させることで泡の微細化や発泡の持続に有効に作用させることができる。崩壊助剤としては、糖類や無機塩が好ましい。
糖類としては、ブドウ糖、果糖、乳糖、麦芽糖、蔗糖、デキストリン、マルトデキストリン、シクロデキストリン、マルトース、フルクトース、トレハロースが挙げられる。
無機塩としては、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、酸化マグネシウム、ポリ燐酸ナトリウム、燐酸ナトリウムが挙げられるが、ここには(B)成分の炭酸塩は含まれない。
崩壊助剤の粒径は、(A)成分を製造する際の造粒性の観点から、平均粒径が1μm〜100μmであるものを用いることが好ましく、3μm〜50μmであるものを用いることがより好ましく、5μm〜30μmであるものを用いることが更に好ましい。上記に示す粒径よりも大きい場合には、好適な粒度になるまで事前に解砕することが好ましい。解砕に利用できる粉砕機としては、ハンマクラッシャー等の衝撃破砕機、アトマイザー、ピンミル等の衝撃粉砕機、フラッシュミル等の剪断粗砕機等が挙げられる。これらは、1段操作でも良く同種又は異種粉砕機の多段操作でも良い。尚、崩壊助剤の平均粒径は実施例に記載の測定方法により決定される。
(A)成分中の崩壊助剤の含有量は、溶解性の観点から、0.01質量%〜5質量%が好ましく、0.05質量%〜5質量%がより好ましい。
〔補助成分〕
(A)成分中に更に、その他の補助成分として、グリセリンやプロピレングリコール等の肌感触向上剤、油性成分や非イオン界面活性剤として不飽和炭素結合を含むものを使用する場合に浴用剤組成物の製造時や保存時の温度環境による匂いの変化を抑制する観点からトコフェロール等の酸化防止剤、浴水中での有機酸の浮き(有機酸が他の成分から分離して浮上する現象)を抑制する観点からショ糖脂肪酸エステル等の分散剤、防菌・防黴剤、香料、色素等を含有することができる。
(A)成分の造粒物の嵩密度は、本発明の浴用剤組成物を浴水に投与した際に、微細な炭酸ガスの発泡性を確保する観点から、400〜700g/L以下であり、450〜680g/Lが好ましく、500〜650g/Lがより好ましい。本発明の嵩密度は、前記する(A)成分の造粒物を製造する時に圧密しすぎないことで達成できると考えられる。尚、(A)成分の造粒物の嵩密度は実施例に記載の測定方法により決定される。
(A)成分の造粒物の粒径は、本発明の浴用剤組成物を使用した際の粉立ち性、及び浴水に投入した際に、浴水表面で発泡することを抑制する観点から180μm以下のものの割合は10質量%以下が好ましく、8質量%以下がより好ましく、6質量%以下が更に好ましい。そして、(A)成分の造粒物の粒径は、溶解性の観点から1400μm以上のものの割合は10質量%以下が好ましく、8質量%以下がより好ましく、6質量%以下が更に好ましい。
更に、(A)成分の造粒物の平均粒径は、粉立ち、溶解性及び沈降性の観点から、100〜1500μmが好ましく、400〜1200μmが好ましく、600〜900μmが好ましい。尚、(A)成分の造粒物の平均粒径は実施例に記載の測定方法により決定される。
<(B)成分>
本発明の浴用剤は(A)成分中の有機酸及び(C)成分の酒石酸と反応して炭酸ガスを発生させるため成分(B)炭酸塩を含有する。前述のとおり、炭酸塩は、造粒物の溶解性を制御し、微細発泡性や発泡の持続性に有効に作用する観点や保存安定性の観点から、成分(A)の造粒物中ではなく造粒物外に配合される。
炭酸塩としては、炭酸ジアルカリ金属塩である炭酸ナトリウムや炭酸カリウム等;炭酸水素塩である炭酸水素ナトリウム(重曹)等;二価以上の金属の炭酸塩である炭酸カルシウム等が挙げられる。好ましくは、浴用剤の使用時において、極めて白く濁ったような外観を呈するほど発生する炭酸ガスの泡を微細化させる観点から、炭酸塩中の70〜100質量%が炭酸ジアルカリ金属塩であることが好ましく、さらに80〜99質量%、特に85〜98質量%であることが好ましい。特に、炭酸塩中の炭酸水素塩量が多くなると、大きな泡になってしまう傾向がある。このため、炭酸ガスの大きな泡の発生を抑制し、白濁状を呈するような微細な泡とするため、炭酸塩全量中の炭酸水素ナトリウム量は、10質量%未満、さらに5質量%未満、特に炭酸水素ナトリウムを実質的に含まないことが好ましい。
