JP2011099416A - エンジンの排気浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】上流側ケーシング内の排ガスを連結パイプの各孔を経て内部に導入する際の圧損を低減でき、もって圧損の増大に起因する燃費悪化を未然に防止できるエンジンの排気浄化装置を提供する。
【解決手段】上流側ケーシング17内に挿入された連結パイプ22の各孔22aの内径を、ケーシング17内での排ガス流通方向の上流側から下流側に向けて連続的に拡大する共に、上流側ケーシング17内の最下流箇所に連結パイプ22の下流側外周面に倣った断面円弧状の湾曲片28を配設し、排ガス導入に関する上流側外周面の孔22aと下流側外周面の孔22aとの格差を縮小する。
【選択図】図3
【解決手段】上流側ケーシング17内に挿入された連結パイプ22の各孔22aの内径を、ケーシング17内での排ガス流通方向の上流側から下流側に向けて連続的に拡大する共に、上流側ケーシング17内の最下流箇所に連結パイプ22の下流側外周面に倣った断面円弧状の湾曲片28を配設し、排ガス導入に関する上流側外周面の孔22aと下流側外周面の孔22aとの格差を縮小する。
【選択図】図3
Description
本発明はエンジンの排気浄化装置に係り、詳しくは尿素水インジェクタから排気通路内に尿素水を噴射し、尿素水から生成されたアンモニア(NH3)を還元剤として下流側のアンモニア選択還元型NOx触媒(以下、SCR触媒という)に供給する排気浄化装置に関するものである。
エンジンの排気中に含まれる汚染物質の1つであるNOx(窒素酸化物)を浄化するための排気浄化装置として、エンジンの排気通路にSCR触媒を配設し、還元剤としてアンモニアをSCR触媒に供給することによりNOxを還元して排気を浄化するようにした排気浄化装置が知られている。
このような排気浄化装置ではアンモニアをSCR触媒に供給するために、アンモニアに比べて取り扱いが容易な尿素水を排気中に供給するのが一般的である。尿素水の供給には尿素水インジェクタが用いられており、SCR触媒より上流側の排気通路に尿素水インジェクタを設置して尿素水タンクから加圧した尿素水を供給し、尿素水インジェクタに内蔵した電磁弁の開閉に応じて排気通路内に尿素水を噴射している。SCR触媒に良好なNOx浄化性能を発揮させるには、SCR触媒の各部位に均一にアンモニアを供給する必要があり、そのためには、尿素水インジェクタから噴射した尿素水を排ガスと十分に混合して排ガス中に均一に拡散・霧化させることが重要となる。
このような課題に着目した技術として、特許文献1に記載のものを挙げることができる。当該特許文献1の技術では、円筒状をなす上流側ケーシングの一側面から他側面に貫通するように連結パイプの上流側端部を挿入して、他側面に露出した連結パイプの上流側端部に尿素水インジェクタを配設すると共に、ケーシング内で連結パイプの挿入部分に多数の孔を貫設している。連結パイプの下流側端部はSCR触媒を収容した下流側ケーシングに連結し、エンジンからの排ガスを上流側ケーシング内で連結パイプの各孔を経て内部に導入し、尿素水インジェクタから噴射された尿素水と混合しながら連結パイプ内を下流側ケーシングへと移送して、尿素水から生成されたアンモニアをSCR触媒に供給している。
しかしながら、特許文献1に記載された従来の排気浄化装置では、連結パイプの各孔を経て内部に導入される排ガスが不均一である故に圧損を引き起こし、この点で今ひとつ改善の余地があった。
図6は特許文献1の図5に対応して排ガスの流通状態を示した断面図であるが、主に連結パイプ22の上流側外周面(上流側ケーシング17内での排ガス流通方向の上流側に相当する外周面)の孔22aには排ガスが直接的に導入されるのに対して、下流側外周面(同じく下流側に相当する外周面)の孔22aにはケーシング17内の最下流箇所でUターンした排ガスが間接的に導入される。このような流通経路の格差に起因して、上流側外周面の孔22aに比して下流側外周面の孔22aには排ガスが導入され難くなる。
