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JP2011003850A - 半導体記憶装置 - Google Patents

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JP2011003850A
JP2011003850A JP2009147856A JP2009147856A JP2011003850A JP 2011003850 A JP2011003850 A JP 2011003850A JP 2009147856 A JP2009147856 A JP 2009147856A JP 2009147856 A JP2009147856 A JP 2009147856A JP 2011003850 A JP2011003850 A JP 2011003850A
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Toshiaki Edahiro
俊昭 枝広
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Abstract

【課題】動作安定性を向上出来る半導体記憶装置を提供すること。
【解決手段】データ保持可能なメモリセルMTが配置されたメモリセルアレイ2と、前記メモリセルMTのゲートに接続されたワード線WLと、前記メモリセルMTのドレインに電気的に接続されたビット線BLと、前記メモリセルMTのソースに電気的に接続されたソース線SLと、前記ワード線WLを選択するロウデコーダ4と、読み出し動作時において、前記ビット線BLに読み出されたデータをセンス・増幅するセンスアンプ3と、前記メモリセルMTが形成されたウェル領域22と、前記ソース線SLとの間を接続可能な第1MOSトランジスタ15とを具備し、前記第1MOSトランジスタ15は、前記ロウデコーダ4または前記センスアンプ3と、前記メモリセルアレイ2との間に配置される。
【選択図】図3

Description

この発明は、半導体記憶装置に関する。
従来、不揮発性の半導体メモリとしてNAND型フラッシュメモリが知られている。NAND型フラッシュメモリでは、データの読み出し時やベリファイ時には、メモリセルのソースと、メモリセルが形成されたウェル領域とに、所定の電位を与える必要がある。これらの電位を与えるための金属配線層の配置方法には、種々の提案がなされている(例えば、特許文献1参照)。これらの配線は、配線抵抗が小さくなるよう配置することが望ましく、金属配線層の長さが長くなると、配線抵抗の影響が無視出来ない程度に大きくなり、誤読み出しや誤書き込みの原因となる、という問題があった。
また、データの読み出し時においては、MOSトランジスタによってソース線に一定の電位を与える必要がある。この際、このMOSトランジスタのゲート・ソース間電圧が閾値近傍の値であると、MOSトランジスタの動作が不安定となり、読み出し精度が低下するという問題があった。
特開2009−033099号公報
この発明は、動作安定性を向上出来る半導体記憶装置を提供する。
この発明の一態様に係る半導体記憶装置は、データ保持可能なメモリセルと、複数の前記メモリセルが配置されたメモリセルアレイと、前記メモリセルのゲートに接続されたワード線と、前記メモリセルのドレインに電気的に接続されたビット線と、前記メモリセルのソースに電気的に接続されたソース線と、前記ワード線を選択するロウデコーダと、読み出し動作時において、前記ビット線に読み出されたデータをセンス・増幅するセンスアンプと、前記メモリセルが形成されたウェル領域と、前記ソース線との間を接続可能な第1MOSトランジスタとを具備し、前記第1MOSトランジスタは、前記ロウデコーダまたは前記センスアンプと、前記メモリセルアレイとの間に配置される。
本発明によれば、動作安定性を向上出来る半導体記憶装置を提供出来る。
この発明の第1実施形態に係るフラッシュメモリのブロック図。 この発明の第1実施形態に係るメモリセルの閾値分布を示すグラフ。 この発明の第1実施形態に係るフラッシュメモリのブロック図。 この発明の第1実施形態に係るメモリセルアレイの平面図。 図4におけるY1−Y1’線に沿った断面図。 この発明の第1実施形態に係るウェルドライバ及びショート回路の平面図。 この発明の第1実施形態に係るウェルドライバ及びショート回路の平面図。 この発明の第1実施形態に係るウェルドライバ及びショート回路の平面図。 図6におけるY2−Y2’線に沿った断面図。 図6におけるY3−Y3’線に沿った断面図。 図6におけるX1−X1’線に沿った断面図。 この発明の第1実施形態に係るNANDストリングの回路図。 この発明の第1実施形態に係るNANDストリングの断面図。 この発明の第1実施形態に係る読み出し電圧のグラフ。 この発明の第1実施形態に係るNANDストリングの回路図。 この発明の第2実施形態に係るソース線ドライバの回路図。 この発明の第2実施形態に係るフラッシュメモリのブロック図。 この発明の第2実施形態に係る読み出し動作のフローチャート。 MOSトランジスタの動作特性を示すグラフ。 この発明の第2実施形態に係るソース線ドライバの特性を示すグラフ。 この発明の第1、第2実施形態の変形例に係るフラッシュメモリのブロック図。 この発明の第1、第2実施形態の変形例に係るフラッシュメモリのブロック図。 この発明の第1、第2実施形態に係るセンスアンプの回路図。
以下、この発明の実施形態につき図面を参照して説明する。この説明に際し、全図にわたり、共通する部分には共通する参照符号を付す。
[第1の実施形態]
この発明の第1の実施形態に係る半導体記憶装置について、NAND型フラッシュメモリを例に挙げて説明する。
<NAND型フラッシュメモリの構成例について>
図1は、この発明の第1の実施形態に係るNAND型フラッシュメモリのブロック図である。図示するようにNAND型フラッシュメモリ1は、メモリセルアレイ2、センスアンプ3、ロウデコーダ4、MOSトランジスタ5、ソース線ドライバ6、ウェルドライバ7、ショート回路8、入出力パッド群9、及び制御回路10を備えている。
まずメモリセルアレイ2について説明する。メモリセルアレイ2は、複数((N+1)個、Nは1以上の自然数)のメモリブロックBLK0〜BLKNを備えている。以下、メモリブロックBLK0〜BLKNを区別しない場合には、単にメモリブロックBLKと呼ぶことにする。なお、メモリブロックBLKが1個だけ設けられる場合であっても良い。メモリブロックBLKの各々は、(m+1)個((m+1)は1以上の自然数)のNANDストリング11を備えている。
NANDストリング11の各々は、(n+1)個((n+1)は2以上の自然数であり、例えば8個、16個、32個、64個等、限定されない)のメモリセルトランジスタMTと、選択トランジスタST1、ST2とを含んでいる。メモリセルトランジスタMTは、半導体基板上にゲート絶縁膜を介在して形成された電荷蓄積層(例えば浮遊ゲート)と、電荷蓄積層上にゲート間絶縁膜を介在して形成された制御ゲートとを有する積層ゲート構造を備えている。メモリセルトランジスタMTは、隣接するもの同士でソース、ドレインを共有している。そして、選択トランジスタST1、ST2間に、その電流経路が直列接続されるようにして配置されている。直列接続されたメモリセルトランジスタMTの一端側のドレインは選択トランジスタST1のソースに接続され、他端側のソースは選択トランジスタST2のドレインに接続されている。
メモリブロックBLKの各々において、同一行にあるメモリセルトランジスタMTの制御ゲートはワード線WL0〜WLnのいずれかに共通接続され、同一行にあるメモリセルの選択トランジスタST1、ST2のゲートは、それぞれセレクトゲート線SGD、SGSに共通接続されている。なお説明の簡単化のため、以下ではワード線WL0〜WLnを、単にワード線WLと呼ぶことがある。選択トランジスタST2のソースはソース線SLに共通接続される。
上記構成のメモリセルアレイ2において、同一列にあるNANDストリング11における選択トランジスタST1のドレインは、同一のビット線BL0〜BLmに共通に接続されている。ビット線BL0〜BLmについても、単にビット線BLと呼ぶことがある。すなわちビット線BLは、複数のメモリブロックBLK間で、NANDストリング11を共通接続する。他方、ワード線WL及びセレクトゲート線SGD、SGSは、同一のメモリブロックBLK内において、NANDストリング11を共通接続する。また、メモリセルアレイ2に含まれるNANDストリング11は、同一のソース線SLに共通接続されている。
また、同一のワード線WLに接続された複数のメモリセルトランジスタMTには一括してデータが書き込まれ、また読み出される。この単位をページと呼ぶ。更に、同一のメモリブロックBLK内におけるNANDストリング11は一括してデータが消去される。すなわち、メモリブロックBLKが消去単位となる。
図2は、上記メモリセルトランジスタMTの閾値分布を示すグラフである。図2において横軸は閾値電圧Vthを示し、縦軸はメモリセルトランジスタMTの存在確率を示す。
図示するように、各々のメモリセルトランジスタMTは4値(4-levels)のデータ(2ビットデータ)を保持出来る。すなわちメモリセルトランジスタMTは、閾値電圧Vthの低い順に消去レベル(“Er”)、Aレベル、Bレベル、及びCレベルの4つの状態(4種のデータ)を取り得る。消去レベルの閾値電圧VthEは、VthE<VEAである。Aレベルの閾値電圧VthAは、VEA<VthA<VABである。Bレベルの閾値電圧VthBは、VAB<VthB<VBCである。Cレベルの閾値電圧VthCは、VBC<VthCである。そして、例えば電圧VABが0Vである。しかし、VBCが0Vであっても良い。またメモリセルトランジスタMTが保持可能なデータは、上記4値に限らない。例えば2値(1ビットデータ)、8値(3ビットデータ)、または16値(4ビットデータ)などであっても良い。