炭酸塩の平均粒径は、泡の微細化、泡の持続時間、沈降性等の点から、100〜750μmが好ましく、さらに200〜600μm、特に250〜500μmであるのが好ましい。尚、(B)炭酸塩の平均粒径は実施例に記載の測定方法により決定される。
<(C)成分>
本発明の浴用剤は、(A)成分の造粒物中の有機酸以外に、更に(C)成分の酒石酸を含有する。これにより、浴水に投入直後から投入から30秒程度までの微細発泡性(初期微細発泡性)を高めることができ、更に十分に浴槽全体が泡で白く濁ったような外観を呈するほどに微細な泡を得ることができる。
酒石酸の平均粒径は、150μm〜1400μmが好ましく、200μm〜1000μmがより好ましく、250μm〜800μmが特に好ましい。この範囲であると初期微細発泡性が優れ、さらに酒石酸の沈降性も良好となり浴水の底から発泡を維持できるため好ましい。尚、(C)酒石酸の平均粒径は実施例に記載の測定方法により決定される。
<(A)〜(C)成分の含有割合>
本発明の浴用剤中の(A)成分である造粒物の含有量は、炭酸ガス発生量及び微細な泡を得る点から、20〜75質量%が好ましく、25〜70質量%がより好ましく、30〜65質量%が更に好ましい。
本発明の浴用剤中の(B)成分である炭酸塩の含有量は、炭酸ガス発生量及び浴槽全体が泡で白く濁ったような外観を呈するほどに微細な泡を得る点から、20〜70質量%が好ましく、25〜60質量%がより好ましく、30〜50質量%が更に好ましい。
本発明の浴用剤中の(C)成分である酒石酸の含有量は、初期微細発泡性を高める点から、2〜25質量%が好ましく、3〜30質量%がより好ましく、3〜35質量%が更に好ましい。
(A)成分の造粒物中の有機酸と(C)成分の酒石酸の質量比〔(A):(C)〕は、初期微細発泡性を高めるため、99:1〜50:50が好ましく、90:10〜50:50がより好ましく、80:20〜50:50が更に好ましい。
<その他成分>
本発明においては、更に本発明の効果を阻害しない範囲で、通常浴用剤に用いられている成分を造粒物内又は造粒物外に添加することができる。このような成分としては、
上記した糖類や無機塩のような崩壊助剤、
硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カルシウム、塩化アンモニウム、硫酸鉄、チオ硫酸ナトリウム、硼酸、メタ珪酸、無水珪酸等の無機塩類;
ソウジュツ、ビャクジュツ、カノコソウ、ケイガイ、コウボク、センキュウ、橙皮、トウキ、ショウキョウ末、ニンジン、ケイヒ、シャクヤク、ハッカ葉、オウゴン、サンシシ、ブクリョウ、ドクカツ、ショウブ、ガイヨウ、マツブサ、ビャクシ、ジュウヤク、リュウノウ、サフラン、オウバクエキス、チンピ、ウイキョウ、チンピ末、カミツレ、メリッサ、ローズマリー、マロニエ、西洋ノコギリ草、アルニカ等の生薬類;
エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール類;
グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール等の多価アルコール類;
酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、イオウ、鉱砂、湯の花、カゼイン、中性白土、サリチル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、卵黄末、イリ糠、雲母末、脱脂粉乳、殺菌防腐剤、保湿剤、金属封鎖剤、香料、色素、その他製剤上必要な成分等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
<浴用剤組成物の製造方法>
本発明の浴用剤組成物は、下記工程1〜工程3を含む製造方法により製造することができる。
〔工程1〕
工程1は、有機酸、油性成分、非イオン界面活性剤及び水溶性バインダーを混合して、中間組成物(前記各成分の混合物)を得る工程である。この工程では、予め油性成分と非イオン界面活性剤を混合・溶解して得た混合油剤を使用することで、(A)成分の造粒物の溶解性を高めることができるため好ましい。
また、油性成分と非イオン界面活性剤を混合した混合油剤の少なくとも一部を水溶性バインダーと混合した後、有機酸又は有機酸と前記混合油剤の残部と混合する方法を適用することにより、(A)成分である造粒物の粒子強度を低下させることなく(即ち、粒子強度を高めるための十分量の水溶性バインダーを使用した場合でも)、溶解性を向上させるができ、入浴時の温まり感も向上させることができる。