図6は特許文献1の図5に対応して排ガスの流通状態を示した断面図であるが、主に連結パイプ22の上流側外周面(上流側ケーシング17内での排ガス流通方向の上流側に相当する外周面)の孔22aには排ガスが直接的に導入されるのに対して、下流側外周面(同じく下流側に相当する外周面)の孔22aにはケーシング17内の最下流箇所でUターンした排ガスが間接的に導入される。このような流通経路の格差に起因して、上流側外周面の孔22aに比して下流側外周面の孔22aには排ガスが導入され難くなる。
加えて、上流側ケーシング17内の最下流箇所で排ガスはUターンにより渦を生じて流通を妨げられることから、下流側外周面の孔22aへの排ガス導入の条件はさらに悪化する。結果として、連結パイプ22の下流側外周面の孔22aからはそれほど排ガスが導入されず、上流側外周面の孔22aに排ガスが集中することになり、排ガスが流通する際の圧損が増大し、ひいては燃費を悪化させる要因になっていた。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、上流側ケーシング内の排ガスを連結パイプの各孔を経て内部に導入する際の圧損を低減でき、もって圧損の増大に起因する燃費悪化を未然に防止することができるエンジンの排気浄化装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、エンジンの排気通路に配設され、エンジンの排ガス流通方向に沿った略筒状をなす上流側ケーシングと、上流側ケーシングの近接位置に配設されて、アンモニアを還元剤として排ガス中のNOxを選択還元するアンモニア選択還元型NOx触媒を収容した下流側ケーシングと、上流側端部が上流側ケーシングの一側面からケーシング内に挿入されると共に、下流側端部が下流側ケーシングに接続され、上流側端部の上流側ケーシング内への挿入部分の外周面に貫設された多数の孔を経て上流側ケーシング内の排ガスを内部に導入して下流側ケーシングに向けて案内する連結パイプと、連結パイプ内に尿素水を噴射する尿素水インジェクタとを備えたエンジンの排気浄化装置において、上流側ケーシング内での排ガス流通方向の上流側に相当する連結パイプの上流側外周面、及び排ガス流通方向の下流側に相当する下流側外周面は、各孔の有効開口面積が上流側外周面に比して下流側外周面の方が大きく設定され、上流側ケーシング内の最下流箇所には、連結パイプの下流側外周面に倣った湾曲面が形成されているものである。
従って、エンジンの排ガスは排気通路を経て上流側ケーシングに導入され、上流側ケーシング内で連結パイプの各孔を経て内部に導入され、尿素水インジェクタから噴射された尿素水と混合しながら連結パイプ内を下流側ケーシングへと移送され、移送中に尿素水から生成されるアンモニアがアンモニア選択還元型NOx触媒のNOx浄化に利用される。
上流側ケーシング内を流通する排ガスは連結パイプの部位に応じて各孔への導入状況を異にし、主に連結パイプの上流側外周面の孔には排ガスが直接的に導入されるのに対し、下流側外周面の孔には最下流箇所で渦を生じながらUターンした排ガスが間接的にしか導入されず、上流側外周面の孔に排ガスが集中して圧損を増大させる要因となる。
上流側ケーシング内を流通する排ガスは連結パイプの部位に応じて各孔への導入状況を異にし、主に連結パイプの上流側外周面の孔には排ガスが直接的に導入されるのに対し、下流側外周面の孔には最下流箇所で渦を生じながらUターンした排ガスが間接的にしか導入されず、上流側外周面の孔に排ガスが集中して圧損を増大させる要因となる。
ここで、本発明では、上流側ケーシング内で最下流箇所に到達した排ガスが湾曲面に案内され、渦を発生することなく円滑に連結パイプの下流側外周面へと導かれる。しかも、連結パイプの上流側外周面に比して下流側外周面は各孔の有効開口面積が大であることから排ガスが導入され易く、結果として、連結パイプの上流側外周面の孔と下流側外周面の孔との排ガス導入に関する格差が縮小する。このため、上流側外周面の孔への排ガスの集中が緩和され、排ガスが流通する際の圧損が低減される。
請求項2の発明は、請求項1において、連結パイプが、パイプ状に成型したパンチングメタルであり、連結パイプの各孔を、パンチングメタルに打ち抜き加工されたパンチング孔としたものである。