図1に戻ってフラッシュメモリ1の構成についての説明を続ける。センスアンプ3は、データの読み出し時には、メモリセルトランジスタMTからビット線BLに読み出されたデータをセンスして増幅する。この際センスアンプ3は、ビット線BLに流れる電流をセンスすることにより、全ビット線BLにつき一括してデータを判別する。なお電流の代わりに、電圧をセンスしても良い。またデータの書き込み時には、ビット線BLに書き込みデータを転送する。
ロウデコーダ4は、データの書き込み動作時、読み出し動作時、及び消去時において、外部から与えられるロウアドレスRAに基づいて、いずれかのメモリブロックBLKに接続されたセレクトゲート線SGD、SGS、及びワード線WLを選択して、電圧を印加する。
ソース線ドライバ6は、ソース線SLに電圧を与える。ソース線ドライバ6は、nチャネルMOSトランジスタ12及びオペアンプ13を備えている。オペアンプ13は、ソース線SLの電位を、例えば制御回路10から与えられる基準電圧VREFと比較する。そして比較結果を信号SRCVSSとして出力する。MOSトランジスタ12は、ソースが接地され、ドレインがソース線SLに接続され、ゲートに信号SRCVSSが与えられる。MOSトランジスタ12は、例えばメモリセルトランジスタMTよりもゲート絶縁膜の膜厚が大きい高耐圧型のトランジスタである。
本構成において、ソース線SLの電位がVREFを超えるとMOSトランジスタ12がオン状態とされる。これにより、ソース線SLの電位はほぼVREFに維持される。VREFの値は、例えば制御回路10によって種々設定可能であり、0Vやまたは正の電位である。
ウェルドライバ7は、メモリセルトランジスタMTが形成されるウェル領域に電圧を与える。ウェルドライバ7は、nチャネルMOSトランジスタ14を備えている。MOSトランジスタ14は、ソースが接地され、ドレインがウェル領域に接続され、ゲートに信号WELVSSが入力される。信号WELVSSは、例えば制御回路10によって与えられる。MOSトランジスタ14もMOSトランジスタ12と同様、高耐圧型のトランジスタである。そして、MOSトランジスタ14がオン状態とされることにより、ウェル領域に0Vが与えられる。なお、例えばMOSトランジスタ14の数は、MOSトランジスタ15の数よりも少なくされる。
ショート回路8は、ソース線SLと上記ウェル領域とをショートする。ショート回路8は、nチャネルMOSトランジスタ15を備えている。MOSトランジスタ15の電流経路の一端はソース線SLに接続され、他端はウェル領域に接続され、ゲートに信号SRCWELが入力される。信号SRCWELは、例えば制御回路10によって与えられる。MOSトランジスタ15も高耐圧型のトランジスタである。そして、MOSトランジスタ15がオン状態とされることにより、ソース線SLとウェル領域とがショートされる。
MOSトランジスタ5の各々は、センスアンプ3とビット線BLとを接続する。すなわち、MOSトランジスタ5の電流経路の一端はセンスアンプ3に接続され、他端はビット線(BL)に接続され、ゲートに信号BLSが入力される。信号BLSは、例えば制御回路10によって与えられる。MOSトランジスタ5も高耐圧型のトランジスタである。
入出力パッド群は、図示せぬ複数のパッドを有する。パッドの各々には、外部から電源電圧VccやVSS(0V)等が与えられ、これらのパッドを介してフラッシュメモリ1に外部から電圧が供給される。
制御回路10は、フラッシュメモリ1全体の動作の制御を司る。すなわち、データの読み出し、書き込み、及び消去を実行するために必要な処理を行い、また種々の信号を各回路へ転送する。
<NAND型フラッシュメモリの平面配置について>
次に、上記構成のNAND型フラッシュメモリの、特にメモリセルアレイ2、センスアンプ3、ロウデコーダ4、ソース線ドライバ6、ウェルドライバ7、ショート回路8、及び入出力パッド群9の平面配置について、図3を用いて説明する。図3は、上記回路の配置を示すブロック図である。なお、ソース線ドライバ5についてはMOSトランジスタ12のみを示す。
図示するように、センスアンプ3は、半導体基板面内の第2方向に沿って、且つメモリセルアレイ2を挟むようにして配置される。図1を記載した紙面内における上側をセンスアンプ3−1と呼び、下側をセンスアンプ3−2と呼ぶ。センスアンプ3−1と3−2は、第2方向に直交する第1方向でメモリセルアレイ2を挟むようにして配置される。例えば、センスアンプ3−1は偶数ビット線BL0、BL2、BL4、…に対応して設けられ、センスアンプ3−2は奇数ビット線BL1、BL3、BL5、…に対応して設けられる。但し、センスアンプ3−1、3−2を区別しない場合には、一括してセンスアンプ3と呼ぶ。
またロウデコーダ4は、第1方向に沿って、且つメモリセルアレイ2を挟むようにして配置される。図1を記載した紙面内における左側をロウデコーダ4−1と呼び、右側をロウデコーダ4−2と呼ぶ。ロウデコーダ4−1と4−2は、第2方向でメモリセルアレイ2を挟むようにして配置される。なお、ロウデコーダ4−1、4−2を区別しない場合には、一括してロウデコーダ4と呼ぶ。
入出力パッド群9は、第2方向に沿って設けられ、メモリセルアレイ2と共にセンスアンプ3−2を第1方向で挟むようにして配置される。すなわち入出力パッド群9は、センスアンプ3−1、3−2のうち、センスアンプ3−1よりもセンスアンプ3−2に近接して配置される。そして入出力パッド群9内において、複数の入出力パッド16が、第2方向に沿って配置されている。
制御回路10は、メモリセルアレイ2の四隅に隣接するようにして配置される。図中において、四隅に配置された各制御回路を、制御回路10−1〜10−4と呼ぶ。制御回路10−1は、センスアンプ3−1とロウデコーダ4−1とに隣接して配置される。制御回路10−2は、センスアンプ3−1とロウデコーダ4−2とに隣接して配置される。制御回路10−3は、センスアンプ3−2とロウデコーダ4−1とに隣接して配置される。制御回路10−4は、センスアンプ3−2とロウデコーダ4−2とに隣接して配置される。なお、制御回路10−1〜10−4も区別しない場合には、一括して制御回路10と呼ぶ。
ソース線ドライバ6は、メモリセルアレイ2とセンスアンプ3−2との間の領域に配置される。より具体的には、ソース線ドライバ6のMOSトランジスタ12が、メモリセルアレイ2とセンスアンプ3−2との間に配置される。そしてMOSトランジスタ12のゲートは制御回路10−3まで引き出され、制御回路10−3内部に配置されたオペアンプ13から信号SRCVSSが与えられる。
ウェルドライバ7は、メモリセルアレイ2とセンスアンプ3−1との間の領域に配置される。より具体的には、ウェルドライバ7のMOSトランジスタ14が、メモリセルアレイ2とセンスアンプ3−1との間に配置される。そしてMOSトランジスタ14のゲートは制御回路10−1まで引き出され、制御回路10−1によって信号WELVSSが与えられる。
ショート回路8も、メモリセルアレイ2とセンスアンプ3−1との間の領域に配置される。より具体的には、ショート回路8のMOSトランジスタ15が、メモリセルアレイ2とセンスアンプ3−1との間に配置される。そしてMOSトランジスタ15のゲートは制御回路10−1まで引き出され、制御回路10−1によって信号SRCWELが与えられる。
以上の構成において、メモリセルアレイ2上には、ソース線SL、メモリセルトランジスタMTが形成されたp型ウェル領域に接続されたウェル線WEL_L、及び電圧VSSを伝送する電源線VSS_Lが、第1方向に沿ったストライプ形状に形成されている。これらの配線は、メモリセルアレイ2とセンスアンプ3−1との間の領域、及びメモリセルアレイ2とセンスアンプ3−2との間の領域まで引き出されている。そして、引き出された領域内において、MOSトランジスタ12はソース線SL及び電源線VSS_Lに接続され、MOSトランジスタ14はウェル線WEL_L及び電源線VSS_Lに接続され、MOSトランジスタ15はソース線SL及びウェル線WEL_Lに接続される。なお、図示の都合上、図3では各配線を重ねて記載しているが、各配線がどのレベルに配置され、どのように交差するかは、図3に限定されるものでは無い。
<メモリセルアレイ2の平面及び断面構造について>
次に上記構成のメモリセルアレイ2の平面及び断面構成について説明する。まず、図4を用いて平面構成について説明する。図4は、メモリセルアレイ10の一部領域の平面図である。
図示するように、半導体基板20中には第1方向に沿ったストライプ形状の素子領域AAが、第2方向に沿って複数設けられている。隣接する素子領域AA間には素子分離領域STIが形成され、この素子分離領域STIによって素子領域AAは電気的に分離されている。半導体基板20上には、複数の素子領域AAを跨ぐようにして、第2方向に沿ったストライプ形状のワード線WL及びセレクトゲート線SGD、SGSが形成されている。ワード線WLと素子領域AAとが交差する領域には、浮遊ゲートFGが設けられている。そして、ワード線WLと素子領域AAとが交差する領域にはメモリセルトランジスタMTが設けられ、セレクトゲート線SGD、SGSと素子領域AAとが交差する領域には、それぞれ選択トランジスタST1、ST2が設けられている。第1方向で隣接するワード線WL間、セレクトゲート線間、及びワード線とセレクトゲート線との間の素子領域AA中には、メモリセルトランジスタMT及び選択トランジスタST1、ST2のソース領域またはドレイン領域となる不純物拡散層が形成されている。