また、上記の混合油剤と水溶性バインダーの質量比は、1:20〜1:1が好ましく、1:10〜1:3がより好ましい。
水溶性バインダーは、予め一部又は全部を溶融させて用いてもよいし、固体として配合して混合機内部で加熱溶融させてもよいが、予め溶融させて用いることが好ましい。
上記の各方法にて各成分を混合する場合の混合機としては、混合時に強い剪断を与えて大きく圧密化させることのない装置であれば良い。例えば、ドラム型ミキサー、リボンミキサー、ナウターミキサー等が挙げられる。
但し、本来、高剪断力を与えうる、シュギミキサー、ヘンシェルミキサーや主翼と解砕翼を備えた縦型又は横型混合機であるレディゲミキサー、ハイスピードミキサー等機においても、回転数や以下に記載するフルード数を低く設定し圧密化を抑制することで、利用することができる。
造粒時の圧密化を抑制する観点から、以下の式で定義される造粒機のフルード数を5.0以下に設定するのが好ましく、3.0以下がより好ましく、2.0以下が更に好ましい。
フルード数:Fr=V2/(R×g)
V:周速[m/s]
R:回転中心から回転物の円周までの半径[m]
g:重力加速度[m/s2]
尚、主翼や解砕翼を備えた竪型或いは横型造粒機においては、V及びRは主軸の値を用い、攪拌部が自転及び公転軌道を描くナウターミキサーにおいては、V及びRは自転攪拌軸の値を用いることとする。
上記各方法において、各成分を混合するときの温度は特に限定されるものではないが、20℃〜150℃が好ましく、30℃〜100℃が好ましく、40℃〜80℃がより好ましい。
〔工程2〕
工程2は、工程1で得られた中間組成物を造粒する工程である。造粒する場合には、ペレッターダブル、ドームグラン、ツインドームグラン、ディスクペレッター(ダルトン(株)製)、バスケット式整粒機((株)菊水製作所製)等の押出造粒機のほか、転動造粒機等を用いることができるが、押出し造粒機を用いて押出し造粒することが好ましい。更に造粒物の圧密化を抑制する観点から、前押しタイプの押出し造粒機である、ドームグランやツインドームグランを用いて押し出し造粒することが好ましい。
押出し造粒機を用いるときのスクリーンの穴径は0.3〜2.0mmが好ましく、より好ましくは0.5〜2.0mm、更に好ましくは0.7〜1.0mmであり、このようなスクリーンを用いることにより、円筒状もしくはヌードル状造粒物を得ることができる。
また得られた造粒物は、合一化や塊状化を抑制するため冷却を行い、その後、必要に応じて整粒することができる。整粒する際に使用する機械としては、例えば、ハイスピードミキサー(深江パウテック(株)製)、マルメライザー(ダルトン(株)製)、スパイラーフロー(フロイント産業(株)製)、フィッツミル(ダルトン(株)製)、パワーミル(パウレック(株)製)、コーミル(Quadro製)等の粉砕機(あるいは破砕機)を用いることができる。
〔工程3〕
工程3は、(A)、(B)及び(C)成分を混合する工程である。
この工程においては、(A)、(B)及び(C)成分が混合できればどのような方法を用いても良い。例えば、上記した工程1で使用できる混合機を使用して混合しても良いし、V型ブレンダー(パウレックス(株)製)、ダブルコーンミキサー((株)徳寿工作所製)、及びリボンブレンダー(ホソカワミクロン(株)製)等を用いても構わない。
<その他の実施の形態>
本発明の浴用剤は、その0.01質量%水溶液の25℃におけるpHが5〜7、特に5.5〜6.5であることが好ましい。pHが5〜7であれば、発生した炭酸ガスが浴水中に溶け込み易く、血行促進等の効果が高められるからである。
本発明の浴用剤は、浴水に溶解し炭酸ガスの泡を発生させて使用する。尚、本発明の浴用剤は風呂等の全身浴はもちろん、足浴、腕浴等の部分浴としても使用できる。
<物性の測定方法>
1.嵩密度
嵩密度は、JIS K 3362:2008 8.2(見掛け密度)により規定された方法で測定した。
2.粒径
粒径については、以下の2つの方法により測定した。
(1)(A)成分の造粒物及び炭酸塩の粒径は、JIS K 8801の標準篩(目開き2000〜125μm)を用いて5分間振動させた後、篩目のサイズによる重量分率からメジアン径を算出した。