従って、一度の打ち抜き加工により全ての孔を形成可能であるため、製作工程数が減少して製作費を低減可能となる。
従って、一度の打ち抜き加工により全ての孔を形成可能であるため、製作工程数が減少して製作費を低減可能となる。
以上説明したように請求項1の発明のエンジンの排気浄化装置によれば、上流側ケーシング内に挿入した連結パイプの外周面の多数の孔の有効開口面積を上流側外周面に比して下流側外周面を大きく設定すると共に、上流側ケーシング内の最下流箇所に連結パイプの下流側外周面に倣った湾曲面を形成したため、上流側ケーシング内の排ガスを連結パイプ内に導入する際の上流側外周面の孔と下流側外周面の孔との格差を縮小でき、もって、上流側外周面の孔への排ガスの集中を緩和して排ガスが流通する際の圧損を低減でき、圧損の増大に起因する燃費悪化を未然に防止することができる。
請求項2の発明のエンジンの排気浄化装置によれば、請求項1に加えて、連結パイプをパイプ状に成型したパンチングメタルとすることにより、連結パイプの製作工程数を減少させて製作費を低減することができる。
以下、本発明を具体化したディーゼルエンジンの排気浄化装置の一実施形態を説明する。
図1は本実施形態のエンジンの排気浄化装置を示す全体構成図である。本実施形態の排気浄化装置はトラックに搭載されており、図1ではトラックへの搭載状態と同様の配置でエンジン1及び排気浄化装置2を示すと共に、トラックの床下を部分的に示している。なお、以下の説明では、車両を主体として前後方向及び左右方向を規定する。
図1は本実施形態のエンジンの排気浄化装置を示す全体構成図である。本実施形態の排気浄化装置はトラックに搭載されており、図1ではトラックへの搭載状態と同様の配置でエンジン1及び排気浄化装置2を示すと共に、トラックの床下を部分的に示している。なお、以下の説明では、車両を主体として前後方向及び左右方向を規定する。
トラックはラダーフレームのシャシー構造が採用されている。ラダーフレームは、車体の前後方向全体に延設した左右一対のサイドレール3aを複数のクロスメンバ3b(一つのみ図示)により連結して構成され、このラダーフレーム上にエンジン1等のパワープラント、及び車体のキャビンや荷台3c等が搭載されている。図1では、ラダーフレームの左右一対のサイドレール3aが部分的に示されると共に、ラダーフレーム上に載置さられた荷台3cが二点鎖線で示され、この荷台3c下側の床下に排気浄化装置2が設置されている。
エンジン1はラダーフレームの左右のサイドレール3a間に位置し、直列6気筒機関として構成されている。エンジン1の各気筒には燃料噴射弁4が設けられ、各燃料噴射弁4は共通のコモンレール5から加圧燃料を供給され、開弁に伴って対応する気筒の筒内に燃料を噴射する。
エンジン1の吸気側には吸気マニホールド6が装着され、吸気マニホールド6に接続された吸気通路7には、上流側よりエアクリーナ8、ターボチャージャ9のコンプレッサ9a、インタクーラ10が設けられている。また、エンジン1の排気側には排気マニホールド12が装着され、排気マニホールド12には上記コンプレッサ9aと同軸上に連結されたターボチャージャ9のタービン9bが接続されている。タービン9bには排気通路13が接続され、排気通路13に上記排気浄化装置2が設けられている。
エンジン1の吸気側には吸気マニホールド6が装着され、吸気マニホールド6に接続された吸気通路7には、上流側よりエアクリーナ8、ターボチャージャ9のコンプレッサ9a、インタクーラ10が設けられている。また、エンジン1の排気側には排気マニホールド12が装着され、排気マニホールド12には上記コンプレッサ9aと同軸上に連結されたターボチャージャ9のタービン9bが接続されている。タービン9bには排気通路13が接続され、排気通路13に上記排気浄化装置2が設けられている。
一方、エンジン1の後部には変速機15が結合され、変速機15の出力軸にはプロペラシャフト16の前端が連結されている。プロペラシャフト16は車体の床下で左右のサイドレール3a間を後方に延設され、その後端は図示しないディファレンシャルギアを介して左右の後輪に接続されている。