第1方向で隣接するセレクトゲート線SGD間の素子領域AAに形成される不純物拡散層は、選択トランジスタST1のドレイン領域として機能する。そしてこのドレイン領域上にはコンタクトプラグCP1が形成される。コンタクトプラグCP1は、第1方向に沿って設けられたストライプ形状のビット線BL(図示せず)に接続される。また、第1方向で隣接するセレクトゲート線SGS間の素子領域AAに形成される不純物拡散層は、選択トランジスタST2のソース領域として機能する。そしてこのソース領域上にはコンタクトプラグCP2が形成される。コンタクトプラグCP2は、図示せぬソース線に接続される。
次に上記構成のメモリセルアレイ2の断面構成について、図5を用いて説明する。図5は、NANDストリング11のビット線方向(第1方向)に沿った断面図であり、図4におけるY1−Y1’線に沿った断面図である。
図示するように、p型半導体基板20の表面領域内にn型ウェル領域21が形成され、n型ウェル領域21の表面領域内にp型ウェル領域22が形成されている。p型ウェル領域22上にはゲート絶縁膜23が形成され、ゲート絶縁膜23上に、メモリセルトランジスタMT及び選択トランジスタST1、ST2のゲート電極が形成されている。メモリセルトランジスタMT及び選択トランジスタST1、ST2のゲート電極は、ゲート絶縁膜23上に形成された多結晶シリコン層24、多結晶シリコン層24上に形成されたゲート間絶縁膜25、及びゲート間絶縁膜25上に形成された多結晶シリコン層26を有している。ゲート間絶縁膜25は、例えばシリコン酸化膜、またはシリコン酸化膜とシリコン窒化膜との積層構造であるON膜、NO膜、またはONO膜、またはそれらを含む積層構造、またはTiO、HfO、Al、HfAlO、HfAlSi膜とシリコン酸化膜またはシリコン窒化膜との積層構造で形成される。またゲート絶縁膜23はトンネル絶縁膜として機能するものである。
メモリセルトランジスタMTにおいては、多結晶シリコン層24は浮遊ゲート(FG)として機能する。他方、多結晶シリコン層26は、ビット線に直交する方向で隣接するもの同士で共通接続されており、制御ゲート電極(ワード線WL)として機能する。選択トランジスタST1、ST2においては、多結晶シリコン層24、26はワード線方向で隣接するもの同士で共通接続されている。そして、多結晶シリコン層24、26が、セレクトゲート線SGS、SGDとして機能する。なお、多結晶シリコン層24のみがセレクトゲート線として機能しても良い。この場合、選択トランジスタST1、ST2の多結晶シリコン層26の電位は、一定の電位、またはフローティングの状態とされる。ゲート電極間に位置する半導体基板20表面内には、n型不純物拡散層27が形成されている。不純物拡散層27は隣接するトランジスタ同士で共用されており、ソース(S)またはドレイン(D)として機能する。また、隣接するソースとドレインとの間の領域は、電子の移動領域となるチャネル領域として機能する。これらのゲート電極、不純物拡散層27、及びチャネル領域によって、メモリセルトランジスタMT及び選択トランジスタST1、ST2となるMOSトランジスタが形成されている。
半導体基板20上には、上記メモリセルトランジスタMT及び選択トランジスタST1、ST2を被覆するようにして、層間絶縁膜28が形成されている。層間絶縁膜28中には、ソース側の選択トランジスタST2の不純物拡散層(ソース)27に達するコンタクトプラグCP2が形成されている。そして層間絶縁膜28上には、コンタクトプラグCP2に接続される金属配線層29が形成されている。金属配線層29はソース線SLの一部として機能する。また層間絶縁膜28中には、ドレイン側の選択トランジスタST1の不純物拡散層(ドレイン)27に達するコンタクトプラグCP3が形成されている。そして層間絶縁膜28上に、コンタクトプラグCP3に接続される金属配線層30が形成されている。
層間絶縁膜28上には、金属配線層29、30を被覆するようにして、層間絶縁膜31が形成されている。そして層間絶縁膜31中に、金属配線層30に達するコンタクトプラグCP4が形成されている。そして、層間絶縁膜31上には、複数のコンタクトプラグCP4に共通に接続された金属配線層32が形成されている。金属配線層32はビット線BLとして機能する。また、コンタクトプラグCP3、CP4及び金属配線層30が、図4におけるコンタクトプラグCP1に相当する。
層間絶縁膜31上には、金属配線層32を被覆するようにして、層間絶縁膜33が形成されている。そして層間絶縁膜33上に、メモリセルアレイ2の上部を被覆する金属配線層34が形成されている。金属配線層34は、例えば図3で説明したソース線SLとして機能し、図示せぬ領域にて、金属配線層29と接続されている。
なお、メモリセルアレイ2においていくつかの素子領域AAは、シャント領域となる。シャント領域においても、図5に示すNANDストリング11と同様の構成が設けられる。しかし、シャント領域における構造は、データを保持するためのものでは無く、ダミーである。そしてシャント領域内では、ウェル領域22とのコンタクトや、金属配線層29、34のコンタクト等が図られる。
例えばあるシャント領域では、図5の構造において不純物拡散層27が除去され、コンタクトプラグCP3がウェル領域22に接している。そして、金属配線層32がビット線BLでは無くウェル線WEL_Lとして機能する。別のシャント領域では、コンタクトプラグCP1が排され、金属配線層32は電圧VSSを伝送する電源線VSS_Lとして機能する。更に別のシャント領域では、コンタクトプラグCP1が排され、金属配線層32を介して金属配線層29と34とが接続される。
また、第3層目の金属配線層34も、メモリセルアレイ2上のある領域ではソース線SLとして機能し、シャント領域において金属配線層29と接続される。別の領域では、金属配線層34はウェル線WEL_Lとして機能し、シャント領域において金属配線層32及びコンタクトプラグCP1を介してウェル領域22に接続される。また別の領域では、金属配線層34は電源線VSS_Lとして機能する。
<ウェルドライバ7及びショート回路8の平面及び断面構造について>
次に、ウェルドライバ7及びショート回路8の平面及び断面構造について説明する。まず平面構造について図6乃至図8を用いて説明する。図6は、図3におけるセンスアンプ3−1とメモリセルアレイ2との間の一部領域の平面図である。図7及び図8は、多層配線の理解の助けのために図6と同じ領域を示しており、図7は素子領域及びゲート電極と、その上に設けられる第2層目の金属配線層の平面パターンを示し、図8は第2層目の上層に設けられる第3層目の金属配線層の平面パターンを示している。なお、図7及び図8において、斜線を付した領域が、それぞれ第2、第3層目の金属配線層である。また、図面の簡略化のために、第2層目の金属配線層の下層にある第1層目の金属配線層については、図示を省略している。
まず、半導体基板20上の構成について、図6及び図7を参照して説明する。図示するように、半導体基板20中には素子領域AA1、AA2が設けられている。素子領域AA1、AA2は、第2方向に沿って配列されている。各素子領域間の領域には素子分離領域STI(図示せず)が形成され、素子領域間を電気的に分離している。なお、図中では素子領域AA1が1個、素子領域AA2が2個、設けられる場合を示しているが、勿論、この数に限られるものでは無い。
素子領域AA1上には、第2方向に沿ったストライプ形状のゲート電極40が形成され、また図示せぬ不純物拡散層が形成されている。そしてこれらによって、ウェルドライバ7のMOSトランジスタ14が形成されている。
素子領域AA2上には、第2方向に沿ったストライプ形状のゲート電極41が形成され、また図示せぬ不純物拡散層が形成されている。そしてこれらによって、ショート回路8のMOSトランジスタ15が形成されている。
次に、第2層目の金属配線層について、引き続き図6及び図7を参照して説明する。素子領域AA1上には、第2方向に沿ったストライプ形状の、第2層目の金属配線層42、43が設けられている。金属配線層42はウェル領域22に電気的に接続され、ウェル線WEL_Lとして機能する。金属配線層42は、コンタクトプラグCP5によって、MOSトランジスタ14のドレインに接続されている。また金属配線層43にはVSSが与えられ、電源線VSS_Lとして機能する。金属配線層43は、コンタクトプラグCP6によって、MOSトランジスタ14のソースに接続されている。
上記金属配線層42は、素子領域AA2上まで延びている。また素子領域AA2上には、第2方向に沿ったストライプ形状の、第2層目の金属配線層44が設けられており、素子領域AA1上のゲート電極40上をも通過する。金属配線層44は金属配線層29(図5参照)に電気的に接続され、ソース線SLとして機能する。金属配線層44は、コンタクトプラグCP8によって、MOSトランジスタ15の電流経路の一端となる不純物拡散層に接続されている。また金属配線層42は、コンタクトプラグCP7によって、MOSトランジスタ15の電流経路の他端となる不純物拡散層に接続されている。