より詳細には、目開き125μm、180μm、250μm、355μm、500μm、710μm、1000μm、1400μm、2000μmの9段の篩と受け皿を用いて、受け皿上に目開きの小さな篩から順に積み重ね、最上部の2000μmの篩の上から100gの粒子を添加し、蓋をしてロータップ型ふるい振とう機(HEIKO製作所製、タッピング156回/分、ローリング:290回/分)に取り付け、5分間振動させたあと、それぞれの篩及び受け皿上に残留した該粒子の質量を測定し、各篩上の該粒子の質量割合(%)を算出した。
受け皿から順に目開きの小さな篩上の該粒子の質量割合を積算していき合計が50%となる粒径を平均粒径とした。
(2)(A)成分中の有機酸、(C)成分の酒石酸及び崩壊助剤の平均粒径測定は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920(堀場製作所(株)製)を用い、該粒子を溶解させない溶媒に分散させて測定したメジアン径を平均粒径とした。尚、実施例に用いたフマル酸及び崩壊助剤の平均粒径測定には、溶媒としてアセトンを用いた。
3.吸油能
(A)成分中の有機酸の吸油能測定は以下の方法で行った。吸収量測定器(あさひ総研製S410)に粉末を45g投入し、駆動羽根200rpmで回転させた。ここに油性成分及び非イオン界面活性剤を溶解した50℃混合液(製造例1と同一)を、液供給速度2ml/minで滴下し、最大トルクとなる点を見極めた。この最大トルクとなる点の70%のトルクとなる点での液添加量を粉末投入量(45g)で除算し、吸油能とした。
4.粒子強度
(A)成分の造粒物の粒子強度は、粉粒体硬度測定器ベターハードネステスターBHT−500(セイシン企業製)を用い、造粒物15個の粒子強度を25℃環境で測定しその平均値を用いた。
5.25℃で6日保存後の粒子変化
(A)成分の造粒物の製造直後(2時間以内)の粒子強度及び、25℃で6日保存後の粒子強度を測定し、下式により、25℃で6日保存後の粒子強度変化を求めた。
25℃で6日保存後の粒子変化=
(25℃6日保存後の粒子強度−製造直後(2時間以内)の粒子強度)/製造直後(2時間以内)の粒子強度×100(%)
尚、25℃で6日保存後の粒子変化は、−50%以上が好ましく、−30%以上がより好ましく、−30%以上が更に好ましい。
<炭酸ガスの油相/水相への分配比の測定方法>
炭酸ガスの分配操作は以下の方法で25℃の常温下にて行った。油剤2mLとイオン交換水8mLを15mLのスクリュー管に入れ、管底部にノズルを挿入し4分間炭酸ガスを十分量連続注入した。注入停止後、上層に油層が形成されたら速やかに油層を採取し、炭酸ガス測定サンプルとした。次にスクリュー管底部にピペットを静かに挿入して水相を採取し、炭酸ガス測定サンプルとした。
炭酸ガス濃度の測定には、ATR−IR法を用いた。炭酸ガスのIRスペクトルは2350cm-1付近に強い吸収を示すことが知られており、この吸収は振動モードとしては、1つであるが、気体の場合、回転の遷移が重畳するため、分解能の低い設定で測定すると見かけ上、2本の吸収に分裂して観測されるが、炭酸ガスが液体に溶解した場合、回転が制限されるため、1本の吸収帯として観測され、この違いから気体と液体に溶解した炭酸ガスが識別される。
測定条件
装置:パーキンエルマー SpectrumOne/ユニバーサルATRユニット
分解能:16cm-1
スキャン回数:16回(約25秒)
大気補正機能:OFF
測定順序:油剤バックグラウンド測定→油相の測定→水のバックグラウンド測定→水相の測定
その結果、表1に示すように油剤の種類によって、炭酸ガスの油相/水相分配比が異なる。本発明においては、これらの油剤の2種以上を混合して分配比1.1以上に調整して使用することもできる。
Figure 2011016749
<浴用剤の評価方法>
(1)発泡の持続時間
直径150mm、高さ500mmのアクリル製円筒に40℃の湯6Lを入れ、表1に示す組成の浴用剤10gを投入し、直径65mmの攪拌羽根をシャフトにつけた攪拌機によって毎分20回転で攪拌しながら均一に溶解させ、浴用剤が発泡しながら溶解する様子を円筒から30cm離れた位置から目視にて観察し、組成物を投入してから円筒の底から300mmの位置に記した直径16mmの大きさの円形の印が見えるまでの時間を発泡の持続時間として評価した。