上記排気通路13は、車体の床下のプロペラシャフト16と右側のサイドレール3aとの間において後方に延設されている。一般的なトラックでは、そのまま排気通路13が車体後部まで延設されて、排気通路13上に排気浄化装置2の各構成部材が直列配置されるが、本実施形態のトラックでは荷台長さの関係で床下の前後スペースが十分でないため排気通路13を右側に取り回して側方排気している。この排気通路13の取り回しの関係で、排気通路13上に設置された排気浄化装置2のレイアウトも変則的なものになっており、以下に詳述する。
上記排気通路13は、車体の床下のプロペラシャフト16と右側のサイドレール3aとの間において後方に延設されている。一般的なトラックでは、そのまま排気通路13が車体後部まで延設されて、排気通路13上に排気浄化装置2の各構成部材が直列配置されるが、本実施形態のトラックでは荷台長さの関係で床下の前後スペースが十分でないため排気通路13を右側に取り回して側方排気している。この排気通路13の取り回しの関係で、排気通路13上に設置された排気浄化装置2のレイアウトも変則的なものになっており、以下に詳述する。
プロペラシャフト16と右側のサイドレール3aとの間において、排気通路13の後端には上流側ケーシング17が接続されている。上流側ケーシング17は前後方向(排ガスの流通方向)に沿った円筒状をなし、その内部の上流側には前段酸化触媒18が配置され、下流側には排ガス中のPM(パティキュレート・マター)を捕集するためのウォールフロー式のDPF(ディーセルパティキュレートフィルタ)19が設置され、さらにDPF19の下流側には混合室20と称する空間が形成されている。なお、排気通路13の上流側ケーシング17の上流側位置には、後述するDPF19の強制再生用の燃料噴射弁21が設置されている。
図2は上流側及び下流側ケーシングの接続部分を示す部分拡大断面図、図3は同じく接続部分を示す図2のIII−III線断面図である。図1,2に示すように、上流側ケーシング17の混合室20に対応する箇所には、上流側ケーシング17を右側面(一側面)から左側面に貫通するように連結パイプ22の上流側端部が配設されている。連結パイプ22は排気通路13の一部を構成するものであり、その径も排気通路13と略等しく設定されている。上流側ケーシング17に対する連結パイプ22の貫通箇所は溶接されており、上流側ケーシング17の外周面から露出する連結パイプ22の左端には蓋体22bが溶接され、これにより連結パイプ22の上流側端部は閉鎖されている。
図2,3に示すように、連結パイプ22の混合室20内への露出部分(挿入部分)には、連結パイプ22の内外を連通させる多数の孔22aが貫設され、これらの孔22aを介して混合室20内と連結パイプ22内とが相互に連通している。各孔22aの内径は連結パイプ22の外周面の部位に応じて相違しており、上流側ケーシング17内での排ガス流通方向の上流側(車両の前側)の部位は最も小径で、下流側(車両の後側)に向けて連続的に拡大して、下流側の部位では最も大径となっている。
ここで、説明の便宜上、上流側ケーシング17内において連結パイプ22の上流側の約半周分の外周面を上流側外周面と称し、下流側の約半周分の外周面を下流側外周面と称する。従って、上記各孔22aの内径の設定により、連結パイプ22の各孔22aの有効開口面積(単位面積あたりの外周面に対して孔22aの面積が占める比率と定義する)は、上流側外周面に比して下流側外周面の方が大きく設定されていることになる。
また、各孔22aの総開口面積は、連結パイプ22の通路断面積より大きく設定されている。但し、総開口面積の設定は必ずしもこれに限ることはなく、各孔22aを流通する際の圧損が許容できる範囲内なら、連結パイプ22の通路断面積より小さく設定してもよい。
また、各孔22aの総開口面積は、連結パイプ22の通路断面積より大きく設定されている。但し、総開口面積の設定は必ずしもこれに限ることはなく、各孔22aを流通する際の圧損が許容できる範囲内なら、連結パイプ22の通路断面積より小さく設定してもよい。