メモリセルアレイ2内の第2層目の金属配線層32は、メモリセルアレイ2とセンスアンプ3−1との境界部分にまで引き出されている。前述のように、金属配線層32はビット線BL、ウェル線WEL_L、または電源線VSS_Lとして機能するものである(一部はソース線SLとして機能しても良い)。また、センスアンプ3−1からは、第2層目の金属配線層45、46が、当該領域まで引き出されている。金属配線層32と45は、対応するもの同士が、図示せぬ第1層目の金属配線層によって接続されている。すなわち、金属配線層45も、ビット線BL、ウェル線WEL_L、または電源線VSS_Lとして機能する。金属配線層46は、例えば電源線VSS_Lや、その他の必要な信号の伝送線として機能する。
次に、第3層目の金属配線層について、図6及び図8を参照して説明する。図示するように、メモリセルアレイ2内の第3層目の金属配線層34も、メモリセルアレイ2とセンスアンプ3−1との境界部分にまで引き出されている。
ソース線SL、ウェル線WEL_L、及び電源線VSS_Lとして機能する金属配線層34は、MOSトランジスタ14、15の上面を被覆するように設けられている。ソース線SLとして機能する金属配線層34は、コンタクトプラグCP14によって、第2層目の金属配線層44と接続されている。ウェル線WEL_Lとして機能する金属配線層34は、コンタクトプラグCP9によって、第2層目の金属配線層42と接続されている。電源線VSS_Lとして機能する金属配線層34は、コンタクトプラグCP10によって、第2層目の金属配線層43と接続されている。この金属配線層34は、コンタクトプラグCP13によって、電源線VSS_Lとして機能する金属配線層46とも接続されている。また金属配線層43は、コンタクトプラグCP11、第3層目の金属配線層47、及びコンタクトプラグCP12を介して、電源線VSS_Lとして機能する金属配線層46とも接続されている。
更に、第2方向に沿ったストライプ形状の、第3層目の金属配線層48〜50が設けられている。これらの金属配線層48〜50はそれぞれ、信号BLS、WELVSS、SRCWELの伝送線として機能する。
なお、図6乃至図8の例では、MOSトランジスタ14、15は、メモリセルアレイ2寄りの不純物拡散層にウェル線WEL_Lが接続され、センスアンプ3−1寄りの不純物拡散層に電源線VSS_Lまたはソース線SLが接続されている。しかし、この例に限定されるものでは無い。
次に、上記構成のウェルドライバ7及びショート回路8の断面構造について、図9乃至図11を用いて説明する。図9乃至図11はそれぞれ、図6におけるY2−Y2’線、Y3−Y3’線、及びX1−X1’線に沿った断面図である。
図示するように、半導体基板20中には素子領域AA1、AA2が形成され、その周囲を素子分離領域STIが取り囲んでいる。素子領域AA2の表面内には、MOSトランジスタ15のそれぞれ電流経路の一端及び他端となる不純物拡散層51、52が、互いに離隔して形成されている。不純物拡散層51、52間の半導体基板20上には、ゲート絶縁膜53を介在して、ゲート電極41が形成されている。ゲート電極41は、例えば多結晶シリコン層54、55が順次積層された構造を有している。この多結晶シリコン層54、55は、メモリセルトランジスタMT及び選択トランジスタST1、ST2の多結晶シリコン層24、26と同時に形成され得る。またゲート電極41は、2つの素子領域AA2を跨ぐようにして形成されている。より具体的には、多結晶シリコン層54は、各素子領域AA2上に形成され、多結晶シリコン層55が第2方向においてこの2つの多結晶シリコン層54を取り囲むようにして形成される。
また、素子領域AA1の表面内には、MOSトランジスタ14のそれぞれソース及びドレインとなる不純物拡散層58、59が、互いに離隔して形成されている。不純物拡散層58、59間の半導体基板20上には、ゲート絶縁膜60を介在して、ゲート電極40が形成されている。ゲート電極40は、例えば多結晶シリコン層61、62が順次積層された構造を有している。この多結晶シリコン層61、62も、メモリセルトランジスタMT及び選択トランジスタST1、ST2の多結晶シリコン層24、26と同時に形成され得る。また多結晶シリコン層62も、第2方向において多結晶シリコン層61を取り囲むようにして形成される。
そして、上記MOSトランジスタ14、15を被覆するようにして、半導体基板20上に層間絶縁膜28が形成され、層間絶縁膜28中にはコンタクトプラグCP15、CP16、CP19、CP20、CP24、CP25が形成されている。コンタクトプラグCP15、CP16はそれぞれ、不純物拡散層51、52に接続されている。コンタクトプラグCP24は多結晶シリコン層55に接続されている。また、コンタクトプラグCP19、CP20はそれぞれ、不純物拡散層58、59に接続されている。コンタクトプラグCP25は多結晶シリコン層62に接続されている。
層間絶縁膜28上には、第1層目の金属配線層56、57、63〜65が形成されている。金属配線層56、57はそれぞれ、MOSトランジスタ15のコンタクトプラグCP15、CP16に接続される。また金属配線層63、64はそれぞれ、MOSトランジスタ14のコンタクトプラグCP19、CP20に接続される。金属配線層65は、第2方向に沿ったストライプ形状を有し、複数設けられている。金属配線層65は、ビット線BL、電源線VSS_L、ソース線SL、または信号WELVSSまたはSRCWELの伝送線として機能する。ビット線BL、電源線VSS_L、及びソース線SLとして機能する金属配線層65は、図示せぬ領域において、金属配線層32、45に接続される。すなわち、金属配線層65を介して、金属配線層32と45とが電気的に接続される。信号WELVSSまたはSRCWELの伝送線として機能する金属配線層65は、図示せぬ領域において、例えば制御回路10に接続され、そしてコンタクトプラグCP25、CP24にそれぞれ接続される。
上記の金属配線層56、57、63〜65を被覆するようにして、層間絶縁膜28上に層間絶縁膜31が形成されている。層間絶縁膜31中には、コンタクトプラグCP17、CP18、CP21、CP22が形成されている。コンタクトプラグCP17、18はそれぞれ、金属配線層56、57に接続されている。コンタクトプラグCP21、22はそれぞれ、金属配線層63、64に接続されている。
層間絶縁膜31上には、第2層目の金属配線層32、42〜46が形成されている。ソース線SLとして機能する金属配線層44はコンタクトプラグCP17に接続され、電源線VSS_Lとして機能する金属配線層43はコンタクトプラグCP21に接続され、ウェル線WEL_Lとして機能する金属配線層42はコンタクトプラグCP18、CP22に接続される。すなわち、図7におけるコンタクトプラグCP5は、金属配線層64及びコンタクトプラグCP20、CP22に相当する。コンタクトプラグCP6は、金属配線層63及びコンタクトプラグCP19、CP21に相当する。またコンタクトプラグCP7は、金属配線層57及びコンタクトプラグCP16、CP18に相当する。コンタクトプラグCP8は、金属配線層56及びコンタクトプラグCP15、CP17に相当する。
層間絶縁膜31上には、金属配線層32、42〜46を被覆する層間絶縁膜33が形成され、層間絶縁膜33上には、第3層目の金属配線層34、47が形成されている。また層間絶縁膜33中には、コンタクトプラグCP9、CP11、CP12、CP14が形成されている。そして、金属配線層44と、ソース線として機能する金属配線層34とが、コンタクトプラグCP14によって接続される。また金属配線層42と、ウェル線WEL_Lとして機能する金属配線層34とが、コンタクトプラグCP9によって接続される。更に金属配線層47は、コンタクトプラグCP11によって金属配線層43に接続され、またコンタクトプラグCP12を介して金属配線層46に接続される。
<NAND型フラッシュメモリの読み出し動作>
次に、上記構成のNAND型フラッシュメモリにおける、データの読み出し動作について説明する。なお、以下に説明する読み出し動作は、データの書き込み時や消去時に行うベリファイ動作も同様である。
<<各信号線の電圧関係について>>
まず図12を用いて、読み出し動作時における各信号線の電圧関係について説明する。図12は、データの読み出し時におけるNANDストリング11の回路図である。以下では、ワード線WL1に接続されたメモリセルトランジスタMTに対して読み出しが行われる場合を例に説明する。
まず、図示せぬセンスアンプ3が、MOSトランジスタ5の電流経路を介して全ビット線BLをプリチャージする。ソース線ドライバ6はソース線SLに電圧VREFを印加する。VREFは例えば正の電圧である。また、制御回路10は信号SRCWELを“H”レベルとすることで、MOSトランジスタ15をオン状態とする。これによりショート回路8は、ソース線SLとウェル領域22とをショートする。従って、ウェル領域22の電位VPWは、ソース線SLと同じくVREFとなる。
ロウデコーダ4はワード線WL1を選択し、選択ワード線WL1に読み出し電圧VCGRを印加する。更にロウデコーダ4は、非選択ワード線WL0、WL2〜WLnに電圧VREADを印加する。更にロウデコーダ4は、セレクトゲート線SGD、SGSに電圧(VDD+VREF)を印加する。
電圧VREADは、保持するデータに関わらずメモリセルトランジスタMTをオン状態とする電圧である。また電圧VCGRは、読み出し対象となるメモリセルトランジスタに印加される電圧であり、読み出そうとするデータに応じて変化される。セレクトゲート線SGD、SGSに印加される電圧(VDD+VREF)は、選択トランジスタST1、ST2をオン状態とすることの出来る電圧である。