(2)実使用評価(初期微細発泡性)
20〜40才の女性合計10名のパネラーにより評価した。浴用剤(実施例1〜4比較例1〜6)45gをそれぞれ180Lの浴水(40℃)に投入した後、パネラーを入浴させ、浴用剤を投入後30秒以内に発生した微細な泡の発泡感を下記評価基準にて評価し、10名の平均値を評価点とした。
5:発泡を感じた
4:やや発泡を感じた
3:どちらともいえない
2:あまり発泡を感じなかった
1:発泡を感じなかった
<(A)成分の造粒物の製造例1>
製造例1
フマル酸(吸油能0.082mL/g、平均粒径140μm)54.6kg、粉砕ブドウ糖(平均粒径20μm)2.1kgを100Lナウターミキサー(ホソカワミクロン製 NX−1/自転回転数90rpm/フルード数1.13/ジャケット温度65℃)中で混合した。2分間混合した後、50℃の混合油剤1.5kg(パルミチン酸イソプロピル50質量%、ミリスチン酸オクチルドデシル15質量%、ベヘニン酸5質量%、ポリオキシエチレン(6)ステアリルエーテル10質量%、テトラオレイン酸ポリオキシエチレン(40)ソルビット20質量%を50℃で溶解・混合したもの)を3分間で添加した。添加後、23分間混合を行った後、予め混合した65℃の水溶性バインダー混合油剤(混合油剤2.0kg、ポリエチレングリコール6000(平均分子量8500)9.8kg)を4分間で添加した。添加後、16分間混合を行い、中間組成物を得た。
その後、中間組成物をナウターミキサーから抜出し、ツインドームグラン(ダルトン製 TDG−110型、φ0.8mmスクリーン、回転数36rpm)を用いて押出し造粒を行った。押出し造粒物をバットに受け、25℃で30分間冷却を行った。冷却後、カッターミル(φ3.0mm)で整粒し、(A)成分の造粒物を得た。
得られた(A)は平均粒径812μm、嵩密度622g/L、粒子強度47gf/mm2の顆粒群であり、25℃6日保存後の粒子変化は、−5%であった。また、粒径180μm以下は0.5%、粒径1400μm以上は4.5%であった。
実施例1〜4、比較例1〜5
(A)成分は、製造例1で製造した造粒物を用いた。その後、表2に示す(A)成分、(B)成分(平均粒径290μmの炭酸ナトリウム(デンス灰))、(C)成分(平均粒径550μmの酒石酸、平均粒径540μmのリンゴ酸、平均粒径340μmのクエン酸、平均粒径340μmのコハク酸、平均粒径140μmのフマル酸)、さらに他の成分をナウターミキサー(ホソカワミクロン製 NX−S)で混合して、各浴用剤を得た。
得られた実施例1〜4及び比較例1〜5の浴用剤について表2に示す。
Figure 2011016749
得られた実施例1〜4の浴用剤は浴水に投入すると、投入直後から微細発泡性が著しく良好で、微細な泡の発生により浴槽全体が泡で白く濁った外観となり、かつ、その後の微細発泡の持続性も良好であったため、浴用剤投入直後から快適な浴用感が十分に得られた。また、本発明の粒状発泡性浴用剤は、浴槽底部に溶け残りが生じること無く、粒子強度にも優れ、保存安定性も優れケーキングが起こり難かった。
一方、(C)成分の酒石酸を含有しない比較例1は初期微細発泡性が感じられず、(A)成分の造粒物を含有しない比較例2は発泡の持続時間が短く、(C)成分の酒石酸をリンゴ酸、クエン酸、コハク酸とした比較例3〜5では、発泡の持続時間及び初期微細発泡性の両方が好ましい浴用剤は得られなかった。

Claims (5)

  1. (A)有機酸、油性成分、非イオン界面活性剤及び水溶性バインダーを含む造粒物
    (B)炭酸塩、及び
    (C)酒石酸
    を含有する粒状発泡性浴用剤。
  2. (A)成分中の有機酸と(C)成分の酒石酸の質量比〔(A):(C)〕が99:1〜50:50である請求項1記載の粒状発泡性浴用剤。
  3. (A)成分の酒石酸の平均粒径が150μm〜1400μmである請求項1又は2記載の粒状発泡性浴用剤。
  4. (A)成分の造粒物が炭酸塩を実質的に含有していない請求項1〜3のいずれか1項に記載の粒状発泡性浴用剤。
  5. (B)成分の炭酸塩中の70〜100質量%が炭酸ジアルカリ金属塩である請求項1〜4のいずれか1項に記載の粒状発泡性浴用剤。
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