しかしながら、上記特許文献1に開示されているような従来のゲーム装置においては、ゲームフィールド上に停止したメダルの検出を、移動するゲームフィールドに対して固定的に配置されたメダル回収機構に設けられた近接センサで検出しているため、投入されたメダルが当たり領域に停止したか否かを認識するまでにタイムラグがあり、投入されたメダルの当たり、外れの判定がタイムリーに行えないという課題があった。
また、当たり領域を形成する標的がゲームフィールドに印刷されたものであるためゲームが単調になり、当たりの演出的にも興趣に乏しいものとなってしまうという課題があった。
本発明は、上記した従来の課題を解決するためになされたものであり、ゲームフィールド上に投入されたメダルの位置を迅速に認識でき、また、多彩なゲーム画像を容易にゲームフィールドに表示することが可能なゲーム装置を提供することを目的とする。
このような課題を解決するために請求項1に記載の発明は、ゲームフィールド上に投入されるメダルの投入位置に基づいてゲームの結果判定を行い、当該ゲームの結果に基づいて予め定められた枚数のメダルを賞として払い出すメダルゲーム装置であって、前記ゲームフィールド上に前記メダルを投入するためのメダル投入手段と、前記ゲームフィールドにゲーム画像を表示するゲーム画像表示手段と、少なくとも、前記ゲームフィールド上に投入された前記メダルの像を撮影可能な撮像手段と、該撮像手段により撮影されたメダル画像データに基づいて前記ゲームフィールドにおける前記メダルの位置を検出するメダル位置検出手段と、該メダル位置検出手段により取得されるメダル位置検出データに基づいてゲームの結果を判定するゲーム結果判定手段と、該ゲーム結果判定手段による判定結果が所定のメダル払出条件を満足するときに予め定められた枚数のメダルを賞として払い出すメダル払出手段と、を備え、前記メダル位置検出手段は、前記撮像手段により撮影された前記ゲームフィールドの画像データ領域を予め設定された第1のサンプル画像データで走査して前記メダル画像データとの一致度を演算する第1一致度演算手段と、該第1一致度演算手段の演算結果が所定の値以上となる走査位置の位置データをメダル投入候補位置データとして記憶するメダル投入候補位置記憶手段と、前記ゲームフィールドの全ての画像データ領域を前記第1のサンプル画像データで走査した後、前記メダル投入候補位置記憶手段に記憶されている前記メダル投入候補位置データを前記第1一致度演算手段により算出された一致度の高い順に並べ替えて記憶するメダル投入候補位置データ並べ替え手段と、該メダル投入候補位置データ並べ替え手段による前記メダル投入候補位置データの並べ替え処理後、予め設定された第2のサンプル画像データと前記メダル画像データとを前記メダル投入候補位置データ並べ替え手段により並べ替えられたメダル投入候補位置データの順に照合して一致度を演算する第2一致度演算手段と、該第2一致度演算手段の演算結果が所定の値以上となる位置データをメダル投入位置データとして決定し記憶するメダル投入位置記憶手段と、を備えてなることを特徴とする。
請求項1に記載のメダルゲーム装置によれば、ゲーム画像表示手段によって所定のゲーム画像が表示されたゲームフィールドに、メダル投入装置から投入されたメダルが落下すると、撮像手段によってメダルの像が撮影され、この画像データに基づいてメダル位置検出手段がメダルの停止位置を検出する。ゲーム結果判定手段は、検出されたメダルの停止位置に基づいてゲーム結果を判定し、判定結果が所定のメダル払出条件を満たすときに、メダル払出手段が所定枚数のメダルを賞として払い出す。したがって、ゲーム結果の判定が迅速に実行されるので、当たり演出等も画像演出を取り混ぜた興趣の高いものとすることができる。
また、位置検出手段は、撮像手段により撮影された前記ゲームフィールドの画像データ領域を、予め設定された第1のサンプル画像データで走査してメダル画像データとの一致度を演算する第1一致度演算手段と、第1一致度演算手段の演算結果が所定の値以上となる走査位置の位置データをメダル投入候補位置データとして記憶するメダル投入候補位置記憶手段と、メダル投入候補位置データを第1一致度演算手段により算出された一致度の高い順に並べ替えて記憶するメダル投入候補位置データ並べ替え手段と、予め設定された第2のサンプル画像データとメダル画像データとをメダル投入候補位置データ並べ替え手段により並べ替えられたメダル投入候補位置データの一致度の高い順に照合して一致度を演算する第2一致度演算手段と、を備え、第2一致度演算手段の演算結果が所定の値以上となる位置データをメダル投入位置データとして決定しメダル投入位置記憶手段に記憶する。これにより、第1一致度演算手段により撮像手段から得られる画像領域からメダルの投入候補位置データが取得され、メダル投入候補位置データ並べ替え手段により並び替えられた一致度の高い順に第2一致度演算手段により所定値以上の一致度となる位置データがメダルの投入位置データとして決定されるので、精度の高いメダルの投入位置データを迅速に得ることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のメダルゲーム装置において、前記ゲームフィールドは不可視光を透過する素材で構成され、該ゲームフィールドに向けて前記不可視光を発光する発光手段を備え、前記撮像手段は、前記ゲームフィールド上の前記メダルを撮影してなることを特徴とする。
請求項2に記載のゲーム装置によれば、例えば、赤外光や紫外光等の不可視光を発光する発光手段と、この不可視光を撮影可能な撮像手段を用いてゲームフィールドを撮像するので、ゲームフィールドに表示されているゲーム画像に影響されることなくメダルの像を撮影することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のメダルゲーム装置において、前記メダル投入位置記憶手段は、前記第2一致度演算手段の演算結果が所定の値以上となる位置から所定間隔以内に前記第2一致度演算手段の演算結果が前記所定の値以上になる位置がある場合、同一のメダルの位置データと判定し、最初に前記第2一致度演算手段の演算結果が所定の値以上となる位置を当該メダルの投入位置データとして記憶することを特徴とする。