以上の結果、非選択ワード線WL0、WL2〜WLnに接続されたメモリセルトランジスタMTはオン状態となり、チャネルが形成される。また選択トランジスタST1、ST2もオン状態とされる。
そして、選択ワード線WL1に接続されたメモリセルトランジスタMTがオン状態となれば、ビット線BLとソース線SLとが電気的に導通状態となる。すなわち、ビット線BLからソース線SLへ電流が流れる。他方、オフ状態であれば、ビット線BLとソース線SLとは電気的に非導通状態となる。すなわち、ビット線BLからソース線SLへは電流は流れない。以上の動作により、全ビット線につき一括してデータが読み出される。
<<メモリセルトランジスタの電圧関係について>>
次に、メモリセルトランジスタMTの電圧関係について、以下“Er”レベルのデータを読み出す場合を例に挙げて、図13を用いて説明する。図13は、NANDストリング11の一部領域の断面図である。
図示するように、ソース線SL及びウェル領域22には電圧VREFが印加されている。またセレクトゲート線SGSには電圧(VDD+VREF)が印加され、ワード線WL0には電圧VREADが印加される。従って、選択トランジスタST2及びメモリセルトランジスタMT0にはチャネル66が形成される。選択トランジスタST1及びメモリセルトランジスタMT2〜MTnも同様である。そして、選択ワード線WL1には電圧VCGRが印加される。読み出しレベルが負である場合、電圧VCGRの値は、電圧VREFから読み出しレベルの絶対値を減算した値である。つまり“Er”レベルのデータを読み出す場合、電圧VCGR=VEA’=(VREF−|VEA|)であり(図2参照)、好ましくはゼロ以上の値である。例えば電圧VREF=|VEA|であれば、電圧VCGR=VEA’=0Vとなる。
従って、メモリセルトランジスタMT1においては、ゲート・ソース間電圧VGSとして、電圧VEA(<0V)が印加される。メモリセルトランジスタMT1の保持するデータが“A”レベル以上であれば、メモリセルトランジスタMT1はオフ状態となり、セル電流は流れない。逆に、メモリセルトランジスタMT1がオン状態となれば、当該トランジスタMT1の保持するデータは“Er”レベルであることが分かる。
読み出しレベルがゼロまたは正である場合、電圧VCGRの値は、電圧VREFに読み出しレベルを加算した値となる。つまり“A”レベルを読み出す場合、言い換えれば読み出しデータが“A”レベル以下か“B”レベル以上かを判定する際には、VAB=0Vであるので(図2参照)、電圧VCGR=VAB’=VREFとなる。また“B”レベルを読み出す場合、言い換えれば読み出しデータが“B”レベル以下か“C”レベルかを判定する際には、電圧VCGR=VBC’=(VREF+VBC)となる。
図14は、読み出しレベルと電圧VCGRとの関係を示すグラフである。図示するように、読み出しレベルが負であるデータを読み出す際には、VREFから読み出しレベルの絶対値を減算した値をVCGRとし、正であるデータを読み出す際には、VREFに読み出しレベルを加算した値をVCGRとする。これにより、VCGRを常時0以上の値としつつ、メモリセルトランジスタMTのゲート・ソース間に、読み出しレベルの電圧を印加出来る。
<NAND型フラッシュメモリの書き込み動作>
次に、本実施形態に係るNAND型フラッシュメモリにおける、データの書き込み動作について、簡単に説明する。
図15は、データの書き込み時におけるNANDストリング11の回路図である。以下では、ワード線WL1に接続されたメモリセルトランジスタMTに対して書き込みが行われる場合を例に説明する。
まず、図示せぬセンスアンプ3が、MOSトランジスタ5の電流経路を介して全ビット線BLにデータを転送する。より具体的には、電荷蓄積層に電荷を注入して閾値電圧を上昇させるべきメモリセルトランジスタMT(これを選択メモリセルと呼ぶ)が接続されたビット線BL(これを選択ビット線と呼ぶ)には、書き込み電圧(例えば0V)を印加する。他方、閾値電圧を上昇させるべきでないメモリセルトランジスタMT(これを非選択メモリセルと呼ぶ)が接続されたビット線BL(これを非選択ビット線と呼ぶ)には、書き込み禁止電圧VDD(>0V)を印加する。
ロウデコーダ4はワード線WL1を選択し、選択ワード線WL1にプログラム電圧VPGMを印加する。更にロウデコーダ4は、非選択ワード線WL0、WL2〜WLnに電圧VPASSを印加する。更にロウデコーダ4は、セレクトゲート線SGDに電圧V1を印加し、セレクトゲート線SGSに0Vを印加する。
電圧VPGMは、FN(Fowler-Nordheim)トンネリングにより電荷蓄積層に電荷を注入するための高電圧(例えば20V)である。電圧VREADは、保持するデータに関わらずメモリセルトランジスタMTをオン状態とする電圧である。また電圧V1は、選択トランジスタST1に対して0Vは通過させるがVDDは通過させない電圧である。従って、選択ビット線に接続された選択トランジスタST1はオン状態となるが、非選択ビット線に接続された選択トランジスタST1はオフ状態となる。
以上の結果、選択メモリセルのチャネルは0Vとなり、制御ゲートとチャネルとの間に高い電位差が生じる。そのため、電荷蓄積層に電荷が注入され、閾値電圧が上昇される。他方、非選択メモリセルのチャネルは電気的にフローティングとなり、制御ゲートとのカップリングにより、制御ゲートとほぼ同程度の電位まで上昇する。その結果、電荷蓄積層への電荷の注入が抑制され、閾値電圧は上昇しない。
上記のプログラム動作の後、先に述べたベリファイ動作を行い、所望のデータが書き込まれたか否かを確認する。そして所望のデータが書き込まれるまで、上記プログラム動作及びベリファイ動作が繰り返される。
なお、上記プログラム動作の期間、ウェル領域22の電位VPWは例えば0Vとされ、ソース線SLの電位はある電位V1とされる。電位V1は0Vでも良く、V1=VPWの場合には、ショート回路8のMOSトランジスタ15がオン状態とされても良い。
<効果>
以上のように、この発明の第1の実施形態に係る半導体記憶装置であると、NAND型フラッシュメモリの動作安定性を向上出来る。本効果について、以下詳細に説明する。
NAND型フラッシュメモリのメモリセルにおいては、より広い範囲の閾値領域を使用するために、プログラムセルの閾値として負の閾値領域を使用し得る。NAND型フラッシュメモリでは、一般的に消去状態のメモリセルは負の閾値を有している。消去状態から負の閾値にプログラムする(図2の例において、“Er”レベルから“A”レベルにプログラムする)ためには、2つの方法が考え得る。まず、ワード線に負電圧を印加してベリファイを行う方法である。別の方法は、ワード線に正の電圧を与えつつソース線及びメモリセルのウェル(セルウェルと呼ぶ)に正の電圧を与えることにより、仮想的に負のゲート・ソース間電圧VGSを実現して、負の閾値領域でのベリファイを可能にする方法である。
後者の方法が、上記NAND型フラッシュメモリの読み出し動作において説明した方法である。本方法であると、ソース線とセルウェルとを同電位にするため、両ノードをショートさせる必要がある。しかし、両ノードをショートさせるための配線における電圧降下が大きくなると、ソース線とセルウェルとの間の電位差が大きくなる。その結果、誤書き込み(誤読み出し)が発生し易くなり、NAND型フラッシュメモリの動作安定性が悪化する懸念がある。
例えば、図3に示す構成において、MOSトランジスタ14を制御回路10内に配置するような場合には、ソース線及びセルウェルの配線を制御回路10まで引き出さなければならず、配線における電圧降下は無視出来ないレベルになる。
また、ソース線及びセルウェルの配線は低抵抗であることが望まれる。従って、これらの配線の配線幅は大きくされるのが一般的である。また、これらをショートさせるためのMOSトランジスタは高耐圧であることが求められ、比較的サイズの大きいトランジスタが使用される。この点、制御回路10にはアドレス配線や種々の信号線等、非常に多数の配線が周辺から入り込み、これらは制御回路10からセンスアンプ3やロウデコーダ4に分配される。よって、制御回路10内部は非常に多くの配線が混在しており、この制御回路10内部にソース線及びセルウェルの配線を引き込んで、ショートさせるためのトランジスタを配置することは困難である。また、そのような場合には、制御回路10のレイアウトが圧迫され、NAND型フラッシュメモリの面積が大きくなるという問題もある。
これに対して本実施形態に係る構成であると、ショート回路8(MOSトランジスタ15)を、ウェルドライバ7(MOSトランジスタ14)が設けられる領域に配置している。より具体的には、センスアンプ3−1とメモリセルアレイ2との間に配置している。センスアンプ3−1とメモリセルアレイ2との間に配置することで、メモリセルアレイ2内においてソース線SL及びウェル線WEL_Lとして機能する金属配線層(例えば第2層目の金属配線層等)に、MOSトランジスタ15を直接接続できる。つまり、余計な引き出し配線が不要となる。従って、ソース線SLとウェル線WEL_Lの配線を短くし、配線抵抗を無視出来る程度とすることが出来る。その結果、ソース線SLとセルウェル22との電位差を小さく出来、NAND型フラッシュメモリの動作安定性を向上出来る。
更に、上記構成によれば、制御回路10内にソース線SL及びウェル線WEL_Lを引き込む必要や、高耐圧型のトランジスタ15を配置する必要が無い。そのため、制御回路10内のレイアウトを簡略化し、NAND型フラッシュメモリの面積の増大を抑制出来る。