本実施形態では、パンチング孔を打ち抜き加工したパンチングメタルを素材としている。即ち、上記のように連続的に内径が変化するようにパンチング孔を打ち抜き加工し、このパンチングメタルをパイプ状に成型して連結パイプ22を製作している。この場合、一度の打ち抜き加工により全ての孔22aを形成できるため、製作工程数を減少させて製作費を低減できるという利点が得られる。但し、連結パイプ22の製作方法はこれに限ることはなく、例えば一般的な直管を連結パイプの形状に曲げ加工し、その後に各孔22aを個別に穿設してもよい。
図3に示すように、上流側ケーシング17の混合室20内の最も後方箇所(以下、最下流箇所と称する)には、上側及び下側の隅部と対応するように湾曲片28(湾曲面)が配設されている。これらの湾曲片28は、側面視において連結パイプ22の外周面に倣った断面円弧状をなすように鋼板を湾曲形成して製作され、図示はしないが、円筒状をなす上流側ケーシング17の内壁に対して周囲を隙間なく当接させて所定間隔でスポット溶接により固定されている。そして、これらの湾曲片28が混合室20内の上側及び下側の隅部を隠蔽することにより、混合室20内の最下流箇所は、側面視において連結パイプ22の下流側外周面を後斜め上方及び後斜め下方から取り囲む緩やかな湾曲面状をなしている。
一方、右側のサイドレール3aを挟んだ上流側ケーシング17の右方位置には、左右方向に延びる円筒状をなす下流側ケーシング23が配設されている。上記連結パイプ22の右端は上流側ケーシング17の外周面から右方に突出し、サイドレール3aの下方を潜って前方に湾曲形成されて下流側ケーシング23の外周面の左側位置に溶接されている。
下流側ケーシング23内の上流側(車両の左側)にはアンモニア(NH3)の供給により排ガス中のNOxを還元するSCR触媒24(選択還元型NOx触媒)が配置されると共に、下流側(車両の右側)には後段酸化触媒25が設置されている。さらに後段酸化触媒25の下流側には排出パイプ26の一端が溶接され、排出パイプ26の他端は左側に湾曲形成されて車体側方に開口している。
下流側ケーシング23内の上流側(車両の左側)にはアンモニア(NH3)の供給により排ガス中のNOxを還元するSCR触媒24(選択還元型NOx触媒)が配置されると共に、下流側(車両の右側)には後段酸化触媒25が設置されている。さらに後段酸化触媒25の下流側には排出パイプ26の一端が溶接され、排出パイプ26の他端は左側に湾曲形成されて車体側方に開口している。
一方、上記連結パイプ22の蓋体22bには、連結パイプ22の軸線L上に位置するように電磁式の尿素水インジェクタ27が固定され、尿素水インジェクタ27のノズル27aは蓋体22bを貫通して連結パイプ22内に挿入されている。尿素水インジェクタ27は図示しないタンクから圧送される尿素水を還元剤として連結パイプ22内に任意に噴射可能であり、その噴射方向は、連結パイプ22の軸線Lに沿って下流側ケーシング23側(下流側)に指向するように設定されている。
上記したエンジン1の各気筒の燃料噴射弁2、強制再生用の燃料噴射弁21、尿素水インジェクタ27等のデバイス類、及び図示しないセンサ類はECU51(電子コントロールユニット)に接続され、センサ類からの検出情報に基づいてECU31により駆動制御される。例えばECU31は機関回転速度や負荷等のエンジン1の運転状態に基づき、燃料噴射弁2の噴射量、噴射圧、噴射時期を制御してエンジン1を運転する。
エンジン1の運転中において、エンジン1から排出された排ガスは排気通路13を経て上流側ケーシング17内に導入され、前段酸化触媒18及びDPF19を通過した後に混合室20内に移送され、連結パイプ22の各孔22aを経て連結パイプ22内に導入されて内部を流通して下流側ケーシング23内に導入され、さらにSCR触媒24及び後段酸化触媒25を通過した後に排出パイプ26を経て大気中に排出される。
このとき、DPF19では排ガス中のPMが捕集され、SCR触媒24では排ガス中のNOxが還元され、これらの作用により大気中への有害成分の排出が防止される。このような浄化作用をDPF19及びSCR触媒24に発揮させるために、ECU31はDPF19については強制再生制御を実行し、SCR触媒24については尿素水インジェクタ27による尿素水の供給制御を実行しており、以下、これらの制御について述べる。