請求項3に記載のメダルゲーム装置によれば、近接した所定間隔以内で第2一致度演算手段による演算結果が所定の値以上になる位置がある場合、同一のメダルの位置データと判定するので、1つのメダルの位置データを多数のメダルの位置データと誤認識することを防止し、複数のメダルの重なりを含めた、ゲームフィールド上に投入されたメダルのより正確な位置データを得ることができる。
請求項4に記載の発明は、ゲームフィールド上に投入される遊戯媒体の投入位置に基づいてゲームの結果判定を行い、当該ゲームの結果に基づいて予め定められた枚数の遊戯媒体を賞として払い出すゲーム装置であって、前記ゲームフィールド上に前記遊戯媒体を投入するための遊戯媒体投入手段と、前記ゲームフィールドにゲーム画像を表示するゲーム画像表示手段と、少なくとも、前記ゲームフィールド上に投入された前記遊戯媒体の像を撮影可能な撮像手段と、該撮像手段により撮影された前記ゲームフィールドの画像データ領域を予め設定された第1のサンプル画像で走査して前記遊戯媒体画像データとの一致度を演算する第1一致度演算手段と、該第1一致度演算手段の演算結果が所定の値以上となる走査位置の位置データを、さらに予め設定された第2のサンプル画像データと前記遊戯媒体画像データとを照合して一致度を演算する第2一致度演算手段と、該第2一致度演算手段の演算結果が所定の値以上となる位置データを遊技媒体投入位置データとして決定して記憶する遊戯媒体位置記憶手段と、該遊戯媒体位置記憶手段に記憶された前記遊戯媒体位置データに基づいてゲームの結果を判定するゲーム結果判定手段と、該ゲーム結果判定手段による判定結果が所定の遊戯媒体払出条件を満足するときに予め定められた枚数の遊戯媒体を賞として払い出す遊戯媒体払出手段と、を備えてなることを特徴とする。
請求項4に記載のゲーム装置によれば、ゲーム画像表示手段によって所定のゲーム画像が表示されたゲームフィールドに、遊戯媒体投入装置から投入された遊戯媒体が落下すると、撮像手段によって遊戯媒体の像が撮影され、この画像データに基づいて第1一致度演算手段がゲームフィールドの画像領域を第1のサンプル画像データで走査して一致度を演算し、この演算結果が所定の値以上となる走査位置の位置データを、さらに第2一致度演算手段により第2サンプル画像データと遊戯媒体画像データを照合して一致度を演算し、この演算結果が所定値以上の位置データを遊戯媒体投入位置データとして決定する。ゲーム結果判定手段は、検出された遊戯媒体の停止位置に基づいてゲーム結果を判定し、判定結果が所定の遊戯媒体払出条件を満たすときに、遊戯媒体払出手段が所定枚数の遊戯媒体を賞として払い出す。したがって、精度の高い遊戯媒体の投入位置データが迅速に得られゲーム結果の判定が迅速に実行されるので、当たり演出等も画像演出を取り混ぜた興趣の高いものとすることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のゲーム装置において、前記ゲームフィールドを移動させるゲームフィールド移動手段と、前記ゲームフィールドの基準位置を示す基準位置識別手段と、前記ゲームフィールドの移動に同期させて前記ゲーム画像表示手段により表示される前記ゲーム画像を移動表示させるゲーム画像表示制御手段と、を備えてなることを特徴とする。
請求項5に記載のゲーム装置によれば、ゲームフィールドを移動させながらゲームを行うことができる。また、ゲームフィールドの基準位置を示す基準位置識別手段を設けるとともに、ゲーム画像表示制御手段がゲーム画像表示手段によりゲームフィールドに表示されるゲーム画像をゲームフィールドの移動に同期させて移動表示させる。これにより、ゲームフィールドが固定されているものに比して難易度の高いゲームを提供することができ、ゲームの興趣をさらに高めることができる。
本発明において「ゲームフィールド」とは、ゲーム装置内に配設され、ゲーム装置内に投入されたメダル等の遊戯媒体を受容可能な場所(フィールド)を意味する。ゲームフィールドは、メダル等を受容する上面部が平板状のものに限らず、例えば、上面部に凹凸が形成されているもの、可動式または固定式の障害物が配置されているもの、曲面状にうねっているもの、階段状に段差のあるもの等を含む。
「メダル投入手段」(メダル投入部)とは、遊戯者がゲーム装置の外部からゲーム装置内へメダルを投入するための装置を意味する。一般に「メダルプッシャーゲーム機」と呼ばれるゲーム装置に使用することもできる。また、メダル等を横向きに滑り落ちさせることもできる。なお、メダル投入装置に、投入されようとしているメダルが正規のメダルであるか否かを選別するための選別手段(選別部)を設けることもできる。
「表示手段」(表示部)とは、少なくとも、ゲームフィールド上にゲーム画像や映像を表示可能なものを意味する。例えば、ゲームフィールドにゲーム画像や映像を投影するプロジェクタ等を利用することができる。また、ゲームフィールド自体を液晶画面または有機EL素子、無機EL素子、ブラウン管、LED等を使用したドットマトリックス表示器等の表示装置として構成してもよい。
「撮像手段」(撮像部)とは、少なくとも、ゲームフィールド上に投入されたメダルの像を撮影して、ゲームフィールド上のメダルの像を画像データとして取得可能なものである。撮像手段は、1つの撮像手段によってゲームフィールド上の全領域を撮影して画像データを得るものでもよいし、複数の撮像手段によってゲームフィールドの全領域の画像データを取得することもできる。具体的には、周知のCCD素子等を利用することができる。また、周囲の画像や背景による影響を最小限にするために不可視光による撮影が可能な撮像手段を用いることが好ましい。したがって、ゲームフィールドは不可視光を透過または反射する素材で構成し、このゲームフィールドに不可視光を照射する発光手段を用いることが好ましい。なお、多少画像処理が複雑になるが、可視光を撮影するCCD素子を利用することもできる。