また本実施形態に係る構成であると、入出力パッド群9に近い領域にソース線ドライバ6(MOSトランジスタ12)を配置し、遠い領域にMOSトランジスタ14、15を配置している。これにより、電源線VSS_Lの抵抗を低く抑えることが出来る。ソース線SLには、ビット線BLから大きなセル電流が流れる。従って、MOSトランジスタ12によってソース線SLに接続される電源線VSS_Lは、電位が上がり易い。しかし、入出力パッド群9の近くにMOSトランジスタ12を配置することで、この電源線VSS_Lを強力に接地することが出来、ソース線ドライバ6の動作性能を向上出来る。
他方、セルウェル22にはセル電流は直接流れ込まない。従って、MOSトランジスタ14を入出力パッド群9から遠い領域に配置したとしても、特に不具合は発生しない。このような配置とすることで、次のような効果も得られる。前述の通り、ウェルドライバ7の接地能力は、ソース線ドライバ6ほどに強力である必要は無い。従って、MOSトランジスタ14の数はMOSトランジスタ12よりも少なくて良い。そこで、MOSトランジスタ14を減らして空き領域となった領域に、MOSトランジスタ15を配置出来る。そのため、MOSトランジスタ12、14、15をより効率的に配置することが可能となり、NAND型フラッシュメモリの面積を縮小出来る。
[第2の実施形態]
次に、この発明の第2の実施形態に係る半導体記憶装置について説明する。本実施形態は、上記第1の実施形態において、ソース線ドライバ6におけるMOSトランジスタ12のゲート幅を可変にしたものである。以下では、第1の実施形態と異なる点についてのみ説明する。
<ソース線ドライバ6について>
図16は、本実施形態に係るソース線ドライバ6の回路図である。図示するようにソース線ドライバ6は、第1の実施形態において図1を用いて説明した構成において、MOSトランジスタ12を2つのMOSトランジスタ12−1、12−2によって構成し、更に新たにMOSトランジスタ70、71を追加したものである。
オペアンプ13は、ソース線SLの電位VSLと基準電圧VREFとを比較する。そして比較結果を信号SRCVSS1として出力する。より具体的には、VSLがVREFを超えると、信号SRCVSS1を“H”レベルとする。
MOSトランジスタ12−1は高耐圧型のnチャネルMOSトランジスタであり、ドレインがソース線SLに接続され、ソースが接地され、ゲートに信号SRCVSS1が入力される。MOSトランジスタ12−2も高耐圧型のnチャネルMOSトランジスタであり、ドレインがソース線SLに接続され、ソースが接地され、ゲートに信号SRCVSS2が入力される。MOSトランジスタ12−1、12−2は、例えば同一サイズのMOSトランジスタである。すなわち、同一のゲート幅を有し、同一の電流駆動力を有する。
MOSトランジスタ70は高耐圧型のnチャネルMOSトランジスタであり、ドレインにオペアンプ13の出力ノード(信号SRCVSS1の出力ノード)が接続され、ゲートに信号ENBが入力される。MOSトランジスタ71も高耐圧型のnチャネルMOSトランジスタであり、ドレインがMOSトランジスタ70のソースに接続され、ソースが接地され、ゲートに信号ENBnが入力される。そして、MOSトランジスタ70のソースとMOSトランジスタ71のドレインとの接続ノードにおける電位が、信号SRCVSS2として出力される。信号ENB、ENBnは、例えば制御回路10によって与えられる。
図17は、本実施形態に係るNAND型フラッシュメモリの、メモリセルアレイ2、センスアンプ3、ロウデコーダ4、ソース線ドライバ6、ウェルドライバ7、及びショート回路8の平面配置を示すブロック図である。
図示するように、ソース線ドライバ6のMOSトランジスタ12−1、12−2は、メモリセルアレイ2とセンスアンプ3−2との間に配置される。そして、それぞれのゲート電極は制御回路10−3まで引き出され、信号SRCVSS1、SRCVSS2が与えられる。なお図17では図示を省略しているが、入出力パッド群9は、MOSトランジスタ14、15よりもMOSトランジスタ12−1、12−2に近接して配置されている。
<制御回路10によるソース線ドライバ6の制御について>
次に、データの読み出し時における、制御回路10によるソース線ドライバ6の制御について、図18を用いて説明する。図18は、データの読み出し時における制御回路10の動作の一部のフローチャートである。
図示するように、制御回路10はソース線SLの電位VSLをモニタする(ステップS10)。これは、制御回路10が電位VSLとして設定しようとする値であって良い。そして制御回路10は、この電位VSLが、予め定められた上限値より低いか否かを確認する。VSLが上限値より低ければ(ステップS11、YES)、制御回路10は信号ENBを“H”レベル、ENBnを“L”レベルとする(ステップS12)。その結果、信号SRCVSS2は信号SRCVSS1と同じレベルとなる。よって、ソース線SLはMOSトランジスタ12−1、12−2の両方によって駆動される。すなわち、ソース線ドライバ6のMOSトランジスタ12のゲート幅Wは、2つのMOSトランジスタ12−1、12−2のゲート幅の和Wcとなる(ステップS13)。
他方、VSLが上限値より低くなければ(ステップS11、NO)、制御回路10は信号ENBを“L”レベル、ENBnを“H”レベルとする(ステップS14)。その結果、信号SRCVSS2は接地レベル(“L”レベル)に固定され、MOSトランジスタ12−2はオフ状態となる。よって、ソース線SLはMOSトランジスタ12−1によってのみ駆動される。すなわち、ソース線ドライバ6のMOSトランジスタ12のゲート幅Wは、Wc/2となる(ステップS15)。
<効果>
本実施形態に係る構成であると、上記第1の実施形態で説明した効果が得られると共に、更にNAND型フラッシュメモリの動作安定性を向上出来る。本効果につき、以下詳細に説明する。
第1の実施形態で説明したように、メモリセルを負の閾値にプログラムする1つの方法として、ソース線を正のあるレベルにすることにより、仮想的に負のVGSを実現して、ベリファイを行う方法がある。ソース線SLのレベルは、第1の実施形態では読み出し中はVREF一定である場合について説明したが、動作や、目的の閾値レベルによって変わる場合がある。また、セル電流はメモリセルのデータパターンによってその都度異なる。セルのデータパターンを予測するのは困難であるが、セルソースのターゲットレベルは読み出し時やベリファイ時に知ることが可能である。
ソース線SLのレベルを正の電圧に固定するためには、ソース線SLに対して定常的に電流を流すと同時に、放電する必要がある。この放電は、ソース線ドライバ6のMOSトランジスタ12によって行われる。この際、セル電流によってMOSトランジスタ12のゲート電圧は大きく変化し得る。そのためMOSトランジスタ12には、より広い電圧範囲で安定的に動作させる必要がある。例えば、ソース線SLのレベルが低く、セル電流が多い場合には、MOSトランジスタ12のVGSは大きくなり、より多くの電流を放電する必要がある。一方、ソース線SLのレベルが低く、セル電流が少ない場合には、MOSトランジスタ12のVGSは非常に低くなり、MOSトランジスタ12の閾値近傍のゲートレベルになる場合もある。しかし、閾値近傍での動作は不安定になりやすいという問題がある。
この点につき、図19を用いて説明する。図19は、ソース線の放電用のMOSトランジスタのドレイン電圧Vd(=ソース線の電圧VSL)に対するドレイン電流Id(=セル電流Icell)の特性を示すグラフである。
図示するように、あるセル電流Icell1を考えた場合、MOSトランジスタのゲート電圧Vgが高いほど、より低いセルソースレベル(ソース線電圧)を実現できる。また、あるセルソースレベルVcelsrc1を考えた場合、MOSトランジスタのゲート電圧Vgが高いほど、より多くのセル電流を放電することができる。ゲート電圧によってある範囲のセルソースレベルに対応することが可能であるが、ゲート電圧の条件は、そのゲート電圧をコントロールするオペアンプの電源電圧による。また、セル電流が極端に少ない状態(Icell_min)で高いセルソースレベルVcelsrc2を実現しようとした場合、ゲート電圧が閾値Vthn近傍となり、MOSトランジスタの動作が不安定になってしまう。
これに対して本実施形態に係る構成であると、制御回路10は、セルソースレベルに応じてMOSトランジスタ12のゲート幅を変化させて、駆動力を制御する。より具体的には、セルソースレベルが高い場合には、ソース線SLを放電するMOSトランジスタ12のゲート幅Wは小さくてよいため、MOSトランジスタ12−1のみを使用する。他方、セルソースレベルが低いときは、より高い放電能力が必要となるため、MOSトランジスタ12−1のみならずMOSトランジスタ12−2も同時に使用する。
この点につき、図20を用いて説明する。図20は、本実施形態に係るMOSトランジスタ12のドレイン電圧Vd(=ソース線の電圧VSL)に対するドレイン電流Id(=セル電流Icell)の特性を示すグラフであり、紙面の右側がMOSトランジスタ12−1と12−2の両方を使用する場合(W=Wc)について示し、左側がMOSトランジスタ12−1のみを使用する場合(W=Wc/2)について示している。
図示するように、極端に少ないセル電流Icell_minにおいてあるセルソースレベルVcelsrc1を実現しようとする場合、W=Wcの場合には、MOSトランジスタ12のゲート電圧Vgはほぼ閾値Vthn近傍のレベルとなり、動作が不安定となる。従ってこのようなセルソースレベルの場合には(図18におけるステップS11、NO)、制御回路10は信号ENB=“L”、ENBn=“H”として、MOSトランジスタ12−2の使用を停止する。その結果、MOSトランジスタ12のゲート幅WはWc/2となる。ゲート幅Wが半分になることで、MOSトランジスタ12は図20の右側の特性を有するようになる。すなわち、同一のセルソースレベルVcelsrcを実現するためのゲート電圧を高くすることが可能となる。その結果、MOSトランジスタ12の動作安定性を向上出来る。