このとき、DPF19では排ガス中のPMが捕集され、SCR触媒24では排ガス中のNOxが還元され、これらの作用により大気中への有害成分の排出が防止される。このような浄化作用をDPF19及びSCR触媒24に発揮させるために、ECU31はDPF19については強制再生制御を実行し、SCR触媒24については尿素水インジェクタ27による尿素水の供給制御を実行しており、以下、これらの制御について述べる。
PMの捕集に伴ってDPF19のPM捕集量は次第に増加するが、捕集されたPMは、エンジン1が所定の運転状態(例えば、排ガス温度が比較的高い運転状態)のときに、前段酸化触媒18上での酸化反応により排ガス中のNOから生成されたNO2 を酸化剤として利用して連続的に焼却除去される。また、このようなDPF19の連続再生作用が得られない運転状態が継続されると、DPF19でのPM捕集量が次第に増加して許容量を越えてしまうため、このような状況を想定して、ECU31はエンジン1の運転状態から推定したPM捕集量がDPF19の許容量を越える以前に、DPF19上のPMを強制的に焼却除去する強制再生を実施する。
この強制再生には、排気通路13上の燃料噴射弁21が利用され、燃料噴射弁21から未燃燃料を噴射して前段酸化触媒18上に供給し、その酸化反応熱により下流側のDPF19を昇温してPMを焼却除去する。なお、メイン噴射後の膨張行程または排気行程でのポスト噴射により前段酸化触媒18上に未燃燃料を供給するようにしてもよい。
一方、ECU31はエンジン1の運転状態や尿素水インジェクタ27近傍に設置された図示しない温度センサの検出値等に基づき、尿素水インジェクタ27からの尿素水の噴射量を制御する。噴射された尿素水は排ガスと共に連結パイプ22内を移送され、その過程で排気熱及び排ガス中の水蒸気により加水分解されてアンモニアを生成して下流側のSCR触媒24上に移送され、SCR触媒24上でアンモニアを利用して排ガス中のNOxが無害なN2に還元される。なお、DPF19でのPMの燃焼で発生するCOやSCR触媒24上での余剰アンモニアは後段酸化触媒25により処理される。
次に、以上のように構成された本実施形態のディーゼルエンジン1の排気浄化装置の作用、特に上流側ケーシング17内の排ガスを連結パイプ22の各孔22aを経て内部に導入する際の作用について説明する。
図4は排ガス流通状態を表す図2に対応する部分拡大断面図である。図2〜4に示すように、排ガスは上流側ケーシング17内でDPF19を通過した後に混合室20内に移送され、連結パイプ22の各孔22aを経て内部に導入される。このとき[発明が解決しようとする課題]で述べたように、先行技術では、主に連結パイプ22の上流側外周面の孔22aには排ガスが直接的に導入されるのに対し、下流側外周面の孔22aには最下流箇所で渦を生じながらUターンした排ガスが間接的にしか導入されず、この現象が上流側外周面の孔22aに排ガスを集中させて圧損を増大させる要因となっていた。
図4は排ガス流通状態を表す図2に対応する部分拡大断面図である。図2〜4に示すように、排ガスは上流側ケーシング17内でDPF19を通過した後に混合室20内に移送され、連結パイプ22の各孔22aを経て内部に導入される。このとき[発明が解決しようとする課題]で述べたように、先行技術では、主に連結パイプ22の上流側外周面の孔22aには排ガスが直接的に導入されるのに対し、下流側外周面の孔22aには最下流箇所で渦を生じながらUターンした排ガスが間接的にしか導入されず、この現象が上流側外周面の孔22aに排ガスを集中させて圧損を増大させる要因となっていた。
これに対して本実施形態では、混合室20内の最下流箇所に到達した排ガスが湾曲片28により案内され、渦を発生することなく円滑に連結パイプ22の下流側外周面へと導かれる。より詳細には、連結パイプ22の上側を流通した排ガスは上側の湾曲片28により円滑に下方に案内されて下流側外周面の何れかの孔22aを経て連結パイプ22内に導入され、同様に連結パイプ22の下側を流通した排ガスは下側の湾曲片28により円滑に上方に案内されて下流側外周面の何れかの孔22aを経て連結パイプ22内に導入される。このため、上流側外周面の孔22aに排ガスが集中する傾向が大幅に軽減され、下流側外周面の孔22aにもかなりの排ガスが導入される。