本発明において「第1一致度演算手段」(第1一致度演算部)は、予め設定された第1のサンプル画像を、上記したゲームフィールドの全画像データ領域に亘って走査することにより、投入されたメダルの画像データとの一致度を演算してメダルの位置の候補を抽出する手段(または部位、若しくは装置)である。したがって、例えば、30%〜50%程度の一致度が得られた候補位置の位置データをメダル投入候補位置記憶手段(メダル投入候補位置記憶部)に記憶していくことにより、高速にメダル投入候補位置のデータを取得することができる。位置検出手段(位置検出部)は、撮像手段により取得された画像データから、メダルの画像の輪郭を抽出するエッジ抽出処理手段(エッジ抽出処理部)を備えていることが好ましい。そして、第1のサンプル画像データとしては、当該メダルの輪郭(エッジ)画像データを用いることで精度の良い第1一致度演算処理が可能になる。
「メダル投入候補位置データ並べ替え手段」(メダル投入候補位置データ並べ替え手段)は、第1一致度演算手段により全てのゲームフィールドの画像データ領域が走査された後、演算結果として所定値(例えば、30%)以上の一致度が得られ、メダル投入候補位置記憶手段(メダル投入候補位置記憶部)に記憶されたメダル投入候補位置データを一致度の高い順にソート(並べ替え)して記憶する手段(または部位、若しくは装置)である。これは、後述する第2一致度演算手段が一致度を演算する位置データの順番を決定する処理を行うものである。この処理により、第2一致度演算手段による演算処理が高速化される。
「第2一致度演算手段」(第2一致度演算部)は、メダル投入候補位置データ並べ替え手段により並べ替えられた、第1一致度演算手段の演算結果による一致度の高い順に、その位置に該当するメダル画像データと第2のサンプル画像データとを照合して一致度を演算する処理を行うものである。なお、メダル投入候補位置データ並べ替え手段による並べ替え処理を行わないときは、第1一致度演算手段により所定の値(例えば、30%)以上の一致度が得られた位置データに対して、逐次、対応するメダル画像データと第2のサンプル画像データとを照合して一致度を演算する処理を行うように構成することができる。
また、位置検出手段(位置検出部)は、上記したエッジ抽出処理手段によって抽出されたメダルのエッジ抽出画像から白黒2値のメダル画像データを生成する2値画像生成手段を備えていることが好ましい。そして、第2のサンプル画像データとしては、メダルの白黒2値画像データより1回り(1dot程度)小さい画像データを用いることが好ましい。これにより、第2一致度演算手段による一致度が100%のときの位置データをメダル投入位置データとして決定することができる。そして、一致度が100%の位置データが存在したときに、その位置データを記憶しておき、その位置から所定間隔(例えば、2dot)以内に一致度が100%となる位置がある場合は、同一のメダルの位置データと判定するように構成してもよい。
本発明によれば、精度の高いメダルの投入位置データを迅速に得ることが可能となり、ゲーム結果の判定が迅速に実行されるので、当たり演出等も画像演出を取り混ぜたタイムリーで(適時性のある)興趣の高いゲーム装置を提供することができる。
また、赤外光や紫外光等の不可視光を発光する発光手段(発光部)と、この不可視光を撮影可能な撮像手段を用いてゲームフィールドを撮像するように構成することができるので、ゲームフィールドに表示されているゲーム画像に影響されることなくメダルの像を撮影することができる。
また、近接した所定間隔以内で第2一致度演算手段による演算結果が所定の値以上になる位置がある場合、同一のメダルの位置データと判定するように構成することができるので、1つのメダルの位置データを多数のメダルの位置データと誤認識することを防止し、複数のメダルの重なりを含めた、ゲームフィールド上に投入されたメダルのより正確な位置データを得ることができる。
また、ゲームフィールドを移動させるゲームフィールド移動手段と、ゲームフィールドの基準位置を示す基準位置識別手段と、ゲームフィールドの移動に同期させてゲーム画像表示手段により表示されるゲーム画像を移動表示させるゲーム画像表示制御手段と、を備えて構成することができるので、ゲームフィールドが固定されているものに比して難易度の高いゲームを提供することができ、ゲームの興趣をさらに高めることができる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。図1は本発明に係るゲーム装置の一実施形態の全体構成を示す斜視図である。図2は本発明の一実施形態に係るゲーム装置の基本的な構成を示す模式図である。図1および図2において、ゲーム装置1は、全体を覆うケーシングとしての上部筺体11と下部筺体16を備え、その内部に上面がゲームフィールド2となる円板状のターンテーブル20が、図中反時計回りに回転可能に設けられている。上部筺体11と下部筺体16は、2つの四角錐台の底辺部同士を合わせた外観を有する十面体状を呈している。上部筺体11の4つの側面部には、透明プラスチック製の仕切板12が設けられ、これら仕切板12を通してゲーム装置1内に設けられた円形のゲームフィールド2が視認されるように構成されている。
ターンテーブル20の上方には、放射状に配設された後述するメダル回収装置17が、上部筺体11および下部筺体16に対して固定的に4つ配設されており、これらの隣接するメダル回収装置17で区分される4つのサテライト18a〜18dが形成されている。上部筺体11の仕切板12には、ゲーム装置1の外部からゲーム装置1内のゲームフィールド2上にメダルを投入するためのメダル投入装置13が、各サテライト(ゲーム端末装置)18a〜18dに2つずつ計8つ取付けられている。したがって、図1に示すゲーム装置1においては、同時に8人までゲームを行うことが可能である。
メダル投入装置13は、ゲーム装置1の外部に位置するメダル投入部13aと、このメダル投入部13aと連なって設けられ、メダル投入部13aから投入されたメダルをゲーム装置1内に導く案内部13bと、この案内部の先端部に形成され投入されたメダルをゲームフィールド2上に排出する排出部13cとから構成されている。また、メダル投入部13aには、メダルが投入されたことを検知する投入口センサ13dが配設されている。メダル投入装置13の案内部13bは、ゲーム装置1内に向けて下方に傾斜するガイドレールから構成されており、メダル投入部13aに投入されたメダルは、案内部13bを自重で加速させながら縦方向に転動流下し、排出部13cからゲームフィールド2上に載せられる。