このように、所望のセルソースレベルに応じてMOSトランジスタ12のゲート幅(オン状態とさせるMOSトランジスタ12−1、12−2の数)を変化させることにより、より広い範囲のセルソースレベル、セル電流に対応することが可能となる。
なお、図18のフローチャート及び上記の説明では、セルソースレベルに応じてMOSトランジスタ12のゲート幅を制御する場合について説明した。しかし、前述の通りセルソースレベルだけでなくセル電流も、MOSトランジスタ12のゲート幅を決定する要素となる。従って、セルソースレベルだけでなく、セル電流も考慮して、MOSトランジスタ12のゲート幅を制御しても良い。または、セルソースレベルでは無くセル電流によって制御しても良い。この場合、セル電流がある下限値を下回った場合に、MOSトランジスタ12のゲート幅WをWc/2とすれば良い。
以上のように、この発明の第1、第2の実施形態に係る半導体記憶装置は、複数のメモリセルMTが配置されたメモリセルアレイ2と、メモリセルMTのゲートに接続されたワード線WLと、メモリセルMTのドレインに電気的に接続されたビット線BLと、メモリセルMTのソースに電気的に接続されたソース線SLと、ワード線WLを選択するロウデコーダ4と、読み出し動作時においてビット線BLに読み出されたデータをセンス・増幅するセンスアンプ3と、メモリセルMTが形成されたウェル領域22と、ソース線SLとの間を接続可能な第1MOSトランジスタ15とを備える。そして第1MOSトランジスタ15は、センスアンプ3とメモリセルアレイ2との間に配置される。
また、第2の実施形態に係る半導体記憶装置であると、ソース線ドライバ6は、並列接続された複数のMOSトランジスタ12−1、12−2を備え、オン状態とされる前記MOSトランジスタ12−1、12−2の数は、ソース線SLに流れる電流または/及び電圧に応じて可変である。
以上の構成によって、半導体記憶装置の動作安定性を向上出来る。
なお、MOSトランジスタ12、14、15の配置は、図3の配置に限られるものでは無く、MOSトランジスタ15がメモリセルアレイ2と、センスアンプ3またはロウデコーダ4との間に配置されれば良い。例えば、図21の平面図に示すように、MOSトランジスタ15をメモリセルアレイ2とロウデコーダ4−1との間、及びメモリセルアレイ2とロウデコーダ4−2との間に設けても良い。
更に図22の平面図に示すように、入出力パッド群9がロウデコーダ4−1に近接して配置される場合、すなわちロウデコーダ4−1が入出力パッド群9とメモリセルアレイ2とに挟まれて配置される場合には、MOSトランジスタ12はメモリセルアレイ2とロウデコーダ4−1との間に配置されて良い。この場合、MOSトランジスタ14、15はそれぞれ、メモリセルアレイ2とセンスアンプ3−1、3−2との間に配置されることが出来る。勿論、MOSトランジスタ14、15のいずれかがメモリセルアレイ2とロウデコーダ4−2との間に配置されても良い。
なお、MOSトランジスタ12は、必ずしも入出力パッド群9に近接して配置されなくても良い。すなわち、MOSトランジスタ12にそれほど強力な接地能力が必要とされない場合には、入出力パッド群9との位置関係を勘案することなく、自由に配置可能である。そして、MOSトランジスタ14は必ずしもMOSトランジスタ12より少なくなければならないわけでは無く、同数でも多くても良いし、MOSトランジスタ15は、MOSトランジスタ12が配置される領域と同じ領域に設けられても良い。
また上記実施形態では、入出力パッド群9がメモリセルアレイ2の一辺にのみ隣接して(片側にのみ隣接して)配置される場合を例に説明した。しかし、入出力パッド群9が複数設けられても良い。例えば図3において、メモリセルアレイ2を挟んで入出力パッド群9と対向するようにして、別の入出力パッド群が配置されても良い。
更に、第2の実施形態では、MOSトランジスタ12を構成するトランジスタが、MOSトランジスタ12−1、12−2の2つである場合を例に説明したが、3つ以上のMOSトランジスタで構成されても良い。更にMOSトランジスタ12−1、12−2は、異なるサイズ(ゲート幅)を有していても良い。また上記第2の実施形態は、第1の実施形態とは別個に実施され得る。すなわち、第2の実施形態において、MOSトランジスタ15が制御回路10内に配置されても良い。この場合、第1の実施形態で説明した効果は得られないが、第2の実施形態で説明した効果は得られる。
また、図2では、消去状態(“Er”レベル)以外に読み出しレベルが負であるデータが1個だけ(“A”レベル)である場合を例に説明したが、勿論、2個以上あって良い。また読み出し時には、いずれのレベルを読み出す場合にもソース線SL及びセルウェル22に正の電圧VREFが印加される場合について説明したが、VREFが印加されない(換言すればVREF=0V)場合であっても良い。また、負の閾値レベルを読み出す際にのみVREFが印加され、正の閾値レベルを読み出す際には印加されない場合であっても良い。
上記センスアンプ3の一構成例について、図23を用いて説明する。図23はセンスアンプ3の回路図であり、図23の構成が、例えばビット線BL毎に設けられる。図示するようにセンスアンプ3は、nチャネルMOSトランジスタ81〜88、pチャネルMOSトランジスタ89〜92、キャパシタ素子93、及びラッチ回路94を備えている。
MOSトランジスタ81は、電流経路の一端がビット線BLのいずれかに接続され、他端がノードCOM2に接続され、ゲートに信号BLCが印加される。MOSトランジスタ90は、電流経路の一端がノードCOM2に接続され、他端が電圧VSS(例えば0V)の印加されるノードN_VSSに接続され、ゲートがノードLATに接続される。MOSトランジスタ86は、電流経路の一端がノードCOM2に接続され、他端がノードN_VSSに接続され、ゲートがノードINVに接続される。MOSトランジスタ89は、電流経路の一端がノードCOM2に接続され、他端がノードCOM1に接続され、ゲートがノードINVに接続される。MOSトランジスタ85は、電流経路の一端がノードCOM2に接続され、他端がノードCOM1に接続され、ゲートがノードLATに接続される。MOSトランジスタ87は、電流経路の一端がノードCOM1に接続され、他端がノードN_VSSに接続され、ゲートに信号SETが入力される。MOSトランジスタ82は、電流経路の一端が電圧VDD(例えば1.5V)の印加されるノードN_VDDに接続され、他端がノードCOM1に接続され、ゲートに信号BLXが入力される。MOSトランジスタ83は、電流経路の一端がノードSENに接続され、他端がノードCOM1に接続され、ゲートに信号XXLが入力される。MOSトランジスタ84は、電流経路の一端がノードN_VDDに接続され、他端がノードSENに接続され、ゲートに信号HLLが入力される。キャパシタ素子93は、一方の電極がノードSENに接続され、他方の電極がノードN_VSSに接続される。MOSトランジスタ88は、電流経路の一端がノードINVに接続され、他端がノードN_VSSに接続され、ゲートに信号RST_NCOが入力される。MOSトランジスタ91は、電流経路の一端がノードINVに接続され、ゲートがノードSENに接続される。MOSトランジスタ92は、電流経路の一端がノードN_VDDに接続され、他端がMOSトランジスタ91の電流経路の他端に接続され、ゲートに信号STBnが入力される。
ラッチ回路94は、MOSトランジスタ88、91の接続ノードであるノードINVにおけるデータをラッチする。すなわちラッチ回路94は、nチャネルMOSトランジスタ95〜97及びpチャネルMOSトランジスタ98〜100を備えている。
MOSトランジスタ95は、電流経路の一端がノードINVに接続され、ゲートに信号STBnが入力される。MOSトランジスタ96は、電流経路の一端がノードN_VSSに接続され、他端がMOSトランジスタ95の電流経路の他端に接続され、ゲートがノードLATに接続される。MOSトランジスタ99は、電流経路の一端がノードINVに接続され、ゲートがノードLATに接続される。MOSトランジスタ98は、電流経路の一端がノードN_VDDに接続され、他端がMOSトランジスタ99の電流経路の他端に接続され、ゲートに信号RST_PCOが入力される。MOSトランジスタ97は、電流経路の一端がノードN_VSSに接続され、他端がノードLATに接続され、ゲートがノードINVに接続される。MOSトランジスタ100は、電流経路の一端がノードN_VDDに接続され、他端がノードLATに接続され、ゲートがノードINVに接続される。
なお、データの読み出し時においてソース線SL及びセルウェル22に0Vが与えられる場合には、ノードN_VSS、N_VDDには、上記の通りVSS及びVDDが与えられる。他方、ソース線SL及びセルウェル22にVREF(>0V)が与えられる場合には、ノードN_VSS、N_VDDにはそれぞれ(VSS+VREF)及び(VDD+VREF)が与えられる。
<データの読み出し時におけるセンスアンプの動作について>