さらに連結パイプ22の上流側外周面に比して下流側外周面は各孔22aの有効開口面積が大であることから、下流側外周面の孔22aには一層排ガスが導入され易くなっている。結果として、排ガスは連結パイプ22の上流側外周面の孔22aと下流側外周面の孔22aとに略均等に導入される。この現象は、連結パイプ22の外周面に形成された全ての孔22aが排ガス導入に有効に利用されていることを意味し、その結果、排ガスが流通する際の圧損を低減でき、もって圧損の増大に起因する燃費悪化を未然に防止することができる。
また、以上の現象は、SCR触媒24のNOx浄化性能の向上にも貢献する。
即ち、連結パイプ22の上流側外周面と下流側外周面との排ガス導入が略均等なため、連結パイプ22内では全周から中心部に排ガスが集約されて相互に衝突しながら激しく撹拌され、この撹拌中の排ガスに尿素水インジェクタ27より尿素水が噴射される。また、連結パイプ22の全周から尿素水が導入されることにより、噴射された尿素水が連結パイプ22の内周面に付着し難くなる。
即ち、連結パイプ22の上流側外周面と下流側外周面との排ガス導入が略均等なため、連結パイプ22内では全周から中心部に排ガスが集約されて相互に衝突しながら激しく撹拌され、この撹拌中の排ガスに尿素水インジェクタ27より尿素水が噴射される。また、連結パイプ22の全周から尿素水が導入されることにより、噴射された尿素水が連結パイプ22の内周面に付着し難くなる。
これらの要因により、尿素水は連結パイプ22の内周面に付着することなく、排ガスと激しく撹拌されながら良好に拡散・霧化されるため、尿素水から生成されたアンモニアはSCR触媒24の各部位に均等に供給される。よって、SCR触媒24にNOx還元作用を最大限に発揮させてNOx浄化性能を向上することができる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、SCR触媒24を備えたディーゼルエンジン1の排気浄化装置2に具体化したが、適用対象はこれに限ることはない。例えばガソリンエンジンでも希薄燃焼運転を想定してSCR触媒24を備える場合があるため、このようなガソリンエンジンに適用してもよい。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、SCR触媒24を備えたディーゼルエンジン1の排気浄化装置2に具体化したが、適用対象はこれに限ることはない。例えばガソリンエンジンでも希薄燃焼運転を想定してSCR触媒24を備える場合があるため、このようなガソリンエンジンに適用してもよい。
また、上記実施形態では、上流側ケーシング17内の最下流箇所に上下一対の湾曲片28を別部材として配設したが、これに限ることはない。例えば、上流側ケーシング17の最下流箇所を湾曲片28に相当する形状に形成してもよい。
また、上記実施形態では、連結パイプ22の孔22aを、上流側ケーシング17内での排ガス流通方向の上流側から上流側に向けて連続的に拡大したが、これに限ることはない。例えば図5に示すように、各孔22aの内径を大小2種とし、上流側外周面には小径側の孔22aを形成し、下流側外周面には大径側の孔22aを形成してもよい。
また、上記実施形態では、連結パイプ22の孔22aを、上流側ケーシング17内での排ガス流通方向の上流側から上流側に向けて連続的に拡大したが、これに限ることはない。例えば図5に示すように、各孔22aの内径を大小2種とし、上流側外周面には小径側の孔22aを形成し、下流側外周面には大径側の孔22aを形成してもよい。
また、上記実施形態では、孔22aの内径を変化させることにより上流側外周面と下流側外周面との有効開口面積を相違させたが、これに限ることはない。例えば全ての孔22aの内径を同一とした上で、孔22aの密集度合(即ち、単位面積あたりの孔22aの数)を相違させてもよい。具体的には、上流側外周面に比して下流側外周面では孔22aの数を増加させて密集度合を高くすることにより有効開口面積を大きくしてもよい。また、孔22aの内径及び密集度合を共に相違させてもよい。
1 エンジン
13 排気通路