上部筺体11の上面部には、ドーム状の天蓋14が設けられ、この天蓋14の内部中央には本実施形態における表示手段となるプロジェクタ3、および、ゲームフィールド2上に投入されたメダルの画像を撮像するための赤外線カメラ4a、4bが配設されている。また、下部筺体16には、サテライト18a〜18d毎に、ゲームの判定結果により賞として払い出されるメダルの払出口15が設けられている。
図2は、本発明に係るゲーム装置1の基本的な構成を模式的に示す図である。図2において、上面にゲームフィールド2が形成されたターンテーブル20は、赤外光を透過する素材で構成されている。そして、ターンテーブル20の下方には、赤外光を発光する発光手段(発光部)5が設けられている。この発光手段5としては、種々の装置を用いることができるが、例えば、赤外線発光LEDを円形状に整列配置したもの、あるいは、管状の赤外線発光体を並設したもの等、ターンテーブル20に対して均一に赤外光を照射可能な光源を用いることが好ましい。
ターンテーブル20のゲームフィールド2の上方に配設されるプロジェクタ3は、ゲームフィールド2上に種々のゲーム画像を投影して表示する表示手段(表示部)であり、以下、本実施形態においては、ゲームフィールド2上に表示された標的に対して、投入されたメダルがその標的上で停止したときに、標的毎に設定された枚数のメダルを払い出すゲームを例に説明する。例えば、図2において標的22aは5枚のメダルが獲得できる標的であり、同様に標的22bは10枚、標的22cは20枚のメダルが獲得できる標的を示している。また、標的22dのようにメダルが的中する(当選したと判断される)まではその特典の大きさが不明な標的を設けてもよい。なお、図2においてはサテライト18bのみに標的22a〜22dの表示例を示したが、他のサテライト18a、18c、18dにも同様の標的22a等が表示される。また、ゲームフィールド2には標的22a〜22d以外にも、背景の静止画像や動画像が表示されるように構成されている。
ターンテーブル20のゲームフィールド2の上方には、2台の赤外線カメラ4a、4bが配設されている。本実施形態においては、この2台の赤外線カメラ4a、4bによってゲームフィールド2の全領域を撮影可能に構成している。すなわち、一方の赤外線カメラ4aはゲームフィールド2のうちのサテライト18aおよび18bの領域を撮影し、他方の赤外線カメラ4bはサテライト18cおよびサテライト18dの領域を撮影するように配置されている。なお、赤外線カメラ4a等の配置は、1つの赤外線カメラでゲームフィールド2の全領域を撮影可能に構成してもよいし、サテライト18a〜18d毎にそれぞれ1つの赤外線カメラを配置するように構成してもよい。また、発光手段5として紫外光を発光する光源を用いる場合は紫外線を撮影可能な撮像手段を用いて構成することができ、特定の波長の可視光を光源とする場合にはその波長の光を撮影可能な撮像手段を用いて構成してもよい。
本実施形態においては、ターンテーブル20はゲームフィールド駆動モータ6によって、図中の矢符Aに示すように半時計方向に一定速度で回転するように構成されている。そして、各サテライト18a〜18dに投入されたメダルは、ターンテーブル20の回転に伴って、直近のメダル回収装置17a〜17dに到達した時点で回収される。具体的には、各メダル回収装置17a〜17dは、ターンテーブル20の回転に伴って回収装置17a〜17dに到達したメダルが半時計方向に隣接するサテライト18a〜18dに進入しないようにするための進入規制部を備えており、かつ、この進入規制部によりターンテーブル20の回転方向への移動が規制されたメダルをターンテーブル20の中心部19に向けて搬送する搬送手段(例えば、ベルトコンベヤ状の搬送装置)を備え、ターンテーブル20の中心部19の下方(または、ターンテーブル20の外周部)に設けられた図示しないメダル回収口からメダルを回収するように構成されている。なお、メダル回収装置17を回転させてメダルを回収することもできる。
また、図2においては、模式的に1つのメダル投入装置13を示しているが、本実施形態においては、図1に示すように、各サテライト18a〜18dに2つずつのメダル投入装置13が配設されている。
次に、図3を参照して、本発明に係るゲーム装置1の制御システムについて説明する。図3は、本実施形態におけるゲーム装置1のゲーム制御システム構成を示すブロック図である。図3に示すように、本実施形態における制御システムは、主にゲーム制御部7と画像認識制御部8から構成されている。なお、本実施形態においては、これらの制御部7、8等を構成する電子回路等を含む制御装置は、下部筺体16内に収納されている。
ゲーム制御部(メイン制御部、主制御手段)7は、ゲームの進行を統括して制御するゲーム制御用CPU701、ゲーム進行用プログラムおよび各種画像データ、音声データ等が記憶されたプログラムROM702、ゲームの進行に応じて一時的に記憶されるデータ等の記憶およびゲーム制御用CPUのワークエリアとして使用されるRAM703、ゲーム画像や演出画像の生成処理を行うGPU704、外部機器9等との入出力インタフェースI/O705等から構成されている。これら、ゲーム制御用CPU701、プログラムROM702、RAM703、GPU704、入出力インタフェースI/O705は、バス706を介して接続されている。また、GPU704はプロジェクタ3に接続され、入出力インタフェースI/O705は画像認識制御部の入出力インタフェースI/O805および外部機器9と接続されている。
画像認識制御部8は、画像認識用CPU801、画像データ解析、演算プログラム等が記憶されたプログラムROM802、赤外線カメラ4a等により撮影された画像データ等の一時的記憶および画像認識用CPU801のワークエリアとして使用されるRAM803、入出力インタフェースI/O805等から構成されている。これら、画像認識用CPU801、プログラムROM802、RAM803、入出力インタフェースI/O805は、バス806を介して接続されている。また、入出力インタフェースI/O805には、ゲーム制御部7の入出力インタフェースI/O705および赤外線カメラ4a、4bが接続されている。