次に、データの読み出し時における上記構成のセンスアンプ3の動作について、図23を参照しつつ、簡単に説明する。以下では、データの読み出し時にメモリセルトランジスタMTがオン状態となることを“1”読み出しと呼び、オフ状態であることを“0”読み出しと呼ぶことにする。なお、読み出し動作の間、ソース線SL及びセルウェル22に0Vが与えられる場合には、信号BLX、XXLはそれぞれ(Vt+0.9V)、(Vt+1.2V)とされる。また、信号BLCは(VTN+0.7V)とされる。VtはMOSトランジスタ82、83の閾値電圧であり、VTNはMOSトランジスタ81の閾値電圧である。ソース線SL及びセルウェル22にVREF(>0V)が与えられる場合には、上記の値にVREFを加えた電圧が与えられる。下記の説明におけるその他の電圧も同様である。
なお、信号SET、RST_NCOは、リセット動作時において“H”とすることが可能とされ、これによりノードCOM1、INVは“L”レベル(0V)とされ、ノードLATは“H”レベル(VDD)とされる。他方、通常動作時には“H”レベルとされ、MOSトランジスタ88、89はオフ状態とされる。また信号RST_PCOは、リセット動作時に“H”とすることが可能とされ、通常動作時には“L”レベルとされる。
(CASE I)
まず、“1”読み出しを行う場合につき、CASE Iとして、以下説明する。
初めに、ビット線BLのプリチャージが行われる。以下では、プリチャージレベルVPREが0.7Vである場合を仮定する。
プリチャージは、MOSトランジスタ82によって行われる。すなわち、信号BLXが与えられることでMOSトランジスタ82がオン状態とされる。すると、NANDストリング11は導通状態にあるから、MOSトランジスタ81、85、89の電流経路及びノードCOM1、COM2を介して、ビット線BLに電流が流れる。その結果、ビット線BLの電位は0.7V(または0.7V+VREF、以下同様)程度となる。すなわち、ビット線BLからソース線SLに電流を流しながら、ビット線BLの電位は0.7Vに固定される。この際、MOSトランジスタ86、90はオフ状態である。また、信号HLLが与えられることでキャパシタ素子93が充電され、ノードSENの電位は2.5V程度となる。
次に、ノードSENのディスチャージが行われる。すなわち、信号HLLが“L”レベルとされることで、MOSトランジスタ84がオフ状態とされる。すると、ノードSENからビット線BLに流れる電流によって、ノードSENが放電され、その電位は約0.9V程度(“L”レベル)に低下する。
引き続き、ノードSENのディスチャージが行われる。この際、ノードCOM1の電位が0.9V以下に低下しようとすると、MOSトランジスタ82が電流を供給しはじめる。その結果、ノードCOM1の電位は0.9Vに維持される。
次に、データのセンスが行われる。すなわち、信号STBnが“L”レベルとされ、MOSトランジスタ92がオン状態とされる。また、ノードSENの電位が0.9Vであるので、MOSトランジスタ91がオン状態となる。よって、ノードINVの電位は“H”レベル(VDD)となり、これをラッチ回路94が保持する。すなわち、ノードINVが“H”レベルとなることで、MOSトランジスタ97がオン状態となり、ノードLATは“L”レベルとなる。その結果、MOSトランジスタ85、89はオフ状態となり、MOSトランジスタ86、90がオン状態となる。これによりビット線BLは、MOSトランジスタ86、90の電流経路を介して、ノードN_VSSに接続され、その電位はVSSに固定される。
(CASE II)
次に“0”読み出しを行う場合につき、CASE IIとして、以下説明する。
この場合、ビット線BLに電流は流れず、その電位は0.7V一定となる。そしてノードSENの電位は、約2.5V(“H”レベル)を維持する。従って、MOSトランジスタ91はオフ状態となり、ノードINVは“L”レベルのままとされる。そしてラッチ回路94は、ノードINVの“L”レベルをラッチする。
以上のように、本実施形態に係るセンスアンプは、ビット線BLに流れる電流をセンスすることで、全ビット線に対して一括してデータの読み出し動作を実行する。しかし、電流の代わりに電圧をセンスしても良い。
また、上記実施形態ではNAND型フラッシュメモリを例に説明したが、例えばNOR型フラッシュメモリにも適用出来、セルのソースとセルウェルとをショートする必要のある半導体メモリや、ソース線の駆動能力が問題となる半導体メモリ全般に適用可能である。
なお、本願発明は上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出されうる。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出されうる。
1…フラッシュメモリ、2…メモリセルアレイ、3、3−1、3−2…センスアンプ、4、4−1、4−2…ロウデコーダ、5、12、12−1、12−2、14、15、70、71…MOSトランジスタ、6…ソース線ドライバ、7…ウェルドライバ、8…ショート回路、9…入出力パッド群、10、10−1〜10−4…制御回路、11…NANDストリング、13…オペアンプ、16…入出力パッド、20…半導体基板、21、22…ウェル領域、23、53、60…ゲート絶縁膜、24、26、54、55、61、62…多結晶シリコン層、25…ゲート間絶縁膜、27、51、52、58、59…不純物拡散層、28、31、33…層間絶縁膜、29、30、32、34、42〜50、56、57、63〜65…金属配線層、40、41…ゲート電極、66…チャネル

Claims (5)

  1. データ保持可能なメモリセルと、
    複数の前記メモリセルが配置されたメモリセルアレイと、
    前記メモリセルのゲートに接続されたワード線と、
    前記メモリセルのドレインに電気的に接続されたビット線と、
    前記メモリセルのソースに電気的に接続されたソース線と、
    前記ワード線を選択するロウデコーダと、
    読み出し動作時において、前記ビット線に読み出されたデータをセンス・増幅するセンスアンプと、
    前記メモリセルが形成されたウェル領域と、前記ソース線との間を接続可能な第1MOSトランジスタと
    を具備し、前記第1MOSトランジスタは、前記ロウデコーダまたは前記センスアンプと、前記メモリセルアレイとの間に配置される
    ことを特徴とする半導体記憶装置。
  2. 前記ウェル領域に電圧を供給可能な第2MOSトランジスタと、
    前記ソース線に電圧を供給可能であり、前記第2MOSトランジスタよりも数の多い第3MOSトランジスタと、
    を更に備え、前記センスアンプは、第1領域と、前記メモリセルアレイを挟んで該第1領域に相対する第2領域とを含み、
    前記第1、第2MOSトランジスタは、前記第1領域と前記メモリセルアレイとの間に配置され、
    前記第3MOSトランジスタは、前記第2領域と前記メモリセルアレイとの間に配置される
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体記憶装置。
  3. 前記第1、第2MOSトランジスタは、半導体基板中において素子分離領域によって互いに電気的に分離された第1、第2素子領域上に形成され、前記第1、第2素子領域は、前記ロウデコーダと前記メモリセルアレイとが並ぶ方向で、前記素子分離領域を介在して隣接し、
    前記第1MOSトランジスタは、前記第1素子領域の表面内に互いに離隔して形成された第1、第2不純物拡散層と、前記第1、第2不純物拡散層間の前記第1素子領域上に第1ゲート絶縁膜を介在して形成された第1ゲート電極とを備え、
    前記第1不純物拡散層は、第1レベル及び該第1レベルより上の第2レベルの金属配線層を介在して、前記第2レベルより上の第3レベルにある前記ソース線に接続され、
    前記第2不純物拡散層は、前記第1レベルの金属配線層を介在して、前記第2レベルにあり且つ前記ウェル領域に接続された金属配線層に接続され、
    前記第2MOSトランジスタは、前記第2素子領域の表面内に互いに離隔して形成された第3、第4不純物拡散層と、前記第3、第4不純物拡散層間の前記第2素子領域上に第2ゲート絶縁膜を介在して形成された第2ゲート電極とを備え、
    前記第3不純物拡散層は、前記第1、第2レベルの金属配線層を介在して、第3レベルにあり且つ第1電位が与えられる金属配線層に接続され、
    前記第4不純物拡散層は、前記第1、第2レベルの金属配線層を介在して、前記第3レベルにあり且つ前記ウェル領域に接続された金属配線層に接続される
    ことを特徴とする請求項2記載の半導体記憶装置。
  4. 外部から前記第1電圧が与えられる電源パッドを更に備え、
    前記電源パッドと前記第3MOSトランジスタとの間の距離は、前記電源パッドと前記第2MOSトランジスタとの間の距離よりも小さい
    ことを特徴とする請求項2記載の半導体記憶装置。
  5. データ保持可能なメモリセルと、
    複数の前記メモリセルが配置されたメモリセルアレイと、
    前記メモリセルのゲートに接続されたワード線と、
    前記メモリセルのドレインに電気的に接続されたビット線と、
    前記メモリセルのソースに電気的に接続されたソース線と、
    データの読み出し時において、前記ソース線を放電するソース線ドライバと
    を具備し、前記ソース線ドライバは、並列接続された複数のMOSトランジスタを備え、オン状態とされる前記MOSトランジスタの数は、前記ソース線に流れる電流または/及び電圧に応じて可変である
    ことを特徴とする半導体記憶装置。
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