17 上流側ケーシング
22 連結パイプ
22a 孔
23 下流側ケーシング
24 SCR触媒(アンモニア選択還元型NOx触媒)
27 尿素水インジェクタ
28 湾曲片(湾曲面)
13 排気通路
17 上流側ケーシング
22 連結パイプ
22a 孔
23 下流側ケーシング
24 SCR触媒(アンモニア選択還元型NOx触媒)
27 尿素水インジェクタ
28 湾曲片(湾曲面)
Claims (2)
- エンジンの排気通路に配設され、該エンジンの排ガス流通方向に沿った略筒状をなす上流側ケーシングと、
上記上流側ケーシングの近接位置に配設されて、アンモニアを還元剤として排ガス中のNOxを選択還元するアンモニア選択還元型NOx触媒を収容した下流側ケーシングと、
上流側端部が上記上流側ケーシングの一側面からケーシング内に挿入されると共に、下流側端部が上記下流側ケーシングに接続され、上記上流側端部の上流側ケーシング内への挿入部分の外周面に貫設された多数の孔を経て該上流側ケーシング内の排ガスを内部に導入して上記下流側ケーシングに向けて案内する連結パイプと、
上記連結パイプ内に尿素水を噴射する尿素水インジェクタと
を備えたエンジンの排気浄化装置において、
上記上流側ケーシング内での排ガス流通方向の上流側に相当する上記連結パイプの上流側外周面、及び排ガス流通方向の下流側に相当する下流側外周面は、上記各孔の有効開口面積が上流側外周面に比して下流側外周面の方が大きく設定され、
上記上流側ケーシング内の最下流箇所には、上記連結パイプの下流側外周面に倣った湾曲面が形成されていることを特徴とするエンジンの排気浄化装置。 - 上記連結パイプは、パイプ状に成型したパンチングメタルであり、
上記連結パイプの各孔は、パンチングメタルに打ち抜き加工されたパンチング孔であることを特徴とする請求項1記載のエンジンの排気浄化装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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ID=44190785
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Country | Link |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US8893481B2 (en) | 2013-01-17 | 2014-11-25 | Komatsu Ltd. | Reductant aqueous solution mixing device and exhaust aftertreatment device provided with the same |
US8955312B2 (en) | 2013-01-17 | 2015-02-17 | Komatsu Ltd. | Reductant aqueous solution mixing device and exhaust aftertreatment device provided with the same |
US8991160B2 (en) | 2013-01-17 | 2015-03-31 | Komatsu Ltd. | Reductant aqueous solution mixing device and exhaust aftertreatment device provided with the same |
US9062589B2 (en) | 2013-01-17 | 2015-06-23 | Komatsu Ltd. | Reductant aqueous solution mixing device and exhaust aftertreatment device provided with the same |
-
2009
- 2009-11-09 JP JP2009256110A patent/JP2011099416A/ja not_active Withdrawn
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