ゲーム制御部7の入出力インタフェースI/O705に接続される外部機器9には、ゲームフィールド駆動用モータ6、後述するゲームフィールド位置検出センサ10および各種マーカー26a〜26d、27、赤外線光源5、投入口センサ13d等が含まれる。
次に、図4を参照して、本実施形態に係るゲーム装置におけるゲームの進行処理の手順について説明する。なお、図4(a)はアドバタイズモードにおけるゲーム制御用CPU701および画像認識用CPU801による処理の手順を示し、図4(b)はゲームモードにおけるゲーム制御用CPU701および画像認識用CPU801による処理の手順を示す。
(ステップS101)〜(ステップS104)
ゲーム装置1に電源が投入されると、ゲーム制御部7のゲーム制御用CPU701および画像認識制御部8の画像認識用CPU801は、それぞれ、RAM703、RAM803の所定の記憶領域を初期化する処理を行い、アドバタイズモード(客待ちモード)となる(ステップS101)。アドバタイズモードにおいては、ゲームフィールド2上に客待ち用のデモンストレーション画像が表示される。その後、遊戯者によるメダル投入部13aへのメダル投入があるまでアドバタイズモードを継続し(ステップS102でNo)、メダル投入部13aの投入口センサ13dがメダルを検出すると(ステップS102でYes)、画像認識用CPU801は赤外線カメラ4a、4bによる画像認識を有効にする処理を行い(ステップS103)、同時に、ゲーム制御用CPU701がアドバタイズタイマーをクリア(リセット)する処理を行って(ステップS104)、ゲームモード(ステップS201)へ移行する処理を行う。
(ステップS201)(ステップS202)
ゲームモードに移行している状態では(ステップS201)、上記したステップS103の処理により赤外線カメラ4a、4bによる画像認識が有効化されており、ゲームフィールド2にはプロジェクタ3から投影されるゲーム画像が表示される。ここで、上記したステップS104→ステップS201→ステップS202と処理が進んでステップS202に至った場合は、ステップS202による判定処理の結果はステップS102の判定結果と同様に肯定判定(Yes)となり、次のステップS203における処理もステップS104において実行されているので、次のステップS206に進む。
一方、ゲームモード中に、後述するステップS208による肯定判定(Yes)、ステップS210による否定判定(No)、あるいは、ステップS210による肯定判断(Yes)の後、ステップS211の処理の終了後にステップS202に至ったときは、ステップS202において新たにメダルが投入されたか否かを判定する処理を行い、新たにメダルが投入されたと判定されたときはステップS203に進み、新たなメダルが投入されていないと判定されたときはステップS204に進む。
(ステップS203)
ステップS203においてゲーム制御用CPU701は、アドバタイズタイマーをクリア(リセット)する処理を行い、ステップS206に進む。
(ステップS204)(ステップS205)
上記したステップS202の判定処理における判定結果が否定判定(No)のとき、ゲーム制御用CPU701は、アドバタイズタイマーのカウント値が5分を超えているか否かを判定する処理を行い(ステップS204)、アドバタイズタイマーのカウント値が5分を超えていると判定されたときはステップS101に戻ってアドバタイズモードに移行する。アドバタイズタイマーのカウント値が5分を超えていないと判定されたときは、アドバタイズタイマーのカウント値を更新(所定単位のカウント値をインクリメント)する処理を行い(ステップS205)、ステップS206に進む。
(ステップS206)
ステップS206において画像認識用CPU801は、赤外線カメラ4aおよび4bにより撮影された画像データからゲームフィールド2上のメダルの位置を求める処理を行い、ステップS207に進む。なお、このステップS206における処理の詳細は、後に別途図面を参照して詳細に説明する。
(ステップS207)
ステップS207においてゲーム制御用CPU701は、ステップS206の処理において位置検出したメダルが、既に当たり判定処理が行われたメダルであるか否かを判定する処理を行い、既に当たり判定処理が行われたメダルであると判定されたときはステップS208に進み、未だ当たり判定処理が行われていないメダルであると判定されたときはステップS209に進む。
(ステップS208)
ステップS208においてゲーム制御用CPU701は、ステップS206の処理において認識された全てのメダルが当たり判定処理を終了しているか否かを判定する処理を行い、未だ当たり判定処理がなされていないメダルがあるときはステップS207に戻り、全てのメダルが当たり判定処理を終了していると判定されてときはステップS202に戻る。
(ステップS209)
上記したステップS207の判定処理において、ステップS206の処理により位置検出されたメダルがいまだに当たり判定処理がなされていないと判定されると(ステップS207でNo)、ゲーム制御用CPU701は、当該メダルを当たり判定済みとしてRAM703の所定の記憶領域に記憶する処理を行い、ステップS210に進む。ただし、後述するようにこのステップS209においては、未だ当たり判定処理は実行されていない。
(ステップS210)(ステップS211)
ステップS210においてゲーム制御用CPU701は、プログラムROM702に格納されている当たり判定プログラムを作動させて、上記したステップS209で当たり判定済みとして記憶したメダルの当たり判定処理を行う。本実施形態においては、ゲームフィールド2に投入されたメダルの停止位置において赤外線カメラ42a、42bにより撮影された当該メダルの画像データのデータ領域が、図2に示す標的22a〜22dの表示領域と所定値以上(例えば80%以上)重畳している場合に「当たり」と判定するように構成されている。なお、この当たり判定プログラムは、本実施形態におけるゲーム結果判定手段(ゲーム結果判定部)である。このステップ210の当たり判定処理により「当たり」と判定されたときはステップS211に進んで当たり演出の実行処理および賞としてのメダルの払出処理を行ってステップS202に戻り、当たり判定処理により「外れ」と判定されたときは、そのままステップS202に戻る。
上記した処理の手順を進めることにより、本実施形態におけるゲームの進行処理がなされる。
図5は、本実施形態におけるゲーム装置1のゲームフィールド2を模式的に示す平面図である。図5に示すように、本実施形態においては、円形のゲームフィールド2が4つのメダル回収装置17a〜17dによって4つのサテライト18a〜18dに区切られている。そして、ゲームフィールド2は図2に示すゲームフィールド駆動モータ6によって、矢符Aに示すように反時計方向に一定速度で回転するように構成されている。ゲームフィールド2の近傍の所定の位置には、ゲームフィールド2の位置を検出するためのゲームフィールド位置検出センサ10が設けられており、ゲームフィールド2にはゲームフィールド2の原点位置を示す赤外線LEDによる原点識別手段(原点識別部)25が設けられている。上記したようにメダル回収装置17a〜17dおよび中心部19は、ゲーム装置1の下部筺体16に固定されており、ゲームフィールド2の回転によって各サテライト18a〜18dに投入されたメダルM1〜M4がメダル回収装置17a〜17dに到達した時点でゲーム装置1の内部に回収される。
図6は、本実施形態における第1の赤外線カメラ4aと第2の赤外線カメラ4bが撮影可能な領域を示す図であり、図6(a)は第1の赤外線カメラ4aの撮影可能領域を示し、図6(b)は第2の赤外線カメラ4bの撮影可能領域を示している。図示のように、第1の赤外線カメラ4aはサテライト18aとサテライト18bの全領域を撮影可能に配置されている。また、第2の赤外線カメラ4bはサテライト18cとサテライト18dの全領域を撮影可能に配置されている。
各メダル回収手段17a〜17dの外端部には、画像認識上の識別子となる赤外線LEDによるマーカー26a〜26dが配設されており、中心部19の中心には原点の識別子となる赤外線LEDによるマーカー27が配設されている。なお、図中M1〜M4の符号はゲームフィールド2上に投入されたメダルを示している。なお、本実施形態においては、2台の赤外線カメラ4a、4bによってゲームフィールド2の全領域を撮影可能に構成しているが、1台の赤外線カメラ4a等でゲームフィールド2の全領域を撮影可能なように構成してもよいし、各サテライト18a〜18dに1台ずつ、計4台の赤外線カメラ4a等を配置して構成するようにしてもよい。
図7は、第1の赤外線カメラ4aによって撮影された映像の一例を示す図であり、上記した図6(a)に示す第1の赤外線カメラ4aの撮影可能領域を撮影した赤外線撮影画像である。図2で示したように、ゲームフィールド2を備えたターンテーブル20の下方に配置された赤外線光源5からターンテーブル20に向けて赤外光が照射され、ターンテーブル20は赤外光を透過する素材で構成されているので、ゲームフィールド2の上方に配置された赤外線カメラ4aから、図7に例示するようにゲームフィールド2は白く、その他の中心部19、メダル回収装置17a〜17d等は黒く撮影される画像データが取得される。
メダルM1〜M4は、赤外線を透過しない又は透過し辛い部材(例えば、金属など)で構成されているので、図7にM1〜M4の符号で示すように黒い円形の画像として撮像される。また、メダル回収装置17a〜17dの外端部に設けられたマーカー26a〜26dから発せられる赤外光は白点状に撮影され、中心部19の原点マーカー27も白点状に撮影される。これらのマーカー26a〜26dおよび原点マーカー27は、メダルM1〜M4の位置検出を行う範囲を画定したり、上部筺体11への赤外線カメラ4a等の取り付け誤差やねじれを補正したりするために設けられている。撮影される画像中のマーカー26a〜26dおよび原点マーカー27を基準にメダルの直交座標系における位置座標(x,y)を求め、この位置座標(x,y)を、原点マーカー27を原点とする極座標系の位置座標(r,θ)に変換する。
図8は、本実施形態における第1一致度演算手段によってメダル投入の候補位置を一時的に検出する方法を説明するための図である。ゲーム装置1にメダルが投入されて、ゲーム装置1の赤外線カメラ4a、4bが有効化されると(図4のステップS103)、赤外線カメラ4a、4bは所定単位時間(例えば1/30秒)毎の間隔でゲームフィールド2の撮影を行う。
ゲーム制御用CPU701は、プログラムROM702に格納されているエッジ検出プログラムを作動させて、赤外線カメラ4a、4bが撮影した画像データに基づいて、ゲームフィールド2上のメダルの画像のエッジ(輪郭)を抽出する処理を行い、抽出されたエッジ画像データを含むゲームフィールド2の画像データをRAM703の所定の記憶領域に記憶する処理を行う。すなわち、図8に示すようなメダルの画像のデータMimageからその輪郭の画像データMedgeを生成する処理を行う。このエッジ検出処理は周知の画像処理技術を利用することができるので、その処理手順に関する詳細な説明は省略する。
続いて、ゲーム制御用CPU701は、プログラムROM702に格納されている第1一致度演算プログラムを起動して、プログラムROM702に予め記憶されている第1のサンプル画像データ44により、上記したメダルのエッジ抽出画像データを含むゲームフィールド2の画像データ45を走査して第1のサンプル画像データ44とメダルのエッジ抽出画像との一致度を演算処理により求める処理を行う。具体的には、メダルのエッジ抽出画像データを含むゲームフィールド2の画像データ45上に第1のサンプル画像データ44を重畳して、1画素(1dot)ずつずらしながら照合し、メダルのエッジ抽出画像データと第1のサンプル画像データ44との一致度を演算する。
本実施形態においては、図8に示す第1のサンプル画像データ44の円形の輪郭の内部に、例えば、100個の画素が含まれている場合、輪郭内の各画素について「1」、輪郭外の各画素について「0」という固有値を定義付ける。一方、赤外線カメラ4aから得られた画像データ45においても、輪郭内の各画素について「1」、輪郭外の各画素について「0」という固有値を定義付ける。そして、ゲーム制御用CPU701は、第1のサンプル画像データ44をゲームフィールド2の画像データ45と照合して、重畳する画素同士に定義付けられた上記した固有値を個々に乗算し、その乗算値の総和を求める演算処理を行う。この演算処理により得られる乗算値の総和の値が、例えば、「30」以上であれば、ゲーム制御用CPU701は、第1のサンプル画像データ44とゲームフィールド2上のメダルの輪郭画像データ45との一致度を30%以上と判定する。
上記した第1一致度演算手段による演算結果に基づき、一致度が所定値(本実施形態においては、30%)以上と判定されると、ゲーム制御用CPU701は、その位置情報と一致度情報を関連付けて、メダル投入候補位置データとしてRAM703の所定の記憶領域に記憶する処理を行う。本実施形態においては、メダル投入候補位置データとして第1のサンプル画像データ44の円形の輪郭に外接する正方形状の輪郭データの左上の頂点44aの座標データを記憶するように構成されている。このメダル投入候補位置データが記憶されるRAM703の記憶領域は、本実施形態におけるメダル投入候補位置記憶手段(メダル投入候補位置記憶部)である。
続いて、ゲーム制御用CPU701は、上記した第1一致度演算手段により得られたメダル投入候補位置データに基づいて、一致度の高い順に第2のサンプル画像データ46との一致度を求める処理を行う。図9に示すように、プログラムROM702に記憶されているメダル位置検出プログラムは、上記した輪郭抽出処理によって抽出された輪郭の内部を黒色に塗りつぶした画像データ47を生成する機能を有する。そして、ゲーム制御用CPU701は、プログラムROM702に予め記憶されている第2のサンプル画像データ46と第1一致度演算手段により一致度が高いと判定された順にメダル投入候補位置記憶手段に記憶されている位置データとの照合処理を行い、一致度を演算により求める。この演算処理も上記した第1一致度演算プログラムと同様に行われる。すなわち、第2のサンプル画像データ46の画素毎に定義付けられた固有値と、白黒2値化した画像データ47とを重畳したときの画素毎の固有値を乗算した結果の総和として一致度を求め、この一致度が所定値(本実施形態においては、100%)以上の位置データが存在したときに、当該位置データをメダル投入位置データと判定し、RAM703の所定の記憶領域に記憶する処理を行う。なお、本実施形態においては、第2のサンプル画像データ46の図9におけるハッチング(斜線)部は実際のメダルの撮影画像よりも1回り程度(1dot程度)外径の小さい画像データとしている。
これにより、本実施形態においては、一致度の閾値を100%に設定している。したがって、最終的に第2一致度演算手段により演算された一致度が100%のとき、その位置データをメダル投入位置データと判定して、RAM703の所定の記憶領域に記憶する処理が行われる。本実施形態においては、最初に第2一致度演算手段により一致度が100%と判定されてメダル投入位置データとして記憶されたポイントが検出されたとき、その位置データのポイントの所定間隔以内(本実施形態においては、2dot以内)の位置に第2一致度演算手段により一致度が100%と判定されるポイントが存在する場合は、先に一致度100%と判定された位置データと同一のメダルに係る位置データと判定するように構成されている。これにより、微小な読み取り誤差や撮像手段である赤外線カメラ4a等のレンズの歪み等によって同一のメダルを複数のメダルと誤認することを防止することができる。
図10は、上記した第1一致度演算手段および第2一致度演算手段による処理の流れを概念的に示す図である。図10(a)は、5個のメダルM5〜M9がゲームフィールド2上に投入されている状態を示す平面図である。図示のように、メダルM5にその後から投入されたメダルM6が重なり、他方で、メダルM7にメダルM8が重なった後、さらに、メダルM8にメダルM9が重なって投入された状況を示している。この状況を赤外線カメラ4a等で撮影した画像を、ゲーム制御部7のゲーム制御用CPU701が解析処理して、図10(b)に示すような輪郭画像Medge10、Medge11を生成する。
続いて、ゲーム制御用CPU701はプログラムROM702に格納されている第1一致度演算プログラムを作動させて、図10(c)に示すように第1のサンプル画像データ44により、赤外線カメラ4a等によって撮影されたゲームフィールド2の画像データを走査しながら一致度を演算し、30%以上の一致度が算出された位置の位置データをメダル投入候補位置データとしてRAM703の所定の記憶領域に記憶する。赤外線カメラ4a等によるゲームフィールド2の撮影は1/30秒ごとに行われ、撮影された画像データの全領域が第1のサンプル画像データ44にて走査された後、ゲーム制御用CPU701はメダル投入候補位置データ並べ替えプログラムを作動させて、RAM703の所定の記憶領域に記憶されているメダル投入候補位置データを、第1一致度演算プログラムにより演算された一致度の高い順に並べ替える処理を行う。
続いて、ゲーム制御用CPU701は、第2一致度演算プログラムを作動させて、メダル投入候補位置データ並べ替えプログラムにより並べ替えられた、第1一致度演算プログラムの演算により一致度の高い順に、ゲームフィールド2の画像データと第2のサンプル画像データ46を照合して、一致度が100%となる位置データを、当該メダルの投入位置データと判定してRAM703の所定のメダル位置データ記憶領域に記憶する処理を行う。このとき、第2一致度演算プログラムの演算結果、一致度が100%の位置データが存在する場合は、その位置から2dot以内に一致度100%の位置があっても同一の位置データとして処理を行う。上記したような位置検出処理を行うことにより、メダルM5〜M9の重なりを含めたゲームフィールド2上の投入位置データを、図10(d)に黒影で示すように正確に識別することができる。
図11は、本実施形態に係るゲームフィールド2に投入されたメダルM10〜M13の位置座標を決定するための座標系を説明するための図であり、図11(a)は直交座標系でメダルM10〜M13の位置座標を特定する際の座標系を示し、図11(b)は、原点マーカー27を原点とする極座標系を示している。また、図11においては、赤外線カメラ4aにより撮影されるサテライト18aとサテライト18bに投入されたメダルM10〜M13を含む画像についてのみ示しているが、他方のサテライト18cおよびサテライト18dを撮影する赤外線カメラ4bによるゲームフィールド2の画像処理、位置座標検出処理についても同様である。
図11(a)に示すように、原点マーカー27を原点にマーカー26bとマーカー26dとを通る線をx軸、マーカー26aとマーカー26c(図11には示されていないが、メダル回収装置17cの外端部に設けられているマーカー)とを通る線をy軸とした直交座標系を設定し、各メダルM10〜M13の座標(xn,yn)を求める。そして、この処理において得られた座標(xn,yn)から図11(b)に示す極座標系に変換した座標(rn,θn)を求める処理を行う。図11(b)に示すように、極座標系は、原点マーカー27を原点とし、原点からの距離rnと原点マーカー27とマーカー26d(または、ゲームフィールド2の原点位置を示す赤外線LEDによる原点識別手段(原点識別部)25) を通る線からの半時計回り方向の角度をθnとする。したがって、直交座標系で求めた位置座標から、rn=√(x^2+y^2)、θn=arctan(yn/xn)の演算処理により求めることができる。
ゲームフィールド位置検出センサ10により、ゲームフィールド2の原点位置を示す赤外線LEDによる原点識別手段(原点識別部)25が原点マーカー27に対する位置(角度)を検出し、角度θnを求めることもできる。さらに、ゲームフィールド2が角速度ω[ラジアン/秒]で半時計回り方向に回転している場合、上式で求められるθnを時間t[秒]に同期させてθn=ωtからメダルM10〜M13の位置座標(rn,θn)を求めることもできる。
図12は、本発明に係るゲーム装置1において適用し得るゲームの具体例を示す図である。本発明に係るゲーム装置1においては様々なゲームを行うことが可能であるが、そのうちのいくつかの具体例について、図12を参照して簡単に説明する。
図12(a)は、的当てゲームの一例を示す図である。図示のように、ゲームフィールド2上にプロジェクタ3によって投影された、得点表示が付された的(図示の例では、5点と10点の的)を狙ってメダルを投入し、メダルが的に的中したときに演出画像を表示するとともに、賞としてのメダルが払い出されるものである。
図12(b)は、複数のメダルによって的を囲い込むゲームの一例を示す図である。図示のように、得点表示が付された的(図示の例では、10点の的)を3枚以上のメダルを結ぶ線で囲い込むことに成功したときに、賞としてのメダルが払い出されるものである。
図12(c)は、複数のメダルで足場を作り、ゲームフィールド2にプロジェクタ3により投影されるキャラクタ映像を目的地へ導くゲーム一例を示す図である。図示の例では、川の一方の岸にいるキャラクタを、投入したメダル(図中の黒丸)で足場を作りながら対岸へ導くように構成したゲームである。
図12(d)は、ゲームフィールド2にプロジェクタ3から投影されるゲームフィールド2上の上方から下方へ流下する映像のパチンコ玉(図中の白丸)を、ゲームフィールド2上に投入したメダル(図中の黒丸)を釘に見立てて、ゲームフィールド2の下方に表示されたいずれかの得点領域に導くように構成したゲームである。
図12(e)は、おはじき、あるいは、ビリヤードを模したゲーム性を備えたゲームの一例を示す図である。図示のように、ゲームフィールド2に投入されたメダル(図中の黒丸)が手玉(図中の白丸)に的中すると、プロジェクタ3の映像による手玉がメダルによって弾かれ、その手玉が映像による別のボール(図中9番で表示)を所定の方向に弾き飛ばして、その最終的な位置によりゲーム結果が判定されるものである。
図12(f)は、いわゆるスクラッチゲームを模したゲーム性を備えたゲームの一例を示す図である。ゲームフィールド2には、原画の映像をスクリーン映像で覆った映像がプロジェクタ3から投影され、メダルがゲーム装置1内に投入されると、投入されたメダルの軌跡の近傍のスクリーン映像が削り取られて原画の一部が表示されるように構成されている。そして、例えば、原画の80%が表示されるようにスクリーン映像が削り取られたとき、あるいは、削り取られた後に表示される原画の正体を遊戯者が認識したときに、それまでに使用されたメダルの数量に応じたメダルが賞として払い出されるように構成されたものである。
図12(g)は、いわゆるシューティング(射的)ゲームを模したゲームの一例を示す。ゲームフィールド2上を飛行、あるいは、航行中の飛行物体や戦艦等を、ゲーム装置1に投入したメダルの軌跡によって射抜くゲーム性を有するものである。メダルの投入により標的物の撃墜が判定されると、当該標的物毎に設定されたメダルが賞として払い出されるものである。
図12(h)は、メダルの投入された位置を爆弾の爆発位置とみなして爆風が炸裂する映像を、プロジェクタ3によりゲームフィールド2上に表示するように構成したゲームの一例を示す。
図12(i)は、複数のメダル(図中の黒丸)を繋げて所定の図形、例えば、星座の形を象ることにより賞としてのメダルを払い出すように構成したゲームの一例を示す図である。例えば、設問として1つの星座または複数の星座が出題され、その完成の難易度に応じて賞メダルを払い出すようにしたものである。
図12(j)は、従来の、いわゆるプッシャーゲームの機構を組み合わせた例を示す図である。従来のプッシャーゲーム装置の構成に加えて、実際のメダル以外の映像表示による景品等を取り混ぜてゲーム性を高めたものである。
上記した各種ゲームは本発明に係るゲーム装置1において適用可能なゲームの例を示すものであり、本発明の適用範囲を何ら限定するものではない。
以上説明したように本発明によれば、精度の高いメダルの投入位置データを迅速に得ることが可能となり、ゲーム結果の判定が迅速に実行されるので、当たり演出等も画像演出を取り混ぜたタイムリーで興趣の高いゲーム装置を提供することができる。